説明

車両用灯具

【課題】従来の車両用灯具では、配光性能や特性が損なわれる虞があり、見栄え上課題がある。
【解決手段】この発明は、リフレクタ4と、第1ブラケット5と、第2ブラケット6と、第3ブラケット7と、光源バルブ8と、を備えるものである。第1ブラケット5は、リフレクタ4に固定されている。第2ブラケット6は、第1ブラケット5にスライド可能に取り付けられている。第3ブラケット7は、第2ブラケット6に回転可能に取り付けられている。光源バルブ8は、第3ブラケット7に着脱可能に取り付けられている。この結果、この発明は、配光性能や特性が損なわれることが無く、見栄えが向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば、ヘッドランプ、フォグランプ、フロントコンビネーションランプ、リヤコンビネーションランプなどの車両用灯具であって、光源バルブが交換可能に取り付けられている車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具について説明する。従来の車両用灯具は、リフレクタに開口部および張り出し開口部が形成されていて、バルブホルダにバルブが着脱可能に支持されていて、バルブが張り出し開口部および開口部に挿入されて所定の位置に位置し、バルブホルダがリフレクタに着脱可能に固定されているものである。前記の従来の車両用灯具は、バルブを張り出し開口部に挿入して、バルブホルダをリフレクタに当接させて、バルブホルダを一方向(たとえば、リフレクタの光軸に対して斜め下方向)にスライドさせることにより、バルブが所定位置に位置しかつバルブホルダがリフレクタに固定される。また、逆に、バルブホルダを一方向と逆方向(たとえば、リフレクタの光軸に対して斜め上方向)にスライドさせて、バルブホルダをリフレクタから離し、バルブを張り出し開口部から取り出すことにより、バルブ交換が行われる。このように、前記の従来の車両用灯具は、バルブ交換をリフレクタの光軸方向に対して斜め上下方向において行うことができるので、リフレクタの光軸方向の後方においてバルブの交換スペースがなく、リフレクタの光軸方向に対して斜め上方においてバルブの交換スペースがある場合において、最適である。
【0003】
ところが、従来の車両用灯具は、リフレクタに開口部以外に、バルブをリフレクタの光軸に対して斜め下方向に挿入したり斜め上方向に取り出したりするための張り出し開口部を設ける必要がある。このために、従来の車両用灯具は、リフレクタに張り出し開口部を設けた分、配光性能や特性(反射性能や特性)が損なわれる虞があり、しかも、リフレクタの前面側のランプレンズを通してリフレクタの張り出し開口部が見え、かつ、張り出し開口部を介してリフレクタの後側に位置する部品などが見え、見栄え上課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−55703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用灯具では、配光性能や特性が損なわれる虞があり、見栄え上課題があるという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、リフレクタに固定されていてリフレクタの光源バルブ挿入孔と連通する光源バルブ挿入孔が設けられている第1ブラケットと、第1ブラケットにリフレクタの光軸方向に第1スライド位置と第2スライド位置との間においてスライド可能に取り付けられている第2ブラケットと、第2ブラケットにリフレクタの光軸に対してねじれの位置に位置する軸回りに第1回転位置と第2回転位置との間において回転可能に取り付けられていて光源バルブ挿入孔が設けられていてその光源バルブ挿入孔に光源バルブが着脱可能に取り付けられている第3ブラケットと、を備え、第3ブラケットの第1回転位置および第2ブラケットの第1スライド位置が、光源バルブが第1ブラケットの光源バルブ挿入孔およびリフレクタの光源バルブ挿入孔に挿入されて所定の位置に位置する位置であり、第2ブラケットの第2スライド位置が、第3ブラケットが第1回転位置と第2回転位置との間において回転可能である位置であり、第2ブラケットの第2スライド位置および第3ブラケットの第2回転位置が、光源バルブが着脱可能である位置である、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、第1ブラケットと第2ブラケットとには、第1スライド位置に位置決めする第1スライド位置決め部材がそれぞれ設けられていて、第2ブラケットと第3ブラケットとには、第1回転位置に位置決めする第1回転位置決め部材がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、第1ブラケットと第2ブラケットとには、第2スライド位置に位置決めする第2スライド位置決め部材がそれぞれ設けられていて、第2ブラケットと第3ブラケットとには、第2回転位置に位置決めする第2回転位置決め部材がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、第2ブラケットを第1スライド位置から第2スライド位置にスライドさせ、かつ、第3ブラケットを第1回転位置から第2回転位置に回転させることにより、光源バルブの交換を行うことができる。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、リフレクタの光軸方向の後方において第2ブラケットを第1スライド位置から第2スライド位置にスライドさせる分のスペースすなわち若干のスペースがあれば、光源バルブの交換作業を行うことができる。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、近年の車両(自動車)のように、リフレクタの光軸方向の後方のスペースが狭く制限されている場合であっても、光源バルブの交換作業を行うことができる。
【0010】
しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、第2ブラケットを第1スライド位置と第2スライド位置との間においてスライドさせて、光源バルブをリフレクタの光軸方向に第1ブラケットの光源バルブ挿入孔およびリフレクタの光源バルブ挿入孔に挿入したり取り出したりするものである。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、リフレクタの光源バルブ挿入孔の大きさが光源バルブをリフレクタの光軸方向に挿入したり取り出したりすることができる程度の大きさすなわち光源バルブの大きさよりも一回り大きい大きさで十分である。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、リフレクタの光源バルブ挿入孔の大きさが必要以上に大きいことにより、配光性能や特性が損なわれるのを防ぐことができ、その上、光源バルブ挿入孔が見えたり、あるいは、光源バルブ挿入孔を介してリフレクタの後側に位置する部品などが見えたりするのを防止することができ、見栄えが向上される。
【0011】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、第1スライド位置決め部材および第1回転位置決め部材により、第2ブラケットが第1位置スライド位置に位置決めされ、かつ、第3ブラケットが第1回転位置に位置決めされる。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、光源バルブが第1ブラケットの光源バルブ挿入孔およびリフレクタの光源バルブ挿入孔に挿入されて所定の位置に確実に位置するので、配光性能や特性が向上される。
【0012】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、第2スライド位置決め部材および第2回転位置決め部材により、第2ブラケットが第2位置スライド位置に位置決めされ、かつ、第3ブラケットが第2回転位置に位置決めされる。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、第2ブラケットおよび第3ブラケットを支える必要が無いので、その分、光源バルブの交換作業を簡単にかつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図2】図2は、同じく、第2ブラケットが第1スライド位置に位置しかつ第3ブラケットが第1回転位置に位置するときの状態を示す要部の拡大一部縦断面図(拡大一部垂直断面図)である。
【図3】図3は、同じく、第2ブラケットが第1スライド位置に位置しかつ第3ブラケットが第1回転位置に位置するときの状態を示す要部の拡大一部側面図である。
【図4】図4は、同じく、第2ブラケットが第2スライド位置に位置しかつ第3ブラケットが第1回転位置に位置するときの状態を示す要部の拡大一部縦断面図(拡大一部垂直断面図)である。
【図5】図5は、同じく、第2ブラケットが第2スライド位置に位置しかつ第3ブラケットが第1回転位置に位置するときの状態を示す要部の拡大一部側面図である。
【図6】図6は、同じく、第2ブラケットが第2スライド位置に位置しかつ第3ブラケットが第2回転位置に位置するときの状態を示す要部の拡大一部縦断面図(拡大一部垂直断面図)である。
【図7】図7は、同じく、第3ブラケットから光源バルブを取り外したときの状態を示す要部の拡大一部縦断面図(拡大一部垂直断面図)である。
【図8】図8は、同じく、光源バルブからソケットを取り外したときの状態を示す要部の拡大一部縦断面図(拡大一部垂直断面図)である。
【図9】図9は、同じく、第2ブラケットが第1スライド位置に位置するときの状態を示す第1スライド位置決め部材の平面説明図である。
【図10】図10は、同じく、第2ブラケットが第1スライド位置と第2スライド位置との間においてスライドするときの状態を示す第1スライド位置決め部材の平面説明図である。
【図11】図11は、同じく、第2ブラケットが第2スライド位置に位置するときの状態を示す第1スライド位置決め部材の平面説明図である。
【図12】図12は、同じく、第2ブラケットが第1スライド位置または第2スライド位置に位置しかつ第3ブラケットが第1回転位置に位置するときの状態を示す図2または図4におけるXII矢視断面説明図である。
【図13】図13は、同じく、第2ブラケットが第2スライド位置に位置しかつ第3ブラケットが第2回転位置に位置するときの状態を示す図6におけるXIII矢視断面説明図である。
【図14】図14は、同じく、図12におけるXIV−XIV線断面説明図である。
【図15】図15は、同じく、光源バルブが第3ブラケットに取り付けられている状態を示す図6におけるXV矢視説明図である。
【図16】図16は、同じく、光源バルブを第3ブラケットから取り外すためにバルブ固定スプリングを撓ませている状態を示す説明図である。
【図17】図17は、同じく、光源バルブが第3ブラケットから取り外された状態を示す図7におけるXVII矢視説明図である。
【図18】図18は、この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す図12に対応する説明図である。
【図19】図19は、同じく、図13に対応する説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、この発明にかかる車両用灯具の実施例のうちの2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例1によりこの発明が限定されるものではない。この明細書および特許請求の範囲において、「上、下、前、後、右、左」は、車両用灯具を車両に装備された際の「上、下、前、後、右、左」である。
【実施例1】
【0015】
図1〜図17は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す。なお、図9、図10、図11においては、第3ブラケット7および光源バルブ8の図示が省略されている。また、図12、図13においては、光源バルブ取付スプリング39の図示が省略されている。さらに、図15、図16、図17においては、第1ブラケット5および第2ブラケット6の図示が省略されている。
【0016】
以下、この実施例1における車両用灯具の構成について説明する。図1において、符号1は、この実施例1における車両用灯具であって、この例ではヘッドランプである。前記車両用灯具1は、ランプハウジング2と、ランプレンズ3と、リフレクタ4と、第1ブラケット5と、第2ブラケット6と、第3ブラケット7と、光源バルブ8と、インナーパネル(インナーハウジング)9と、ソケット10と、カバー11と、を備えるものである。ヘッドランプとしての前記車両用灯具1は、車両の前部の左右両側部の所定の位置に装備されている。
【0017】
前記ランプハウジング2は、前記車両の車体パネル12に取り付けられている。前記ランプハウジング2は、この例では、光不透過性の樹脂部材から構成されている。前記ランプハウジング2は、光照射方向の一方向側(この例では、前側)が開口し、かつ、その他の5方向側(後側、上側、下側、右側、左側)が閉塞した中空形状をなす。前記ランプハウジング2の前側開口部の全周縁には、シール凹部13が設けられている。
【0018】
前記ランプハウジング2の上側閉塞部には、前記光源バルブ8交換のための開口部14が設けられている。前記開口部14の全周縁には、取付凹部15が設けられている。前記取付凹部15には、前記カバー11がOリング(もしくはシール部材)16を介して着脱可能に、たとえば、スクリュー(図示せず)により着脱可能に取り付けられている。前記カバー11は、前記ランプハウジング2の一部を構成する。
【0019】
一方、前記ランプレンズ3は、この例では、光透過性の樹脂部材から構成されている。前記ランプレンズ3は、この例では、素通しのアウターカバーからなる。前記ランプレンズ3は、光照射方向と反対側の一方向側(この例では、後側)が開口し、かつ、その他の5方向側(前側、上側、下側、右側、左側)が閉塞した形状をなす。前記ランプレンズ3の後側開口部の全周縁には、シール脚部17が一体に設けられている。
【0020】
前記ランプハウジング2の前記シール凹部13に前記ランプレンズ3の前記シール脚部17がシールされている。前記ランプハウジング2および前記ランプレンズ3および前記カバー11により、灯室18が区画されている。前記灯室18内には、前記リフレクタ4が光軸調整可能に収納されている。すなわち、前記リフレクタ4は、前記ランプハウジング2に光軸調整機構(図示せず)を介して水平軸回りに上下方向におよび垂直軸回りに左右方向に傾動(回動、回転)可能に取り付けられている。また、前記灯室18内には、前記インナーパネル9および前記光源バルブ8および前記ソケット10が収納されている。
【0021】
前記リフレクタ4は、光照射方向の一方向側(この例では、前側)が開口し、かつ、その他の5方向側(後側、上側、下側、右側、左側)が閉塞した中空形状をなす。前記リフレクタ4の閉塞部の内面には、前記光源バルブ8からの光を所定の配光パターンで所定の方向に反射させる反射面19が設けられている。前記リフレクタ4の閉塞部の外面の3箇所(右上、左上、左下)には、前記光軸調整機構を取り付ける取付部(図示せず)が一体に設けられている。前記リフレクタ4の後側閉塞部の中央には、前記光源バルブ8を前記リフレクタ4の外側から前記反射面19側に挿入するための光源バルブ挿入孔20が設けられている。
【0022】
前記第1ブラケット5は、この例では、四角の板形状をなし、かつ、光不透過性の部材から構成されている。前記第1ブラケット5は、前記リフレクタ4の前記光源バルブ孔20の外側の縁に固定されている。前記第1ブラケット5には、前記リフレクタ4の前記光源バルブ孔20と連通する光源バルブ孔21が設けられている。前記第1ブラケット5の前記光源バルブ孔21と前記リフレクタ4の前記光源バルブ孔20とは、ほぼ同一の大きさをなす。
【0023】
前記第1ブラケット5の下辺および左右両側辺のほぼ下半分には、底板22および左右両側板23が固定されている。前記左右両側板23の上部には、スライド溝24が前記リフレクタ4(前記反射面19)の光軸Z−Z方向にそれぞれ設けられている。また、前記左右両側板23のうち少なくともいずれか一方の中部には、ガイド溝25が前記スライド溝24と同様に前記リフレクタ4の光軸Z−Z方向に設けられている。
【0024】
前記第2ブラケット6は、この例では、底板26と左右両側板27とからなる上下逆門形形状(凹形状)をなし、かつ、光不透過性の部材から構成されている。前記第2ブラケット6の前記左右両側板27の上下寸法は、前記第1ブラケット5の上下寸法よりも若干小さい。また、前記第2ブラケット6の左右両側板27の外面間の寸法は、前記第1ブラケット5の前記左右両側板23の内面間の寸法よりも若干小さい。
【0025】
前記第2ブラケット6の前記左右両側板27の外面の中部には、スライドピン28が前記第1ブラケット5の前記スライド溝24に対応してそれぞれ設けられている。また、前記第2ブラケット6の前記左右両側板27のうち少なくともいずれか一方の外面の下部には、ガイドピン29が前記第1ブラケット5の前記ガイド溝25に対応して設けられている。
【0026】
前記第2ブラケット6の前記スライドピン28および前記ガイドピン29を前記第1ブラケット5の前記スライド溝24および前記ガイド溝25にそれぞれスライド可能にセット(嵌合、係合)させる。これにより、前記第2ブラケット6は、前記第1ブラケット5に、前記リフレクタ4の光軸Z−Z方向に、第1スライド位置(図2および図3に示す位置)と第2スライド位置(図4〜図8に示す位置)の間においてスライド可能に取り付けられることとなる。
【0027】
前記第1ブラケット5の前記スライド溝24および前記ガイド溝25のうち少なくともいずれか一方の両端の縁と、前記第2ブラケット6の前記スライドピン28および前記ガイドピン29のうち少なくともいずれか一方とは、前記第1スライド位置を位置決めする第1スライド位置決め部材、および、前記第2スライド位置を位置決めする第2スライド位置決め部材を構成するものである。すなわち、前記第2ブラケット6の前記スライドピン28および前記ガイドピン29のうち少なくともいずれか一方が前記第1ブラケット5の前記スライド溝24および前記ガイド溝25のうち少なくともいずれか一方の一端(前端)の縁に当接することにより、前記第2ブラケット6を前記第1スライド位置に位置決めすることができる。また、前記第2ブラケット6の前記スライドピン28および前記ガイドピン29のうち少なくともいずれか一方が前記第1ブラケット5の前記スライド溝24および前記ガイド溝25のうち少なくともいずれか一方の他端(後端)の縁に当接することにより、前記第2ブラケット6を前記第2スライド位置に位置決めすることができる。
【0028】
さらに、前記第1ブラケット5の左右両側辺の上部には、前記第1スライド位置を位置決めする第1スライド位置決め部材としての板ばね30がそれぞれ設けられている。前記板ばね30の中央部が山形(「く」の字形もしくは「へ」の字形)形状に対向するように折れ曲がっている。図2、図3および図9に示すように、2枚の前記板ばね30の中央折曲部が前記第2ブラケット6の前記左右両側板27の上部に両側から挟みこむようにして弾性当接することにより、前記第2ブラケット6を前記第1スライド位置に確実にかつ確固に位置決めすることができる。
【0029】
前記第2ブラケット6の前記左右両側板27の上端部の一部が後方に若干突出している。前記第2ブラケット6の前記左右両側板27の上端部には、前記リフレクタ4の光軸Z−Zに対してねじれの位置に位置する軸31の両端がそれぞれ固定されている。前記軸33と前記光軸Z−Zとは、ほぼ直角に交差する。前記第2ブラケット6の前記左右両側板27の上端部の相対向する面には、半球凹形状の第1係合孔32と第2係合孔33とがそれぞれ設けられている。前記第1係合孔32と前記第2係合孔33とは、前記軸31の軸心O−Oを中心とする円周上に位置し、かつ、ほぼ90°の開角度をなす。
【0030】
前記第3ブラケット7は、この例では、四角の板形状をなし、かつ、光不透過性の部材から構成されている。前記第3ブラケット7の上下寸法は、前記第2ブラケット6の前記左右両側板27の上下寸法よりも若干小さい。また、前記第3ブラケット7の左右寸法は、前記第2ブラケット6の前記左右両側板27の内面間の寸法よりも若干小さい。
【0031】
前記第3ブラケット7の左右両側辺の上端部には、取付片34がそれぞれ固定されている。前記第3ブラケット7の左右両側辺の上部には、スプリングピン35が前記第1係合孔32および前記第2係合孔33に対応してそれぞれ設けられている。前記スプリングピン35は、前記第3ブラケット7に内蔵されているスプリング(図示せず)により、常時外側に突出するように付勢されている。
【0032】
前記第3ブラケット7の前記取付片34を前記第2ブラケット6の前記軸31に回転可能に取り付ける。これにより、前記第3ブラケット7は、前記第2ブラケット6に、前記リフレクタ4の光軸Z−Zに対してねじれの位置に位置する前記軸31の軸心O−O回りに、第1回転位置(図1〜図5および図12に示す位置)と第2回転位置(図6〜図8および図13に示す位置)の間において回転可能に取り付けられることとなる。
【0033】
前記第2ブラケット6の前記第1係合孔32および前記第2係合孔33と前記第3ブラケット7の前記スプリングピン35とは、前記第1回転位置を位置決めする第1回転位置決め部材、および、前記第2回転位置を位置決めする第2回転位置決め部材を構成するものである。すなわち、前記第3ブラケット7の前記スプリングピン35が、図14中の実線で示すように、前記第2ブラケット6の前記第1係合孔32に弾性係合することにより、前記第3ブラケット7を前記第1回転位置に位置決めすることができる。また、前記第3ブラケット7の前記スプリングピン35が、図14中の破線で示すように、前記第2ブラケット6の前記第2係合孔33に弾性係合することにより、前記第3ブラケット7を前記第2回転位置に位置決めすることができる。
【0034】
前記第3ブラケット7には、内周面に段部36を有する光源バルブ挿入孔37が設けられている。後側の前記光源バルブ挿入孔37の径は、前側の前記光源バルブ挿入孔37の径よりも大きい。この結果、前記光源バルブ挿入孔37の内周面には、前記段部36が形成されている。後側の前記光源バルブ挿入孔37の縁には、凹部38および光源バルブ取付スプリング39および係合部40がそれぞれ設けられている。
【0035】
前記光源バルブ8は、発光部を有するガラス管球41と、口金42と、取付鍔部43と、端子44と、から構成されている。前記取付鍔部43には、凸部45が前記第3ブラケット7の前記凹部38に対応して設けられている。前記光源バルブ8は、前記第3ブラケット7の前記光源バルブ挿入孔37の縁すなわち前記段部36に、前記光源バルブ取付スプリング39を介して、着脱可能に取り付けられている。すなわち、前記光源バルブ8の前記ガラス管球41を前記第3ブラケット7の前記光源バルブ挿入孔37中に挿入する。前記光源バルブ8の前記取付鍔部43を前記第3ブラケット7の前記段部36に当接させ、かつ、前記光源バルブ8の前記凸部45を前記第3ブラケット7の前記凹部38にセットさせる。この結果、前記光源バルブ8が前記第3ブラケット7に所定の位置に位置決めされる。前記光源バルブ取付スプリング39を前記光源バルブ8の前記取付鍔部43に弾性当接させた状態で、前記光源バルブ取付スプリング39を前記係合部40に係合させる。これにより、図1〜図6、図12、図13、図15に示すように、前記光源バルブ8の前記取付鍔部43が前記第3ブラケット7の前記光源バルブ挿入孔37の前記段部36に、前記光源バルブ取付スプリング39の弾性力により、弾性当接される。この結果、前記光源バルブ8が前記第3ブラケット7の前記光源バルブ挿入孔37の縁すなわち前記段部36に着脱可能に取り付けられることとなる。前記光源バルブ8には、前記ガラス管球41の軸とほぼ一致するバルブ軸B−Bを有する。
【0036】
前記インナーパネル9は、前記灯室18内の前記前記ランプハウジング2および前記ランプレンズ3と、前記リフレクタ4との間に配置されていて、前記ランプハウジング2に取り付けられている。前記インナーパネル9は、前記灯室18内の前記前記ランプハウジング2および前記ランプレンズ3と、前記リフレクタ4との間から、前記リフレクタ4の裏側が見えないように目隠しするものである。
【0037】
前記ソケット10は、前記光源バルブ8の前記端子44に着脱可能に電気的に接続している。前記ソケット10には、ハーネス46が電気的に接続されている。前記ハーネス46は、前記ランプハウジング2もしくは前記カバー11において前記灯室18内から外部に引き出されている。外部に引き出されている前記ハーネス46には、コネクタ(図示せず)が電気的に接続されている。前記コネクタに電源側のコネクタ(図示せず)を電気的にかつ着脱可能に接続することにより、前記光源バルブ8に給電可能となる。
【0038】
図1に示すように、前記リフレクタ4の光軸Z−Z方向であって、前記車両用灯具1の後部には、エンジンコンパートメントなど47が位置する。このために、前記リフレクタ4の光軸Z−Z方向の後方のスペースが狭く制限されている。そして、前記車両用灯具1においては、前記リフレクタ4の光軸Z−Z方向であって、前記ランプハウジング2と前記リフレクタ4との間は、前記第2ブラケット6(前記第3ブラケット7、前記光源バルブ8、前記ソケット10を含む)を前記第1スライド位置から前記第2スライド位置にスライドさせる分のスペースが確保されている。そして、前記ランプハウジング2と前記リフレクタ4との間のスペースは、前記リフレクタ4の光軸Z−Z方向の後方の狭く制限されているスペース程度である。
【0039】
この実施例1における車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0040】
まず、光源バルブ8を点灯させる。すると、光源バルブ8から光が放射される。この光は、リフレクタ4の反射面19で反射されて、所定の配光パターンで所定の方向にランプレンズ3を透過して外部に照射される。
【0041】
このとき、図1〜図3、図9、図14に示すように、第1ブラケット5がリフレクタ4に固定されている。また、第2ブラケット6のスライドピン28およびガイドピン29のうち少なくともいずれか一方が第1ブラケット5のスライド溝24およびガイド溝25のうち少なくともいずれか一方の一端(前端)の縁に当接している。一方、第1ブラケット5の2枚の板ばね30の中央折曲部が第2ブラケット6の左右両側板27の上部に両側から挟みこむようにして弾性当接している。これにより、第2ブラケット6は、第1ブラケット5に対して、第1スライド位置に位置決めされている。さらに、第3ブラケット7のスプリングピン35が第2ブラケット6の第1係合孔32に弾性係合している。これにより、第3ブラケット7は、第2ブラケット6に対して、第1回転位置に位置決めされている。さらにまた、光源バルブ8が光源バルブ取付スプリング39により第3ブラケット7の光源バルブ挿入孔37の縁の段部36に所定の位置に位置決めされた状態で着脱可能に取り付けられている。この結果、光源バルブ8は、第3ブラケット7、第2ブラケット6、第1ブラケット5を介して、リフレクタ4に、バルブ軸B−Bが光軸Z−Zとほぼ一致するように、所定の位置に確実にかつ確固に位置する。これにより、配光性能や特性が損なわれるような虞がない。
【0042】
光軸調整機構を調整すると、リフレクタ4が水平軸回りに上下方向におよび垂直軸回りに左右方向に傾動して、リフレクタ4の反射面19の光軸Z−Zが調整される。
【0043】
そして、光源バルブ8の交換は、まず、ランプハウジング2からカバー11を取り外す。つぎに、カバー11を取り外した後のランプハウジング2の開口部14を通して、第2ブラケット6(第3ブラケット7、光源バルブ8、ソケット10を含む)を第1ブラケット5(リフレクタ4を含む)に対して、第1スライド位置(図1、図2、図3)から第2スライド位置(図4、図5)にリフレクタ4の光軸Z−Z方向に沿って後方向(図9、図10、図11中の実線矢印方向)にスライドさせる。すると、第2ブラケット6の左右両側板27の上部に両側から挟みこむようにして弾性当接している2枚の板ばね30の中央折曲部が外側に開く(図10中の実線矢印参照)。この2枚の板ばね30の中央折曲部と第2ブラケット6の左右両側板27の上部との弾性当接が解除される。これにより、第2ブラケット6が第1ブラケット5に対して第1スライド位置から第2スライド位置にスライドする。
【0044】
第2ブラケット6が第2スライド位置に位置すると、第2ブラケット6のスライドピン28およびガイドピン29のうち少なくともいずれか一方が第1ブラケット5のスライド溝24およびガイド溝25のうち少なくともいずれか一方の他端(後端)の縁に当接する。これにより、第2ブラケット6が第2スライド位置に位置決めされる。
【0045】
つづいて、カバー11を取り外した後のランプハウジング2の開口部14を通して、第3ブラケット7(光源バルブ8、ソケット10を含む)を第2ブラケット6(リフレクタ4、第1ブラケット5を含む)に対して、第1回転位置(図4、図5、図12)から第2回転位置(図6、図7、図8、図13)にリフレクタ4の光軸Z−Zに対してねじれの位置に位置する軸31の軸心O−O回りに図6中の実線矢印方向に回転させる。すると、図14に示すように、第2ブラケット6の第1係合孔32と第3ブラケット7のスプリングピン35との弾性係合状態(図14中の実線で示されている状態)が解除されて、第3ブラケット7が第2ブラケット6に対して第1回転位置から第2回転位置に回転する。それに伴って、スプリングピン35が図14中の破線矢印方向に回転する。
【0046】
第3ブラケット7が第2回転位置に位置すると、第3ブラケット7のスプリングピン35が第2ブラケット6の第2係合孔33に弾性係合する(図14中の破線で示されている状態を参照)。これにより、第3ブラケット7が第2回転位置に位置決めされる。
【0047】
それから、カバー11を取り外した後のランプハウジング2の開口部14を通して、第3ブラケット7の係合部40に係合している光源バルブ取付スプリング39(図15参照)を、スプリング力に抗して内側方向(図16中の実線矢印方向)に撓ませて係合部40から外す(図16参照)。この光源バルブ取付スプリング39を図7中の実線矢印方向に回転させて第3ブラケット7の光源バルブ挿入孔37および光源バルブ8の取付鍔部43から退ける。光源バルブ8を第3ブラケット7の光源バルブ挿入孔37から図7中の実線矢印方向に抜き取る(図7、図17参照)。その光源バルブ8の端子44からソケット10を図8中の実線矢印方向に抜き取る(図8参照)。これにより、古い光源バルブ8から新しい光源バルブ8に交換することができる。
【0048】
新しい光源バルブ8の端子44にソケット10を図8中の実線矢印と反対方向に接続する。この光源バルブ8を第3ブラケット7の光源バルブ挿入孔37中に図7中の実線矢印と反対方向に挿入する。光源バルブ取付スプリング39を図7中の実線矢印と反対方向に回転させて第3ブラケット7の光源バルブ挿入孔37および光源バルブ8の取付鍔部43上に位置させる。この光源バルブ取付スプリング39をスプリング力に抗して内側方向(図16中の実線矢印方向)に撓ませて係合部40に係合させる。これにより、光源バルブ8が第3ブラケット7に着脱可能に取り付けられる。このとき、第2ブラケット6が第1ブラケット5に対して第2スライド位置に位置決めされていて、また、第3ブラケット7が第2ブラケット6に対して第2回転位置に位置決めされている。このために、光源バルブ8を第3ブラケット7から取り外したり取り付けたりすることが容易である。
【0049】
つづいて、第3ブラケット7(光源バルブ8、ソケット10を含む)を第2ブラケット6(リフレクタ4、第1ブラケット5を含む)に対して、第2回転位置(図6、図7、図8、図13)から第1回転位置(図4、図5、図12)にリフレクタ4の光軸Z−Zに対してねじれの位置に位置する軸31の軸心O−O回りに図6中の実線矢印と反対方向に回転させる。すると、図14に示すように、第2ブラケット6の第2係合孔33と第3ブラケット7のスプリングピン35との弾性係合状態(図14中の破線で示されている状態)が解除されて、第3ブラケット7が第2ブラケット6に対して第2回転位置から第1回転位置に回転する。それに伴って、スプリングピン35が図14中の実線矢印方向に回転する。
【0050】
第3ブラケット7が第1回転位置に位置すると、第3ブラケット7のスプリングピン35が第2ブラケット6の第1係合孔32に弾性係合する(図14中の実線で示されている状態を参照)。これにより、第3ブラケット7が第1回転位置に位置決めされる。
【0051】
それから、第2ブラケット6(第3ブラケット7、光源バルブ8、ソケット10を含む)を第1ブラケット5(リフレクタ4を含む)に対して、第2スライド位置(図4、図5)から第1スライド位置(図1、図2、図3)にリフレクタ4の光軸Z−Z方向に沿って前方向(図9、図10、図11中の実線矢印と反対方向)にスライドさせる。すると、第2ブラケット6の左右両側板27の上部が2枚の板ばね30の中央折曲部に弾性当接して、その2枚の板ばね30の中央折曲部を外側に開く(図10中の実線矢印参照)。この第2ブラケット6の左右両側板27の上部が2枚の板ばね30の中央折曲部に弾性当接する。これにより、第2ブラケット6が第1ブラケット5に対して第2スライド位置から第1スライド位置にスライドする。
【0052】
第2ブラケット6が第1スライド位置に位置すると、第2ブラケット6のスライドピン28およびガイドピン29のうち少なくともいずれか一方が第1ブラケット5のスライド溝24およびガイド溝25のうち少なくともいずれか一方の一端(前端)の縁に当接する。また、第1ブラケット5の2枚の板ばね30の中央折曲部が第2ブラケット6の左右両側板27の上部に両側から挟みこむようにして弾性当接する。これにより、第2ブラケット6が第1スライド位置に位置決めされる。この結果、光源バルブ8は、第3ブラケット7、第2ブラケット6、第1ブラケット5を介して、リフレクタ4に、バルブ軸B−Bが光軸Z−Zとほぼ一致するように、所定の位置に位置する。このように、ランプハウジング2の開口部14を介して、車両用灯具1の上側において光源バルブ8の交換作業を行うことができる。
【0053】
この実施例1における車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0054】
この実施例1における車両用灯具1は、第2ブラケット6を第1スライド位置から第2スライド位置にスライドさせ、かつ、第3ブラケット7を第1回転位置から第2回転位置に回転させることにより、光源バルブ8の交換を行うことができる。この結果、この実施例1における車両用灯具1は、リフレクタ4の光軸Z−Z方向の後方において第2ブラケット6を第1スライド位置から第2スライド位置にスライドさせる分のスペースすなわち若干のスペースがあれば、光源バルブ8の交換作業を行うことができる。このために、この実施例1における車両用灯具1は、近年の車両(自動車)のように、リフレクタ4の光軸Z−Z方向の後方のスペースがたとえばエンジンコンパートメントなど47により狭く制限されている場合であっても、光源バルブ8の交換作業を行うことができる。
【0055】
しかも、この実施例1における車両用灯具1は、第2ブラケット6を第1スライド位置と第2スライド位置との間においてスライドさせて、光源バルブ8をリフレクタ4の光軸Z−Z方向に第1ブラケット5の光源バルブ挿入孔21およびリフレクタ4の光源バルブ挿入孔20に挿入したり取り出したりするものである。このために、この実施例1における車両用灯具1は、リフレクタ4の光源バルブ挿入孔20の大きさが光源バルブ8をリフレクタ4の光軸Z−Z方向に挿入したり取り出したりすることができる程度の大きさすなわち光源バルブ8たとえば口金42の大きさよりも一回り大きい大きさで十分である。この結果、この実施例1における車両用灯具1は、リフレクタ4の光源バルブ挿入孔20の大きさが必要以上に大きいことにより、配光性能や特性が損なわれるのを防ぐことができ、その上、光源バルブ挿入孔20が見えたり、あるいは、光源バルブ挿入孔20を介してリフレクタ4の後側に位置する部品などが見えたりするのを防止することができ、見栄えが向上される。
【0056】
また、この実施例1における車両用灯具1は、第1スライド位置決め部材、すなわち、第2ブラケット6のスライドピン28およびガイドピン29のうち少なくともいずれか一方、および、第1ブラケット5のスライド溝24およびガイド溝25のうち少なくともいずれか一方の一端(前端)により、第2ブラケット6が第1位置スライド位置に位置決めされる。また、第1回転位置決め部材、すなわち、第3ブラケット7のスプリングピン35および第2ブラケット6の第1係合孔32により、第3ブラケット7が第1回転位置に位置決めされる。この結果、この実施例1における車両用灯具1は、光源バルブ8が第1ブラケット5の光源バルブ挿入孔21およびリフレクタ4の光源バルブ挿入孔20に挿入されて所定の位置に確実に位置するので、配光性能や特性が向上される。
【0057】
さらに、この実施例1における車両用灯具1は、第2スライド位置決め部材、すなわち、第2ブラケット6のスライドピン28およびガイドピン29のうち少なくともいずれか一方、および、第1ブラケット5のスライド溝24およびガイド溝25のうち少なくともいずれか一方の他端(後端)により、第2ブラケットが第2位置スライド位置に位置決めされる。また、第2回転位置決め部材、すなわち、第3ブラケット7のスプリングピン35および第2ブラケット6の第2係合孔33により、第3ブラケット7が第2回転位置に位置決めされる。この結果、この実施例1における車両用灯具1は、第2ブラケット6および第3ブラケット7を支える必要が無いので、その分、光源バルブ8の交換作業を簡単にかつ確実に行うことができる。
【0058】
さらにまた、この実施例1における車両用灯具1は、第1ブラケット5の1本もしくは2本のガイド溝25に第2ブラケット6の1本もしくは2本のガイドピン29がセットされているので、第2ブラケット6が第1ブラケット5に対してスライドする際に、その第2ブラケット6が第1ブラケット5に対して2本のスライドピン28を結ぶ軸回りに回転するのを防ぐことができ、これにより、第2ブラケット6がスムーズにスライドすることができる。
【実施例2】
【0059】
図18および図19は、この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す。図中、図1〜図17と同符号は、同一のものを示す。なお、図においては、光源バルブ取付スプリング39の図示が省略されている。この実施例2における車両用灯具は、ランプハウジング2の開口部14すなわち光源バルブ8の交換位置を、前記の実施例1における車両用灯具が上部にあるのに対して、左側部にあるものである。この実施例2における車両用灯具は、前記の実施例1における車両用灯具とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0060】
なお、前記の実施例1においては、車両用灯具としてヘッドランプについて説明する。ところが、この発明においては、ヘッドランプ以外の車両用灯具、たとえば、フォグランプ、フロントコンビネーションランプ、リヤコンビネーションランプなどの車両用灯具にも適用することができる。
【0061】
また、前記の実施例1においては、開口部14をランプハウジング2の上部または左側部に設けたものである。ところが、この発明においては、開口部をランプハウジングの上部または左側部以外の部分に設けても良い。
【符号の説明】
【0062】
1 車両用灯具
2 ランプハウジング
3 ランプレンズ
4 リフレクタ
5 第1ブラケット
6 第2ブラケット
7 第3ブラケット
8 光源バルブ
9 インナーパネル
10 ソケット
11 カバー
12 車体パネル
13 シール凹部
14 開口部
15 取付凹部
16 Oリング
17 シール脚部
18 灯室
19 反射面
20 光源バルブ挿入孔
21 光源バルブ挿入孔
22 底板
23 左右両側板
24 スライド溝
25 ガイド溝
26 底板
27 左右両側板
28 スライドピン
29 ガイドピン
30 板ばね(第1スライド位置決め部材)
31 軸
32 第1係合孔
33 第2係合孔
34 取付片
35 スプリングピン
36 段部
37 光源バルブ挿入孔
38 凹部
39 光源バルブ取付スプリング
40 係合部
41 ガラス管球
42 口金
43 取付鍔部
44 端子
45 凸部
46 ハーネス
47 エンジンコンパートメントなど
Z−Z 光軸
B−B バルブ軸
O−O 軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源バルブが交換可能に取り付けられている車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されていて、光源バルブ挿入孔が設けられているリフレクタと、
前記リフレクタに固定されていて、前記リフレクタの前記光源バルブ挿入孔と連通する光源バルブ挿入孔が設けられている第1ブラケットと、
前記第1ブラケットに前記リフレクタの光軸方向に第1スライド位置と第2スライド位置との間においてスライド可能に取り付けられている第2ブラケットと、
前記第2ブラケットに前記リフレクタの光軸に対してねじれの位置に位置する軸回りに第1回転位置と第2回転位置との間において回転可能に取り付けられていて、光源バルブ挿入孔が設けられている第3ブラケットと、
前記第3ブラケットの前記光源バルブ挿入孔の縁に着脱可能に取り付けられている光源バルブと、
を備え、
前記第3ブラケットの前記第1回転位置、および、前記第2ブラケットの前記第1スライド位置は、前記光源バルブが前記第1ブラケットの前記光源バルブ挿入孔および前記リフレクタの前記光源バルブ挿入孔に挿入されて所定の位置に位置する位置であり、
前記第2ブラケットの前記第2スライド位置は、前記第3ブラケットが前記第1回転位置と前記第2回転位置との間において回転可能である位置であり、
前記第2ブラケットの前記第2スライド位置、および、前記第3ブラケットの前記第2回転位置は、前記光源バルブが着脱可能である位置である、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとには、前記第1スライド位置に位置決めする第1スライド位置決め部材がそれぞれ設けられていて、
前記第2ブラケットと前記第3ブラケットとには、前記第1回転位置に位置決めする第1回転位置決め部材がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとには、前記第2スライド位置に位置決めする第2スライド位置決め部材がそれぞれ設けられていて、
前記第2ブラケットと前記第3ブラケットとには、前記第2回転位置に位置決めする第2回転位置決め部材がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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