説明

車両用シート

【課題】シート部品点数の増加を抑えつつシート性能を変更することにある。
【解決手段】カバー部材10を、シート構成部材の着座側に配置しつつ、面状部位24f(24s)を乗員に当接可能に配置するとともに、一対の支持部位22f,22sの離間寸法を調整機構30にて変更することで、面状部位24f(24s)が、シート構成部材の着座側を被覆する第一状態と、第一状態よりもシート構成部材の着座側に向かって凸状に湾曲可能な第二状態との間で変位可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー部材(シート着座側に配置可能な部材)を備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用シートでは、シート性能向上の観点から、シート構成部材(シートクッション、シートバック)の意匠性や着座性を適宜変更したいとの要請がある。
例えば特許文献1のシートバックは、シート外形をなすクッション材と、シート骨格をなすフレーム部材を有する。
クッション材は、中央の凹み部(着座部)を有するとともに、複数のピース部材(第一ピース部材、第二ピース部材、第三ピース部材)に分割可能である。複数のピース部材は、それぞれシート幅方向に長尺な部材であり、係止部を有する。係止部は、略L字状(横断面視)の部位であり、各ピース部材の両端に突出形成できる。
またフレーム部材は、略C字状(横断面視)の平板部材であり、シート両側を構成する。フレーム部材の上端は、係止部を挿入可能に開口しており、フレーム部材内に係止部を係止できる。
【0003】
公知技術では、複数のピース部材(第一ピース部材〜第三ピース部材)をシート上下に順序よく配置する。つぎに各係止部を、フレーム部材の上部開口から挿入しつつフレーム部材内部に係止することで、複数のピース部材によりシートバック上部を構成する。このとき第一ピース部材はシート下方に配置し、第二ピース部材は中間に配置し、第三ピース部材はシート上方に配置する。
そして公知技術では、ピース部材の一部又は全部を他のピース部材(予備ピース部材)に適宜交換することで、車両用シートの意匠性や着座性を変更できる。例えば乗員の体格(大小、太細)に応じて、着座性(着座部の凹み寸法など)を適宜変更する場合には、凹み寸法の異なる予備ピース部材に適宜交換できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭48−14703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで公知技術では、シート性能を若干変更する場合においても、それに対応する予備ピース部材を多数用意する必要があった(比較的無駄の多い構成であった)。
このため公知技術の構成は、シート部品点数の削減の観点から、すんなり採用できる構成ではなかった。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シート部品点数の増加を極力抑えつつ、シート性能を変更することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両用シートは、シートクッションやシートバックなどのシート構成部材と、シート構成部材の着座側に配置可能なカバー部材を有する。
この種のシート構成では、シート部品点数の増加を極力抑えつつ、シート性能(着座性等)を変更できることが望ましい。
【0007】
そこで本発明のカバー部材は、カバー部材の着座側を構成する複数のピース部材を有する。複数のピース部材は、各々、シート幅方向に離間配置する一対の支持部位と、一対の支持部位に橋渡し状に配置して湾曲可能な面状部位と、一対の支持部位の離間寸法を調整する調整機構とを有する。
そして本発明では、カバー部材を、シート構成部材の着座側に配置しつつ、面状部位を乗員に当接可能に配置する。このとき一対の支持部位の離間寸法を調整機構にて変更することで、面状部位が、シート構成部材の着座側を被覆する第一状態と、第一状態よりもシート構成部材の着座側に向かって凸状に湾曲可能な第二状態との間で変位可能である。
本発明では、各ピース部材の形状(面状部位の湾曲状態など)を変更することにより、(予備ピース部材に交換することなく)シート性能を変更できる。
【0008】
第2発明の車両用シートは、第1発明の車両用シートであって、上述の面状部位が、第一面状部位と、第一面状部位に対面配置する第二面状部位を有する。
本実施例のカバー部材では、第一面状部位と第二面状部位のいずれか一方を乗員に当接可能に配置する構成である。そして第一面状部位が、第二面状部位とは異なる曲率でシート構成部材の着座側に向かって凸状に湾曲可能である。
本発明では、第一面状部材と第二面状部材(各ピース部材の表裏)を使い分けることにより、シート性能を多様に変更することができる。
【0009】
第3発明の車両用シートは、第2発明の車両用シートにおいて、複数のピース部材が、シート構成部材の着座側に沿って延びる線状の連結部材にて連結される。
そして本発明では、各ピース部材が、連結部を回転中心とする各ピース部材の回転動作により、第一面状部位が乗員に当接可能に配置する第一姿勢と、第二面状部位が乗員に当接可能に配置する第二姿勢との間で変位可能である。
本発明では、ピース部材の回転動作(比較的簡単な構成)により、第一面状部位と第二面状部位を使い分けることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る第1発明によれば、シート部品点数の増加を極力抑えつつ、シート性能を変更することができる。また第2発明によれば、シート性能を多様に変更することができる。そして第3発明によれば、シート性能を比較的簡単に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】車両用シートの斜視図である。
【図2】車両用シートの別の斜視図である。
【図3】ピース部材の斜視図である。
【図4】隣り合うピース部材の正面図である。
【図5】(a)は、第一状態のピース部材の上面図であり、(b)は、第二状態のピース部材の上面図である。
【図6】未使用時のカバー部材の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図6を参照して説明する。なお各図には、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを適宜付す。
図1の車両用シート2は、シート構成部材(シートクッション4、シートバック6)と、ヘッドレスト8と、カバー部材10(後述)を有する。
ヘッドレスト8は、シートバック6上部に配設される部材であり、一対のステー部材8a(棒状)を有する。
本実施例では、一対のステー部材8aを、シートバック6上部の筒状部材(図示省略)に挿設することで、シートバック6上部にヘッドレスト8が取付けられる。そして筒状部材のロック機構(図示省略)を操作することにより、筒状部材に対してステー部材8aが着脱可能となる(シートバック6に対してヘッドレスト8が着脱可能となる)。
【0013】
そして上述の車両用シート2では、シート構成部材(シートクッション4、シートバック6)の前面に乗員が着座する。この種のシート構成では、シート性能向上の観点から、シート構成部材4,6の意匠性や着座性を適宜変更できることが望ましい。
そこで本実施例では、後述のカバー部材10により、シート部品点数の増加を抑えつつ、シート性能(意匠性や着座性など)を変更することとした。以下、各構成について詳述する。
【0014】
[カバー部材]
カバー部材10は、シートクッション4とシートバック6の双方の着座側を被覆可能な帯状部材であり、複数のピース部材20a〜20iと、連結部材40を有する(図1及び図2を参照)。
本実施例では、カバー部材10を、シート構成部材4,6の着座側に配置してシート性能を変更する。このとき複数のピース部材20a〜20iを、連結部材40にて連結しつつ、シート構成部材4,6の着座側に並列配置する。そして各ピース部材の形状を適宜変更することにより、シート部品点数の増加を抑えつつ、シート性能(意匠性や着座性など)を変更することとした。
【0015】
(複数のピース部材)
複数のピース部材20a〜20iは、それぞれシート幅方向に長尺な部材(直方体状)であり、カバー部材10の着座側を構成する(図1及び図2を参照)。
本実施例のピース部材は、一対の支持部位22f,22sと、複数の面状部位(第一面状部位24f,第二面状部位24s)と、上部面26及び下部面28と、調整機構30を有する(図3〜図5を参照)。
なお第一ピース部材20a(シート最上部に配置するピース部材)には、ステー部材8aを挿入可能な孔部21Hを設けることができる(図1及び図3を参照)。本実施例では、一対の孔部21H(貫通孔)を、それぞれ複数の面状部位(後述)に設けることにより、一対のステー部材8aが、第一ピース部材20aを貫通可能となる。
【0016】
(支持部位)
一対の支持部位22f,22sは、各ピース部材の側部を構成する部材(断面視で略長方形状)である(図3〜図5を参照)。本実施例の一対の支持部位22f,22sは、各々、挿設部22Hと、組付け部22aと、被組付け部22bを有する。
挿設部22Hは、各支持部位をシート幅方向に貫通する孔部(貫通孔)である。本実施例の挿設部22Hは、各支持部位の一側寄り(後述の第二面状部位24s寄り)に形成できる。
また組付け部22aは、一対の支持部位22f,22s上面の凸部(略半球状)であり、同上面の中央に形成できる。そして被組付け部22bは、一対の支持部位22f,22s下面の凹部(略半球状)であり、同下面の中央に形成されて、別のピース部材の組付け部22aを嵌込み可能である。
本実施例では、一対の支持部位22f,22sを所定間隔で配置しつつ、複数の面状部位(後述)を、一対の支持部位22f,22sの間に取付ける。
【0017】
(面状部位)
複数の面状部位(第一面状部位24f,第二面状部位24s)は、いずれもシート幅方向に長尺な面状の部位(略長方形状)である(図3〜図5を参照)。
第一面状部位24fは、各ピース部材の一面側を構成する部材であり、第二面状部位24sは、各ピース部材の他面側を構成する部材(第一面状部位24fに対面配置する部材)である。
各面状部位は、可撓性を有する平板部材(樹脂製、ゴム製、エラストマ製等)や、伸縮性を有する面状体(布帛、ネット体等)にて形成されており、例えばシート構成部材4,6の着座側に向かって凸状に湾曲可能である。なお第一面状部位24fと第二面状部位24sは、同一の意匠性(着色や柄など)を有することができ、また互いに異なる意匠性を有することもできる。
【0018】
本実施例では、複数の面状部位24f,24sを、一対の支持部位22f,22sに橋渡し状に取付けることができる。このとき第一面状部位24fと第二面状部位24sのいずれか一方が、各ピース部材の前面(乗員に当接可能な面)を構成するとともに、他方が、各ピース部材の後面を構成する。
ここで各面状部位の長さ寸法(シート幅方向の寸法)は特に限定しない。本実施例では、第一面状部位24fの長さ寸法を第二面状部位24sよりも長く設定できる。こうすることで第一面状部位24fが、第二面状部位24sよりも大きな曲率(異なる曲率)で着座側に向かって凸状に湾曲可能となる。
【0019】
(上部面・下部面)
上部面26は、各ピース部材の上面をなす部位であり、連結部材40(後述)を挿入可能な連結孔26Hを有する(図3及び図4を参照)。
また下部面28は、各ピース部材の下面をなす部位であり、連結部材40(後述)を挿入可能な連結孔28Hを有する。
そして本実施例では、上部面26と下部面28を、複数の面状部位の湾曲変形に伴って伸縮可能な材質(ゴム、エラストマ、メッシュ状の面材等)にて構成する。そして各連結孔26H,28Hを、対応する面の中央位置に形成して、連結部材40を回転可能に挿入する構成とする。
【0020】
(調整機構)
調整機構30は、一対の支持部位22f,22sの離間寸法を調整する機構であり、ワイヤ部材32と、付勢部材34と、巻取り装置(図示省略)を有する(図4及び図5を参照)。
ワイヤ部材32は、シート幅方向に長尺な線状部材である。ワイヤ部材32の材質は、巻取り装置で巻取り可能である限り特に限定しないが、乗員の押圧により撓み変形可能な可撓性を有することが望ましい。
また付勢部材34は、コイルバネ状の部材であり、ワイヤ部材32を嵌装できる。そして巻取り装置は、ワイヤ部材32を巻取り可能な部材である。
本実施例では、ワイヤ部材32を挿設部22Hに挿通しつつ、一対の支持部位22f,22sの間に橋渡し状に取付ける。このとき付勢部材34をワイヤ部材32に嵌装することにより、一対の支持部位22f,22sを互いに離れる方向に付勢できる。
つぎにワイヤ部材32の端部を、一対の支持部位22f,22sの側方から突出させて、巻取り装置(図示省略)に取付ける。そして巻取り装置にてワイヤ部材32を巻き取る(短縮させる)ことにより、一対の支持部位22f,22sが、付勢部材34の付勢力に抗して互いに近づく方向に相対移動できる。
【0021】
本実施例では、一対の支持部位22f,22sの離間寸法を調整機構30にて変更することで、第一面状部位24fと第二面状部位24sが、各々、第一状態と第二状態の間で変位可能である(図5を参照)。
例えば一対の支持部位22f,22sの離間寸法を大きくすることで、各面状部位を第一状態とする。第一状態の面状部位は、典型的にゆるやかなカーブを描きつつ、シート構成部材4,6の着座側を被覆する。
また一対の支持部位22f,22sの離間寸法を小さくする(短くする)ことで、各面状部位を第二状態とする。第二状態の面状部位は、第一状態よりもシート構成部材4,6の着座側に向かって凸状に湾曲可能である。
【0022】
(連結部材)
連結部材40は、シート構成部材4,6の着座側に沿って延びるワイヤ状の部材である(図1及び図2を参照)。
本実施例では、複数のピース部材20a〜20iを連結部材40で数珠つなぎに連結する。このとき複数のピース部材20a〜20iを順序よく並べつつ、各ピース部材の中央(連結孔26H,28H)に連結部材40を回転可能に挿入する。つぎに連結部材40の両端部を、それぞれ第一ピース部材20aと、最下部のピース部材20iに固定する。
そして各ピース部材の中央に連結部材40を配索しつつ、各ピース部材を、連結部材40周りに個別に回転可能とする。
【0023】
そして本実施例では、各ピース部材が、連結部材40を回転中心とするピース部材の回転動作により、第一姿勢と第二姿勢の間で変位可能である。
第一姿勢のピース部材20a〜20iでは、第一面状部位24f(大きな曲率で湾曲可能な部材)がカバー部材10の前面に配置して、乗員に当接可能となる。また第二姿勢のピース部材20a〜20iでは、第二面状部位24s(小さな曲率で湾曲可能な部材)がカバー部材10の前面に配置して、乗員に当接可能となる。
【0024】
[カバー部材の配設]
図1及び図2を参照して、ヘッドレスト8をシートバック6に挿設するとともに、一対のステー部材8aにカバー部材10を取付ける。
このとき本実施例では、一対のステー部材8aを第一ピース部材20a(孔部21H)に挿設することにより、一対のステー部材8aにカバー部材10を取付けることができる。そしてカバー部材10(複数のピース部材20a〜20i)により、シートバック6上部からシートクッション4前部までを被覆する。このとき組付け部22aと被組付け部22bを適宜嵌合することで、複数のピース部材20a〜20iを安定性よく連結することができる。
【0025】
[シート性能の変更]
上述のシート構成では、乗員の体形に応じて、カバー部材10の性能を適宜変更できることが望ましい(図1及び図2を参照)。
そこで本実施例では、比較的小柄の乗員(子供等)の場合、各ピース部材を第一姿勢として、第一面状部位24f(大きな曲率で湾曲可能な部材)を乗員に当接させる。こうすることで第一面状部位24fにより、サポート性よく乗員を支持できる。
このとき一対の支持部位22f,22sの離間寸法を適宜調節するなどして、第一面状部位24fを、第一状態と第二状態の間で変位させることにより、最適な湾曲状態(サポート状態)とすることができる。例えば比較的大柄の子供の場合には、第一面状部位24fを第一状態として、乗員をゆったりとサポートする。また比較的小柄の子供の場合には、第一面状部位24fを第二状態として、乗員をしっかりとサポートする。
さらに本実施例では、複数のピース部材を、個々に姿勢変位又は状態変位させることができるため、シート性能をよりきめ細かく変更することができる。
【0026】
つぎに乗員が比較的大柄の場合(成人等)の場合には、各ピース部材を第二姿勢として、第二面状部位24s(小さな曲率で湾曲可能な部材)を乗員に当接させる。こうすることで第二面状部位24sにより、ゆったりと乗員を支持できる。
このとき一対の支持部位22f,22sの離間寸法を適宜調節するなどして、第二面状部位24sを、第一状態と第二状態の間で変位させることにより、最適な湾曲状態とすることができる。
【0027】
さらに本実施例では、シート構成部材4,6からカバー部材10を適宜取外し可能である(図6を参照)。
このとき本実施例では、ヘッドレスト8をシートバック6から取外しつつ、第一ピース部材20aをステー部材8aから抜きとることでカバー部材10を取外す。これによりシート構成部材4,6の着座側に乗員が着座可能となる。
そして取外された連結部材40を、複数のピース部材20a〜20iとともに筒状に丸める。こうすることでカバー部材10をコンパクト化して、収納スペースを小型化することができる。
【0028】
以上説明したとおり本実施例では、各ピース部材の形状を変更することにより、(予備ピース部材に交換することなく)シート性能を適宜変更することができる。このとき各ピース部材において、各面状部位の湾曲状態などを変更することにより、シートの着座性と、見た目(意匠性)を変更することができる。
また本実施例では、各ピース部材の表裏を使い分けることにより(調節範囲を広くとることで)、シートの着座性を多様に変更することができる。このとき本実施例では、各ピース部材の回転動作(比較的簡単な構成)により、第一面状部位24fと第二面状部位24sを使い分けることができる。
このため本実施例によれば、シート部品点数の増加を抑えつつ、シート性能を変更することができる。
【0029】
本実施形態の車両用シート2は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、カバー部材10として、シートクッション4とシートバック6の双方の着座側を被覆可能な帯状部材を例示した。カバー部材10は、シートクッション4とシートバック6の少なくとも一方の着座側を被覆することができる。
(2)また本実施形態では、第一面状部位24fと第二面状部位24sの曲率を異ならせたが、これら面状部位は同一の曲率を有していてもよい。この場合には、第一面状部位24fと第二面状部位24sの意匠性(色彩や柄など)を異ならせることが好ましい。
(3)また本実施形態では、第一面状部位24fと第二面状部位24sの少なくとも一方を、各ピース部材に設けることができる。
(4)また本実施形態では、各ピース部材20a〜20iの全てを、連結部材40に回転可能に取付ける例を説明した。これとは異なり、各ピース部材20a〜20iの一部又は全てを、連結部材40に回転不能に取付けることもできる。
【0030】
(5)また本実施形態では、一対のステー部材8aにカバー部材10を取付ける例を説明したが、カバー部材10の取付け位置を限定する趣旨ではない。例えばシートクッションをカバー部材で覆ったのち、カバー部材の端部を、シートクッションとシートバックの間に挿設(固定)することができる。
(6)また本実施形態では、ピース部材の個数を、車両用シートの構成(大きさや形状など)にあわせて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0031】
2 車両用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
8a ステー部材
10 カバー部材
20a〜20i ピース部材
22f,22s 支持部位
24f 第一面状部位
24s 第二面状部位
30 調整機構
32 ワイヤ部材
34 付勢部材
40 連結部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションやシートバックなどのシート構成部材と、前記シート構成部材の着座側に配置可能なカバー部材を有する車両用シートにおいて、
前記カバー部材が、前記カバー部材の着座側を構成する複数のピース部材を有するとともに、
複数のピース部材が、各々、前記シート幅方向に離間配置する一対の支持部位と、前記一対の支持部位に橋渡し状に配置して湾曲可能な面状部位と、前記一対の支持部位の離間寸法を調整する調整機構とを有し、
前記カバー部材を、前記シート構成部材の着座側に配置しつつ、前記面状部位を乗員に当接可能に配置するとともに、
前記一対の支持部位の離間寸法を前記調整機構にて変更することで、前記面状部位が、前記シート構成部材の着座側を被覆する第一状態と、前記第一状態よりも前記シート構成部材の着座側に向かって凸状に湾曲可能な第二状態との間で変位可能である車両用シート。
【請求項2】
前記面状部位が、第一面状部位と、前記第一面状部位に対面配置する第二面状部位を有し、
前記カバー部材が、前記第一面状部位と前記第二面状部位のいずれか一方を乗員に当接可能に配置する構成であるとともに、
前記第一面状部位が、前記第二面状部位とは異なる曲率で前記シート構成部材の着座側に向かって凸状に湾曲可能である請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
複数のピース部材が、前記シート構成部材の着座側に沿って延びる線状の連結部材にて連結されるとともに、
前記各ピース部材が、前記連結部を回転中心とする前記各ピース部材の回転動作により、前記第一面状部位が乗員に当接可能に配置する第一姿勢と、前記第二面状部位が乗員に当接可能に配置する第二姿勢との間で変位可能である請求項2に記載の車両用シート。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−1318(P2013−1318A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136427(P2011−136427)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】