説明

車両マルチメディア装置のディスプレイ装置上の階層構造化されたメニューのディスプレイを制御するための車両マルチメディア装置および方法

【課題】両マルチメディア装置のディスプレイ装置上の階層構造化されたメニューのディスプレイを制御するための車両マルチメディア装置および方法を提供すること。
【解決手段】メニューアイテムを有する階層構造化されたメニューを含む情報を表示するための表示装置14、該メニューアイテムを選択および作動するためのコントローラ装置16、および該表示を制御するため、および該コントローラ装置からの選択信号および作動信号を受信するための制御装置12、メニューまたはメニューアイテムを識別する該情報の所定番号を記憶するように適合される記憶装置28,30を備え、該記憶制御装置12は該記憶装置に該情報を書き込む、および該メモリから該記憶情報を読み込むことを特徴とする、車両用マルチメディア装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メニューアイテムを有する階層構造化されたメニューを含む情報を表示するためのディスプレイ装置、メニューアイテムを選択および作動するためのコントローラ装置、該ディスプレイを制御するため、および該コントローラ装置からの選択信号および作動信号を受信するための制御装置を備える車両マルチメディア装置に関する。本発明はさらに、そのような車両用マルチメディア装置のディスプレイ装置上の階層化されたメニューの表示を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両用マルチメディア装置は公知である。例えば、本出願の出願人は、ブランド名「Becher」の下で、多くの異なる車両用マルチメディア装置を提供する。本出願との関連では、車両用マルチメディア装置は、次の構成要素のうち少なくとも1つを備えるすべての装置を意味する:その構成要素とは、車両用ハイファイユニット、車両用ナビゲーションユニット、および車両用電話ユニットである。車両用ハイファイユニットは、一般的に、アンプ、ラジオチューナー、および任意的にはCD/DVDプレーヤーを備える。車両用ナビゲーションユニットは、GPS装置、大容量記憶装置としてCD−/DVDプレーヤー、およびルート案内ソフトウェアを実行するための制御装置を備える。車両用電話ユニットは、例えば、GSM装置(またはUTMS装置)、任意的にモデムを備え、例えばインターネットアクセスを可能にする。
【0003】
このような車両用マルチメディア装置はますます知られるようになり、車両用マルチメディア装置を注文する車両購入者の数も増加している。さらに、現在の車両用マルチメディア装置により提供されるサービスまたは機能の数も増えており、その結果、このような車両用マルチメディア装置の操作はますます複雑になっている。したがって、アーゴノミックスおよび人間−機械インターフェースはそれぞれ重要性を得ている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(発明の要旨)
それゆえ、改善されたアーゴノミックスを有するこのような車両用マルチメディア装置のディスプレイ装置上で階層構造化されたメニューの表示を制御するための車両用マルチメディア装置および方法を提供することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、上述するような車両用マルチメディア装置により解消され、この車両用マルチメディア装置は、メニューまたはメニューアイテムをそれぞれ識別する所定の数の情報を記憶するように適合される記憶装置、その記憶装置に情報を書き込むためのおよびそのメモリからその記憶情報を読み込むための記憶制御装置を備え、その記憶制御装置は、そのコントローラ装置を介したメニューアイテムの起動に応答して、または自動的にまたは手動により所定メニューに戻ることに応答して、その情報を書き込むように、その記憶情報を読み込むように、およびそのコントローラ装置の起動時にそれをその制御装置に提供するように適合され、その制御装置は、選択可能で作動可能なメニューアイテムが、その表示情報により識別されるメニューまたはメニューアイテムに到達することが可能である場合に、その提供された情報をそのディスプレイ装置上に表示するように適合される。
【0006】
一般的に、複数の異なるサービスおよび機能を提供する車両マルチメディア装置は、所望のサービスおよび機能を選択および動作するためのメニューシステムを使用する。公知のように、メニューシステムは、ユーザーにより選択および作動され得る複数のメニューアイテムを構成する。メニューアイテムは、階層的に組織化および構造化され、メニューアイテムは特定のメニューを割り当てられる(すなわち、メニューは、次の高層メニューアイテムに属するメニューアイテムを有する)。
【0007】
本発明の車両用マルチメディア装置は、ユーザーが単純な操作により最後に使用されたメニューまたはメニューアイテムに到達し得ることを可能にする。詳細には、最後に使用されたメニューまたはメニューアイテムは、選択可能および動作可能なメニューアイテムとして所定のメニュー内に表示される。このメニューを介して、ユーザーは、表示されたそれぞれのメニューアイテムを単純に選択および作動することにより、最後に使用されたメニューまたはメニューアイテムの1つに到達し得る。このような選択および動作により、このシステムはそれぞれのメニューを開くかまたは、そのメニューアイテムに割り当てられたそれぞれの機能を実行する。
【0008】
したがって、本発明では、「到達(reach)」とは、メニューにジャンプすること、メニューアイテムを含むメニューにジャンプすること、またはメニューアイテムに割り当てられた機能を直接的に作動することを意味する。
【0009】
車両用マルチメディア装置は、それゆえ、最後のメニューまたはメニューアイテムを識別する情報を記憶することを可能にする記憶装置、およびその記憶装置からの情報の読み書きを行う記憶制御装置を備える。この記憶制御装置は、例えば、ユーザーが、次のメニューに移動するためにメニューアイテムを作動するためのコントローラ装置を操作する場合、その情報を書き込む。この記憶制御装置は、コントローラ装置の作動に応答して記憶装置から記憶情報を読み込む。この情報は制御装置に提供され、この制御装置は次いで、メニューアイテムとして表示装置上に情報を表示する。
【0010】
最後のメニューまたはメニューアイテムを表示するというこのメカニズムは、選択信号または作動信号が所定の一定の時間内に受信されないときに、制御装置が、表示装置が所定のメニュー(ステータスメニュー)を表示するように適合される場合に、特に価値がある。
【0011】
すなわち、言い換えると、この制御装置は、所定の一定の時間(時間切れになる一定の時間)内に選択または作動が生じない場合に、所定のもの(好ましくは、メインメニュー)を表示するということである。したがって、表示装置上に表示された情報は、ステータススクリーンと呼ばれることが多いメインメニューにジャンプして戻る。この手段の利点は、誰もが、メインメニュー上のそれぞれのメニューアイテムを動作するために制御装置を操作することによって最後のメニューに素早く到達し得るので、ユーザーにとって不都合なくいずれかのメニューアイテムの選択または作動後に、最も重要なステータス情報を有するこのスクリーンが非常に迅速に表示され得るということである。このメニューアイテムを介して、ユーザーは、選択可能および作動可能なメニューアイテムとして表示された最後に作動したメニューを含むメニューに到達し得、それぞれのメニューアイテムを作動することによりこれらの最後のメニューの1つにジャンプし得る。
【0012】
好ましくは、この記憶制御装置は、リングメモリとして記憶装置を編成するように適合する。さらに詳細には、多くの各メニューまたはメニューアイテムを識別する情報番号が、このコントローラ装置を介して選択可能である。
【0013】
すなわち、ユーザーは、任意で記憶装置に記憶されたメニューの番号を設定し得る。それゆえ、この車両用マルチメディア装置はさらなる柔軟性を持ち、人間−機械インターフェースはさらに改善される。
【0014】
好ましい実施形態では、この記憶制御装置は、このコントローラ装置によりメニューまたはメニューアイテムを識別する記憶情報を削除するように適合される。
【0015】
すなわち、言い換えると、各情報および各記憶メニューまたはメニューアイテムはそれぞれ、ユーザーにより別々に削除され得る。したがって、この装置の柔軟性がさらに増加する。
【0016】
好ましい実施形態では、コントローラ装置は、記憶制御装置に情報を提供させるように適合する所定のスイッチを備える。
【0017】
この手段により、ユーザーは、所定のスイッチを操作することによって、最後に動作されたメニューまたはメニューアイテムを含むメニューに非常に迅速に到達可能となる。
【0018】
本発明の車両用マルチメディア装置は、好ましくは、アンプ、ラジオチューナーおよび好ましくはCD−DVDプレーヤーを少なくとも有するオーディオユニットを備える。さらに好ましくは、経路案内を提供するナビゲーションユニット、および電話サービスおよびインターネットサービスを提供する移動通信ユニットも有する。
【0019】
本発明の課題はさらに、車両用マルチメディア装置の表示装置上の階層構造化されたメニュー表示を制御するための方法により解決され、各メニューは、選択および作動するための少なくとも1つのメニューアイテムを備え、上記方法は以下のステップを含む:表示装置上にメニューを表示するステップ、上記メニューのメニューアイテムの作動に応答して、または所定のメニューに自動的に戻ることに応答して表示メニューの識別情報を記憶するステップ、コントローラ要素の操作に応答して記憶された情報の所定の番号を読み込むステップ、ついで、上記表示装置上に選択可能および作動可能なメニューアイテムとして上記読込み情報を表示するステップ。ここで、このようなメニューアイテムの選択および作動は、上記情報により識別されるメニューまたはメニューアイテムを表示することを可能にする。
【0020】
この方法は、上述された車両用マルチメディア装置と同様な利点を有し、それぞれ上記を参照する。
【0021】
好ましい実施形態では、上記所定の参照番号は調整可能である。さらに詳細には、上記識別参照は、リングメモリとして構成されるメモリ中に記憶され、最も古い記憶入力は、このメモリが一杯になった場合に、新しい入力により上書きされる。好ましくは、各記憶された識別参照はユーザーに削除可能である。
【0022】
(項目1)メニューアイテムを有する階層構造化されたメニューを含む情報を表示するための表示装置(14)、
該メニューアイテムを選択および作動するためのコントローラ装置(16)、および
該表示を制御するため、および該コントローラ装置からの選択信号および作動信号を受信するための制御装置(12)
を備え、
メニューまたはメニューアイテムを識別する該情報の所定番号を記憶するように適合される記憶装置(28,30)、
該記憶装置に該情報を書き込むための、および該メモリから該記憶情報を読み込むための記憶制御装置(12)、
該記憶制御装置(12)が、該コントローラ装置を介したメニューアイテムの作動に応答して、または自動的にまたは手動により所定メニューに戻ることに応答して、該情報を書き込むように、該記憶情報を読み込むように、および該コントローラ装置(16)の作動時に、該情報を該制御装置(12)に提供するように適合され、
該制御装置が、選択可能および作動可能なメニューアイテムが、該表示情報により識別されるメニューまたはメニューアイテムに到達することが可能である場合に、該提供された情報を該ディスプレイ装置上に表示するように適合される、
ことを特徴とする、車両用マルチメディア装置。
【0023】
(項目2)前記記憶制御装置(12)が、リングメモリとして前記記憶装置を構成するように適合されることを特徴とする、項目1に記載の車両用マルチメディア装置。
【0024】
(項目3)メニューまたはメニューアイテムの各々の番号を識別する情報番号が、前記コントローラ装置(16)を介して選択可能であることを特徴とする、項目1または項目2に記載の車両用マルチメディア装置。
【0025】
(項目4)前記記憶制御装置(12)が、前記コントローラ装置によりメニューまたはメニューアイテムを識別する記憶された情報を削除するように適合されることを特徴とする、項目1から項目3のいずれか1項に記載の車両用マルチメディア装置。
【0026】
(項目5)コントローラ装置(16)が、前記記憶制御装置が前記情報を供給するように適合された所定のスイッチ(20)を備えることを特徴とする、項目1から項目4のいずれか1項に記載の車両用マルチメディア装置。
【0027】
(項目6)少なくともアンプ、ラジオチューナー、および好ましくはCD−/DVD−プレーヤーを備えるオーディオユニットを特徴とする、項目1から項目5のいずれか1項に記載の車両用マルチメディア装置。
【0028】
(項目7)ルート案内を提供するためのナビゲーションユニット、電話サービスおよびインターネットサービスを提供するための移動通信ユニットを特徴とする、項目1から項目6のいずれか1項に記載の車両用マルチメディア装置。
【0029】
(項目8)車両用マルチメディア装置の表示装置上の階層構造化されたメニューの表示を制御するための方法であって、各メニューが、選択および作動されるための少なくとも1つのメニューアイテムを備え、以下のステップ:
該表示装置上にメニューを表示するステップ、
該メニューのメニューアイテムの作動に応答して、または所定のメニューに自動的に戻ることに応答して、該表示メニューまたは表示メニューアイテムを識別する情報を記憶するステップ、
コントローラ素子の操作に応答して記憶された情報の所定の番号を読み込み、ついで、該表示装置上に選択可能および作動可能なメニューアイテムとして該読込み情報を表示するステップであって、このようなメニューアイテムの選択および作動が、該情報により識別されるメニューまたはメニューアイテムを表示することを可能にするステップ、
を含む方法。
【0030】
(項目9)前記所定の情報番号が調整可能である、項目8に記載の方法。
【0031】
(項目10)前記識別情報が、メモリが一杯の場合に、最も古いメモリ入力が新たな入力により上書きされるように、リングメモリとして構成されるメモリ中に記憶される、項目8または項目9に記載の方法。
【0032】
(項目11)各記憶された識別情報がユーザーによって検出可能である、項目8から項目10のいずれか1項に記載の方法。
【0033】
さらなる特徴および利点は、次の詳細な説明および添付図面から理解され得る。
【0034】
上述された特徴、および以下で説明される特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、示されたそれぞれの組み合わせだけでなく、他の組み合わせまたは単独で使用され得ることが理解され得る。本発明の実施形態は図面中に示され、同参照番号とともに以下の詳細な説明中で、さらに詳細に説明され得る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による車両用マルチメディア装置の概略ブロック図である。
【図2】階層構造化されたメニューシステムを示す概略図である。
【図3】実例の目的のための表示装置上に表示された異なるメニューの概略図である。
【図4】図2のメニューシステムを介して、移動の間に記憶装置に連続的に記憶された値の概略図である。
【図5】車両用マルチメディア装置の概略正面図である。
【図6】最後の作動メニューを記憶する記憶素子の概略図である。
【図7】メニューアイテムとして最後に作動したメニューを有するメニューの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(発明の詳細な説明)
図1では、車両用マルチメディア装置の機能構造が模式的に示され、参照番号10を用いて表される。車両用マルチメディア装置10は中央制御装置12を備え、この中央制御装置12は、車両用マルチメディア装置10の操作を制御するのに有効である。中央制御装置12は表示装置14(好ましくは、ドットマトリクスディスプレイ)に接続され、ユーザーに示される表示装置14に上記情報を伝送する。
【0037】
車両用マルチメディア装置はさらにコントローラ装置16を備え、コントローラ装置16は、少なくとも1つのいわゆる回転押型ボタンスイッチ(rotary−push−button switch)18、および少なくとも1つの押型スイッチ(push switch)20を提供する。しかし、コントローラ装置16は、押型スイッチ、回転型スイッチ(rotary switch)、回転押型スイッチなどのような、コントローラ要素をさらに備え得ることが理解され得る。コントローラ装置16は、車両用マルチメディア装置10を操作するのに有効である。
【0038】
車両用マルチメディア装置10はさらに、車両ハイファイユニット22、ナビゲーションユニット24および移動通信ユニット26を備える。
【0039】
車両用ハイファイユニット22は、ラジオ、CD/DVD、TVなどのようなエンターテイメント機能を提供し、ゆえに、それに必要なすべての電子要素を備える。このナビゲーションユニット24は、少なくとも経路案内を提供し、それゆえGPS要素および経路情報を記憶するための大容量記憶要素(好ましくはDVDプレーヤー)を備える。最後に、移動通信ユニットは、電話、インターネット、SMS、電子メールなどのようなすべての通信サービスを提供し、それゆえ、少なくともGSM、または例えば、通信プロバイダーへの接続を確立するUTMSモジュールを備える。
【0040】
上述のユニット22〜26により提供されるすべての機能およびサービスは、中央制御装置12によって制御され、階層構造化されたメニューシステムを介して、ユーザーにより選択され得る。
【0041】
車両用マルチメディア装置10はさらに、第1の記憶素子30および第2の記憶素子32を有する記憶装置28を備える。第1の記憶素子30は、各メニュー(下記され得る)をそれぞれ識別する情報の所定番号を記憶するように適合され、第2の記憶素子32は、車両マルチメディア装置10の操作に必要な情報を記憶するように適合され、それは例えば、プログラムコード、設定情報などである。
【0042】
図5を参照すると、車両用マルチメディア装置10の正面図が模式的に示される。この装置10は、表示装置14を支持するフロントパネル34、およびコントローラ装置16を備える。コントローラ装置16は、2個の回転押型ボタンスイッチ18、いわゆるソフトキーとして有効な10個の押型スイッチ20、およびさらにいわゆるハードキーとして有効な7個の押型スイッチ28を備える。しかし、コントローラ装置16はさらに、他の組み合わせにおいても、多くの種々のスイッチを備え得ることが理解され得る。示されるフロントパネル34はまさに一例であり、本発明を制限するものとして考慮されるべきでない。
【0043】
ソフトキーとハードキーとの違いは、ハードキーは固定された所定の機能を割り当てられ、一方ソフトキーは、表示装置14上の表示メニューによる異なる機能を割り当てられる。
【0044】
フロントパネル34の後ろでは、ハウジング(示されず)が提供され、車両用マルチメディア装置10の多くの電子素子を受容し、詳細にはこれは、中央コントローラ装置12および記憶装置28である。ユニット22〜26はハウジング中にさらに提供され得、代替的には、必要な空間によりこのような分離が必要される場合には、別々に提供され得る。
【0045】
すでに上述のように、ユーザーは、コントローラ装置16を介して(詳細には、回転押型ボタンスイッチ18およびソフトキー20およびハードキー21を介して)車両マルチメディア装置10を操作し得る。
【0046】
車両用マルチメディア装置10は多くの(スイッチの数より多くの)機能、サービスおよび設定を提供するので、サービス、機能および設定の選択および作動はメニューシステムにより実行される。
【0047】
図2を参照すると、このようなメニューシステムの一部が模式的に示され、参照番号40を用いて表される。一般的に知られているように、メニューシステムは階層構造化され、少なくとも2つの、好ましくは多くのメニュー段階(menu level)を備える。図2においては、5個のメニュー段階が示される。このメインメニュー段階では、メインメニューが示され、参照番号42を用いて表される。メインメニュー42(メニュー0)は、選択および作動され得る3個のメニューアイテム43を有する。これは、回転押型ボタンスイッチ18により操作され得る;詳細には、表示装置14によって表示されるメニューのメニューアイテムは、回転押型ボタンスイッチ18を回転することによって選択され得、それを押すことにより作動し得る。
【0048】
表現「メニュー」は、本出願においては、メニューアイテムの群を表すために使用され、同時にユーザーに選択してもらうように示されることに注目されたい。さらに、図2に示されるメニューの数およびメニューシステム40の深さ(depth)は単なる例示であり、本発明を制限するように考慮され得ないことに注目されたい。
【0049】
図2から明らかなように、各メニューアイテム43は、次のメニュー段階においてメニューに枝分かれし、これはそれぞれの矢印で示される。それゆえ、第2のメニュー段階では、3個のメニュー(メニュー1、メニュー2、メニュー3)が提供される。各メニューはそれ自体でメニューアイテムを有し、このメニューアイテムは、ユーザーによって選択および作動され得る。この場合、ユーザーは次のメニュー段階3に到達し、それぞれがメニューアイテムを有するさらに多くの異なるメニューを有する。
【0050】
図2においては、メニューアイテムが、正方形および円として例示される。この正方形はサブメニューを開くためのメニューアイテムを象徴しており、円は機能などを実行するのに有効なメニューアイテムを象徴する。
【0051】
図3を参照すると、車両用のマルチメディア装置10のメニューシステムの一部が示され、ここで、これについて以下に記述し得る。メインメニュー42は、必要なすべての情報(例えば、選択ラジオ局、GSMモジュールの電界強度など)を示すステータススクリーンとして使用される。さらには、メインメニュー42は、数字1〜8を用いて参照されるメニューアイテム43を備える。各メニューアイテム43は、車両用マルチメディア装置の特定のサービスまたは機能作動するのに有効である。例えば、メニューアイテム43a(数字3)はオーディオ機能を作動するのに有効である。ユーザーがメニューアイテム43aを選択および作動する場合、誰もが次のメニュー45に到達する。このメニュー45は、ユーザーにより選択され得るさらなるメニューアイテム47を有する。例えば、メニューアイテム「MP3」は、オーディオユニットのMP3機能の作動を可能にし、詳細には、演奏されるべきファイル選択を可能にする。メニューアイテム「CD」は、オーディオユニットのCD/DVD機能の作動を可能にし、および詳細には、CDチェンジャー内にあるCDの1つを選択可能にする。
【0052】
ユーザーがメニューアイテム「MP3」を選択および作動する場合、次のメニュー段階にあるメニューに到達する。図3においては、このメニューは、参照番号49を用いて示される。このメニュー49は、シンボルの形式で、複数のメニューアイテム51を再度有し、すなわち、シンボル53はファイルディレクトリを示し、シンボル55はファイルを示す。ディレクトリ53のメニューアイテムが選択および作動される場合、ユーザーは、参照番号57で示される次のメニュー段階に到達し得る。このメニュー57においては、ディレクトリおよびファイルの形式のメニューアイテム51が選択および作動のために示される。ユーザーがディレクトリのメニューアイテムを作動する場合、次のメニュー段階に到達する。図3においては、参照番号59を用いてそれぞれのメニューが示される。このメニュー59においては、ファイルメニューのみが選択として示される。それゆえ、メニュー59は、このメニュー枝(branch)のそれぞれ終点であり、表示メニューアイテム55は、機能(例えば、それぞれのMP3ファイルの再生)を実行するのに有効である。
【0053】
典型的には、制御装置12は、ユーザーが所定の一定時間内にコントローラ装置16を操作しない場合には、メインメニュー42に戻る。図3に例示されるサンプルを参照すると、ユーザーがメニュー59に移動し、所定の一定時間内にいずれのメニューアイテム55を選択および作動しない場合には、メインメニュー42が再度表示される。
【0054】
メニュー47、49、57を介してメニュー59に戻る移動を避けるために、車両用マルチメディア装置10は上記第1の記憶素子13を備え、この第1の記憶素子13は、最後に作動したメニューアイテムを含むメニューを識別する情報を記憶する。この情報は、所定のスイッチ(好ましくは、ハードキー21またはソフトキー)を作動することにより呼び出され得る。このハードキーの作動に応答して、制御装置12は、この情報を受信し、表示装置14に特定のメニューを表示させる。この特定のメニューは、選択可能および作動可能なメニューアイテムの形式における呼び出し情報を含む。すなわち、作動メニューは、選択可能なメニューアイテムとして表示装置14上に表示される。ユーザーは、ついで、それぞれのメニューアイテムを選択および作動することにより、最後のメニューの1つに直接的に到達し得る。
【0055】
第1の記憶素子30機能、およびそこに記憶された情報を記述するために、ここで、ユーザーが、メニュー45、49、57を介して、メインメニュー42からメニュー59に移動したと想定する。さらに、ユーザーが、メニュー59においてメニューアイテム55を作動したと想定する。さらに、ユーザーが、メニュー42からメニュー59への移動前に、メニュー2、メニュー2.1および2.1.2を介して移動したと想定する。
【0056】
すでに述べたように、第1の記憶素子30はメニューを識別する情報を記憶する。この第1の記憶素子30は、それゆえ、それぞれが1つの単一のメニューを識別する情報を記憶するように適合した多くのメモリセルを備える。多くのメモリセルを有するこの第1のメモリ素子30が図6に模式的に示される。示される例では、制御装置12は、このメニュー42のメニューアイテムの作動に応答して、メインメニュー42を識別する値「0」を記憶する。この情報を記憶するために、記憶制御装置は、メモリセル61.nを選択する。値「n」はカウンタ値であり、各記憶処理後に1ずつ増加する。このカウンタ値nが最大値mに到達する場合、このカウンタ値nは0に設定される。結果として、メモリセル61.0において記憶された情報は、先行メモリセルが61.mであった場合、新たな情報により上書きされる。第1の記憶素子30は、それゆえ、リングメモリとして構成される。
【0057】
メモリセル61.nにおいてメインメニュー42を識別する値「0」を記憶する後に、このカウンタ値nは1ずつ増加し、次いで、メニュー45のメニューアイテム47の作動時に、制御装置12は、メモリセル61.n+1においてメニュー45(図2においてはメニュー3)を識別する情報「3」を書き込む。
【0058】
メニュー49(メニュー3.3)のメニューアイテム51の作動に応答して、このメニュー49を識別する情報「3.3」が、第1の記憶素子30の次のセル61.n+2中に記憶される。次いで、メニュー57を識別するこの情報3.3.3(図2においてはメニュー3.3.3)は、このメニューのメニューアイテム53の作動に応答して、次のメモリセル61.n+3中に記憶される。
【0059】
ユーザーが次いで、メニュー59においてメニューアイテム55を選択および作動する場合、メニュー59を識別するこの情報「3.3.3.2」は、メモリ素子30中に(すなわち、メモリセル61.n+4中に)記憶される。
【0060】
ユーザーが所定の一定時間内(時間切れまでの一定時間)にコントローラ装置16を操作しない場合、制御装置12は、メインメニュー42までジャンプして戻る。このユーザーがここでハードキー21を操作する場合、制御装置21は、記憶素子30中に記憶されたすべての値を読み込み、特定のメニュー内にこれらの値を表示し、この特定のメニューは図7において示され、「最後のメニュー」として参照される。メモリセル61.0〜61.mまで表示されるすべての値が、選択可能および作動可能なメニューアイテムとして表示されることが分かり得る。このメニューアイテムは、ユーザーが、これらのメニューアイテムのうち1つ(例えば、メニューアイテム「メニュー3.3」)を選択することを可能にし、および回転押型ボタンスイッチ18の操作によって同様に作動することを可能にする。この作動に応答して、それぞれのメニュー49は表示装置14上に表示される。
【0061】
本実施形態においては、制御装置12は、情報番号(すなわち、メニューまたはメニューアイテム)を設定するために、ユーザーが最大値mを設定することを可能にし、この番号は、第1の記憶素子中に記憶され得る。これは、図中に示されてないが、それぞれの設定メニューを介してなされ得る。
【0062】
上述の実施形態に加えて、以下に記載されるさらなる代替物および修正物がある。
【0063】
さらなる好ましい実施形態によれば、制御装置12は、メニューおよびメニューアイテムの記憶に関して、ある種のフィルタリングを実行するように適合される。つまり、作動するメニューまたはメニューアイテムのすべてが、記憶素子30中に記憶されるわけではない。むしろ、所定の基準に対応するメニューまたはメニューアイテムが記憶される。
【0064】
例えば、制御装置12は、次のサブメニューにジャンプするためだけではなく、機能などの作動に使用されたメニューまたはメニューアイテムのみ記憶し得る。図2中に示される例に関しては、このことは、選択および作動メニューアイテムのみが、次のメニュー段階(サブメニュー)へのジャンプを生じるために、メニュー45、49および57が記憶されないこと意味する。さらには、メニュー59は、メニューアイテム55が選択および作動する場合に、記憶されるのみである。他方、このメニュー59は記憶もされない。図4においては、記憶されたメニューアイテム55は破線で示される。
【0065】
本実施形態のさらなる修正物によれば、制御装置12は、メニュー55は以前作動されず、時間切れまでの一定時間が経過した後、システムがメインメニュー42にジャンプして戻る場合に、メニュー59を記憶するように適合し得る。
【0066】
すでに上述したように、2つの異なるタイプのメニューアイテムが存在し、それはすなわち、サブメニューにジャンプするためのメニューアイテム(図2中の正方形として示す)、および機能を実行するためのメニューアイテム(図2中で円として示す)である。
【0067】
上記メニューアイテムの違いは、「最後のメニュー」において示され得(例えば異なる色によって)、ユーザーは、視覚的にこの違いを認識し得る。
【0068】
第2のタイプのメニューアイテム(機能実行)に関しては、このシステムは、「最後のメニュー」の作動時にユーザーに2つの異なる作動を提供し得る。第1には、上記作動により、システムが上記メニューアイテムを含むそれぞれのメニューにジャンプし得る。図2を参照すると、「最後のメニュー」のメニュー中の「メニューアイテム55」の作動は、メニュー59(メニュー3.3.3.2)の表示となる。第2には、作動により、システムが、このメニューアイテムに割り当てられたそれぞれの機能を実行し得る。図2を参照すると、「最後のメニュー」のメニューの「メニューアイテム55」の作動は、メニューアイテム55により示されるそれぞれのMP−3ファイルの再生となる。
【0069】
さらなる好ましい実施形態では、このシステムは、前出作動の双方間における選択オプションをユーザーに提供し、この選択オプションは、回転押型ボタンスイッチ18を介して(すなわち、スイッチ18の長押しおよび短押しにより)選択され得る。すなわち、ユーザーが一定の短時間にスイッチ18を押す場合には第1の作動が実行され、一定の長時間にスイッチ18を押す場合には、第2の作動が実行される。
【0070】
記載された実施形態のさらなる修正物によれば、制御装置12は、2つの異なる形式(すなわち、リンクおよび参照(link and reference))で、メニューまたはメニューアイテムについての情報を記憶し得る。「最後のメニュー」のメニュー中に、メニューまたはメニューアイテムのリンクまたは参照またはその両方のいずれかを表示することがより可能である。リンクが表示される場合、リンク(「最後のメニュー」のメニュー中のメニューアイテム)の作動により、システムは、それぞれのメニューおよびメニューアイテムを含むメニューをそれぞれ表示する。参照が表示される場合には、参照の作動(「最後のメニュー」のメニュー中のメニューアイテム)により、システムが、メニューアイテムに割り当てられた機能を直接的に実行する。リンクおよび参照が表示される場合には、ユーザーは、リンクおよび参照の間で選択し得る。
【0071】
上述の修正物はお互いに結合され得、メニューシステム内でさえ結合が可能であることが理解され得る。例えば、1つのメニューブランチ内では、リンクのみが記憶および表示され、他のメニューブランチでは、参照が記憶および表示され、およびさらに他のメニューブランチでは、リンクおよび参照の両方が記憶および表示される。
【0072】
まとめると、制御装置12は、最後に作動したメニューアイテムを含む作動メニューをプロトコルする(protocol)ように適合される。この制御装置12は、作動メニューまたはメニューアイテムのそれぞれの情報/値(リンクおよび/または参照)が、第1の記憶素子30に書き込まれることを確実にする。さらに、この制御装置12は、これらの値が、それぞれのハードキー21に作動に応答して、第1の記憶素子30から読み込まれ、選択可能および動作可能なメニューアイテムのリストとして最後の作動メニューを表示装置14に移動することを確実にする。
【0073】
本発明により、アーゴノミクスを増加し、詳細には階層構造化されたメニューシステム介して移動を加速させる車両用マルチメディア装置が提供される。結果として、このユーザーはメニューにより迅速に到達し得る。
【0074】
当業者は、ここで、本発明の広い教示が様々な形式においてなされ得ることを前述の詳細な説明から理解し得る。それゆえ、この発明がその特定の例に関連して記述される一方で、本発明の真の範囲は制限されるべきではなく、それは図面、明細書および特許請求の範囲の検討時に、他の修正物が当業者に明らかであるからである。
【0075】
本発明は、メニューアイテムを有する階層構造化されたメニューを含む情報を表示するための表示装置(14)、該メニューアイテムを選択および作動するためのコントローラ装置(16)、および該表示を制御するため、および該コントローラ装置からの選択信号および作動信号を受信するための制御装置(12)を備える車両用マルチメディア装置に関する。本発明はさらに、メニューまたはメニューアイテムを識別する情報の所定番号を記憶するように適合される記憶装置(28,30)、該記憶装置に該情報を書き込むための、および該メモリから該記憶された情報を読み込むための記憶制御装置(12)を備え、該記憶制御装置(12)が、該コントローラ装置を介したメニューアイテムの作動時にメニューアイテムの情報を書き込むように、および該コントローラ装置(16)の作動時に該記憶された情報を読み込み、該制御装置(12)にそれを供給するように適合され、該制御装置が、選択可能および作動可能なメニューアイテムが、該表示情報により識別されるメニューまたはメニューアイテムに到達することが可能である場合に、該供給された情報を該ディスプレイ装置上に表示するように適合される。本発明は、車両用マルチメディア装置の表示装置上の階層構造化されたメニューの表示を制御するための方法にさらに関し、各メニューは、選択および作動される少なくとも1つのメニューアイテムを備える(図1)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−164340(P2012−164340A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−92898(P2012−92898)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2005−246869(P2005−246869)の分割
【原出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】