説明

車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット、車両用灯具

【課題】光源部10とソケット部11とを確実に電気的に接続すること。
【解決手段】この発明は、光源部10と、ソケット部11と、接続部材17と、を備えるものである。光源部10は、基板3と、半導体型光源の発光チップ41〜44と、配線6と、を備える。ソケット部11は、絶縁部材7と、放熱部材8と、給電部材91〜93と、を備える。接続部材17は、光源接続部171と、ソケット接続部172と、を備える。この結果、この発明は、光源部10とソケット部11とを接続部材17により確実に電気的に接続することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットに関するものである。また、この発明は、半導体型光源を光源とする車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の光源ユニットは、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の光源ユニットについて説明する。従来の光源ユニットは、リードフレームにLEDベアチップを搭載し、かつ、リードフレームから一対の端子をそれぞれ引き出して発光部を構成し、この発光部をホルダと口金とベースとに組み込んでなるものである。
【0003】
かかる光源ユニットにおいては、LEDベアチップに給電する一対の端子とリードフレームとを確実に電気的に接続することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−205080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、光源ユニットにおいては、LEDベアチップに給電する一対の端子とリードフレームとを確実に電気的にかつ機械的に接続することが重要であるという点と、にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、光源部と、光源部が取り付けられているソケット部と、光源部とソケット部とを電気的に接続する接続部材と、を備え、光源部が、基板と、基板に実装されている半導体型光源の発光チップと、基板に設けられていて発光チップに給電する配線素子と、を備え、ソケット部が、車両用灯具に取り付けるための取付部が設けられている絶縁部材と、光源部で発生する熱を外部に放射させる放熱部材と、光源部に給電する給電部材と、を備え、放熱部材と給電部材とが絶縁部材に相互に絶縁状態で組み込まれていて、接続部材が、光源部の配線素子に電気的にかつ機械的に接続されている光源接続部と、ソケット部の給電部材に電気的にかつ機械的に接続されているソケット接続部と、を備える、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、ソケット接続部には、給電部材が挿入する挿入孔と、給電部材が前記挿入孔に挿入するのをガイドするガイドと、がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、ソケット接続部と給電部材との電気的かつ機械的接続が、加締め付け、弾性当接、溶接、のうち少なくとも1つの接続手段からなる、ことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、光源接続部と基板とには、相互に位置決めして嵌合する嵌合突起と嵌合孔とが設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、光源接続部と配線素子との電気的かつ機械的接続が、導電性接着剤からなる、ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)は、基板と放熱部材との間には、熱伝導性媒体が塗布されていて、熱伝導性媒体が、ソケット接続部と給電部材とを電気的にかつ機械的に接続する際に、基板を放熱部材側に加圧する加圧下において取り付け固定する、ことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)は、基板には、給電部材が挿通する挿通孔が設けられていて、基板の挿通孔の内周面と給電部材の挿通端部の外周面とには、挿通方向に対して傾斜する傾斜面がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする。
【0013】
さらにまた、この発明(請求項8にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている前記の請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、接続部材の光源接続部が光源部の配線素子に電気的にかつ機械的に接続されていて、かつ、接続部材のソケット接続部がソケット部の給電部材に電気的にかつ機械的に接続されている。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、接続部材の光源接続部およびソケット接続部を介して光源部の配線素子とソケット部の給電部材とを確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0015】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、ソケット部接続部のガイドにより、ソケット接続部の挿入孔に給電部材を確実に挿入することができる。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、ソケット接続部の挿入孔と給電部材との挿入位置が多少ずれていても、そのずれをソケット接続部のガイドにより吸収することができる。これにより、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、ソケット接続部の挿入孔に給電部材を確実に挿入することができるので、接続部材のソケット接続部とソケット部の給電部材とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0016】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、ソケット接続部と給電部材とが、加締め付け、弾性当接、溶接、のうち少なくとも1つの接続手段により、電気的にかつ機械的に接続されている。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、接続部材のソケット接続部とソケット部の給電部材とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0017】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、嵌合突起を嵌合孔に嵌合させることにより、光源接続部と基板とを相互に位置決めすることができる。この結果、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、接続部材の光源接続部と光源部の基板とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0018】
しかも、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、嵌合突起を嵌合孔に嵌合させることにより、接続部材の光源接続部と光源部の基板とを機械的に接続することができ、その上、嵌合突起を嵌合孔に嵌合させてから折り曲げて嵌合孔の縁部に当てることにより、接続部材の光源接続部と光源部の基板とを機械的に確実に接続することができる。
【0019】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、光源接続部と配線素子とが導電性接着剤により、電気的にかつ機械的に接続されている。この結果、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、接続部材の光源接続部と光源部の基板とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0020】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板と放熱部材との間に塗布されている熱伝導性媒体が、ソケット接続部と給電部材とを電気的にかつ機械的に接続する際に、基板を放熱部材側に加圧する加圧下において取り付け固定するものである。この結果、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板と放熱部材との間に塗布されている熱伝導性媒体の膜厚を薄膜化することができ、かつ、基板と放熱部材との間に塗布されている熱伝導性媒体の膜厚のばらつきを吸収することができる。これにより、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板と放熱部材とを熱伝導性媒体(熱伝導性接着剤の場合)を介して確実に接着することができるので、光源部とソケット部とを相互に確固に固定することができ、この結果、接続部材の光源接続部およびソケット接続部を介して、光源部の配線素子とソケット部の給電部材とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0021】
しかも、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板と放熱部材とを熱伝導性媒体を介して確実に取り付け固定することができるので、光源部で発生する熱を基板および熱伝導性媒体および放熱部材を介して外部に効率良く放射させることができる。
【0022】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板の挿通孔の内周面の傾斜面と給電部材の挿通端部の外周面の傾斜面とにより、基板の挿通孔に給電部材の挿通端部をスムーズに挿通することができる。この結果、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板の挿通孔と給電部材の挿通端部との挿通位置が多少ずれていても、そのずれを基板の挿通孔の内周面の傾斜面と給電部材の挿通端部の外周面の傾斜面とにより吸収することができる。これにより、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板と給電部材との相対位置を決めることができ、この結果、接続部材の光源接続部およびソケット接続部を介して、光源部の配線素子とソケット部の給電部材とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0023】
さらにまた、この発明(請求項8にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、前記の請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと同様の効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1を示し、光源部と、ソケット部と、接続部材とを組み付けた状態の平面図である。
【図2】図2は、同じく、光源ユニットを車両用灯具に組み付けた状態を示す縦断面図(垂直断面図)、すなわち、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図3】図3は、同じく、光源ユニットの光源部と、ソケット部の絶縁部材および放熱部材および給電部材との分解斜視図である。
【図4】図4は、同じく、光源ユニットとソケット部との分解斜視図である。
【図5】図5は、同じく、光源部と、ソケット部と、接続部材とを組み付けた状態を示す一部拡大平面図である。
【図6】図6は、同じく、図5におけるVI−VI線断面図である。
【図7】図7は、同じく、接続部材を示す説明図である。
【図8】図8は、同じく、接続部材を光源部に組み付ける前の状態を示す一部縦断面図(垂直断面図)である。
【図9】図9は、同じく、接続部材を光源部に組み付けた状態を示す一部縦断面図(垂直断面図)である。
【図10】図10は、同じく、光源部および接続部材をソケット部に組み付ける前の状態を示す一部縦断面図(垂直断面図)である。
【図11】図11は、同じく、接続部材のソケット接続部をソケット部の給電部材に加締め付ける状態を示す一部縦断面図(垂直断面図)である。
【図12】図12は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例2を示し、光源部および接続部材をソケット部に組み付けた状態の一部縦断面図(垂直断面図)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例のうちの2例およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
図1〜図11は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例を示す。なお、図3および図4中の分解図においては、接続部材の図示を省略してある。
【0027】
以下、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットおよびこの実施例における車両用灯具の構成について説明する。図2において、符号100は、この実施例における車両用灯具である。
【0028】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)でテールランプ機能とストップランプ機能とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能(たとえば、バックアップランプ機能)と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0029】
前記車両用灯具100は、図2に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、半導体型光源を光源とする光源ユニット、すなわち、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1と、前記光源ユニット1の前記半導体型光源の駆動回路(図示せず)と、を備えるものである。
【0030】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材)から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔104が設けられている。
【0031】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材(例えば、透明樹脂部材やガラス部材)から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0032】
前記リフレクタ103は、前記光源ユニット1から放射される光を配光制御する配光制御部であって、焦点Fを有する。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材や金属部材)から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。前記ランプハウジング101の前記透孔104は、円形形状をなす。前記透孔104の縁には、複数個の凹部(図示せず)と複数個のストッパ部(図示せず)とがほぼ等間隔に設けられている。
【0033】
(光源ユニット1の説明)
前記光源ユニット1は、図1〜図11に示すように、光源部10と、ソケット部11と、カバー部12と、接続部材17と、を備える。前記光源部10および前記カバー部12は、前記ソケット部11の一端部(上端部)に取り付けられている。前記光源部10は、前記カバー部12によりカバーされている。
【0034】
前記光源ユニット1は、図2に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101にパッキン(Oリング)108を介して着脱可能に取り付けられている。前記光源部10および前記カバー部12が前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0035】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、図1、図3〜図6、図8〜図11に示すように、基板3と、前記半導体型光源の複数個この例では4個の発光チップ41、42、43、44と、制御素子としての抵抗(図示せず)およびダイオード(図示せず)と、配線素子としての配線6と、を備えるものである。
【0036】
前記基板3は、この例では、セラミックからなる。前記基板3は、図1、図3〜図6、図8〜図11に示すように、平面(上)から見てほぼ八角形の板形状をなす。前記基板3の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、前記ソケット部11の給電部材91、92、93が挿通する挿通孔31、32、33がそれぞれ設けられている。前記基板3の一面(上面)には、平面の取付面34が設けられている。前記基板3の他面(下面)には、平面の当接面35が設けられている。前記基板3の取付面34には、高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面30が設けられている。前記基板3の前記挿通孔31〜33の両側には、2個の嵌合孔37がそれぞれ設けられている。なお、前記挿通孔31〜33は、切欠であっても良い。この場合、2個の前記嵌合孔37は、前記の切欠の両側にそれぞれ設けられている。
【0037】
前記基板3の前記取付面34には、前記4個の発光チップ41〜44および前記抵抗および前記ダイオードおよび前記配線6および前記接続部材17が取り付けられている(すなわち、実装、印刷、焼成、蒸着などにより、設けられている)。なお、図面を簡略化するために、前記抵抗および前記ダイオードの図示を省略し、また、図1、図3〜図5において、前記配線6の図示を省略し、さらに、図3、図4において、前記接続部材17の図示を省略してある。
【0038】
前記4個の発光チップ41〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)を使用する。前記発光チップ41〜44は、図1、図3、図4に示すように、平面(上)から見て微小な矩形(正方形もしくは長方形)形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、ベアチップからなる。前記4個の発光チップ41〜44は、図1に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記光源ユニット1の前記ソケット部11の中心(取付回転中心)O近傍に1列に、光源バルブ(電球)のフィラメントもしくは放電電球(HIDランプ)のアーク放電による発光とほぼ同様になるように、配置されている。前記4個の発光チップ41〜44は、順方向に直列に接続されている。
【0039】
前記4個の発光チップ41〜44は、テールランプ機能の一部(この例では2個)の発光チップ43、44と、ストップランプ機能の全部(この例では4個)の発光チップ41〜44と、にグループ化されている。1列に配置されている前記4個の発光チップ41〜44のうちの中の2個の発光チップ43、44は、前記テールランプ機能と前記ストップランプ機能とに兼用される。1列に配置されている前記4個の発光チップ41〜44のうちの両端(両外側)の2個の発光チップ41、42は、前記ストップランプ機能のみに使用される。前記ストップランプ機能と兼用の前記テールランプ機能(以下、単に「テールランプ機能」と称する)の2個の発光チップ43、44は、前記ストップランプ機能のみの2個の発光チップ41、42の間に配置されている。
【0040】
前記抵抗は、たとえば、薄膜抵抗もしくは厚膜抵抗などからなる。前記抵抗は、所定の駆動電流の値を得るための調整用の抵抗である。すなわち、前記発光チップ41〜44のVf(順方向電圧特性)のばらつきにより、前記発光チップ41〜44に供給される駆動電流の値が変化して前記発光チップ41〜44の明るさ(光束、光度、照度)においてばらつきが発生する。このために、前記抵抗の値を調整して(トリミングして)前記発光チップ41〜44に供給される駆動電流の値を所定値にほぼ一定に設定することにより、前記発光チップ41〜44の明るさ(光束、光度、照度)のばらつきを調整(吸収)することができる。前記トリミングは、たとえば、レーザーで前記抵抗の一部を切り欠いて抵抗値を調整するものである。なお、トリミングにより抵抗値は増加する。
【0041】
前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に直列に接続されている前記抵抗と、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に直列に接続されている前記抵抗とは、たとえば、それぞれ1個配置されているが、抵抗の容量および調整する抵抗の可変幅により、複数個配置する場合がある。例えば、2個ずつ、もしくは、前記テールランプ機能の前記抵抗を3個、前記ストップランプ機能の前記抵抗を4個配置する場合がある。
【0042】
前記ダイオードは、たとえば、ベアチップダイオードもしくはSMDダイオードなどからなる。前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44と前記抵抗とに直列に接続されているダイオードと、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44と前記抵抗とに直列に接続されているダイオードとは、逆接防止機能および逆方向からのパルスノイズ保護機能のダイオードである。
【0043】
前記配線6は、たとえば、導電性部材の薄膜配線もしくは厚膜配線やワイヤ(金ワイヤ)などからなる。前記配線6は、前記抵抗、前記ダイオードを介して前記発光チップ41〜44に給電するものである。
【0044】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、図1〜図6、図8〜図11に示すように、絶縁部材7と、放熱部材8と、3本の給電部材91、92、93と、を備えるものである。熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0045】
前記ソケット部11は、前記絶縁部材7と、前記放熱部材8と、前記給電部材91〜93との一体構造からなるものである。たとえば、前記絶縁部材7と前記放熱部材8と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成している構造。あるいは、前記絶縁部材7と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成して、前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造。あるいは、前記絶縁部材7に前記給電部材91〜93を一体に組み付け、前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造。
【0046】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に、着脱可能にあるいは固定的に取り付けるための取付部が設けられているものである。前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7は、外径が前記ランプハウジング101の前記透孔104の内径より若干小さいほぼ円筒形状をなす。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、鍔部71が一体に設けられている。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、複数個この例では4個の取付部70が、前記ランプハウジング101の前記凹部と対応させて、一体に設けられている。なお、前記取付部70は、図3、図4において3個しか図示されていない。
【0047】
前記取付部70は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備するものである。すなわち、前記ソケット部11の前記カバー12側の一部および前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記凹部中に挿入する。その状態で、前記ソケット部11を中心O軸回りに回転させて、前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記ストッパ部に当てる。この時点において、前記取付部70と前記鍔部71とが前記パッキン108を介して前記ランプハウジング101の前記透孔104の縁部を上下から挟み込む(図2参照)。
【0048】
この結果、前記光源ユニット1の前記ソケット部11は、図2に示すように、前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101に前記パッキン108を介して着脱可能に取り付けられる。この時点において、図2に示すように、ソケット部11のうちランプハウジング101から外側に突出している部分(図2中のランプハウジング101よりも下側の部分)がソケット部11のうち灯室105内に収納されている部分(図2中のランプハウジング101よりも上側の部分)よりも大である。
【0049】
前記絶縁部材7の他端部(下端部)には、光源側のコネクタ部13が一体に設けられている。前記コネクタ部13には、電源側のコネクタ14が機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられている。
【0050】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、前記光源部10で発生する熱を外部に放射させるものである。前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性(導電性をも有する)のアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記放熱部材8は、一端部(上端部)が平板形状をなし、中間部から他端部(下端部)にかけてフィン形状をなす。前記放熱部材8の一端部の上面には、当接面80が設けられている。前記放熱部材8の当接面80には、前記基板3の前記当接面35が相互に当接されている状態で、熱伝導性媒体36により接着されている。この結果、前記発光チップ41〜44は、前記基板3を介して前記放熱部材8の中心O(前記ソケット部11の中心O)近傍部分が位置する箇所に対応して位置することとなる。
【0051】
前記熱伝導性媒体36は、たとえば、熱伝導性接着剤であって、材質として、エポキシ系樹脂接着剤、シリコン系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤などからなり、形態として、液状形態、流動状形態、テープ形態などからなる。なお、前記熱伝導性媒体36は、熱伝導性接着剤のほかに、熱伝導性グリースであっても良い。
【0052】
前記放熱部材8の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠81、82、83が、前記基板3の前記挿通孔31〜33にそれぞれ対応して設けられている。前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記挿通孔31〜33には、前記3本の給電部材91〜93がそれぞれ配置している。前記放熱部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在している。前記放熱部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0053】
(給電部材91〜93の説明)
前記給電部材91〜93は、前記光源部10に給電するものである。前記給電部材91〜93は、たとえば、導電性の金属部材からなる。前記給電部材91〜93の一端部(上端部)は、末広形状をなしていて、前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記挿通孔31〜33にそれぞれ位置する。前記給電部材91〜93の一端部は、前記接続部材17を介して、前記光源部10の前記配線6にそれぞれ電気的に接続されている。
【0054】
すなわち、図4に示すように、前記絶縁部材7の一端面(上端面)のうち前記基板3の前記挿通孔31〜33および前記放熱部材8の前記切欠81〜83に対応する箇所には、前記挿通孔31〜33、81〜83中に突出する凸部72が一体に設けられている。前記給電部材91〜93の一端部は、前記凸部72から突出して、前記接続部材17に電気的にかつ機械的に接続されて、前記基板3の前記配線6に電気的に接続されている。このようにして、前記光源部10は、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられることとなる。
【0055】
前記給電部材91〜93の他端部(下端部)は、窄まった形状をなしていて、前記コネクタ部13中に配置されている。前記給電部材91〜93の他端部は、オスターミナル(おす型端子)910、920、930を構成するものである。
【0056】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
前記コネクタ14には、前記コネクタ部13の前記オスターミナル910〜930に電気的に断続するメスターミナル(めす型端子)(図示せず)が設けられている。前記コネクタ14を前記コネクタ部13に取り付けることにより、前記メスターミナルが前記オスターミナル910〜930に電気的に接続する。また、前記コネクタ14を前記コネクタ部13から取り外すことにより、前記メスターミナルと前記オスターミナル910〜930との電気的接続が遮断される。
【0057】
図2に示すように、前記コネクタ14の前記第1メスターミナルおよび前記第2メスターミナルは、ハーネス144、145およびスイッチ(図示せず)を介して電源(直流電源のバッテリー)(図示せず)に接続されている。前記コネクタ14の前記第3メスターミナルは、ハーネス146を介してアースされている(グランドされている)。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピン(前記3本の給電部材91〜93、前記3本のオスターミナル910〜930、前記3本のメスターミナル)タイプのコネクタ部およびコネクタである。
【0058】
(スイッチSWの説明)
前記スイッチは、可動接点と、第1固定接点と、第2固定接点と、第3固定接点と、共通固定接点と、からなる3位置切替スイッチである。前記可動接点が第1固定接点の位置に切り替わっているときには、電流(駆動電流)が前記テールランプ機能のダイオードと抵抗とを経て前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に供給されている状態である。
【0059】
前記可動接点が第2固定接点の位置に切り替わっているときには、電流(駆動電流)が前記ストップランプ機能のダイオードと抵抗とを経て前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給されている状態である。
【0060】
前記可動接点が第3固定接点の位置に切り替わっているときには、前記4個の発光チップ41〜44への電流供給が遮断されている状態である。
【0061】
(カバー部12の説明)
前記カバー部12は、光透過性部材からなる。前記カバー部12には、前記4個の発光チップ41〜44からの光を光学制御して射出するプリズムなどの光学制御部(図示せず)が設けられている。
【0062】
前記カバー部12は、図2に示すように、前記光源部10をカバーするように、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられている。前記カバー部12は、前記4個の発光チップ41〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぐものである。すなわち、前記カバー部12は、前記4個の発光チップ41〜44を外乱から保護するものである。
【0063】
前記カバー部12には、通気孔(図示せず)を設ける場合がある。この場合においては、前記基板3の前記取付面34上には、封止部材(図示せず)が少なくとも前記発光チップ41〜44、前記抵抗、前記ダイオード、前記配線6を覆うように設けられている。
【0064】
(接続部材17の説明)
以下、前記接続部材17について、図7を参照して説明する。なお、図7(A)は、接続部材17の平面図である。図7(B)は、図7(A)におけるB矢視図である。図7(C)は、図7(A)におけるC−C線断面図である。図7(D)は、図7(A)におけるD矢視図である。図7(E)は、図7(A)におけるE−E線断面図である。
【0065】
前記接続部材17は、導電性および弾性および展性(延性、塑性)を有する部材、たとえば、リン青銅などの部材から構成されている。前記接続部材17は、前記光源部10と前記ソケット部11とを電気的に接続するものである。前記接続部材17は、図7に示すように、長方形の板形状の本体部170と、ピン形状(小長方形の板形状)の光源接続部171と、富士山形状(ハの字形状、八の字形状)のソケット接続部172と、を備えるものである。
【0066】
前記光源接続部171は、前記光源部10の前記配線6に電気的にかつ機械的に接続されるものである。前記光源接続部171は、前記本体部170の2短辺のほぼ中央部に一体に設けられた小長方形の板部を一方向(下方向)にほぼ直角に折り曲げてなるものである。
【0067】
前記ソケット接続部172は、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93に電気的にかつ機械的に接続されるものである。前記光源接続部172は、前記本体部170に設けられたH形(エ形)の溝に囲まれている2個の片を、前記本体部170から他方向(上方向)に延ばして富士山形状に形成してなるものである。2個の前記光源接続部172の一端(上端)の間には、前記給電部材91〜93の一端部が挿入する挿入孔としての隙間173が設けられている。2個の前記光源接続部172の相互に対向する内面には、前記本体部170から一方向に湾曲して窄まる面のガイド174が設けられている。前記ガイド174は、前記給電部材91〜93の一端部が前記隙間173に挿入するのをガイドするものである。
【0068】
(接続部材による光源部とソケット部との電気的接続の説明)
前記ソケット部11の前記絶縁部材7のうち、前記給電部材91〜93の両側であって、前記接続部材17の前記光源接続部171が位置する箇所には、前記光源接続部171を逃がすための凹部73が設けられている。一方、前記光源部10の前記基板3の前記挿通孔31〜33の両側には、前記嵌合孔37が、前記接続部材17の前記光源接続部171と対応して設けられている。また、前記基板3の前記取付面34のうち前記係合孔37の周囲には、導電性接着剤38(たとえば、半田または導電ペーストなど)が設けられている。
【0069】
まず、図8中の実線矢印に示すように、前記接続部材17の2個の前記光源接続部172を前記光源部10の前記基板3の2個の前記嵌合孔37にそれぞれ嵌合させる。前記光源接続部172を前記嵌合孔37に嵌合させる際に、図9に示すように、前記基板3側に配置された受冶具(図示せず)により、前記光源接続部172を外側に折り曲げて前記基板3の前記当接面35であって前記嵌合孔37の縁部に当てる。それから、前記導電性接着剤38に熱を加える。これにより、前記接続部材17の前記光源接続部172は、前記光源部10の前記基板3の前記配線6に、電気的にかつ機械的に接続されることとなり、かつ、前記光源部10の前記基板3と前記接続部材17とが仮固定(サブアセンブリ)される。
【0070】
つぎに、前記ソケット部11の前記放熱部材8の前記当接面80上に前記熱伝導性媒体36を塗布する。それから、図10中の実線矢印に示すように、前記給電部材91〜93の一端部を、まず、前記基板3の前記挿通孔31〜33の中に挿通させ、つぎに、前記接続部材17の前記ソケット接続部172の間の前記隙間173の中に、前記接続部17の前記ガイド174によりガイドされながら挿入する。それと同時に、前記接続部材17の前記光源接続部172を前記絶縁部材7の前記凹部73に位置させる。
【0071】
つづいて、図11に示すように、前記光源部10の前記基板3の前記当接面35を前記ソケット部11の前記熱伝導性媒体36上に載せる。このとき、前記接続部材17の2個の前記ソケット接続部172が前記給電部材91〜93の一端部の両側に弾性当接している。あるいは、前記接続部材17の2個の前記ソケット接続部172と前記給電部材91〜93の一端部の両側とが相互に当接していない。
【0072】
それから、図11中の実線矢印に示すように、前記接続部材17の2個の前記ソケット接続部172を前記給電部材91〜93の一端部の両側に加締め付ける。そして、図5、図6に示すように、加締め付けた前記接続部材17の2個の前記ソケット接続部172と前記給電部材91〜93の一端部の両側とをレーザー溶接などにより溶接する。なお、図6中の符号「175」および太い実線部分は、溶接部分を示す。これにより、前記接続部材17の前記ソケット接続部172は、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93に電気的にかつ機械的に接続されることとなる。
【0073】
前記の加締め付け工程中および前記溶接工程中において、前記基板3を前記放熱部材8側に加圧する。前記加圧下において、前記熱伝導性媒体36を取り付け固定させる。これにより、前記光源部10と前記ソケット部11とが前記接続部材17により電気的に接続される。なお、前記の図5、図6、図8〜図11においては、3本の給電部材91〜93のうち1本の給電部材91についてのみ図示するものである。残りの2本の給電部材92、93も1本の給電部材91と同様に接続部材17のソケット接続部172に電気的にかつ機械的に接続されている。
【0074】
この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1およびこの実施例における車両用灯具100(以下、「この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0075】
まず、スイッチの可動接点を第1固定接点に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、テールランプ機能のダイオードと抵抗とを経て、テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に供給される。この結果、テールランプ機能の2個の発光チップ43、44が発光する。
【0076】
このテールランプ機能の2個の発光チップ43、44から放射された光は、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ43、44から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0077】
つぎに、スイッチの可動接点を第2固定接点に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、ストップランプ機能のダイオードと抵抗とを経て、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44が発光する。すなわち、今まで発光していたテールランプ機能の2個の発光チップ43、44に対して、今まで消光状態のストップランプ機能の2個の発光チップ41、42が、今まで発光していたテールランプ機能の2個の発光チップ43、44と共に、新たに発光する。
【0078】
このストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44から放射された光は、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい(光束、光度、照度が大である)。
【0079】
それから、スイッチの可動接点を第3固定接点に切り替える。すると、電流(駆動電流)が遮断される。この結果、4個の発光チップ41〜44もしくは2個の発光チップ43、44は、消光する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0080】
そして、光源部10の発光チップ41〜44および抵抗およびダイオードおよび配線6において発生した熱は、基板3および熱伝導性媒体36を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。
【0081】
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0082】
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17の光源接続部171が光源部10の配線素子としての配線6に電気的にかつ機械的に接続されていて、かつ、接続部材17のソケット接続部172がソケット部11の給電部材91〜93に電気的にかつ機械的に接続されている。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17の光源接続部171およびソケット接続部172を介して光源部10の配線6とソケット部11の給電部材91〜93とを確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0083】
また、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17のソケット部接続部172のガイド174により、接続部材17のソケット接続部172の挿入孔としての隙間173に給電部材91〜93を確実に挿入することができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17のソケット接続部172の隙間173と給電部材91〜93との挿入位置が多少ずれていても、そのずれを接続部材17のソケット接続部172のガイド174により吸収することができる。これにより、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17のソケット接続部172の隙間173に給電部材91〜93を確実に挿入することができるので、接続部材17のソケット接続部172とソケット部11の給電部材91〜93とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0084】
さらに、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17のソケット接続部172と給電部材91〜93とが、弾性当接および加締め付けおよび溶接の接続手段により、電気的にかつ機械的に接続されている。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17のソケット接続部172とソケット部11の給電部材91〜93とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0085】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17の嵌合突起としての光源接続部171を基板3の嵌合孔37に嵌合させることにより、接続部材17の光源接続部171と基板3とを相互に位置決めすることができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17の光源接続部171と光源部10の基板3とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0086】
しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17の嵌合突起としての光源接続部171を基板3の嵌合孔37に嵌合させることにより、接続部材17の光源接続部171と光源部10の基板3とを機械的に接続することができ、その上、接続部材17の光源接続部171を基板3の嵌合孔37に嵌合させてから折り曲げて嵌合孔37の縁部に当てることにより、接続部材17の光源接続部171と光源部10の基板3とを機械的に確実に接続することができる。
【0087】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17の光源接続部171と基板3の配線素子としての配線6とが導電性接着剤38により、電気的にかつ機械的に接続されている。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、接続部材17の光源接続部171と光源部10の基板3とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0088】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、基板3と放熱部材8との間に塗布されている熱伝導性媒体36が、接続部材17のソケット接続部172とソケット部11の給電部材91〜93とを弾性当接および加締め付けおよび溶接の接続手段により電気的にかつ機械的に接続する際に、基板3を放熱部材8側に加圧する加圧下において取り付け固定するものである。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、基板3と放熱部材8との間に塗布されている熱伝導性媒体36の膜厚を薄膜化することができ、かつ、基板3と放熱部材8との間に塗布されている熱伝導性媒体36の膜厚のばらつきを吸収することができる。これにより、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、基板3と放熱部材8とを熱伝導性媒体36(熱伝導性接着剤の場合)を介して確実に接着することができるので、光源部10とソケット部11とを相互に確固に固定することができ、この結果、接続部材17の光源接続部171およびソケット接続部172を介して、光源部10の配線素子としての配線6とソケット部11の給電部材91〜93とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0089】
しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、基板3と放熱部材8とを熱伝導性媒体36を介して確実に取り付け固定(接着)することができるので、光源部10で発生する熱を基板3および熱伝導性媒体36および放熱部材8を介して外部に効率良く放射させることができる。なお、この実施例1のように、接続部材17と給電部材91〜93とにより、基板3とソケット部11とを機械的に固定する場合においては、熱伝導性媒体36として熱伝導性接着剤のほかに、熱伝導性グリースであっても良い。
【実施例2】
【0090】
図12は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例2を示す。図中、図1〜図11中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0091】
この実施例2における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、接続部材17の光源接続部171を、折り曲げずにそのままの状態で、基板3の配線6に、電気的にかつ機械的に接続するものである。また、この実施例2における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、給電部材91〜93に弾性当接する接続部材17のソケット接続部172を、加締め付けずにそのままの状態で、給電部材91〜93に、溶接(溶接部分175を参照)するものである。
【0092】
この実施例2における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、以上のごとき構成からなるので、前記の実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットとほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0093】
(実施例1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施例1、2においては、基板3の挿通孔としての挿通孔31〜33の内周面と給電部材91〜93の挿通端部としての一端部の外周面とが平面(垂直面)をなすものである。ところが、この発明においては、図10中の点線で示すように、基板3の挿通孔としての挿通孔31〜33の内周面と給電部材91〜93の挿通端部としての一端部の外周面とに、挿通方向(図10中の上向きの実線矢印方向)に対して上から下にかけて末広がりに傾斜する傾斜面39、911を、それぞれ設けても良い。
【0094】
前記の基板3の挿通孔としての挿通孔31〜33の内周面の傾斜面39と給電部材91〜93の挿通端部としての一端部の外周面の傾斜面911とにより、基板3の挿通孔31〜33に給電部材91〜93の一端部をスムーズに挿通することができる。この結果、基板3の挿通孔31〜33と給電部材91〜93の一端部との挿通位置が多少ずれていても、そのずれを基板3の挿通孔31〜33の内周面の傾斜面39と給電部材91〜93の挿通端部としての一端部の外周面の傾斜面911とにより吸収することができる。これにより、基板3と給電部材91〜93との相対位置を決めることができ、この結果、接続部材17の光源接続部171およびソケット接続部172を介して、光源部10の配線6とソケット部11の給電部材91〜93とをさらに確実に電気的にかつ機械的に接続することができる。
【0095】
また、前記の実施例1、2においては、4個の発光チップ41〜44を使用するものである。ところが、この発明においては、発光チップとして、2個、3個、5個以上であっても良い。テールランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウト、および、ストップランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。
【0096】
さらに、前記の実施例1、2においては、テール・ストップランプに使用するものである。ところが、この発明においては、テール・ストップランプ以外のコンビネーションランプまたは単機能のランプにも使用することができる。単機能のランプとしては、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、ヘッドランプのロービームランプ(すれ違い用ヘッドランプ)、ヘッドランプのハイビームランプ(走行用ヘッドランプ)、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ディタイムランニングランプなどがある。
【0097】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、テールランプとストップランプとの2個のランプの切替に使用するものである。ところが、この発明においては、3個以上のランプの切替にも使用できる。
【0098】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、4個の発光チップ41〜44を1列に配置したものである。ところが、この発明においては、発光チップを、複数列に、角形の角上に、円形状に、配置しても良い。たとえば、四角形の4つの角に、または、三角形の3つの角に、配置しても良い。
【0099】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、カバー部12とランプレンズ102とにより配光制御するものである。ところが、この発明においては、カバー部12もしくはランプレンズ102のうち少なくともいずれか一方により配光制御するようにしても良い。
【0100】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、4個の発光チップ41〜44のうち全部をストップランプ機能に使用して、中の2個の発光チップ43、44をテールランプ機能に使用するものである。ところが、この発明においては、4個の発光チップ41〜44のうち全部をストップランプ機能に使用して、外の2個の発光チップ41、42をテールランプ機能に使用しても良い。
【0101】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、ソケット部11にコネクタ部13を一体に設けたものである。ところが、この発明においては、ソケット部11にコネクタ部13を一体に設けなくても良い。この場合においては、ソケット部11と別個に光源側のコネクタを設け、この光源側のコネクタをハーネスを介して光源ユニット1の給電部材(実施例1の給電部材91〜93参照)に電気的に接続するものである。この光源側のコネクタに電源側のコネクタ14を取り付けることにより、光源部10に電気が供給され、また、光源側のコネクタから電源側のコネクタ14を取り外すことにより、光源部10への電気供給が遮断される。
【符号の説明】
【0102】
1 光源ユニット
10 光源部
11 ソケット部
12 カバー部
13 コネクタ部
14 コネクタ
144、145、146 ハーネス
17 接続部材
170 本体部
171 光源接続部(嵌合突起)
172 ソケット接続部
173 隙間(挿入孔)
174 ガイド
175 溶接部分
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 リフレクタ
104 透孔
105 灯室
106 透孔
107 反射面
108 パッキン
3 基板
30 高反射面
31、32、33 挿通孔
34 取付面
35 当接面
36 熱伝導性媒体
37 嵌合孔
38 導電性接着剤
39 傾斜面
41、42、43、44 発光チップ
6 配線(配線素子)
7 絶縁部材
70 取付部
71 鍔部
72 凸部
73 凹部
8 放熱部材
80 当接面
81、82、83 切欠
91、92、93 給電部材
911 傾斜面
F 焦点
O 中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットにおいて、
光源部と、前記光源部が取り付けられているソケット部と、前記光源部と前記ソケット部とを電気的に接続する接続部材と、を備え、
前記光源部は、基板と、前記基板に実装されている半導体型光源の発光チップと、前記基板に設けられていて前記発光チップに給電する配線素子と、を備え、
前記ソケット部は、前記車両用灯具に取り付けるための取付部が設けられている絶縁部材と、前記光源部で発生する熱を外部に放射させる放熱部材と、前記光源部に給電する給電部材と、を備え、前記放熱部材と前記給電部材とは、前記絶縁部材に相互に絶縁状態で組み込まれていて、
前記接続部材は、前記光源部の前記配線素子に電気的にかつ機械的に接続されている光源接続部と、前記ソケット部の前記給電部材に電気的にかつ機械的に接続されているソケット接続部と、を備える、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項2】
前記ソケット接続部には、前記給電部材が挿入する挿入孔と、前記給電部材が前記挿入孔に挿入するのをガイドするガイドと、がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項3】
前記ソケット接続部と前記給電部材との電気的かつ機械的接続は、加締め付け、弾性当接、溶接、のうち少なくとも1つの接続手段からなる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項4】
前記光源接続部と前記基板とには、相互に位置決めして嵌合する嵌合突起と嵌合孔とが設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項5】
前記光源接続部と前記配線素子との電気的かつ機械的接続は、導電性接着剤からなる、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項6】
前記基板と前記放熱部材との間には、熱伝導性媒体が塗布されていて、前記熱伝導性媒体は、前記ソケット接続部と前記給電部材とを電気的にかつ機械的に接続する際に、前記基板を前記放熱部材側に加圧する加圧下において取り付け固定する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項7】
前記基板には、前記給電部材が挿通する挿通孔が設けられていて、
前記基板の前記挿通孔の内周面と前記給電部材の挿通端部の外周面とには、挿通方向に対して傾斜する傾斜面がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項8】
半導体型光源を光源とする車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている前記請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−253622(P2011−253622A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124621(P2010−124621)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】