説明

身体保護服

【課題】船舶作業、漁業作業、イカダ作業、及び水上スポーツ、又陸上においては機械作業、林草作業、及びオートバイ、自転車等の乗車時の危険な作業から身体を保護する、衣服及びズボンの身体保護服を提供する。
【解決手段】 アラミド系繊維で作製された身体保護服及びズボン等の表面を直射日光を遮へいする為の防護生地又はコーティング等により被って防護層を設け、更に滑り性に富んだ生地で身体保護服及びズボン等に裏地を設け、身体の主要間接部において滑り現象を発生させるように縫合又は接着された身体保護服。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は船舶作業、漁業作業、イカダ作業、及び水上スポーツ、又陸上においては機械作業、林草作業、及びオートバイ、自転車等の乗車時の危険から身体を保護する、衣服及びズボンの身体保護服を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来公営競技のモーターボートレースでは選手の下肢をプロペラ等での裂傷事故から守る為にアラミド系繊維生地で作製されたズボンがあった。
同ズボンはアラミド系繊維生地の厚生地1枚で作製された防水性等のないものである。
そして、その使用期限は強度維持の関係で6ヶ月以内と限定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし次のような問題があった。
(イ)アラミド系繊維は耐カット性、耐刺傷性等に優れた高強度の繊維ではあるが、肌ざわり、滑り性、伸縮性、柔軟性、防水性、保温性及び吸湿性等に欠ける為、瞬時に正確な動作を必要とする際は身体の可動が容易に適格に対応出来ず作業効率も低下する。
これらに対し少しでも順応出来る、安全で健康的な身体保護服が望まれている。
(ロ)競艇選手が、アラミド系繊維ズボンを脱着する際、アラミド系繊維生地は滑り性が悪く又伸縮性と柔軟性も悪い為手間取る。
同ズボンは防水性がない為レース後ズボンが濡れていると柔軟性が更に悪くなり滑りも悪くなるので脱着はよけいに手間取る。
(ハ)同ズボンは防水性、保温性、吸湿性が悪く肌ざわりも大変悪い為選手は別途ズボン下を着用したり、上衣も防寒、防水対策を必要として別途に防寒、防水着等を重ね着をしている。
(ニ)アラミド系繊維は太陽の直射日光に長時間照射されるとその優れた高強度が劣化するので太陽の直射日光を遮へいする防護層を必要とする。
【課題を解決する為の手段】
【0004】
アラミド系繊維生地による身体保護服の表面に防水と直射日光を遮へいする防水性のあるナイロン性生地やビニール性生地等で被って防護層を設ける。
裏面は保護服と身体間に滑り現象を起こすよう滑り用生地を用いて裏地を設け、身体の主要間接部位が滑り状効果により可動が容易になるよう可動領域の接触する位置は非縫合として保持する。
【発明の効果】
【0005】
保護服の裏地に滑り効果に富んだナイロン性生地等を用いて滑り現象が増幅するよう縫合又は接着する事により身体の間接部の可動が楽になると共に脱着も容易になり又保温性及び肌ざわりも良くなる。
直射日光によるアラミド系繊維の劣化防止は防護層により守られるので高価で貴重なアラミド系繊維製品の延命が図れ経済的である。
アラミド系繊維の防水性、保温性、肌ざわりの悪さを改善する事により競艇選手は別途ズボン下の着用と上衣に必要な防水衣及び防寒衣は本保護服が併用できるので極めて有意義である。
身体保護服の着用時において俊敏で適格な作業動作を必要とする際は、身体の主要間接部の肘、膝、臀部等が容易に可動することが求められるが、薄いアラミド系繊維間に滑り用生地を挟む事により各生地間に滑り現象が発生し又柔軟性も増す為動作が楽になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について、図1及び図2を用いて説明する。
本発明で使用される製作用生地は図2に示すように、アラミド系繊維の表面に防護層を設ける。
そのアラミド系繊維に対して滑り用生地、アラミド系繊維、裏地という順に配置されたもので、この生地を利用して服やズボンを形成するように縫合する。
図1aは上衣の背面図、図1bはズボンの背面図、図1cはズボンの正面図となっている。
各事例においてそれぞれの物品を形成するように周辺で縫合されている。
又肘、膝、臀部等の可動領域の周囲は縫合した可動域縫合部となっており各間接部が接触する位置は各生地間の滑り現象を保持する為非縫合とする。
本発明は以上の構成よりなる。
アラミド系繊維は水等で濡れると滑り性が更に悪くなり又伸縮性にも欠ける為保護服のズボンの脱着には手間取っていたが、滑り効果に富んだ生地で保護服に裏地を設けることにより滑り効果が生れ脱着は容易になる。
【0007】
以下本発明その他の実施の形態について図3を用いて説明する。
本発明で使用される製作用生地は、図3で示すようにアラミド系繊維の表面に防護層を設けそのアラミド系繊維に対して裏地と云う順に配置され、服やズボンを形成するように縫合する。
そして前記事例と同様に肘、膝、臀部等の可動領域の周囲は縫合した可動域縫合部となっているが可動領域の周囲を非縫合としてもよい。
本発明は以上の構成よりなる。
本保護服の脱着は前述の様に裏地の滑り効果により容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1a】 本発明の上衣の背面図
【図1b】 本発明のズボンの背面図
【図1c】 本発明のズボンの正面図
【図2】 本発明の要部の断面図
【図3】 本発明の要部の断面図
【符号の説明】
【0009】
1 防護層
2 アラミド系繊維
3 滑り用生地
4 裏地
5 肘間接滑り帯。肘可動用非縫合部
6 臀部滑り帯。臀部(尻)可動用非縫合部
7 膝間接滑り帯。膝可動用非縫合部
8 可動域縫合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラミド系繊維で作製された身体保護服及びズボン等の表面を直射日光を遮へいする為の防護生地又はコーティング等により被って防護層を設け、更に滑り性に富んだ生地で身体保護服及びズボン等に裏地を設け、身体の主要間接部において滑り現象を発生させるように縫合又は接着された身体保護服。
【請求項2】
アラミド系繊維生地二枚を積層して、その積層間に滑り用生地を挟んだ生地で身体保護服及びズボン等に柔軟性を生じさせると共に身体の主要間接部において滑り現象を発生させるよう縫合又は接着された身体保護服。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−204908(P2007−204908A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47428(P2006−47428)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(503285173)
【Fターム(参考)】