説明

車両用ディスクブレーキのキャリパボディ

【目的】シリンダ孔の内挿部品を予めユニット化しておき、シリンダ孔への組付性を向上する。内挿部品の点数と加工工数を削減する。
【構成】スプリングガイド27に、スプリング受け部27aと抜け止め片27b,27bとを設けて、スリーブピストン12に取付ける。ベアリング受25とスプリング受け部27aとの間に、アジャストスプリング28を縮設する。抜け止め片27b,27bによって、回り止めピン22,22をスリーブピストン12に抜け止めする。また、スプリング受け部27aと抜け止め片27b,27bによって、シリンダ孔8への内挿部品のうち、最少でも、スリーブピストン12とアジャストボルト23,ベアリング24,ベアリング受25,アジャストスプリング28までか、或いはピストン11までの全体を組付け単位として、予め一体にユニット化する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四輪自動車等の走行車両に用いられるディスクブレーキに係り、シリンダ孔内部の部品をユニット化して、組付け性と加工性の向上を図ったキャリパボディの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】四輪自動車等に用いられるディスクブレーキとして、例えば実開昭61ー58744号公報に示されるものがある。このディスクブレーキは、ブレーキペダルに踏み操作される液圧式作動機構に、ハンドレバーまたはフットペダルによって牽引操作される機械式の作動機構を設けたパーキングブレーキ付きで、シリンダ孔開口部側のピストンとシリンダ孔底部側のスリーブピストンとの間には、アジャストボルトとアジャストナットとからなるアジャスタが配設されている。
【0003】アジャストボルトは、クラッチ板とスプリングリテーナとの間に縮設されたアジャストスプリングの弾発力によって、スリーブピストンのクラッチ板とクラッチ係合しており、摩擦パッドのライニングが所定量摩耗した際には、このクラッチが切り離され、アジャストボルトが回動してアジャストナットとの螺合位置を自動的に変更し、ディスクロータと摩擦パッド間の制動間隙を一定に保つようになっている。
【0004】また、スリーブピストンは、シリンダ孔の底壁との間に掛け渡された一対の回り止めピンによって回動を規制され、アジャストボルトとのクラッチ係合の滑りをなくして、制動作用とアジャスト作用とが確実に行なえるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような構成にあっては、スリーブピストンの組付けから、スプリングリテーナを抜け止めするサークリップの嵌合までが、最小の組付け単位となるが、スリーブピストンとサークリップとの間には、アジャストボルト,ベアリング,ベアリング受,アジャストスプリング,スプリングリテーナが設けられるため、これらをシリンダ孔に順次1つづつ組み込まなければならず、更にスリーブピストンの組付けやサークリップの嵌合を併せれば、多くの組付けを多大な手間暇をかけながら行なわなければならない繁雑なものであり、更にシリンダ孔には、サークリップを装着するための溝加工をしなければならない。
【0006】また、上述の回り止めピンは、スリーブピストンの組み込み時に脱落しないよう、スリーブピストンかシリンダ孔の底壁のいずれかに固定しておかなければならず、圧入或いはねじ切り等の固定手段を必要とすると共に、回り止めピンを他方のピン孔に嵌め入れるためには、回り止めピンの固定とピン孔の形成に、寸法管理を精度よく行なう必要がある。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、シリンダ孔の内挿部品をユニット化することにより、これら内挿部品の組付性を向上すると共に、部品点数と加工工数の削減を図った車両用ディスクブレーキのキャリパボディを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的に従い、第1発明では、シリンダ孔の先端開口部側にピストンを、該シリンダ孔の底部側にスリーブピストンをそれぞれ収容し、該スリーブピストンと前記ピストンとの間に、アジャストナットとアジャストボルトとを螺合したアジャスタを配設して、アジャストナットをピストンに係合し、前記アジャストボルトを、アジャストスプリングの弾発力にてシリンダ孔の底部方向へ付勢して、該アジャストボルトのクラッチ板を前記スリーブピストンのクラッチ孔にクラッチ係合させる車両用ディスクブレーキのキャリパボディにおいて、前記スリーブピストンに、スプリング受け部を有するスプリングガイドを取付けて、スプリング受け部を前記クラッチ板のシリンダ孔開口部側に配置し、該スプリング受け部とクラッチ板との間に、前記アジャストスプリングを縮設したことを特徴としている。
【0009】また第2発明では、シリンダ孔の先端開口部側にピストンを、該シリンダ孔の底部側にスリーブピストンをそれぞれ収容し、該スリーブピストンとシリンダ孔の底壁とに、回り止めピンを掛け渡してスリーブピストンの回転を規制し、該スリーブピストンと前記ピストンとの間に、アジャストナットとアジャストボルトとを螺合したアジャスタを配設して、アジャストナットをピストンに係合し、前記アジャストボルトを、アジャストスプリングの弾発力にてシリンダ孔の底部方向へ付勢して、該アジャストボルトのクラッチ板を前記スリーブピストンのクラッチ孔にクラッチ係合させる車両用ディスクブレーキのキャリパボディにおいて、前記スリーブピストンに、スプリング受け部と抜け止め片とを有するスプリングガイドを取付けて、スプリング受け部を前記クラッチ板のシリンダ孔開口部側に配置し、該スプリング受け部とクラッチ板との間に、前記アジャストスプリングを縮設すると共に、前記回り止めピンの一端をスリーブピストンのピン孔に差し込み、該回り止めピンの突出部分に、前記抜け止め片を係着して、回り止めピンを抜け止めしたことを特徴としている。
【0010】
【作用】上述の両構成によれば、シリンダ孔に内挿されるスリーブピストンから少くともアジャストボルトまで、或いはピストンまでの内挿部品の全体が、予めスプリングガイドによってユニット化される。
【0011】また第2発明では、スプリングガイドの抜け止め片によって、回り止めピンがスリーブピストンに予め取付けられる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面に基づいて説明する。
【0013】ディスクブレーキ1は、キャリパボディ2に、ブレーキペダルに操作される液圧式作動機構3に、ハンドレバーまたはフットペダルにて操作されるパーキングブレーキ用の機械式作動機構4を併設したパーキングブレーキ付きで、キャリパボディ2は、ディスクロータ5の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット6に、図示しない一対の摺動ピンを介して、ディスク軸方向へ移動可能に支持されている。
【0014】上記キャリパボディ2は、ディスクロータ5の両側に対向配置される作用部2a及び反作用部2bと、ディスクロータ5の外側を跨いでこれらを連結するブリッジ部2cとからなっており、作用部2aと反作用部2bとの間には、一対の摩擦パッド7,7が、ディスクロータ5を挟んで対向配置されている。作用部2aには、ディスクロータ5側に開口する大径のシリンダ孔8と、シリンダ軸と直交方向の軸受孔9と、シリンダ孔8と軸受孔9とをつなぐ小径の連接孔10とが形成されている。
【0015】シリンダ孔8の先端開口部側には、有底筒状のピストン11が収容され、またシリンダ孔8の底部側には、段状のスリーブピストン12が収容されている。両ピストン11,12の間にはアジャスタ13が配設されており、ディスクロータ5と摩擦パッド7間の制動間隙を、アジャスタ13によって、常時一定間隔に保持できるようにしている。
【0016】上記ピストン11は、底壁11aをディスクロータ側にしてシリンダ孔8に収容されており、内部中心軸上には、アジャスタ13のアジャストナット14が配設されている。アジャストナット14は、頭部のフランジ14aを底壁11aに係合させて回転を規制され、またサークリップ15に係止されるスプリング受16との間に縮設されたコイルスプリング17の弾発力にて、ピストン11の底壁11a方向へ付勢されている。
【0017】シリンダ孔8とピストン11との間には液圧室18が画成され、作用部2aには、この液圧室18へ作動液を供給するためのユニオン孔19と、作動液中の混入空気を排出するためのブリューダ孔20とが形成されており、前述の液圧式作動機構3は、上記ピストン11と液圧室18とユニオン孔19とから構成される。
【0018】スリーブピストン12は、液圧室18に配設される大径部12aと、連接孔10にOリング21を介して液密に収容される小径部12bとからなっており、大径部12aとシリンダ孔8の底壁2eとに掛け渡される回り止めピン22にて、周方向の回動を規制されている。大径部12aの内部には、ピストン側に開口する大径のクラッチ孔12cと、これに続く小径の嵌合孔12dとが形成されており、また小径部12bの後端には、錐形の係合凹部12eが形成されている。
【0019】前記アジャスタ13は、前記アジャストナット14と、該ナット14に螺合するアジャストボルト23とからなっている。アジャストボルト23は、アジャストナット14と多条ねじ螺合するおねじ23aと、アジャストナット14からシリンダ孔8の底部方向へ突出する後部軸23bと、該後部軸23bの中間部に一体形成された大径のクラッチ板23cとからなっている。後部軸23bの後端は、スリーブピストン12の嵌合孔12dにシール材26を介して嵌合され、クラッチ板23cの外周テーパ面がクラッチ孔12cの内周テーパ面にクラッチ係合する。
【0020】クラッチ板23cの外側には、後部軸23bに嵌挿されたベアリング24とベアリング受25とが支承されている。また、スリーブピストン12には、筒状のスプリングガイド27が被着されており、該スプリングガイド27には、スリーブピストン12のディスクロータ側へ突出して、アジャストボルト23の後部軸23bの外側を包む段状のスプリング受け部27aが一体形成されている。ベアリング受25とスプリング受け部27aとの間には、アジャストスプリング28が縮設されており、アジャストボルト23は、アジャストスプリング28の弾発力にて、シリンダ孔8の底部方向へ付勢され、クラッチ板23cとクラッチ孔12cとのクラッチ係合状態が保持されるようになっている。
【0021】スプリングガイド27は、上述のスプリング受け部a27aのほか、スリーブピストン12のシリンダ孔底部側面に沿って折れ曲がる二股状の抜け止め片27b,27bを持っている。また、前記回り止めピン22は、スリーブピストン12のピン孔12fに差し込まれる大径頭部22aと、シリンダ孔8の底壁2eのピン孔2fに差し込まれる軸部22bとからなっており、ピン孔12fから突出する軸部22bの基部に、抜け止め片27bを挟むように係着することにより、スプリングガイド27と回り止めピン22,22の双方が、スリーブピストン12に取付けられる。
【0022】また、スプリングガイド27のスプリング受け部27aと抜け止め片27b,27bとを用いることによって、少なくとも、スリーブピストン12とアジャストボルト23,ベアリング24,ベアリング受25,アジャストスプリング28及び回り止めピン22,22までの内挿部品が、シリンダ孔8への最小の組付け単位として、予めユニット化される。更に、このアジャストボルト23に、アジャストナット14をねじ螺合することにより、ピストン11までの内挿部品の全体を一体化しておくこともできる。
【0023】前記軸受孔9には、カムシャフト29が、軸受30を介して回動可能に収容され、該カムシャフト29のカム溝29aとスリーブピストン12の係合凹部12eとの間にプッシュロッド31が懸装される。カムシャフト29の突出軸部29bには、カムレバー32が固定ナット33にて固着され、更に固定ナット33の外周にコイル状のリターンスプリング34が巻装されており、カムシャフト29とカムレバー32は、リターンスプリング34のトーション力にて、常時非作動方向へ付勢されている。
【0024】カムレバー32の外端には、運転席のハンドレバーまたはフットペダルにつながれるブレーキワイヤ(図示せず)が連結され、このブレーキワイヤに牽引されるカムレバー32から、キャリパボディ2内に配設されるカムシャフト29,プッシュロッド31,スリーブピストン12,アジャストボルト23及びアジャストナット14までが、前述の機械式作動機構4を構成している。
【0025】液圧式作動機構3を用いた通常のブレーキ操作では、ブレーキペダルの踏み操作によって液圧マスタシリンダに昇圧された作動液が、ユニオン孔19を通して液圧室18に導入され、ピストン11をディスクロータ方向に押動して、一方の摩擦パッド7をディスクロータ5の一側面へ押圧する。次にこの反力によって、キャリパボディ2が作用部2a方向に移動し、反作用部2bの反力爪2dが、他方の摩擦パッド7をディスクロータ5の他側面へ押圧して、制動作用が行なわれる。
【0026】また、機械式作動機構4によるパーキングブレーキ操作では、ハンドレバーまたはフットペダルによってブレーキワイヤが牽引され、カムレバー32とカムシャフト29とが作動方向へ一体に回動して、プッシュロッド31がディスクロータ方向に移動する。プッシュロッド31に変換された推力は、スリーブピストン12,アジャストボルト23,アジャストナット14を経てピストン11に伝達され、該ピストン11をディスクロータ方向に押動して、前記液圧作動と同様に、両摩擦パッド7,7をディスクロータ5に圧接して、制動作用が行なわれる。
【0027】上述のパーキングブレーキ操作では、アジャストスプリング28を保持するスプリングガイド27が、スリーブピストン12と一体に移動するため、アジャストスプリング28には圧縮力が作用せず、組付け時のセット荷重が保持されたままとなっている。
【0028】アジャスタ13は、ディスクロータ5と摩擦パッド7間の制動間隙が所定範囲にある場合に、ピストン11が、アジャストナット14とアジャストボルト23のバックラッシ分を移動するのみで、アジャスト作動しない。
【0029】また、制動の繰返しによって、上述の制動間隙がバックラッシ量以上に広がった場合には、液圧式作動機構3による制動時に、ピストン11とアジャストナット14とが、アジャストボルト23とアジャストナット14間のバックラッシを埋めながら、ディスクロータ側へ大きく前進し、更にアジャストボルト23をディスクロータ方向へ一体に移動させる。これにより、クラッチ板23cが、アジャストスプリング28の弾発力に抗してクラッチ孔12cから離間し、クラッチ係合が解除される。
【0030】クラッチ孔12cとのクラッチ係合を解かれたアジャストボルト23は、アジャストスプリング28の弾発力によって、シリンダ孔8の底部方向へ繰り出されて行き、クラッチ板23cがクラッチ孔12cに再びクラッチ係合して停止する。これにより、制動を解除されたピストン11とアジャストナット14の後退位置が、ディスクロータ5側に変更され、ディスクロータ5と摩擦パッド7間に所定の制動間隙が自動的に設定される。
【0031】本実施例は以上説明したように、スリーブピストン12に装着されるスプリングガイド27に、スプリング受け部27aと抜け止め片27b,27bとを一体形成しており、これらスプリング受け部27aと抜け止め片27b,27bによって、シリンダ孔8への内挿部品のうち、最少でも、スリーブピストン12とアジャストボルト23,ベアリング24,ベアリング受25,アジャストスプリング28及び回り止めピン22,22までか、或いはピストン11までの内挿部品の全体を組付け単位として、予め一体にユニット化しておくことできるので、シリンダ孔8への組付け作業を大幅に軽減することができる。また、従来スプリングリテーナを抜け止めしていたサークリップを係止するための溝の加工も、併せて省略することができる。
【0032】更に、抜け止め片27b,27bで、回り止めピン22,22をスリーブピストン12に組み付けておく効果として、大がかりな圧入手段やねじ切りを不要にすることができ、しかも回り止めピン22を収容するスリーブピストン12のピン孔12fやシリンダ孔底壁のピン孔2fを、回り止めピン22よりも大きくラフに形成することができるので組付け性を向上でき、また面倒な寸法の管理も必要ない。
【0033】また、従来のアジャストスプリングは、キャリパボディ側に固定されるスプリングリテーナに一端が保持されていて、機械式作動機構を用いたパーキングブレーキ作動では、スリーブピストンの前進移動でアジャストスプリングが圧縮されるため、アジャストスプリングにこの圧縮を見込んだ長さを必要としていたが、本実施例の場合には、スリーブピストン12の前進移動ではアジャストスプリング28が圧縮されないので、スプリング長が短かくて済み、前記サークリップ溝の省略と相俟って、キャリパボディ2の長さを短縮することができて、ディスクブレーキ全体の小型・軽量化が図れる。
【0034】尚、本発明は、回り止めピンにスリットや貫通孔を形成して、スプリングガイドの抜け止め片を係着してもよく、実施例に示した回り止めピンの大径頭部は、必ずしも必要としない。また、スプリングガイドは、抜け止め片以外でスリーブピストンに装着することもできる。
【0035】
【発明の効果】本発明は、スプリングガイドのスプリング受け部によって、シリンダ孔へ組付けられる内挿部品の多くを、或いは内挿部品の殆どを、予め一体にユニット化しておくことができるので、シリンダ孔への組付け作業を大幅に軽減することができる。更に、従来スプリングリテーナを抜け止めしていたサークリップや、このサークリップを係止する溝の加工も、併せて省略することができる。
【0036】また、スプリングガイドに抜け止め片を設け、この抜け止め片によって、スリーブピストンに回り止めピンを予め組み付けておくことにより、回り止めピンを取付けるための大がかりな圧入手段やねじ切りを不要にできる。更に、回り止めピンを収容するスリーブピストンやシリンダ孔底壁のピン孔を、回り止めピンよりも大きくラフに形成することができるので、加工性と組付け性を向上でき、また面倒な寸法の管理も必要なくなる。
【0037】更に、スプリングガイドをスリーブピストンに装着したことにより、スリーブピストンの前進作動では、アジャストスプリングを圧縮しないので、アジャストスプリングの長さが短かくて済み、サークリップ溝の省略と相俟って、キャリパボディの長さを短縮できて、ディスクブレーキ全体の小型・軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すディスクブレーキの断面正面図
【図2】図1のII−II断面図
【図3】図1のIII −III 断面図
【図4】シリンダ孔への内挿部品の要部斜視図
【符号の説明】
1…ディスクブレーキ
2…キャリパボディ
2f…回り止めピン22が差し込まれるピン孔
3…液圧式作動機構
4…パーキングブレーキ用の機械式作動機構
5…ディスクロータ
7…摩擦パッド
8…シリンダ孔
9…軸受孔
10…シリンダ孔8と軸受孔9とをつなぐ小径の連接孔
11…シリンダ孔8の先端開口部側に収容されるピストン
12…シリンダ孔8の底部側に収容されるスリーブピストン
12c…クラッチ孔
12f…回り止めピン22が差し込まれるピン孔
13…アジャスタ
14…アジャストナット
18…液圧室
19…ユニオン孔
22…回り止めピン
23…アジャストボルト
23a…アジャストボルト23のおねじ
23b…アジャストボルト23の後部軸
23c…アジャストボルト23のクラッチ板
24…ベアリング
25…ベアリング受
27…スリーブピストン12に装着されるスプリングガイド
27a…スプリングガイド27のスプリング受け部
27b…スプリングガイド27の抜け止め片
28…ベアリング受25とスプリングガイド27のスプリング受け部27aとの間に縮設されるアジャストスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダ孔の先端開口部側にピストンを、該シリンダ孔の底部側にスリーブピストンをそれぞれ収容し、該スリーブピストンと前記ピストンとの間に、アジャストナットとアジャストボルトとを螺合したアジャスタを配設して、アジャストナットをピストンに係合し、前記アジャストボルトを、アジャストスプリングの弾発力にてシリンダ孔の底部方向へ付勢して、該アジャストボルトのクラッチ板を前記スリーブピストンのクラッチ孔にクラッチ係合させる車両用ディスクブレーキのキャリパボディにおいて、前記スリーブピストンに、スプリング受け部を有するスプリングガイドを取付けて、スプリング受け部を前記クラッチ板のシリンダ孔開口部側に配置し、該スプリング受け部とクラッチ板との間に、前記アジャストスプリングを縮設したことを特徴とする車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。
【請求項2】 シリンダ孔の先端開口部側にピストンを、該シリンダ孔の底部側にスリーブピストンをそれぞれ収容し、該スリーブピストンとシリンダ孔の底壁とに、回り止めピンを掛け渡してスリーブピストンの回転を規制し、該スリーブピストンと前記ピストンとの間に、アジャストナットとアジャストボルトとを螺合したアジャスタを配設して、アジャストナットをピストンに係合し、前記アジャストボルトを、アジャストスプリングの弾発力にてシリンダ孔の底部方向へ付勢して、該アジャストボルトのクラッチ板を前記スリーブピストンのクラッチ孔にクラッチ係合させる車両用ディスクブレーキのキャリパボディにおいて、前記スリーブピストンに、スプリング受け部と抜け止め片とを有するスプリングガイドを取付けて、スプリング受け部を前記クラッチ板のシリンダ孔開口部側に配置し、該スプリング受け部とクラッチ板との間に、前記アジャストスプリングを縮設すると共に、前記回り止めピンの一端をスリーブピストンのピン孔に差し込み、該回り止めピンの突出部分に前記抜け止め片を係着して、回り止めピンを抜け止めしたことを特徴とする車両用ディスクブレーキのキャリパボディ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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