説明

車両用の電気接続箱

【課題】クリアランスが少なくても外部接続体を回動させながら本体に容易に取り付けることができるともに、コンパクトでガタツキを防止できる電気接続箱を提供する。
【解決手段】電気接続箱は、外箱2と、ECU3と、を備える。ECU3は突起33を有しており、この突起33の向きは、ECU3が外箱2に取り付けられる面である被取付面31と平行になっている。突起33には、被取付面31と平行な位置決め面51と、突起33と平行に向けられたリブ53と、が形成される。外箱2は、ECU3を取り付けるためのマウント面22と、突起33を差込可能な突起収容部と、位置決め面51と対面可能な規制面71と、リブ53に接触可能なリブ案内面63と、を有する。規制面71は、リブ案内面63よりも、突起33の差込方向奥側に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車においては、ヒューズやリレー等、車の様々な電装部品の制御回路などを1つにまとめた電気接続箱が用いられている。この種の電気接続箱の中には、別部品として製造されたECU(電子制御ユニット)を本体に回動させながら取り付ける構成のものがある。
【0003】
例えば特許文献1が開示する電気接続箱は、本体とECUの一端側同士がヒンジを介して回動自在かつ着脱自在に取り付けられた構成となっている。この特許文献1の電気接続箱は軸部と軸受け部とを備えるとともに、軸受け部は当接部を備えている。当接部は、回動しているECUが本体に取り付けられるまでは軸部と当接せず、回動しているECUが本体に取り付けられると軸部と当接する。
【0004】
特許文献1は、上記の構成により、ECUと本体とのがたつきを防止することができるとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−172890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1のようにECUをヒンジを介して回動させながら取り付ける構成では、ECUと本体とを直線的に近づけて取り付ける場合よりも、ECUと本体とのクリアランスを大きく取る必要がある。従って、特許文献1のように当接部を利用してガタツキを防止することはできても、クリアランスの分だけ本体が大型化する課題は解決できず、この点で改善の余地が残されていた。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、クリアランスが少なくても外部接続体を回動させながら本体に容易に取り付けることができるともに、コンパクトでガタツキを防止できる電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の観点によれば、以下の構成の車両用の電気接続箱が提供される。即ち、この車両用の電気接続箱は、本体と、電気回路と、外部接続体と、を備える。前記電気回路は、前記本体の内部に配置される。前記外部接続体は、前記本体に対して取り付けられ、前記電気回路と電気的に接続される。前記外部接続体は、被取付面と、第1コネクタと、突起と、を有する。前記被取付面は、前記外部接続体が前記本体に対して取り付けられる面である。前記第1コネクタは、前記被取付面に対して垂直に向けられる。前記突起は、前記被取付面と平行な向きに延びる。前記突起には、位置決め面と、リブと、が形成されている。前記位置決め面は、前記被取付面と平行な向きに形成される。前記リブは、前記突起の向きとほぼ平行となるように細長く形成される。前記本体は、マウント面と、第2コネクタと、突起収容部と、規制面と、案内面と、を有する。前記マウント面は、前記外部接続体が前記本体に取り付けられた状態において前記被取付面と対面する。前記第2コネクタは、前記マウント面に配置されており、前記第1コネクタと電気的に接続可能である。前記突起収容部には、前記突起を差込可能である。前記規制面は、前記外部接続体が前記本体に取り付けられた状態において前記位置決め面と対面する。前記案内面は、前記リブに接触可能である。前記規制面は前記案内面よりも前記突起の差込方向奥側に位置している。
【0010】
これにより、突起の突起収容部への差込みに伴い、案内面がリブに沿って滑る(あるいは相対移動する)ことで、回動支点を無段階的にズラしながら外部接続体を回動させることができる。従って、外部接続体と本体との間のクリアランスが小さい場合でも外部接続体を円滑に取り付けることができる。また、このような回動支点の無段階的な移動により、外部接続体の傾斜が小さい状態で、第1コネクタと第2コネクタとの接続を開始させることができる。従って、第1コネクタが第2コネクタに対し強く傾斜した状態で接続されたり、コネクタ同士が半嵌合になったりすることを防止できる。そして、案内面による案内の後に、位置決め面と規制面による外部接続体の位置決めが行われる。この結果、外部接続体のガタツキを防止できるとともに、本体及び電気接続箱の小型化を実現することができる。
【0011】
前記の車両用の電気接続箱においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記突起には、前記位置決め面に対して垂直に形成された第2位置決め面が形成されている。前記本体は、前記外部接続体が前記本体に取り付けられた状態において前記第2位置決め面と対面する第2規制面を有する。
【0012】
これにより、様々な方向における外部接続体のガタツキを効果的に防止することができる。
【0013】
前記の車両用の電気接続箱においては、前記突起の先端が一部切り欠かれており、この切り欠かれた部分に前記位置決め面が形成されていることが好ましい。
【0014】
これにより、簡単な構成で位置決め作用を実現できる。
【0015】
前記の車両用の電気接続箱においては、前記リブは、前記被取付面から離れる向きに前記位置決め面から突出していることが好ましい。
【0016】
これにより、小さなクリアランスで外部接続体のスムーズな取付作業を実現できる。
【0017】
前記の車両用の電気接続箱においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記本体は、前記突起が前記突起収容部に差し込まれる際に当該突起の先端に接触可能な突起案内面を有する。前記突起案内面は、前記外部接続体が前記本体に取り付けられた状態において前記突起との間に隙間を形成する。
【0018】
このような突起案内面の形状により、外部接続体を円滑に回動させることができる。また、突起案内面の部分にクリアランスを形成することで、他の部分(例えば、突起が形成されている側と反対側の端部)における外部接続体−本体間のクリアランスを削減でき、本体を全体として小型化することができる。更には、外部接続体を本体に取り付けた状態では被取付面とマウント面との接触により当該外部接続体の移動が規制されるので、上記の隙間がガタツキの原因となることもない。
【0019】
前記の車両用の電気接続箱においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記外部接続体は前記突起を2つ有している。一側の突起の位置決め面と、他側の突起の位置決め面と、が対称配置される。一側の突起のリブと、他側の突起のリブと、が対称配置されている。
【0020】
このような構成の対称配置により、外部接続体を回転させる作業を円滑にすることができるので、組立性を向上させることができる。
【0021】
前記の車両用の電気接続箱においては、前記外部接続体において前記突起が突出する向きと反対側の端部と、前記本体と、を固定するための固定部を備えることが好ましい。
【0022】
これにより、位置決め面及び規制面で外部接続体を位置決めしながら、外部接続体と本体とを確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気接続箱の全体的な構成を示す斜視図。
【図2】電気接続箱の分解組立斜視図。
【図3】外箱において一側の突起収容部の構成を詳細に示す斜視図。
【図4】外箱にECUを取り付ける様子を示す斜視図。
【図5】外箱にECUを取り付ける作業の前半部を模式的に示す断面図。
【図6】外箱にECUを取り付ける作業の後半部を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電気接続箱1の全体的な構成を示す斜視図である。図2は、電気接続箱1の分解組立斜視図である。
【0025】
図1に示す電気接続箱1は、例えば自動車に設置されるジャンクションボックスとして構成されている。この電気接続箱1は、外箱2(箱体、本体)と、ECU(電子制御ユニット、外部接続体)3と、を備えている。
【0026】
外箱2は合成樹脂で形成されており、この外箱2の内部には、後述の基板やリレー等を収容するための収容空間が形成されている。外箱2は扁平な略直方体状に形成されており、その厚み方向一側の面にはECU3が取り付けられている。ECU3は、一定の厚みを有する扁平な略直方体状に形成されている。
【0027】
外箱2の内部には、図示しない基板が配置されている。この基板は、厚み方向の中央に金属芯の層(メタルコア)を配置したメタルコア基板として構成されている。この基板には、リレー等の電気部品が実装されている。
【0028】
外箱2には、後述するECU用コネクタ23のほか、上記の基板によって構成される電気回路を外部と接続するための複数のコネクタ7が配置されている。このコネクタ7に図略のワイヤハーネスが接続されることにより、自動車のエンジンルーム内の電気回路、あるいは自動車の室内側の電気回路と、外箱2内で構成される電気回路と、が電気的に接続される。
【0029】
また、外箱2には複数のヒューズからなるヒューズ群9が配置されており、このヒューズ群9はヒューズ蓋10で覆われている。
【0030】
図2に示すように、ECU3の厚み方向一側には平坦な被取付面31が形成されている。この被取付面31は、ECU3が外箱2に対して取り付けられる面として構成されている。更に、ECU3は、コネクタ(第1コネクタ)32と、1対の突起33と、引掛け部34と、を備えている。
【0031】
コネクタ32は被取付面31に配置されており、その向きは被取付面31に対して垂直とされている。また、2つの突起33は互いに平行に突出しており、その突出する向きは前記被取付面31と平行(コネクタ32の向きに対して垂直)になっている。
【0032】
引掛け部34は、ECU3において突起33が形成される側と反対側の端部に形成されている。この引掛け部34に対しては、外箱2が備える後述の爪部24(図2)を引っ掛けることができるようになっている。
【0033】
外箱2には、ECU3を収容可能な収容凹部21が形成されている。この収容凹部21は所定の深さで凹むように形成されており、その内底面には、ECU3を取り付けるための平坦なマウント面22が形成されている。
【0034】
マウント面22には、ECU用コネクタ(第2コネクタ)23が配置されている。このECU用コネクタ23は、マウント面22と垂直になるように向けられており、ECU3が備える前記コネクタ32と電気的に接続できるようになっている。
【0035】
外箱2は、収容凹部21の内底面の縁部から立ち上がる側壁部を備えている。この側壁部には爪部24が形成されており、この爪部24は、前記ECU3が備える引掛け部34に引っ掛けることができるように構成されている。この爪部24と引掛け部34とにより、外箱2とECU3とを機械的に連結するための固定部が構成されている。
【0036】
次に、ECU3が備える突起33の詳細な構成について説明する。
【0037】
図2に示すように、1対の突起33には、略長方形状の切欠部41がそれぞれ形成されている。この切欠部41は、突起33の先端を一部切り欠くことで、ECU3の厚み方向で被取付面31と反対側を開放させるように、及び、反対側の突起33に近い側を開放させるように形成されている。
【0038】
切欠部41の壁面は、ECU3の外箱2に対する位置決めのために使用される(詳しくは後述)。即ち、切欠部41の壁面のうち、ECU3の厚み方向で被取付面31と反対側を向く面が位置決め面51とされる。また、切欠部41の壁面のうち、反対側の突起33を向く面が第2位置決め面52とされる。位置決め面51と第2位置決め面52とは、互いに垂直となるように配置されている。
【0039】
位置決め面51の端部(他側の突起33に近い側の端部)には、細長いリブ53が配置されている。このリブ53は、前記位置決め面51から、ECU3の厚み方向で被取付面31から離れる向きに突出するように形成されている。また、リブ53の長手方向は、突起33が突出する方向と平行に向けられている。
【0040】
なお、1対の突起33における切欠部41、位置決め面51、第2位置決め面52、及びリブ53は、互いに対称となるように配置されている。
【0041】
次に、上記突起33が差し込まれる外箱2側の構成について説明する。図3は、外箱2において一側の突起収容部25の構成を詳細に示す斜視図である。
【0042】
収容凹部21の隅には、前記突起33を差し込むための突起収容部25が形成されている。この突起収容部25は、突起33が2つ配置されていることに対応して、2つ形成されている。
【0043】
なお、図2等から明らかであるように、ECU3はヒンジ軸等を有していない。しかしながら、当該ECU3を外箱2に取り付ける際には、ECU3は後述するように、2つの突起33同士を結ぶ線(2つの突起収容部25同士を結ぶ線)に平行な仮想軸を略中心として、あたかもヒンジのように回転させられる。従って、以下の説明では、この線に沿う方向を「回転軸方向」と呼ぶことがある。
【0044】
それぞれの突起収容部25において、外箱2には、先端ガイド面(突起案内面)61と、規制体62と、リブ案内面(案内面)63と、が形成されている。
【0045】
先端ガイド面61は、マウント面22から若干オフセットした面として形成されている。この結果、収容凹部21は、突起収容部25の部分において若干深くなっている。また、先端ガイド面61の近傍の部分において、外箱2には貫通孔64が形成されている。先端ガイド面61とマウント面22とは、緩やかな斜面を介して互いに接続されている。
【0046】
規制体62はブロック状に形成されており、この規制体62の壁面が、ECU3の外箱2に対する位置決めのために使用される。即ち、規制体62の壁面のうち、前記貫通孔64側を向く面が規制面71とされ、他側の突起収容部25から遠ざかる側を向く面(前記回転軸方向を向く面)が第2規制面72とされる。
【0047】
規制面71は、ECU3の突起33が有する位置決め面51に接触することで、ECU3の移動を規制することができる。同様に、第2規制面72は、前記突起33が有する第2位置決め面52に接触することで、ECU3の移動を規制することができる。
【0048】
リブ案内面63は、前述の回転軸方向に細長く形成されたリブのうち、前記貫通孔64側を向く面に形成されている。このリブ案内面63は、前記突起33が有するリブ53の先端面に接触することができる。
【0049】
なお、図2及び図3においては、1対ある突起収容部25のうち一側のものしか詳細に図示していないが、突起収容部25における先端ガイド面61、規制体62、リブ案内面63、及び貫通孔64は、突起33と同様に互いに対称となるように配置されている。
【0050】
次に、ECU3を実際に外箱2に取り付ける作業について説明する。図4は外箱2にECU3を取り付ける様子を示す斜視図である。また、図5及び図6には、外箱2にECU3を取り付ける作業が順を追って模式的に示されている。
【0051】
まず作業者は、図4に示すように外箱2に対してECU3を斜めに傾け、その姿勢のまま、ECU3の突起33を突起収容部25に差し込んでゆく。このときは図5(a)に示すように、突起33の先端において、リブ53の上端面がリブ案内面63の下側に入り込む。ここで、前述のように、先端ガイド面61がマウント面22に対してオフセットした面として構成される結果、当該部分において収容凹部21が若干深くなっている。従って、ECU3の突起33を突起収容部25に容易に挿入することができ、組立性が向上されている。
【0052】
この状態で作業者がECU3を外箱2側へ押し込んでいくと、リブ案内面63とリブ53の端面とが互いに滑りつつ、あるいは、突起33の先端が先端ガイド面61に対して滑りつつ、リブ案内面63の部分が支点となってECU3が回転する。
【0053】
即ち、突起33の突起収容部25への差込みと、ECU3の回転が同時に行われる。更に言えば、突起33が突起収容部25へ差し込まれるのに伴い、ECU3の回動支点が、リブ53の端面に沿うように無段階的に移動するような形になる。従って、ECU3との間のクリアランスが小さくなるように収容凹部21を構成した場合(例えば、ECUを直線的にスライドさせて外箱に取り付ける構成の場合と同等程度のクリアランスとした場合)でも、当該収容凹部21の中にECU3をスムーズに入れることができる(図5(b)及び図6(c)を参照)。この結果、収容凹部21をコンパクトにできるので、外箱2を小型化できるとともに、収容凹部21の内部におけるECU3のガタツキを防止できる。
【0054】
なお、この取付作業の過程において、図6(c)に示すように、ECU用コネクタ23とコネクタ32とが互いに接続される。なお、上述のようにECU3の回動支点が無段階的に移動できるので、ECU用コネクタ23とコネクタ32とが接続される直前の図6(c)の状態において、ECU3の傾きを相当に小さくすることができる。従って、コネクタ32がECU用コネクタ23に対して大きく傾斜しない状態で接続が開始されるので、接続作業がスムーズになり、不完全な嵌合(半嵌合)も起きにくい構造となっている。
【0055】
外箱2のマウント面22に対してECU3の被取付面31が取り付けられた様子が、図6(d)に示されている。この状態では、突起33が先端ガイド面61から離れ、先端ガイド面61と突起33との間に適宜の隙間が形成される。
【0056】
また、図6(d)の状態になると、規制体62が有する規制面71が、突起33の位置決め面51に対して接触する(あるいは僅かな隙間をあけて対面する)。同様に、図6(d)では図示していないが、規制体62が有する第2規制面72が、突起33の第2位置決め面52に対して接触あるいは対面する。この位置決め作用により、ECU3の外箱2に対するガタツキの発生を効果的に防止することができる。
【0057】
そして、図6(d)の状態で、ECU3の引掛け部34に対して外箱2の爪部24が引っ掛けられ、互いに外れないように固定される。以上により、ECU3の取付作業が完了する。
【0058】
以上に説明したように、本実施形態の電気接続箱1は、外箱2と、外箱2内の電気回路と、ECU3と、を備える。ECU3は、外箱2に対して取り付けられ、前記電気回路と電気的に接続される。ECU3は、被取付面31と、コネクタ32と、突起33と、を有する。被取付面31は、ECU3が外箱2に対して取り付けられる面である。コネクタ32は、被取付面31に対して垂直に向けられる。突起33は、被取付面31と平行な向きに延びる。突起33には、位置決め面51と、リブ53と、が形成されている。位置決め面51は、被取付面31と平行な向きに形成される。リブ53は、突起33の向きとほぼ平行となるように細長く形成される。外箱2は、マウント面22と、ECU用コネクタ23と、突起収容部25と、規制面71と、リブ案内面63と、を有する。マウント面22は、ECU3が外箱2に取り付けられた状態において被取付面31と対面する。ECU用コネクタ23は、マウント面22に配置される。また、このECU用コネクタ23は、コネクタ32と電気的に接続可能である。突起収容部25には、突起33を差込可能である。規制面71は、ECU3が外箱2に取り付けられた状態において位置決め面51と対面する。リブ案内面63は、リブ53に接触可能である。規制面71は、リブ案内面63よりも突起33の差込方向奥側に位置している。
【0059】
これにより、突起33の突起収容部25への差込みに伴い、リブ案内面63がリブ53に沿って滑る(あるいは相対移動する)ことで、回動支点を無段階的にズラしながらECU3を回動させることができる。従って、ECU3と外箱2との間のクリアランスが小さい場合でもECU3を円滑に取り付けることができる。また、このような回動支点の無段階的な移動により、ECU3の傾斜が小さい状態で、ECU用コネクタ23とコネクタ32との接続を開始させることができる。従って、ECU用コネクタ23がコネクタ32に対し強く傾斜した状態で接続されたり、コネクタ同士が半嵌合になったりすることを防止できる。そして、リブ案内面63による案内の後に、位置決め面51と規制面71によるECU3の位置決めが行われる。この結果、ECU3のガタツキを防止できるとともに、外箱2及び電気接続箱1の小型化を実現することができる。
【0060】
また、本実施形態の電気接続箱1において、突起33には、位置決め面51に対して垂直に形成された第2位置決め面52が形成されている。外箱2は、ECU3が外箱2に取り付けられた状態において第2位置決め面52と対面する第2規制面72を有する。
【0061】
これにより、様々な方向におけるECU3のガタツキを効果的に防止することができる。
【0062】
また、本実施形態の電気接続箱1において、突起33の先端が一部切り欠かれており、この切り欠かれた部分(切欠部41)に位置決め面51が形成されている。
【0063】
これにより、簡単な構成で位置決め作用を実現できる。
【0064】
また、本実施形態の電気接続箱1において、リブ53は、被取付面31から離れる向きに位置決め面51から突出している。
【0065】
これにより、小さなクリアランスでECU3のスムーズな取付作業を実現できる。
【0066】
また、本実施形態の電気接続箱1において、外箱2は、突起33が突起収容部25に差し込まれる際に当該突起33の先端に接触可能な先端ガイド面61を有する。先端ガイド面61は、ECU3が外箱2に取り付けられた状態において突起33との間に隙間を形成する。
【0067】
この先端ガイド面61の形状により、ECU3を円滑に回動させることができる。また、先端ガイド面61の部分にクリアランスを形成することで、他の部分(例えば、引掛け部34及び爪部24が形成されている側の端部)におけるECU3−外箱2間のクリアランスを削減でき、収容凹部21(ひいては、外箱2)を全体として小型化することができる。更には、ECU3を外箱2に取り付けた状態では被取付面31とマウント面22との接触により当該ECU3の移動が規制されるので、上記の隙間がガタツキの原因となることもない。
【0068】
また、本実施形態の電気接続箱1において、ECU3は突起33を2つ有している。そして、一側の突起33の位置決め面51と、他側の突起33の位置決め面51と、が対称配置される。また、一側の突起33のリブ53と、他側の突起33のリブ53と、が対称配置されている。
【0069】
このような構成の対称配置により、ECU3を回転させる作業を円滑にすることができるので、組立性を向上させることができる。
【0070】
また、本実施形態の電気接続箱1は、ECU3において突起33が突出する向きと反対側の端部と、外箱2と、を固定するための、引掛け部34と爪部24からなる固定部を備える。
【0071】
これにより、位置決め面51及び規制面71(第2位置決め面52及び第2規制面72)でECU3を位置決めしながら、ECU3と外箱2とを確実に固定することができる。
【0072】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0073】
外箱2、コネクタ7、収容凹部21、突起収容部25、突起33、切欠部41、位置決め面51、規制面71、先端ガイド面61の形状及び配置等は、事情に応じて様々に変更することができる。
【0074】
ECU3の形状についても任意に変更することができる。ただし、本発明の構成は、上記の実施形態のように厚みが比較的大きく、突起33を形成した側の端部と反対側の端部との間が比較的短い形状のECU3に対して好適であるということができる。
【符号の説明】
【0075】
1 電気接続箱
2 外箱(本体)
3 ECU(外部接続体)
22 マウント面
23 ECU用コネクタ(第2コネクタ)
25 突起収容部
31 被取付面
32 コネクタ(第1コネクタ)
33 突起
41 切欠部
51 位置決め面
53 リブ
63 リブ案内面(案内面)
71 規制面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の内部に配置される電気回路と、
前記本体に対して取り付けられ、前記電気回路と電気的に接続される外部接続体と、
を備え、
前記外部接続体は、
前記外部接続体が前記本体に対して取り付けられる面である被取付面と、
前記被取付面に対して垂直に向けられる第1コネクタと、
前記被取付面と平行な向きに延びる突起と、
を有し、
前記突起には、
前記被取付面と平行な向きに形成された位置決め面と、
前記突起の向きとほぼ平行な細長いリブと、
が形成されており、
前記本体は、
前記外部接続体が前記本体に取り付けられた状態において前記被取付面と対面するマウント面と、
前記マウント面に配置された、前記第1コネクタと電気的に接続可能な第2コネクタと、
前記突起を差込可能な突起収容部と、
前記外部接続体が前記本体に取り付けられた状態において前記位置決め面と対面する規制面と、
前記リブに接触可能な案内面と、
を有し、
前記規制面は前記案内面よりも前記突起の差込方向奥側に位置していることを特徴とする車両用の電気接続箱。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用の電気接続箱であって、
前記突起には、前記位置決め面に対して垂直に形成された第2位置決め面が形成されており、
前記本体は、前記外部接続体が前記本体に取り付けられた状態において前記第2位置決め面と対面する第2規制面を有することを特徴とする車両用の電気接続箱。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用の電気接続箱であって、
前記突起の先端が一部切り欠かれており、この切り欠かれた部分に前記位置決め面が形成されていることを特徴とする車両用の電気接続箱。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の車両用の電気接続箱であって、
前記リブは、前記被取付面から離れる向きに前記位置決め面から突出していることを特徴とする車両用の電気接続箱。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の車両用の電気接続箱であって、
前記本体は、前記突起が前記突起収容部に差し込まれる際に当該突起の先端に接触可能な突起案内面を有し、
前記突起案内面は、前記外部接続体が前記本体に取り付けられた状態において前記突起との間に隙間を形成することを特徴とする車両用の電気接続箱。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載の車両用の電気接続箱であって、
前記外部接続体は前記突起を2つ有しており、
一側の突起の位置決め面と、他側の突起の位置決め面と、が対称配置され、
一側の突起のリブと、他側の突起のリブと、が対称配置されていることを特徴とする車両用の電気接続箱。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載の車両用の電気接続箱であって、
前記外部接続体において前記突起が突出する向きと反対側の端部と、前記本体と、を固定するための固定部を備えることを特徴とする車両用の電気接続箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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