説明

身体的弱者を優先的に席に座らせる身体的弱者優先席着座システム、方法及びプログラム

【課題】車両において身体的弱者を優先的に席に座らせる。
【解決手段】身体的弱者の情報をICカードに記録し公的機関が身体的弱者に発行する優先席カード111と、車両の乗客の座席の一部を折畳み式にし未使用時には収納され使用時のみに開放される優先席と、優先席の付近に位置し優先席カードをかざした時ICカードの記録情報を読み取り正常に読み取られ且つ優先席カードが不正使用されていない場合に優先席を収納状態から開放状態にする優先席制御を行うICカード読取装置507と、優先席カードと紛失カードが一致する場合、有効期限が切れている場合、重複使用の場合のいずれかに該当する場合には優先席カードの不正使用として、ICカード読取装置に優先席の収納状態の開放を行わせない乗務員室内の優先席管理サーバ218と、紛失した優先席カードの情報を優先席管理サーバに送信する駅事務室内管理サーバ191とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両に乗車した身体的弱者の優先席に関する。特に、本発明は、身体的弱者を優先的に席に座らせる身体的弱者優先席着座システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般的に利用されている、シルバーシートとも呼ばれる席は、身体的弱者を優先して座らせることを目的とし、優先席と称して列車等公共交通機関に設けられ、身体的弱者が近くにいる時には、その席の利用者が席を譲り、身体的弱者の救済に寄与している。
身体的弱者としては、一般的には、麻痺や欠損等の理由により手足の不自由な人、筋力の弱った高齢者、内臓疾患(例えば、心肺機能や腎機能の低下)の人、手術後間が無く体力の衰えている人、事故等で手足に骨折等の怪我をしている人、目の不自由な人、妊婦、乳幼児連れ等を想定している。
【0003】
これらの人たちは、公共交通機関の車両進行中の揺れや急な発進、停止に対して、ただちに手すりやつり革につかまることは容易でなく、対応が困難である。これらの方は着座していることが安全であることは言うまでもない。
優先席であることが明確になるように、「優先席」と文字で表示したシールや「高齢者、子供連れ、妊婦、怪我人をデザイン化した絵」を表示したシールを乗客の目に付く様に、車体や窓に表示するといった方法、席の近くにある吊り皮の色や座席の色を変えるといった方法、乗務員の優先席に関する不定期な案内による乗客への依頼といった方法で知らしめていた。
【0004】
しかし、一般乗客が優先席を利用していることが多く、本当に必要とする人が利用できないことが多い。
例えば、路線の始発駅に近い駅から乗車する、あるいは、乗車口に並んだ順番に座ることから、健康な者であっても優先席に座ることはでき、早朝の早い時間帯、あるいは、夕方、夜間の帰宅時に疲れて眠ってしまう、酔った者も同様に眠ってしまって、気づいてもらえないことがある。
【0005】
仮に、目が覚めていても気がつかない振りをする、無関心を装う、という乗客もおり、その結果、一般乗客が優先席を占めてしまい、身体的弱者であっても容易に優先席に座ることができない場合があった。
優先席を譲る意思はあっても、自分が眠ってしまっている、身体的弱者が離れた所にいる時には気づかない、あるいは、優先席を立って声をかけに行く間に別の人に座られてしまう、といったことがある。
【0006】
内臓疾患等の持病を持つ人、手術直後で体力が低下している人等は、外見からはその状態は周囲には分からず、優先席を譲ってもらえるように声をかけられる可能性は低いと考えられる。
自ら、優先席に座っている方に声をかけて譲ってもらえるように依頼するとしても、快く優先席を譲ってくれる人ばかりとは必ずしも言えず、声をかけるのをためらうことが考えられる。
【0007】
外見的には健康な人と思われる人が優先席に座っており、身体的弱者に席を譲る気配の無い時も見受けられる。
その結果、身体的弱者が優先席に座ることができるのは、先に優先席に座っていた人の好意により、座らせてもらうときだけであった。
この場合でも、怪我や乳幼児連れ、高齢者、白杖を持つ人の様に外見から判断できる身体的弱者には優先席を譲る好意を示してくれる人もいるが、外見だけでは分からない内臓疾患の患者、手術を受けて体力の回復途中の患者、ペースメーカ使用者等は一般の健康な者と同列に見られてしまう可能性があり、優先席を譲ってもらえる機会は少ないといえる。
【0008】
その様な時には、身体的弱者は優先席が空くのを待つか、自ら自分の状況を説明し、優先席を譲ってくれるように依頼するしかなかった。
しかしながら、快く優先席を譲ってくれる人ばかりとは必ずしも言えず、声をかけるのをためらうことが考えられる。
前述のように、優先席を明示するために、付近の窓等に、「高齢者、子供連れ、妊婦、怪我人をデザイン化した絵」、「優先席」という文字を表示したシールを貼ったり、優先席付近の吊り革の色や表示、あるいは、座席の色を変えたりして違いを強調しているが、日頃、電車を利用している時に様子を見ていると、席を譲る人が全く無いとは言えないが、ほとんど効果はないと言える。
【0009】
乗務員による放送で、「優先席を必要としている方に席をお譲り下さい。」といった趣旨の案内放送を行っているが、近くに松葉杖を持った人が立っている時ですら、譲ってもらえなかった事例が見られ、案内放送の効果は弱いと考えられる。
従って、優先席を譲られることを期待しない身体的弱者は先に出る列車に乗らず、次の列車に乗れる位置に並び、後から出発する列車に先に乗れる位置を確保するという方法で優先席を確保してきた。
【0010】
このような事態を改善した従来例として、「報知装置」の一例が特許文献1に記載されている。図には表していないが、この方法は優先席の上部、網棚の下部にほぼ密着するように当該発明の報知装置を取り付けるように構成してある。
次に、この報知装置には、周囲の乗客から見える位置に、例えば、「この席は心豊かな譲り合い専用席です。」と文字が掲示してあり、適当な時間、例えば、10分から15分の間に一度、「この座席は譲り合い専用席です。御老人や妊産婦、小さいお子様連れの方、あるいは、お体の不自由な方が近くに立っていらっしゃいましたら、ぜひこの席を譲ってあげてください。」と、予め決められた内容の表示と言葉を自動的に放送することで優先席に座っている乗客に注意を促すように動作する。
【0011】
また、当該発明の報知装置上部前面中央にある押しボタンの左右に「座らせてあげたい人が立っている時は、このボタンを押して下さい。」と表示されており、一般健常者の乗客がこれら視聴覚情報を無視して優先席に座っている時に、前記弱者がそばに立っている場合、周囲の人が見かねてこの押しボタンを押すと、先の内容の放送が流れるように動作する。(特許文献1:実用新案第3061315号)
【0012】
しかし、上記特許文献1には背景技術の冒頭で述べたような、外見から分からない身体的弱者が座っているにも関わらず、周囲の人にはそれと分からず、この報知装置を作動させてしまうという欠点がある。また、頻繁に操作を行うと座っている人は不快に感ずる欠点がある。
さらに、この方法を改善した従来例として、「列車優先席放置システム、方法、駅サーバおよびプログラム」の一例が特許文献2に記載されている(特許文献2:特開2004−164302号広報(特許第3934534号))。
【0013】
この特許文献2の動作を下図を用いて説明する。
図20は従来の列車優先席報知システムを示す図である。
本図に示すように、この従来の「列車優先席報知システム、方法、駅サーバおよびプログラム」はユーザ携帯端末10、ホーム端末20、駅サーバ30、身障者管理サーバ40、列車端末50、優先席装置60で構成されている。
【0014】
さらに、ホーム端末と駅サーバはネットワーク100で、駅サーバと列車端末はネットワーク200で、列車端末と優先席装置はネットワーク300で、駅サーバと身障者管理サーバはネットワーク(このネットワークはインターネットである(段落0012)。)400で接続されるように構成されている。このシステムを「列車優先席報知システム」と呼称している。
【0015】
このような構成を有する「列車優先席報知システム」は次のように動作する。
すなわち、身体障害者が使用するユーザ携帯端末10からホーム各所に設けられるホーム装置20に、身体障害者の使用する携帯端末の内部に予め記憶された身障者情報を携帯端末の送信操作を行うことで送信する手段を有しており、ホーム装置はその身障者情報を受信する手段を有している。
【0016】
ここで、ユーザ携帯端末10とホーム装置20の間の情報の送受信は、赤外線通信やブルートゥースを含んだ近距離無線装置により行われることを特徴とする。
また、ホーム装置は各車両に対応した位置に設置されていると記述されている(段落0016、0022)
前記ホーム装置20は、駅のホームの各車両に対応した位置の柱等に設置された情報処理装置で、この装置にはこの装置が対応するホームや車両を識別するためのホームIDと車両番号が予め格納されている。
【0017】
このホーム装置20に予め格納されている前記情報(ホームID、車両番号)に、身体障害者が送信操作を行うことで送信してきた身障者情報を前記情報に付加して、ネットワーク100を介して駅サーバ30に通知する。
身障者管理サーバ40には、身体障害者により予め登録された、性別、年齢層、持ち物、着用品、特徴の少なくともひとつ以上を含んで構成されており、その情報はネットワーク400を介して駅サーバ30が取り込めるようにできている。
【0018】
駅サーバ30が取り込んだ情報(身体障害の使用するユーザ携帯端末10に記憶してあり、ホーム装置20を介して得られる身障者情報、ホーム装置20に記憶してあるホームIDと車両番号に関する情報、身障者管理サーバ40から取り込んだ情報)は、駅サーバ30から列車端末50にネットワーク200を介して通知される。
これらの情報を処理することで、身体障害者が乗車する車両のホームID、列車のID、車両番号、アナウンス情報として身体障害者が予め登録した身体障害者に関する性別、年代、特徴等の任意の情報が、ネットワーク300を介して優先席装置60に通知される。
【0019】
さらに、このアナウンス情報が優先席装置60で音声、または、文字表示によって、通知、または、表示される。
この様にして、身体障害者が乗り込むと思われる列車の車両を特定し、その車両の優先席を利用している健康な人に、身体障害者が乗り込んだ時に分かるように、その身体障害者の特徴を知らしめて、優先席を譲りやすいように動作する。
【0020】
この従来技術は、身体障害者の最も近いホーム装置20との通信による情報交換、及び、別のホームに設けられたホーム装置20との通信による情報交換は行われないことが望ましい形態であると推定できる。
つまり、身体障害者がユーザ携帯端末10から送信操作を行う際の位置が列車の中央付近か、連結部付近か、あるいは、乗車しようとする列車の入線するホームの近くか、離れているか(言い換えると、隣のホームに近い位置か、遠い位置か)で誤動作する可能性が考えられる。
【0021】
もう少し、この誤動作の可能性について述べると、通信するホーム装置20はただひとつであることが望ましく、この条件で、身体障害者が乗り込む車両番号を特定しようとしていることにあり、二つのホーム装置で通信することになると複数の車両番号が候補となってしまう。
従って、この従来技術にはホーム装置20と身体障害者の使用するユーザ携帯端末10の間隔が適当でない位置、例えば、ホーム装置20のほぼ中間に身体障害者がいる場合には、その両側ホーム装置20で情報を受けてしまう可能性があり、乗り込む場所に合致するホーム装置20の近傍に身体障害者は移動を強いられるという欠点がある。
【0022】
あるいは、ひとつのホーム装置と通信ができたとしても、身体障害者のいる位置が列車の連結部付近に近い位置であるような場合、車両に乗車している乗客の込み具合で、隣の車両を選択する可能性が考えられる。
さらに、身体障害者の送信操作を行う位置が周囲の混雑などで、乗車しようとする列車の入線するホームから離れている(言い換えると、隣のホームに近くなる。)と、隣のホームにあるホーム装置と通信を行うことになり、乗車しようとする列車が異なってしまう可能性があるという欠点がある。
【0023】
さらに、従来例として、特許文献3では、鉄道等の優先席を乗車券購入時に予約可能とし、予約された優先席を列車等の中で表示するため、乗車券購入端末のカード投入口にシルバーカードが挿入されて優先席予約ボタンが押されたことを検出すると、乗車券管理サーバは優先席管理データベースを参照して優先席が予約可能であるかを判断し、予約可能であった場合、該当列車の予約された優先席に設置された表示装置に予約済みであることを表示させ、乗車券購入端末は優先席予約付乗車券を発券し、予約不可であった場合、乗車券購入端末は通常乗車券を発券するものもあるが、しかしながら、車両において身体的弱者を優先的に席に座らせるものではない。
【0024】
さらに、従来例として、特許文献4では、使用許可を受けたユーザのみが確実に座席を使用できるシステムを提供するため、登録機が乗車券券売機である場合、ユーザはICカードを登録機に差込んで使用許可データを記録するか否かを選択し、記録する場合は、登録機はICカードのチャージ金額から所定の金額を差し引くと共に、そのICカードに使用許可データを記録し、ユーザはこのICカードを持って電車に乗り、開閉式座席のR/W装置にICカードを接触させ、使用許可データが検出されると、開閉式座席のロック状態が解除されて着席可能となるものもあるが、しかしながら、車両において身体的弱者を優先的に席に座らせるものではない。
【0025】
【特許文献1】実案第3061315号公報
【特許文献2】特開2004−164302号公報
【特許文献3】特開2004−178292号公報
【特許文献4】特開2007−131224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて、車両において身体的弱者を優先的に席に座らせる身体的弱者優先席着座システム、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は前記問題点を解決するために、身体的弱者を優先的に席に座らせる身体的弱者優先席着座システムにおいて、身体的弱者の情報をICカードに記録し公的機関が身体的弱者に発行する優先席カードと、公共交通機関の車両の乗客の座席の一部を折畳み式にし、未使用時には収納され、使用時のみに開放される優先席と、前記優先席の付近に位置し、前記優先席カードをかざした時、ICカードの記録情報を読み取り、正常に読み取られ且つ優先席カードが不正使用されていない場合に前記優先席を収納状態から開放状態にする優先席制御を行うICカード読取装置と、前記ICカード読取装置により読み取られたICカードの記録情報、優先席の使用状況を管理し、優先席カード発行番号が紛失した優先席カード発行番号と一致する場合、優先席カードの有効期限が切れている場合、又は、優先席カードの重複使用の場合のいずれかに該当する場合には優先席カードの不正使用として、前記ICカード読取装置に前記優先席の収納状態の開放を行わせない乗務員室内の優先席管理サーバと、前記優先席管理サーバに無線で接続され、紛失した優先席カードの情報を管理し、前記優先席管理サーバに送信する駅事務室内の駅事務室内管理サーバとを備えることを特徴とする身体的弱者優先席着座システムを提供する。
【0028】
さらに、前記優先席カードには、発行理由、パスワード、優先席カード発行日、有効期間から算出した有効期限等が優先席カード発行番号とともに記録される。
さらに、前記乗務員室内の優先席管理サーバに設けられる優先席管理データベースには優先席ID番号、空席、使用中、故障で開放中、故障で固定収納中を含む優先席使用状況、使用中優先席カード発行番号、使用開始日と時刻、使用終了日と時刻等のログ情報、紛失した優先席カード情報が記録される。
【0029】
さらに、前記優先席管理サーバは優先席カードの有効期限が切れている場合、使用した優先席カード発行番号と紛失した優先席カードの発行番号とが一致する場合、優先席カードの重複使用の場合は、前記優先席管理サーバから前記駅事務室内管理サーバに前記優先席の収納状態を解除しないことを通知し、前記優先席管理サーバ及び前記駅事務室内管理サーバに優先席カードの不正使用であることを表示する。
【0030】
さらに、優先席使用状況、使用中優先席カード発行番号、使用開始日と時刻、使用終了日と時刻等のログ情報を、統計情報用データベースに記憶し、前記乗務員室内の優先席管理サーバから駅事務室内の駅事務室内管理サーバ、インターネット網を介して公的機関の管理サーバに送付され、前記管理サーバで使用頻度が高い優先席カード、短い時間帯で距離の離れた異なる路線の公共交通機関で使用されている優先席カードの統計処理により不正使用の分析が行われる。
【0031】
さらに、前記ICカード読取装置には、使用中の優先席に対して最も近い他の空き優先席の案内情報、優先席の故障情報、優先席カードの有効期限切れに関する情報、優先席利用の申し込み方法を表示する表示部が設けられる。
さらに、前記ICカード読取装置にはICカードの登録情報が正常に読み取れた場合に点灯する読取結果正常表示部と、ICカードの登録情報が正常に読み取れない場合に点灯する読取結果異常表示部が設けられる。
【0032】
さらに、前記ICカード読取装置には、優先席を開放状態から収納状態にする座席収納ボタン、前記座席収納ボタンの押下による収納時に優先席の収納を緊急停止させる緊急停止ボタン及び乗務員室の乗務員を呼び出す乗務員呼出ボタンが設けられる。
さらに、前記ICカード読取装置及び前記乗務員室には、前記乗務員呼出ボタンの押下時に警報音を鳴らし乗務員室の乗務員を呼び出し、身体的弱者を含む乗客から乗務員に対して優先席の収納解除を依頼する会話を行うためのマイクロフォン及びスピーカ部が設けられる。
【0033】
さらに、前記ICカード読取装置の前記スピーカ部は、優先席の使用時に最も近い他の空き優先席の案内情報、優先席の故障情報、優先席カードの有効期限切れに関する情報を音声で出力する。
さらに、前記ICカード読取装置には、優先席の座席が正しく収納されているか、収納中に人や物体の挟み込みが無いかという情報を検出するための機械的、光学的、電気的なセンサとして、マイクロスイッチ、フォトトランジスタとフォトダイオードの組み合わせ、圧力センサを含む優先席センサ群が設けられ、前記優先席センサ群が優先席の座席が正しく収納されず、又は、収納中に人や物体の挟み込みがあるという情報を検出した場合には、優先席の収納が中止される。
【0034】
さらに、前記ICカード読取装置の内部には、優先席を手動で収納固定解除を行う手動固定解除スイッチが設けられ、内部が開けられないように施錠され、施錠を開錠することにより前記手動固定解除スイッチの操作を可能とする。
さらに、前記乗務員室の優先席管理サーバでは車両内の優先席に対して、優先席IDを指定して収納されている優先席を個別に収納解除し、又は、収納されている優先席の全てを収納解除する。
【0035】
さらに、前記ICカード読取装置は、優先席IDを記憶する座席ID記憶部を管理し、前記優先席管理サーバにより指定された優先席IDを前記座席ID記憶部より呼び出し、個々に識別する。
さらに、前記ICカード読取装置は、優先席カードを読み取ったとき、優先席が使用中の場合には、前記優先席管理データベースから空き優先席を検索し、前記座席ID記憶部から使用中の優先席から最も近い空き優先席を検索する。
【0036】
さらに、前記駅事務室内の駅事務室内管理サーバは紛失された優先席カードの情報を記憶する紛失カード管理データベースの管理を行い、前記駅事務室内管理サーバから前記乗務員室の優先席管理サーバに紛失した優先席カードの情報を通知し、優先席管理データベースに記憶させる。
さらに、前記乗務員室には前記優先席管理サーバと無線通信が可能である乗務員用携帯型端末が備えられ、前記乗務員用携帯型端末は、故障のICカード読取装置に代わり、優先席カードの情報を読み取ることが可能であり、正常に読み取った優先席の情報、故障のICカード読取装置の故障情報を前記優先席管理サーバに通知し、優先席管理データベースに、通知した優先席情報、ICカード読取装置の故障情報を記憶させ、登録情報を更新させ、前記ICカード読取装置の施錠が開錠されて開けられた内部の手動固定解除スイッチの操作で優先席の収納固定が解除される。
【0037】
さらに、前記優先席管理サーバは、優先席管理データベースがICカード読取装置の故障情報を記憶した場合、該当するICカード読取装置の表示部に故障のメッセージを表示させる。
さらに、前記乗務員用携帯型端末は優先席カードに記録されている有効期限をより短縮できる。
【0038】
さらに、前記駅事務室内には前記乗務員室の前記優先席管理サーバと無線通信が可能である乗務員用携帯型端末が備えられ、前記乗務員用携帯型端末は、優先席カードの情報を読み取ることが可能であり、故障のICカード読取装置に代わり、優先席カードを正常に読み取った場合には前記ICカード読取装置の施錠が開錠されて開けられた内部の手動固定解除スイッチの操作で優先席の収納固定が解除される。
【0039】
さらに、前記乗務員用携帯型端末は、キーボードからパスワードの入力が可能であり、入力したパスワードと読み取った優先席カードのパスワードを照合し、不一致の場合には、前記駅事務室内サーバに優先席カードの情報を送付し、紛失カード管理データベースに記憶された紛失カードの情報と送付された優先席カードの情報を照合させる。
さらに、公的機関の管理サーバは、優先席カードの交付を申請する身体的弱者の情報を記憶する被交付者データベースを管理し、ICカードリーダライタを用いて、優先席カードを発行し、紛失した優先席カードの再発行を可能とし、さらに、発行した優先席カードの有効期限の更新を可能とする。
【0040】
さらに、公的機関の管理サーバは、紛失した優先席カードの情報を記憶する優先席利用カード紛失管理データベースを管理し、前記駅事務室内管理サーバは、インターネット網を介して、前記公的機関の管理サーバから紛失した優先席カードの情報を定期的に受け取り、紛失カード管理データベースに記憶させる。
さらに、公的機関の管理サーバは、大病院からインターネット網を介して通知された患者情報を一時的に記憶する被交付者申請用一時データベースを管理し、公的機関への優先席カードの申請があった場合に被交付者申請用一時データベースに記憶されている該当情報を前記被交付者データベースに登録させる。
【0041】
さらに、前記優先席カードの表面上に発行番号、発行機関コード、発行機関名、発行機関連絡先電話番号、有効期限等の情報が表示される。
さらに、前記優先席カードの表面上に本人確認用の写真を印刷する。
さらに、前記優先席カードの表面上に表示された情報を点字で表示する。
さらに、前記優先席カードの表面上に高齢者、妊娠中、内臓疾患を意味するデザイン化したシールを貼る。
【0042】
さらに、前記優先席カードに使用する媒体と、その読取装置をICチップに加えてRFIDタグ、赤外線通信、磁気カード、Bluetooth、一次元、二次元バーコード、超音波を含む電気的、磁気的、光学的、音響的な短距離通信の非接触手段又は接触手段に任意の1つとする。
さらに、前記優先席カードに代わる媒体を、疾病を有する人体の心臓、肺、肝臓、胃、眼球を含む臓器の小模型及び人体の全身像を模した模型の任意の1つの内部にICチップ、RFIDタグを含む媒体の任意の1つを組み込んで、キーホルダの形態にする。
【0043】
さらに、前記キーホルダに発行機関、連絡先、発行番号を含む記述を行うタグを付属させる。
さらに、前記タグは円、楕円、正方形、長方形の任意の1つの形状を持つ。
さらに、前記キーホルダの形態の模型に絆創膏を十字に貼って白く表示を行う。
さらに、身体的弱者の自宅内に設けられた端末からインターネット網を介して、予め付与されたログインIDとパスワードを使用して、公的機関の管理サーバに接続し、本人認証後に優先席カードの更新を可能とする。
【0044】
さらに、前記ICカード読取装置は車両のドアの付近に設けられ、優先席カードを読み取った場合には、優先席までの通路を譲ってくれるような案内の表示や音声での案内を行う。
さらに、前記ICカード読取装置は前記優先席カードに記憶されている優先席カード発行番号を仕様通り読み取れた場合には前記優先席カードを正常に読み取れたと判断する。
さらに、本発明は、身体的弱者を優先的に席に座らせる身体的弱者優先席着座方法において、身体的弱者の情報をICカードに記録し公的機関が身体的弱者に優先席カードを発行する工程と、公共交通機関の車両の乗客の座席の一部を折畳み式にした優先席を未使用時には収納しておく工程と、前記優先席の付近に位置するICカード読取装置に前記優先席カードをかざした時、ICカードの記録情報を読み取り、正常に読み取られ且つ優先席カードが不正使用されていない場合に前記優先席を収納状態から開放状態にする優先席制御を行う工程と、乗務員室内の優先席管理サーバで前記ICカード読取装置により読み取られたICカードの記録情報、優先席の使用状況を管理し、優先席カード発行番号が紛失した優先席カード発行番号と一致する場合、優先席カードの有効期限が切れている場合、又は、優先席カードの重複使用の場合のいずれかに該当する場合には優先席カードの不正使用として、前記ICカード読取装置に前記優先席の収納状態の開放を行わせないようにする工程と、前記優先席管理サーバに無線で接続される駅事務室内の駅事務室内管理サーバで紛失した優先席カードの情報を管理し、前記優先席管理サーバに送信する工程とを備えることを特徴とする身体的弱者優先席着座方法を提供する。
【0045】
さらに、本発明は、身体的弱者を優先的に席に座らせる身体的弱者優先席着座プログラムにおいて、身体的弱者の情報をICカードに記録し公的機関が身体的弱者に優先席カードを発行する手順と、公共交通機関の車両の乗客の座席の一部を折畳み式にした優先席を未使用時には収納しておく手順と、前記優先席の付近に位置するICカード読取装置に前記優先席カードをかざした時、ICカードの記録情報を読み取り、正常に読み取られ且つ優先席カードが不正使用されていない場合に前記優先席を収納状態から開放状態にする優先席制御を行う手順と、乗務員室内の優先席管理サーバで前記ICカード読取装置により読み取られたICカードの記録情報、優先席の使用状況を管理し、優先席カード発行番号が紛失した優先席カード発行番号と一致する場合、優先席カードの有効期限が切れている場合、又は、優先席カードの重複使用の場合のいずれかに該当する場合には優先席カードの不正使用として、前記ICカード読取装置に前記優先席の収納状態の開放を行わせないようにする手順と、前記優先席管理サーバに無線で接続される駅事務室内の駅事務室内管理サーバで紛失した優先席カードの情報を管理し、前記優先席管理サーバに送信する手順とを備えることを特徴とする身体的弱者優先席着座プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0046】
以上説明したように、本発明によれば、身体的弱者の情報をICカードに記録し公的機関が身体的弱者に優先席カード発行し、公共交通機関の車両の乗客の座席の一部を折畳み式にした優先席を未使用時には収納しておき、優先席の付近に位置するICカード読取装置に優先席カードをかざした時、ICカードの記録情報を読み取り、正常に読み取られ且つ優先席カードが不正使用されていない場合に優先席を収納状態から開放状態にする優先席制御を行い、乗務員室内の優先席管理サーバでICカード読取装置により読み取られたICカードの記録情報、優先席の使用状況を管理し、優先席カード発行番号が紛失した優先席カード発行番号と一致する場合、優先席カードの有効期限が切れている場合、又は、優先席カードの重複使用の場合のいずれかに該当する場合には優先席カードの不正使用として、ICカード読取装置に優先席の収納状態の開放を行わせないようにし、優先席管理サーバに無線で接続される駅事務室内の駅事務室内管理サーバで紛失した優先席カードの情報を管理し、優先席管理サーバに送信するようにしたので、普段は固定されていて使用できない状態の優先席が、優先席カードの読み取りで固定解除を行うというように構成されており、優先席を必要とする身体的弱者が言葉通り優先的に席を確保することができることにある。
【0047】
その理由は、自治体等の福祉部門から発行される証明書が無いと利用可能な状態にすることができない構造を有しているためである。
さらに、優先席を必要とする身体的弱者が乗車した車両に優先席が使用されていても、その近くに設けられた、メッセージ表示部、あるいは、メッセージの音声出力を行う装置で構成されており、その読取装置に証明書を読み取らせることで近くにある優先席の案内をすることができることにある。
【0048】
その理由は、優先席の使用状況を電車等に搭載した管理サーバが空席状況を把握しており、最も近い空席を、メッセージ、あるいは、音声で身体的弱者に知らしめる機能を有しているためである。
さらに、優先席カードの所有者が、優先席カードの盗難、遺失、紛失に気づいた際に発行機関に届け出ると、発行機関のDBに紛失情報として登録され、さらに、その情報は公共交通機関の事務所に設けたられたサーバが有するDB、あるいは、公共交通機関が有するDBにも通知されるように構成されており、悪意のある第三者が届けの出ている優先席カードで優先席を不正に利用すると、そのDBに登録されている優先席番号が一致し、警告が表示されることで不正利用者を見つけ出すことができることにある。
【0049】
その理由は、乗務員や駅員の携帯型端末の情報、あるいは、乗務員室内管理サーバにある情報と紛失カード情報を地方自治体福祉部門の管理サーバから入手して、利用されたカード番号との照合ができるためである。
さらに、使用ログを採取し、使用頻度の統計を取り、使用頻度が高く同一の発行番号の優先席カードが無理な使用状況で使われていないか情報を残すことができるように構成されており、近い時間帯で距離の離れた異なる路線の電車等を利用している、といった不正使用と思われる事象を見つけることができることにある。
【0050】
その理由は、電車等の優先席管理サーバに登録される、優先席カード発行番号、使用時間の情報を発行元のサーバに送信することができ、使用状況の分析ができるためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
次に、本発明の実施例の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施例に係る身体的弱者優先席着座システムの全体構成を表すブロック図である。図1を参照すると、本発明の第1の実施例の身体的弱者優先席着座システムは、大きく、地方自治体福祉担当部門100、都道府県立病院、あるいは、大学病院等の大病院120、個人病院140、公共交通機関160、インターネット網180、駅事務室190等の施設や設備で構成されている。
【0052】
さらに、詳細な構成について順を追って述べる。はじめに、地方自治体福祉担当部門100について説明する。地方自治体福祉担当部門100は、公的機関、例えば、区役所、市役所、町村役場等の自治体であり、優先席利用カード111を発行する。
地方自治体福祉担当部門100には、本発明の優先席利用カード111(以降、特に断らない限り、単に優先席カードと表現する。)の交付を申請する被交付者(患者等)101から102がいる。なお、優先席カード111はIC(Integrated Circuit、以下、ICと記述する。)カード等のように、電気的に読み込み書き込み可能な媒体で構成される。優先席カード111は優先席を必要とする身体的弱者であるという情報を保存し、後述する公共交通機関の折畳み式の優先席の固定を開放して身体的弱者に対して利用可能状態にし、着座可能とする。優先席は、優先席カード111を持たないものが座ろうとしても、折り畳んだ状態を容易に解除できず、座ることができない構造を有している。
【0053】
また、場合によっては医師の診断結果等を示す証明書104を持参している被交付者103もいる。
また、地方自治体福祉担当部門には窓口担当者106がいる。
プログラムで動作する端末107は、情報の表示を行う端末表示部108、入力装置であるキーボード(図には表示していないが、ポインティングデバイスであるマウス、トラックボール、タッチペン等の入力装置もあればそれらも含むものとする。以降の入力装置という記述においても同じである。)110、端末107に接続されて、ICカードの書込みや読み出しを行うICカードリーダライタ109で構成されている。
【0054】
別に、プログラムで動作する管理サーバ112は、管理サーバ112に付属して、情報を記録する記憶部113で構成される。
記憶部113は、その記憶部113に登録されて、管理サーバ112が管理(被交付者情報の新規登録、更新、削除、修正等)を行う被交付者データベース(以降、データベースをDBと記述する。)114(後述する図12参照)、一時的な被交付申請希望者用のデータベースを蓄積する被交付者申請用一時データベース115、さらに、優先席利用カード紛失管理データベース116で構成されている。
【0055】
ここでいう紛失は、盗難、遺失、紛失等、理由を問わず手元からなくしてしまったもの全てを言っている。以降の記述についても特に断らない限り同じ表現を使用する。
その他に、被交付者101、102、103が優先席カード111の交付を申請する為の書類である申請書b105は被交付者101、102、103から地方自治体福祉担当部門100に交付を希望した確証でもある。
【0056】
被交付者を101から103の3人で表現しているが、3人以下でも、3人以上でも構わない。
また、申請書b105に確証となる書類を添付する場合もある。それは、被交付者が大規模な情報処理システムを有する病院や保健所120から地方自治体福祉担当部門100に来る場合と、大規模な情報システムを持たない個人病院140から地方自治体福祉担当部門100にくる場合とで異なるためで、確証を添付する場合の違いについては、大病院、保健所等120、あるいは、個人病院140の説明を後述する際に触れることにする。
【0057】
端末107と管理サーバ112は、第一のローカルエリアネットワーク(Local Area Network、以降、特に断らない限り、LANと記述する。)LAN117で接続されており、相互に情報の交換を行うことができるように構成されている。
次に、患者の個人情報、診察情報、検査情報等を管理する管理サーバや端末、さらに、ファイアウォール、情報技術におけるウィルス対策機能(以降、特に断らない限り、ウィルスと記述した場合は、医学的な意味でのウィルスではなく、情報技術における不正動作を実行するウィルスのこととして記述する。)、暗号化といったセキュリティに配慮された設備を有し、インターネット網を介して情報の交換を安全に行えるような病院を大病院と称することにする。
【0058】
また、保健所でも前述のような設備を有するなら大病院と同等と見做して、以降は、同じ番号呼称で保健所120、または、大病院等120として表現する。
しかし、前述のような設備を持たず、インターネット網を介して情報の交換を行うことに関し、情報の漏洩やウィルス対策機能が弱く、セキュリティに配慮されていない病院や保健所を個人病院140、あるいは、保健所140という表現し、説明の上では同じ番号呼称で記述する。また、両方を合わせて、個人病院等140と記述する。
【0059】
まず、大病院120について述べる。
大病院120には、医師121、診察を受ける患者A122、診察結果を記録するカルテ123がある。診察を終了し、窓口で待つ患者128、その患者に対応する病院職員127、病院職員が操作する、プログラムで動作する端末131、患者からの申請情報や医師の診察結果を記録したカルテの情報を管理、登録する、プログラムで動作する管理サーバ132で構成されている。
【0060】
管理サーバ132に接続された記憶装置133内には患者情報を記録しておく患者データベース134(後述する図11参照)がある。
端末131と管理サーバ132はLAN135で接続されており、さらに、管理サーバ132とネットワーク網180を接続するネットワーク182があり、これらのネットワークを介して情報の交換が行われる様に構成されている。
【0061】
ここで、医師121に診察してもらっている患者A122は、診察の後には窓口で待つ患者128、地方自治体福祉部門における被交付者102と同一人物である。また、患者Aは後述の保健所120における妊産婦125の場合もある。
さらに、セキュリティに配慮したネットワーク通信が可能な設備類がある保健所120として構成を述べる。
【0062】
保健所120の説明において、保健師は、場合によっては、医師の指示で補助を行うこともあり、また、法令に基づき実施できることを行う。従って、医師124を保健師124と表現することもある。両方を合わせて医師等124と記述する場合もある。
このような保健所に、医師等124と相談を望む妊婦や、定期健診を受ける産婦(説明文中で、これらの妊婦や産婦を患者Cという呼称を用いることもある。)125、妊産婦125の相談を受けて助言、指導、診察を行う医師124がいる。
【0063】
医師124、または、保健師124は妊産婦(患者C)125の相談を受け、妊娠していることを診察や母子手帳で確認し、その結果を記録する、カルテや検診結果である記録126を作成する。
また、先に説明したのと同様に、患者C125は、窓口においては患者129であり、地方自治体福祉部門における被交付者101と同一人物である。
【0064】
優先席カード111の交付を受けようとする患者が、大病院等120の受付窓口で、必要事項を書込み、大病院等の職員127に自身の情報を地方自治体福祉部門に送付することを申請するための申請書a130がある。
保健所120に設けられるハードウェアの構成は大病院120と同等であり、その構成は大病院120の物と共用して表している。例えば、職員127、申請書a130、端末131、管理サーバ132、記憶装置133、患者データベース134、LAN135、ネットワーク182等である。
【0065】
次に、個人病院140、あるいは、小規模の保健所140について述べる。ここでいう個人病院、小規模の保健所とは、大病院等についての構成を述べた時に触れた、情報通信、情報処理等における、データベースへの不正アクセス、ウィルス対策、情報漏洩等に対する対策を持たない病院施設や保健所をいう。
これらの、個人病院や保健所で有するサーバや端末をネットワーク網に接続することは、前述のような不正なアクセスやウィルス等に対する対策を取ることができないことから、ネットワーク網を介さず、いわゆる、スタンドアローンの形態で情報処理装置は使用され、紙媒体等の証明書により情報を交換することにする。
【0066】
また、個人病院140と表現しているが、場合によっては、個人病院と同様な情報処理上の規模が小さな保健所も、保健所140というように、個人病院と同じ番号呼称で表現する場合もある。この両方を個人病院等140として表現する場合もある。
個人病院等140は、医師141、患者B142、優先席カード111の交付を受けるのに必要な証明書143で構成されている。図には表示されていないが、医師141の支援や補助を行う看護師、会計処理やカルテの準備等を行う事務員もいる。
【0067】
小規模保健所においても、医師141、あるいは、保健師141がおり、妊産婦や患者B142、乳幼児の有無、産後の経過、患者においてはその病状を証明する証明書143があり、診察が主である個人病院と乳幼児の定期検診等を主に行う保健所との相違程度で、構成についての相違はほとんどない。
続いて、公共交通機関160についての構成を述べる。公共交通機関160は電車、バスを意味し、以後、電車等と記述する。
【0068】
本発明では電車を一例として述べており、公共交通機関であるバスにおいても座席の配置等に違いはあるものの、電車一両と同様の構成と考えられることから、電車の車両を例に説明する。また、その両方を電車等と表す。
電車160においては、電車の1両以上の車両161には乗客の座席のうち、本発明による優先席が複数設けられており、車両161に対して、複数の乗客162、163、・・・、16nが並んでおり、乗客163は、例えば、身体的弱者の被交付者101であり、地方自治体福祉担当部門100で交付された優先席利用カード111を保有しており、車両161内の優先席を利用することが可能である。
【0069】
ここでは特に電車等の進行方向を指定してはいないが、電車等の最前部と最後部には乗務員が乗務している区画である乗務員室172、173がある。
駅事務室190等に設置し、プログラムで動作する駅事務室内管理サーバ191、駅事務室内管理サーバ191が有している電車乗務員室間無線通信制御部193、アンテナ194を介して、情報の通信を行うための、乗務員室172、173内、あるいは、その付近に設けられた、アンテナ174、175が備えてある。図には表示していないが、それらのアンテナ174、175から無線による情報を送受信するための無線通信制御部も乗務員室に設けてある。
【0070】
電車等160のさらに詳細な構成は図3以降で説明する。
続いて、駅事務室190についての構成を述べる。一部は既に述べたが、駅事務室190は、プログラムにより動作する、駅事務室内管理サーバ191、プログラムやデータベースを記憶する記憶装置192、電車等の乗務員室172、173と情報の通信ができるように、電車乗務員室間無線通信制御部193、アンテナ194で構成されている。
【0071】
また、駅事務室内管理サーバ191はインターネット網180とネットワーク183で接続されている。
図1には全てを表示できないため、駅事務室内管理サーバ191とその周囲、及び、他の構成との関係についての詳細を、下図を用いて説明する。
図2は図1における駅事務室内管理サーバ191とその周辺の詳細を示すブロック図である。図2を参照すると、駅事務室190は、プログラムにより動作する駅事務室内管理サーバ191、情報を表示する表示部202、駅員212が入力するためのキーボード203、プログラムやデータベース等を記憶するための記憶装置192、電車等の乗務員室172、173に設けられた駅事務室間無線通信制御部219との通信を行うための電電車乗務員室間無線通信制御部193で構成されている。
【0072】
優先席カードの盗難や遺失、あるいは、紛失して届けが出されたカード情報を管理している自治体の管理サーバ112(図1参照)、自治体からの情報を交換するための、ネットワーク181(図1参照)、インターネット網180(図1参照)、ネットワーク183(図1参照)で構成されるネットワークを介して情報を受取る駅事務室内管理サーバ191の周辺は、駅事務室内管理サーバ191に付属して情報を記憶する記憶装置192、紛失カードの管理を行う、記憶装置192内の紛失カード管理データベース205で構成されている。
【0073】
その他には駅事務室内管理サーバ191と、情報交換を行う、検索作業等を行う、といった業務を行うための駅構内端末208、駅構内端末208の情報を表示する表示部209、データの入力を行うキーボード210、プログラム等を記憶する記憶部211、駅事務室内管理サーバ191と駅構内端末208を接続するLAN207、駅員212で構成されている。
【0074】
駅構内端末208は図では1台のみ表示されているだけであるが、1台であっても、それ以上であっても良い。駅事務室内管理サーバ191のみで必要な操作ができるなら、無くても良い。
周辺の電車等の乗務員室172、173には乗務員222が可搬でき、かつ、優先席カード情報を読み取ることができる乗務員用携帯型端末220が備えられている。同様に、駅事務室190にも、電車等の乗務員222から連絡を受けた最寄り駅の駅員212が駅事務室190から持参する、乗務員用携帯型端末220と同じ仕様の乗務員用携帯型端末217が備えられる。
【0075】
その他の周辺の電車等の乗務員室172、173は、読み取った情報を無線で送信し、その情報を受信する携帯型端末用無線通信制御部221、受信した情報を受け取り記憶する記憶装置962の優先席管理データベース223(後述する図13参照)に記録する乗務員室172、173内に設けられた優先席管理サーバ218、乗務員室172、173の乗務員222、優先席の使用状況を管理している優先席管理データベース223で構成されている。
【0076】
続いて、下図を参照して、公共交通機関(電車の例)と優先席利用者に関する構成の一例を説明する。
図3は、図1の公共交通機関160の車両161の中間に接続されている一両を真上から見た様子を表しており、複数の車両のうちの一両分の車両161とその周囲についての構成例を述べる図である。ただし、車両の進行方向については、車両の前方、後方を説明するために表示したもので、本発明の構成に必要不可欠な条件ではない。
【0077】
車両161には、本発明の折り畳み式の特殊な優先席(以降、特に断らない限り、優先席と記述する。)302、305、307、309、310、311、312、313の様に配置されている。
他に身体的弱者を含む一般の乗客が利用する7人掛シート304が合わせて6組、車両の中央部に配置されている。
【0078】
車両161に連結された前後部の車両にも本発明の優先席310、311、312、313が設けられている。ただし、この図3で説明している優先席307、313には既に身体的弱者が座っていることを示している。
また、折りたたみが不可能な3人掛の優先席301の1組と番号を付与していない折りたたみが不可能な3人掛優先席の3組、合わせて4組の優先席が車両161の前後部の左右に配置されている。
【0079】
車両161に、ドア303がそれぞれの位置に配置されている。車両161と前方にある車両は車両連結部(貫通路を含む)306で接続されている。車両161の後部車両も同様である。車両161の前後部の車両は、曲線2本を並べた線を破断線として、大部分を省略している。
図3において、座席は正方形の形で表しており、乗客が座わっている状態を円に似た形で表現している。その凡例を図3の左上部に示している。
【0080】
従って、図3の車両161において、身体的弱者のための優先席は、座席302、305、307、308、309であるが、空席は座席302、305、309である。
ホームにおいては、ホームの端にあたるホーム末端361、ホーム末端から少し離れた部分に設けられる、乗客と電車の側方間隔を確保する白線と視覚障害者を誘導する凹凸のある線を表す誘導線362で構成されている。
【0081】
ホーム上には、電車を待つ乗客163−1から163−n、164−1から164−n、165−1から165−n、166−1から166−nがいる。
これらの乗客のうちには、例として、下肢の怪我人163−1がおり、その怪我人163−1は優先席カード111−1を保有している。以下同様に、その他には、妊婦あるいは幼児連れの乗客163−2と保有する優先席カード111−2、高齢者166−2と保有する優先席カード111−3の構成が例示されている。
【0082】
さらに、車両等161に設けられた優先席周囲の詳細な構成を下図を用いて説明する。
図4は図3のA部詳細363周囲の側面から折り畳み式の優先席が折り畳まれた状態を見た一例を示す図であり、図5は図3のA部詳細363周囲の正面から折り畳み式の優先席が折り畳まれた状態を見た一例を示す図である。
図4、図5では、1人掛けシートで折り畳み式の優先席302、折り畳みが不可能な通常の固定式の3人掛けシート301、席の近く又はドア付近に設けられている手すり403、天井404、床405、つり革406、ドアが収容される部分を含む窓504、優先席であることを示す窓に貼られたシール505、優先席カードを読み取るICカード読取装置(又はICカードリーダ装置)507、利用者に情報を知らしめるメッセージを表示する表示部508、両開きの一方のドア303、図の省略を表す破断線407の構成が例示されている。
【0083】
図6は図3のA部詳細363周囲の側面から折り畳み式の優先席が利用可能な様に開いた状態を見た一例を示す図であり、図7は図3のA部詳細363周囲の正面から折り畳み式の優先席302が利用可能な様に開いた状態を見た一例を示す図である。
図6では、1人掛けで折り畳み式の優先席302の背もたれ601と座面602が離れ、利用者が座れるようになっている様子を側面から見た構成が例示されている。破断線407で一部を省略している。
【0084】
図7においては、1人掛けで折り畳み式の優先席302の状態を正面から見た背もたれ601、座面602、さらに、固定式の3人掛けシート301の構成が例示されている。破断線407で一部を省略している。図4、図5と図6、図7を比較した時の違いは、優先席302の座面602が折り畳まれた状態と利用者が座れる様に開いた状態の違いのみで、それ以外については、構成に違いは無い。
【0085】
以上、一例として、車両中の優先席302について説明したが、折畳み式の優先席は未使用時の普段は利用できないように折り畳んだ状態に収納しておき、利用するときの使用時のみバスの補助椅子のように腰を掛ける部分の」座面602が倒れ、開放され、座ることができるように構成される。
一般的電車等の固定式の優先席は4人掛けで構成されていることが多いが、これを3人掛けと1人掛け、あるいは、2人掛けと2人掛けというように、座席(シート)の一部又は全部を分割し、1人掛けの座席、又は、2人掛けの座席として折り畳んだ状態に収納できるといったように、固定式、折畳み式を任意に組み合わせてもよい。
【0086】
さらに、ICカード読取装置507は、折り畳式の優先席302付近に設けられ、優先席カード111の情報を読み込み、かつ、正常に読み取ると、収納され、固定されていた折り畳み式の優先席302を開放し、利用可能状態にする。
図8は図5又は図7のICカード読取装置507の周辺部の構成について詳細な説明を行う図である。
【0087】
図8では、優先席302は折り畳式の優先席座面602、固定されている優先席背もたれ601があり、その近傍には電車等の乗務員室172、173内(図2参照)に設けられた優先席管理サーバ218(図2参照)から送られるメッセージを表示するメッセージ表示部508があり、そのメッセージ表示部508に表示されたメッセージの一例としてメッセージ805を示している。座席の背もたれ601は高さを短く描くために、破断線816で省略している。
【0088】
同様に、優先席302の近くには優先席カード111を読み込むためのICカード読取装置507があり、そのICカード読取装置507には優先席カード111の読取部812、優先席カード111が正常に読み取れたことを表示する読取結果正常表示部810、正常に読み取れなかったことを示す読取結果異常表示部811がある。
また、ICカード読取装置507は、これらの他に、優先席302を電気的な回路や機械的な機構を用いて使用状態から収納状態に戻すスイッチである座席収納ボタン808、収納時に異常、例えば、荷物や異物の挟み込み、人間の挟み込み等のことで、これらを発見した者が収納するのを緊急に停止させるスイッチである緊急停止ボタン807、何らかの理由で乗務員222と連絡したい時に乗務員222を呼び出す乗務員呼出ボタン809、音声案内情報を流す、あるいは、乗務員222の声を流すためのスピーカ部813、乗務員呼出ボタン809を押して、乗務員222と会話を行うために乗客162−16n等が乗務員222に話すためのマイクロフォン815、乗客162−16n等に容易に開けられないように施錠し、かつ、乗務員222や保全員は保有する鍵により開錠し、内部の操作を実施することができるようにする錠814で構成されている。
【0089】
スピーカ部813に流す音声は、案内情報を流すか、乗務員222の肉声を流すかを切り替えるために、乗務員室172,173には図には表示していない切り替え装置を設けておく。
また、この切り替え装置の戻し忘れをすると、乗務員222の会話がスピーカ部813を通して流れたままになることから、会話が途絶えて一定時間経過すると自動的に案内情報を流す状態に戻す、あるいは、乗務員222が自動復帰式のボタンやスイッチを操作したときにだけ会話が流れるようにするのが望ましい。
【0090】
続いて、下図により、ICカード読取装置507の詳細について述べる。
図9は図8におけるICカード読取装置507の優先席制御部のハードウェアに関連する機器構成を示すブロック図である。
本図に示すように、まず、ICカード読取装置507の優先席制御部は、一例として下肢に怪我を負って、松葉杖を使用している身体的弱者の乗客163−1が保有し、優先席カードを意味するICカード111−1、ICカード111−1に記録された情報を読み取るICカード読取部812、プログラム等でソフトウェアを処理する、あるいは、各センサや各制御部から送付された検出信号や命令を処理する中央処理装置CPU(Central Processing Unit、以降、CPUと記述する。)904で構成されている。
【0091】
CPU904はその動作を制御するプログラムを必要とするが、そのプログラムを格納するCPU動作制御用プログラム格納部927、また、CPUによる演算結果や演算に必要な情報を一時的に格納する主記憶部928で構成されている。
さらに、座面の近くに設けられてメッセージを表示する、メッセージ表示部508、メッセージ表示部の画面を駆動する表示画面駆動回路906、表示画面駆動回路に表示メッセージのイメージを送出する表示イメージ信号送出回路907で構成される。
【0092】
さらに、ICカード読取装置507の優先席制御部は、ICカードが正しく読み込まれたことを表示する読取結果正常表示部810、正しく読み込まれなかったことを表示する読取結果異常表示部811、両方の表示部のうちのどちらを選択して表示するかをCPUの命令で制御する、読取情報判定結果表示制御部910で構成される。
さらに、ICカード読取装置507の優先席制御部は、身体的弱者が座るための優先席座面602、その座面を固定する、あるいは、固定の解除をする、といった制御を行う優先席座面制御回路916、優先席座面を座れる状態にするために、固定を解除するように信号を送出する優先席座面固定解除制御回路915、身体的弱者が目的の駅で下車する時に、本人、あるいは、その介助者が座面を収納指示するための座面収納ボタン808、収納中に、人体や荷物等を挟み込む様な異常状態となった時に収納動作を緊急停止させるための緊急停止ボタン807、それらのボタンの信号を受け付ける優先席座面収納制御回路919で構成される。
【0093】
さらに、ICカード読取装置507の優先席制御部は、座席が正しく収納されているか、収納中に人や物体の挟み込みが無いか、といった情報を検出するための機械的、光学的、電気的なセンサ、例えば、マイクロスイッチ、フォトトランジスタとフォトダイオードの組み合わせ、圧力センサといった優先席センサ群917で構成される。
さらに、ICカード読取装置507の優先席制御部は、身体的弱者、その介助者、急病人、近くに居合わせた人等のいずれかを意味する人物923が乗務員222を呼び出すための乗務員呼出ボタン809、乗務員呼出ボタン809の押下により、内蔵される発信器で呼び出し信号の発生と雑音の抑制等を行うボタン制御部977で構成される。
【0094】
さらに、ICカード読取装置507の優先席制御部は、乗務員呼出ボタン809を押した後、会話をするためのマイクロフォン815、その音声の電気信号を増幅する音声信号増幅回路921、アナログの音声信号をデジタルに変換する音声A/D変換回路920(ここで、A/DのAはAnalog、DはDigitalを表しており、この回路はアナログ信号をデジタル信号に変換する回路を意味している。以降、D/Aと記述してあれば、この逆の動作を意味する。)で構成される。
【0095】
さらに、ICカード読取装置507の優先席制御部は、後部乗務員室172にいる乗務員222の音声をアナログ信号からデジタル信号に変換する構成について、図には表示されていないが、車両側に設けられている、会話をするためのマイクロフォン815、その音声の電気信号を増幅する音声信号増幅回路921、アナログの音声信号をデジタルに変換する音声A/D変換回路920と同様の回路が乗務員室172に設けられており、優先席管理サーバ218に接続されるように構成されている。
【0096】
さらに、ICカード読取装置507の優先席制御部は、後部乗務員室172にいる乗務員222のデジタル化された音声、または、メッセージ表示部に表示されているメッセージと同じ内容のデジタル化された音声を、アナログの音声に変換する音声合成回路911、アナログ化された音声信号を増幅する音声増幅回路912、音声信号を音にするスピーカ813、スピーカから発せられた音声914で構成される。
【0097】
さらに、ICカード読取装置507の優先席制御部は、優先席にはその電車等においては、それぞれ別個に識別するための番号を付与し、これを優先席の座席ID(IDentification、以降、IDと記述する。)と呼び、その優先席の座席IDを記憶する座席ID記憶部924、この優先席の座席IDの記録、呼出を行う座席ID制御回路925、この優先席の座席IDの設定はCPU904を介して命令で実行する場合と、乗務員222や保全員が手動で行う場合があり、手動で設定するための優先席の座席ID手動設定制御回路926で構成される。
【0098】
さらに、ICカード読取装置507の優先席制御部は、乗務員室172の優先席管理サーバ218とCPU904間で情報伝達を行い、さらに、個別の座席を固定解除する座席固定個別解除回路966とCPU904間で情報伝達を行う、といった役目をする通信制御回路932で構成される。
一般的には、乗務員室173、172は電車等では最前部と最後部にあり、最前部には運転士、最後部には駅の案内や乗換えの案内等を行う乗客対応を行う乗務員222が乗車している。時により、異なる出発駅から発車した車両を途中の駅で結合する、あるいは、分岐が行われる途中駅で車両の分割が行われるために、車両群の中央付近で乗務員室172のある車両同士を連結することもある。また、バスの場合や、稀に、電車でも運転士のみの乗務員で運行することもある。
【0099】
しかし、ここでは、一例として、電車の乗客対応を行う乗務員222のいる最後部乗務員室172、電車の運転士のいる最前部乗務員室173が乗務している電車を前提として述べることにする。
また、最前部の乗務員室173には運転士がいるが、もっぱら電車の運転を主業務としているので、本発明に関わる操作は、特別な事態を除き、最後部乗務員室172の乗務員222により実施されるものとする。
【0100】
最後部乗務員室172は、優先席の空席状況、使用開始時刻や使用終了時刻、読み込ませた優先席カードの登録情報等のログ情報を管理する優先席管理サーバ218、情報を記録する記憶装置962、記憶装置962内に設けられた優先席空席情報等を記録するデータベースである優先席管理データベース223、優先席管理サーバの入力装置となるキーボード964、優先席管理サーバの出力装置となる表示部965で構成される。
【0101】
この他に、乗務員222の判断で、特定の優先席の座席IDを持つ優先席を指定して固定解除する為の座席固定個別解除回路966、ポイント故障等の何らかの理由で電車等の走行ができなくなった様な時、あるいは、終点が近いなどの理由で乗客が少ないといった事情があり、乗務員の判断で固定の解除が必要である、あるいは、解除しても良いと思われる時には、固定されている優先席の全ての固定を解除して使用できる状態に制御する全座席固定解除回路967、その固定を解除するための全席固定解除スイッチ968で構成される。
【0102】
さらに、ICカード読取装置507の優先席制御部は、乗務員222が、図8で説明した錠814(図8参照)を図には描かれていない鍵で開けると、該当の優先席を手動で固定解除を行う手動固定解除スイッチ975を内蔵し、また、ICカード読取部812の故障などに備えて、乗務員222が持ち運び可能で身体的弱者が持つ優先席カード111に登録されている優先席カード111の情報の一部、あるいは、全部を読み取ることができる、または、どの優先席が使用されたかを優先席管理サーバ218に通知するといった機能を有する乗務員用携帯型端末220、その乗務員用携帯型端末220と無線で情報の送受信ができ、優先席管理サーバ218に接続された無線通信制御部969で構成されている。
【0103】
最後部乗務員室172は、各車両の優先席付近に備えられたマイクロフォン音声が乗務員室172にデジタル信号で届けられ、乗務員室172にいる乗務員222に聞こえるようにするために、アナログ情報に変換するためのD/A変換回路970、D/A変換回路970の出力信号を増幅するための音声信号増幅回路971、乗務員222に聞こえる様に信号を音声に変換するスピーカ972で構成されている。
【0104】
さらに、車両の最前部乗務員室173にも、最後部乗務員室172と同じ構成が備えられている。図8では最前部乗務員室173の構成については大部分を省略しているが、優先席管理サーバ218、表示部965、記憶装置962、データベース223、乗務員222も同様に設けられる。それ以外にも、最後部乗務員室172にある構成と同じ物が最前部乗務員室173にもあるものとする。異なる点は乗務員222の役割が運転を主とするか、乗客162から16nへの案内等を主とするか、乗務員222の業務の相違だけである。
【0105】
今までに説明したICカード読取装置507の優先席制御部と乗務員室172、173とを信号線で接続しており、その信号線は複数存在している。続いて、乗務員室172、173とICカード読取部812、及び、優先席制御部を接続する制御用の信号線の構成を述べる。
全席固定解除スイッチ968の押下によって全席固定解除回路967から発せられる信号が通知される信号線948、信号線948から分岐して、その信号が優先席座面固定解除制御回路915に通知されるための信号線946の構成がある。
【0106】
優先席管理サーバ218のキーボード964を操作し、優先席管理サーバ218の指示で座席固定個別解除回路966から発せられる信号が通知される信号線947、信号線947から分岐して、その信号が通信制御回路932に通知されるための信号線938の構成がある。
また、優先席管理サーバ218は信号線951を介して、信号線950に接続されるように構成され、信号線950から分岐し、ICカード読取制御部933等内に内蔵されている通信制御回路932に信号を伝える信号線939、前部乗務員室173にある優先席管理サーバ218に信号線950を流れる信号を伝える信号線949の構成がある。
【0107】
優先席制御部も構成の一部として含まれるICカード読取制御部933、934は、同一車両内の別の優先席に備えられた、複数ある、ICカード読取部812と優先席制御部のうちのふたつを示しており、上記で述べた構成が含まれているが、細かな構成を省略した形で表示している。
また、同様に、優先席制御部も構成の一部として含まれるICカード読取制御部931は、別の車両内の優先席に備えられたICカード読取部812と優先席制御部であり、複数ある、それらの制御部のうちのひとつを示しており、上記で述べた構成が含まれているが、細かな構成を省略した形で表示している。
【0108】
従って、信号線947、信号線948、信号線950から分岐して、それぞれの、優先席制御部も構成の一部として含まれるICカード読取制御部931、933、934に含まれる各回路に信号を伝える信号線も同様に構成される。
その信号線はそれぞれ、信号線938に相当する信号線935、940、943、信号線946に相当する信号線937、942、945、信号線939に相当する信号線936、941、944で接続されるように構成されている。
【0109】
信号線939は双方向への信号伝達が可能であり、信号は通信制御回路932を通って、方向953から952へ、または、方向954から955へ伝わることができるように構成されている。
この信号線939は必ずしも単一の信号線で構成する必要は無く、複数の信号線と通信制御回路932に設けられた複数の接続点で構成されても良い。
【0110】
同様に、信号線936、941、944も双方向への信号伝達が可能なように構成されている。
また、最前部乗務員室173にある構成のひとつである優先席管理サーバ218と最後部乗務員室172にある優先席管理サーバ218は、信号線950で接続されているが、信号線950も、単一の信号線(例えば、LANの信号線)で構成されても良いし、相互を制御する信号線の束等で、複数の信号線で接続されるように構成されても良い。
【0111】
次に、本発明の第1の実施例に係る身体的弱者優先席着座システムの動作例について、図1及びその他の図を参照して詳細に説明を行う。
はじめに、図1を参照して実施例の動作の説明を行う。図1において、患者A122が大病院120を訪れて、医師121に診察、検査を受ける。その結果をカルテ123に記録を行うとともに、患者A122の容態が身体的弱者に相当するか否か、また、完治に要する期間等も診断する。ここでのカルテ123は紙媒体であっても、電子カルテであっても、その病院で使用される独自の様態であっても良い。以降、特別に断らない限り、これらをカルテ123と表現する。
また、カルテ123により、診察結果の全部、または、一部を登録する、図には表示されていない端末があり、ネットワークを介して、LAN135に接続されており、患者A122の情報は患者データベース134の一部として構築される。
【0112】
優先席を利用できる優先席カード111の発行を受ける資格は、治療前の現在の病状(怪我、内臓疾患、先天的な疾患等)によるものと患者の病状により必要に応じて行う手術等により生ずる場合もある。
患者A122は医師121から診断結果や処置を受けた後、症状や経過を聞き、優先席を利用できる優先席カード111の発行を受ける資格を有することを知らされる。診察や治療が終わり、窓口で医療費の支払いを行う。
【0113】
病院職員127は医師121が記入したカルテ123の情報、あるいは、患者128の診断結果、検査結果、病歴等を端末131から管理サーバ患者データベース134に登録する。または、図には表示していない別の病院職員が、LAN135に接続されている、図には表示されていない別の端末から管理サーバ患者データベース134に登録する。また、医師121自身が登録を行っても良い。
【0114】
患者A122は窓口において、窓口では患者128とするが、患者A122の意思で優先席カード111の発行を申請するか否かを決める。申請しないならそこで終了し、引き続き、医師121の指示の基で治療を継続する、あるいは、完治して病院と無関係となる、という状況となり、本発明とは無関係になる。
患者によっては、無理をしなければ外出は可能であるが、心肺等の内臓疾患、手術後の経過観察、事故による骨折、一部の麻痺等を有する者もいれば、歩行に補助具を使用することが必要な者もいる。
【0115】
また、視力が不自由なだけでその他には不自由なことが無い人もいる。このように、患者によっては、外観上は疾患を持っている様に見えない人もいるが、これらの人達は電車等を利用する場合には、できれば着座して、または、なるべく着座して移動することが安全上、望ましい。
このような場合、優先席を積極的に利用したいと考える患者は、診察情報が自治体等に提供されることに同意した上で、窓口で優先席カードを利用したい旨を申請書a130に必要事項を記載して、優先席カード111作成申請に必要な患者本人の診察情報等を最寄りの自治体福祉担当部門100への転送を病院職員127に申請する。
【0116】
患者128の意思で優先席カード111の発行を申請する場合は、当該窓口の病院職員127に申請書a130を提出する。これは、病歴情報(怪我や身体の障害情報を含む)、個人情報を地方自治体福祉担当部門100に送付することに同意する確証でもある。
ここで、優先席カード111の発行を地方自治体の福祉担当部門100を担当としたのは、本発明手続きを行うのは、本発明の趣旨からこのような部門が適当であると考えて記述したが、異なる部門、異なる機関であっても構わない。
【0117】
プログラム制御で動作するコンピュータである管理サーバ132、端末131、それらを接続するLAN135で構成される情報処理システムを使用して、申請書の提出を受けた病院職員127は端末131の図には記載されていない入力装置を操作し、図には記載されていない表示装置で確認をして、実行を指示する。
患者128に関する、医師の診察情報や検査情報、患者128の個人を特定する情報が記録された患者データベース135の中から、管理サーバ132が優先席カード111の発行に必要な情報を抽出し、ネットワーク182、インターネット網180、ネットワーク181へ自動的に送付するように動作する。
【0118】
それらの情報は地方自治体の福祉担当部門100の管理サーバ112が有する被交付者申請用一時データベース115に、申請者が窓口に申請に現れるまで、一時的に蓄積する様に動作する。被交付者が一定期間内(例えば、2ヶ月間)に窓口に申請に現れない場合には、この被交付者申請用一時データベース115から情報を削除するように動作する。
この場合には、患者128は再度、大病院120を訪れて、病院職員127に同じ申請を行って、情報を再送してもらうように依頼する。
ここで、患者データベース134も含めて、図に表されているデータベースについては、それぞれ、対応する図を用いて後で説明する。
【0119】
大病院120の上記記述は患者についての記述であるが、病気ではないが、妊婦や乳幼児を連れた者も優先席を利用したいと考える人達である。
妊婦は患者C125として、医師124の診察を受ける、あるいは、保護者が連れてきた乳児は、医師、または、保健師124(以降、特別に断らない限り医師等124と述べる。)による定期健診を受ける。
【0120】
診察や定期健診を行った医師等124がカルテ、あるいは、健診結果である記録(以降、カルテ等の記録と記述する。)126を発行する。
保健所職員がその記録情報を、図には無い端末(大病院における端末131と同等の端末)を操作し、診察状況や検診情報を図には無い管理サーバ(大病院における管理サーバ132と同等のサーバ)に登録する。もしくは、医師等124が、直接、端末を操作して、管理サーバ132に情報を登録しても良い。
【0121】
以降、患者C125は、大人で診察を受けに来た場合でも、乳幼児においては、病気の診察、あるいは、定期健診を受けに来た場合でも、特別に断らない限り、患者C125と表現する。
ここで発行されるカルテ等の記録126は、妊婦である、妊娠に伴う疾病を有する、乳児か幼児がいる保護者である、あるいは、乳児と幼児の両方がいる保護者である、というような、診察情報や、家族構成を示す情報が記録されている。
【0122】
または、患者C125に医学的に安静が必要な身体的症状を有する、または、患者C125が乳幼児であれば、その保護者、あるいは、その患者C125に麻痺、障害、病気を持つということを証明する情報が記録されている。
ただし、あえて、ここで個人の記録の中に家族構成等の情報を必ずしも記録せずとも、地方自治体においては、住民票、戸籍抄本、住民基本台帳ネットワークシステム、将来においてこれらのシステムに代わる別のシステム等で地方自治体職員は確認することができるので、家族構成証明のための情報は無くとも良い。これは、個人病院140からの申請者においても同様である。
【0123】
管理サーバ132は管理サーバ132の管理する記憶装置に設けられている患者データベース134にカルテ等の記録126を登録し、先に行った説明と同様に、ネットワーク、ネットワーク網、地方自治体福祉担当部門100の管理の管理サーバ112という経路で必要な情報を送付するように動作する。
患者C125は診察時には患者C125として表現しているが、診察終了後の手続き(診察料金の支払い、事務手続き等)を行うために窓口にいる場合には、患者129とする。
【0124】
患者129も患者128と同様に、優先席カード111の発行を望まなければ本発明とは無関係になる。患者129が優先席カード111の発行を望む時には、窓口で申請書に添えて提出し、病歴情報(怪我や身体の障害情報を含む)、個人情報を地方自治体福祉担当部門100に送付することに同意する。患者128の場合と同様に、情報が地方自治体福祉担当部門100に送付されるように動作する。
【0125】
ここからは、管理サーバや管理端末を有していない病院、あるいは、患者等の情報管理やカルテの管理に管理サーバや管理端末を使用していたとしても、情報処理装置をネットワーク網には接続しておらず、単独で使用する、いわゆる、スタンドアローンの形態を採用している病院について説明する。
一般的にこのような形態を採っている病院は個人病院140に多いと考えられるので、ここでは個人病院140と表現して説明することにする。
【0126】
病気や怪我、妊産婦等の患者B142が診察を受けるために個人病院140を訪れる。個人病院の医師141は患者B142を診察する。医師141が患者B142の病状や怪我の状況を診察し、治癒するまでの期間等を考慮し、電車等の移動で無理をしない方が望ましいと判断される患者にその旨を伝える。患者B142は医師に優先席カード発行申請に必要な証明書143の発行を依頼する。医師が発行せずに、医師の指示で個人病院の職員が発行しても良い。
【0127】
患者B142はその証明書143を持って、地方自治体福祉担当部門100に出向き、被交付者103として、個人病院140で発行された証明書143(地方自治体福祉担当部門100においては、同じ証明書を104として表現している。)と申請書b105に添付して優先席カード発行の申請を行う。
次に、地方自治体福祉担当部門100における処理と優先席カード発行までの流れを説明する。
【0128】
一例として、電子的に患者情報と証明書を管理サーバ112に送付された被交付者101、102、紙媒体で証明書を持参した被交付者103のように、それぞれ異なる条件であっても、それぞれの被交付者101、102、103は地方自治体福祉担当部門100を訪れ、申請書b105を記載する。
ここで、一例として3名の申請者としているが、3名より少なくとも、3名以上でも効果に変わりは無く、申請者の人数は本発明の本質とは無関係である。
【0129】
被交付者101、102にあっては、既に管理サーバ112が管理する一時的な被交付者申請用一時データベース115に情報が格納されているので、申請書b105のみの書類を提出し、自治体の職員106に優先席カード111の発行申請を行う。
被交付者103にあっては申請書b105に証明書104(個人病院140で発行された証明書143がそれである。)を添えた申請書類を、自治体の職員106に提出し、優先席カード111の発行申請を行う。
【0130】
被交付者101、または、他の被交付者102、103から申請を受け付けた、窓口担当者である自治体の職員106は入力装置であるキーボード110を操作するとともに、情報を表示する表示装置108を確認しながら、端末107と管理サーバ112間で情報の交換を行い、同一の人物から重複して申請されていないか、紛失の履歴は無いか、新規の発行申請か、有効期限の更新か、といった内容を確認する。
【0131】
問題が無ければ、自治体の職員106は端末107に対して、申請書b105の情報を見ながら所定の操作を行う。管理サーバ112は被交付者申請用一時データベース115の情報と申請書b105から入力された情報から、新規発行、期限の更新、紛失の届け、優先席カード111の再発行等の業務に応じて、優先席カード発行番号の付加、情報検索、あるいは、更新等の動作を実行して、被交付者データベース114への情報登録、情報更新、または、優先席利用カード紛失管理データベース116に紛失の登録を行うように動作する。
【0132】
また、インターネット網180等を介して、大病院等120から通知される申請者の患者情報は、被交付者が自治体に優先席カード発行の申請に訪れるまで、被交付者申請用一時データベース115に一時的に記録されている。管理サーバ112はここからも必要な情報を抽出し、被交付者データベース114に登録するように動作する。
被交付者データベース114に登録する情報の一例については、図12を用いて後で説明する。
【0133】
被交付者申請用一時データベース115に登録する情報については、被交付者の申請書b105との組み合わせで、被交付者データベース114を構築できる情報があれば良い。
被交付者データベース114に登録後、そのデータベース情報を基に管理サーバ112は情報をコード化して、自治体の職員106が操作する端末107に通知し、端末107はその情報をICカードリーダライタ109に送付し、実装されているICカード内のICチップに情報の記録を行う。コード化せずにそのまま読める状態で記録しても効果に変わりが無いが、個人情報のセキュリティにおいてはコード化することが望ましい方法である。
【0134】
ICカードリーダライタ109で情報を書き込まれたICカードが優先席カード111と呼ばれ、例えば、被交付者101に交付される。
さらに、図には表示されていないが、この優先席カード111には、記憶素子に情報を記録するのみでなく、優先席カード111上に、発行番号、発行機関(以下、自治体という表現をしても同じ意味を持つ。)コード、発行機関名(市区役所、町村役場)、発行機関連絡先電話番号、有効期限等を表面に表示する。
【0135】
これは、遺失や盗難等にあった場合、その優先席カードを善良な方が発見した時に、外部から分かる情報を表示することで発行機関に通知ができるようにするためである。また、有効期限は乗車時に期限切れを知る前に手続きを行えるようにするために必要である。
ただし、ここに記述された情報の全てを優先席カード111上に表示しなくてはならない訳ではなく、発行機関が特定できる情報のみでも、これらの一部の情報、または、これら以外の情報を表示しても良い。
【0136】
表示の方法は、印刷であっても、文字の形に凹凸を形成するような方法であっても、容易に消えない方法であり、特別な装置を使用することなく容易に判読できれば良い。
本人確認のために、優先席カード111表面には写真を印刷するようにしても良い。また、目の不自由な人のためには点字で表示するようにしても良い。
さらに、身体的弱者が不快に思う、支障を感ずる、といったことのない程度に、表面に身体的弱者の特徴(例えば、高齢者、妊娠中、内臓疾患等を意味する。)をデザイン化したシール様の物を貼る、あるいは、印刷を行っても良い。
【0137】
デザイン化したシールとは、一例として、公共交通機関100の優先席付近の窓504や車両側面に貼ってあるような、杖を持った人物(高齢者を表す。)、女性の腹部付近に子供の顔を描いた人物(妊娠している、あるいは、乳幼児を連れていることを表す。)、松葉杖を持って脚部に包帯を巻いた人物(足や脚部に怪我を負った人を表す。)を図案化して描いたものをいう。
【0138】
さらに、外見から分からない人体臓器に疾患(例えば、心臓のペースメーカの埋め込み、肺機能の低下、外科手術を実施して体力低下等)を有する場合には、その臓器(例えば、心臓、肺臓等)をデザイン化したものでも良い。身体的弱者がそれを望まなければ、貼ったり、印刷したりする必要は無い。
記録後の優先席カード111を読み取り、正しく読み取れることが確認できた後、その優先席カード111を被交付者101、あるいは、102、103に交付する。
【0139】
交付は、被交付者の公的証明書、例えば、パスポートや自動車運転免許証等、本人確認ができれば、申請当日直ちに行っても良いし、郵送することで住所確認を行って交付するような方法にしても良い。
次に、優先席カード111を失くしたときの動作を説明する。
優先席カード111を盗難にあった、あるいは、遺失、紛失してしまったという場合には、最寄りの警察署に届けるとともに、発行機関である地方自治体福祉担当部門100にその旨を届ける。また、これらの状態となった優先席カード111を総称して、以降、紛失カードと記述する。
【0140】
自治体の職員106は、カード紛失の届けを受け付けた時、紛失カードの情報(例えば、優先席カード発行番号)を端末107の入出力装置を操作し、管理サーバ112は付属する記憶部113に設けられた優先席利用カード紛失管理データベース116に登録するように動作する。
紛失カードの取得が届けられた時には、管理サーバ112は紛失カードの情報(例えば、優先席カード発行番号)をその優先席利用カード紛失管理データベース116から削除するか、その優先席利用カード紛失管理データベース116に発見されたことを示す印を付与し、再使用されないように動作する。
この優先席利用カード紛失管理データベース116に登録された情報は、駅事務室190に設けられた駅事務室内管理サーバ191が動作状態に起動されることで管理サーバ112に優先席利用カード紛失情報の送付要求を出し、優先席利用カード紛失管理データベース116、管理サーバ112、ネットワーク181、インターネットワーク網180、ネットワーク183を介して駅事務室内管理サーバ191に通知されるように動作する。
【0141】
さらに、駅事務室内管理サーバ191は、運行中の各電車等の乗務員室172、173にある優先席管理サーバ218にも無線でその情報を通知するように動作する。
続いて、図2により、駅事務室190にある構成とそれに関わる構成についての動作説明を行う。
まず、駅事務室190にはプログラムで動作する駅事務室内管理サーバ191があり、電車等の乗務員室172、173に設けられた優先席管理サーバ218と地方自治体福祉担当部門100に設けられた管理サーバ112間の情報交換を行うように動作する。
【0142】
駅事務室内管理サーバ191には、表示部202、キーボード203、記憶装置192が付属しており、それぞれが、駅事務室内管理サーバ191の情報表示、プログラムに応答する情報入力、駅事務室内管理サーバ191が動作するのに必要なプログラムや情報を記憶するように動作している。
記憶装置192には、紛失カード管理データベース205を有しており、地方自治体福祉担当部門100に設けられている管理サーバ112に付属する記憶部113内の、地方自治体福祉担当部門100に届け出が出された紛失カード情報を登録してある、優先席利用カード紛失管理データベース116からの情報を定期的(例えば、1時間ごと)に受取って、記録するように動作する。さらに、新しい情報(例えば、紛失カード情報が追加された、あるいは、紛失カードが発見された)があった場合には、その情報を乗務員室172、173の優先席管理サーバ218の優先席管理データベース223にも通知するように動作する。
【0143】
地方自治体福祉担当部門100に設けられている管理サーバ112と駅事務室内管理サーバ191はネットワーク183、ネットワーク網180、ネットワーク181を介して接続され、情報交換を行うように動作する。
次に、駅事務室内管理サーバ191には電車乗務員室間無線通信制御部193も接続されており、駅事務室間通信制御部219を介して、電車等の乗務員室に設けられている優先席管理サーバ218と情報交換を行うように動作する。
【0144】
駅事務室190と電車等の乗務員室172、173とは無線で通信するように動作しており、電車等で記録した優先席の使用状況、優先席カード情報等を駅事務室内管理サーバ191へ、また、駅事務室内管理サーバ191で記録した、紛失カード情報等は電車等の乗務員室172、173にある優先席管理サーバ218へ送付するように動作する。
駅事務室190の駅構内端末208は表示部209、キーボード210を使用して、LAN207で接続された駅事務室内管理サーバ191と情報の検索、情報登録等の業務を行うように動作する。
【0145】
続いて、図8でICカード読取装置507の周辺の動作と、図9でICカード読取装置507の優先席制御部の動作についての詳細を説明する。
図8にICカード読取装置507の周辺の一例を示す。折畳み式の優先席302は背もたれ601と座面602で構成され、未使用状態では背もたれ601と座面602は折り畳まれた状態で固定されており、通常、一般乗客は使用できない状態となっている。
【0146】
身体的弱者が乗車した電車等で、乗車位置近くの優先席が利用されていない状態であれば、ICカード読取部812に優先席カード111を近づけると、ICカード読取部812で登録情報が読み取られ、登録情報が正しく読み取られると読取結果正常表示部810が点灯し、背もたれ601と座面602の固定が開放され、垂直な状態から水平な状態に動かすことができるようになる。
逆に、情報が正しく読み取れない場合には、読取結果異常表示部811が点灯する。この時には、正規の身体的弱者であれば、乗務員呼出ボタン809を押下し、乗務員222とマイクロフォン815、スピーカ部813を使用して会話し、車両番号、ドア番号、座席位置等の特徴を伝え、身体的弱者は所定の優先席の収納解除を依頼し、乗務員222はその優先席IDに該当する優先席を指定して優先席管理サーバ218から収納解除を指示する。または、CPUとプログラムが押下された乗務員呼出ボタン809から優先席IDを特定して通知するように動作させてもよい。優先席IDについては、後述する別の図10を参照して後で説明する。
【0147】
この読取結果正常表示部810の下部に「OK」と記載したが、これは一例であり、これに代わって、正常、あるいは、読取正常といった別の表現でも良い。同様に、読取結果異常表示部811の下部に「ERR」と記載してエラー(ERROR)を意味させているが、異常、あるいは、読取異常といった別の表現でも良い。
優先席管理サーバ218からの解除指示に代えて、乗務員室172、173近くであれば、乗務員222が乗務員用携帯型端末220を持参して当該優先席に出向き、読み取りを確認し、電車等のICカード読取部812の故障か優先席カード111の故障の判断を行うこともできる。遠くである場合や混雑時には、優先席の固有情報を伝えてもらうか、乗務員呼出ボタン809の識別で、優先席管理サーバ218の入出力装置により、対象の優先席IDを指定し、固定解除を行うことができるように動作する。
【0148】
別の方法として、電車等の乗務員222から事前に最寄りの停車駅に連絡し、乗務員用携帯型端末220と同等の仕様と機能を持つ携帯型端末を駅員が持参して、当該優先席に出向き、当該優先席カード111を読み取り、故障の判断を行っても良い。この時に、持参した携帯型端末でも正しく読めない場合には、優先席カード111の故障と判断し、当該身体的弱者に、発行機関に行って再発行を依頼するように勧める。
【0149】
優先席カード111の情報が正しく読み取りすることができれば、電車等のICカード読取部812の故障と判断し、さらに、乗務員用携帯型端末220に有する機能で身体的弱者の持つ優先席カード111の登録情報をその乗務員用携帯型端末220で確認して、乗務員222や駅員が身体的弱者の優先席カード111に登録された情報に問題が無ければ、乗務員222等の保有する鍵でICカード読取装置507の錠814を開き、内部に設けられたスイッチを押下して、優先席固定を解除し、優先席を使用可能な状態にする。
【0150】
ICカード読取部812の故障と判断された時には、乗務員222が電車等の優先席管理サーバ218は優先席管理データベース223に当該優先席が故障中である旨の情報(フラグ)をたてて、以降は、メッセージ表示部508のメッセージには、ICカード読取部812の故障を意味するメッセージを定期的(例えば、5分間隔)に表示させる。あるいは、優先席カード111を近づけられるごとに、故障を意味するメッセージを表示する、スピーカ部813からは表示されるメッセージと同様の音声を発声させる。
【0151】
優先席を座れる状態にできる時には、その状態で固定し、一般的な優先席と同じに扱う。座れる状態にできない時には、空席と同じ状態のまま、優先席管理サーバ218は使用中の扱いをして、他の空席情報を案内する。
先の優先席カードの読み出しができない場合において、持参した乗務員用携帯型端末で読み取れた優先席カード保有者の特徴(例えば、性別や年齢、疾病の部位や症状等)の情報が外見と明らかな相違(例えば、下肢の怪我、麻痺の情報が登録されているにも関わらず、自然な立ち居振る舞いができる、松葉杖等の補助具を使用していない、といった状況である。)がある場合には、乗務員用携帯型端末は優先席カードに記録されている有効期限をより短縮するように、優先席カードに書き込みを行うことができるように動作する。また、その旨を所有者に通知する。この場合、優先席カード111の表面にある表示と内部の記録は不一致となる。
【0152】
その優先席カード111の正規の保有者であれば、発行機関である最寄りの地方自治体福祉部門100に出向き、有効期限の訂正を行うことはできる。その手順は、発行申請を行った場合と同様な手続きをおこなうことで、元の有効期限まで延長してもらうように更新する。これらの動作の詳細については、図9を参照して後で説明する。
図9の乗務員用携帯型端末220の情報は無線により、図9の乗務員室172、173の優先席管理サーバ218に接続された無線通信制御部969に伝えられ、優先席利用状況を図9の優先席管理サーバ218は優先席管理データベース223の登録情報を更新するように動作する。
【0153】
さらに、車両161内で急病人が発生した時には、本人、または、周囲の人が乗務員呼出ボタン809を押下することで、乗務員222とマイクロフォン815とスピーカ部813で会話を行うことができ、先のICカード読取部812の故障、あるいは、優先席カード111の故障の場合と同様に指定した乗務員222か最寄り駅の駅員212が座席固定個別解除回路966により優先席の固定解除をすることもできる。
【0154】
図8における、スピーカ部813とマイクロフォン815の位置は一例であり、ハウリングなどの物理現象を配慮しての配置ではない。従って、実現の段階では、マイクロフォン815の感度、指向性、スピーカ音声発生方向、配置を考慮する必要がある。
続いて、メッセージ表示部508の動作説明を行う。
メッセージ表示部508は、ICカード読取部812に優先席カード111をかざした時に、該当する優先席が使用中である場合には、優先席管理サーバ218に管理されている優先席の空席情報を基に、優先席管理サーバ218が優先席管理データベース223を検索し、最も近い優先席空席位置情報を案内する様にメッセージを表示するように動作する。
【0155】
優先席カード111に聴覚に障害を有する情報の登録がある場合、スピーカ部813から音声を流す代わりに、メッセージ表示部508にメッセージ805(一例として、「ただいま、この席は使用されておりますが、最も近い空席が進行方向後方の車両、前部左側にあります。」)を表示することができるように動作する。
また、定期的(例えば、10分間隔)に、「この優先席の利用を希望する方は、居住地最寄りの役所にご相談下さい。」といったメッセージを流しても良い。
【0156】
聴覚に障害がなく、視覚にも障害が無い人には、多数の乗客に無用な音声は流さない方が望ましいので、メッセージ表示部508にメッセージにより最寄りの優先席位置を表示するように動作する。
また、聴覚に障害が無く、視覚に障害がある方には、メッセージ表示部508にメッセージ805を流すことに加えて、表示されるメッセージ805と同様の内容をスピーカ部813から音声情報として知らしめる。メッセージ805の表示を行うのは、健常者である同行者がいることを想定している。
【0157】
身体的弱者が下車する駅に近づき、優先席を閉じる場合には、身体的弱者が立ち上がり、手回り品があれば取り上げた後に、座席収納ボタン808を押す。座席収納ボタン808が押下されると、座面602は自動的に水平位置から垂直位置に移動し、固定される。
この時に、荷物や乳幼児、異物の挟み込み等により、周囲に配置された優先席センサ群917が背もたれ601や座面602に圧力を検知すると、その検知信号を通知されたCPU904の制御により優先席座面固定解除制御回路915に中止を指示する信号が送出され、座面602の収納は中止され、座面602は自由な状態となるように動作する。
【0158】
また、座席収納ボタン808を押した人、あるいは、周囲の人が異常を感じて、緊急停止ボタン807を押下した時にも同じ動作をする。その後、異常となった原因を取り除き、再び、座席収納ボタン808を押下すると、座面602の収納を再び開始する。この時にも、異常を検知した場合の動作は前述の動作と同様である。
優先席の座席収納ボタン808は押しにくい構造(例えば、周囲を円筒形の形状をした硬い物で囲った中にボタンを設ける。指なら押せるが、掌では押せないような構造にする。)とし、緊急停止ボタン807は押しやすい構造(例えば、座席収納ボタン808より大きく、目立つ色や形状をしている。)とすることが望ましい。
【0159】
本発明では、一例として、座面602の収容は自動的に行われる様に記述したが、手動によって収納し、座面602を固定する仕組みにしても良い。その様な仕組みにすれば、座席収納ボタン808、緊急停止ボタン807、優先席センサ群917の構成を簡略化することもできる。
図8の動作について、図9を用いてさらに詳細に説明を行う。ICカード読取装置507の優先席制御部の一例を示す図9を参照すると、ICカード読取装置507の優先席制御部は、大きく分けて、優先席カード111を読み取る部分、読取結果が正常か異常かを表示する部分、メッセージを表示する部分、音声を通知する部分、乗務員との会話や管理サーバからのメッセージ情報の信号を音声として伝える部分、音声を信号として変換する部分、優先席と優先席の固定・固定解除・収納を制御する部分、優先席IDを制御する部分、乗務員室に備えられる、管理サーバとその周辺装置部分、乗務員室と優先席制御部とを接続する信号線と通信制御部分、全ての検知信号や制御部からの信号受信、制御部への指示・命令信号の送信、それらの制御をプログラムで行うCPU部分等で構成される。
【0160】
初めに、一例として下肢の怪我人の乗客163−1が優先席カード(ICカード)111−1をICカード読取装置812にかざし、優先席カード111−1内に記録された情報を読み取らせる。ICカード読取装置812は読み取った情報をCPU904に通知し、CPU904は通知された情報が仕様通りに読み取れたと判断することができたならば、読取情報判定結果表示制御回路910に正常であることを意味する信号を送出し、読取結果正常表示部810を動作させ、図8における表示部810を点灯させるように動作する。
【0161】
また、その情報(例えば、優先席カード発行番号、使用開始時刻、使用終了時刻等)を図には描かれていない時計機能を使用して、CPU904の命令で主記憶部928にも使用記録情報として記録する。
読み取られた情報として、例えば、優先席カード発行番号を通知され、CPU904は通知された優先席カード発行番号の情報が仕様通りに正しく読み取れなかったと判断したならば、読取情報判定結果表示制御回路910に異常であることを意味する信号を送出し、読取結果異常表示部811を動作させ、図8における表示部811を点灯させるように動作する。なお、優先席カード発行番号の詳細は、後述する図12で説明する。
【0162】
さらに、CPU904が乗務員室172、173の優先席管理サーバ218に読取異常であることを通知し、優先席管理サーバ218はその表示部965にその情報を表示するように動作する。乗務員222はその表示で、優先席カード111−1の読み取り異常が発生していることを知ることができる。
読取結果異常表示部811が動作したならば、身体的弱者である乗客163−1は近くに設けられている、乗務員呼出ボタン809を押下し、乗務員室172、173にあるスピーカ972で出力される音声で連絡がある旨を通知するとともに、マイク815で通話を行い、その音声信号は音声信号増幅回路921、音声A/D変換回路920に伝えられ、CPU904が通信制御回路932、信号線939、信号線950、信号線951を経由して、乗務員室172にある優先席管理サーバ218に伝えるように動作する。
【0163】
さらに、優先席管理サーバ218へと伝わったデジタル信号は優先席管理サーバ218に接続されたD/A変換回路970、音声信号増幅回路971、スピーカ972により音声として伝達されるように動作する。
身体的弱者の乗客162−1に代えて、別の人物923(例えば、介助者、同行者、友人、近くに居合わせた人などを言う。以降、これらの人を別の人という表現で記述する。)が乗務員呼出ボタン809を押下して、乗務員222と会話しても良い。
【0164】
乗務員222と車両161の乗客162−16nとの会話の音声は、アナログからデジタルに変換して伝達し、受け側で、デジタルからアナログに変換して伝えるように図では一例として表現しているが、別の信号線、切替え装置を使用して、アナログ信号のまま、単一方向に交互に排他的に伝達しても、双方向に音声を同時に伝達して、「聞く」ことと「話す」ことが同時にできるようにしても良い。
読取結果異常表示部811が動作して、異常と表示されることは定常的な状態ではないので、異常状態については後述することにして、先に、正常に読み取れたときの当該優先席制御動作について説明する。
【0165】
まず、優先席が空席の状態における動作説明を行う。
CPU904は、当該優先席が空席であるならば、優先席座面固定解除制御回路915に解除を指示し、その指示は、優先席座面制御回路916、優先席座面602に伝わり、優先席座面602の固定を解除する様に動作する。下肢の怪我人の乗客163−1はその優先席302に着座する。
【0166】
それとともに、CPU904が当該優先席302は使用されたという情報を通信制御回路932に通知し、その情報は信号線939、信号線950、信号線951を介して優先席管理サーバ218に到達する。
優先席管理サーバ218は、優先席302が使用されたことと、さらに、優先席カード発行番号と記録情報の一部、または、全部を、使用開始時時刻とともに、自身の持つ優先席管理データベース223を更新し、さらに、同一の優先席カード発行番号で別の優先席が使用されていないか、二重使用の有無を検索する。既に、その優先席カード発行番号で使用されている優先席があれば、固定を解除できないように動作する。
【0167】
優先席管理サーバ218はこれらの動作を実行すると同時に、使用された優先席カード発行番号等の情報を最寄りの駅事務室190内のアンテナ194、電車乗務員間無線通信制御部193(図2参照)を経て、駅事務室内管理サーバ191(図2参照)に通知するように動作する。
優先席管理サーバ218から受け付けた優先席カード情報を、駅事務室内管理サーバ191(図2参照)は自身が有する紛失カード管理データベース205(図2参照)と自動的に照合されるように動作する。この照合で紛失カードと一致する場合には、駅員により最寄りの警察署等に通報し、署員が当該車両161に乗車し、当該優先席カード利用者に盗難や遺失物拾得に関する職務質問等を行うようにする。優先席管理サーバ218においても、紛失の届けが出されている優先席カード111が使用されていることを、表示部965に表示するように動作する。
【0168】
駅事務室内管理サーバ191(図2参照)は駅ごとに置かず、主要な駅のみに設置し、主要な駅以外には通信制御部と情報伝送に必要な装置のみを設置して、ネットワークで接続して、主要な駅に情報を送付できるようにしても良い。
次に、優先席が使用中の状態における動作説明を行う。
ここで、当該優先席302が使用中ならば、CPU904は空席であったときと同様に、通信制御回路932に通知し、信号線939、信号線950、信号線951を介して優先席管理サーバ218に、他の空席状況を問い合わせるとともに、優先席管理サーバ218は優先席管理データベース223を検索し、できるだけ近い別の空席情報を先の信号線を逆にたどってCPU904に通知するように動作する。
【0169】
それと共に、優先席管理サーバ218から信号線を経由してCPU904に通知された空席情報を、CPU904の動作により、メッセージ表示部508、または、スピーカ部813から当該身体的弱者の乗客163−1に知らせるように動作する。
CPU904は、別の空席を身体的弱者の乗客に知らしめるために、身体的弱者の情報から、メッセージ表示部508に表示するか、音声914で知らせるか、あるいは、その両方を行うかの判断を行い、その準備のために、主記憶部928内に、表示イメージを生成する、あるいは、音声情報を生成する。
【0170】
表示イメージ805を表示する場合には、CPU904は表示イメージ805を表示イメージ信号送出回路907、表示画面駆動回路906、メッセージ表示部508に送出し、メッセージとして表示する。
音声で知らせる場合には、CPU904はデジタルの音声情報を音声合成回路911、音声増幅回路912、スピーカ813に送出し、音声情報914として通知する。身体的弱者の乗客163−1はその案内に従って移動し、最寄りの空席の優先席に同じ動作を行って、固定を解除し、優先席に着座する。
【0171】
この時に、優先席カード111−1の有効期限も読み取り、図には記述されていない内蔵された時刻機構により、当日の年月日、及び、時刻と有効期限を比較し、有効期限までが決められた期日以内(例えば、二週間)になると、その旨もメッセージの表示、または、音声による通知で注意情報として知らせる様に動作する。
乗務員222の判断に基づく、全席の優先席固定解除について述べる。
【0172】
何らかの理由(例えば、故障等の理由で電車の走行ができなくなった時、あるいは、終点が近く乗客が少なくなった時等)があって、乗務員222の判断で、優先席にも一般乗客を着座させるために固定の解除が必要である、あるいは、解除しても良いと思われることがある。この時には、全席固定解除スイッチ968を押下すると、その信号が全座席固定解除回路967から信号線948に通知され、信号線937、942、945を介して、全てのICカード読取制御部の通信制御回路932からCPU904に通知される。CPU904は優先席座面固定解除制御回路915に指示を通知し、さらに、優先席座面制御回路916に通知され、車両内全ての優先席の固定を解除するように動作する。
【0173】
全席固定解除スイッチ968を押下して、手動で優先席全席の固定解除を行う方法と優先席管理サーバ218のキーボード964、表示部965を確認しながら、優先席管理サーバ218から固定解除の命令を優先席制御部に送付する方法で動作することもできる。
手動でできるようにするのは、優先席管理サーバ218の故障に備えて、簡単な操作でできるようにするためである。
【0174】
次に、先に述べた、定常的な状態ではない、優先席カード111の読取異常時における動作説明をする。
読取異常の表示がなされた場合、身体的弱者の乗客163−1、または、別の人物923が優先席カード111−1の読取異常について乗務員222に通知を行う。その通知、または、既にICカード読取制御部からの通知で、乗務員室172の優先席管理サーバ218が表示部965に表示した読取異常で優先席カードの読み取りができなかったことを乗務員222は把握する。
【0175】
乗務員222は優先席管理サーバ218に付属する入力装置964の操作を行うと共に表示装置965を確認しながら、当該優先席IDを指定して優先席解除指示を行う。
優先席管理サーバ218は優先席解除指示を発行し、その指示は座席固定個別解除回路966、信号線947、信号線950、信号線938、通信制御回路932を介して、CPU904へと伝えられる。
【0176】
CPU904は優先席302の座席ID記憶部924と指示された優先席IDを比較し、一致した場合には、優先席座面固定解除制御回路915に解除を指示し、優先席座面制御回路916、優先席座面602の固定を解除するように動作する。
さらに、乗務員222が業務を行うことに関する時間的余裕、車内の混雑状況を鑑み、余裕のあるときには乗務員用無線携帯型端末220を持参し、その確認に向かう。
【0177】
しかし、短時間で次の駅に到着するような場合や、乗務員222が次駅の案内、乗り換えの案内等で多忙である時には、その旨を身体的弱者の乗客163−1、または、別の人物923に伝える。さらに、次駅の駅員に連絡し、乗務員222の持つ乗務員用無線携帯型端末220と同じ乗務員用無線携帯型端末217(図2参照)を持った駅員212が、当該優先席302に向かい、当該身体的弱者の乗客163−1を確認し、優先席カード111−1を、持参した乗務員用無線携帯型端末217に読み取らせて、正常であれば、図8の錠814を駅員212の持つ鍵で開錠し、内部に設けられた、図9の手動固定解除スイッチ975を操作して、優先席座面固定解除制御回路915に解除を指示し、優先席座面制御回路916、優先席座面602の固定を解除する様に動作させても良い。
【0178】
ここで、乗務員用無線携帯型端末220の説明を行う。
乗務員用無線携帯型端末220は乗務員室172の優先席管理サーバ218と無線通信により情報交換ができ、さらに、図8のICカード読取装置507と同等の機能を有している。
また、乗務員用無線携帯型端末220に設けられた表示部に優先席カード111に記録されている情報を表示することができる表示部、暗証番号を入力できるように、文字、または、数字を入力するキーボード、メッセージ表示部は必要に応じて、第三者には見えないようにすることができるような覆いのような構造で構成されている。
【0179】
メッセージ表示部は覆いに代えて、外部に設けられたボタンやスイッチを操作することで、表示部に意味のある表示がなされないように、メッセージ表示部の制御部に制御信号を加え、真っ黒、あるいは、真っ白、意味を持たない無作為な画面表示、といった表示をするように制御部を動作させても良い。
当該優先席カード111に記録されている情報がコード化された情報であれば、駅員212や乗務員222が読めるように、コード化された情報を一般的な用語に変換するように動作する。
【0180】
その構成や動作は図9のICカード読取制御部933等のそれとほぼ同一であるが、メッセージ表示部が乗務員用無線携帯型端末220に組み込まれていることと、音声での通知が不要であることから、音声で通知するための構成を不要とする。
通信は無線で行うことから、図9の通信制御回路932に代えて、無線通信を行う制御部、優先席カード111への書き込みができるICカードリーダライタで構成されている。
【0181】
乗務員用無線携帯型端末220で正しく優先席カード111が読み取れる場合は、ICカード読取装置507の故障、乗務員用無線携帯型端末220でも読み取れないときには、優先席カード111の故障と判断し、所有者に伝える。さらに、電車乗務員室間無線通信制御部193(図2参照)を介して、優先席カード発行番号を駅事務室内管理サーバ191(図2参照)に送付し、駅事務室内管理サーバ191(図2参照)は紛失カード管理データベース205(図2参照)を検索して紛失の届けが出されていないかを照会するように動作する。
【0182】
優先席カード情報と利用者の外見が明らかに異なる場合には、乗務員用無線携帯型端末220のキーボードから、パスワード(暗証番号)の入力を行わせ、優先席カード111に登録されている暗証番号の比較を行うように動作する。比較結果を表示する構成と機能も有し、不一致の時にはさらに、優先席カード情報を駅事務室内管理サーバ191(図2参照)に通知し、駅事務室内管理サーバ191(図2参照)は自身が有する紛失カード管理データベース(図2参照)と自動的に照合するように動作する。
【0183】
紛失カード管理データベース205に登録された情報と優先席カード情報が一致する場合についての動作(警察官に通報し、盗難や拾得についての職務質問)については既に述べている。疑わしいとまでは言えないが、疑問の残る場合には、その優先席カード111の有効期限を短縮(例えば、残り有効期間を2週間とする。)して書き換えるように動作する。
【0184】
乗務員222、または、駅員212は、有効期限を変更したことを当該利用者に通知し、本人であれば、優先席カード発行機関に出向き、正規の所有者であれば、元の正しい有効期限に更新してもらうようにする。
優先席カード111の読取異常時の動作は急病人が出たときには、本人、または近くにいる別の人923が乗務員呼出ボタン809を押下して、乗務員222と会話し、できるだけ近い空席の優先席を案内して、その空席の優先席の固定を解除する。解除の動作については、ICカード読取制御部933等の故障時に乗務員222の操作、あるいは、駅員212の操作で固定を解除することと同様の動作である。
【0185】
もしも、付近の人の好意で優先席以外の席を譲られた場合には、本発明の動作とは無関係となる。
身体的弱者の乗客163−1が優先席302の使用を終了した時には、優先席座面収納制御回路919に付属する、座面収納ボタン808を押下する。座面収納信号は優先席座面収納制御回路919を介して、優先席座面制御回路916に通知され、優先席座面602を自動的に折りたたみ始める。この時に、荷物等の異物の挟み込み、人体の挟み込み等に気づいた本人、介助者、あるいは、近くにいる人が、優先席座面収納制御回路919に付属する、緊急停止ボタン807を押下すると、優先席座面収納制御回路919は収納を停止する信号を優先席座面制御回路916に送出する。優先席座面制御回路916は直ちに収納動作を停止し、座面602は自由な状態になる。
【0186】
周囲の人が緊急停止ボタン807を押下する代わりに、座面周囲に構成された優先席センサ群917が異常を検出した時にも同様に、その検出信号をCPU904に通知することにより、CPU904が優先席座面収納制御回路919に収納中止信号を送出し、優先席座面制御回路916を介して、優先席座面602の収納を中止するように動作させる。座面602の収納を開始するには、挟み込まれた、荷物や人体等、異常の原因となった物を取り除き、再び、座面収納ボタン808を押下して収納させる。正しく優先席座面602が収納されると、容易には座面が動かない様に固定される。
【0187】
これまでに、優先席の固定解除、使用開始、使用終了、終了後の座面収納について述べてきたが、これらの動作は、それぞれの動作が行われるごとに、乗務員室172の優先席管理サーバ218に情報が通知され、当該IDの優先席使用状況が、CPU904から、通信制御回路932、各信号線を経て、優先席管理サーバ218が管理する電車等の優先席管理データベース223に、使用された優先席ID、優先席カード発行番号、使用開始日時、使用終了(座面収納)日時が記録される。続いて、優先席管理サーバ218はそれらの記録を使用状況のログ情報として、別のデータベースに移行し、再び当該優先席を優先席管理データベース223に空席状態として登録するように動作する。
【0188】
別のデータベースに移行された使用状況のログ情報は、優先席管理サーバ218が無線通信により、駅事務室間通信制御部219(図2参照)、電車乗務員室間無線通信制御部193(図2参照)、駅事務室内管理サーバ191(図2参照)に通知される。さらに、その情報は、ネットワーク183、ネットワーク網180、ネットワーク181を経由して、地方自治体福祉担当部門100の管理サーバ112に送付され、地方自治体福祉担当部門100で統計情報として使用される。
【0189】
これまでに、優先席IDとデータベースを除いた説明をしてきたが、優先席IDの動作を含めて、ICカード読取部812、優先席制御部の構成は、同一車両161内にある他の優先席にも設けられており、優先席の数だけその制御部が備えられていることになる。
図9にある、ICカード読取制御部933、同制御部934がそれで、これらの制御部は同一の車両161内にある、他の優先席に設けられた複数のICカード読取制御部を意味しており、その動作は、これまでに図9を用いて説明したICカード読取制御部933等、優先席制御部と同一の動作をする。
また、同一車両内に設けられた、ICカード読取部812、優先席制御部の構成は、これまでに説明してきた車両161の前後に接続されている車両にも設けられている。それが、ICカード読取制御部931であり、図9では、ひとつのみしか描かれていないが、やはり、その車両内にある優先席の数だけその制御部が備えられており、その動作は、これまでに図9を用いて説明したICカード読取制御部、優先席制御部と同一の動作をする。
ただし、必ずしも、1台のICカード読取部と優先席制御部でひとつの優先席を管理しなくてはならない訳ではなく、近傍にある複数の優先席を管理しても良い。
【0190】
これまでに、優先席IDとデータベースを除いて説明してきたが、少し前の動作説明で、時々、表現されていた優先席IDとその動作について述べる。
優先席IDは電車等を構成している全車両に有する各優先席全てに、異なるID(番号)を付与し、優先席IDとその優先席状況(例えば、空席、使用中、故障中といった状態)をデータベースにより管理するために利用する。
【0191】
また、乗務員室172の優先席管理サーバ218の入出力装置を操作することで、乗務員222の判断で優先席IDを指定して、該当の優先席の解除を行わせることができるように利用する。
優先席状況を把握する目的以外にも、同一の優先席カードで複数の席を利用しないように、当該優先席以外のIDを有する優先席を同一の優先席カード発行番号で利用していないかを管理することに利用する。
【0192】
図10は車両における優先席IDの設定を説明する図である。
図10を参照すると、一例として、本発明に該当する優先席が優先席1001から1008まで存在する。これらの優先席に、優先席を個々に識別するための番号(ID)を付与する。付与する番号の一例として、車両の号車番号、進行方向の左右、車両内の進行方向の先頭側から若い番号を優先席に付与するといった方法が考えられる。
【0193】
ただし、進行方向は上り、下りで変わってしまうので、起点から終点に向かう方向を基準とすることにしても良いし、その都度、上り、下りで逆に使用することが都合の良い場合には、その様に設定することもできる。
具体的に述べると、一例として、10両編成の図10の様なベンチ式シートの電車が下り方面(起点から終点に向かう。)へ向かっているとして、進行方向の左側を“0”、右側を“1”で表し、図10の全体を表示している車両を仮に6号車とし、先頭車が1号車、最後尾車両が10号車とする。最前部と最後部の車両に乗務員室がある以外に、他の車両には席の構成に相違がないという条件の下では、図の優先席1001から1008までのIDは次のようになる。
図の優先席 優先席ID 意味
1001 05002 05号車、左側、前方から2番目の優先席
1002 06001 06号車、左側、前方から1番目の優先席
1003 06002 06号車、左側、前方から2番目の優先席
1004 07001 07号車、左側、前方から1番目の優先席
1005 05102 05号車、右側、前方から2番目の優先席
1006 06101 06号車、右側、前方から1番目の優先席
1007 06102 06号車、右側、前方から2番目の優先席
1008 07101 07号車、右側、前方から1番目の優先席
【0194】
優先席ID5桁の先頭2桁で車両の号車番号を表し、3桁目で左右(左を0、右を1)を表し、4桁と5桁目でその車両の前方から、1から数えた優先席の順番を表している。従って、図10に表す車両よりも優先席が多い(例えば、7人掛けのシートにも設けたとする。)とすると、優先席の番号は01から99まで付与できることになる。同様に、車両の号車も01号車から99号車まで表すことができる。従って、車両数、優先席数に応じて、IDのための桁数を調整すれば良い。
【0195】
ボックス席、あるいは、横方向に2席以上ある車両、例えば、ボックス席が左右にある場合には、前述のID3桁目を横方向に0から3まで付与していく方法にして、1台の、優先席制御部を含むICカード読取制御部で制御しても良い。その場合には進行方向に対して、左右という考え方は無くなることになる。
このIDの付与方法は一例であり、車両の先頭を0号車としてもよいし、左を1、右を2とするようにしても良い。また、席の数を二桁でなく一桁として、1から9までの9席としても、0から9までの10席としても、付与の方法が変わるのみで、優先席IDの桁数は5桁以下でも、それ以上あっても、優先席が特定できれば、その効果には変わりがない。
【0196】
同様に、席の番号が0から始まっても、それ以外の番号から始まっても、席が特定できれば、その効果には変わりがない。
優先席IDの設定は、一般的には車両の修理や点検を業務とする保守員が設定するのが一般的であると思われるが、その方法を知っている乗務員、駅員が実施しても良い。
優先席IDは手動で設定する。図9において、新規、あるいは、故障交換直後のICカード読取装置のICカード読取制御部の座席ID記憶部924は初期状態であり、IDが未設定である。そこで、先の保守員等がそのICカードリーダ装置の錠を開錠し、ICカード読取制御部の座席ID手動設定制御部926に備えられた、図には表示していないID設定スイッチ(例えば、ロータリー式のスイッチで、設定した数値に合った信号をコード化して出力するものがある。)で、車両の号車番号、左右、進行方向に沿った順次番号を設定する。
【0197】
ここで、上記の説明ではスイッチ等を利用した方法で行っているが、スイッチではなく別の方法、例えば、タンデムシャントと呼ばれる部品で、論理基盤上に立てられたピン間の短絡や開放でONやOFFを設定しても良い。
また、スイッチやタンデムシャント等のハードウェアを利用した方法で行わず、メモリ部に直接、書き込む方法等を採用しても良く、異なるID(番号)が設定できればその効果に変わりはない。
【0198】
座席ID手動設定制御回路926に設定された優先席IDは座席ID制御回路925に通知され、座席ID制御回路925は座席ID記憶部924にそのIDを記憶するように動作する。また、座席ID記憶部924にいったん記憶された内容は、次の書き換えが行われるまで、電源が切断されても消えないように動作する。
また、座席ID記憶部924に記憶された情報は、優先席管理サーバ218からの要求に応じて、CPU904が動作し、座席ID制御回路925に読み出し命令を発行し、座席ID記憶部924から優先席の座席IDを読み出すように動作する。その情報を得たCPU904は通信制御回路932、信号線を介して優先席管理サーバ218に通知することもできるように動作する。
【0199】
次に、優先席座面602の状態が変化した(空席から使用状態、あるいは、使用状態から空席状態となること。)場合、その状態変化がCPU904に通知され、CPU904は主記憶部928に一時的に記憶するとともに、CPU904、通信制御回路932、信号線939、950、951を経由して優先席管理サーバ218に通知され、優先席管理サーバ218は優先席IDごとにその使用状況、使用開始時刻、使用終了時刻状況を優先席管理データベース223に記録するように動作する。主記憶部928に一時的に記憶するのは、各制御部群の初期化動作が行われたときまで、あるいは、優先席管理サーバ218から主記憶部928の優先席状態の記憶情報初期化指示を受けるまでである。
【0200】
主記憶部928に一時的に情報を記憶しておくのは、情報を通知する過程において、何らかの原因で優先席管理サーバ218に情報が届かなかったときに、再度、情報の再送要求に応えられるように動作するためである。CPU904が優先席管理サーバ218に優先席座面602の状態が変化情報を伝える動作については、先の座面収納動作の説明においても触れている。
【0201】
また、優先席管理サーバ218はこの逆の経路をたどって、ICカード読取制御部に指示を出すことができ、座席の使用状態を報告するようにCPU904に命令するようにも動作する。この動作で、何らかの要因で管理下にある優先席管理データベース223のデータが異常となった時に、新規に記録しなおすことができるように動作する。
優先席IDの使い方として、使用状況の優先席管理データベース223の情報を管理する他に、乗務員室172の乗務員222は、優先席カード111の読取異常や急病人の発生による通知を車両内のマイク815、スピーカ813、乗務員室172の図にはないマイクとスピーカ972で会話を行い、その会話、あるいは、既に述べている、CPU904からの通知で優先席管理サーバ218の表示部965に表示されている、異常の発生している優先席IDを特定する。
【0202】
その後、乗務員222が乗務員室内172のキーボード964による入力操作、表示装置965による確認を行いながら、座席固定個別解除回路966に優先席管理サーバ218から指示を発行し、その優先席IDを指定して座面の解除を行うか、あるいは、故障していない、最も近い未使用状態の優先席IDを指定して、その優先席の座面の固定を解除する。
【0203】
乗務員222は優先席カード111の読取異常となった身体的弱者や急病人には固定の解除された優先席を使用するように指示することができる様にするためである。
電車等では、通常、先頭車最前部と後尾車最後部に乗務員室173、172があり、前部に運転士が、後部にドア開閉、案内放送等を行う乗客係がいる。通常は後部乗務員室172を想定しているが、信号は双方向に伝達できるようにされており、状況に応じて、最前部乗務員室173との切り替えを行うこともできる。
【0204】
それぞれの乗務員室173、172にある優先席管理サーバ218はクラスタ構成(いわゆる、正系・副系、動作系・待機系という呼び方をされる動作を行い、一方が故障しても、他方に同じハードウェアやソフトウェアの構成とDBを有しており、相互に監視しあって、故障した系から、正常動作可能な系に切り替えができるように動作するシステム)としても良い。
クラスタシステムは一般的な技術であるので、詳述することは省略するが、乗務員室173、172にある優先席管理サーバ218が管理しているデータベースに記録された情報について述べる。
【0205】
時により、路線が途中の駅で分岐して、電車等の車両を分割してそれぞれが別の方向へ向かうことがある。このような場合、前方部分の車両群と後方部分の車両群の接続部分に、乗務員室173、172が向き合う形で連結されている。このような場合には、先に述べたクラスタシステムの正系(動作系)の優先席管理サーバ218が分割後の乗務員室173、172にある、非稼動状態の優先席管理サーバに自身が有するDBの情報を伝送し、分割後もそれぞれの車両群でクラスタ構成により動作するように動作する。また、非稼動状態の優先席管理サーバ218の起動時にも、先に述べた様に、駅事務室内管理サーバ191との情報交換が行われる。
【0206】
あるいは、車両の分割後に優先席管理DB内のデータを初期化し、初期化の後に、クラスタシステムの正系(動作系)の優先席管理サーバ218が分割後の優先席空席状況を優先席IDにより各ICカード読取部に設けられた主記憶部928の内容をCPU904に問い合わせて、使用状況を把握し、自身が有する優先席管理データベース、及び、副系(待機系)の優先席管理データベースを更新しても良い。
【0207】
すなわち、優先席IDに関する動作は、切り離し前の状況で管理しても良いし、切り離し後に、優先席管理DBを初期化し、再度、使用中の優先席IDと優先席カード情報を優先席制御部の座席ID記憶部924や主記憶部928から読み出して再構築しても良い。
あるいは、乗務員室172の優先席管理サーバ218が車両の構成数を検出し、各優先席制御部の座席ID記憶部924に記録された優先席IDを元に、座席ID記憶部924の記憶内容を新たな優先席IDに書き換えて、優先席管理データベース223を再構築するように動作させても良い。
【0208】
また、別々の始発駅から出発し、路線の途中駅で連結して、同一の車両群として同じ方向へ向かうことがある。車両の連結を行った場合には、物理的な優先席IDが重複することになるので、連結後に、連結部分の乗務員室172の優先席管理サーバ218を停止し、優先席管理サーバ218は前方車両群、後方車両群のそれぞれの物理的優先席IDを論理的な優先席IDにプログラムで置換して管理するようにしても良い。
続いて、本発明が使用するデータベースについて、図を用いて説明する。
【0209】
また、本発明のデータベースに関する記述は、本発明の動作を説明するのに必要と思われる事項を記載してあるだけで、この内容で全てであることを表現しているわけでは無く、これらの内容、あるいは、これらの内容の少なくとも一部のみであっても、必要な情報が伝えられれば良く、これらの内容にさらに情報が追加されたデータベースであってもその効果に変わりは無い。
【0210】
図11は図1における大病院保健所等120の記憶装置133の患者データベース134について説明をする図である。
本図に示す患者データベースは病院における、患者の診察結果記録の一例を表し、その病院内で重複しない診察券番号に対応して、診察を受けた患者の氏名、住所、生年月日、医学的所見、回復見込み期間、検査記録か検査記録の照会番号、その他の事項を記録する。
【0211】
最近は、大規模な病院、小規模な病院に関わらず、紙媒体のカルテの他に、電子式のカルテ、患者の管理等は情報処理装置に委ねられることが多いが、本発明の優先席カード発行に必要な情報について言及しているのは、先の説明の大病院等と表現した、セキュリティやウィルス対策に配慮された医療機関で記録されているDBを意味している。
また、このDBの記録項目は一例であり、これらの項目以外に、例えば、性別、健康保険証番号、検査結果資料番号(例えば、レントゲン写真番号、尿検査、血液検査、脳波、心電図等が考えられる。)を記録しても良いし、不要と考えられる項目は無くても良く、本発明に必要な情報、すなわち、身体的弱者であることを証明する情報を知ることができ、かつ、医療従事者にとって必要な情報であれば良い。
【0212】
また、病院には診察機関コードとして重複しないコードを付与している。医療機関をコード化して、さらに、都道府県、市区町村もコード化することで、その地域内のどの医療機関かを判別できるようなコード体系としても良い。そうすることで照会を受けた時に検索や照会が実施しやすくなる。
診察券番号には、図11の例では任意の数字を使用しているが、先に述べた医療機関を特定するコード化した英字、数字を含む文字列と患者を特定する英字、数字を含む文字列で表しても良い。
【0213】
この一例において、診察機関コードnnnnnnnnの中で、先頭から第一桁に都、地方コード(例えば、北海道を“0”、東北地方を“1”、関東地方を“2”、中部地方を“3”というようにする。)を付与し、第二桁に都道府県コード(例えば、北海道の札幌市に“1”、他の都市、支庁に“2〜9、A〜Z”、青森県を“1”、東京都を“1”、茨城県を“2”、長野県を“3”とする。)というように付与する。すると、札幌市は“01”、東京都は“21”、茨城県は“22”、長野県は“33”となる。
【0214】
第三、第四桁に市区町村コード(例えば、重複しない連番)、第五桁に診療科コード(例えば、総合病院を“0”、内科を“1”、外科を“2”、整形外科を“3”とする。)、第五から第八桁に診察機関コード(例えば、重複しない連番)を付与する。複数の診療科を有する診察機関には、桁を増やして、その中に診療科コードを追加しても良い。
図11の症状、病状欄に、“1”が記入されている項目は、その項目が患者に該当する症状、病状を有することを意味している。項目には必ずしも“1”を記入しなくてはならない訳ではなく、その項目が該当しているということが分かれば、別の文字や記号(例えば、“○”や“×”等)でもよい。

【0215】
例えば、図11の診察券番号00000001の患者を一例とすると、氏名(架空)、住所(架空)、生年月日(1933年5月15日生)、両下肢が高齢のため老化に伴う筋力の衰えがあり、回復は困難であることを意味している。
同様に、診察券番号00000002の患者の例は、氏名(架空)、住所(架空)、生年月日(1965年10月8日生)、右下肢を骨折しており、治癒までに約2箇月を要することを意味している。
このようなデータベースであるなら、この診察機関は多くの診療科を有する総合病院に相当する例である。従って、前述の例に倣えば、診察機関コードの第五桁は“0”となる。
【0216】
図12は図1における地方自治体福祉担当部門100の記憶部113の被交付者データベース114について説明をする図である。
本図に示す優先席カード111の被交付者データベース114は優先席カード111を発行された、身体的弱者である人物に関する情報を記録したものである。
図11で説明した患者データベース134に類似しているが、一部で相違した項目がある。異なる点は、発行理由、パスワード、優先席カード発行日、有効期間から算出した有効期限等を有していることである。有効期間は診療期間の診断による治癒期間等を参考として、一定期間(例えば、1ヶ月、半年、1年等、症状と推定治癒期間を勘案して設定される。)ごとに被交付者は発行機関である地方自治体福祉担当部門100を訪れて、更新の申請を行わなくてはならない。
【0217】
有効期限を過ぎ、一定期間(例えば、一ヶ月)を経過したにも関わらず、更新手続きに被交付者が現れない時には、優先席カードの被交付者データベース114の該当者に相当する優先席発行番号を利用できないように無効のフラグを立てる。このフラグが立っている場合には、紛失カード同様に優先席は利用できなくなるように動作する。
発行理由、パスワード、優先席カード発行日、有効期間から算出した有効期限等は発行番号とともに、優先席カードにも記録する情報である。これらの情報は不正な利用に制限をかけることにも利用される。
【0218】
またこのDBに記録する各項目は一例であり、これ以上でも、これ以下であっても、あるいは、有効期限に代えて、有効期間であっても良く、本発明を実現するのに必要な情報があればその効果に変わりはない。
優先席カード発行番号に、図12の例では任意の数字を使用しているが、先に述べた発行機関を特定するコード化した英字、数字を含む文字列と被交付者を特定する英字、数字を含む文字列で表しても良い。
【0219】
優先席カード発行機関には発行機関コードとして重複しないコードを付与している。発行機関をコード化して、さらに、発行機関所在地の都道府県、市区町村もコード化することで、どの地域内で発行されたかを判別できるようなコード体系としても良い。そうすることで照会を受けた時に検索や照会が実施しやすくなることは診療機関と同様である。
発行機関コードnnnnnnnnの各桁が持つ意味の一例として、診療機関コードの地域を特定するのに付与した考え方を利用できる。ただし、診療科というものは存在しないので、別の意味を付与しても良い。
【0220】
図12の症状、発行理由欄に、“1”が記入されている項目は、その項目が被交付者に該当することを意味している。
例えば、図12の優先席カード発行番号99999000001の被交付者は、氏名(架空)、住所(架空)、生年月日(1933年5月1日生)、高齢者、パスワード(abcdefgh)、優先席カード発行日(2007年1月31日)、優先席カード有効期限(2008年1月30日)、優先席カードは有効であることを意味している。登録はされていないが、高齢のため老化に伴う筋力の衰えがあり、回復は困難であることを意味していると考えられる。
【0221】
同様に、診察券番号999999000002の被交付者の例は、氏名(架空)、住所(架空)、生年月日(1965年5月1日生)、怪我人、パスワード(abcdefgi)、優先席カード発行日(2007年2月6日)、カード有効期限(2007年4月5日)、優先席カードは無効(一定期間経過後も更新に現れなかったことから無効のフラグを立てた。)であることを意味している。レコードに登録は無いが、怪我が治癒して優先席カード更新はせず、優先席カードの返却にもまだ現れていない状態と考えられる。
【0222】
また、図12のデータベースに記述はないが、確証となる患者情報を発行した診療機関コードもレコードのひとつとして含まれる。
続いて、優先席カードを紛失した場合の図1における記憶部113の優先席利用カード紛失管理データベース116の説明を行う。このDBについてのレコードを表す詳細な図は無いが、最低限、優先席カード発行番号と発行機関コードの情報があれば、発行機関である地方自治体が特定でき、照会や検索、被交付者の特定はできると考えられる。
【0223】
地方自治体福祉担当部門100に申告された紛失カードの優先席カード発行番号、紛失理由(例えば、盗難、遺失)、申告日等の情報を記録したデータベースである。優先席カードが使用された時にこのDBの情報と発行番号が照合され、紛失の届けがなされていないかの照会を行うように動作する。
駅事務室内管理サーバ191(図2参照)が有する紛失カード管理データベース205(図2参照)も優先席利用カード紛失管理データベース116(図1参照)の写しで良いと考えられる。ただし、都道府県、市区町村のコードは、駅員212や乗務員222に分かりやすいように、駅事務室内管理サーバ191(図2参照)が実際の都道府県、市区町村に、あるいは、発行機関コードも実際の市区役所、町村役場名に変換することが望ましい。
【0224】
図13は図2における乗務員室172の記憶装置962の優先席管理データベース223について説明する図である。
本図に示す優先席管理データベース223には、優先席使用状況(例えば、空席、使用中、故障で開放中、故障で固定中)、使用した優先席カード発行番号、使用開始日と時刻、使用終了日と時刻等のログ情報も記録される。これらの情報は、統計情報(例えば、どの時間帯に多く使用されるか、どの優先席カード発行番号が多く利用されているか、といった調査)や、あるいは、盗難や遺失の届けが出されている優先席カード発行番号に該当していないかという照会に利用される。
【0225】
この優先席管理データベース223には、上記に述べた情報を登録するように考慮した構造でデータベースを構築しているが、これは一例であって、必要な情報があれば、これら以上の情報であっても、これらよりも少なくても良い。
優先席IDに対応する優先席の状態を管理するデータベースとして利用される。使用状態としては、一例として、空席を「0」、使用中を「1」、故障で、かつ、開放状態にして一般乗客も使用できる状態を「2」、故障で、かつ、固定状態であり、身体的弱者にも、一般乗客にも使用できない状態を「3」の様に表し、故障は車両の運行後に修理を行う情報として使用される。
【0226】
なお、この様な状態を上記の数値で表すのは一例であり、この数値以外の数値で表しても、数値でない別の情報で表わしても良い。
上記の「2」、「3」の故障状態であって、表示部に表示する機能や音声を出力する機能が動作するならば、優先席カード111がICカード読取部812に読み込まれるたびに、CPU904に通知される異常情報の検出信号で、表示部508に「故障中」のメッセージを表示するように、また、視覚障害を有する人には音声914で「故障中です。」と通知するように動作する。
【0227】
図13を参照していくつかの例を説明すると、優先席ID01001の優先席は空席で、使用されていない状態である。優先席ID05102の優先席は2008年2月1日 11:22:23に使用を開始しており、現在も使用中である。また、使用中の優先席カード発行番号に関する紛失届けは出されていないことを意味している。
同様に、空席であるのは、優先席ID06001、06002、07101、08002である。使用されている優先席は、優先席ID07001がある。優先席ID07001の優先席は2008年2月1日 11:16:49に使用を終了しており、ICカード読取制御部の主記憶部928(図9参照)に一時的に記憶され、やがて、優先席管理サーバ218(図9参照)が優先席管理データベース223から、図には無い、別の統計情報用DBに情報を移し、優先席管理データベース223の優先席ID07001の優先席は使用状況を“1(使用中)”から“0(空席)”状態に更新される。
【0228】
ここで、優先席ID06002の優先席で使用されようとしている優先席カード発行番号999999000123は紛失届けが出されている優先席カード発行番号と一致している。この情報は乗務員室172の優先席管理サーバ218(図9参照)の表示部965(図9参照)にも、駅事務室190に通知された同じ情報により駅事務室内管理サーバ191の表示部202(図2参照)にも表示されるように動作するとともに優先席管理サーバ218により優先席ID06002の優先席の収納状態を解放状態にすることが拒否される。この場合、駅員212か乗務員222から連絡を受けた駅員212が、最寄りの警察署に通報し、警察官に職務質問をしてもらうようにする。
【0229】
さらに、駅員212か乗務員222が乗務員用携帯型端末217又は220(図2又は図9参照)を持参し、該当する優先席ID06002の優先席に向かい、その優先席を利用している人の優先席カード111を読み取り、内容の確認を行い、不審な点が見つからない場合、優先席ID06002の優先席を開放状態にし、有効期限を短縮するように操作し、優先席カード111に書き込む。紛失の届けが出されていることと、有効期限を短縮したことを伝え、正式な持ち主であれば、最寄りの自治体福祉担当部門100で更新してもらうように利用者に伝える。
【0230】
次に、図14から図17のシーケンスチャートを参照して本発明の第1の実施例の動作について詳細に説明する。図14において「S」と表記してあるのはステップを意味しており、他の図15から図17においても同様である。
図14は、患者Aの動作例を説明する流れ図である。
図14を使用し、患者Aの動作の流れを説明する。
【0231】
患者Aが大病院等に診察、あるいは、乳児の定期健診(以降、シーケンスチャートの説明において、特に断らない限り、診察や乳児の定期健診を含めて診察と記述する。)に行く(S1)。
患者Aは医師、または、保健師の診察を受け、必要に応じて、治療、手術、あるいは、相談をすることになる。その結果によって、患者Aは優先席カード111の交付を受ける権利を有することを医師等から知らされる(S2)。
【0232】
医師、保健師、あるいは職員が、医師のカルテ、検査結果、検診結果を大病院等120にある管理サーバ132内の記憶装置133にある患者DB134に記録する操作を行う(S3)。
管理サーバ132が記憶装置133内の患者DB134に記録を行う(S4)。
管理サーバ132が表示装置に記録の終了したことを表示する(S5)。
診察が完了した患者Aが優先席カード111の交付申請を行うことを希望する場合には、規定の書式の申請書を作成して、個人情報が第三者(例えば、地方自治体福祉担当部門100)に提供されることに同意した上で、窓口職員に申請を行う(S6)。
【0233】
窓口職員は、大病院120が有する管理サーバ132に患者DB134から必要な情報を地方自治体福祉部門100の管理サーバ112に送付するよう端末を操作する(S7)。
大病院120の管理サーバ132が患者DB134内の必要な情報を地方自治体福祉部門100の管理サーバ112にある、情報を一時的に記録するDB115に患者情報を送信する(S8)。
【0234】
地方自治体福祉担当部門100の管理サーバ112は、申請者である患者Aが地方自治体福祉担当部門100の窓口に申請するために出向くまで、一定期間(例えば、1ヶ月)だけ保存しておくが、一定期間経過しても申請者が窓口に来ない場合には、管理サーバ112は一時的に記録するDB115内の該当者データを消去する(S9)。
地方自治体福祉部門100の管理サーバ112は受取った情報を一時的に記録するDB115に記録が終了したことを大病院等120の管理サーバ132に通知し、大病院等120の管理サーバ132は職員が使用する端末131に表示その旨を表示する(S10)。
【0235】
患者Aは診察料の支払い等の必要な手続きを行って、大病院等120を退去する(S11)。
さらに、後日、患者Aは最寄りの地方自治体福祉担当部門100に出向き、優先席カード発行申請書の作成を行い、窓口で申請を行う(S12)。
地方自治体福祉担当部門100の職員は窓口の端末を操作し、管理サーバ112の一時的に記録するDB115に記録があることの確認操作を行う(S13)。
【0236】
管理サーバ112は問い合わせの情報を検索する(S14)。
管理サーバ112は対象の記録が検索できた場合には、その情報を窓口職員の端末107に表示、窓口職員はそれを確認する(S15)。
続いて、窓口職員は患者Aからの優先席カード発行申請書の内容と一時的に記録するDB115の記録を元に、優先席カード発行処理操作を行う(S16)。
【0237】
地方自治体福祉担当部門100の管理サーバ112は優先席カード111の被交付者DB114にデータを移行する(S17)。
地方自治体福祉担当部門100の管理サーバ112は被交付者DB114の更新を行う(S18)。
更新が完了したことを、地方自治体福祉担当部門100の管理サーバ112が窓口職員の使用する端末107の表示部108に表示し、さらに、優先席カード作成に必要な情報を窓口職員の使用する端末107に送付する(S19)。
【0238】
端末107は付属するICカードリーダライタ109に記録すべき情報を送付する。(端末に付属するICカードリーダライタ109は送付された情報をICカードに書き込みを行い、書き込まれた情報を一度読み取り、送付された情報との比較を行って、不整合の有無を照合する(S20)。
照合が正しく行われたことを確認した窓口職員は、記録後のICカードを抜き取り、申請者本人、または、申請者本人から委任を受けた者の本人確認(例えば、免許証やパスポート等の公的な証明書による。)を行って、交付する。交付された時点から、単なる記録媒体であったICカードは優先席カード111となる(S21)。
【0239】
優先席カード111の交付を受けた患者A(本人のみではなく、介助者や同行者でもよく、この図の説明においては、これらのものを患者Aと記述する。)は公共交通機関160を利用するために、電車等の交通機関に乗る(S22)。
患者Aは乗車口近くの最寄りのICカードリーダ読取装置507にかざし、優先席カード111の情報を読み取らせる。ICカード読取制御部は読み取った情報や優先席IDの情報を乗務員室172の優先席管理サーバ218に通知する。優先席管理サーバ218は有効期限切れの確認、重複使用の確認等を行い、さらに、最寄りの駅事務室190の管理サーバ191に優先席カード111の発行番号や使用開始時刻等のログ情報を送付する。乗務員室172の管理サーバ218は自身の優先席管理DB223内の紛失カード番号と優先席カード発行番号を照合し、一致するときには表示部965に表示する。または、駅事務室内管理サーバ191も紛失カード管理DB205内のカード番号と照合し、一致する優先席カード発行番号が存在する場合には、電車等の乗務員室172の優先席管理サーバ218に通知する。
【0240】
有効期限切れや不正使用の疑いがある場合には、優先席制御部は優先席座面602の固定は解除しない。乗務員室172の優先席管理サーバ218はその理由を付属する表示部965に表示する。乗務員222はその理由に応じた対応(例えば、次の停車駅の駅に通知する。)また、乗務員室172の優先席管理サーバ218は利用者のプライバシー等に支障のない理由であれば、メッセージ(例えば、「有効期限が切れています。」といった内容)を表示部508に表示する。
【0241】
利用者が既にいる場合には、表示部508に表示されたメッセージの案内に従って移動し、そちらの優先席を利用する。移動先の優先席カード情報を読み取らせた後の動作は前述の動作と同様であり、その間における各制御部や各管理サーバの動作も前述の動作と同様である(S23)。
有効期限切れや不正使用の疑いがない場合には、優先席制御部は優先席座面602の固定を解除し、患者Aは着座する(S24)。
【0242】
患者Aが優先席カード111の情報を読み取らせた時に、近くにある表示部508に表示されるメッセージ、あるいは、スピーカ813からの音声で、有効期限の近い旨の表示がされないかを確認する(S25)。
有効期限が近い旨(例えば、あと10日で有効期限となります。)の予告メッセージが表示、あるいは、音声による告知をされた場合には、患者Aは近日中に、更新が必要であることを知る(S26)。
【0243】
下車駅、または、下車する停留所が近づいたときには、患者Aは優先席から立ち上がり、荷物や人体の挟み込みの無いことを確認し、座席収納ボタン808を押す。優先席の収納が自動的に行われるが、異常を認めた時には、直ちに緊急停止ボタン807を押す。座席602の収納は直ちに停止し、座席は自由な状態となる。異常の原因を除き、再び、座席収納ボタン808を押す。優先席の収納が自動的に行われるが、この時に、優先席周囲のセンサ群917が異常を検出した時にも、直ちに収納は停止し、座席は自由な状態となる。センサ群917が検出した異常の原因を除き、再び、座席収納ボタン808を押すと優先席の収納が自動的に行われる(S27)。
【0244】
患者Aは座席の収納と座席の固定されたことを確認して下車するか、特に異常の要因が不明であるにも関わらず優先席が収納、あるいは、固定されなければ、患者Aは乗務員222に連絡し下車する(S28)。
患者Aがステップ26で優先席カード111の有効期限が近づいていることを知るか、あるいは、優先席カード111の表面に表記された有効期限を確認して、期限が近いことを知る(S29)。
患者A、または、患者Aの委任を受けた代理人は、地方自治体福祉部門100の窓口に出向き、必要により優先席カード111の延長を申請するか、不要となった場合には返納を行う。延長の申請を行う場合に、窓口職員は必要に応じて大病院等120の診察を受け、確証となる情報の提供をもとめることを行う。この動作は、ステップ1からの動作の流れと同様である(S30)。
【0245】
図15は、患者Bが個人院等に出かけた時の動作例を説明する流れ図である。
患者Bが個人病院140に診察を受けに行く(S31)。
医師により、必要に応じて、治療や手術を受けることになる。その結果によって、患者Bは優先席カード111の交付を受ける権利を有することを知らされる(S32)。
医師はカルテを作成し、場合によっては、診察結果や検査結果の情報を電子化することもある。これらは個人病院140における患者の紙媒体、または、電子媒体による患者情報として記録される(S33)。
【0246】
医師、あるいは、個人病院140に勤務する職員が、医師のカルテ、検査結果、検診結果をスタンドアローン形式で使用される管理サーバ内の記憶装置に記録する操作を行い、患者情報が電子媒体で正しく記録される、あるいは、紙媒体で患者情報が正しく保管される(S34)。
記録や保管の確認を終える(S35)と、医師は、診察や治療の継続、治療の終了を患者Bに伝えるとともに、優先席カード111を交付してもらえる資格を有することを患者Bに伝える(S36)。
【0247】
身体的弱者となった患者Bが優先席カード111の交付申請を行うことを希望する場合には、規定の書式の申請書を作成して、個人情報が第三者(例えば、地方自治体福祉担当部門100)に提供されることに同意した上で、個人病院140の医師、または、窓口職員に申請を行う(S37)。
個人病院140の医師は、患者Bの診察記録から必要な情報を地方自治体福祉担当部門100に提出書類(確証)を作成する(S38)。
【0248】
医師が作成した提出書類は患者Bに渡される。患者Bは診察料の支払い等の必要な手続きを行って、個人病院140を退去する(S39)。
後日、患者Bは最寄りの地方自治体福祉部門100に出向き、優先席カード発行申請書の作成を行い、個人病院140の医師が作成した提出書類を添付して、窓口で申請を行う(S40)。
【0249】
地方自治体福祉部門100の窓口職員は、患者Bからの優先席カード発行申請書の内容と個人病院140の医師が作成した提出書類を元に、窓口の端末107を操作し、優先席カード発行処理操作を行う(S41)。
地方自治体福祉担当部門100の管理サーバ112は被交付者DB114の更新を行う(S42)。
【0250】
更新が完了したことを、地方自治体福祉部門100の管理サーバ112が窓口職員の使用する端末107に表示し、さらに、優先席カード作成に必要な情報を窓口職員の使用する端末に送付する(S43)。
その端末107は付属するICカードリーダライタ109に記録すべき情報を送付する。端末107に付属するICカードリーダライタ109は送付された情報をICカードに書き込みを行い、書き込まれた情報を一度読み取り、送付された情報との比較を行って、不整合の有無を照合する(S44)。
【0251】
以降のS45からS54までの動作は、患者Aにおけるシーケンスチャート図14におけるS21からS30と同一の動作において患者Aを患者Bに置き換えたもとの同じである。
続いて、患者Cが大病院等に出かけた時の例を説明する。
患者Cにおいては、妊産婦、あるいは、乳幼児を持つ保護者を想定しており、大病院120に診察を受けにいった場合や、大病院と同等の情報処理設備を有する大規模な保健所120に定期健診を受けにいく場合が考えられる。
【0252】
また、患者Cは大病院等120で有するような情報処理装置を持たない個人病院140の産科や、小規模な保健所に定期健診を受けに行く場合も考えられる。
患者Cが患者Aと異なる点は、妊娠に伴う病気もあるが、一般的には、妊娠に伴う母体への負担がある点と、他に乳幼児の保護者であることが考えられ、移動の際に、乳幼児を保護する負担がある点である。
【0253】
図16は、患者Cが大病院等に出かけて診察や検診を受けた場合の動作例を説明する流れ図である。図16においてのシーケンスは、病人や怪我人が大病院等を訪れる場合のシーケンスを説明した図14とほぼ同等である。異なる点は、患者Cが妊娠しているという証明する情報を最寄りの地方自治体福祉部門100の管理サーバ107に送付することと、乳幼児を保護する者であるという証明する情報が必要な点である。
【0254】
妊娠しているという証明については、一例として、大病院120からの電子情報、あるいは、母子手帳等から入手することができる。また、乳幼児を保護する者であるという証明については、一例として、地方自治体の戸籍謄本や住民票を扱う部門、あるいは、住民基本台帳ネットワーク等から入手が可能と考えられる。
これらの証明書類を、地方自治体福祉部門100の窓口に提出することで、可能と考えられるので、それ以外については、図14の怪我や病気の患者Aを、妊産婦である患者Cと読み替えることで、図16のシーケンスにおける各ステップの動作は図14のシーケンスと同様である。
【0255】
妊娠に伴って、病気と考えられる症状を呈している場合には、患者Cと考えるよりは、一般の患者Aと見做して図14を参照すれば良い。
図17は、患者Cが個人病院、小規模保健所等に出かけて診察や検診を受けた場合の動作例を説明する流れ図である。
この場合も、図15の怪我や病気の患者Bを、妊産婦である患者Cと読み替えることで、図17のシーケンスにおける各ステップの動作は図15のシーケンスと同様である。
優先席カード111の交付を受けるには、患者Cが妊娠しているということを証明する紙媒体の書類を最寄りの地方自治体福祉担当部門100の窓口担当者に提示、あるいは、添付して申請する必要がある。さらに、乳幼児を保護する者であるということで交付を受けるなら、それを証明する確証を最寄りの地方自治体福祉担当部門100の窓口担当者に添付して申請することが必要である。
【0256】
それらは、妊娠の証明なら母子手帳の提示、あるいは、乳幼児を保護する者であるという証明なら、地方自治体の戸籍謄本や住民票を扱う部門、あるいは、住民基本台帳ネットワーク等から入手が可能と考えられる。従って、図15における患者Bを図17における患者Cに読み替えることで、図17のシーケンスにおける各ステップの動作は図15と同等である。
【0257】
妊娠に伴って、病気と考えられる症状を呈している場合には、患者Cと考えるよりは一般の患者Bと見做して、図15を参照すれば良い。
図18は、急病人が発生した場合の優先席利用方法の動作例を説明する流れ図である。
まず、体調不良となった本人か、周囲にいる人が、ICカード読取装置507の乗務員呼出ボタン809(図8参照)を押下する(S121)。
【0258】
乗務員呼出ボタン809が押下されることで、乗務員室172のスピーカ972(図9参照)に警報音が鳴り、乗務員222を呼び出す(S122)。
乗務員222はICカード読取制御部のスピーカ813(図9参照)からメッセージを音声で通知する機能から、乗務員222の会話をスピーカに流す機能に乗務員室172の図にはない切替えスイッチで切替える(S123)。
【0259】
乗務員222は乗務員呼出ボタン809を押下されたICカード読取装置507のスピーカ813(図8参照)に返答する(S124)。
乗務員222は乗務員呼出ボタン809を押下した者と会話を行う(S125)。
乗務員呼出ボタン809を押下した者は事情を乗務員222に伝える(S126)。
乗務員222は優先席管理サーバ218の入出力装置を操作し(S127)、乗務員222は乗務員呼出ボタン809が押下された優先席とその近くの優先席の空席状況を優先席管理DB223から把握する(S128)。
【0260】
乗務員呼出ボタン809が押された場所の優先席が空席ならば、乗務員222はその優先席の優先席IDを、空席でないならば、最も近い優先席の優先席IDを指定して、固定解除を操作する(S129)。
乗務員室172の優先席管理サーバ218は、優先席の固定を解除する(S130)。
それと同時に優先席管理DB223の当該優先席IDの優先席を「使用中」の状態に更新する様に動作をする。この時に使用される優先席カード発行番号は急病人用の特別な番号(例えば、全てが9の並んだ番号、あるいは、先頭に、通常使用されないアルファベットを付与しても良い。)を使用して、優先席管理DB223が更新される(S131)。
【0261】
並行して、乗務員222は最寄りの停車駅職員に連絡し、急病人が発生したこととその場所(車両番号、優先席番号)や急病人の状態等を連絡する(S132)。
連絡を受けた最寄りの駅職員は、電車が到着時に連絡を受けた場所に急行する(S133)。
最寄りの停車駅職員は急病人の容態を確認し、駅事務室190で休憩するか、救急車での搬送を行うかを判断する(S134)。
【0262】
状態が悪いようであれば、急病人を下車させ、駅事務室190で休憩させるか、救急車で病院へ搬送する(S135)。
駅職員212は急病人の下車後に、優先席の座席収納ボタン808を押下し、優先席を収納する(S136)。
優先席が収納されると、乗務員室172の優先席管理サーバ218は、優先席管理DB223の当該優先席IDの優先席を「未使用中」の状態に更新する様に動作をする(S137)。
【0263】
優先席管理DB223が更新される(S138)。
したがって、本発明の第1の実施例によれば、次の効果が期待される。
第1の効果は、普段は固定されていて使用できない状態の優先席が、優先席カードの読み取りで固定解除を行うというように構成されており、優先席を必要とする身体的弱者が言葉通り優先的に席を確保することができることにある。
【0264】
その理由は、自治体等の福祉部門から発行される証明書が無いと利用可能な状態にすることができない構造を有しているためである。
第2の効果は、優先席を必要とする身体的弱者が乗車した車両に優先席が使用されていても、その近くに設けられた、メッセージ表示部、あるいは、メッセージの音声出力を行う装置で構成されており、その読取装置に証明書を読み取らせることで近くにある優先席の案内をすることができることにある。
【0265】
その理由は、優先席の使用状況を電車等に搭載した管理サーバが空席状況を把握しており、最も近い空席を、メッセージ、あるいは、音声で身体的弱者に知らしめる機能を有しているためである。
第3の効果は、優先席カードの所有者が、優先席カードの盗難、遺失、紛失に気づいた際に発行機関に届け出ると、発行機関のDBに紛失情報として登録され、さらに、その情報は公共交通機関の事務所に設けたられたサーバが有するDB、あるいは、公共交通機関が有するDBにも通知されるように構成されており、悪意のある第三者が届けの出ている優先席カードで優先席を不正に利用すると、そのDBに登録されている優先席番号が一致し、警告が表示されることで不正利用者を見つけ出すことができることにある。
【0266】
その理由は、乗務員や駅員の携帯型端末の情報、あるいは、乗務員室内管理サーバにある情報と紛失カード情報を地方自治体福祉部門の管理サーバから入手して、利用されたカード番号との照合ができるためである。
第4の効果は、使用ログを採取し、使用頻度の統計を取り、使用頻度が高く同一の発行番号の優先席カードが無理な使用状況で使われていないか情報を残すことができるように構成されており、近い時間帯で距離の離れた異なる路線の電車等を利用している、といった不正使用と思われる事象を見つけることができることにある。
【0267】
その理由は、電車等の優先席管理サーバに登録される、優先席カード発行番号、使用時間の情報を発行元のサーバに送信することができ、使用状況の分析ができるためである。
【実施例1】
【0268】
次に、本発明の第2の実施例を説明する。
本発明の説明において、これまではICカードとICカードリーダライタを第一の実施例として説明してきたが、優先席カードに使用する媒体とその読取装置を、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ、赤外線通信、磁気カード、といった、電気的、磁気的、光学的、音響的に短距離通信ができる媒体と装置で構成しても良い。
【0269】
これら以外にも、例えば、Bluetooth、一次元や二次元バーコード、超音波等の媒体や、通信を媒介する要素を制御する装置で構成し、優先席カードとして発行しても良い。また、非接触式で実施する例について説明してきたが、媒体とその読取装置によっては、接触式で動作するようにしても良い。
また、媒体としての形状を、ICカードのようなカード式の形態について述べてきたが、疾病を有する人体の臓器の小さな(例えば、数cmくらい)模型(例えば、心臓、肺、肝臓、胃、眼球等)、あるいは、人体の全身像を模した模型内部にICチップ、RFIDタグ等を組み込んで、キーホルダ様の形態にしても良い。
【0270】
この場合、発行機関、連絡先、番号等を記述したタグ(ここで言うタグは電子部品のひとつであるICタグではなく、単語帳の一片の形状をしたような硬いもの)を上記形態に付属させるようにしても良い。
発行機関等の情報を表示することができれば、タグの形状はいかなる形(例えば、円、楕円、正方形、長方形)でもよく、表面に上記の表示ができ、情報を記録した上記電子素子から容易に外れなければ良い。
【0271】
その模型には、絆創膏を十字に貼ったような×印の形を、例えば白く表示して、内蔵疾患がある、あるいは、身体に問題を抱えていることを知らしめても良い。それ以外は、第一の実施例と同じである。
【実施例2】
【0272】
図19は本発明の第3の実施例に係る身体的弱者優先席着座システムの全体構成を表すブロック図である。
図19を参照すると、本発明の第3の実施例の構成は、自宅等2000から、怪我や内臓疾患等を有する身体的弱者2001、身体的弱者が有するインターネット網に接続できる端末2002、インターネット網に接続している回線(例えば、加入者電話回線、ADSL等で、インターネット網に接続できれば種類は問わない。)2003で構成される。
【0273】
身体障害者で回復が困難な身体的弱者は一度優先席カード111を交付された場合には、必要な書類等の確認が済んでいることから、地方自治体福祉担当部門100の管理サーバに設けられた、図には無い更新用のホームページに、予め付与された、ログインIDとパスワードを使用してログインし、本人認証ができれば、優先席カードの更新ができるようにする。
【0274】
地方自治体福祉担当部門100の担当者が更新後の新しい優先席カード111を郵送等の方法で該当者に送付する。当該身体的弱者は、旧優先席カードを郵送等の方法で返納する。郵送という送付の方法は一例であって、その他の方法で当該身体的弱者に送付しても良い。
自宅2000からアクセスして更新ができることで、身体的弱者への負担が軽くなる。ただし、ある程度の期間が経過(例えば、一年有効の更新を2回行った。)した時には、3回目は窓口に出向き、本人確認を行ってから更新するという方法を行っても良い。
【0275】
これは、当該身体的弱者の死亡、入院といった事情がありながら、悪意のある第三者が当該身体的弱者のIDやパスワードを不正に入手し、継続利用することを避けるためである。
通常、身体障害者は公的機関から発行された身体障害者手帳を持っている。現在の身体障害者手帳は紙媒体に写真を貼付した様式のものが一般的であるが、将来、公的機関による最初の認定時に、本発明のような仕様で電子式の身体障害者手帳を交付すれば、身体障害者に関しては、わざわざ公的機関で本発明のような手続きを踏まずとも優先席を使用することができるようになる。こうすることで、身体にかかる負担を軽減することができる。
これ以外については第一の実施例と同じである。
【実施例3】
【0276】
続いて、第4の実施例を説明する。
第4の実施例として、出入り口ドア付近に優先席カード111の読み取り部を設け、身体的弱者が乗り込む時に、予め、優先席カード111の情報を読み取ることで、例えば、足の不自由な人、視力が不自由な人が乗車してきた時には、ドア付近で優先席カード111の情報を読み取った優先席カード読取装置が動作して、優先席までの通路を譲ってくれるような案内を早めに流しても良い。これ以外については第一の実施例と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0277】
本発明によれば、電車等に立って乗車するのがつらい、あるいは、電車等のゆれや発進、停止動作に、即座に対応できないような、優先席が本当に必要とされる人が容易に優先席を利用できるという用途に適用できる。
また、通常は、混雑を避けるために、あまり休憩のための椅子やベンチを設置していない博物館や美術館等の公共施設でも、身体的弱者には途中で休憩することができるといった用途に適用可能である。
【0278】
あるいは、各種公共施設、百貨店、あるいは、高速道路のサービスエリア等に設けている駐車場で、主たる施設に比較的近い場所に、身体障害者用の駐車区域を設定している場合がある。しかし、心無い運転者が駐車してしまい、真に必要とする人が使用できないことがある。その様な場合、駐車場の障害者優先駐車区域に進入防止装置を設置し、本発明の優先席カードで進入防止装置を解除して駐車できるようにするといった用途に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0279】
【図1】本発明の第1の実施例に係る身体的弱者優先席着座システムの全体構成を表すブロック図である。
【図2】図1における駅事務室内管理サーバ191とその周辺の詳細を示すブロック図である。
【図3】図1の公共交通機関160の車両161の中間に接続されている一両を真上から見た様子を表しており、複数の車両のうちの一両分の車両161とその周囲についての構成例を述べる図である。
【図4】図3のA部詳細363周囲の側面から折りたたみ可能な優先席が折りたたまれた状態を見た一例を示す図である。
【図5】図3のA部詳細363周囲の正面から折りたたみ可能な優先席が折りたたまれた状態を見た一例を示す図である。
【図6】図3のA部詳細363周囲の側面から折りたたみ可能な優先席が利用可能な様に開いた状態を見た一例を示す図である。
【図7】図3のA部詳細363周囲の正面から折りたたみ可能な優先席が利用可能な様に開いた状態を見た一例を示す図である。
【図8】図5又は図7のICカード読取装置507の周辺部の構成について詳細な説明を行う図である。
【図9】図8におけるICカード読取装置507の優先席制御部のハードウェアに関連する機器構成を示すブロック図である。
【図10】車両における優先席IDの設定を説明する図である。
【図11】図1における大病院保健所等120の記憶装置133の患者データベース134について説明をする図である。
【図12】図1における地方自治体福祉担当部門100の記憶部113の被交付者データベース114について説明をする図である。
【図13】図2における乗務員室172の記憶装置962の優先席管理データベース223について説明する図である。
【図14】患者Aの動作例を説明する流れ図である。
【図15】患者Bが個人院等に出かけた時の動作例を説明する流れ図である
【図16】患者Cが大病院等に出かけて診察や検診を受けた場合の動作例を説明する流れ図である。
【図17】患者Cが個人病院、小規模保健所等に出かけて診察や検診を受けた場合の動作例を説明する流れ図である。
【図18】急病人が発生した場合の優先席利用方法の動作例を説明する流れ図である。
【図19】本発明の第3の実施例に係る身体的弱者優先席着座システムの全体構成を表すブロック図である。
【図20】従来の列車優先席報知システムを示す図である。
【符号の説明】
【0280】
101−103…被交付者
105…証明書、申請書a
106…窓口担当者
107…端末
108…端末表示部
109…ICカードリーダライタ
100…地方自治体福祉担当部門
110…キーボード
111、111−1、111−2、111−3…優先席カード(ICカード)
112…管理サーバ
113…記憶部
114…被交付者データベース
115…被交付者申請用一時データベース
116…優先席利用カード紛失管理データベース
117…LAN
120…大病院保健所
121…医師
122…患者A
123…カルテ
124…医師、保健師
125…妊産婦(患者C)
126…カルテ、検診結果等の記録
127…職員
128…患者
129…患者
130…申請書a
131…端末
132…管理サーバ
133…記憶装置
134…患者データベース
135…LAN
141…医師
142…患者B
143…証明書
160…公共交通機関
161…電車・バス等の車両
162、163、…、16n…乗客
163-1〜163−n、164-1〜164−n、165-1〜165−n、166-1〜166−n…乗客
163、163−1、163−2、166−2…身体的弱者の乗客
172、173…乗務員室
174、175…アンテナ
174A、174B…アンテナ
180…インターネット網
181、182、183…ネットワーク
190…駅事務室
191…駅事務室内管理サーバ
192…記憶装置
193…電車乗務員室間無線通信制御部
194…アンテナ
202…表示部
203…キーボート
205…紛失カード管理データベース
207…LAN
209…表示部
210…キーボード
211…記憶部
212…駅員
217…乗務員用携帯型端末
218…優先席管理サーバ
219…駅事務室間無線通信制御部
220…乗務員用携帯型端末
221…携帯型端末用無線通信制御部
222…乗務員
223…優先席管理データベース
302、305、307、309、310、311、312、313…優先席
301…3人掛シート
303…ドア
304…7人掛シート
306…車両連結部
308…空きシート
361…ホーム末端
362…白線、又は、視覚障害者誘導線等
363…A部
403…手すり
404…天井
405…床
406…吊り革
407…破断線
504…窓
505…シール
507…ICカード読取装置
508…表示部
601…背もたれ
602…座面、優先席座面
805…メッセージ
807…緊急停止ボタン
808…座席収納ボタン
809…乗務員呼出ボタン
810…読取結果正常表示部
811…読取結果異常表示部
812…ICカード読取部
813…スピーカ部
814…錠
815…マイクロフォン
816…破断線
904…CPU
906…表示画面駆動回路
907…表示イメージ信号送出回路
910…読取情報判定結果表示制御部
912…音声増幅回路
914…音声
915…優先席座面固定解除制御回路
916…優先席座面制御回路
917…優先席センサ群
919…優先席座面収納制御回路
920…音声A/D変換回路
921…音声信号増幅回路
923…人物
924…座席ID記憶部
925…座席ID制御回路
926…座席ID手動設定制御回路
927…CPU動作制御用プログラム格納部
928…主記憶部
931、933、934…ICカード読取制御部
932…通信制御回路
935−951…信号線
952−955…方向
962…記憶装置
964…キーボード
965…表示部
966…座席固定個別解除回路
967…全座席固定解除回路
968…全席固定解除スイッチ
969…無線通信制御部
970…D/A変換回路
971…音声信号増幅回路
972…スピーカ
975…手動固定解除スイッチ
977…ボタン制御部
1001〜1008…優先席(折畳式)
2000…自宅
2001…身体的弱者
2003…回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体的弱者を優先的に席に座らせる身体的弱者優先席着座システムにおいて、
身体的弱者の情報をICカードに記録し公的機関が身体的弱者に発行する優先席カードと、
公共交通機関の車両の乗客の座席の一部を折畳み式にし、未使用時には収納され、使用時のみに開放される優先席と、
前記優先席の付近に位置し、前記優先席カードをかざした時、ICカードの記録情報を読み取り、正常に読み取られ且つ優先席カードが不正使用されていない場合に前記優先席を収納状態から開放状態にする優先席制御を行うICカード読取装置と、
前記ICカード読取装置により読み取られたICカードの記録情報、優先席の使用状況を管理し、優先席カード発行番号が紛失した優先席カード発行番号と一致する場合、優先席カードの有効期限が切れている場合、又は、優先席カードの重複使用の場合のいずれかに該当する場合には優先席カードの不正使用として、前記ICカード読取装置に前記優先席の収納状態の開放を行わせない乗務員室内の優先席管理サーバと、
前記優先席管理サーバに無線で接続され、紛失した優先席カードの情報を管理し、前記優先席管理サーバに送信する駅事務室内の駅事務室内管理サーバとを備えることを特徴とする身体的弱者優先席着座システム。
【請求項2】
前記優先席カードには、発行理由、パスワード、優先席カード発行日、有効期間から算出した有効期限等が優先席カード発行番号とともに記録されることを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項3】
前記乗務員室内の優先席管理サーバに設けられる優先席管理データベースには優先席ID番号、空席、使用中、故障で開放中、故障で固定収納中を含む優先席使用状況、使用中優先席カード発行番号、使用開始日と時刻、使用終了日と時刻等のログ情報、紛失した優先席カード情報が記録されることを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項4】
前記優先席管理サーバは優先席カードの有効期限が切れている場合、使用した優先席カード発行番号と紛失した優先席カードの発行番号とが一致する場合、優先席カードの重複使用の場合は、前記優先席管理サーバから前記駅事務室内管理サーバに前記優先席の収納状態を解除しないことを通知し、前記優先席管理サーバ及び前記駅事務室内管理サーバに優先席カードの不正使用であることを表示することを特徴とする、請求項3に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項5】
優先席使用状況、使用中優先席カード発行番号、使用開始日と時刻、使用終了日と時刻等のログ情報を、統計情報用データベースに記憶し、前記乗務員室内の優先席管理サーバから駅事務室内の駅事務室内管理サーバ、インターネット網を介して公的機関の管理サーバに送付され、前記管理サーバで使用頻度が高い優先席カード、短い時間帯で距離の離れた異なる路線の公共交通機関で使用されている優先席カードの統計処理により不正使用の分析が行われることを特徴とする、請求項3に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項6】
前記ICカード読取装置には、使用中の優先席に対して最も近い他の空き優先席の案内情報、優先席の故障情報、優先席カードの有効期限切れに関する情報、優先席利用の申し込み方法を表示する表示部が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項7】
前記ICカード読取装置にはICカードの登録情報が正常に読み取れた場合に点灯する読取結果正常表示部と、ICカードの登録情報が正常に読み取れない場合に点灯する読取結果異常表示部が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項8】
前記ICカード読取装置には、優先席を開放状態から収納状態にする座席収納ボタン、前記座席収納ボタンの押下による収納時に優先席の収納を緊急停止させる緊急停止ボタン及び乗務員室の乗務員を呼び出す乗務員呼出ボタンが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項9】
前記ICカード読取装置及び前記乗務員室には、前記乗務員呼出ボタンの押下時に警報音を鳴らし乗務員室の乗務員を呼び出し、身体的弱者を含む乗客から乗務員に対して優先席の収納解除を依頼する会話を行うためのマイクロフォン及びスピーカ部が設けられることを特徴とする、請求項8に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項10】
前記ICカード読取装置の前記スピーカ部は、優先席の使用時に最も近い他の空き優先席の案内情報、優先席の故障情報、優先席カードの有効期限切れに関する情報を音声で出力することを特徴とする、請求項9に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項11】
前記ICカード読取装置には、優先席の座席が正しく収納されているか、収納中に人や物体の挟み込みが無いかという情報を検出するための機械的、光学的、電気的なセンサとして、マイクロスイッチ、フォトトランジスタとフォトダイオードの組み合わせ、圧力センサを含む優先席センサ群が設けられ、前記優先席センサ群が優先席の座席が正しく収納されず、又は、収納中に人や物体の挟み込みがあるという情報を検出した場合には、優先席の収納が中止されることを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項12】
前記ICカード読取装置の内部には、優先席を手動で収納固定解除を行う手動固定解除スイッチが設けられ、内部が開けられないように施錠され、施錠を開錠することにより前記手動固定解除スイッチの操作を可能とすることを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項13】
前記乗務員室の優先席管理サーバでは車両内の優先席に対して、優先席IDを指定して収納されている優先席を個別に収納解除し、又は、収納されている優先席の全てを収納解除することを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項14】
前記ICカード読取装置は、優先席IDを記憶する座席ID記憶部を管理し、前記優先席管理サーバにより指定された優先席IDを前記座席ID記憶部より呼び出し、個々に識別することを特徴とする、請求項14に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項15】
前記ICカード読取装置は、優先席カードを読み取ったとき、優先席が使用中の場合には、前記優先席管理データベースから空き優先席を検索し、前記座席ID記憶部から使用中の優先席から最も近い空き優先席を検索することを特徴とする、請求項14に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項16】
前記駅事務室内の駅事務室内管理サーバは紛失された優先席カードの情報を記憶する紛失カード管理データベースの管理を行い、前記駅事務室内管理サーバから前記乗務員室の優先席管理サーバに紛失した優先席カードの情報を通知し、優先席管理データベースに記憶させることを特徴とする、請求項3に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項17】
前記乗務員室には前記優先席管理サーバと無線通信が可能である乗務員用携帯型端末が備えられ、前記乗務員用携帯型端末は、故障のICカード読取装置に代わり、優先席カードの情報を読み取ることが可能であり、正常に読み取った優先席の情報、故障のICカード読取装置の故障情報を前記優先席管理サーバに通知し、優先席管理データベースに、通知した優先席情報、ICカード読取装置の故障情報を記憶させ、登録情報を更新させ、前記ICカード読取装置の施錠が開錠されて開けられた内部の手動固定解除スイッチの操作で優先席の収納固定が解除されることを特徴とする、請求項1又は請求項12に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項18】
前記優先席管理サーバは、優先席管理データベースがICカード読取装置の故障情報を記憶した場合、該当するICカード読取装置の表示部に故障のメッセージを表示させることを特徴とする、請求項6又は請求項17に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項19】
前記乗務員用携帯型端末は優先席カードに記録されている有効期限をより短縮できることを特徴とする、請求項17に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項20】
前記駅事務室内には前記乗務員室の前記優先席管理サーバと無線通信が可能である乗務員用携帯型端末が備えられ、前記乗務員用携帯型端末は、優先席カードの情報を読み取ることが可能であり、故障のICカード読取装置に代わり、優先席カードを正常に読み取った場合には前記ICカード読取装置の施錠が開錠されて開けられた内部の手動固定解除スイッチの操作で優先席の収納固定が解除されることを特徴とする、請求項1又は請求項12に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項21】
前記乗務員用携帯型端末は、キーボードからパスワードの入力が可能であり、入力したパスワードと読み取った優先席カードのパスワードを照合し、不一致の場合には、前記駅事務室内サーバに優先席カードの情報を送付し、紛失カード管理データベースに記憶された紛失カードの情報と送付された優先席カードの情報を照合させることを特徴とする、請求項17又は請求項20に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項22】
公的機関の管理サーバは、優先席カードの交付を申請する身体的弱者の情報を記憶する被交付者データベースを管理し、ICカードリーダライタを用いて、優先席カードを発行し、紛失した優先席カードの再発行を可能とし、さらに、発行した優先席カードの有効期限の更新を可能とすることを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項23】
公的機関の管理サーバは、紛失した優先席カードの情報を記憶する優先席利用カード紛失管理データベースを管理し、前記駅事務室内管理サーバは、インターネット網を介して、前記公的機関の管理サーバから紛失した優先席カードの情報を定期的に受け取り、紛失カード管理データベースに記憶させることを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項24】
公的機関の管理サーバは、大病院からインターネット網を介して通知された患者情報を一時的に記憶する被交付者申請用一時データベースを管理し、公的機関への優先席カードの申請があった場合に被交付者申請用一時データベースに記憶されている該当情報を前記被交付者データベースに登録させることを特徴とする、請求項22に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項25】
前記優先席カードの表面上に発行番号、発行機関コード、発行機関名、発行機関連絡先電話番号、有効期限等の情報が表示されることを特徴とする、請求項2に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項26】
前記優先席カードの表面上に本人確認用の写真を印刷することを特徴とする、請求項25に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項27】
前記優先席カードの表面上に表示された情報を点字で表示することを特徴とする、請求項25に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項28】
前記優先席カードの表面上に高齢者、妊娠中、内臓疾患を意味するデザイン化したシールを貼ることを特徴とする、請求項25に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項29】
前記優先席カードに使用する媒体と、その読取装置をICチップに加えてRFIDタグ、赤外線通信、磁気カード、Bluetooth、一次元、二次元バーコード、超音波を含む電気的、磁気的、光学的、音響的な短距離通信の非接触手段又は接触手段に任意の1つとすることを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項30】
前記優先席カードに代わる媒体を、疾病を有する人体の心臓、肺、肝臓、胃、眼球を含む臓器の小模型及び人体の全身像を模した模型の任意の1つの内部にICチップ、RFIDタグを含む媒体の任意の1つを組み込んで、キーホルダの形態にしたことを特徴とする、請求項29に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項31】
前記キーホルダに発行機関、連絡先、発行番号を含む記述を行うタグを付属させることを特徴とする、請求項30に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項32】
前記タグは円、楕円、正方形、長方形の任意の1つの形状を持つことを特徴とする、請求項31に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項33】
前記キーホルダの形態の模型に絆創膏を十字に貼って白く表示を行うことを特徴とする、請求項30に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項34】
身体的弱者の自宅内に設けられた端末からインターネット網を介して、予め付与されたログインIDとパスワードを使用して、公的機関の管理サーバに接続し、本人認証後に優先席カードの更新を可能とすることを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項35】
前記ICカード読取装置は車両のドアの付近に設けられ、優先席カードを読み取った場合には、優先席までの通路を譲ってくれるような案内の表示を行うことを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項36】
前記ICカード読取装置は前記優先席カードに記憶されている優先席カード発行番号を仕様通り読み取れた場合には前記優先席カードを正常に読み取れたと判断することを特徴とする、請求項1に記載の身体的弱者優先席着座システム。
【請求項37】
身体的弱者を優先的に席に座らせる身体的弱者優先席着座方法において、
身体的弱者の情報をICカードに記録し公的機関が身体的弱者に優先席カードを発行する工程と、
公共交通機関の車両の乗客の座席の一部を折畳み式にした優先席を未使用時には収納しておく工程と、
前記優先席の付近に位置するICカード読取装置に前記優先席カードをかざした時、ICカードの記録情報を読み取り、正常に読み取られ且つ優先席カードが不正使用されていない場合に前記優先席を収納状態から開放状態にする優先席制御を行う工程と、
乗務員室内の優先席管理サーバで前記ICカード読取装置により読み取られたICカードの記録情報、優先席の使用状況を管理し、優先席カード発行番号が紛失した優先席カード発行番号と一致する場合、優先席カードの有効期限が切れている場合、又は、優先席カードの重複使用の場合のいずれかに該当する場合には優先席カードの不正使用として、前記ICカード読取装置に前記優先席の収納状態の開放を行わせないようにする工程と、
前記優先席管理サーバに無線で接続される駅事務室内の駅事務室内管理サーバで紛失した優先席カードの情報を管理し、前記優先席管理サーバに送信する工程とを備えることを特徴とする身体的弱者優先席着座方法。
【請求項38】
身体的弱者を優先的に席に座らせる身体的弱者優先席着座プログラムにおいて、
身体的弱者の情報をICカードに記録し公的機関が身体的弱者に優先席カードを発行する手順と、
公共交通機関の車両の乗客の座席の一部を折畳み式にした優先席を未使用時には収納しておく手順と、
前記優先席の付近に位置するICカード読取装置に前記優先席カードをかざした時、ICカードの記録情報を読み取り、正常に読み取られ且つ優先席カードが不正使用されていない場合に前記優先席を収納状態から開放状態にする優先席制御を行う手順と、
乗務員室内の優先席管理サーバで前記ICカード読取装置により読み取られたICカードの記録情報、優先席の使用状況を管理し、優先席カード発行番号が紛失した優先席カード発行番号と一致する場合、優先席カードの有効期限が切れている場合、又は、優先席カードの重複使用の場合のいずれかに該当する場合には優先席カードの不正使用として、前記ICカード読取装置に前記優先席の収納状態の開放を行わせないようにする手順と、
前記優先席管理サーバに無線で接続される駅事務室内の駅事務室内管理サーバで紛失した優先席カードの情報を管理し、前記優先席管理サーバに送信する手順とを備えることを特徴とする身体的弱者優先席着座プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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