説明

車両における空調装置

【課題】前席側だけでなく、後席側の乗員の近傍の温度も望ましい温度に確保できる空調装置を提供する。
【解決手段】コンソールボックス14の後部には空調ユニット17が内蔵されている。空調ユニット17は、収納器31と、収納器31に内蔵された温度調整用の熱交換器19と、収納器31に内蔵されたブロワ20とを備えている。収納器31の上壁には吸い込み口321が形成されている。吸い込み口321は、コンソールボックス14の上壁に形成された導入口142を介して車室11内に連通している。収納器31の前壁には流出口311が形成されている。流出口311は、前後方向通路29に連通されている。収納器31の後壁には後席用吹き出し口312,313が形成されている。熱交換器19は、吸い込み口321から後席用吹き出し口312,313に至る空気通路32の途中に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両における空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空調装置の吹き出し口から吹き出された温度調整後の空気をコンソールボックス内へ導く技術が特許文献1に開示されている。空調装置を構成する冷凍回路の一部である蒸発器は、コンソールボックス内に収容されており、コンソールボックスの側面には車室内の空気を吸い込む吸い込み口が設けられている。車室内の空気は、吸い込み口からコンソールボックス内に吸い込まれ、コンソールボックス内に吸い込まれた空気は、蒸発器によって冷却される。蒸発器によって冷却された空気は、前席よりも前方にある吹き出し口から後方へ吹き出される。
【0003】
特許文献1に開示の技術では、前席に着座した乗員を冷却した空気がコンソールボックス内に吸い込まれ、温度調整された空気が前席に着座した乗員の近くを循環する。温度調整された空気を乗員の近くで循環させることにより、乗員の近傍の温度を望ましい温度に確保して良好な空調感を乗員に与えることができる。
【0004】
吹き出し口から吹き出した空気が本来冷却する必要のない自動車の内装材を冷やしてしまうような場合には、吸い込み口で吸われる空気温度が高くなり、余分に空調能力が必要となる。つまり、空調効率が低下する。
【0005】
温度調整された空気を前席に着座した乗員の近くで循環させる場合の空調効率は、車室内全体に温度調整された空気を流す場合に比べれば向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭58−92151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、温度調整された空気が前席の乗員の近くを循環するだけでは、後席に着座している乗員の近傍の温度を望ましい温度に確保することが難しい。
本発明は、前席側だけでなく、後席側の乗員の近傍の温度も望ましい温度に確保できる空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、吸い込んだ空気の温度調整を行なって温度調整後の空気を吹き出す空調ユニットが備えられている車両における空調装置を対象とし、請求項1の発明では、前記空調ユニットは、温度調整用の熱交換器と、空気を吸い込んで吹き出すための空気送り手段と、前記熱交換器へ吸い込み空気を導くと共に温度調整後の空気を導く空気通路と、前記空気通路の吸い込み口と吹き出し口とを備え、前記空調ユニットは、前席以後、且つ車幅の中央に設けられている。
【0009】
なお、空調ユニットが前席以後に設けられるとは、空調ユニットが前席の一部と同じ位置あるいは前席よりも後ろに設けられることを指す。
吸い込み口を前席の近くに配置すれば前席側の乗員の近傍の温度を望ましい温度にすることができ、吹き出し口を後席の近くに配置すれば後席側の乗員の近傍の温度も望ましい温度にすることができる。
【0010】
好適な例では、前記空調ユニットは、左右一対の前席の間に設けられている。
左右一対の前席の間に空調ユニットを設けた構成は、吸い込み口を前席の近くに配置し、且つ吹き出し口を後席の近くに配置する上で好適である。
【0011】
好適な例では、前記吸い込み口は、前記吹き出し口よりも前側に設けられている。
吸い込み口を吹き出し口よりも前側に設けた構成は、吸い込み口を前席の近くに配置し、且つ吹き出し口を後席の近くに配置する上で好適である。
【0012】
好適な例では、前記空調ユニットは、後席より前にあり、且つ前記吸い込み口は、上方を指向するように設けられており、前記吹き出し口は、後方を指向するように設けられている。
【0013】
上方を指向とは、上方向成分を有することであり、後方を指向とは、後方向成分を有する指向方向のことである。車室内の空気は、車室の上方を指向する吸い込み口から空気吸い込み通路へ導入され、吹き出し口から吹き出した空気は、後方へ向かう。従って、吸い込み口が前席の近くにあれば、吸い込み口へ向かう空気が前席側の乗員の近傍の温度を望ましい温度にする。吹き出し口の指向方向が後席側の乗員を向いていれば、吹き出し口から後方へ向かう空気が後席側の乗員の近傍の温度を望ましい温度にする。
【0014】
好適な例では、前記吹き出し口は、複数設けられている。
後席の右側に吹き出し口の1つを向け、後席の左側に吹き出し口の別の1つを向けるといった構成を採用すれば、後席の左右にそれぞれ乗員が着座しているような場合でも、両乗員の近傍の温度を望ましい温度にすることができる。
【0015】
好適な例では、前記吹き出し口は、左側を向いて設けられた吹き出し口と、右側を向いて設けられた吹き出し口とを含む。
好適な例では、前記複数の吹き出し口の少なくとも1つには延長通路が接続されており、前記延長通路の出口は、前記前席よりも前方において後方を指向するように設けられている。
【0016】
延長通路の出口から吹き出す空気は、前席に着座する乗員の近傍の温度を望ましい温度にする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の空調装置は、前席側だけでなく、後席側の乗員の近傍の温度も望ましい温度に確保できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態を示す自動車の模式図。
【図2】側断面図。
【図3】(a)は、部分拡大側断面図。(b)は、図3(a)のA−A線断面図。(c)は、図3(a)のB−B線断面図。
【図4】第2の実施形態を示し。(a)は、一部省略した自動車の模式図。(b)は、部分拡大側断面図。
【図5】第3の実施形態を示し。(a)は、一部省略した自動車の模式図。(b)は、部分拡大側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1に示すように、自動車10の車室11内の一対の前席12,13の間(車幅の中央)にはセンターコンソールであるコンソールボックス14が設置されている。なお、センターコンソールとは、座席の床部に設けられた箱型の部材であり、例えば、スイッチ類が設けられていたり、収納ボックスが設けられていたりするものを指す。なお、以下においては、前側を自動車10の前側(図1において左側)、後側を自動車10の後側(図1において右側)、右側を自動車10の右側(図1において上側)、左側を自動車10の左側(図1において下側)とする。
【0020】
図2に示すように、車室11と車室外とを区画するフロントパネル15の内側、且つインストルメントパネル16の下側には分配器18が設けられている。分配器18の後壁には流入口180が形成されており、分配器18の上壁には第1流出口181及び第2流出口182が形成されている。分配器18の下壁には第3流出口183が形成されている。
【0021】
第1流出口181は、ダンパ21によって開閉され、第2流出口182は、ダンパ22によって開閉される。第3流出口183は、ダンパ23によって開閉される。第1流出口181、第2流出口182及び第3流出口183の少なくとも1つは開いており、分配器18内の空気は、開いている流出口から分配器18外へ流出する。
【0022】
第1流出口181は、吹き出し通路24を介してインストルメントパネル16の前面の吹き出し口25に通じている。第2流出口182は、吹き出し通路26を介してインストルメントパネル16の上面の吹き出し口27に通じている。
【0023】
コンソールボックス14に形成された収納室141は、アームレスト用蓋28によって開閉される。収納室141の下側には前後方向通路29が前後方向に沿って形成されている。前後方向通路29の出口291は、コンソールボックス14の前壁に開口しており、出口291と流入口180とが接続管30を介して接続されている。
【0024】
図3(a)に示すように、コンソールボックス14の後部には空調ユニット17が内蔵されている。空調ユニット17は、収納器31と、収納器31に内蔵された温度調整用の熱交換器19と、収納器31に内蔵されたブロワ20とを備えている。収納器31の上壁には吸い込み口321が形成されている。吸い込み口321の指向方向は、垂直方向且つ上方向という上方向成分のみである。
【0025】
吸い込み口321は、コンソールボックス14の上壁に形成された導入口142を介して車室11内に連通している。収納器31の前壁には流出口311が形成されている。流出口311は、前後方向通路29に連通されている。
【0026】
図3(b)に示すように、収納器31の後壁には後席用吹き出し口312,313が形成されている。後席用吹き出し口312は、後席39〔図1参照〕の背もたれ部391の右部〔図1において上側〕を指向しており、後席用吹き出し口313は、後席39〔図1参照〕の背もたれ部391の左部〔図1において下側〕を指向している。後席用吹き出し口312の指向方向は、後方向成分かつ右方向成分を有する方向であり、後席用吹き出し口313の指向方向は、後方向成分かつ左方向成分を有する方向である。
【0027】
図3(a)に示すように、熱交換器19は、吸い込み口321から後席用吹き出し口312,313に至る空気通路32の途中に設けられており、流出口311は、熱交換器19より下流側で空気通路32の途中に接続されている。ブロワ20のファン201は、吸い込み口321と熱交換器19との間の空気通路32に配置されている。ブロワ20のモータ202が作動している状態では、ファン201が導入口142及び吸い込み口321から空気通路32内へ空気を導入する。吸い込み口321から空気通路32内へ導入された空気は、熱交換器19で冷却されて温度調整される。
【0028】
熱交換器19から後席用吹き出し口312,313に至る空気通路32の途中にはダンパ33が設けられている。ダンパ33は、支軸34に止着して支持されている。
図3(c)に示すように、支軸34は、収納器31の外側壁314と内側壁315とに回動可能に支持されて外側壁314と内側壁315との間に架設されている。支軸34の一端は、内側壁315を貫通して外側壁316に向けて突出しており、支軸34の突出端部には被動歯車35が止着されている。外側壁316にはサーボモータ36が取り付けられている。サーボモータ36の出力軸361に止着された駆動歯車37は、被動歯車35に噛合されている。被動歯車35及び駆動歯車37は、減速歯車機構を構成する。サーボモータ36が作動されると、ダンパ33が図3(a)に実線で示す閉位置と、図3(a)に鎖線で示す開位置とに切り換え配置される。
【0029】
支軸34、被動歯車35、駆動歯車37及びサーボモータ36は、ダンパ33を閉位置と開位置とに切り換え保持する切り換え保持手段を構成する。
図1に示すように、後席39には着座センサ40,41が設けられている。着座センサ40,41は、後席39における乗員の着座の有無を検出する。着座センサ40,41による検出情報は、図2に示す制御装置Cに送られる。制御装置Cは、着座センサ40,41から送られてくる検出情報に基づいて、サーボモータ36の作動を制御する。
【0030】
ブロワ20のモータ202が作動している状態では、ファン201が導入口142及び吸い込み口321から空気通路32内へ空気を導入する。吸い込み口321から空気通路32内へ導入された空気は、熱交換器19で冷却されて温度調整される。熱交換器19で冷却された空気は、流出口311、前後方向通路29及び接続管30を介して分配器18内へ送られる。分配器18内へ送られた空気は、第1流出口181、第2流出口182及び第3流出口183のうちの開いている流出口から分配器18外へ流出する。ブロワ20は、空気を吸い込んで吹き出すための空気送り手段である。
【0031】
制御装置Cは、以下のような制御を行なう。なお、分配器18内の空気は、吹き出し口25から吹き出すものとする。
後席39に乗員が着座していない場合、着座センサ40,41は、着座無しの情報を制御装置Cへ送る。制御装置Cは、着座無しの情報の入力に基づいて、ダンパ33を閉位置に配置するようにサーボモータ36の作動を制御する。ダンパ33が閉位置に配置されると、吹き出し口25から吹き出した空気は、導入口142及び吸い込み口321から空気通路32へ導入される。ダンパ33が閉位置にあるときの吹き出し口25から吹き出した空気の流れは、前席12,13に着座している乗員の主として胸、肩及び頭部に当たるようにして導入口142へ導かれ、吹き出し空気の後席39側への流れは少ない。空気通路32へ導入された空気は、前後方向通路29、接続管30、分配器18及び吹き出し通路24を経由して吹き出し口25へ還流する。
【0032】
前後方向通路29、接続管30、分配器18及び吹き出し通路24は、吹き出し口としての流出口311に接続された延長通路を構成する。吹き出し口25は、延長通路の出口であって前席12、13よりも前側で後方を指向する。
【0033】
後席39に乗員が着座している場合、着座センサ40,41は、着座有りの情報を制御装置Cへ送る。制御装置Cは、着座有りの情報の入力に基づいて、ダンパ33を開位置に配置するようにサーボモータ36の作動を制御する。ダンパ33が開位置に配置されると、熱交換器19で温度調整された空気の一部は、前後方向通路29、接続管30、分配器18及び吹き出し通路24を経由して吹き出し口25へ流れ、温度調整された空気の残りは、後席用吹き出し口312,313から車室11内へ吹き出す。後席用吹き出し口312,313から吹き出した空気は、後席39に着座している乗員の主として胸、肩及び頭部に当たった後、導入口142及び吸い込み口321へ導かれる。導入口142へ導かれた空気は、空気通路32へ導入される。
【0034】
特許文献1のような構成では、吸い込み口から吸い込まれた全ての空気がインストルメントパネルの側の吹き出し口まで導かれるのに対し、本実施形態では、熱交換器19で温度調整された空気の一部を吹き出し口25へ導き、残りを後席用吹き出し口312,313から車室11内へ吹き出す。つまり、後席39を空調する場合、熱交換器19で温度調整された空気が経由される空気通路が特許文献1のような構成と比較して短いため、空気の温度が高くなる前に後席に吹き出することができ、空調効率がよい。
【0035】
制御装置Cは、着座センサ40,41による後席39における乗員有無の検出情報に応じて、切り換え保持手段の切り換え状態を制御する制御手段である。
第1の実施形態では以下の効果が得られる。
【0036】
(1)コンソールボックス14の上部で上方を指向する導入口142に連なっている吸い込み口321は、前席12,13の間という前席12,13の近くにある。吹き出し口25から吹き出した空気は、前席12,13側の乗員の近傍の温度を望ましい温度にして吸い込み口321へ導かれる。
【0037】
一方、コンソールボックス14の後部で後方を指向する後席用吹き出し口312,313は、後席39の近くにある。後席用吹き出し口312,313から吹き出した空気は、後席39側の乗員の近傍の温度を望ましい温度にして吸い込み口321へ導かれる。
【0038】
一対の前席12,13の間という車幅の中央に空調ユニット17を設けた構成は、前席12,13側だけでなく後席39側の乗員の近傍の温度も望ましい温度に確保できる効果をもたらす。
【0039】
(2)一対の前席12,13の間にあるコンソールボックス14は、吸い込み口321を前席12,13の近くに配置し、且つ後席用吹き出し口312,313を後席39の近くに配置するように、空調ユニット17を内蔵する上で好適な場所である。
【0040】
(3)空調ユニット17を前席12,13以後に設ける場合、吸い込み口321を吹き出し口312,313よりも前側に設けた構成は、吸い込み口321を前席12,13の近くに配置し、且つ吹き出し口312,313を後席の近くに配置する上で好適である。
【0041】
(4)後席用吹き出し口312は、後席39の右部を指向し、後席用吹き出し口313は、後席39の左部を指向する。後席39の右側に後席用吹き出し口の1つを向け、且つ後席39の左側に後席用吹き出し口の別の1つを向ける構成は、後席39の左右にそれぞれ乗員が着座しているような場合でも、両乗員の近傍の温度を望ましい温度にする。
【0042】
(5)特許文献1に開示の装置では、空気送り手段であるモータ及びファンがインストルメントパネルの下側に設けられている。又、ヒーターユニットがインストルメントパネルの下側に設けられている。本実施形態では、空気送り手段であるブロワ20及び熱交換器19を内蔵する空調ユニット17がコンソールボックス14内に収納されている。そのため、例えばヒーターユニット(例えばペルチェ素子を利用したヒーター)等のための設置スペースをインストルメントパネル16の下側に求めることが容易になる。
【0043】
次に、図4(a),(b)の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
図4(a)に示すように、空調ユニット17Aは、車幅の中央において前席12,13と後席39との間に設けられている。後席用吹き出し口312,313は、後席39の背もたれ部391を指向している。図4(b)に示すように、空気通路32の吸い込み口321Aは、前方を指向している。
【0044】
前席12,13よりも後側で前方を指向する吸い込み口321Aは、前席12,13に近い位置にあり、後席用吹き出し口312,313は、第1の実施形態に比べて一層後席39に近い位置にある。
【0045】
第2の実施形態では、第1の実施形態における(1),(3),(4),(5)項と同様の効果が得られる。
次に、図5(a),(b)の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
【0046】
図5(a)に示すように、後席は、右側後席39Aと左側後席39Bとに分かれており、コンソールボックス14Aが右側後席39Aと左側後席39Bとの間(車幅の中央)に設けられている。
【0047】
図5(b)に示すように、コンソールボックス14A内には空気通路32Aが形成されており、空気通路32Aの途中には熱交換器19が設けられている。空気通路32Aの吸い込み口321は、コンソールボックス14Aの前壁に設けられている。空気通路32Aの流出口322は、コンソールボックス14Aの前壁に設けられており、流出口322には接続管30が接続されている。熱交換器19と吸い込み口321との間にはブロワ20のファン201が設けられている。
【0048】
後席用吹き出し口42は、コンソールボックス14Aの後部かつ上部で上方を指向しており、熱交換器19と後席用吹き出し口42との間の空気通路32Aにはダンパ33が設けられている。ブロワ20が作動している場合、車室11内の空気が吸い込み口321から空気通路32Aへ吸い込み導入される。ダンパ33が実線で示す閉位置にあるときには、空気通路32A内へ導入された空気は、流出口322から接続管30へ送られる。ダンパ33が鎖線で示す開位置にあるときには、空気通路32A内に導入された空気の一部は、後席用吹き出し口42から吹き出す。
【0049】
コンソールボックス14Aは、温度調整用の熱交換器19と、空気を吸い込んで吹き出すための空気送り手段(ブロワ20)とを内蔵する空調ユニットである。
第3の実施形態では、第1の実施形態における(1),(3),(5)項と同様の効果が得られる。
【0050】
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○吸い込み口を例えば、後席用と前席用とに複数設けてもよい。
○熱交換器は、暖房用熱交換器であってもよい。
【0051】
○暖房用熱媒体及び冷房用熱媒体を選択して熱交換器に供給できる空調装置に本発明を適用してもよい。
前記した実施形態から把握できる技術思想について以下に記載する。
【0052】
(イ)後席用吹き出し口を開閉するダンパと、前記後席用吹き出し口を閉じる閉位置と後席用吹き出し口を開く開位置とに前記ダンパを切り換え保持可能な切り換え保持手段と、後席における乗員の有無を検出する着座センサと、前記切り換え保持手段の切り換え状態を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記着座センサが乗員有無の検出情報に応じて、前記切り換え保持手段の切り換え状態を制御する請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両における空調装置。
【0053】
(ロ)前記空調ユニットは、センターコンソールに内蔵されている請求項1乃至請求項6、前記(イ)項のいずれか1項に記載の車両における空調装置。
【符号の説明】
【0054】
12,13…前席。14,14A…センターコンソールであるコンソールボックス。17…空調ユニット。19…熱交換器。20…空気送り手段としてのブロワ。225…出口としての吹き出し口。29…延長通路を構成する前後方向通路。291…出口。32…空気通路。321…吸い込み口。322…吹き出し口としての流出口。39…後席。40,41…着座センサ。C…制御手段である制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸い込んだ空気の温度調整を行なって温度調整後の空気を吹き出す空調ユニットが備えられている車両における空調装置において、
前記空調ユニットは、温度調整用の熱交換器と、空気を吸い込んで吹き出すための空気送り手段と、前記熱交換器へ吸い込み空気を導くと共に温度調整後の空気を導く空気通路と、前記空気通路の吸い込み口と吹き出し口とを備え、
前記空調ユニットは、前席以後、且つ車幅の中央に設けられている車両における空調装置。
【請求項2】
前記空調ユニットは、左右一対の前席の間に設けられている請求項1に記載の車両における空調装置。
【請求項3】
前記吸い込み口は、前記吹き出し口よりも前側に設けられている請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の車両における空調装置。
【請求項4】
前記空調ユニットは、後席より前にあり、且つ前記吸い込み口は、上方を指向するように設けられており、前記吹き出し口は、後方を指向するように設けられている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両における空調装置。
【請求項5】
前記吹き出し口は、複数設けられている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両における空調装置。
【請求項6】
前記吹き出し口は、左側を向いて設けられた吹き出し口と、右側を向いて設けられた吹き出し口とを含む請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両における空調装置。
【請求項7】
前記複数の吹き出し口の少なくとも1つには延長通路が接続されており、前記延長通路の出口は、前記前席よりも前方において後方を指向するように設けられている請求項6に記載の車両における空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−106667(P2012−106667A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258020(P2010−258020)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】