説明

車両制御装置

【課題】低コストの構成で、ロックアップクラッチの作動時に、車速変化から算出される加減速度がロックアップクラッチ作動ショックにともなう誤差を極力含まないようにする。
【解決手段】ロックアップクラッチを有するトルクコンバータ5を備えたアイドルストップ車1の車輪速センサ18によりアイドルストップ車1の車速を検出し、アイドルストップ制御部11の算出手段により車輪速センサ18が検出した車速の変化から加減速度を算出し、アイドルストップ制御部11の抑制手段により前記車速の変化の変動を抑制し、車速変化から算出される加減速度がロックアップクラッチ作動ショックにともなう誤差を極力含まないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータを備えた車両の車速変化から加減速度を算出し、算出した加減速度に基づいて当該車両を制御する車両制御装置に関し、詳しくは、加減速度のロックアップクラッチ作動ショックにともなう誤差の対策に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、変速機構にトルクコンバータ式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)を採用した車両は、CVT機構のエンジン側にロックアップクラッチを有するトルクコンバータを備え、大きなトルクが必要な低速域では、ロックアップクラッチを解除し、エンジン出力をトルクコンバータにより増幅してCVTに伝え、高速域では、ロックアップクラッチを締結し、エンジン出力をCVTに直接伝える。
【0003】
この場合、高速域からの減速時には所定の解除車速に減速したタイミングでロックアップクラッチの解除の作動が発生し、低速域からの加速時には所定の締結車速に加速したタイミングでロックアップクラッチの締結の作動が発生する。そして、これらのロックアップクラッチの作動時には、いわゆるロックアップクラッチ作動ショック(外乱)により、過渡的ではあるが車速が変動する。
【0004】
ところで、この種の車両によりアイドルストップ制御や追従走行制御等を行なう場合、走行路の勾配を検出して一定勾配以上であればアイドルストップ制御を禁止したり、車両の加減速度を検出して追従走行の加減速制御を修正したりすることが必要になる。
【0005】
そして、加速度センサ(以下、Gセンサという)の検出加減速度が、勾配に基づく加減速度成分と、車速の変化に基づく加減速度成分を含むため、走行路の勾配は、車両に備えたGセンサの検出加減速度と、車両の車速変化に基づく加減速度との差から求められる。この場合、車速変化に基づく加減速度は、車速の時間変化から算出して求められる(例えば、特許文献1(請求項1、段落[0011]、[0015]、[0025]、図1〜図5等)参照)。
【0006】
すなわち、車両の加減速度は車速の時間変化から算出して求められ、より具体的には、車両が備える車輪速センサの検出車速(出車輪速)の差から算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−207327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記したように車両の加減速度が車速の時間変化から算出して求められるので、変速機構にトルクコンバータ式のCVTを採用した車両においては、ロックアップクラッチの作動時のロックアップクラッチ作動ショックによる車速の変動が算出される加減速度に影響し、加減速度が誤差を含んだものとなってしまう問題がある。その結果、加減速度を用いて制御が行なわれるアイドルストップ制御や追従走行制御等の制御性能が低下する。
【0009】
本発明は、低コストの構成で、ロックアップクラッチの作動時に、車速変化から算出される加減速度がロックアップクラッチ作動ショックにともなう誤差を極力含まないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するために、本発明の車両制御装置は、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータを備えた車両の車速変化から加減速度を算出し、算出した加減速度に基づいて当該車両を制御する車両制御装置であって、車速を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した車速の変化から加減速度を算出する算出手段と、前記ロックアップクラッチの作動時に前記車速の変化の変動を抑制する抑制手段とを備えたことを特徴としている(請求項1)。
【0011】
また、本発明の車両制御装置の前記抑制手段は、前記ロックアップクラッチの作動時間の経過に応じて前記抑制手段の抑制度合いを可変することを特徴としている(請求項2)。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、トルクコンバータのロックアップクラッチの作動時には、検出手段が検出した車速の変化の変動が抑制手段によって抑制されるため、前記車速の変化からロックアップクラッチ作動ショックに基づく誤差を極力含まないようにして加減速度を算出することができ、複雑で高価な機構等を用いたりすることなく、検出した車速の変化の変動を抑制する低コストの構成で、ロックアップクラッチの作動時にも誤差を極力含まない加減速度を算出することができる。
【0013】
このように誤差の少ない加減速度を算出することができるので、トルクコンバータのロックアップクラッチの作動時であっても加減速度から正確な勾配等を求めることができ、精度よく車両のアイドルストップ制御や追従走行制御などの制御を行なうことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、トルクコンバータのロックアップクラッチの作動時間の経過に応じて抑制手段の抑制度合いが変わるので、ロックアップクラッチ作動ショックによって生じる車速の変化の変動に合せて抑制手段の抑制度合いを変え、作動時間の経過にしたがって前記変動が増減する実情にあった抑制が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】アイドルストップ車に適用した本発明の車両制御装置の一実施形態のブロック図である。
【図2】図1の動作説明用の波形図であり、(a)は検出車速、その変化の加減速度を示し、(b)は抑制手段の抑制特性例を示し、(c)は変動が抑制された車速、加減速度を示す。
【図3】マスタシリンダ圧に対する抑制手段の抑制特性例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
つぎに、本発明をより詳細に説明するため、本発明の一実施形態について、図1及び図2を参照して詳述する。
【0017】
図1はアイドルストップ車1に備えられた車両制御装置のブロック構成を示し、アイドルストップ車1は、軽量化、小型化等を図るため、電源として12Vの比較的小容量の1個の鉛バッテリ2を備える。鉛バッテリ2が本発明の車載のバッテリであり、負極端子はアイドルストップ車1の筐体に接続されている。
【0018】
図1において、3はアイドルストップ車1のエンジン、4はエンジン3のトランスミッション側のCVTでありエンジン3との間にトルクコンバータ(ロックアップクラッチの機構を含む)5が介在する。
【0019】
6はエンジン3を始動するスタータであり、リレー7を介して鉛バッテリ2から給電される。8は鉛バッテリ2の正極端子とリレー7との間に鉛バッテリ2に接近して設けられたバッテリセンサであり、鉛バッテリ2の温度、電流を検出する。9はエンジン3の回転力がベルト10を介して伝達されるオルタネータであり、走行中等に発電出力で鉛バッテリ2を充電する。
【0020】
11はアイドルストップ制御のECUが形成するアイドルストップ制御部、12はエンジン制御のECUが形成するエンジン制御部、13はABS(antilocked braking system)制御のECUが形成するABS制御部、14はCVT制御のECUが形成するCVT制御部であり、各制御部11〜14はそれぞれマイクロコンピュータ等により形成され、CAN等の通信バス15を介して情報をやり取りする。
【0021】
16はダッシュボードのコンビネーションメータが形成する表示部であり、通信バス15から各種の表示データを受信する。
【0022】
17はアイドルストップ制御部11に接続されたアイドルストップ車1のGセンサ、18はABS制御部13に車速の検出情報を与える車輪速センサ、19はABS制御部13にブレーキ機構のマスタシリンダ圧の検出情報を与える液圧センサである。
【0023】
そして、アイドルストップ車1の概略の制御及び動作を説明すると、ドライバがIGキー(図示せず)をオン操作してエンジンスタートを指令することにより、IGオンの信号が例えば通信バス15からアイドルストップ制御部11に入力され、この入力に基づいてアイドルストップ制御部11はリレー7を瞬時通電してオンし、鉛バッテリ2の電源をスタータ6に給電してスタータ6を始動し、停止していたエンジン3を始動する(初回始動)。エンジン3が始動してオルタネータ9の発電電力で鉛バッテリ2が一旦満充電状態に充電されると、その後は、IGキーのオフ操作でエンジン3が停止するまで、アイドルストップ制御部11がアイドルストップ制御を実行する。
【0024】
アイドルストップ制御部11には、通信バス15を介してエンジン制御部12の情報(エンジンの回転数や冷却水温等のエンジンの情報)及び、鉛バッテリ2の電流、温度等の情報、ABS制御部13の検出車速、マスタシリンダ圧等の情報、CVT制御部14のロックアップクラッチ情報、Gセンサ17の検出情報、図示省略したストップランプスイッチ、カーテシスイッチ等の車内各所のスイッチの情報等が入力される。
【0025】
そして、これらの情報に基づき、アイドルストップ制御中のアイドルストップ制御部11は、交通信号の赤信号等にしたがってドライバがブレーキペダルを踏込み、マスタシリンダ圧が所定の踏込圧以上になっていることを検出すると、アイドルストップ制御の所定の停止条件(例えばストップランプが点灯していて車速が0又は所定車速以下である等の条件)の成立を確認することにより、エンジン制御部12にエンジン停止を指令し、エンジン制御部12が燃料スロットルを絞ったりしてエンジン3を自動停止する。
【0026】
つぎに、交通信号が青信号に変わる等してドライバがブレーキペダルから足を離し、マスタシリンダ圧が所定の開放圧に低下したことを検出すると、アイドルストップ車1がアイドルストップ制御の所定の再始動条件(例えばストップランプが消灯していてドアが閉じている等の条件)の成立を確認することにより、アイドルストップ制御部11はリレー7を瞬時通電してオンし、鉛バッテリ2の電源をスタータ6に給電してスタータ6を始動し、停止しているエンジン3を自動的に再始動する。
【0027】
以降、アイドルストップ制御部11のアイドルストップ制御により、所定の停止条件の成立に基づくエンジン3の自動停止と、所定の再始動条件の成立に基づくエンジン3の自動的な再始動とが交互に行なわれる。
【0028】
ところで、CVT制御部14は、ABS制御部13からの車輪速センサ18の検出車速の情報等に基づき、CVT4に対して周知のCVT制御を実行し、トルクコンバータ5のロックアップクラッチの解除、締結の作動タイミングの直前、直後には、アイドルストップ制御部11に解除、締結それぞれの開始、終了のロックアップクラッチ情報を送る。
【0029】
一方、アイドルストップ制御部11は、走行路の勾配(絶対値)によってアイドルストップ制御の許可/不許可を決定し、走行路の勾配が設定値より大きく、アイドルストップ制御を実行すると、エンジン3の再始動時にクリープ力の消失にともなって車両のずり下がり等が発生する可能性があるときには、アイドルストップ制御を不許可に決定して禁止し、エンジン3を自動停止しないようにする。
【0030】
そして、走行路の勾配は、前記したように、Gセンサ17の検出加減速度(以下、Gセンサ値という)が、勾配に基づく加減速度成分と、車速の変化に基づく加減速度成分を含むため、Gセンサ値と、本発明の検出手段である車輪速センサ18の検出車速の時間変化(車速変化)に基づく加減速度の値との差から求めることができる。
【0031】
そこで、アイドルストップ制御部11は本発明の算出手段、抑制手段及び勾配推定手段を備える。算出手段、抑制手段、勾配推定手段は、予め設定されたそれぞれのプログラムをマイクロコンピュータが実行して形成される。
【0032】
そして、算出手段は、下記数1の(1)式の演算により、通信バス15を介したABS制御部13からの車輪速センサ18の時々刻々の検出車速の例えば数ms程度の微小な設定周期毎の差の車速変化の量から時々刻々の加減速度を算出する。なお、(1)式中の1000は車速の単位と周期の単位との整合を図る係数である。
【0033】
【数1】

【0034】
ところで、車輪速センサ18の検出車速は、ロックアップクラッチの作動時には、ロックアップクラッチ作動ショックの影響を受けて変動する。
【0035】
図2(a)は減速によりロックアップクラッチを解除する際の車輪速センサ18の検出車速及びこの車速変化から算出される加減速度の例を示し、ts〜teのロックアップクラッチ解除中(作動時間)Txに、実線v1の検出車速はロックアップクラッチ作動ショックの影響を受けて変動する。また、前記(1)式から算出される図2(a)の実線a1の加減速度は、ロックアップクラッチ解除中Txに検出車速の変動のノイズが重畳する。
【0036】
勾配算出手段は、Gセンサ17のGセンサ値と、(1)式の加減速度の値とに基づき、下記数2の(2)式からアイドルストップ車1の走行路の時々刻々の勾配を算出して推定する。
【0037】
【数2】

【0038】
そのため、ロックアップクラッチ解除中Tx等のロックアップクラッチの作動時に、ロックアップクラッチ作動ショックの影響を受けて車輪速センサ18の検出車速が変動し、その影響を受けて(1)式から算出される加減速度にノイズが重畳していると、(2)式から算出される勾配の推定精度が低下し、アイドルストップ制御の許可/不許可の決定ミスが生じる可能性がある。
【0039】
そこで、抑制手段は、CVT制御部14から通信バス15を介してアイドルストップ制御部11に送られるロックアップクラッチの解除、締結それぞれの開始、終了のロックアップクラッチ情報に基づくタイミング制御で、ロックアップクラッチの作動時の(1)式の算出結果である車輪速センサ18の検出車速の変化(算出される加減速度)の変動、換言すれば、図2(a)の実線a1の変動を抑制し、抑制した結果を(2)式の算出に用いる時々刻々の加減速度として勾配推定手段に与える。
【0040】
抑制手段の抑制手法はどのような手法であってもよく、抑制手段は、例えば、リミッタによるレベル制限(振幅制限)や信号圧縮(振幅圧縮)等で車輪速センサ18の検出車速に基づいて(1)式から算出した検出車速の変化(算出される加減速度)の変動を抑制する。
【0041】
図2(b)はリミッタによるレベル制限(振幅制限)で前記変動を抑制する場合のリミッタ特性例を示す。この例の場合、検出車速の変化(算出される加減速度)の絶対値(大きさ)に対して、例えば図2(b)の実線lの制限レベルが予め設定される。そして、ロックアップクラッチの作動時には、制限レベルを「制限なし」のレベルL0から低くし、検出車速の変化(算出される加減速度)の大きさの上限を勾配推定に極力影響しないようにクランプして制限する。
【0042】
このとき、ロックアップクラッチの作動中(例えば前記したロックアップクラッチ解除中(作動時間)Tx)には、制限レベルを、例えば図2(b)のレベルL1又はレベルL2の一定レベルに固定してもよいが、ロックアップクラッチの作動中の車輪速センサ18の検出車速の変化は、一般的には、図2(a)の実線a1に示すように始めは大きく、次第に小さくなる傾向があるので、例えば、同図(b)の実線lに示すように、制限レベルを、作動時間Txの最初には大きな変動に合せて制限レベルL1とし、ts時から設定時間が経過した途中のtm時からは制限レベルを設定された変化特性でさらに小さくしてte時には制限レベルL2になるように可変し、ロックアップクラッチの作動中の検出車速の変動量に対する制限の程度が略同じになるように、ロックアップクラッチの作動時間の経過に応じて抑制手段の抑制度合いを可変し、ロックアップクラッチ作動ショックによって生じる車速の変動の時間変化に合せて抑制手段の抑制度合いを変え、ロックアップクラッチの作動時間Txの経過にしたがって前記変動が増減する実情にあった抑制を行なうことがより好ましい。なお、ロックアップクラッチの作動中の制限レベルの可変特性等は、車輪速センサ18の検出車速の変化の変動特性等に応じて適当に設定すればよい。また、車輪速センサ18の検出車速の変化の変動を抑制するため、抑制手段によって先に車輪速センサ18の検出車速そのものを抑制し、抑制後の検出車速に基づき算出手段によって(1)式から加減速度を算出してもよい。
【0043】
そして、抑制手段の抑制が施されることにより、ロックアップクラッチの作動中には、等価的的に又は直接的に、車輪速センサ18の検出車速はロックアップクラッチ作動ショックの影響が抑制されて小さくなり、車輪速センサ18の検出車速の変化(算出される加減速度)の変動が抑制される。
【0044】
図2(c)の実線v2、a2は、抑制手段によって抑制された場合の検出車速、その変化の加減速度の波形例であり、いずれも図2(a)の実線v1、a2の波形に比して変化(変動)が十分に抑制されている。
【0045】
したがって、本実施形態の場合、トルクコンバータ5のロックアップクラッチの作動時には、抑制手段によって検出車速の変化(算出される加減速度)の変動が抑制されるため、ロックアップクラッチ作動ショックに基づく誤差を極力含まないようにした検出車速の変化からアイドルストップ車1の時々刻々の加減速度を算出することができる。そのため、アイドルストップ制御部11のソフトウェア処理により、複雑で高価な機構等を追加したりすることなく、検出車速の変化の変動を抑制する低コストの構成で、ロックアップクラッチの作動時にも誤差を極力含まない加減速度を算出することができる。
【0046】
そして、誤差の少ない加減速度を算出することができるので、トルクコンバータ5のロックアップクラッチの作動時であっても算出された加減速度とGセンサ値とに基づく(2)式の演算からアイドルストップ車1の時々刻々の走行路の正確な勾配を求めて推定することができ、アイドルストップ制御の許可/不許可の決定を的確に行なって精度よくアイドルストップ制御を行なうことができる。
【0047】
なお、実用的には、Gセンサ値及び抑制手段によって変動が抑制された加減速度を、それぞれ平滑用のフィルタを通してさらに不要な変動を除去してから、(2)式の演算よって勾配を求めることが望ましい。
【0048】
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能であり、例えば、本発明の算出手段、検出手段はアイドルストップ制御部11以外の制御部等に設けるようにしてもよい。また、トルクコンバータやロックアップクラッチの機構はどのようであってもよい。さらに、アイドルストップ車1の車両制御装置の構成が図1と異なっていてもよいのは勿論である。
【0049】
つぎに、本発明の算出された加減速度は、追従走行や衝突回避等の種々の車両制御に用られるものであってよく、本発明の車両制御装置はアイドルストップ車以外の車両に備えられるものであってよい。
【0050】
ところで、前記実施形態の場合、抑制手段は例えば図2(b)の実線lの制限レベルが予め設定され、ロックアップクラッチの作動時にタイミング制御でリミッタ特性を可変して検出車速の変化の変動を抑制するようにしたが、とくに、ロックアップクラッチの解除の際には、ロックアップクラッチの作動時に、例えばABS制御部13からアイドルストップ制御部11に送られるマスタシリンダ圧の情報に基づき、ドライバのブレーキペダルの踏込みに応じたマスタシリンダ圧の変化に応じてリミッタ特性を可変するようにしてもよく、この場合は、実際の減速状況に応じて検出車速の変化の変動を抑制することができる。図3はマスタシリンダ圧に対する抑制量(制限量)の変化特性の一例を示す。
【0051】
そして、本発明は、駆動源として、少なくともエンジン3のようなエンジンを備えた種々の車両の車両制御装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 アイドルストップ車
3 エンジン
5 トルクコンバータ
11 アイドルストップ制御部
18 車輪速センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロックアップクラッチを有するトルクコンバータを備えた車両の車速変化から加減速度を算出し、算出した加減速度に基づいて当該車両を制御する車両制御装置であって、
車速を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した車速の変化から加減速度を算出する算出手段と、
前記ロックアップクラッチの作動時に前記車速の変化の変動を抑制する抑制手段とを備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御装置において、
前記抑制手段は、前記ロックアップクラッチの作動時間の経過に応じて前記抑制手段の抑制度合いを可変することを特徴とする車両制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−112754(P2012−112754A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261019(P2010−261019)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)