説明

車両インテリア取り付け部およびその製作のための方法

発明は、特に自動車用の、車両インテリア取り付け部(10)と、車両インテリア取り付け部を製作するための方法に関し、前記車両インテリア取り付け部は、第1のサポートエレメントとエネルギー吸収エレメントを有し、前記サポートエレメントは接続領域によってエネルギー吸収エレメントに一体的に接合され、サポートエレメントはそれが接続領域によってエネルギー吸収エレメントに対して予め組み立てられることができるように提供されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サポートエレメントとエネルギー吸収エレメントからなる車両インテリア取り付け部およびその製作のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような車両インテリア取り付け部は、特に車両インテリアのクラッディングのために、一般的に知られている。例えば、自動車のサイド領域の衝撃保護のための補強部が、出版されたドイツ特許出願DE 10 2004 034 124 A1に開示されており、そこでは補強部は、一緒に接続されたウェブからなるフレームからなる。この場合、ウェブはプラスチック材料から作られ、ハニカムデザインのものである。従来技術の欠点は、車両インテリア取り付け部と一緒にハニカム構造を製作する時に、ハニカム構造が少なくとも前面(即ち、ハニカム構造から離れた車両インテリア取り付け部のサイド)上の表示によって視認可能であることを防止することが可能ではないことである。しかも、前記車両インテリア取り付け部は、製作するのが非常に複雑であり、非常に重く、比較的コストが高い。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、事故の場合の高度な安全性と、簡単にコスト効率良く製作される能力を併せ持ち、重量節約的でもあり、容易に製作され得る、特に自動車用の車両インテリア取り付け部を製作することである。
【0004】
目的は、サポートエレメントとエネルギー吸収エレメントからなり、サポートエレメントとエネルギー吸収エレメントが同じ材料から作られている、特に自動車用の車両インテリア取り付け部によって達成される。結果として、発明によると、複数の異なる機能を満たすための部品を特にコスト効率的なやり方で提供することが可能であり、そこでは自動車中および/または自動車部品中に車両インテリア取り付け部を設置するために、特に前記異なる機能を実装するために、プリアッセンブリーが提供される。
【0005】
本発明は、車両インテリア取り付け部、特に車両のボディワークのクラッディングおよび/またはダッシュボードに関する。車両インテリア取り付け部は好ましくはドアライニングである。発明によると、前記車両インテリア取り付け部は、例えばボディワークに、特に基本的ドア構造に接続された、サポートエレメントからなる。エネルギー吸収エレメントが、前記サポートエレメント上に配置され、前記エネルギー吸収エレメントは事故の場合にエネルギーを吸収し、結果として、車両占有者にとって事故の影響を最小化する。
【0006】
発明によると、サポートエレメントとエネルギー吸収エレメントは同じ材料から作られる。好ましくは、材料は所謂NF材料であり、それは熱可塑性材料と、繊維材料、特に好ましくは天然の繊維、の混合である。特に、NF材料は、熱可塑性材料、特にポリプロピレンと繊維材料からなる材料であり、そこでは熱可塑性成分は、例えば40−60%である。ケナフ、亜麻、大麻等のような再生可能な天然繊維材料が、繊維材料として考えられる。
【0007】
好ましくは、サポートエレメントとエネルギー吸収エレメントは、圧力下および/またはある温度で、平面状の、特にウェブ状または薄板状材料から成形され、それから例えば切り分けられたり打ち抜かれたりして分離される。
【0008】
好ましくは、サポートエレメントとエネルギー吸収エレメントは、エネルギー吸収エレメントがそうでなければ廃物として堆積されるであろう材料ウェブまたは材料薄板の領域から作られ得るように、初期材料上にデザインおよび/または配置される。結果として、材料消費が削減される。
【0009】
発明に従った更なる主題または本発明の好ましい主題によると、エネルギー吸収エレメントは1つのピースで提供され、複数の平面に渡って延びる。特に、これは車両占有者と車両ボディワークの間の複数の平面を指す。異なる平面の結果として、エネルギー吸収エレメントは、その表面全体に渡って変形されず、変形は平面毎に起こる。
【0010】
好ましくは、エネルギー吸収エレメントは、少なくとも部分的に異なる深さとなるようにデザインされた、即ち、好ましくは車両占有者と車両ボディワークの間のくぼみのサイズが可変である、複数のくぼみからなる。好ましくは、くぼみの断面形状は異なる。
【0011】
好ましくは、エネルギー吸収エレメントは、少なくとも1つの、好ましくは対称性のある2つの平面からなり、それらは好ましくはお互いに垂直に位置している。対称性の平面は好ましくはXおよび/またはZ方向に延びる。
【0012】
好ましくは、エネルギー吸収エレメントは、サポートエレメントの凹み中に配置され、特に好ましくはサポートエレメントに能動的に接続されている。
【0013】
好ましくは、装飾的材料がサポートエレメント上に設けられ、そこでは装飾的材料は、サポートエレメントに、特に好ましくは成形された時に、特に材料接続によって、接続されている。もしサポートエレメントがその表面の部分的領域中に一体的に接続された装飾的材料を有していれば、それは発明によると特に好ましい。結果として、装飾的材料は、更なる接続ステップ無しでサポートエレメントの部分的領域に施され得る。
【0014】
好ましくは、格納コン部メントが、エネルギー吸収エレメント中に位置している。好ましくは、くぼみの1つが格納コン部メントとして提供され、それは特に好ましくはカバーによって覆われている。
【0015】
本発明の更なる主題は、発明に従った車両インテリア取り付け部を製作するための方法に関し、そこではサポートエレメントとエネルギー吸収エレメントが1つの方法ステップで成形される。例えば、サポートエレメントとエネルギー吸収エレメントの両方が、材料ウェブまたは材料薄板から成形されるおよび/またはエレメンツが1つのスタンピングプロセスで同時に打ち抜かれる。
【0016】
結果として、車両インテリア取り付け部の製作中にコストが特定に節約され得る一方で、複数の機能をもった車両インテリア取り付け部が提供され得る。しかも、同じ材料から同じ製作ステップで作られたサポートエレメントとエネルギー吸収エレメントによって前記複数の機能を作り出すことによって、不要なロジスティックの、つまり複数の部数等のための、努力が払われる必要がないことが確かなものとされ、コストが削減され得る。発明によると、サポートエレメントとエネルギー吸収エレメントを成形するために特に、押圧ツール中に押圧プロセスが提供され、そこでは平面的なやり方で延ばされた初期材料が3次元的に変形され、スタンピングステップが成形ステップの前、最中または後に提供される。
【0017】
発明の例示的実施形態が、図面中に示され、以下の記載中により詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、サポートエレメントと吸収エレメントからなる発明に従った車両インテリア取り付け部を、切断ラインに沿った断面図で示す。
【図2】図2は、発明に従った車両インテリア取り付け部の詳細を、更なる切断ラインに沿った断面図で示す。
【図3】図3は、吸収エレメントを平面図および断面図で示す。
【図4】図4は、各ケースの吸収エレメントを斜視図で示す。
【図5】図5は、各ケースの吸収エレメントを斜視図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1、2および3に、各ケースにおける車両インテリア取り付け部10が示されており、前記車両インテリア取り付け部は、サポートエレメント20と吸収エレメント30からなる。示された例では、車両インテリア取り付け部10はまた、被覆および/または固着エレメント11からなる。吸収エレメント30は、事故の場合のエネルギー吸収のための、よって車両占有者の保護のための、役目を果たす。示された例示的実施形態では、サポートエレメント20は、部分的領域における視認可能な面と、この領域中の装飾的材料25からなる。好ましくは、前記装飾的材料25は、サポートエレメント20の材料に、同じ方法ステップで(即ち、例えば接着剤等のような更なる接続材料無しで)一体的に接続される。発明による吸収エレメント30は、好ましくはサポートエレメント20と共に成形され、また好ましくは同じ材料から、好ましくは熱可塑性材料と、繊維材料、特に好ましくは天然の繊維、の混合である、所謂NF材料から、製作される。特に、NF材料は、ポリプロピレンと繊維材料からなる材料であり、そこではポリプロピレン成分は例えば50%である。例えば、ケナフ、亜麻、大麻等のような再生可能な天然繊維材料が、繊維材料として考えられる。
【0020】
好ましくは、吸収エレメント30は、サポートエレメント20の凹み22中に置かれ、その後被覆および/または固着エレメント11によってそこに接続される。例えば、接続は、固着ピンによって行われ、それらはエネルギー吸収エレメント30とサポートエレメント20を通して挿入され、特に好ましくはそこにラッチされる。被覆および/または固着エレメント11は、サポートエレメント20と吸収エレメント30の固着を容易にするかまたは向上するために、鋸歯状構造12を追加的に有していていも良い。しかも、被覆および/または固着エレメント11はまた、つまり吸収エレメント30の領域中に、補強構造13を有していても良い。
【0021】
図2には、発明に従った車両インテリア取り付け部10が、更なる切断ラインに沿った断面図で示されており、そこでは被覆および/または固着エレメント11と、サポートエレメント20と、吸収エレメント30が順次示されている。図2に従った見え方では、(断面図で示された)反射性ベスト40がまた、車両インテリア取り付け部中に一体化された格納コン部メント中に収納されている物体の例として描かれている。被覆および/または固着エレメント11では、格納コン部メントへのアクセスを提供するために、対応するオプションで被覆可能な開口部が設けられている。
【0022】
図3から5は、吸収エレメント30の異なる見え方を示す。図3は、エネルギー吸収エレメント30を、図の左手部分に平面図で、図の右手部分に断面図で、示す。図4と5は、各ケースのエネルギー吸収エレメント30を斜視図で示す。図3から5の全ての見え方から、エネルギー吸収エレメント30は、参照番号1、2、3および4によって表記され、車両占有者から車両ボディワークの方向に延びた、異なる平面を有することが明らかである。前記図面から、その深く引き込まれたおよび/または押圧された形状のために、エネルギー吸収エレメント30は大量の変形エネルギーを吸収することが可能であることが明らかである。エネルギー吸収エレメント30は、複数のくぼみ1−4からなり、それらは少なくとも部分的には可変な断面を有する。特に図3から導き出され得るように、くぼみ1−4は、2つの対称性の平面X、Zに従って配置されている。
【符号の説明】
【0023】
1、2、3、4 吸収エレメントの異なる平面、くぼみ
10 車両インテリア取り付け部
11 被覆エレメント、固着エレメント
12 鋸歯状構造
13 補強構造
20 サポートエレメント
22 凹み
25 装飾的材料
30 エネルギー吸収エレメント
40 反射性ベスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サポートエレメント(11)とエネルギー吸収エレメント(30)を含み、サポートエレメント(11)とエネルギー吸収エレメント(30)が同じ材料から作られていることを特徴とする、車両インテリア取り付け部(10)。
【請求項2】
エネルギー吸収エレメント(30)が、サポートエレメント(11)からの廃物から作られていることを特徴とする、請求項1記載の車両インテリア取り付け部(10)。
【請求項3】
エネルギー吸収エレメント(30)が、1つのピースで提供され、複数の平面(1−4)に渡って延びることを特徴とする、請求項1また2記載の車両インテリア取り付け部(10)。
【請求項4】
エネルギー吸収エレメントが、少なくとも部分的に異なる深さの複数のくぼみ(1−4)を含むことを特徴とする、請求項3記載の車両インテリア取り付け部(10)。
【請求項5】
くぼみの断面形状が異なることを特徴とする、請求項3また4記載の車両インテリア取り付け部(10)。
【請求項6】
エネルギー吸収エレメント(30)が、サポートエレメントの凹み(22)中に位置することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の車両インテリア取り付け部(10)。
【請求項7】
エネルギー吸収エレメント(30)が、サポートエレメント(20)に能動的に接続されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の車両インテリア取り付け部(10)。
【請求項8】
装飾的材料(25)が、サポートエレメント(20)上に設けられていることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の車両インテリア取り付け部(10)。
【請求項9】
格納コン部メントが、エネルギー吸収エレメント(30)中に位置していることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の車両インテリア取り付け部(10)。
【請求項10】
サポートエレメント(20)とエネルギー吸収エレメント(30)が、1つの方法ステップで成形されることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の車両インテリア取り付け部を製作するための方法。
【請求項11】
サポートエレメント(20)とエネルギー吸収エレメント(30)が、後で分離されることを特徴とする、請求項10記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−518773(P2013−518773A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552309(P2012−552309)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際出願番号】PCT/EP2011/000622
【国際公開番号】WO2011/107212
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(502156098)ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー (142)