車両用灯具ユニット
【課題】個別に点消灯制御される複数の照射領域間に隙間(周囲よりも暗い部分)ができるのを防止又は低減することが可能な車両用灯具ユニットを提供する。
【解決手段】車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、前記投影レンズの後側焦点面よりも後方側に配置された光源ユニットと、を備えた車両用灯具ユニットにおいて、前記光源ユニットは、内周面に反射面が形成された複数の筒部と、前記筒部の一端である入射口から当該筒部内に入射し前記反射面で反射されて前記筒部の他端である出射口から出射する光を発光する複数の半導体発光素子と、を備えており、前記複数の筒部の出射口は、前記投影レンズの後側焦点面より後方側において、略水平方向に隣接配置されており、前記複数の筒部の出射口のうち互いに隣接する出射口は、同一の縦エッジを含んで構成されるとともに当該同一の縦エッジで仕切られており、前記複数の筒部はそれぞれ、前記出射口から前記入射口に向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成されていることを特徴とする。
【解決手段】車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、前記投影レンズの後側焦点面よりも後方側に配置された光源ユニットと、を備えた車両用灯具ユニットにおいて、前記光源ユニットは、内周面に反射面が形成された複数の筒部と、前記筒部の一端である入射口から当該筒部内に入射し前記反射面で反射されて前記筒部の他端である出射口から出射する光を発光する複数の半導体発光素子と、を備えており、前記複数の筒部の出射口は、前記投影レンズの後側焦点面より後方側において、略水平方向に隣接配置されており、前記複数の筒部の出射口のうち互いに隣接する出射口は、同一の縦エッジを含んで構成されるとともに当該同一の縦エッジで仕切られており、前記複数の筒部はそれぞれ、前記出射口から前記入射口に向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具ユニットに係り、特に個別に点消灯制御される複数の照射領域間に隙間(周囲よりも暗い部分)ができるのを防止又は低減することが可能な車両用灯具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個別に点消灯制御される複数の照射領域を含む配光パターンを形成する車両用灯具ユニットが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図14に示すように、特許文献1に記載の車両用灯具ユニット200は、内周面211に鏡面処理が施された複数の筒状部材210と、リフレクタ220を介して筒状部材210の一端212から筒状部材210内に入射し鏡面処理が施された内周面211で反射されて筒状部材210の他端213(出射口)から出射する光を発光する複数の発光素子230等を備えている。複数の筒状部材210の出射口213は、投影レンズ240の後側焦点面近傍に配置されている。
【0004】
上記構成の特許文献1に記載の車両用灯具ユニット200においては、発光素子230からの光は、リフレクタ220を介して対応する筒状部材210の一端212から筒状部材210内に入射し鏡面処理が施された内周面211で反射されて出射口213から出射し、出射口213に均一(又は特定)の光度分布を形成する。出射口213(すなわち、出射口213に形成される光度分布)は、投影レンズ240の作用により前方に反転投影され、個別に点消灯制御される複数の照射領域を含む配光パターンを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−070679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記構成の車両用灯具ユニット200においては、複数の出射口213のうち互いに隣接する出射口213の間に肉厚部分Bが存在するため、この肉厚部分Bが前方に投影され、個別に点消灯制御される複数の照射領域間に隙間(周囲よりも暗い部分)ができてしまう、という問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、個別に点消灯制御される複数の照射領域間に隙間(周囲よりも暗い部分)ができるのを防止又は低減することが可能な車両用灯具ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、前記投影レンズの後側焦点面よりも後方側に配置された光源ユニットと、を備えた車両用灯具ユニットにおいて、前記光源ユニットは、内周面に反射面が形成された複数の筒部と、前記筒部の一端である入射口から当該筒部内に入射し前記反射面で反射されて前記筒部の他端である出射口から出射する光を発光する複数の半導体発光素子と、を備えており、前記複数の筒部の出射口は、前記投影レンズの後側焦点面より後方側において、略水平方向に隣接配置されており、前記複数の筒部の出射口のうち互いに隣接する出射口は、同一の縦エッジを含んで構成されるとともに当該同一の縦エッジで仕切られており、前記複数の筒部はそれぞれ、前記出射口から前記入射口に向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、複数の筒部の出射口は、投影レンズの後側焦点面より後方側において、略水平方向に隣接配置されている。従って、複数の筒部の出射口のうち互いに隣接する出射口から出射する光は投影レンズの後側焦点面上で部分的に重なり合う。これにより、投影レンズの後側焦点面上に、重なり部分と非重なり部分とが水平方向に交互に連続する照度分布が形成される。
【0010】
この投影レンズの後側焦点面上に形成される照度分布は、投影レンズの作用により前方へ反転投影される。
【0011】
これにより、重なり部分と非重なり部分とが水平方向に交互に連続し、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域を含む配光パターンが形成される。
【0012】
このように、複数の照射領域のうち互いに隣接する領域が水平方向に重なり合うため(重なり部分が縦エッジをカバーするため)、投影レンズの後側焦点面上に形成される照度分布の反転投影像である複数の照射領域間に縦エッジに起因する隙間(周囲よりも暗い部分)や光筋ができるのを抑え、輝度ムラ(又は配光ムラ)を調整し緩和することが可能となる。
【0013】
また、請求項1に記載の発明によれば、複数の筒部の出射口を投影レンズの後側焦点面より後方側において、略水平方向に隣接配置することで、各半導体発光素子の配光パターン(照射領域)の水平方向の角度を自由に調整することが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数の筒部を含む導光部材をさらに備えており、前記複数の半導体発光素子は、発光面が車両前方を向いた姿勢で、水平方向に一列に配置されており、前記導光部材は、前記複数の半導体発光素子からの光が前記複数の筒部の入射口から前記複数の筒部内に入射するように、前記複数の半導体発光素子の前方に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、複数の半導体発光素子は発光面が車両前方を向いた姿勢で、水平方向に一列に配置されているため、複数の半導体発光素子が光軸方向に分散配置されている従来と比べ、光軸方向寸法が短い小型の車両用灯具ユニットを構成することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、個別に点消灯制御される複数の照射領域間に隙間(周囲よりも暗い部分)ができるのを防止又は低減することが可能な車両用灯具ユニットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】車両用灯具ユニット10を含む車両用前照灯の水平断面図である。
【図2】車両用灯具ユニット10の斜視図である。
【図3】車両用灯具ユニット10の分解斜視図である。
【図4】(a)車両用灯具ユニット10の上面図、(b)正面図、(c)側面図である。
【図5】(a)図5(b)に示した光源ユニット30のA−A断面図、(b)正面図、(c)図5(b)に示した光源ユニット30のB−B断面図である。
【図6】半導体発光素子33aからの光と投影レンズ20との関係を説明するための図である。
【図7】(a)筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光のうち光軸AXに対し広角方向の光Ray2が一回反射で出射口31(出射口31c1〜31c9)から出射する様子を模式的に表した縦断面図、(b)図7(a)中の円内を拡大した図である。
【図8】筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光のうち光軸AXに対し広角方向の光Ray2が一回反射で出射口31(出射口31c1〜31c9)から出射する様子を模式的に表した横断面図である。
【図9】(a)出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って略水平方向に一列に隣接配置した例、(b)出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置した例である。
【図10】(a)出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って略水平方向に一列に隣接配置した場合に形成される配光パターンPaの模式図、(b)出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置した場合に形成される配光パターンP1の模式図である。
【図11】(a)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(全半導体発光素子33a点灯)、(b)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(遠方の先行車V1をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯)、(c)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(近くの先行車V1をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯)である。
【図12】(a)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(遠方の対向車V2をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯)、(b)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(遠方の対向車V2をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯)、(c)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(近くの対向車V2をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯)である。
【図13】導光部材32の変形例を説明するための図である。
【図14】従来の個別に点消灯制御される複数の照射領域を含む配光パターンを形成する車両用灯具ユニットの構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態である車両用灯具ユニットについて、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は車両用灯具ユニット10を含む車両用前照灯の水平断面図である。
【0020】
図1に示すように、車両用灯具ユニット10は、ハウジング61と透光カバー62とを組み合わせて構成される灯室60内に、すれ違いビーム専用の灯具ユニット70とともに配置されている。各灯具ユニット10、70は、自動車等の車両の前面の左右両側に配置されて車両用前照灯を構成している。各灯具ユニット10、70には、その光軸調整が可能なように公知のエイミング機構(図示せず)が連結されている。
【0021】
図2は車両用灯具ユニット10の斜視図、図3は分解斜視図、図4(a)は上面図、図4(b)は正面図、図4(c)は側面図である。
【0022】
図2〜図4に示すように、車両用灯具ユニット10は、いわゆるダイレクトプロジェクション型(直射型)の灯具ユニットであり、車両前後方向に延びる光軸AX上に配置された投影レンズ20、投影レンズ20の後側焦点面よりも後方側に配置された光源ユニット30等を備えている。
【0023】
投影レンズ20は、非球面レンズであり、ヒートシンク50前面にネジ止め固定されたレンズ保持枠40に保持されて、車両前後方向に延びる光軸AX上に配置されている。
【0024】
図5(a)は図5(b)に示した光源ユニット30のA−A断面図、図5(b)は光源ユニット30の正面図、図5(c)は図5(b)に示した光源ユニット30のB−B断面図である。
【0025】
図5(a)〜図5(c)に示すように、光源ユニット30は、内周面に反射面31aが形成された複数の筒部31を含む導光部材32と、筒部31の一端である入射口31bから筒部31内に入射し反射面31aで反射されて筒部31の他端である出射口31c(31c1〜31c9)から出射する光を発光する複数の半導体発光素子33aが実装された基板33と、を備えている。
【0026】
半導体発光素子33aは、例えば、青色LED素子(例えば、0.7mm角の発光面を有する青色LED素子×9)と黄色蛍光体(例えば、YAG蛍光体)とを組み合わせた構造の白色LEDである。
【0027】
半導体発光素子33aは、その発光面を前方(投影レンズ20)に向けた状態でヒートシンク50前面にネジ止め固定された基板33上に配置されている(図5(b)参照)。半導体発光素子33aは、その一辺を光軸AXに直交する水平線に沿わせて所定間隔で一列にかつ光軸AXに対して略対称に配置されている。
【0028】
半導体発光素子33aはこれに接続された制御装置(図示せず)からの制御に従い個別に点消灯制御される。半導体発光素子33aから発生する熱量はヒートシンク50の作用により放熱される。なお、半導体発光素子33aは9つに限られず、8つ以下又は10以上であってもよい。
【0029】
なお、半導体発光素子33aは、発光色が法規で規定されたCIE色度図上の白色範囲を満たす光源であればよく、青色LED素子と黄色蛍光体とを組み合わせた構造の白色LEDに限定されない。例えば、半導体発光素子33aは、青色LED素子と緑及び赤色蛍光体とを組み合わせた構造の白色LEDであってもよいし、赤色LED素子、緑色LED素子と青色LED素子とを組み合わせた構造の白色LEDであってもよいし、紫外若しくは近紫外LED素子とRGB蛍光体とを組み合わせた構造の白色LEDであってもよい。これらの構造の白色LEDであっても、蛍光体の濃度等を調整することで、発光色が法規で規定されたCIE色度図上の白色範囲を満たすことが可能である。また、半導体発光素子33aは、例えば、半導体レーザーと蛍光体とを組み合わせた構造の白色光源であってもよい。
【0030】
図6は、半導体発光素子33aからの光と投影レンズ20との関係を説明するための図である。
【0031】
図6に示すように、半導体発光素子33aから放射される光には、光軸AXに対し狭角方向の光Ray1だけでなく、光軸AXに対し広角方向の光Ray2がある。光軸AXに対し広角方向の光Ray2をも投影レンズ20に入射させるために、半導体発光素子33aの前方には、光軸AXに対し広角方向の光Ray2を制御する導光部材32が配置されている(図5(a)、図5(c)等参照)。
【0032】
図5(a)〜図5(c)に示すように、導光部材32は、光軸AX上に配置された前面32a及び後面32b、前面32aに形成された複数の出射口31c(31c1〜31c9)と後面32bに形成された複数の入射口31bとを連通する筒部31(筒状の開口)、並びに、筒部31の内周面に鏡面処理(例えばアルミ蒸着)を施すことで形成された反射面31a等を含んでいる。導光部材32は、例えば、耐熱性を有するプラスチック材料を射出成形することで一体的に成形されている。
【0033】
図7(a)は筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光のうち光軸AXに対し広角方向の光Ray2が一回反射で出射口31c1〜31c9から出射する様子を模式的に表した縦断面図、図7(b)は図7(a)中の円内を拡大した図である。図8は、筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光のうち光軸AXに対し広角方向の光Ray2が一回反射で出射口31(出射口31c1〜31c9)から出射する様子を模式的に表した横断面図である。
【0034】
図7(a)、図7(b)、図8に示すように、筒部31(反射面31a)は、筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光Ray2が一回反射で出射口31c(31c1〜31c9)から出射するように、出射口31c(31c1〜31c9)から入射口31bに向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成されている。従って、筒部31の出射口31c(31c1〜31c9)のうち互いに隣接する出射口31c(例えば出射口31c1と出射口31c2)を仕切る縦エッジEは、その幅をほとんど無視することができるエッジとなる(図5(a)、図5(b)参照)。
【0035】
この筒部31(反射面31a)の作用により、光軸AXに対し狭角方向の光Ray1だけでなく、光軸AXに対し広角方向の光Ray2をも投影レンズ20に入射させることが可能となる(光利用効率の向上。図7(a)、図7(b)、図8参照)。
【0036】
なお、筒部31は、出射口31c(出射口31c1〜31c9)から入射口31bに向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成され、かつ、互いに隣接する出射口(例えば出射口31c1と出射口31c2)が同一の縦エッジE(その幅をほとんど無視することができる縦エッジ。略鉛直方向に延びている)を含んで構成されるとともに当該同一の縦エッジEで仕切られていれば、その具体的な形状や拡がり度合等は限定されない。
【0037】
図5(a)〜図5(c)に示すように、入射口31bは、半導体発光素子33aよりひとまわり大きな寸法(例えば、左右幅:1mm、上下幅:1.5mmの矩形)で、半導体発光素子33aの前方近傍に配置されている。入射口31bの中心と半導体発光素子33a(の発光面)の中心とは略一致している。従って、半導体発光素子33aからの光Ray1、Ray2は、入射口31bから筒部31内に入射する。入射口31bは、水平方向に一列にかつ光軸AXに対して略対称に配置されている。入射口31b(導光部材32の後面32b)は、投影レンズ20の後方側焦点Fより2.0mm程度後方に配置されている。
【0038】
図5(a)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)は、略矩形で、投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列にかつ光軸AXに対して略対称に隣接配置されている。出射口31c(31c1〜31c9)のうち互いに隣接する出射口31c(例えば出射口31c1と出射口31c2)は、縦エッジEで仕切られている。
【0039】
図5(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)の上端縁は正面視で水平方向に延びている。一方、出射口31c(出射口31c1〜31c9)の下端縁は正面視で上に凸の円弧状に延びている。このように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)は、光軸AXから離れるにつれ徐々に水平方向及び鉛直方向のサイズが大きくなるように設定されている(例えば、上下幅:3mm〜6mm、出射口31c2〜31c8の左右幅:2mm、出射口31c1、31c9の左右幅:4.5mm)。これにより、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に、遠方で高さ及び幅が小さく、近辺になるにつれ高さ及び幅が大きくなる照射領域A1〜A9を形成することが可能となる(図11(a)参照)。従って、遠方を高い光束密度で照射し、近辺を広範囲に照射することが可能となる。なお、出射口31c(出射口31c1〜31c9)は、上下方向の中心が光軸AXを含む水平面に対し若干下方(1mm程度)に位置するように配置されている。
【0040】
次に、出射口31c(出射口31c1〜31c9)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側に配置した理由について、出射口31c(出射口31c1〜31c9)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って略水平方向に一列に隣接配置した例と対比して説明する。
【0041】
図9(a)は、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って略水平方向に一列に隣接配置した例である。図10(a)は、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って略水平方向に一列に隣接配置した場合に形成される配光パターンPaの模式図である。
【0042】
図9(a)に示すように、投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って配置された出射口31c(出射口31c1〜31c9)に形成される照度分布は、投影レンズ20の作用により前方に反転投影され、図10(a)に示すように、水平方向に隣接配置され個別に照度が制御される複数の照射領域a1〜a9を含む配光パターンPaを形成する。
【0043】
出射口31c(31c1〜31c9)のうち互いに隣接する出射口31(例えば出射口31c1と出射口31c2)は、縦エッジEで仕切られているが、この縦エッジEは、その幅をほとんど無視することができるエッジである。従って、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)が投影レンズ20の後側焦点面Fsに所定の精度で沿っている限り、出射口31c(出射口31c1〜31c9)に形成される照度分布の反転投影像である複数の照射領域a1〜a9は、水平方向に隙間無く密に隣接配置される(図10(a)参照)。
【0044】
しかしながら、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに所定の精度で沿わせるのは難しく、例えば、投影レンズ20の製造誤差や組み付け誤差により、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)が投影レンズ20の後側焦点面Fsに対してずれてしまうことがある。その結果、出射口31c(出射口31c1〜31c9)に形成される照度分布の反転投影像である複数の照射領域a1〜a9間に縦エッジEに起因する隙間(周囲よりも暗い部分)や光筋ができてしまうという問題がある。
【0045】
この問題は、図9(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側に配置することで解決される。
【0046】
図9(b)は、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置した例である。図10(b)は、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置した場合に形成される配光パターンP1の模式図である。
【0047】
図9(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置することで、出射口31c(出射口31c1〜31c9)のうち互いに隣接する出射口31c(例えば出射口31c8と出射口31c9)から出射する光は投影レンズ20の後側焦点面Fs上で部分的に重なり合う(図9(b)中符号b参照)。これにより、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に、重なり部分bと非重なり部分cとが水平方向に交互に連続する照度分布が形成される。
【0048】
この投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布は、投影レンズ20の作用により前方へ反転投影される。
【0049】
これにより、図10(b)、図11に示すように、重なり部分Bと非重なり部分Cとが水平方向に交互に連続し、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域A1〜A9を含む配光パターンP1が形成される。このように、複数の照射領域A1〜A9のうち互いに隣接する領域(例えば照射領域A1とA2)は水平方向に重なり合う(重なり部分bが縦エッジEをカバーする(図9(b)参照))。
【0050】
従って、投影レンズ20の製造誤差や組み付け誤差により、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)が投影レンズ20の後側焦点面Fsに対してずれたとしても、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布の反転投影像である複数の照射領域A1〜A9間に縦エッジEに起因する隙間(周囲よりも暗い部分)や光筋ができるのを抑え、輝度ムラ(又は配光ムラ)を調整し緩和することが可能となる。
【0051】
また、上記のように出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置することで(図9(b)参照)、各半導体発光素子33aの配光パターン(照射領域A1〜A9)の水平方向の角度を自由に調整することが可能となる。例えば、筒部31(反射面31a)の形状を調整することで、図9(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)のうち両端に近い出射口31c(例えば出射口31c1、31c9)から出射する光ほど内側にきつい角度で出射するように調整することが可能となる。このようにすれば、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域(例えば照射領域A2〜A8)の水平方向サイズをより細くし、なおかつ、複数の照射領域(例えば照射領域A2〜A8)を光軸AX寄りに密に配置することが可能となる(図11(a)参照)。
【0052】
このようにサイズを細くし密に配置する利点は次の通りである。
【0053】
すなわち、車両前方の遠方に存在する車両(先行車又は対向車)は、車両前方の近くに存在する車両(先行車又は対向車)と比べ、見かけ上の大きさが小さく見かけ上の速度が遅い。従って、上記のように複数の照射領域(例えば照射領域A2〜A8)の水平方向サイズをより細くし、なおかつ、複数の照射領域(例えば照射領域A2〜A8)を光軸AX寄りに密に配置することで、見かけ上の大きさが小さく見かけ上の速度が遅い車両前方の遠方に存在する車両(先行車又は対向車)の位置に応じて、各照射領域(例えば照射領域A2〜A8)を細かく点消灯制御することが可能となる。
【0054】
なお、出射口31c1〜31c9は、矩形に限られず、平行四辺形、台形その各種の形状であってもよい。
【0055】
上記構成の導光部材32は、入射口31bを半導体発光素子33aの前方近傍に位置させた状態で、ヒートシンク50前面にネジ止め固定されている(図3等参照)。
【0056】
次に、上記構成の車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1について説明する。
【0057】
半導体発光素子33aからの光のうち光軸AXに対し狭角方向の光Ray1は、入射口31bから筒部31内に入射し反射面31aで反射されることなく出射口31c(出射口31c1〜31c9)から出射し、投影レンズ20に直接入射する。一方、光軸AXに対し広角方向の光Ray2は、入射口31bから筒部31内に入射し反射面31aで一回反射されて出射口31c(出射口31c1〜31c9)から出射し、投影レンズ20に入射する(図7(a)、図7(b)、図8参照)。これら直接光Ray1及び一回反射光Ray2は、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に、重なり部分bと非重なり部分cとが水平方向に交互に連続する照度分布を形成する(図9(b)参照)。
【0058】
この投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布は、投影レンズ20の作用により前方へ反転投影される。
【0059】
これにより、図10(b)、図11(a)に示すように、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に、重なり部分Bと非重なり部分Cとが水平方向に交互に連続し、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域A1〜A9を含む配光パターンP1が形成される。なお、仮想鉛直スクリーン上においては、投影レンズ20の後側焦点面上の1mm四方の大きさの像が、1°四方程度の大きさの像として形成される。
【0060】
照射領域A1〜A9は、水平方向に関し次のように形成される。すなわち、出射口31c2〜31c8は、上下幅:3mm、左右幅:2mmの矩形形状を有しており、その中心が光軸AXを含む鉛直面上に位置するように配置されているため、これら出射口31c2〜31c8に対応する照射領域A2〜A8は、中心がV−V線上に位置し、上下幅:3°、左右幅2°程度の略矩形領域として形成される。
【0061】
そして、出射口31c1、31c9は、上下幅:3mm、左右幅4.5mmの矩形形状を有しており、出射口31c2〜31c8の外側に配置されているため、これら出射口31c1、31c9に対応する照射領域A1、A9は、照射領域A2〜A8の外側に上下幅:3°、左右幅:4.5°程度の略矩形領域として形成される。
【0062】
次に、すれ違いビーム専用の灯具ユニット70により形成されるロービーム用配光パターンP2について説明する。
【0063】
図11(a)に示すように、ロービーム用配光パターンP2は、その上端縁に左右段違いのカットオフラインを有している。
【0064】
このカットオフラインは、灯具正面方向の消点であるH−Vを通る鉛直線であるV−V線を境にして左右段違いで水平方向に延びており、V−V線よりも右側が、対向車線側カットオフラインCLRとして水平方向に延びるようにして形成されるとともに、V−V線より左側が、自車線側カットオフラインCLLとして対向車線側カットオフラインCLRよりも段上がりで水平方向に延びるようにして形成されている。そして、この自車線側カットオフラインCLLにおけるV−V線寄りの端部は、斜めカットオフラインCLSとして形成されている。この斜めカットオフラインCLSは、対向車線側カットオフラインCLRとV−V線との交点から左斜め上方へ15°の傾斜角で延びている。
【0065】
このロービーム用配光パターンP2においては、対向車線側カットオフラインCLRとV−V線との交点であるエルボ点Eは、H−Vの0.5〜0.6°程度下方に位置しており、このエルボ点Eをやや左寄りに囲むようにして高光度領域であるホットゾーンが形成されている。
【0066】
以上の配光パターンP1、P2は重畳されて図11(a)に示す合成配光パターンを形成する。
【0067】
次に、複数の照射領域A1〜A9(半導体発光素子33a)を個別に点消灯制御する例について説明する。
【0068】
以下の説明では、各半導体発光素子33a及び先行車や対向車の検出手段が、制御装置(図示せず)に電気的に接続されているものとする。
【0069】
図11(a)は、全半導体発光素子33aが点灯している場合の配光パターンP1の例である。車両前方の遠方に先行車V1(又は対向車V2)が検出されない場合、制御装置は、全半導体発光素子33aを点灯する。
【0070】
次に、図11(b)に示すように、車両前方の遠方に先行車V1が検出された場合(又は、図12(a)、図12(b)に示すように、車両前方の対向車線の遠方に対向車V2が検出された場合)、制御装置は、複数の照射領域A1〜A9のうち遠方に存在する先行車V1(又は対向車V2)をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯(又は減光)する。これにより、当該遠方に存在する先行車V1(又は対向車V2)に対するグレアを防止することが可能となる。これとともに、車両前方路面の視認性を向上させることが可能となる。
【0071】
一方、図11(c)に示すように、先行車V1がある程度自車に近づいた場合(又は、図12(c)に示すように、対向車V2がある程度自車に近づいた場合)、すなわち、近辺に先行車V1(又は対向車V2)が検出された場合、制御装置は、複数の照射領域A1〜A9のうち近辺に存在する先行車V1(又は対向車V2)をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯(又は減光)する。これにより、当該近辺に存在する先行車V1(又は対向車V2)に対するグレアを防止することが可能となる。これとともに、車両前方路面の視認性を向上させることが可能となる。
【0072】
なお、対向車V1又は先行車V2の位置(例えば、仮想鉛直スクリーン上における位置)を検出する手段としては、例えば、車両前方の対向車V1又は先行車V2を含む画像を撮像しその撮像画像に基づいて検出する手段を用いることが可能である。例えば、CCDカメラ等により車両前方を撮像し、その撮像データに基づいて対向車V1(又は先行車V2)の点灯状態にある前照灯(又は尾灯)の位置を高濃度の画素として検出する手段を用いることが可能である。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、図9(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)は、投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置されている。従って、出射口31c(出射口31c1〜31c9)のうち互いに隣接する出射口31c(例えば出射口31c8と出射口31c9)から出射する光は投影レンズ20の後側焦点面Fs上で部分的に重なり合う(図9(b)中符号b参照)。これにより、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に、重なり部分bと非重なり部分cとが水平方向に交互に連続する照度分布が形成される。
【0074】
この投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布は、投影レンズ20の作用により前方へ反転投影される。
【0075】
これにより、図10(b)、図11に示すように、重なり部分Bと非重なり部分Cとが水平方向に交互に連続し、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域A1〜A9を含む配光パターンP1が形成される。
【0076】
このように、複数の照射領域A1〜A9のうち互いに隣接する領域(例えば照射領域A1とA2)は水平方向に重なり合うため(重なり部分bが縦エッジEをカバーするため(図9(b)参照))、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布の反転投影像である複数の照射領域A1〜A9間に縦エッジEに起因する隙間(周囲よりも暗い部分)や光筋ができるのを抑え、輝度ムラ(又は配光ムラ)を調整し緩和することが可能となる。(従来は、個別に点消灯制御される複数の照射領域間の隙間(周囲よりも暗い部分)を埋めるために、当該隙間を照射する別の灯具を追加する必要があった)。
【0077】
また、上記のように出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置することで(図9(b)参照)、各半導体発光素子33aの配光パターン(照射領域A1〜A9)の水平方向の角度を自由に調整することが可能となる。例えば、筒部31(反射面31a)の形状を調整することで、図9(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)のうち両端に近い出射口31c(例えば出射口31c1、31c9)から出射する光ほど内側にきつい角度で出射するように調整することが可能となる。このようにすれば、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域A1〜A9の水平方向サイズをより細くし、なおかつ、複数の照射領域A1〜A9を光軸AX寄りに密に配置することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態によれば、複数の半導体発光素子33aはその発光面が車両前方を向いた姿勢で、水平方向に一列に配置されているため(図3等参照)、複数の半導体発光素子が光軸AX方向に分散配置されている従来と比べ(図14中発光素子230参照)、光軸AX方向寸法が短い小型の車両用灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0079】
また、本実施形態によれば、図7(a)、図7(b)、図8に示すように、筒部31(反射面31a)は、筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光Ray2が一回反射で出射口31c(31c1〜31c9)から出射するように、出射口31c(31c1〜31c9)から入射口31bに向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成されている。この筒部31(反射面31a)の作用により、光軸AXに対し狭角方向の光Ray1だけでなく、光軸AXに対し広角方向の光Ray2をも投影レンズ20に入射させることが可能となる(光利用効率の向上)。
【0080】
また、本実施形態によれば、リフレクタを用いない構成であるため、リフレクタを用いる従来と比べ(図14中リフレクタ220参照)、より少ない部品点数で車両用灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0081】
また、本実施形態によれば、複数の半導体発光素子33aが同一の基板33に実装されているため(すなわち、複数の半導体発光素子33aが1ユニット化されているため)、複数の発光素子が同一の基板に実装されることなく光軸AX方向に分散配置されている従来と比べ(図14中発光素子230参照)、複数の半導体発光素子33aの組み付けを極めて容易に行うことが可能となる。また、複数の半導体発光素子33aの複数の筒部31に対する位置決めを極めて精度良く行うことが可能となる。
【0082】
また、本実施形態によれば、複数の半導体発光素子33a自体ではなく、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布を前方へ反転投影する構成であるため、複数の半導体発光素子33aの像自体を反転投影する構成と比べ、複数の半導体発光素子33aの配置間隔を広くすることが可能となる。これにより、半導体発光素子33aの発光に伴って発生する熱の影響を緩和することが可能となる。
【0083】
次に、変形例について説明する。
【0084】
上記実施形態では、出射口31c(出射口31c1〜31c9)の下端縁は正面視で上に凸の円弧状に延びているように説明したが(図5(b)参照)、本発明はこれに限定されない。
【0085】
例えば、図13に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)の下端縁は正面視で水平方向に直線状に延びていてもよい。
【0086】
なお、車両の前面の左右両側に配置された車両用灯具ユニット10それぞれの照射領域A1〜A9が部分的に重なるように照準調整することで(例えば1°分左右にずらすことで)、より多くの領域を点消灯制御することが可能となる(例えば、中心付近を1°刻みで点消灯制御することが可能となる)。
【0087】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0088】
10…車両用灯具ユニット、20…投影レンズ、30…光源ユニット、31…筒部、3
1a…反射面、31b…入射口、31c1-31c9…出射口、32…遮光部材、33…
基板、33a…半導体発光素子、40…レンズ保持枠、50…ヒートシンク、60…灯室、61…ハウジング、62…透光カバー、70…灯具ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具ユニットに係り、特に個別に点消灯制御される複数の照射領域間に隙間(周囲よりも暗い部分)ができるのを防止又は低減することが可能な車両用灯具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個別に点消灯制御される複数の照射領域を含む配光パターンを形成する車両用灯具ユニットが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図14に示すように、特許文献1に記載の車両用灯具ユニット200は、内周面211に鏡面処理が施された複数の筒状部材210と、リフレクタ220を介して筒状部材210の一端212から筒状部材210内に入射し鏡面処理が施された内周面211で反射されて筒状部材210の他端213(出射口)から出射する光を発光する複数の発光素子230等を備えている。複数の筒状部材210の出射口213は、投影レンズ240の後側焦点面近傍に配置されている。
【0004】
上記構成の特許文献1に記載の車両用灯具ユニット200においては、発光素子230からの光は、リフレクタ220を介して対応する筒状部材210の一端212から筒状部材210内に入射し鏡面処理が施された内周面211で反射されて出射口213から出射し、出射口213に均一(又は特定)の光度分布を形成する。出射口213(すなわち、出射口213に形成される光度分布)は、投影レンズ240の作用により前方に反転投影され、個別に点消灯制御される複数の照射領域を含む配光パターンを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−070679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記構成の車両用灯具ユニット200においては、複数の出射口213のうち互いに隣接する出射口213の間に肉厚部分Bが存在するため、この肉厚部分Bが前方に投影され、個別に点消灯制御される複数の照射領域間に隙間(周囲よりも暗い部分)ができてしまう、という問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、個別に点消灯制御される複数の照射領域間に隙間(周囲よりも暗い部分)ができるのを防止又は低減することが可能な車両用灯具ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、前記投影レンズの後側焦点面よりも後方側に配置された光源ユニットと、を備えた車両用灯具ユニットにおいて、前記光源ユニットは、内周面に反射面が形成された複数の筒部と、前記筒部の一端である入射口から当該筒部内に入射し前記反射面で反射されて前記筒部の他端である出射口から出射する光を発光する複数の半導体発光素子と、を備えており、前記複数の筒部の出射口は、前記投影レンズの後側焦点面より後方側において、略水平方向に隣接配置されており、前記複数の筒部の出射口のうち互いに隣接する出射口は、同一の縦エッジを含んで構成されるとともに当該同一の縦エッジで仕切られており、前記複数の筒部はそれぞれ、前記出射口から前記入射口に向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、複数の筒部の出射口は、投影レンズの後側焦点面より後方側において、略水平方向に隣接配置されている。従って、複数の筒部の出射口のうち互いに隣接する出射口から出射する光は投影レンズの後側焦点面上で部分的に重なり合う。これにより、投影レンズの後側焦点面上に、重なり部分と非重なり部分とが水平方向に交互に連続する照度分布が形成される。
【0010】
この投影レンズの後側焦点面上に形成される照度分布は、投影レンズの作用により前方へ反転投影される。
【0011】
これにより、重なり部分と非重なり部分とが水平方向に交互に連続し、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域を含む配光パターンが形成される。
【0012】
このように、複数の照射領域のうち互いに隣接する領域が水平方向に重なり合うため(重なり部分が縦エッジをカバーするため)、投影レンズの後側焦点面上に形成される照度分布の反転投影像である複数の照射領域間に縦エッジに起因する隙間(周囲よりも暗い部分)や光筋ができるのを抑え、輝度ムラ(又は配光ムラ)を調整し緩和することが可能となる。
【0013】
また、請求項1に記載の発明によれば、複数の筒部の出射口を投影レンズの後側焦点面より後方側において、略水平方向に隣接配置することで、各半導体発光素子の配光パターン(照射領域)の水平方向の角度を自由に調整することが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数の筒部を含む導光部材をさらに備えており、前記複数の半導体発光素子は、発光面が車両前方を向いた姿勢で、水平方向に一列に配置されており、前記導光部材は、前記複数の半導体発光素子からの光が前記複数の筒部の入射口から前記複数の筒部内に入射するように、前記複数の半導体発光素子の前方に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、複数の半導体発光素子は発光面が車両前方を向いた姿勢で、水平方向に一列に配置されているため、複数の半導体発光素子が光軸方向に分散配置されている従来と比べ、光軸方向寸法が短い小型の車両用灯具ユニットを構成することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、個別に点消灯制御される複数の照射領域間に隙間(周囲よりも暗い部分)ができるのを防止又は低減することが可能な車両用灯具ユニットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】車両用灯具ユニット10を含む車両用前照灯の水平断面図である。
【図2】車両用灯具ユニット10の斜視図である。
【図3】車両用灯具ユニット10の分解斜視図である。
【図4】(a)車両用灯具ユニット10の上面図、(b)正面図、(c)側面図である。
【図5】(a)図5(b)に示した光源ユニット30のA−A断面図、(b)正面図、(c)図5(b)に示した光源ユニット30のB−B断面図である。
【図6】半導体発光素子33aからの光と投影レンズ20との関係を説明するための図である。
【図7】(a)筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光のうち光軸AXに対し広角方向の光Ray2が一回反射で出射口31(出射口31c1〜31c9)から出射する様子を模式的に表した縦断面図、(b)図7(a)中の円内を拡大した図である。
【図8】筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光のうち光軸AXに対し広角方向の光Ray2が一回反射で出射口31(出射口31c1〜31c9)から出射する様子を模式的に表した横断面図である。
【図9】(a)出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って略水平方向に一列に隣接配置した例、(b)出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置した例である。
【図10】(a)出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って略水平方向に一列に隣接配置した場合に形成される配光パターンPaの模式図、(b)出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置した場合に形成される配光パターンP1の模式図である。
【図11】(a)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(全半導体発光素子33a点灯)、(b)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(遠方の先行車V1をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯)、(c)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(近くの先行車V1をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯)である。
【図12】(a)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(遠方の対向車V2をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯)、(b)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(遠方の対向車V2をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯)、(c)車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1の例(近くの対向車V2をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯)である。
【図13】導光部材32の変形例を説明するための図である。
【図14】従来の個別に点消灯制御される複数の照射領域を含む配光パターンを形成する車両用灯具ユニットの構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態である車両用灯具ユニットについて、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は車両用灯具ユニット10を含む車両用前照灯の水平断面図である。
【0020】
図1に示すように、車両用灯具ユニット10は、ハウジング61と透光カバー62とを組み合わせて構成される灯室60内に、すれ違いビーム専用の灯具ユニット70とともに配置されている。各灯具ユニット10、70は、自動車等の車両の前面の左右両側に配置されて車両用前照灯を構成している。各灯具ユニット10、70には、その光軸調整が可能なように公知のエイミング機構(図示せず)が連結されている。
【0021】
図2は車両用灯具ユニット10の斜視図、図3は分解斜視図、図4(a)は上面図、図4(b)は正面図、図4(c)は側面図である。
【0022】
図2〜図4に示すように、車両用灯具ユニット10は、いわゆるダイレクトプロジェクション型(直射型)の灯具ユニットであり、車両前後方向に延びる光軸AX上に配置された投影レンズ20、投影レンズ20の後側焦点面よりも後方側に配置された光源ユニット30等を備えている。
【0023】
投影レンズ20は、非球面レンズであり、ヒートシンク50前面にネジ止め固定されたレンズ保持枠40に保持されて、車両前後方向に延びる光軸AX上に配置されている。
【0024】
図5(a)は図5(b)に示した光源ユニット30のA−A断面図、図5(b)は光源ユニット30の正面図、図5(c)は図5(b)に示した光源ユニット30のB−B断面図である。
【0025】
図5(a)〜図5(c)に示すように、光源ユニット30は、内周面に反射面31aが形成された複数の筒部31を含む導光部材32と、筒部31の一端である入射口31bから筒部31内に入射し反射面31aで反射されて筒部31の他端である出射口31c(31c1〜31c9)から出射する光を発光する複数の半導体発光素子33aが実装された基板33と、を備えている。
【0026】
半導体発光素子33aは、例えば、青色LED素子(例えば、0.7mm角の発光面を有する青色LED素子×9)と黄色蛍光体(例えば、YAG蛍光体)とを組み合わせた構造の白色LEDである。
【0027】
半導体発光素子33aは、その発光面を前方(投影レンズ20)に向けた状態でヒートシンク50前面にネジ止め固定された基板33上に配置されている(図5(b)参照)。半導体発光素子33aは、その一辺を光軸AXに直交する水平線に沿わせて所定間隔で一列にかつ光軸AXに対して略対称に配置されている。
【0028】
半導体発光素子33aはこれに接続された制御装置(図示せず)からの制御に従い個別に点消灯制御される。半導体発光素子33aから発生する熱量はヒートシンク50の作用により放熱される。なお、半導体発光素子33aは9つに限られず、8つ以下又は10以上であってもよい。
【0029】
なお、半導体発光素子33aは、発光色が法規で規定されたCIE色度図上の白色範囲を満たす光源であればよく、青色LED素子と黄色蛍光体とを組み合わせた構造の白色LEDに限定されない。例えば、半導体発光素子33aは、青色LED素子と緑及び赤色蛍光体とを組み合わせた構造の白色LEDであってもよいし、赤色LED素子、緑色LED素子と青色LED素子とを組み合わせた構造の白色LEDであってもよいし、紫外若しくは近紫外LED素子とRGB蛍光体とを組み合わせた構造の白色LEDであってもよい。これらの構造の白色LEDであっても、蛍光体の濃度等を調整することで、発光色が法規で規定されたCIE色度図上の白色範囲を満たすことが可能である。また、半導体発光素子33aは、例えば、半導体レーザーと蛍光体とを組み合わせた構造の白色光源であってもよい。
【0030】
図6は、半導体発光素子33aからの光と投影レンズ20との関係を説明するための図である。
【0031】
図6に示すように、半導体発光素子33aから放射される光には、光軸AXに対し狭角方向の光Ray1だけでなく、光軸AXに対し広角方向の光Ray2がある。光軸AXに対し広角方向の光Ray2をも投影レンズ20に入射させるために、半導体発光素子33aの前方には、光軸AXに対し広角方向の光Ray2を制御する導光部材32が配置されている(図5(a)、図5(c)等参照)。
【0032】
図5(a)〜図5(c)に示すように、導光部材32は、光軸AX上に配置された前面32a及び後面32b、前面32aに形成された複数の出射口31c(31c1〜31c9)と後面32bに形成された複数の入射口31bとを連通する筒部31(筒状の開口)、並びに、筒部31の内周面に鏡面処理(例えばアルミ蒸着)を施すことで形成された反射面31a等を含んでいる。導光部材32は、例えば、耐熱性を有するプラスチック材料を射出成形することで一体的に成形されている。
【0033】
図7(a)は筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光のうち光軸AXに対し広角方向の光Ray2が一回反射で出射口31c1〜31c9から出射する様子を模式的に表した縦断面図、図7(b)は図7(a)中の円内を拡大した図である。図8は、筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光のうち光軸AXに対し広角方向の光Ray2が一回反射で出射口31(出射口31c1〜31c9)から出射する様子を模式的に表した横断面図である。
【0034】
図7(a)、図7(b)、図8に示すように、筒部31(反射面31a)は、筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光Ray2が一回反射で出射口31c(31c1〜31c9)から出射するように、出射口31c(31c1〜31c9)から入射口31bに向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成されている。従って、筒部31の出射口31c(31c1〜31c9)のうち互いに隣接する出射口31c(例えば出射口31c1と出射口31c2)を仕切る縦エッジEは、その幅をほとんど無視することができるエッジとなる(図5(a)、図5(b)参照)。
【0035】
この筒部31(反射面31a)の作用により、光軸AXに対し狭角方向の光Ray1だけでなく、光軸AXに対し広角方向の光Ray2をも投影レンズ20に入射させることが可能となる(光利用効率の向上。図7(a)、図7(b)、図8参照)。
【0036】
なお、筒部31は、出射口31c(出射口31c1〜31c9)から入射口31bに向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成され、かつ、互いに隣接する出射口(例えば出射口31c1と出射口31c2)が同一の縦エッジE(その幅をほとんど無視することができる縦エッジ。略鉛直方向に延びている)を含んで構成されるとともに当該同一の縦エッジEで仕切られていれば、その具体的な形状や拡がり度合等は限定されない。
【0037】
図5(a)〜図5(c)に示すように、入射口31bは、半導体発光素子33aよりひとまわり大きな寸法(例えば、左右幅:1mm、上下幅:1.5mmの矩形)で、半導体発光素子33aの前方近傍に配置されている。入射口31bの中心と半導体発光素子33a(の発光面)の中心とは略一致している。従って、半導体発光素子33aからの光Ray1、Ray2は、入射口31bから筒部31内に入射する。入射口31bは、水平方向に一列にかつ光軸AXに対して略対称に配置されている。入射口31b(導光部材32の後面32b)は、投影レンズ20の後方側焦点Fより2.0mm程度後方に配置されている。
【0038】
図5(a)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)は、略矩形で、投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列にかつ光軸AXに対して略対称に隣接配置されている。出射口31c(31c1〜31c9)のうち互いに隣接する出射口31c(例えば出射口31c1と出射口31c2)は、縦エッジEで仕切られている。
【0039】
図5(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)の上端縁は正面視で水平方向に延びている。一方、出射口31c(出射口31c1〜31c9)の下端縁は正面視で上に凸の円弧状に延びている。このように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)は、光軸AXから離れるにつれ徐々に水平方向及び鉛直方向のサイズが大きくなるように設定されている(例えば、上下幅:3mm〜6mm、出射口31c2〜31c8の左右幅:2mm、出射口31c1、31c9の左右幅:4.5mm)。これにより、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に、遠方で高さ及び幅が小さく、近辺になるにつれ高さ及び幅が大きくなる照射領域A1〜A9を形成することが可能となる(図11(a)参照)。従って、遠方を高い光束密度で照射し、近辺を広範囲に照射することが可能となる。なお、出射口31c(出射口31c1〜31c9)は、上下方向の中心が光軸AXを含む水平面に対し若干下方(1mm程度)に位置するように配置されている。
【0040】
次に、出射口31c(出射口31c1〜31c9)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側に配置した理由について、出射口31c(出射口31c1〜31c9)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って略水平方向に一列に隣接配置した例と対比して説明する。
【0041】
図9(a)は、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って略水平方向に一列に隣接配置した例である。図10(a)は、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って略水平方向に一列に隣接配置した場合に形成される配光パターンPaの模式図である。
【0042】
図9(a)に示すように、投影レンズ20の後側焦点面Fsに沿って配置された出射口31c(出射口31c1〜31c9)に形成される照度分布は、投影レンズ20の作用により前方に反転投影され、図10(a)に示すように、水平方向に隣接配置され個別に照度が制御される複数の照射領域a1〜a9を含む配光パターンPaを形成する。
【0043】
出射口31c(31c1〜31c9)のうち互いに隣接する出射口31(例えば出射口31c1と出射口31c2)は、縦エッジEで仕切られているが、この縦エッジEは、その幅をほとんど無視することができるエッジである。従って、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)が投影レンズ20の後側焦点面Fsに所定の精度で沿っている限り、出射口31c(出射口31c1〜31c9)に形成される照度分布の反転投影像である複数の照射領域a1〜a9は、水平方向に隙間無く密に隣接配置される(図10(a)参照)。
【0044】
しかしながら、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsに所定の精度で沿わせるのは難しく、例えば、投影レンズ20の製造誤差や組み付け誤差により、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)が投影レンズ20の後側焦点面Fsに対してずれてしまうことがある。その結果、出射口31c(出射口31c1〜31c9)に形成される照度分布の反転投影像である複数の照射領域a1〜a9間に縦エッジEに起因する隙間(周囲よりも暗い部分)や光筋ができてしまうという問題がある。
【0045】
この問題は、図9(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側に配置することで解決される。
【0046】
図9(b)は、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置した例である。図10(b)は、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置した場合に形成される配光パターンP1の模式図である。
【0047】
図9(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置することで、出射口31c(出射口31c1〜31c9)のうち互いに隣接する出射口31c(例えば出射口31c8と出射口31c9)から出射する光は投影レンズ20の後側焦点面Fs上で部分的に重なり合う(図9(b)中符号b参照)。これにより、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に、重なり部分bと非重なり部分cとが水平方向に交互に連続する照度分布が形成される。
【0048】
この投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布は、投影レンズ20の作用により前方へ反転投影される。
【0049】
これにより、図10(b)、図11に示すように、重なり部分Bと非重なり部分Cとが水平方向に交互に連続し、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域A1〜A9を含む配光パターンP1が形成される。このように、複数の照射領域A1〜A9のうち互いに隣接する領域(例えば照射領域A1とA2)は水平方向に重なり合う(重なり部分bが縦エッジEをカバーする(図9(b)参照))。
【0050】
従って、投影レンズ20の製造誤差や組み付け誤差により、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)が投影レンズ20の後側焦点面Fsに対してずれたとしても、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布の反転投影像である複数の照射領域A1〜A9間に縦エッジEに起因する隙間(周囲よりも暗い部分)や光筋ができるのを抑え、輝度ムラ(又は配光ムラ)を調整し緩和することが可能となる。
【0051】
また、上記のように出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置することで(図9(b)参照)、各半導体発光素子33aの配光パターン(照射領域A1〜A9)の水平方向の角度を自由に調整することが可能となる。例えば、筒部31(反射面31a)の形状を調整することで、図9(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)のうち両端に近い出射口31c(例えば出射口31c1、31c9)から出射する光ほど内側にきつい角度で出射するように調整することが可能となる。このようにすれば、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域(例えば照射領域A2〜A8)の水平方向サイズをより細くし、なおかつ、複数の照射領域(例えば照射領域A2〜A8)を光軸AX寄りに密に配置することが可能となる(図11(a)参照)。
【0052】
このようにサイズを細くし密に配置する利点は次の通りである。
【0053】
すなわち、車両前方の遠方に存在する車両(先行車又は対向車)は、車両前方の近くに存在する車両(先行車又は対向車)と比べ、見かけ上の大きさが小さく見かけ上の速度が遅い。従って、上記のように複数の照射領域(例えば照射領域A2〜A8)の水平方向サイズをより細くし、なおかつ、複数の照射領域(例えば照射領域A2〜A8)を光軸AX寄りに密に配置することで、見かけ上の大きさが小さく見かけ上の速度が遅い車両前方の遠方に存在する車両(先行車又は対向車)の位置に応じて、各照射領域(例えば照射領域A2〜A8)を細かく点消灯制御することが可能となる。
【0054】
なお、出射口31c1〜31c9は、矩形に限られず、平行四辺形、台形その各種の形状であってもよい。
【0055】
上記構成の導光部材32は、入射口31bを半導体発光素子33aの前方近傍に位置させた状態で、ヒートシンク50前面にネジ止め固定されている(図3等参照)。
【0056】
次に、上記構成の車両用灯具ユニット10により形成される配光パターンP1について説明する。
【0057】
半導体発光素子33aからの光のうち光軸AXに対し狭角方向の光Ray1は、入射口31bから筒部31内に入射し反射面31aで反射されることなく出射口31c(出射口31c1〜31c9)から出射し、投影レンズ20に直接入射する。一方、光軸AXに対し広角方向の光Ray2は、入射口31bから筒部31内に入射し反射面31aで一回反射されて出射口31c(出射口31c1〜31c9)から出射し、投影レンズ20に入射する(図7(a)、図7(b)、図8参照)。これら直接光Ray1及び一回反射光Ray2は、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に、重なり部分bと非重なり部分cとが水平方向に交互に連続する照度分布を形成する(図9(b)参照)。
【0058】
この投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布は、投影レンズ20の作用により前方へ反転投影される。
【0059】
これにより、図10(b)、図11(a)に示すように、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に、重なり部分Bと非重なり部分Cとが水平方向に交互に連続し、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域A1〜A9を含む配光パターンP1が形成される。なお、仮想鉛直スクリーン上においては、投影レンズ20の後側焦点面上の1mm四方の大きさの像が、1°四方程度の大きさの像として形成される。
【0060】
照射領域A1〜A9は、水平方向に関し次のように形成される。すなわち、出射口31c2〜31c8は、上下幅:3mm、左右幅:2mmの矩形形状を有しており、その中心が光軸AXを含む鉛直面上に位置するように配置されているため、これら出射口31c2〜31c8に対応する照射領域A2〜A8は、中心がV−V線上に位置し、上下幅:3°、左右幅2°程度の略矩形領域として形成される。
【0061】
そして、出射口31c1、31c9は、上下幅:3mm、左右幅4.5mmの矩形形状を有しており、出射口31c2〜31c8の外側に配置されているため、これら出射口31c1、31c9に対応する照射領域A1、A9は、照射領域A2〜A8の外側に上下幅:3°、左右幅:4.5°程度の略矩形領域として形成される。
【0062】
次に、すれ違いビーム専用の灯具ユニット70により形成されるロービーム用配光パターンP2について説明する。
【0063】
図11(a)に示すように、ロービーム用配光パターンP2は、その上端縁に左右段違いのカットオフラインを有している。
【0064】
このカットオフラインは、灯具正面方向の消点であるH−Vを通る鉛直線であるV−V線を境にして左右段違いで水平方向に延びており、V−V線よりも右側が、対向車線側カットオフラインCLRとして水平方向に延びるようにして形成されるとともに、V−V線より左側が、自車線側カットオフラインCLLとして対向車線側カットオフラインCLRよりも段上がりで水平方向に延びるようにして形成されている。そして、この自車線側カットオフラインCLLにおけるV−V線寄りの端部は、斜めカットオフラインCLSとして形成されている。この斜めカットオフラインCLSは、対向車線側カットオフラインCLRとV−V線との交点から左斜め上方へ15°の傾斜角で延びている。
【0065】
このロービーム用配光パターンP2においては、対向車線側カットオフラインCLRとV−V線との交点であるエルボ点Eは、H−Vの0.5〜0.6°程度下方に位置しており、このエルボ点Eをやや左寄りに囲むようにして高光度領域であるホットゾーンが形成されている。
【0066】
以上の配光パターンP1、P2は重畳されて図11(a)に示す合成配光パターンを形成する。
【0067】
次に、複数の照射領域A1〜A9(半導体発光素子33a)を個別に点消灯制御する例について説明する。
【0068】
以下の説明では、各半導体発光素子33a及び先行車や対向車の検出手段が、制御装置(図示せず)に電気的に接続されているものとする。
【0069】
図11(a)は、全半導体発光素子33aが点灯している場合の配光パターンP1の例である。車両前方の遠方に先行車V1(又は対向車V2)が検出されない場合、制御装置は、全半導体発光素子33aを点灯する。
【0070】
次に、図11(b)に示すように、車両前方の遠方に先行車V1が検出された場合(又は、図12(a)、図12(b)に示すように、車両前方の対向車線の遠方に対向車V2が検出された場合)、制御装置は、複数の照射領域A1〜A9のうち遠方に存在する先行車V1(又は対向車V2)をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯(又は減光)する。これにより、当該遠方に存在する先行車V1(又は対向車V2)に対するグレアを防止することが可能となる。これとともに、車両前方路面の視認性を向上させることが可能となる。
【0071】
一方、図11(c)に示すように、先行車V1がある程度自車に近づいた場合(又は、図12(c)に示すように、対向車V2がある程度自車に近づいた場合)、すなわち、近辺に先行車V1(又は対向車V2)が検出された場合、制御装置は、複数の照射領域A1〜A9のうち近辺に存在する先行車V1(又は対向車V2)をカバーする照射領域に対応する半導体発光素子33aを消灯(又は減光)する。これにより、当該近辺に存在する先行車V1(又は対向車V2)に対するグレアを防止することが可能となる。これとともに、車両前方路面の視認性を向上させることが可能となる。
【0072】
なお、対向車V1又は先行車V2の位置(例えば、仮想鉛直スクリーン上における位置)を検出する手段としては、例えば、車両前方の対向車V1又は先行車V2を含む画像を撮像しその撮像画像に基づいて検出する手段を用いることが可能である。例えば、CCDカメラ等により車両前方を撮像し、その撮像データに基づいて対向車V1(又は先行車V2)の点灯状態にある前照灯(又は尾灯)の位置を高濃度の画素として検出する手段を用いることが可能である。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、図9(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)は、投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置されている。従って、出射口31c(出射口31c1〜31c9)のうち互いに隣接する出射口31c(例えば出射口31c8と出射口31c9)から出射する光は投影レンズ20の後側焦点面Fs上で部分的に重なり合う(図9(b)中符号b参照)。これにより、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に、重なり部分bと非重なり部分cとが水平方向に交互に連続する照度分布が形成される。
【0074】
この投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布は、投影レンズ20の作用により前方へ反転投影される。
【0075】
これにより、図10(b)、図11に示すように、重なり部分Bと非重なり部分Cとが水平方向に交互に連続し、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域A1〜A9を含む配光パターンP1が形成される。
【0076】
このように、複数の照射領域A1〜A9のうち互いに隣接する領域(例えば照射領域A1とA2)は水平方向に重なり合うため(重なり部分bが縦エッジEをカバーするため(図9(b)参照))、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布の反転投影像である複数の照射領域A1〜A9間に縦エッジEに起因する隙間(周囲よりも暗い部分)や光筋ができるのを抑え、輝度ムラ(又は配光ムラ)を調整し緩和することが可能となる。(従来は、個別に点消灯制御される複数の照射領域間の隙間(周囲よりも暗い部分)を埋めるために、当該隙間を照射する別の灯具を追加する必要があった)。
【0077】
また、上記のように出射口31c(出射口31c1〜31c9及び縦エッジE)を投影レンズ20の後側焦点面Fsより後方側において、略水平方向に一列に隣接配置することで(図9(b)参照)、各半導体発光素子33aの配光パターン(照射領域A1〜A9)の水平方向の角度を自由に調整することが可能となる。例えば、筒部31(反射面31a)の形状を調整することで、図9(b)に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)のうち両端に近い出射口31c(例えば出射口31c1、31c9)から出射する光ほど内側にきつい角度で出射するように調整することが可能となる。このようにすれば、個別に点消灯制御される(又は個別に照度が増減される)複数の照射領域A1〜A9の水平方向サイズをより細くし、なおかつ、複数の照射領域A1〜A9を光軸AX寄りに密に配置することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態によれば、複数の半導体発光素子33aはその発光面が車両前方を向いた姿勢で、水平方向に一列に配置されているため(図3等参照)、複数の半導体発光素子が光軸AX方向に分散配置されている従来と比べ(図14中発光素子230参照)、光軸AX方向寸法が短い小型の車両用灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0079】
また、本実施形態によれば、図7(a)、図7(b)、図8に示すように、筒部31(反射面31a)は、筒部31内に入射した半導体発光素子33aからの光Ray2が一回反射で出射口31c(31c1〜31c9)から出射するように、出射口31c(31c1〜31c9)から入射口31bに向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成されている。この筒部31(反射面31a)の作用により、光軸AXに対し狭角方向の光Ray1だけでなく、光軸AXに対し広角方向の光Ray2をも投影レンズ20に入射させることが可能となる(光利用効率の向上)。
【0080】
また、本実施形態によれば、リフレクタを用いない構成であるため、リフレクタを用いる従来と比べ(図14中リフレクタ220参照)、より少ない部品点数で車両用灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0081】
また、本実施形態によれば、複数の半導体発光素子33aが同一の基板33に実装されているため(すなわち、複数の半導体発光素子33aが1ユニット化されているため)、複数の発光素子が同一の基板に実装されることなく光軸AX方向に分散配置されている従来と比べ(図14中発光素子230参照)、複数の半導体発光素子33aの組み付けを極めて容易に行うことが可能となる。また、複数の半導体発光素子33aの複数の筒部31に対する位置決めを極めて精度良く行うことが可能となる。
【0082】
また、本実施形態によれば、複数の半導体発光素子33a自体ではなく、投影レンズ20の後側焦点面Fs上に形成される照度分布を前方へ反転投影する構成であるため、複数の半導体発光素子33aの像自体を反転投影する構成と比べ、複数の半導体発光素子33aの配置間隔を広くすることが可能となる。これにより、半導体発光素子33aの発光に伴って発生する熱の影響を緩和することが可能となる。
【0083】
次に、変形例について説明する。
【0084】
上記実施形態では、出射口31c(出射口31c1〜31c9)の下端縁は正面視で上に凸の円弧状に延びているように説明したが(図5(b)参照)、本発明はこれに限定されない。
【0085】
例えば、図13に示すように、出射口31c(出射口31c1〜31c9)の下端縁は正面視で水平方向に直線状に延びていてもよい。
【0086】
なお、車両の前面の左右両側に配置された車両用灯具ユニット10それぞれの照射領域A1〜A9が部分的に重なるように照準調整することで(例えば1°分左右にずらすことで)、より多くの領域を点消灯制御することが可能となる(例えば、中心付近を1°刻みで点消灯制御することが可能となる)。
【0087】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0088】
10…車両用灯具ユニット、20…投影レンズ、30…光源ユニット、31…筒部、3
1a…反射面、31b…入射口、31c1-31c9…出射口、32…遮光部材、33…
基板、33a…半導体発光素子、40…レンズ保持枠、50…ヒートシンク、60…灯室、61…ハウジング、62…透光カバー、70…灯具ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、前記投影レンズの後側焦点面よりも後方側に配置された光源ユニットと、を備えた車両用灯具ユニットにおいて、
前記光源ユニットは、内周面に反射面が形成された複数の筒部と、前記筒部の一端である入射口から当該筒部内に入射し前記反射面で反射されて前記筒部の他端である出射口から出射する光を発光する複数の半導体発光素子と、を備えており、
前記複数の筒部の出射口は、前記投影レンズの後側焦点面より後方側において、略水平方向に隣接配置されており、
前記複数の筒部の出射口のうち互いに隣接する出射口は、同一の縦エッジを含んで構成されるとともに当該同一の縦エッジで仕切られており、
前記複数の筒部はそれぞれ、前記出射口から前記入射口に向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成されていることを特徴とする車両用灯具ユニット。
【請求項2】
前記複数の筒部を含む導光部材をさらに備えており、
前記複数の半導体発光素子は、発光面が車両前方を向いた姿勢で、水平方向に一列に配置されており、
前記導光部材は、前記複数の半導体発光素子からの光が前記複数の筒部の入射口から前記複数の筒部内に入射するように、前記複数の半導体発光素子の前方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項1】
車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、前記投影レンズの後側焦点面よりも後方側に配置された光源ユニットと、を備えた車両用灯具ユニットにおいて、
前記光源ユニットは、内周面に反射面が形成された複数の筒部と、前記筒部の一端である入射口から当該筒部内に入射し前記反射面で反射されて前記筒部の他端である出射口から出射する光を発光する複数の半導体発光素子と、を備えており、
前記複数の筒部の出射口は、前記投影レンズの後側焦点面より後方側において、略水平方向に隣接配置されており、
前記複数の筒部の出射口のうち互いに隣接する出射口は、同一の縦エッジを含んで構成されるとともに当該同一の縦エッジで仕切られており、
前記複数の筒部はそれぞれ、前記出射口から前記入射口に向かうにつれ略錐体状に狭まる形状に構成されていることを特徴とする車両用灯具ユニット。
【請求項2】
前記複数の筒部を含む導光部材をさらに備えており、
前記複数の半導体発光素子は、発光面が車両前方を向いた姿勢で、水平方向に一列に配置されており、
前記導光部材は、前記複数の半導体発光素子からの光が前記複数の筒部の入射口から前記複数の筒部内に入射するように、前記複数の半導体発光素子の前方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
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【図11】
【図12】
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【図14】
【公開番号】特開2013−110068(P2013−110068A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256248(P2011−256248)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
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