説明

車両用空気調和装置

【課題】電気自動車に搭載され、車室外の温度が低温時に室外熱交換器に着霜し難い車両用空気調和装置を提供する。
【解決手段】車両用空気調和装置1は、第1熱交換媒体を圧縮して吐出する圧縮機21と、第1熱交換媒体を放熱させる第1室内放熱器15と、第1熱交換媒体を吸熱させる室外熱交換器22と、第2熱交換媒体を加熱する加熱ヒータ70と、加熱ヒータ70で加熱された第2熱交換媒体を放熱させる第2室内放熱器61を備え、圧縮機21で吐出された第1熱交換媒体を第1室内放熱器15で放熱させ、この第1熱交換媒体を室外熱交換器22で吸熱させ、加熱ヒータ70で加熱された第2熱交換媒体を第2室内放熱器61で放熱させる暖房運転を行う。室外熱交換器22の車室側に室外送風機30を設け、室外熱交換器22と室外送風機30との間に加熱ヒータ70を設け、暖房運転時に室外送風機30から送られて加熱ヒータ70から放出される熱で暖められた空気を室外熱交換器22に送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空気調和装置に関し、特に、電気自動車に適用可能な車両用空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジン駆動式の自動車に搭載される車両用空気調和装置は、冷房運転を圧縮機、室内熱交換器、室外熱交換器を有するヒートポンプシステムで行い、暖房運転をエンジンの廃熱を利用して行うように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このエンジン駆動式の車両用空気調和装置を電気自動車に適用すると、電気自動車にはエンジンが搭載されていないので、従来の車両用空気調和装置では暖房運転を行うことができない。
【0004】
そこで、電気自動車における車両用空気調和装置では、圧縮機から吐出された冷媒を、室内熱交換器において放熱させ、室外熱交換器において吸熱させることで暖房運転を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】平成11−5439号公報(図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このヒートポンプシステムでは、暖房運転時に、室内熱交換器において放出する熱量を室外熱交換器において車室外の空気から吸熱している。このため、車室外の温度が低温の環境下になると、室外熱交換器における冷媒の蒸発温度が低くなり、室外熱交換器に着霜するおそれが生じ、車室内の温度制御が困難となる問題が発生する。
【0007】
本発明の目的とするところは、エンジンを搭載しない電気自動車において、車室外の温度が低温の環境下においても、室外熱交換器に着霜が生じ難い車両用空気調和装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記目的を達成するために、第1熱交換媒体を圧縮して吐出する圧縮機と、第1熱交換媒体を放熱させる第1放熱器(実施形態における第1室内放熱器15、内部熱交換器63)と、第1熱交換媒体を吸熱させる吸熱器(実施形態における室外熱交換器22)と、第2熱交換媒体を加熱する加熱ヒータと、加熱ヒータ及び第1放熱器のうち少なくとも該加熱ヒータによって加熱された第2熱交換媒体を放熱させる第2放熱器(実施形態における第2室内放熱器61、第1室内放熱器15)とを備え、圧縮機によって吐出された第1熱交換媒体を第1放熱器において放熱させ、該第1放熱器において放熱させた第1熱交換媒体を吸熱器において吸熱させるとともに、加熱ヒータ及び第1放熱器のうち少なくとも該加熱ヒータによって加熱された第2熱交換媒体を第2放熱器において放熱させる暖房運転を行う車両用空気調和装置であって、吸熱器を流通する第1熱交換媒体と熱交換する空気を流通させる室外送風機が設けられ、加熱ヒータは、吸熱器の空気の流通方向上流側に設けられ、暖房運転時に、室外送風機によって吸熱器に向かって送られる空気を、加熱ヒータのヒータ本体部から放出される熱によって加熱し、この加熱された空気を吸熱器に流通させることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
これにより、暖房時には、室外送風機によって吸熱器に向かって送られる空気は、加熱ヒータのヒータ本体部から放出される熱によって加熱され、この加熱された空気が吸熱器に流通するので、車室外の温度が低温になって、吸熱器における第1熱交換媒体の蒸発温度が低くなり、吸熱器に着霜するおそれが生じても、吸熱器に着霜が発生する事態を防止することができ、また吸熱器に着いた霜を除くことができる。
【0010】
本発明の「加熱ヒータは、吸熱器の空気の流通方向上流側に設けられ」とは、具体的には、室外送風機が吸熱器の空気の流通方向上流側に設けられる場合には、加熱ヒータは室外送風機と吸熱器との間に設けられ、一方、室外送風機が吸熱器の空気の流通方向下流側に設けられる場合には、加熱ヒータは吸熱器に対して室外送風機と反対側に設けられることをいう。なお、室外送風機が吸熱器の空気の流通方向上流側に設けられる場合には、室外送風機から吸熱器側に向かって流れる空気が吸熱器を流通する。一方、室外送風機が吸熱器の空気の流通方向下流側に設けられる場合には、室外送風機によって吸引されて室外送風機側に向かって流れる空気が吸熱器を流通する。
【0011】
本発明の「前記室外送風機によって前記吸熱器に向かって送られる空気を、前記加熱ヒータのヒータ本体部から放出される熱によって加熱」することにより、空気を暖める直接の熱源はヒータ本体部から放出される熱であり、加熱ヒータではない。従って、放出される熱の温度が所定温度に達すれば加熱ヒータをオフ状態にすることができ、加熱ヒータによる電力消費の増大を抑制することができる。また、吸熱器に向かって送られる空気を、加熱ヒータのヒータ本体部から放出される熱によって加熱するので、ヒータ本体部と空気との間で熱交換を行う熱交換器が不要であり、コストの増大を抑制することができる。
【0012】
ここで、加熱ヒータが空気の流通方向に対して略直交する方向に延びる平面状の面部を有したものである場合、室外送風機から加熱ヒータ側に流れる空気が加熱ヒータの面部で受けるように加熱ヒータを配設すると、加熱ヒータで暖められた空気は、面部に当たった後に向きを変えて面部に沿って移動する。このため、暖められた空気が吸熱器側に流れ難くなる。
【0013】
そこで、加熱ヒータは、室外送風機から送られる空気を吸熱器側に向かって流通させる貫通孔を有し、室外送風機によって送られる空気は、貫通孔を流れる際にヒータ本体部から放出される熱により加熱されて吸熱器に流通するようにしてもよい(請求項2)。
【0014】
これにより、室外送風機によって送られる空気が加熱ヒータに当たって向きを変えて吸熱器側へ流れ難くなる事態を確実に防止することができ、ヒータ本体部から放出される熱によって暖められた空気を確実に吸熱器に送ることができる。
【0015】
本発明の「貫通孔」は、室外送風機から送られる空気を流通させる際にヒータ本体部から放出される熱を空気に伝達させるためのものである。このため、空気が貫通孔を流通する際に、貫通孔の内面に空気が接触し易いように貫通孔の内面を形成することが好ましい。具体的には、貫通孔の内面が吸熱器側に進むに従って孔の開口面積が小さくなるように形成したり、貫通孔の内面の表面積を増大させるために内面に凹凸を設けたりしてもよい。
【0016】
また、本発明の加熱ヒータは、内部が中空なケース内に収容され、ケースは、室外送風機側に面する側面に開口して室外送風機から送られる空気をケース内に導入して加熱ヒータに当てる導入孔と、ケース内に収容された加熱ヒータとケースとの間に形成されて、導入孔から加熱ヒータに沿って延びて該導入孔に導入された空気を吸熱器側に面する側面側へ流す内部流路と、吸熱器側に面する側面に設けられ、ヒータ本体部から放出される熱によって暖められて内部流路を流れる空気を吸熱器側に放出する放出孔とを有するようにしてもよい(請求項3)。
【0017】
これにより、室外送風機から送られる空気は、導入孔を通って内部流路に流入し、内部流路を流れる空気は加熱ヒータに沿って流れてヒータ本体部から放出される熱により暖められる。従って、暖められた空気は放出孔から放出されて吸熱器に送られる。このため、室外送風機から送られる空気を確実に暖めることができるとともに、暖められた空気を吸熱器に送ることができる。
【0018】
本発明「導入孔」は、室外送風機から送られる空気を導入するものであるが、室外送風機から送られる空気の殆どを導入孔に導入できれば、放出孔から放出されて暖められた空気の量を増大させることができ、吸熱器の着霜をより確実に防止することが可能になる。このため、導入孔は、送風機から送られる空気の束に近似する大きさに形成されることが好ましい。
【0019】
また本発明の加熱ヒータは、その表面に凹凸が形成されてもよい(請求項4)。
【0020】
これにより、加熱ヒータの表面積を増大させることができ、室外送風機から送られる空気をより効果的に暖めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の車両用空気調和装置によれば、室外吸熱器を流通する第1熱交換媒体と熱交換する空気を流通させる室外送風機を設け、加熱ヒータを吸熱器の空気の流通方向上流側に設け、暖房運転時に、室外送風機によって吸熱器に向かって送られる空気を、加熱ヒータのヒータ本体部から放出される熱によって加熱し、この加熱された空気を吸熱器に流通させることで、暖房時にヒータ本体部から放出される熱によって暖められた空気が吸熱器に送られるので、車室外の温度が低温になって、吸熱器における第1熱交換媒体の蒸発温度が低くなり、吸熱器に着霜する虞が生じても、吸熱器に送られる暖められた空気によって吸熱器の着霜を防止することができる。このため、エンジンを搭載しない電気自動車において、車室外の温度が低温の環境下においても、吸熱器に着霜が生じ難い車両用空気調和装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態を示す車両用空気調和装置の暖房運転時の概略構成図である。
【図2】この車両用空気調和装置の加熱ヒータの概略説明図であり、同図(a)は加熱ヒータの平面視における概略断面図を示し、同図(b)は同図(a)のA−A矢視に相当する加熱ヒータの概略断面図を示す。
【図3】この車両用空気調和装置の主要部の概略構成図であり、同図(a)は主要部の平面視における概略構成図を示し、同図(b)は同図(a)のA矢視に相当する加熱ヒータの概略正面図を示す。
【図4】この車両用空気調和装置の除湿暖房運転時の概略構成図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係わる車両用空気調和装置の主要部の概略構成図であり、同図(a)は主要部の平面視における概略構成図を示し、同図(b)は同図(a)のB矢視に相当する加熱ヒータの概略正面図を示し、同図(c)は同図(a)のC矢視に相当する加熱ヒータの概略裏面図を示す。
【図6】本発明の第3実施形態に係わる車両用空気調和装置の主要部の概略構成図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係わる車両用空気調和装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係わる車両用空気調和装置の好ましい実施形態を図1から図7に基づいて説明する。図1〜図4は、本発明の第1実施形態を示すものである。
【0024】
本発明の車両用空気調和装置1は、図1に示すように、車室内に設けられた空調ユニット10と、車室内および車室外に亘って構成された冷媒回路20と、車室内および車室外に亘って構成された補助加熱回路60と、を備えている。
【0025】
空調ユニット10は、車室内に供給する空気を流通させるための空気流通路11を有している。空気流通路11の一端側には、車室外の空気を空気流通路11に流入させるための外気吸入口11aと、車室内の空気を空気流通路11に流入させるための内気吸入口11bと、が設けられている。また、空気流通路11の他端側には、空気流通路11を流通する空気を車室内の搭乗者の足元に向かって吹き出させるフット吹出口11cと、空気流通路11を流通する空気を車室内の搭乗者の上半身に向かって吹き出させるベント吹出口11dと、空気流通路11を流通する空気を車両のフロントガラスの車室内側の面に向かって吹き出させるデフ吹出口11eと、が設けられている。
【0026】
空気流通路11の一端側には、空気を空気流通路11の一端側から他端側に向かって流通させるためのシロッコファン等の室内送風機12が設けられている。この室内送風機12は電動モータ12aによって駆動される。
【0027】
空気流通路11の一端側には、外気吸入口11a及び内気吸入口11bの一方を開放して他方を閉鎖することが可能な吸入口切換えダンパ13が設けられている。この吸入口切換えダンパ13は図示しない電動モータによって駆動される。吸入口切換えダンパ13によって内気吸入口11bが閉鎖されて外気吸入口11aが開放されると、外気吸入口11aから空気が空気流通路11に流入する外気供給モードとなる。
【0028】
また、吸入口切換えダンパ13によって外気吸入口11aが閉鎖されて内気吸入口11bが開放されると、内気吸入口11bから空気が空気流通路11に流入する内気循環モードとなる。さらに、吸入口切換えダンパ13が外気吸入口11aと内気吸入口11bとの間に位置し、外気吸入口11aと内気吸入口11bがそれぞれ開放されると、吸入口切換えダンパ13による外気吸入口11a及び内気吸入口11bのそれぞれの開口率に応じた割合で、外気吸入口11aと内気吸入口11bとから空気が空気流通路11に流入する外内気吸入モードとなる。
【0029】
空気流通路11の他端側のフット吹出口11c、ベント吹出口11d及びデフ吹出口11eのそれぞれには、各吹出口11c,11d,11eを開閉するための吹出口切換えダンパ13b,13c,13dが設けられている。これらの吹出口切換えダンパ13b,13c,13dは、図示しないリンク機構によって連動するように構成され、電動モータによってそれぞれ開閉される。
【0030】
ここで、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11cが開放されてベント吹出口11dが閉鎖され、デフ吹出口11eが僅かに開放されると、空気流通路11を流通する空気の大部分がフット吹出口11cから吹き出されると共に残りの空気がデフ吹出口11eから吹き出されるフットモードとなる。また、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11c及びデフ吹出口11eが閉鎖されてベント吹出口11dが開放されると、空気流通路11を流通する空気の全てがベント吹出口11dから吹き出されるベントモードとなる。
【0031】
さらに、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11c及びベント吹出口11dが開放されてデフ吹出口11eが閉鎖されると、空気流通路11を流通する空気がフット吹出口11c及びベント吹出口11dから吹き出されるバイレベルモードとなる。また、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11c及びベント吹出口11dが閉鎖されてデフ吹出口11eが開放されると、空気流通路11を流通する空気がデフ吹出口11eから吹き出されるデフモードとなる。また、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってベント吹出口11dが閉鎖されてフット吹出口11c及びデフ吹出口11eが開放されると、空気流通路11を流通する空気がフット吹出口11c及びデフ吹出口11eから吹き出されるデフフットモードとなる。
【0032】
尚、バイレベルモードにおいては、フット吹出口11cから吹き出される空気の温度がベント吹出口11dから吹き出される空気の温度よりも高温となる温度差が生じるような、空気流通路11、フット吹出口11c、ベント吹出口11d、後述する吸熱器及び放熱器の互いの位置関係や構造となっている。
【0033】
室内送風機12の空気流通方向下流側の空気流通路11には、空気流通路11を流通する空気を冷却及び除湿するための吸熱器14が設けられている。また、吸熱器14の空気流通方向下流側の空気流通路11には、空気流通路11を流通する空気を加熱するための第1室内放熱器15が設けられている。吸熱器14、第1室内放熱器15は、それぞれ冷媒と空気流通路11を流通する空気とを熱交換させるためのフィンとチューブ等からなる熱交換器である。
【0034】
吸熱器14と第1室内放熱器15との間の空気流通路11には、空気流通路11を流通する空気の第1室内放熱器15において加熱される割合を調整するためのエアミックスダンパ16が設けられている。エアミックスダンパ16は電動モータによって駆動される。エアミックスダンパ16は、空気流通路11の第1室内放熱器15の上流側に位置することによって、第1室内放熱器15において熱交換する空気の割合が減少し、空気流通路11の第1室内放熱器15以外の部分側に移動させることによって、第1室内放熱器15において熱交換する空気の割合が増加する。
【0035】
エアミックスダンパ16は、空気流通路11の第1室内放熱器15の上流側を閉鎖して第1室内放熱器15以外の部分を開放した状態で開度が0%となり、空気流通路11の第1室内放熱器15の上流側を開放し、第1室内放熱器15以外の部分を閉鎖した状態で開度が100%となる。
【0036】
冷媒回路20は、前記吸熱器14、前記第1室内放熱器15、第1熱交換媒体(例えば、ハイドロフルオロカーボン)を圧縮するための圧縮機21、第1熱交換媒体と車室外の空気とを熱交換するための室外熱交換器22、第1室内放熱器15から流出する第1熱交換媒体と吸熱器14から流出する第1熱交換媒体とを熱交換させるための内部熱交換器23、第1熱交換媒体の流路を切換えるための電動式の三方弁24、第1〜第4電磁弁25a〜25d及び第1〜第2逆止弁26a,26b、流通する第1熱交換媒体を減圧するための第1及び第2膨張弁27a,27b、余剰となる第1熱交換媒体を貯留するためのレシーバタンク28、気体の第1熱交換媒体と液体の第1熱交換媒体を分離して液冷媒が圧縮機21に吸入されることを防止するためのアキュムレータ29を有し、これらは銅管やアルミニウム管によって接続されている。
【0037】
圧縮機21、室外熱交換器22は車室外に配置されている。また、圧縮機21は電動モータによって駆動される。室外熱交換器22には、車両の停止時に車室外の空気と第1熱交換媒体とを熱交換させるための室外送風機30が設けられている。室外送風機30は、室外熱交換器22よりも車室側に配設されている。室外送風機30は、電動モータ30aによって駆動される。なお、室外送風機30は、二点鎖線で示すように室外熱交換器22よりも車室から離反する側に配設されてもよい。
【0038】
また、圧縮機21の冷媒吐出側と第1室内放熱器15の冷媒流入側とが冷媒流通路20aを介して接続され、第1室内放熱器15の冷媒流出側と室外熱交換器22の冷媒流入側とが冷媒流通路20bを介して接続されている。冷媒流通路20bには、三方弁24が設けられ、三方弁24の一方の冷媒流出側と他方の冷媒流出側が互いに並列に室外熱交換器22の冷媒流入側に冷媒流通路20c,20dを介して接続されている。
【0039】
冷媒流通路20dには、冷媒流通方向の上流側から順に、レシーバタンク28、第1膨張弁27a、第1逆止弁26aが設けられている。室外熱交換器22の冷媒流出側と圧縮機21の冷媒吸入側とが冷媒流通路20eを介して接続され、また室外熱交換器22の冷媒流出側と、冷媒流通路20dの三方弁24とレシーバタンク28との間とが、冷媒流通路20fを介して接続されている。
【0040】
冷媒流通路20eには、冷媒流通方向の上流側から順に、第1電磁弁25a、アキュムレータ29が設けられている。また、冷媒流通路20fには、冷媒流通方向の上流側から順に、第2電磁弁25b、第2逆止弁26bが設けられている。また、冷媒流通路20dのレシーバタンク28と第1膨張弁27aとの間と、内部熱交換器23の高圧冷媒流入側とが冷媒流通路20gを介して接続されている。冷媒流通路20gには、第3電磁弁25cが設けられている。
【0041】
内部熱交換器23の高圧冷媒流出側と吸熱器14の冷媒流入側とが冷媒流通路20hを介して接続されている。冷媒流通路20hには、第2膨張弁27bが設けられている。吸熱器14の冷媒流出側と内部熱交換器23の低圧冷媒流入側と冷媒流通路20iを介して接続されている。また内部熱交換器23の低圧冷媒流出側と、冷媒流通路20eの第1電磁弁25aとアキュムレータ29との間とが冷媒流通路20jを介して接続されている。冷媒流通路20aと室外熱交換器22の冷媒流入側とが冷媒流通路20kを介して接続されている。この冷媒流通路20kには、第4電磁弁25dが設けられている。
【0042】
補助加熱回路60は、空気流通路11を流通する空気を加熱するための第2室内放熱器61と、第2室内放熱器61から流出する第2熱交換媒体(例えば、水)を加熱するための加熱ヒータ70を有し、これらは銅管やアルミニウム管によって接続されている。第2室内放熱器61は、第1室内放熱器15の空気流通方向下流側の空気流通路11に設けられている。
【0043】
加熱ヒータ70は、図2(a)及び図2(b)に示すように、電熱線を備えるヒータ71と、ヒータ71から出る熱で加熱される第2熱交換媒体を流通する冷媒流路72と、ヒータ71及び冷媒流路72が設けられたヒータ本体部73とを有してなる。加熱ヒータ70は、車室外に配置されている。加熱ヒータ70の設置位置の詳細は後述する。ヒータ本体部73は直方体状に形成され、ヒータ本体部73の内側にヒータ本体部73一端から他端に亘って貫通する貫通孔73aが設けられている。
【0044】
ヒータ71はバッテリ等の電源に電気的に接続されて発熱が可能である。ヒータ71は、貫通孔73aの周方向外側の貫通孔73a長手方向一方側から他方側に沿って延びるとともに、他方側で屈曲して貫通孔73aの長手方向一方側に向かって延びるように配設されている。
【0045】
このため、冷媒流路72を流通する第2熱交換媒体はヒータ71によって加熱されて、ヒータ本体部73の略全体を昇温させる。
【0046】
加熱ヒータ70は、図3(a)に示すように、ヒータ本体部73の一方側の側面が室外熱交換器22に面するように、室外熱交換器22と室外送風機30との間に配設されている。加熱ヒータ70のヒータ本体部73には、図3(a)及び図3(b)に示すように、ヒータ本体部73の一方側の側面から他方側の側面を貫通する貫通孔73aが設けられているが、この貫通孔73aは、室外送風機30から送られる空気がヒータ本体部73の室外送風機30側の側面に当たって向きを変えて室外熱交換器22側へ流れ難くなるのを防止するとともに、加熱ヒータ70による空気の加熱を容易にするためのものである。
【0047】
このため、貫通孔73aはヒータ本体部73の室外送風機30側の側面に開口するとともに、室外熱交換器22側の側面に開口するようにヒータ本体部73内を貫通している。貫通孔73aの室外送風機30側に開口する開口部73bは、室外送風機30から送られる空気の束を導入しやすい形状(図面では楕円形状)に形成されている。なお、開口部73bは、室外送風機30から送られる空気の束の形状に応じて、楕円形状の他に、円形状、多角形状等でもよい。従って、室外送風機30から送られる空気は、貫通孔73a内を流通して室外熱交換器22側に排出されるとともに、貫通孔73aを流通する際に加熱ヒータ70により加熱される。
【0048】
加熱ヒータ70は、図1に示すように、その冷媒吐出側と第2室内放熱器61の冷媒流入側とが冷媒流通路60aを介して接続され、また加熱ヒータ70の冷媒流入側と第2室内放熱器61の冷媒吐出側とが冷媒流通路60bを介して接続されている。冷媒流通路60bにはポンプPが設けられ、このポンプPによって第2室内放熱器61から吐出する第2熱交換媒体が加熱ヒータ70に送られる。
【0049】
このように構成された車両用空気調和装置1では、冷房運転、除湿冷房運転、暖房運転、除湿暖房運転、除霜運転が行われる。運転モードが冷房運転、除湿冷房運転、暖房運転、除湿暖房運転、除霜運転の場合におけるそれぞれの冷媒回路20の経路を表1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
運転モードが暖房運転では、冷媒回路20は、三方弁24の流路が冷媒流通路20d側に設定され、第1電磁弁25aが開放されるとともに、第2〜第4電磁弁25b〜25dが閉鎖されて、圧縮機21が運転される。
【0052】
これにより、圧縮機21から吐出された第1熱交換媒体は、図1に示すように、冷媒流通路20a、第1室内放熱器15、冷媒流通路20b、20d、室外熱交換器22、冷媒流通路22eの順に流通して圧縮機21に吸入される。冷媒回路20を流通する第1熱交換媒体は、第1室内放熱器15において放熱し、室外熱交換器22において吸熱する。
【0053】
このとき、空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって空気流通路11を流通する空気は、吸熱器14において第1熱交換媒体と熱交換することなく、第1室内放熱器15において第1熱交換媒体と熱交換して加熱されて車室内に吹き出される。
【0054】
運転モードが除湿暖房運転では、冷媒回路20は、三方弁24の流路が冷媒流通路20d側に設定され、第1及び第3電磁弁25a,25cが開放されるとともに、第2及び第4電磁弁25b,25dが閉鎖されて、圧縮機21が運転される。
【0055】
これにより、圧縮機21から吐出された第1熱交換媒体は、図4に示すように、冷媒流通路20a、第1室内放熱器15、冷媒流通路20b,20dを順に流通する。冷媒流通路20dを流通する冷媒の一部は、室外熱交換器22、冷媒流通路20eの順に流通して圧縮機21に吸入される。また、冷媒流通路20dを流通するその他の第1熱交換媒体は、冷媒流通路20g、内部熱交換器23の高圧側、冷媒流通路20h、吸熱器14、冷媒流通路20i、内部熱交換器23の低圧側、冷媒流通路20j,20eの順に流通して圧縮機21に吸入される。冷媒回路20を流通する第1熱交換媒体は、第1室内放熱器15において放熱し、吸熱器14において吸熱する。
【0056】
この除湿暖房運転時には、空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって空気流通路11を流通する空気は、吸熱器14において冷媒と熱交換して冷却されることにより除湿される。また吸熱器14において除湿された空気は、一部の空気が第1室内放熱器15において第1熱交換媒体と熱交換することによって加熱されて車室内に吹き出される。
【0057】
ここで、暖房運転時及び除湿暖房時には、第1室内放熱器15において放出する熱量を室外熱交換器22において車室外の空気から吸熱している。このため、車室外の温度が低温の環境下になると、室外熱交換器22の冷媒の蒸発温度が低くなり、室外熱交換器22に着霜する虞が生じる。
【0058】
しかしながら、本発明の車両用空気調和装置1では、図1及び図4に示すように、室外熱交換器22と室外送風機30との間に加熱ヒータ70が設けられ、暖房運転時及び除湿暖房時に、室外送風機30が駆動するとともに加熱ヒータ70が作動して、室外送風機30によって室外熱交換器22に向かって送られた空気を、加熱ヒータ70で加熱された第2熱交換媒体が流通する加熱ヒータ70のヒータ本体部73から放出される熱によって加熱し、この加熱された空気を室外熱交換器22に流通させる。従って、室外熱交換器22の周囲温度が上昇されるので、室外熱交換器22が着霜する虞を防止することができる。
【0059】
また、室外熱交換器22に着霜して第1室内放熱器15の放熱機能が低下しても、補助加熱回路60の第2室内放熱器61における放熱によって空気流通路11を流通する空気が暖められるので、暖房機能の低下を防止することができる。
【0060】
図5(a)、図5(b)及び図5(c)は、本発明の第2実施形態を示すものである。なお、前述した第1実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
第2実施形態の加熱ヒータ70は、図5(a)、図5(b)及び図5(c)に示すように、加熱ヒータ70のヒータ本体部73には前述した貫通孔73a(図2(b)参照)が設けられていない。この加熱ヒータ70は、内部が中空なケース80内に収容されている。
【0062】
ケース80は、内部が中空で加熱ヒータ70を収容可能な箱状に形成されている。室外送風機30側に面するケース80の側面80aには、室外送風機30から送られる空気をケース80内に導入して加熱ヒータ70側に流す導入孔80bが設けられ、室外熱交換器22側に面するケース80の側面80cには、加熱ヒータ70によって暖められた空気を室外熱交換器22側に放出する放出孔80dが設けられている。導入孔80bは、室外送風機30から送られる空気の束を導入しやすい形状(図面では楕円形状)に形成されている。なお、導入孔80bは、室外送風機30から送られる空気の束の形状に応じて、楕円形状の他に、円形状、多角形状等でもよい。
【0063】
放出孔80dは、これから放出されて暖められた空気が室外熱交換器22に当たるように開口している。放出孔80dは、図面では楕円状に形成されている。なお、放出孔80dはこれから放出される空気が室外熱交換器22側に向くように形成され、楕円形状の他に、円形状、多角形状等でもよい。加熱ヒータ70はケース80内の中央部に位置するように配置されている。このため、加熱ヒータ70の外側とケース80の内面との間には、導入孔80b及び放出孔80dに連通する内部流路80eが形成されている。この内部流路80eは、導入孔80bから加熱ヒータ70の外側に沿って延びて放出孔80dに連通している。このため、導入孔80bに導入された空気は内部流路80eを流通して放出孔80dから放出される。
【0064】
内部流路80eを流通する空気は加熱ヒータ70の外側面に沿って流れるので、加熱ヒータ70から放出される熱によって暖められて放出孔80dから放出される。従って、暖められた空気は室外熱交換器22に送られるので、室外熱交換器22が着霜する虞を防止することができ、また室外熱交換器22に着霜しても、除霜することができる。さらにケース80内に流入した空気の殆どが加熱ヒータ70によって暖められるので、空気を効率的に暖めることができる。
【0065】
図6は、本発明の第3実施形態を示すものである。なお、前述した第1実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0066】
加熱ヒータ70のヒータ本体部73には前述した貫通孔73a(図2(a)参照)が設けられていない。ヒータ本体部73の外側面の全体に凹凸74に形成されている。この凹凸74によって加熱ヒータ70の表面積を増大させることができる。従って、室外送風機30から送られる空気がヒータ本体部73の外側面に接触する面積が増大して、より効果的に空気を暖めることができる。
【0067】
なお、前述した実施形態では、加熱ヒータ70に貫通孔73aを設けたもの(第1実施形態)、加熱ヒータ70がケース80内に収容されたもの(第2実施形態)、加熱ヒータ70の外面に凹凸74が設けられたもの(第3実施形態)を示したが、加熱ヒータ70はこれらを組み合わせて構成されてもよい。
【0068】
即ち、加熱ヒータ70は、(1)加熱ヒータ70に貫通孔73aを設け、この加熱ヒータ70をケース80内に収容したもの、(2)加熱ヒータ70に貫通孔73aを設けるとともに、加熱ヒータ70の外面に凹凸74を設けたもの、(3)加熱ヒータ70をケース80内に収容するとともに、この加熱ヒータ70の外面に凹凸74を設けたもの、(4)加熱ヒータ70に貫通孔73aを設け、この加熱ヒータ70をケース80内に収容し、加熱ヒータ70の外面に凹凸74を設けたもののいずれでもよい。
【0069】
このようにすると、室外送風機30から送られる空気をより確実に暖めることができ、室外熱交換器22に着霜が発生する事態をより確実に防止することができる。また室外熱交換器22に着霜が生じても確実に除霜することができる。
【0070】
図7は、本発明の第4実施形態を示すものである。なお、前述した第1実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。この第4実施形態の車両用空気調和装置1は、補助加熱回路60と冷媒回路20との間に、圧縮機21から吐出する第1熱交換媒体と加熱ヒータ70から流出する第2熱交換媒体とを熱交換させる内部熱交換器63が設けられている。この車両用空気調和装置1は、室外熱交換器22に着霜が発生して内部熱交換器63の熱交換機能が低下して第1室内放熱器15の暖房能力が低下すると、加熱ヒータ70が作動して暖房機能を上げるように構成されている。
【0071】
図7に示す冷媒回路20は、圧縮機21の冷媒吐出側と内部熱交換器63の一方の冷媒流入側とが冷媒流通路20mを介して接続され、内部熱交換器63の一方の冷媒流出側と三方弁24の冷媒流入側とが冷媒流通路20nを介して接続されている。また加熱ヒータ40の冷媒流入側と第1室内放熱器15の冷媒流出側とが冷媒流通路60bを介して接続されている。また加熱ヒータ40の冷媒吐出側と内部熱交換器63の他方の冷媒流入側とが冷媒流通路60aを介して接続され、内部熱交換器63の他方の冷媒流出側と第1室内放熱器15の冷媒流入側とが冷媒流通路60cを介して接続されている。この冷媒流通路60cにはポンプPが設けられ、このポンプPによって内部熱交換器63及び加熱ヒータ70で加熱された第2熱交換媒体が第1室内放熱器15に送られる。
【0072】
このように構成された図7に示す車両用空気調和装置1では、暖房運転時に室外熱交換器22に着霜が発生すると、第1室内放熱器15において放熱された第2熱交換媒体は、加熱ヒータ40によって一次加熱され、さらに内部熱交換器63で二次加熱されて、第1室内放熱器15において放熱される。このため、室外熱交換器22に着霜が発生して内部熱交換器63の熱交換機能が低下しても、第2熱交換媒体は加熱ヒータ70によって加熱されるので、内部熱交換器63の熱交換機能の低下を補うことができ、暖房機能の低下を防止することができる。
【0073】
また、前述したように、暖房運転時には室外送風機30によって室外熱交換器22側に向かって送られる空気が、加熱ヒータ70のヒータ本体部73から放出される熱によって加熱され、この加熱された空気が室外熱交換器22を流通する
ので、室外熱交換器22に着霜する虞を防止することができ、また、室外熱交換器22に着霜しても除霜することができる。
【0074】
なお、暖房運転時に室外熱交換器22に着霜が発生して内部熱交換器63の熱交換機能が殆ど無くなった場合には、第2熱交換媒体は加熱ヒータ40のみによって加熱される。
【符号の説明】
【0075】
1 車両用空気調和装置
15 第1室内放熱器(第1放熱器、第2放熱器)
21 圧縮機
22 室外熱交換器(吸熱器)
30 室外送風機
61 第2室内放熱器(第2放熱器)
63 内部熱交換器(第1放熱器)
70 加熱ヒータ
73 ヒータ本体部
73a 貫通孔
74 凹凸
80 ケース
80b 導入孔
80d 放出孔
80e 内部流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1熱交換媒体を圧縮して吐出する圧縮機と、前記第1熱交換媒体を放熱させる第1放熱器と、前記第1熱交換媒体を吸熱させる吸熱器と、第2熱交換媒体を加熱する加熱ヒータと、前記加熱ヒータ及び前記第1放熱器のうち少なくとも該加熱ヒータによって加熱された第2熱交換媒体を放熱させる第2放熱器とを備え、
前記圧縮機によって吐出された第1熱交換媒体を前記第1放熱器において放熱させ、該第1放熱器において放熱させた第1熱交換媒体を前記吸熱器において吸熱させるとともに、前記加熱ヒータ及び前記第1放熱器のうち少なくとも該加熱ヒータによって加熱された前記第2熱交換媒体を前記第2放熱器において放熱させる暖房運転を行う車両用空気調和装置であって、
前記吸熱器を流通する前記第1熱交換媒体と熱交換する空気を流通させる室外送風機が設けられ、
前記加熱ヒータは、前記吸熱器の空気の流通方向上流側に設けられ、
前記暖房運転時に、前記室外送風機によって前記吸熱器に向かって送られる空気を、前記加熱ヒータのヒータ本体部から放出される熱によって加熱し、この加熱された空気を前記吸熱器に流通させることを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項2】
前記加熱ヒータは、前記室外送風機から送られる空気を前記吸熱器側に向かって流通させる貫通孔を有し、
前記室外送風機によって送られる空気は、前記貫通孔を流れる際に前記ヒータ本体部から放出される熱により加熱されて前記吸熱器に流通することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
【請求項3】
前記加熱ヒータは、内部が中空なケース内に収容され、
前記ケースは、前記室外送風機側に面する側面に開口して前記室外送風機から送られる空気を前記ケース内に導入して前記加熱ヒータに当てる導入孔と、前記ケース内に収容された加熱ヒータと前記ケースとの間に形成されて、前記導入孔から前記加熱ヒータに沿って延びて該導入孔に導入された空気を前記吸熱器側に面する側面側へ流す内部流路と、前記吸熱器側に面する側面に設けられ、前記ヒータ本体部から放出される熱によって暖められて前記内部流路を流れる空気を吸熱器側に放出する放出孔とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
【請求項4】
前記加熱ヒータは、その表面に凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用空気調和装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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