説明

車両用の窓縁モール及び窓組立体

【課題】窓ガラスの裏面に窓縁モールを接着した窓組立体を窓枠に組み付ける際に、未硬化のシーラントが窓縁モールの外方へ流出することを防止できるようにする。
【解決手段】窓縁モール15の本体部16から突出して窓枠12の底壁部17に当接する脚部18を設け、この脚部18の先端部分を内方側(窓ガラス14の中心側)に向かって傾斜させることで、シーラント23の押圧力の一部が脚部18の先端部分を底壁部17に圧接させるようにすると共に、脚部18の先端部分を他の部分よりも太くすることで、脚部18の先端部分と底壁部17との接触面積を大きくして摩擦係数を大きくする。これにより、未硬化のシーラント23が窓縁モール15の脚部18を外方側(窓ガラス14の外周縁側)へ押圧しても、脚部18が外方側へ変形し難くなると共に位置ずれし難くなり、未硬化のシーラント23が窓縁モール15の外方へ流出することを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体パネルの窓枠に組み付け可能な窓ガラスの裏面の縁に沿って接着される車両用の窓縁モール及び窓ガラスの裏面の縁に沿って窓縁モールを接着した車両用の窓組立体に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1(特開2007−62420号公報)に記載されているように、自動車のフロントの窓ガラス等は、窓ガラスと窓枠との間の隙間を塞ぐために、窓ガラスの裏面の外周縁に沿って窓縁モール(ウインドモール)を両面接着テープ等により接着し、この窓縁モールの内周側にシーラント(接着剤)を吐出した後、窓枠に窓ガラスを嵌めてシーラントを硬化させることで窓枠に窓ガラスを接着固定するようにしたものがある。
【特許文献1】特開2007−62420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の技術では、窓縁モールに形成した姿勢保持突起の先端を窓枠の取付面に接触又はほぼ接触させるようにしているが、窓枠に窓ガラスを嵌めた状態でシーラントが硬化するまでの間に、未硬化のシーラントの押圧力で窓縁モールの姿勢保持突起が外方側(窓ガラスの外周縁側)に変形して、シーラントが窓縁モールの外方へ流れ出てしまう可能性があり、シーラントが窓縁モールの外方へ流出すると、窓枠と窓ガラスとの間のシーラントによるシール性や接着強度が低下するという不具合が発生する。
【0004】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、窓枠に窓ガラスを嵌めた状態でシーラントが硬化するまでの間に、未硬化のシーラントが窓縁モールの外方へ流出することを防止できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車体パネルの窓枠に組み付け可能な窓ガラスの裏面の縁に沿って接着される長尺な車両用の窓縁モールであって、窓縁モールは、窓ガラスの裏面の縁に沿って配置される弾性ポリマー材料製の本体部と、該窓縁モールを接着した窓ガラスを窓枠に組み付けた状態(以下単に「組付状態」という)において本体部から窓枠のうち窓ガラスの裏面に対向する底壁部に向かって突出して該底壁部に当接する脚部とを備え、脚部は、本体部よりも軟質な弾性ポリマー材料で形成され、組付状態において底壁部に当接する先端部分が他の部分よりも太く且つ該先端部分が窓ガラスの中心側に向かって傾斜しているように構成したものである。
【0006】
この窓縁モールを窓ガラスの裏面の縁に沿って接着して、窓縁モールの内周側にシーラントを吐出した後、窓枠に窓ガラスを嵌めてシーラントを硬化させる際に、未硬化のシーラントが窓縁モールの脚部を外方側(窓ガラスの外周縁側)へ押圧しても、脚部の先端部分が内方側(窓ガラスの中心側)に向かって傾斜しているため、シーラントの押圧力の一部が脚部の先端部分を窓枠の底壁部の方へ押して底壁部に圧接させるように作用すると共に、脚部の先端部分が他の部分よりも太いため、脚部の先端部分と底壁部との接触面積が大きくなって摩擦係数が大きくなる。このため、脚部が外方側へ変形し難くなると共に位置ずれし難くなり、未硬化のシーラントが窓縁モールの外方へ流出することを防止することができ、窓枠と窓ガラスとの間のシーラントによるシール性を確保することができると共に、窓枠に窓ガラスを確実にシーラントにより接着固定することができる。
【0007】
また、窓縁モールの脚部が本体部よりも軟質な弾性ポリマー材料で形成されているため、窓枠に窓ガラスを嵌める際に、脚部の適度な弾性力によって窓枠に対する高さ方向(窓ガラスの厚さ方向)のばらつきを吸収して窓ガラスの高さ方向の位置決めをすることができる。しかも、脚部を硬質材料で形成すると、脚部が窓枠の底壁部と擦れたときに異音が発生し易くなるが、脚部を軟質材料で形成することで異音の発生を防止できる。
【0008】
この場合、請求項2のように、組付状態において本体部から窓枠のうち窓ガラスの外周端面に対向する周壁部に向かって突出して該周壁部に当接する弾性リップを設けるようにしても良い。このようにすれば、弾性リップによって窓枠の周壁部と窓ガラスとの間を遮蔽して美観を保つことができると共に、窓枠に窓ガラスを嵌める際に、弾性リップによって窓枠に対する窓ガラスの面方向の位置決めをすることができる。
【0009】
また、請求項3のように、少なくとも脚部の先端部分を本体部よりも摩擦係数の大きい高摩擦材料で形成するようにしても良い。このようにすれば、脚部の先端部分と底壁部との間の摩擦係数を更に大きくすることができ、未硬化のシーラントが窓縁モールの脚部を外方側へ押圧したときに、脚部の外方側への位置ずれを更に少なくすることができる。
【0010】
更に、請求項4のように、組付状態において本体部のうちシーラントと接着される部分をアイオノマー樹脂で形成するようにしても良い。アイオノマー樹脂はシーラントとの接着性が良いため、窓縁モールの本体部のうちシーラントと接着される部分をアイオノマー樹脂で形成すれば、窓縁モールの本体部と窓枠とをシーラントで確実に接着することができる。
【0011】
また、請求項5のように、組付状態において脚部を本体部のうち窓ガラスの外周縁側となる面の中央から下端にかけた部分を起点として窓ガラスの斜め中心側に向かって窓ガラスの外周縁側を凸形状とした曲線状に延びるように形成するようにしても良い。このようにすれば、窓縁モールの脚部が外方側に屈曲し難くなり、脚部の外方側への位置ずれを更に少なくすることができる。
【0012】
更に、請求項6のように、組付状態において脚部の先端側から窓ガラスの斜め外周縁側に向かって突出して窓枠の底壁部に当接する突起部を設けるようにしても良い。このようにすれば、未硬化のシーラントが窓縁モールの脚部を外方側へ押圧したときに、突起部が突っかい棒の役割を果たして脚部の外方側への位置ずれを更に少なくすることができる。
【0013】
また、請求項7のように、車体パネルの窓枠に組み付け可能で上側両角部が面取りされる共に裏面の縁に沿って不透明着色層が形成された窓ガラスと、該窓ガラスの裏面の上縁と左右両側縁に沿って接着された長尺な窓縁モールとを備えた車両用の窓組立体に適用して、窓縁モールは、窓ガラスの裏面の縁に沿って配置される弾性ポリマー材料製の本体部と、窓組立体を窓枠に組み付けた状態(以下単に「組付状態」という)において本体部から窓枠のうち窓ガラスの裏面に対向する底壁部に向かって突出して該底壁部に当接する脚部とを備え、本体部の全長に亘って予め貼着された両面粘着テープを窓ガラスの裏面に貼着することで窓ガラスの裏面の上縁と左右両側縁に沿って接着され、脚部は、本体部よりも軟質な弾性ポリマー材料で形成され、組付状態において底壁部に当接する先端部分が他の部分よりも太く且つ該先端部分が窓ガラスの中心側に向かって傾斜しているように構成したものとしても良い。
【0014】
この構成では、窓枠に窓組立体を嵌める際に、窓ガラスの裏面の上縁と左右両側縁において窓縁モールの脚部により窓枠に対する窓ガラスの高さ方向の位置決めをすることができ、位置決め用のダムラバーを省略することができる。また、窓縁モールの脚部により未硬化のシーラントが窓縁モールの外方へ流出することを防止することができるため、窓枠と窓ガラスとの間のシーラントによるシール性や接着強度を確保しながら、シーラントの使用量を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した一実施例を説明する。
図1に示すように、自動車の車体パネル11に形成されたフロントウインドウ用の窓枠12には、窓組立体13が組み付けられている。この窓組立体13は、窓ガラス14(フロントウインドウガラス)と、この窓ガラス14の裏面の縁に沿って接着された窓縁モール15(図2参照)とから構成されている。窓ガラス14は、窓枠12に対応した形状(例えば緩やかに湾曲した略長方形)に形成され、ほぼ直線状の上縁とほぼ直線状の左右両側縁とが交差する上側両角部において、上縁の延長線と各側縁の延長線とが交わる交差点から所定寸法だけ窓ガラス14の面中心側に向けて後退して面取りされている。この窓ガラス14の裏面には、不透明着色層(図示せず)が窓ガラス14の外周縁に沿って所定幅で形成され、この不透明着色層によって窓ガラス14の表側から窓ガラス14の外周縁の裏側が透けて見えないようになっている。
【0016】
図2に示すように、窓ガラス14の裏面には、長尺な窓縁モール15が窓ガラス14の裏面の上縁と左右両側縁に沿って接着されている。図2及び図3に示すように、窓縁モール15は、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)等の弾性ポリマー材料の押出成形により、窓ガラス14の裏面の縁に沿って配置される本体部16と、組付状態(窓縁モール15を接着した窓ガラス14を窓枠12に組み付けた状態)において本体部16から窓枠12のうち窓ガラス14の裏面に対向する底壁部17に向かって突出して該底壁部17に当接する脚部18と、組付状態において本体部16から窓枠12のうち窓ガラス14の外周端面に対向する周壁部19に向かって突出して該周壁部19に当接する弾性リップ20とが共押出成形によって一体的に成形されている。
【0017】
本体部16は、例えば、JIS K7215によるデュロメータ硬さがHDA90のTPOで形成され、脚部18と弾性リップ20は、本体部16よりも軟質で摩擦係数の大きい高摩擦材料、例えば、JIS K7215によるデュロメータ硬さがHDA60のTPOで形成されている。
【0018】
本体部16の内部には、補強用のワイヤ21がインサート成形により埋設されている。また、組付状態において本体部16のうち窓ガラス14の裏面と対向する装着面には、本体部16の全長に亘って両面粘着テープ22が貼着され、本体部16のうちシーラント23と接着される部分(窓ガラス14の面の中心側を向く面や窓枠12の底壁部17と対向する面)が、シーラント23との接着性の良いアイオノマー樹脂24で形成されている。
【0019】
また、脚部18は、組付状態において窓枠12の底壁部17に当接する先端部分が他の部分よりも太く(先端部分の断面積が他の部分の断面積よりも大きく)且つ該先端部分が内方側(窓ガラス14の中心側)に向かって傾斜している。この脚部18は、組付状態において本体部16のうち外方側(窓ガラス14の外周縁側)となる面の中央から下端にかけた部分を起点として斜め内方側(窓ガラス14の斜め中心側)に向かって延びると共に外方側を凸形状とした曲線状に延びるように形成されている。更に、脚部18には、組付状態において脚部18の先端側から斜め外方側(窓ガラス14の斜め外周縁側)に向かって突出して窓枠12の底壁部17に当接する突起部25が設けられている。脚部18は、本体部16のうち底壁部17と対向する面の部分から先端部分に向かって太さが徐々に増大している。また、突起部25の肉厚は脚部18の肉厚よりも小さい。
【0020】
窓縁モール15の本体部16の全長に亘って予め貼着された両面粘着テープ22を窓ガラス14の裏面の上縁と左右両側縁に沿って貼着することで、窓ガラス14の裏面の上縁と左右両側縁に沿って窓縁モール15が接着された窓組立体13となる。この窓組立体13を窓枠12に組み付ける場合には、まず、窓ガラス14の裏面のうち窓縁モール15の内周側にペースト状のシーラント23を吐出する。この後、窓枠12に窓組立体13を嵌めてシーラント23を硬化させることで、窓枠12に窓組立体13を接着固定する。
【0021】
以上説明した本実施例では、窓枠12に窓組立体13を嵌めてシーラント23を硬化させる際に、未硬化のシーラント23が窓縁モール15の脚部18を外方側(窓ガラス14の外周縁側)へ押圧しても、脚部18の先端部分が内方側(窓ガラス14の中心側)に向かって傾斜しているため、シーラント23の押圧力の一部が脚部18の先端部分を窓枠12の底壁部17の方へ押して底壁部17に圧接させるように作用すると共に、脚部18の先端部分が他の部分よりも太いため、脚部18の先端部分と底壁部17との接触面積が大きくなって摩擦係数が大きくなる。このため、脚部18が外方側へ変形し難くなると共に位置ずれし難くなり、未硬化のシーラント23が窓縁モール15の外方へ流出することを防止することができ、窓枠12と窓ガラス14との間のシーラント23によるシール性を確保することができると共に、窓枠12に窓ガラス14を確実にシーラント23により接着固定することができる。更に、窓縁モール15の脚部18によるシーラント23の流出防止効果によって、窓枠12と窓ガラス14との間のシーラント23によるシール性や接着強度を確保しながら、シーラント23の使用量を低減することも可能となる。
【0022】
また、本実施例では、窓縁モール15の脚部18が本体部16よりも軟質な弾性ポリマー材料で形成されているため、窓枠12に窓組立体13を嵌める際に、脚部18の適度な弾性力によって窓枠12に対する高さ方向(窓ガラス14の厚さ方向)のばらつきを吸収して窓ガラス14の高さ方向の位置決めをすることができる。この場合、窓ガラス14の裏面の上縁と左右両側縁において窓縁モール15の脚部18により窓枠12に対する窓ガラス14の高さ方向の位置決めをすることができるため、位置決め用のダムラバーを省略することができる。しかも、脚部18を硬質材料で形成すると、脚部18が窓枠12の底壁部17と擦れたときに異音が発生し易くなるが、脚部18を軟質材料で形成することで異音の発生を防止できるという利点もある。
【0023】
また、本実施例では、窓縁モール15の本体部16から突出して窓枠12の周壁部19に当接する弾性リップ20を設けるようにしたので、弾性リップ20によって窓枠12の周壁部19と窓ガラス14との間を遮蔽して美観を保つことができると共に、窓枠12に窓ガラス14を嵌める際に、弾性リップ20によって窓枠12に対する窓ガラス14の面方向の位置決めをすることができる。
【0024】
また、本実施例では、窓縁モール15の脚部18を摩擦係数の大きい高摩擦材料で形成するようにしたので、脚部18の先端部分と窓枠12の底壁部17との間の摩擦係数を更に大きくすることができ、未硬化のシーラント23が窓縁モール15の脚部18を外方側へ押圧したときに、脚部18の外方側への位置ずれを更に少なくすることができる。尚、上記実施例では、窓縁モール15の脚部18と弾性リップ20の全体を高摩擦材料で形成するようにしたが、脚部18の先端部分のみを高摩擦材料で形成するようにしても良い。
【0025】
更に、本実施例では、窓縁モール15の本体部16のうちシーラント23と接着される部分(窓ガラス14の面の中心側を向く面や窓枠12の底壁部17と対向する面)を、シーラント23との接着性の良いアイオノマー樹脂で形成するようにしたので、窓縁モール15の本体部16と窓枠12とをシーラント23で確実に接着することができる。
【0026】
また、本実施例では、窓縁モール15の脚部18を本体部16のうち外方側となる面の中央から下端にかけた部分を起点として斜め内方側に向かって延びると共に外方側を凸形状とした曲線状に延びるように形成するようにしたので、窓縁モール15の脚部18が外方側に屈曲し難くすることができ、脚部18の外方側への位置ずれを更に少なくすることができる。尚、脚部18は底壁部17に向かって直線状に延びるように形成するようにしても良い。
【0027】
更に、本実施例では、窓縁モール15の脚部18の先端側から外方側に向かって突出して窓枠12の底壁部17に当接する突起部25を設けるようにしたので、未硬化のシーラント23が窓縁モール15の脚部18を外方側へ押圧したときに、突起部25が突っかい棒の役割を果たして脚部18の外方側への位置ずれを更に少なくすることができる。
【0028】
尚、上記実施例では、脚部18に突起部25を設けるようにしたが、脚部18に突起部25を設けない構成としても良い。
【0029】
また、上記実施例では、窓縁モール15を両面粘着テープ22で窓ガラス14の裏面の縁に接着するようにしたが、両面粘着テープ22に代えて接着剤を用いて窓縁モール15を窓ガラス14の裏面の縁に接着するようにしても良い。
【0030】
また、上記実施例では、自動車のフロントウインドウ用の窓縁モール15や窓組立体13に本発明を適用したが、これに限定されず、自動車の他のウインドウ(例えば、リヤウインドウ、サイドウインドウ、クォーターウインドウ等)用の窓縁モールや窓組立体に本発明を適用しても良い。
【0031】
その他、本発明は、窓ガラスの形状や窓縁モール(本体部、脚部、弾性リップ等)の形状や材料を変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例における窓組立体が組み付けられた車両の斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】窓縁モールの断面図である。
【符号の説明】
【0033】
11…車体パネル、12…窓枠、13…窓組立体、14…窓ガラス、15…窓縁モール、16…本体部、17…底壁部、18…脚部、19…周壁部、20…弾性リップ、22…両面粘着テープ、23…シーラント、24…アイオノマー樹脂、25…突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体パネルの窓枠に組み付け可能な窓ガラスの裏面の縁に沿って接着される長尺な車両用の窓縁モールであって、
前記窓縁モールは、前記窓ガラスの裏面の縁に沿って配置される弾性ポリマー材料製の本体部と、該窓縁モールを接着した前記窓ガラスを前記窓枠に組み付けた状態(以下単に「組付状態」という)において前記本体部から前記窓枠のうち前記窓ガラスの裏面に対向する底壁部に向かって突出して該底壁部に当接する脚部とを備え、
前記脚部は、前記本体部よりも軟質な弾性ポリマー材料で形成され、前記組付状態において前記底壁部に当接する先端部分が他の部分よりも太く且つ該先端部分が前記窓ガラスの中心側に向かって傾斜していることを特徴とする車両用の窓縁モール。
【請求項2】
前記組付状態において前記本体部から前記窓枠のうち前記窓ガラスの外周端面に対向する周壁部に向かって突出して該周壁部に当接する弾性リップが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用の窓縁モール。
【請求項3】
少なくとも前記脚部の先端部分が前記本体部よりも摩擦係数の大きい高摩擦材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用の窓縁モール。
【請求項4】
前記組付状態において前記本体部のうちシーラントと接着される部分がアイオノマー樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用の窓縁モール。
【請求項5】
前記組付状態において前記脚部が前記本体部のうち前記窓ガラスの外周縁側となる面の中央から下端にかけた部分を起点として前記窓ガラスの斜め中心側に向かって前記窓ガラスの外周縁側を凸形状とした曲線状に延びるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用の窓縁モール。
【請求項6】
前記組付状態において前記脚部の先端側から前記窓ガラスの斜め外周縁側に向かって突出して前記窓枠の底壁部に当接する突起部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用の窓縁モール。
【請求項7】
車体パネルの窓枠に組み付け可能で上側両角部が面取りされる共に裏面の縁に沿って不透明着色層が形成された窓ガラスと、該窓ガラスの裏面の上縁と左右両側縁に沿って接着された長尺な窓縁モールとを備えた車両用の窓組立体であって、
前記窓縁モールは、前記窓ガラスの裏面の縁に沿って配置される弾性ポリマー材料製の本体部と、前記窓組立体を前記窓枠に組み付けた状態(以下単に「組付状態」という)において前記本体部から前記窓枠のうち前記窓ガラスの裏面に対向する底壁部に向かって突出して該底壁部に当接する脚部とを備え、前記本体部の全長に亘って予め貼着された両面粘着テープを前記窓ガラスの裏面に貼着することで前記窓ガラスの裏面の上縁と左右両側縁に沿って接着され、
前記脚部は、前記本体部よりも軟質な弾性ポリマー材料で形成され、前記組付状態において前記底壁部に当接する先端部分が他の部分よりも太く且つ該先端部分が前記窓ガラスの中心側に向かって傾斜していることを特徴とする車両用の窓組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−214868(P2009−214868A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272456(P2008−272456)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000219705)東海興業株式会社 (147)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)