説明

車両の荷箱の扉開閉構造

【課題】 荷箱の扉の回動支持部における浸水防止手段を、簡単な構成で、しかも安価に作製できるようにする。
【解決手段】 車両の荷箱6の上枠1aに沿って垂設される軸受け部材2と、扉9の上端部に沿って設けられ、軸受け部材2に回動支持される回動軸部材10と、軸受け部材2及び回動軸部材10で構成される回動支持部Aから荷箱6内部への浸水を防止するための浸水防止手段とが設けられた車両の荷箱の扉開閉構造において、浸水防止手段を、回動軸部材10の軸方向に沿って配され、扉9が開放される方向に可撓性を有する樋部材15で構成し、樋部材15の上端部を上枠1a又は軸受け部材2の外面に固着すると共に、下端部を扉9の上端部に向かって延出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の荷箱の扉に付着している、又は屋根部から流下する雨水などの水滴を、扉が開放された際に、扉の左右の両側から排水できるよう構成された車両の荷箱の扉開閉構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の車両の荷箱の扉開閉構造としては、例えばその上端部が荷箱の屋根部の上枠に取り付けられた上枠と、該上枠に設けられた庇部と、該庇部に突設された断面が円弧状の水切り用凸部と、庇部の先端部に設けられた立上り部と、その内部にシール部材が充填される、庇部及び立上り部によって形成された凹状部と、回動可能に支持された上側後部扉と、その開口部が上側後部扉の下端部側に位置するよう、該上側後部扉の上端部の長さ方向に沿って設けられた雨水案内用凸部と、該雨水案内用凸部によって形成された側断面が略U字形状の雨水収集用凹溝とを備えたものが公知になっている(特許文献1参照)。
【0003】
そして、荷箱の屋根部から扉側に流下して荷箱内部に浸入しようとする水が、庇部の水切り用凸部によって、扉から離間した位置に流下すると共に、シール部材の上面を伝って扉の左右両側に排水されるようになる。
【0004】
一方、荷箱の上側後部扉を開放する場合は、上側後部扉を上方に回動して傾斜した状態で保持することになる。この際、上側後部扉に付着した水は、斜め上方に位置した上側後部扉の下端部側から、その下方に位置した上側後部扉の上端部側に流下することになり、上側後部扉の上端部に設けられた雨水収集用凹溝によって、該雨水収集用凹溝の左右両側から外部に排水されることになり、荷箱内部への浸入を防止できる。
【特許文献1】特許第3286914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の車両の荷箱の扉開閉構造の場合、荷箱の後枠部材に設けられている庇部、立上り部及び水切り用凸部を、後枠部材の長さ方向に沿って形成する必要があると共に、庇部と立上り部とで形成される凹状部の全体にシール部材を充填する必要があり、さらに、扉の上枠に設けられている雨水収集用凹溝も後枠部材の長さ方向に沿って雨水案内用凸部を形成する必要がある。このため、これらの部材を作製するのに手間が掛かり、その分コスト高にもなるという第一の問題がある。
【0006】
また、上記雨水収集用凹溝は、扉と一体に設けられているので、扉と同一幅になっている。このため、雨水収集用凹溝は荷箱の開口間口より狭くて、排水された雨水が、荷箱の両側枠と扉の上端部との隙間から荷箱内部に浸水してしまうという第二の問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、前記第一の問題点を鑑み、荷箱の扉の回動支持部における浸水防止手段を、簡単な構成で、しかも安価に作製できるようにした車両の荷箱の扉開閉構造を提供することを第一の課題とする。
【0008】
また、本発明は、前記第二の問題点を鑑み、荷箱の両側枠と扉の上端部との隙間から荷箱内部への浸水を確実に防止できる車両の荷箱の扉開閉構造を提供することを第二の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記第一の課題を解決するために、本発明に係る車両の荷箱の扉開閉構造は、車両の荷箱の上枠1aに沿って設けられる軸受け部材2と、扉9の上端部に沿って設けられ、軸受け部材2に回動支持される回動軸部材10と、軸受け部材2及び回動軸部材10で構成される回動支持部Aから荷箱6内部への浸水を防止するための浸水防止手段とが設けられた車両の荷箱の扉開閉構造において、前記浸水防止手段は、前記回動軸部材10の軸方向に沿って配される樋部材15〜19を有し、該樋部材15〜19は、扉9が開放される方向に可撓性を有し、その上端部が上枠1a又は軸受け部材2の外面に固着されると共に、下端部が扉9の上端部に向かって延出されてなることを特徴とする。
【0010】
かかる第一の構成によれば、樋部材15〜19の上端部が上枠1a又は軸受け部材2の外面に固着されると共に、下端部が扉9の上端部に向かって延出されるため、樋部材15〜19が回動支持部Aを跨るように設けられる。したがって、樋部材15〜19は、扉9が閉塞された状態においては、水は、略帯状の樋部材15〜19、直立状態の扉9の外面を伝って真下に流下することになる一方、扉9が開放された状態においては、扉9が開放される際の回動動作によって、樋部材15〜19の一方の側壁が上枠1a又は軸受け部材2に押圧されると共に、他方の側壁が開放された扉9に押圧されて、回動支持部Aの外方に位置する部位が、例えば円弧状、レ字形状、W字形状、V字形状などに変形された排水溝になる。この排水溝には、上枠1a又は軸受け部材2に当接する一方の側壁を伝って流下する水と、開放された扉9の外面に当接する他方の側壁を伝って流下する水とが溜まることになり、排水溝の両側の開口部から外部に排水される。
【0011】
このように、扉9が閉塞された場合及び開放された場合のいずれにおいても、回動支持部Aから荷箱内部への浸水を防止できる。また、扉9の回動軸部材10に沿って樋部材15〜19を設けるだけなので、簡単且つ安価に作製できる。
【0012】
なお、ここでいう、樋部材15〜19の下端部が扉9の上端部に向かって延出されるとは、樋部材15〜19の下端部が固定端となる場合と自由端となる場合とを含むものとする。具体的に言うと、樋部材15〜19の下端部が扉9の上端部にねじ止め、接着、凹凸係合などの手段によって固定される場合と、扉9の上端部に当接したり、扉9の上端部から離間して外方に位置したりする場合とを含む。
【0013】
また、本発明に係る車両の荷箱の扉開閉構造は、車両の荷箱の上枠1aに沿って設けられる軸受け部材2と、扉9の上端部に沿って設けられ、軸受け部材2に回動支持される回動軸部材10と、軸受け部材2及び回動軸部材10で構成される回動支持部Aから荷箱6内部への浸水を防止するための浸水防止手段とが設けられた車両の荷箱の扉開閉構造において、前記浸水防止手段は、前記回動軸部材10の軸方向に沿って配される樋部材20を有し、該樋部材20は、扉9が開放される方向に折曲され、直立部20aが上枠1a又は軸受け部材2の外面に固着されると共に、斜め上方に折り曲げられた傾斜部20bが、開放される扉9の上端部又は回動軸部材10の外面に当接することを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、扉9が閉塞された状態及び開放された状態のいずれにおいても、直立部20aと斜め上方に折り曲げられた傾斜部20bとによって排水溝が形成される。さらに、樋部材15の傾斜部20bは、扉9が閉塞された状態において庇の役目をも担うことになり、浸水防止をより強固にすることができる。
【0015】
また、本発明に係る車両の荷箱の扉開閉構造は、車両の荷箱の上枠1aに沿って垂設される軸受け部材2と、扉9の上端部に沿って設けられ、軸受け部材2に回動支持される回動軸部材10と、軸受け部材2及び回動軸部材10で構成される回動支持部Aから荷箱6内部への浸水を防止するための浸水防止手段とが設けられた車両の荷箱の扉開閉構造において、前記浸水防止手段は、前記回動軸部材10の軸方向に沿って配される樋部材21,22を有し、該樋部材21,22は、扉9が開放される方向に折曲され、直立部21a,22aが扉9の上端部又は回動軸部材10の外面に固着され、折曲部位が回動支持部Aにおける、軸受け部材2と回動軸部材10との隙間を覆蔽し、斜め下方に折り曲げられた傾斜部21b,22bが、扉9が開放された際に上枠1a又は軸受け部材2の外面に当接することを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、扉9が閉塞された状態及び開放された状態のいずれにおいても、直立部21a,22aと斜め上方に折り曲げられた傾斜部21b,22bとによって排水溝が形成される。さらに、樋部材21,22の傾斜部21b,22bは、扉9が閉塞された状態において庇の役目をも担うことになり、浸水防止をより強固にすることができる。
【0017】
また、前記第二の課題を解決するために、本発明に係る車両の荷箱の扉開閉構造は、樋部材15〜22の長さ寸法が、開口間口7よりも大きく設定されてなるような第二の構成を採用することができる。
【0018】
かかる構成によれば、樋部材15〜22によって、荷箱の上枠と扉の上端部との隙間を覆蔽することができるのはもちろんのこと、荷箱の両側枠と扉の上端部との隙間から荷箱6内部への浸水も確実に防止できるようになる。この場合、樋部材15〜22の両端部は、左右の両側枠1b、1bの外寸法よりも大きくてもよく、両側枠1b,1bにかかる程度の長さであってもよい。
【0019】
また、本発明に係る車両の荷箱の扉開閉構造は、樋部材18,21の裏面の長手方向に沿って、該樋部材18,21を上枠1a、軸受け部材2、扉9の上端部、回動軸部材10のいずれかに固着するための係止突起18a,21cが形成されると共に、該係止突起18a,21cが係脱可能な係合溝3bが、軸受け部材2、扉9の上端部、回動軸部材10のいずれかに、その長手方向に沿って形成され、荷箱6の開口間口7よりも側方に突出する樋部材18,21の両端部における係止突起18a,21cの端面が、荷箱6の両側枠1b,1bの外面に当接するような構成を採用することができる。
【0020】
かかる構成によれば、荷箱6の開口間口7から突出する樋部材18,21の両端部における係止突起18a,21cの端面が、荷箱6の両側枠1b,1bの外面に当接することによって、該両側枠1b,1bの外面を伝って、扉9の側方における、荷箱6の両側枠1b,1bと扉9の上端部との隙間から荷箱6内部へ流下する水を確実に阻止できる。
【0021】
また、本発明に係る車両の荷箱の扉開閉構造は、前記樋部材20〜22は、扉9が開放される方向に可撓性を有し、その折曲角度Bは、扉9の開放角度よりも大きくなるよう設定されるような構成を採用することができる。
【0022】
かかる構成によれば、樋部材20〜22の折曲角度Bが扉9の開放角度よりも大きくなるよう設定されているので、開放された扉9に当接して折り曲げられた際に弾発力が作用することになり、開放した際の扉9の外面と樋部材15との密着性が高くなり、扉9の外面を伝って流下してくる水を余すことなく排水溝に溜めることがきる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、樋部材を回動支持部を跨るように設けることにより、回動支持部から荷箱内部への浸水を防止しつつ、樋部材を回動軸部材の軸方向に沿って配するだけでよいため、簡単且つ安価に作製できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る車両の荷箱の扉開閉構造について、図1〜図4を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
本実施形態1に係る車両の荷箱の扉開閉構造につき、まず荷箱全体の構成について図1を参照して説明する。車両の荷箱6と、該荷箱6の後側の開口間口7の上側に設けられた上枠1aと、開口間口7の左右の両側に配設された両側枠1b,1bと、該両側枠1b,1bの内側に長手方向に沿って取り付けられたウエザーストリップ8と、上枠1aにその上端部が回動可能に支持された扉9とから構成されている。
【0025】
つぎに上枠1aと扉9の回動支持部Aについて図2〜図4を参照して説明する。上枠1aの長手方向に沿って設けられる軸受け部材2と、該軸受け部材2に回動支持される、直立状態の扉9を斜め上方に回動させるための回動軸部材10と、軸受け部材2及び後述する回動軸部材10で構成される回動支持部A及び左右の側枠1b,1bとの間に設けられたスペーサSと、回動支持部Aに設けられた、回動支持部Aから荷箱6内部への浸水を防止するための樋部材15(浸水防止手段)とから構成されている。
【0026】
軸受け部材2は、上枠1aの長さ方向に沿って取り付けられる、上枠1aと略同一形状の支持部3と、該支持部3の角部から垂設された軸内面受け部4と、基端部が軸内面受け部4に一体化されると共に、先端部が軸内面受け部4から斜め下方に位置した断面が略C字形状の軸外面受け部5とを備えている。そして、支持部3の上端部と上枠1aの直立面との間にシール材Cが塗布されている。
【0027】
軸内面受け部4は、扉9を直立状態から斜め上方に回動できるよう、その先端部の内側に形成された略C字形状の円弧面を有する凸状受け部4aと、斜め上方に開放される扉9の位置を規制すべく、該凸状受け部4aの径外方向(中心から斜め下方)に沿って形成された平坦面からなる第一開放位置規制部4bと、扉9を略直立状態に閉塞できるよう、凸状受け部4aの真上に形成された鉛直面からなる第一閉塞位置規制部4cとを備えている。
【0028】
軸外面受け部5は、その内面に、凸状受け部4aの円弧面よりも大径の円弧面が、該凸状受け部4aの円弧面に対して同心状に形成された凹状受け部5aと、該凹状受け部5aの基端部に径内方向に沿って形成された鉛直面からなる第二閉塞位置規制部5bと、凹状受け部5aの先端部に周方向に沿って延出して形成された、扉開放時及び閉塞時における回動軸部材10の外面を支持する軸外面支持部5cとを備えている。そして、軸外面支持部5cの第二閉塞位置規制部5bが上側に位置すると共に、軸内面受け部4の第一閉塞位置規制部4cが下側に位置し、軸内面受け部4の第一閉塞位置規制部4cよりも軸外面受け部5の第二閉塞位置規制部5bが突出しており、階段状になっている。
【0029】
回動軸部材10は、扉9の上端部に沿って設けられた回動軸部11と、該回動軸部11の下側周縁部から垂設される帯状の吊設部12と、該吊設部12の下端部に連設されると共に、扉9の上端角部に沿って取り付けられる断面が逆L字形状の取付部13とで構成されている。そして、回動軸部11は、その内面側に、軸内面受け部4の凸状受け部4aに対応する嵌合凹部11aが形成されると共に、第一開放位置規制部4bに接離可能な凹状の第一開放位置ストッパ11bが形成されている。第一開放位置ストッパ11bの開口端部の下側に、軸内面受け部4の外面に接離可能な第二開放位置ストッパ11cが形成されている。第一開放位置ストッパ11bの凹部の深さは、扉9の開放角度に対応して形成されている。
【0030】
回動軸部11の内面側に、第一閉塞位置規制部4cに接離可能な凸状の第一閉塞位置ストッパ11dが形成されると共に、回動軸部11の外面側に、軸外面受け部5の第二閉塞位置規制部5bに接離可能な凸状の第二閉塞位置ストッパ11eが形成されている。そして、第一閉塞位置ストッパ11dと第二閉塞位置ストッパ11eとの間に、軸内面受け部4の第一閉塞位置規制部4cと軸外面受け部5の第二閉塞位置規制部5bとの段差を回避すべく逃げ溝11fが形成されている。
【0031】
回動軸部11の外面は、凹状受け部5aに回動支持できるよう、円弧面が形成されている。さらに、扉9が閉塞された状態及び扉9が開放された状態を、軸受け部材2において回動支持できるよう、円弧面の中途部に、その軸方向に沿って溝11gが形成されている。また、この溝11gは軸内面受け部4及び軸外面受け部5と、回動軸部11との隙間に水が浸水した場合の排水溝にもなる。
【0032】
そして、回動軸部11は、軸内面受け部4と軸外面受け部5との間に形成された開口部から嵌挿され、外面が凹状受け部5aに回動支持されると共に、内面の嵌合凹部11aが凸状受け部4aに嵌め込まれて回動支持されている。
【0033】
吊設部12は、回動軸部11と取付部13の角部との間に、取付部13に取り付けられた扉9を吊設するために設けられている。
【0034】
取付部13は、断面が逆L字形状を呈しており、扉9の上端面を水平支持する水平支持部13aと、該水平支持部13aの外側端部から垂下された、扉9の正面の上端部を支持する直立支持部13bとを有している。そして、直立支持部13bの先端部には、扉9を開放した際に、扉9の下端側から上端側に流下しやすいようにするために、先端部に向かうにしたがって低くなるように傾斜部13cが形成されている。この傾斜部13cは、扉9が開放された際に、水を扉9の上端部側へ流下させるための水勾配となっている。
【0035】
樋部材15は、可撓性を有するシート部材、例えばゴム製や軟質の合成樹脂製のシート部材が帯状に切断加工されて作製され、上枠1aの下端部から取付部13の直立支持部13bの上端部に跨る幅寸法を有すると共に、荷箱6の開口間口7よりも大きい長さを有している。また、樋部材15の上端部の外面及び下端部の外面のそれぞれに、各外面の長手方向に沿って帯状の止水用の押さえ部材14,14が配され、樋部材15と押さえ部材14,14がねじ止めされている。
【0036】
そして、扉9が閉塞されている場合、軸内面受け部4及び軸外面受け部5と、回動軸部11とは、樋部材15及び押さえ部材14,14によって覆われているので、軸内面受け部4及び軸外面受け部5と、回動軸部11との隙間からの水の浸入を防止できる。
【0037】
また、扉9が開放されている場合、樋部材15の上端部及び下端部はねじ止めされているため、上枠1aと扉9が側面視V字形状になる一方、軸受け部材2を跨る部位の中央部が外側に押し出されて山形状の突出部15aになり、全体が側面視略W字形状になる。つまり、ねじ止めされている樋部材15の上端部から突出部15aの一側面にかけてV字形状の溝15bが上側に形成されると共に、樋部材15の下端部から突出部15aの他側面にかけてV字形状の溝15cが下側に形成される。この二つの溝15b、15cが、上枠1a及び開放された扉9を伝って流下する水を外部に排水するための排水溝となる。
【0038】
なお、扉9が開放された状態、及び閉塞された状態のいずれであっても、前記押さえ部材14によって樋部材15の上端部からの浸水を常時防止できる構成になっている。つまり、荷箱6の上枠1aと扉9の上端部との隙間、及び荷箱6の側枠1b,1bと扉9の上端部の両端部との隙間から荷箱6内部への浸水を確実に防止できる。
【0039】
つぎに使用態様について説明する。図2の状態は、扉9が閉塞されている状態を示しており、軸外面受け部5の凹状受け部5aに、回動軸部11の外周面の円弧面の全体が当接支持されると共に、回動軸部11の内周面の嵌合凹部11aが凸状受け部4aの上側に位置し、第一開放位置ストッパ11bが第一開放位置規制部4bから離間すると共に、第二開放位置ストッパ11cが軸内面受け部4から離間し、第一閉塞位置ストッパ11dが第一閉塞位置規制部4cに当接すると共に、第二閉塞位置ストッパ11eが第二閉塞位置規制部5bに当接し、吊設部12が鉛直方向に位置して、扉9が直立状態に吊設されている。そして、樋部材15の中央部が緩やかな湾曲面を形成しつつ、軸受け部材2と回動軸部材10の略中央前方を覆った状態になっている。
【0040】
この状態から扉9を上方に向かって回動すると、図3に示すように、第一閉塞位置規制部4cから第一閉塞位置ストッパ11dが離間すると共に、第二閉塞位置規制部5bから第二閉塞位置ストッパ11eが離間し、回動軸部11の円弧面の上側部が、軸外面支持部5cに位置する一方、第一開放位置ストッパ11bが第一開放位置規制部4bに当接すると共に、第二開放位置ストッパ11cが凸状受け部4aの裏面部に当接し、取付部13の直立支持部13bが略110度の位置に位置し、扉9が開放された状態になる。そして、樋部材15の略中央部、即ち上述した湾曲部位が、扉9が上方に回動されるにしたがって斜め上方に押し出されて突出することになり、この突出部15aによって、上側及び下側に排水するための溝15b、15cが形成されるようになり、扉9に付着した水及び荷箱6の屋根部から流下する水を外部へ排水されるようになる。
【0041】
このように、扉9の閉塞時においては、変形することなく、扉9の外面に略沿うように帯状に設けられているので、樋部材15、扉9の直立した外面を伝って下側に自然に流下することになる。一方、扉9の開放時においては、扉9の回動動作させることによって、樋部材15を変形させると共に、この変形によって溝を形成し、この溝を利用して外部に排水できるようにしている。
【0042】
(実施形態2)
つぎに実施形態2について図5〜図7を参照して説明する。これらの図において、図1〜図4と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点は、上端部及び下端部がねじ止めされた帯状の樋部材15の代わりに、上端部が軸受け部材2に固着されて、下端部が取付部13に当接する樋部材16が使用されている点である。
【0043】
具体的には、支持部3から軸内面受け部4にかけての境界部位に、斜め下方に傾斜した傾斜部3aが形成されると共に、該傾斜部3aの下方に、断面が逆L字形状の係合溝3bが形成されている。さらに、樋部材16の上端部の裏面に、係合溝3bに対応する形状の係止突起16aが形成され、樋部材16の上端部から略中央部にかけて形成された薄肉部16bが、軸内面受け部4の外方に位置し、略中央部から下端部にかけて形成された厚肉部16cが、回動軸部11から取付部13の上端部に跨って設けられている。さらに、樋部材16の上端部の端面16dが、軸受け部材2の傾斜部3aに連設するよう、斜め下方に傾斜して形成されている。樋部材16の端面16dと軸受け部材2の傾斜部3aとで、上枠1a、支持部3を伝って流下する水を、樋部材16に沿って流下させることができる。加えて、樋部材16の下端部の外面に、扉9が開放された際に扉9の上端部側へ傾斜する傾斜面16eが形成されている。また、前記厚肉部16cの裏面は平坦面となっており、開放された扉9の外面に密着するようになっている。
【0044】
そして、薄肉部16bが形成されている理由としては、樋部材16を折れ曲がりやすくし、しかも、扉9が閉塞された状態から開放される際の回動動作、及び開放された状態から閉塞される際の回動動作のいずれにも円滑に追従しやすくし、さらに、扉9の外面に対する樋部材16の密着性もよくするためである。なお、薄肉部16bは、樋部材16の下端部よりも薄肉になるよう形成されているが、上端部よりも、或いは上端部及び下端部よりも薄肉に形成されていてもよい。要は、扉9の開放時に、樋部材16の折曲部位が折れ曲がりやすいように形成されていればよい。
【0045】
一方、厚肉部16cが形成されている理由としては、樋部材16の幅寸法が荷箱6の開口間口7よりも大きくなっているので、樋部材16の両側端部においては、その裏面に回動軸部材10の直立支持部13bがなく、樋部材16の下端部がなく変形しやすくなっており、この変形を防止するためである。
【0046】
また、樋部材16の下端部の傾斜面16eを、扉9が開放された際に扉9の上端部側へ傾斜するよう形成した理由としては、扉9の外面から樋部材16の傾斜面16eを伝って、樋部材16に流下しやすくなり、樋部材16による排水効率が向上するためである。
【0047】
そして、扉9が閉塞された状態においては、図5に示すように、軸受け部材2の傾斜部3a、樋部材16の端面16dから上端部、下端部、扉9の外面を伝って水が流下して外部に排水される一方、図6に示すように、扉9が開放されるにしたがって、樋部材16がレ字形状に折れ曲がると共に、略中央部から下端部にかけての平坦面が取付部13の外面に密着して、排水溝が形成される。この排水溝に、開放された状態の扉9の外面、樋部材16の端面16d、厚肉部16c、薄肉部16bを伝って、水が流下すると共に、支持部3の傾斜部3a、樋部材16の上端部の端面16d、薄肉部16bを伝って、水が流下することになる。
【0048】
(実施形態3)
つぎに実施形態3について図8及び図9を参照して説明する。これらの図において、図5〜図7と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点は、側面視略台形状の係止突起17aを有する樋部材17が使用されている点であり、該係止突起17aが支持部3から軸内面受け部4の境界部位に接着剤によって固着されている。そして、樋部材17は、樋部材16と同様に、上端部から略中央部にかけて薄肉部17bが形成され、略中央部から下端部にかけて厚肉部17cが形成され、係止突起17aの上端面に斜め下方に傾斜する端面17dが形成され、下端部の外面に形成された傾斜面17eが形成されている。なお、樋部材17の係止突起17aを接着剤で固着するのではなく、ねじ止めするようにしてもよい(図示せず)。
【0049】
そして、図8に示すように、扉9が閉塞された状態においては、係止突起17aの端面17d、薄肉部17bを伝って水が流下するようになっている。一方、扉9が開放される場合は、図9に示すように、開放される扉9の回動動作により、樋部材17の薄肉部17bが折れ曲がって、排水溝が形成される一方、斜め下方に傾斜する端面17dの傾斜面によって、屋根部からの水が排水溝に流下すると共に、開放された扉9からの水が、樋部材17の下端部の傾斜面17e、厚肉部17cを伝って排水溝に流下する。
【0050】
(実施形態4)
つぎに実施形態4について図10及び図11を参照して説明する。これらの図において、図5〜図7と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、T字形状の係止突起18aと、下端部を除く上端部までの部位に形成された薄肉部18bと、該下端部に形成された厚肉部18cと、上端部の端面に、斜め下方に傾斜するよう形成された端面18dと、厚肉部18cの外面に形成された傾斜面18eと樋部材18の厚肉部18cの裏面に形成された平坦面18fとを有する樋部材18が使用されている。そして、軸受け部材2には、樋部材18の係止突起18aに対応する係合溝3bが軸受け部材2の軸内面受け部4に形成されている。また、平坦面18fは、取付部13に対する接触面積が比較的大きくなっており、取付部13の直立支持部13bの前面に密着するようになっている。なお、扉9が閉塞された状態及び開放された状態のいずれの排水の態様も、前記実施形態2,3と同様のため、説明は省略する。
【0051】
さらに、軸受け部材2の支持部3の内面、即ち荷箱6の上枠1aの外面(荷箱6の両側枠1b,1bの外面)と、係合溝3bの底面とが同一面であるため、係合溝3bに係合する係止突起18aの端面が、両側枠1b,1bの外面と同一面となる。したがって、扉9が閉塞された状態及び開放された状態のいずれであっても、荷箱6の開口間口7よりも側方に突出する樋部材18の両端部における係止突起18aの端面が、両側枠1b,1bの外面に当接することになり、その結果、両側枠1b,1bの外面と係止突起18aと樋部材18の上端部とで排水用の溝が形成されることになり、上枠1a及び/又は両側枠1b,1bの外面を伝って、両側枠1b,1bと扉9の上端部との隙間から荷箱6内部へ流下する水を確実に阻止できる。
【0052】
(実施形態5)
つぎに実施形態5について図12及び図13を参照して説明する。これらの図において、図10及び図11と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点は、略円柱状の係止突起19aが形成された樋部材19が使用されている点であり、係止突起19aが略円柱状であることから取付作業が容易になる効果がある。そして、樋部材19は、実施形態4の樋部材18と同様に、薄肉部19b、厚肉部19c、端面19d、傾斜面19e、平坦面19fを有している。なお、扉9が閉塞された状態及び開放された状態のいずれの排水の態様も、前記実施形態4と同様のため、説明は省略する。
【0053】
(実施形態6)
つぎに実施形態6について図14〜図16を参照して説明する。これらの図において、図2〜図4と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点は、側面視レ字形状の樋部材20が軸受け部材2の軸内面受け部4に固着されている点である。この樋部材20は、直立部20aと、扉9が開放される方向、即ち該直立部20aから斜め上方に傾斜して形成された傾斜部20bと、直立部20aの裏面に形成されたT字形状の係止突起20cと、斜め下方に傾斜するよう形成された上端部の端面20dと、傾斜部20bの先端部に形成された傾斜面20eとを有している。そして、鉛直線に対する傾斜部20bの折曲角度Bは、扉9の開放角度よりも大きくなるよう設定されており、扉9が開放されて傾斜部20bに当接した際、傾斜部20bの弾発力によって密着することになり、傾斜部20bを伝って流下する水を排水しやすくなる。
【0054】
この場合、扉9が閉塞された状態においては、図14に示すように、傾斜部20bが庇となり、軸内面受け部4と回動軸部11との隙間からの浸水を低減しようとしている。一方、扉9が開放された状態においては、図15に示すように、開放された扉9の外面に、樋部材20の傾斜部20bが当接することになり、扉9から樋部材20の傾斜部20bを伝って排水溝に水が流下することになる。
【0055】
(実施形態7)
つぎに実施形態7について図17〜図19を参照して説明する。これらの図において、図2〜図4と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点を以下に説明する。回動軸部11のC字形状の円弧面に溝は形成されておらず、回動軸部11が側面視略E字形状を呈し、軸受け部材2の軸内面受け部4の第一開放位置規制部4bが内側に折れ曲がって形成されている。一方、樋部材21は、吊設部12に固着される直立部21aと、該直立部21aの上端部から斜め下方に傾斜して形成された傾斜部21bと、直立部21aの裏面に形成された係止突起21cと、直立部21aの下端部の端面及び傾斜部21bの端面に形成された傾斜面21dとを有し、直立部21aと傾斜部21bとの折曲部が、回動軸部11と軸受け部材2の第一開放位置規制部4bとの隙間を覆蔽している。そして、鉛直線に対する傾斜部21bの折曲角度Bは、扉9の開放角度よりも大きくなるよう設定されており、扉9が開放されて、傾斜部21bが軸受け部材2の軸内面受け部4の外面に当接した際、傾斜部21bの弾発力によって、扉9と傾斜部21bとが密着することになり、直立部21aを伝って流下する水を排水しやすくなる。
【0056】
この場合、扉9が閉塞された状態においては、図17に示すように、傾斜部21bが庇になると共に、折曲部が第一開放位置規制部4bと回動軸部11との隙間を覆蔽している。この状態から扉9を開放すると、図18に示すように、傾斜部21bが軸受け部材2の軸内面受け部4の前面に当接し、側面視レ字形状の排水溝が形成される。この際、荷箱6の屋根部からの水が、傾斜部21bを伝って排水溝に流下し、扉9からの水が、直立部21aを伝って排水溝に流下することになる。
【0057】
なお、前記実施形態4(図10及び図11参照)と同様に、軸受け部材2の係合溝3bの底面と、荷箱6の両側枠1b,1bの外面とが同一面であるため、係合溝3bに係合する係止突起21cの端面が、両側枠1b,1bの外面と同一面となっている。したがって、扉9が閉塞された状態において、荷箱6の開口間口7よりも側方に突出する樋部材21の両端部における係止突起21cの端面が、両側枠1b,1bの外面に当接することになり、その結果、両側枠1b,1bの外面と、樋部材21の係止突起21c及び直立部21aとで排水用の溝が形成され、荷箱6の両側枠1b,1bと扉9の上端部との隙間に対する防水性が向上される。
【0058】
(実施形態8)
つぎに実施形態8について図20及び図21を参照して説明する。これらの図において、図17〜図19と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点は、軸受け部材2の軸内面受け部4に、第一開放位置規制部4bが垂設され、第一開放位置規制部4bの外面に、樋部材21の折曲部が当接し、軸受け部材2の第一開放位置規制部4bと回動軸部11との隙間を覆蔽した点である。なお、扉9が開放された状態、及び閉塞された状態の排水の態様については、実施形態7と同様であるため、説明は省略する。
【0059】
(実施形態9)
つぎに実施形態9について図22及び図23を参照して説明する。これらの図において、図17〜図19と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点は、角柱状の係止突起22cが形成された樋部材22が使用されている点であり、前記実施形態7と同様に、直立部22a、傾斜部22b、二つの端面22d,22d、第一開放位置規制部4bと回動軸部11との隙間を覆蔽する折曲部を有している。なお、扉9が開放された状態、及び閉塞された状態の排水の態様については、実施形態7と同様であるため、説明は省略する。
【0060】
そして、扉9が閉塞された状態において、荷箱6の開口間口7から突出する樋部材22の両端部における係止突起22cの端面が、荷箱6の両側枠1b,1bの外面に当接することで、前記実施形態4と同様の作用効果を奏する。
【0061】
(その他の実施形態)
なお、上記いずれの実施形態1〜9において開示した各要素技術は、互いに他の実施形態に適用可能であることは言うまでもない。例えば樋部材16〜19の薄肉部16b〜19bなどである。
【0062】
また、前記実施形態1〜9の場合、軸受け部材2と上枠1aとが別体であったが、軸受け部材2は、上枠1aと一体であってもよい。また、扉9と回動軸部材10とが別体であったが、扉9と回動軸部材10とが一体であってもよい。
【0063】
また、前記実施形態1〜5の、樋部材15〜19においては、その上端部の固着部位としては、上枠1a又は軸受け部材2の外面のいずれであってもよく、要は、荷箱6の上枠1aや側枠1b,1bの外面からの水を確実に排水できればよい。さらに、前記実施形態6の、樋部材20の傾斜部20bの当接部位としては、取付部13の直立支持部13b(扉9の上端部)又は回動軸部11の外面のいずれであってもよく、要は、扉9からの水を確実に排水できればよい。加えて、前記実施形態7〜9の、樋部材21の直立部21aの当接部位としては、扉9が開放された際に上枠1a又は軸受け部材2の軸内面受け部4の外面のいずれに当接してもよく、要は、荷箱6の上枠1aや側枠1b,1bの外面からの水を確実に排水できればよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態1に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、荷箱の全体の構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が閉塞された状態の要部側断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が開放された状態の要部側断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る車両の荷箱の扉開閉構造の要部正面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が閉塞された状態の要部側断面図である。
【図6】本発明の実施形態2に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が開放された状態の要部側断面図である。
【図7】本発明の実施形態2に係る車両の荷箱の扉開閉構造の要部正面図である。
【図8】本発明の実施形態3に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が閉塞された状態の要部側断面図である。
【図9】本発明の実施形態3に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が開放された状態の要部側断面図である。
【図10】本発明の実施形態4に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が閉塞された状態の要部側断面図である。
【図11】本発明の実施形態4に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が開放された状態の要部側断面図である。
【図12】本発明の実施形態5に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が閉塞された状態の要部側断面図である。
【図13】本発明の実施形態5に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が開放された状態の要部側断面図である。
【図14】本発明の実施形態6に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が閉塞された状態の要部側断面図である。
【図15】本発明の実施形態6に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が開放された状態の要部側断面図である。
【図16】本発明の実施形態6に係る車両の荷箱の扉開閉構造の要部正面図である。
【図17】本発明の実施形態7に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が閉塞された状態の要部側断面図である。
【図18】本発明の実施形態7に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が開放された状態の要部側断面図である。
【図19】本発明の実施形態7に係る車両の荷箱の扉開閉構造の要部正面図である。
【図20】本発明の実施形態8に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が閉塞された状態の要部側断面図である。
【図21】本発明の実施形態8に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が開放された状態の要部側断面図である。
【図22】本発明の実施形態9に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が閉塞された状態の要部側断面図である。
【図23】本発明の実施形態9に係る車両の荷箱の扉開閉構造において、扉が開放された状態の要部側断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1a…上枠、1b…側枠、2…軸受け部材、3…支持部、3a…傾斜部、3b…係合溝、4…軸内面受け部、4a…凸状受け部、4b…第一開放位置規制部、4c…第一閉塞位置規制部、5…軸外面受け部、5a…凹状受け部、5b…第二閉塞位置規制部、5c…軸外面支持部、6…荷箱、7…開口間口、8…ウエザーストリップ、9…扉、10…回動軸部材、11…回動軸部、11a…嵌合凹部、11b…第一開放位置ストッパ、11c…第二開放位置ストッパ、11d…第一閉塞位置ストッパ、11e…第二閉塞位置ストッパ、11f…逃げ溝、11g…溝、12…吊設部、13…取付部、13a…水平支持部、13b…直立支持部、13c…傾斜部、14…押さえ部材、15〜22…樋部材、15a…突出部、15b,15c…溝、16a…係止突起、16b…薄肉部、16c…厚肉部、16d…端面、16e…傾斜面、17a…係止突起、17b…薄肉部、17c…厚肉部、17d…端面、18a…係止突起、18b…薄肉部、18c…厚肉部、18d…端面、18e…傾斜面、18f…平坦面、19a…係止突起、19b…薄肉部、19c…厚肉部、19d…端面、19e…傾斜面、19f…平坦面、20a…直立部、20b…傾斜部、20c…係止突起、20d…端面、20e…傾斜面、21a…直立部、21b…傾斜部、21c…係止突起、22a…直立部、22b…傾斜部、22c…係止突起、22d…端面、A…回動支持部、B…折曲角度、C…シール材、S…スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷箱(6)の上枠(1a)に沿って設けられる軸受け部材(2)と、扉(9)の上端部に沿って設けられ、軸受け部材(2)に回動支持される回動軸部材(10)と、軸受け部材(2)及び回動軸部材(10)で構成される回動支持部(A)から荷箱(6)内部への浸水を防止するための浸水防止手段とが設けられた車両の荷箱の扉開閉構造において、前記浸水防止手段は、前記回動軸部材(10)の軸方向に沿って配される樋部材(15〜19)を有し、該樋部材(15〜19)は、扉(9)が開放される方向に可撓性を有し、その上端部が上枠(1a)又は軸受け部材(2)の外面に固着されると共に、下端部が扉(9)の上端部に向かって延出されてなることを特徴とする車両の荷箱の扉開閉構造。
【請求項2】
車両の荷箱(6)の上枠(1a)に沿って設けられる軸受け部材(2)と、扉(9)の上端部に沿って設けられ、軸受け部材(2)に回動支持される回動軸部材(10)と、軸受け部材(2)及び回動軸部材(10)で構成される回動支持部(A)から荷箱(6)内部への浸水を防止するための浸水防止手段とが設けられた車両の荷箱の扉開閉構造において、前記浸水防止手段は、前記回動軸部材(10)の軸方向に沿って配される樋部材(20)を有し、該樋部材(20)は、扉(9)が開放される方向に折曲され、直立部(20a)が上枠(1a)又は軸受け部材(2)の外面に固着されると共に、斜め上方に折り曲げられた傾斜部(20b)が、開放される扉(9)の上端部又は回動軸部材(10)の外面に当接することを特徴とする車両の荷箱の扉開閉構造。
【請求項3】
車両の荷箱(6)の上枠(1a)に沿って設けられる軸受け部材(2)と、扉(9)の上端部に沿って設けられ、軸受け部材(2)に回動支持される回動軸部材(10)と、軸受け部材(2)及び回動軸部材(10)で構成される回動支持部(A)から荷箱(6)内部への浸水を防止するための浸水防止手段とが設けられた車両の荷箱の扉開閉構造において、前記浸水防止手段は、前記回動軸部材(10)の軸方向に沿って配される樋部材(21,22)を有し、該樋部材(21,22)は、扉(9)が開放される方向に折曲され、直立部(21a,22a)が扉(9)の上端部又は回動軸部材(10)の外面に固着され、折曲部位が回動支持部(A)における軸受け部材(2)と回動軸部材(10)との隙間を覆蔽し、斜め下方に折り曲げられた傾斜部(21b,22b)が、扉(9)が開放された際に上枠(1a)又は軸受け部材(2)の外面に当接することを特徴とする車両の荷箱の扉開閉構造。
【請求項4】
樋部材(15〜22)の長さ寸法が、荷箱(6)の開口間口(7)よりも大きく設定されてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両の荷箱の扉開閉構造。
【請求項5】
樋部材(16〜22)の裏面の長手方向に沿って、該樋部材(16〜22)を上枠(1a)、軸受け部材(2)、扉(9)の上端部、回動軸部材(10)のいずれかに固着するための係止突起(18a,21c)が形成されると共に、該係止突起(18a,21c)が係脱可能な係合溝(3b)が、上枠(1a)、軸受け部材(2)、扉(9)の上端部、回動軸部材(10)のいずれかに、その長手方向に沿って形成され、荷箱(6)の開口間口(7)よりも側方に突出する樋部材(18,21)の両端部における係止突起(18a,21c)の端面が、荷箱(6)の両側枠(1b,1b)の外面に当接することを特徴とする請求項4に記載の車両の荷箱の扉開閉構造。
【請求項6】
前記樋部材(20〜22)は、扉(9)が開放される方向に可撓性を有し、その折曲角度(B)は、扉(9)の開放角度よりも大きくなるよう設定されてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両の荷箱の扉開閉構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−74221(P2008−74221A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254964(P2006−254964)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(598051082)日本ボデーパーツ工業株式会社 (9)