説明

車両のドアアームレスト構造

【課題】乗員用シートに着座した乗員が脚を開いたリラックス姿勢をとることを充分に許容し得るようにする。
【解決手段】サイドドア10のドアトリム12には、乗員用シート1に着座した乗員が腕を載置するためのドアアームレスト15が車幅方向内側に突出するように設けられている。ドアアームレスト15は、車両の後方側に至るほど高さが低くなる後下がりの傾斜部16と、傾斜部16から連続し、かつ傾斜部16よりも水平に近い角度で後方に延びる水平部17とを有しており、また、傾斜部16の下方には、上記ドアアームレスト15よりも車幅方向外側に凹入する凹入部20が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内に設けられた乗員用シートの車幅方向外側に位置するサイドドアのドアトリムに、上記乗員用シートに着座した乗員が腕を載置可能なドアアームレストを車幅方向内側に突出するように設けた車両のドアアームレスト構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のサイドドアのドアトリム(サイドドアの内装面を構成する部材)には、一般に、乗員用シートに着座した乗員が腕を載置するためのドアアームレストが、車幅方向内側に突出するように設けられる。
【0003】
上記ドアアームレストの一例として、下記特許文献1には、乗員の腕が載置される腕支持パッドを上面に有したハウジングと、このハウジングの内部に設けられ、上記腕支持パッドの位置を垂直方向に調整可能なガイド装置とを備えたドアアームレストが開示されている。このように、ドアアームレストの腕支持パッドの高さを調整できるように構成した場合には、乗員の体格にかかわらず、上記ドアアームレストによって乗員の腕を適正に支持できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−308163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたドアアームレストは、その図1からも明らかなように、ドアトリムの上下方向中間部を含むかなり広い範囲にわたって設けられている。このため、例えば乗員用シートに大柄な乗員が着座したような場合には、その乗員が脚を開き気味にするリラックスした姿勢をとったときに、車幅方向外側の脚の膝部が上記ドアアームレストと干渉してしまい、乗員が窮屈な思いをするおそれがある。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、乗員用シートに着座した乗員が脚を開いたリラックス姿勢をとることを充分に許容し得る車両のドアアームレスト構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、車室内に設けられた乗員用シートの車幅方向外側に位置するサイドドアのドアトリムに、上記乗員用シートに着座した乗員が腕を載置可能なドアアームレストを車幅方向内側に突出するように設けた車両のドアアームレスト構造であって、上記ドアアームレストは、車両の後方側に至るほど高さが低くなる後下がりの傾斜部と、傾斜部から連続し、かつ傾斜部よりも水平に近い角度で後方に延びる水平部とを有し、上記傾斜部の下方に、上記乗員用シートに着座した乗員が車幅方向外側の脚を開いたときにその脚の膝部を収容するためのものとして、上記ドアアームレストよりも車幅方向外側に凹入する凹入部が設けられたことを特徴とするものである(請求項1)。
【0008】
本発明によれば、乗員用シートに着座した乗員が車幅方向外側の脚を開く(つまりサイドドア側に近づける)リラックスした姿勢をとったときに、その脚の膝部がドアアームレストの傾斜部と干渉することなく、その下方の凹入部に収容されるため、乗員は、サイドドア側に大きく脚を開くことができ、充分にリラックスした姿勢で乗員用シートに着座することができるようになる。しかも、ドアアームレストの傾斜部の下方に凹入部を設けるだけで乗員のリラックス姿勢を許容できるため、極めて簡単かつ効果的に乗員の快適性を向上させることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、上記凹入部は、上記ドアアームレストの傾斜部の前部下方位置から、当該傾斜部に沿って後下かつ下方に延びている(請求項2)。
【0010】
この構成によれば、乗員用シートに着座した乗員が車幅方向外側の脚を開いたときに、その膝部だけでなく、膝部から後方かつ下方に延びる大腿部(太もも部分)についても凹入部に収容されることになり、乗員のリラックス姿勢をより効果的に許容することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、上記凹入部は、上記サイドドアを上下方向に切断した断面視において、上記ドアアームレストの傾斜部の下端部から車幅方向外側に湾曲しつつ下方に延びる上側部分と、上側部分の下端部から車幅方向内側に湾曲する下側部分とを有し、上記凹入部の上側部分は、乗員が車幅方向外側の脚を開いたときの膝部の軌跡に沿うような湾曲形状に形成されている(請求項3)。
【0012】
この構成によれば、乗員が脚を開くときにその膝部が凹入部の上側部分と干渉するのを確実に防止しつつ、凹入部の車幅方向外側への凹入量を適正に設定することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、上記ドアアームレストの傾斜部に、乗員がサイドドアを開閉するときに手を掛けるための取手部が設けられる(請求項4)。
【0014】
この構成により、乗員は、乗員用シートに着座した状態で、上記傾斜部に設けられた取手部に自然と手を伸ばすことができ、サイドドアの開閉操作を容易に行うことができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、上記凹入部の下方に、当該凹入部と連続する下向きの凹空間からなるドアポケットが設けられる(請求項5)。
【0016】
この構成によれば、ドアポケットに小物等の物品を収納する際に、乗員は、凹入部に手を伸ばした状態で、そこからドアポケットへと容易に物品を収納することができる。しかも、ドアポケットに対応する部分のドアトリムを突出させる必要がないため、ドアトリムの外観をすっきりしたものにすることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、乗員用シートに着座した乗員が脚を開いたリラックス姿勢をとることを充分に許容し得る車両のドアアームレスト構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態にかかるドアアームレスト構造が適用された車両の車室内を示す斜視図である。
【図2】サイドドアを車幅方向内側から見た側面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】乗員用シートに乗員が着座したところを車幅方向内側から見た側面図である。
【図5】乗員の膝部が凹入部に収容されるところを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態にかかるドアアームレスト構造が適用された車両の車室内を示す斜視図である。本図に示すように、車両の車室フロアF上には、乗員が着座するための乗員用シート1が配設されている。なお、図例の車両はいわゆる左ハンドル車であり、図示された乗員用シート1は、ドライバーが着座する運転席シートである。
【0020】
上記乗員用シート1は、シートスライドレール2を介して車室フロアF上に前後スライド可能に支持されたシートクッション3と、シートクッション3の後端部から上方に立ち上がるように設けられたシートバック4とを備える。シートバック4は、リクライニング機構5を介してシートクッション3に回動可能に支持されており、上記リクライニング機構5の操作に応じて上記シートバック4の後傾角度が所定範囲内で変更されるようになっている。
【0021】
上記乗員用シート1よりも車幅方向外側に位置する車両の一側面(左側側面)には、前ピラー6およびセンターピラー7等により囲まれた乗降用開口部が設けられるとともに、その開口部を開閉可能に覆うサイドドア10が設けられている。
【0022】
図2は、上記サイドドア10単体を車幅方向内側から見た側面図であり、図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。これら図2、図3、および先の図1に示すように、サイドドア10は、車幅方向に重ね合わせ接合された金属製のパネル材(アウタパネルおよびインナパネル)等からなるドア本体11と、ドア本体11の車内側面を覆うように取り付けられた樹脂製のパネル材からなるドアトリム12と、ドア本体11に昇降可能に支持されたウィンドウガラス13とを有している。
【0023】
上記ドアトリム12は、乗員用シート1に着座した乗員が腕を載置するためのドアアームレスト15を有している。ドアアームレスト15は、ドアトリム12を部分的に車幅方向内側に突出させたものであり、車両の後方側に至るほど高さが低くなる後下がりの傾斜部16と、傾斜部16から連続し、かつ傾斜部よりも水平に近い角度で後方に延びる水平部17とを有している。
【0024】
より具体的に、上記傾斜部16は、ドアトリム12の前部上方寄りの部位から斜め下方に傾斜しつつ後方に延びるように形成されている。一方、上記水平部17は、ドアトリム12の後端部から水平に近い角度で前方に延びるように形成されている。そして、これら水平部17および傾斜部16がドアトリム12の前後方向中間部において結合されることにより、当該水平部17および傾斜部16が一体化された上記ドアアームレスト15が形成されている。
【0025】
上記ドアアームレスト15の傾斜部16には、その上面部の一部を下方に凹入させた取手部18が設けられている。この取手部18が設けられていることで、乗員は、車室内からサイドドア10を開閉する際に、上記取手部18に手を掛けた状態で容易に開閉操作を行うことが可能である。また、図示を省略するが、上記傾斜部16の上面部には、上記ウィンドウガラス13を電動で開閉するための操作スイッチ等も設けられている。
【0026】
上記傾斜部16の下方には、当該部分のドアトリム12を所定範囲にわたって上記ドアアームレスト15よりも車幅方向外側に凹入させた凹入部20が設けられている。具体的に、この凹入部20は、傾斜部16の前部下方位置(傾斜部16の前端部の直下位置)から、上記水平部17の下辺部と同じ高さ位置までの範囲にわたって、上記傾斜部16に沿って後方かつ下方に延びるように形成されている。
【0027】
また、上記凹入部20は、サイドドア10を上下方向に切断した断面視(図3)において、上記ドアアームレスト15の傾斜部16の下端部から車幅方向外側に湾曲しつつ下方に延びる上側部分21と、この上側部分21の下端部から車幅方向内側に湾曲する下側部分22とを有している。
【0028】
図1〜図3に示すように、上記凹入部20の下方には、小物等の物品を収納するためのドアポケット25が設けられている。具体的に、ドアポケット25は、上向きの開口部25aを有する(下向きに凹入した)凹空間からなり、この開口部25aを通じて上記凹入部20と連続するように形成されている。
【0029】
図4は、上記乗員用シート1(運転席シート)に乗員(ドライバー)が着座したところを車幅方向内側から見た側面図である。この図4では、例えば乗員が注意深く車両を運転しているときのような、着座姿勢が充分に正しいときの状態を示している。よって、乗員の両脚は比較的真っ直ぐに揃えられているものとする。またこのとき、車幅方向外側の脚(図では左脚)の膝部Xについては、側面視でドアアームレスト15の傾斜部16と略同じ高さ位置にあるものの、平面視ではドアアームレスト15からある程度離れた位置にあり、膝部Xとドアアームレスト15との間には車幅方向に所定の間隙が確保されている。
【0030】
これに対し、例えば高速道路をほぼ一定の速度で走行しているときのように、左脚を使った操作(例えばクラッチペダルを踏む操作)がほとんど必要でない場合、乗員は、リラックスした姿勢をとるために、自身の左脚の足裏部Yをフットレスト30に載置するとともに、左脚を開き気味にする(つまりサイドドア10側に近づける)と考えられる。すると、これに伴い図5に示すように、左脚の膝部Xが、円弧状の軌跡Rxを辿りながら車幅方向外側かつ下方に移動し、最終的には、ドアアームレスト15の傾斜部16の下方に位置する凹入部20の内部に収容される。これにより、体格が大きめの乗員であっても、比較的大きく左脚を開くことができ、充分にリラックスした姿勢をとることができるようになっている。
【0031】
すなわち、乗員用シート1に着座した乗員が車幅方向外側の脚(左脚)を開いたリラックスした姿勢をとったとき、特に乗員の体格が大きめである場合には、それほど脚を大きく開かないうちに膝部Xがドアアームレスト15の傾斜部16に干渉してしまい、乗員が窮屈な思いをするおそれがある。そこで、当実施形態では、平均的な成人男性よりも体格が大柄な乗員を想定して、その乗員が脚を開いたときの膝部Xよりも高い位置に上記ドアアームレスト15の傾斜部16の高さを設定するとともに、その下方に、車幅方向外側に凹入する凹入部20を設けている。これにより、体格の大きい乗員であっても、その乗員の膝部Xが、ドアアームレスト15の傾斜部16と干渉せず、当該傾斜部16よりも下方の凹入部20に収容される。このため、乗員は、充分に脚を開いたリラックスした姿勢をとることが可能である。
【0032】
また、図5からも理解されるように、上記凹入部20の上側部分21は、上記体格の大きい乗員が脚を開いたときの膝部Xの軌跡Rxに沿うような湾曲形状に形成されている。
【0033】
なお、図4および図5においては、左ハンドル車の運転席シート(乗員用シート1)に着座した乗員(ドライバー)を例に挙げて、その車幅方向外側の脚(左脚)の膝部Xが凹入部20に収容されることを説明したが、上記シート1とは反対側(右側)に配置された図外の助手席シートに着座した乗員についても、上記と同様である。ただし、助手席乗員の場合は、車幅方向外側に位置する右足が開かれたときに、その右足の膝が、図4および図5とは反対側のサイドドア10に設けられた凹入部20に収容されることになる。
【0034】
ここで、乗員用シート1をシートスライドレール2に沿って図4の位置よりも前方または後方にスライドさせた場合、これに伴って膝部Xの位置もずれることになる。例えば、乗員用シート1を前方にスライドさせると、膝部Xが前方に移動するとともに、その膝部Xよりも下側の脚部(下腿部)が立ち上がり気味になるのに伴って、膝部Xが上方に移動する。一方、乗員用シート1を後方にスライドさせると、膝部Xが後方に移動するとともに、下腿部が立ち下がり気味になるのに伴って、膝部Xが下方に移動する。
【0035】
このように、乗員用シート1の前後方向へのスライドに伴い、乗員の膝部Xの位置は、図4の位置に対し前方かつ上方、または後方かつ下方に移動する。一方、これに対応して、上記ドアアームレスト15の傾斜部16およびその下方の凹入部20も、側面視で後下がりに傾斜している。これにより、乗員用シート1の前後位置にかかわらず、乗員の膝部Xが傾斜部16の下方の凹入部20に収容されるようになっている。
【0036】
なお、図4および図5に示したような大柄な乗員ではなく、かなり小柄な乗員の場合には、脚を開いたときの膝部Xの高さが凹入部20と必ずしも一致しないと考えられるが、そもそも、小柄な乗員であれば、充分に大きく脚を開いても膝部Xがドアトリム12にまで到達しないため、凹入部20が膝部Xの高さと一致しなくても特に問題にはならない。
【0037】
以上説明したように、当実施形態の車両では、サイドドア10のドアトリム12に、乗員用シート1に着座した乗員が腕を載置するためのドアアームレスト15が車幅方向内側に突出するように設けられている。ドアアームレスト15は、車両の後方側に至るほど高さが低くなる後下がりの傾斜部16と、傾斜部16から連続し、かつ傾斜部16よりも水平に近い角度で後方に延びる水平部17とを有しており、また、傾斜部16の下方には、上記ドアアームレスト15よりも車幅方向外側に凹入する凹入部20が設けられている。このような構成によれば、乗員用シート1に着座した乗員がサイドドア10側(車幅方向外側)に大きく脚を開くことが許容され、乗員の快適性を効果的に向上させることができるという利点がある。
【0038】
すなわち、上記実施形態では、乗員用シート1に着座した乗員が車幅方向外側の脚を開く(つまりサイドドア10側に近づける)リラックスした姿勢をとったときに、その脚の膝部Xがドアアームレスト15の傾斜部16と干渉することなく、その下方の凹入部20に収容されるため、乗員は、サイドドア10側に大きく脚を開くことができ、充分にリラックスした姿勢で乗員用シート1に着座することができるようになる。しかも、ドアアームレスト15の傾斜部16の下方に凹入部20を設けるだけで乗員のリラックス姿勢を許容できるため、極めて簡単かつ効果的に乗員の快適性を向上させることができる。
【0039】
また、上記実施形態では、ドアアームレスト15の傾斜部16の前部下方位置から、当該傾斜部16に沿って後下かつ下方に延びるように上記凹入部20が設けられているため、乗員用シート1に着座した乗員が車幅方向外側の脚を開いたときに、その膝部Xだけでなく、膝部Xから後方かつ下方に延びる大腿部(太もも部分)についても凹入部20に収容されることになり、乗員のリラックス姿勢をより効果的に許容することができる。
【0040】
また、上記実施形態では、サイドドア10を上下方向に切断した断面視において、上記凹入部20が上側部分21および下側部分22を有するとともに、乗員が車幅方向外側の脚を開いたときの膝部Xの軌跡Rxに沿うように上記上側部分21が形成されているため、乗員が脚を開くときにその膝部Xが凹入部20の上側部分21と干渉するのを確実に防止しつつ、凹入部20の車幅方向外側への凹入量を適正に設定することができる。
【0041】
また、上記実施形態では、ドアアームレスト15の傾斜部16に、乗員がサイドドア10を開閉するときに手を掛けるための取手部18が設けられているため、乗員は、乗員用シート1に着座した状態で上記取手部18に自然と手を伸ばすことができ、サイドドア10の開閉操作を容易に行うことができる。
【0042】
また、上記実施形態では、上記凹入部20の下方に、当該凹入部20と連続する下向きの凹空間からなるドアポケット25が設けられているため、ドアポケット25に小物等の物品を収納する際に、乗員は、凹入部20に手を伸ばした状態で、そこからドアポケット25へと容易に物品を収納することができる。しかも、ドアポケット25に対応する部分のドアトリム12を突出させる必要がないため、ドアトリム12の外観をすっきりしたものにすることができる。
【0043】
なお、上記実施形態では、乗員がサイドドア10を開閉するときに手を掛けるための取手部として、ドアアームレスト15の傾斜部16の上面部を部分的に下方に凹入させた取手部18を設けたが、傾斜部16に設けることが可能な取手部は、このような形態に限られない。例えば、乗員が手を掛けることが可能な突起を傾斜部16に設けて、この突起を取手部として構成してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 乗員用シート
10 サイドドア
12 ドアトリム
15 ドアアームレスト
16 傾斜部
17 水平部
18 取手部
20 凹入部
21 上側部分
22 下側部分
X 膝部
Rx (膝部の)軌跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に設けられた乗員用シートの車幅方向外側に位置するサイドドアのドアトリムに、上記乗員用シートに着座した乗員が腕を載置可能なドアアームレストを車幅方向内側に突出するように設けた車両のドアアームレスト構造であって、
上記ドアアームレストは、車両の後方側に至るほど高さが低くなる後下がりの傾斜部と、傾斜部から連続し、かつ傾斜部よりも水平に近い角度で後方に延びる水平部とを有し、
上記傾斜部の下方に、上記乗員用シートに着座した乗員が車幅方向外側の脚を開いたときにその脚の膝部を収容するためのものとして、上記ドアアームレストよりも車幅方向外側に凹入する凹入部が設けられたことを特徴とする車両のドアアームレスト構造。
【請求項2】
請求項1記載の車両のドアアームレスト構造において、
上記凹入部は、上記ドアアームレストの傾斜部の前部下方位置から、当該傾斜部に沿って後下かつ下方に延びていることを特徴とする車両のドアアームレスト構造。
【請求項3】
請求項1または2記載の車両のドアアームレスト構造において、
上記凹入部は、上記サイドドアを上下方向に切断した断面視において、上記ドアアームレストの傾斜部の下端部から車幅方向外側に湾曲しつつ下方に延びる上側部分と、上側部分の下端部から車幅方向内側に湾曲する下側部分とを有し、
上記凹入部の上側部分は、乗員が車幅方向外側の脚を開いたときの膝部の軌跡に沿うような湾曲形状に形成されていることを特徴とする車両のドアアームレスト構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のドアアームレスト構造において、
上記ドアアームレストの傾斜部に、乗員がサイドドアを開閉するときに手を掛けるための取手部が設けられたことを特徴とする車両のドアアームレスト構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のドアアームレスト構造において、
上記凹入部の下方に、当該凹入部と連続する下向きの凹空間からなるドアポケットが設けられたことを特徴とする車両のドアアームレスト構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−153183(P2012−153183A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11868(P2011−11868)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】