説明

車両用軽合金ホイール

【課題】軽量化と意匠性を両立しつつ回転曲げ強度を有する車両用軽合金ホイールを提供する。
【解決手段】車両用軽合金ホイール1は、スポーク部2及び該スポーク部2間に形成される窓部3を有するディスク部4と、リム部5と、ホイール固定部6とを有する。前記スポーク部2の窓部3側に面する側面には、前記ホイール固定部6から前記リム部5付近までの間に凹部7が形成され、且つ回転曲げ試験で脆弱となるスポーク部2の位置に前記凹部7を径方向に分けるリブ部8が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量化と意匠性を両立しつつ、回転曲げ試験に対する機械的強度の低下を防ぐことができる車両用軽合金ホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ホイールは、様々な材質、製法、構造のものがあるが、燃費向上ならびに装備充実化のため、車両本体と同様に軽量化の要請が求められている。しかも、意匠性にも富んだ形状のものが益々好まれ、その形状は年々多様化してきている。このような経緯より、材質的にはアルミニウム合金を主とした軽合金ホイールが主流となっている。また、構造的にはディスク面の意匠性に影響を与えないスポーク部の裏面側に鋳抜き部を形成する構造が採用されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−8142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両用ホイールの更なる軽量化のためにスポーク部に凹部を設けることも可能であるが、単なる凹部を設けたのみでは、意匠性を低下させ、回転曲げに対する機械的強度の低下を招いてしまう。
本発明は、このような事情に鑑みて成されたものであり、軽量化と意匠性を両立しつつ回転曲げ強度を有する車両用軽合金ホイールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車両用軽合金ホイールは、
スポーク部及び該スポーク部間に形成される窓部を有するディスク部と、リム部と、ホイール固定部とを有する車両用軽合金ホイールにおいて、
前記スポーク部の窓部側に面する側面には、前記ホイール固定部から前記リム部付近までの間に凹部が形成され、且つ前記凹部を径方向に分けるリブ部が形成されているものである。
これにより、前記凹部により軽量化を図ることができ、且つ前記リブ部によりスポーク部の回転曲げ強度を確保することができる。しかも、前記凹部及び前記リブ部は、前記スポーク部の窓部側に面する側面に形成されるので、ディスク面の意匠性を低下させることはなく、むしろ側方から見た意匠性に富んだものとなる。
【0006】
前記リブ部は、前記凹部を形成したスポーク部に対して回転曲げ試験で脆弱となるスポーク部の位置又はその近傍の少なくとも1箇所に形成されるのが好ましい。これにより、凹部を設けたスポーク部において回転曲げに対する応力を効果的に緩和させることができる。
【0007】
前記リブ部は、リブ幅を両端側が太く形成されるのが好ましい。これにより、リブ部の厚みを抑えて軽量化を図ると共にスポーク部の回転曲げ強度を確保することができる。
【0008】
前記リブ部は、側面がRを有する凹形状に形成されるのが好ましい。これにより、側方からの意匠性を高めつつ、リブ部の厚みを抑えて軽量化を図ると共にスポーク部の回転曲げ強度を確保することができる。すなわち、Rを設けることによってリブ部の脆弱化が防止されるので、その結果として意匠性を高めつつスポーク部の回転曲げ強度を効果的に確保することができる。
【0009】
前記凹部は、1つの窓部に隣接する2本のスポーク部の対向した側面に前記ホイール固定部にまで延在して連続的に形成されるのが好ましい。これにより、前記凹部を多く確保して一層軽量化することができ、且つ側方からの意匠性を高めることができる。
【0010】
前記凹部は、切削加工により形成され、該切削加工の未加工部位として前記リブ部が形成されるのが好ましい。これは、車両用軽合金ホイールを鋳造や鍛造で製造する際に前記凹部や前記リブ部を形成するとなれば、型を離型可能とするには型が複雑となる。これに対して、前記凹部を切削加工で形成し、その切削加工の未加工部位を前記リブとして形成すれば、従来どおりに車両用軽合金ホイールを鋳造や鍛造で製造することができ、しかも、鋳造や鍛造の後に前記凹部や前記リブ部を容易に形成することができる。
【0011】
なお、前記スポーク部は、意匠面又は/及び裏面に凹欠部が形成されてもよいし、また、表裏に貫通する貫通孔が形成されてもよい。この場合は、更なる軽量化を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明に係る車両用軽合金ホイールによれば、軽量化と回転曲げ強度とを両立させることができ、しかも側方からの意匠性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1の車両用ホイール形状として、スポーク部側面に凹部及びリブ部を設けた車両用ホイールを示す斜視図である。
【図2】実施例1の車両用ホイールにおいて、応力解析した結果のスポーク部付近を示す拡大斜視図である。
【図3】実施例2の車両用ホイール形状として、スポーク部側面に凹部及びリブ部を設けた車両用ホイールを示す斜視図である。
【図4】実施例2の車両用ホイールにおいて、応力解析した結果のスポーク部付近を示す拡大斜視図である。
【図5】スポーク部側面が未加工の車両用ホイールを示す斜視図である。
【図6】スポーク部側面が未加工の車両用ホイールにおいて、応力解析した結果のスポーク部付近を示す拡大斜視図である。
【図7】スポーク部側面に凹部のみを設けた車両用ホイールを示す斜視図である。
【図8】スポーク部側面に凹部のみを設けた車両用ホイールにおいて、応力解析した結果のスポーク部付近を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、実施の形態を説明する。
図1に示すように、実施の形態による車両用ホイール1は、スポーク部2及び該スポーク部2間に形成される窓部3を有するディスク部4と、タイヤが装着されるリム部5と、車軸に取り付けられるホイール固定部6とを有する。スポーク部2は、リム部5とホイール固定部6との間に放射状に複数本設けられている。図1に示す車両用ホイール1では、12本のスポーク部2が設けられ、スポーク部2間の窓部3が12個設けられているが、これに限らずスポーク部2の本数は任意に設定できる。また、この車両用ホイール1の材質は、アルミニウム合金、マグネシウム合金などの軽合金である。
【0015】
そして、スポーク部2の窓部3側に面する側面には、前記ホイール固定部6から前記リム部5付近までの間に凹部7が形成され、且つ回転曲げ試験で脆弱となるスポーク部2の位置又はその近傍に前記凹部7を径方向に分けるリブ部8が形成されている。すなわち、前記リブ部8は、径方向に延びる凹部7を2分するように車両用ホイール1の表裏方向に延設される。これにより、前記凹部7により軽量化を図ることができ、且つ前記リブ部8によりスポーク部2の回転曲げ強度を確保することができる。しかも、前記凹部7及び前記リブ部8は、前記スポーク部2の窓部3側に面する側面に形成されるので、これら凹部7やリブ部8を有しない車両用ホイール1と比べて、側方から見たディスク面の意匠性が富んだものとなる。
【0016】
車両用ホイール1は、一般に鋳造又は鍛造により製造されるが、いずれの製法でも型を有するため、離型可能な形状であることが前提となるが、前記凹部7や前記リブ部8を鋳造又は鍛造により形成するとなれば、型を離型可能とするには型が複雑となる。そこで、車両用ホイール1の外形を鋳造又は鍛造で形成した後、前記凹部7を切削加工で形成し、その切削加工の未加工部位を前記リブ部8として形成する。これにより、従来どおりに車両用ホイール1を鋳造や鍛造で製造することができ、しかも、鋳造や鍛造の後に前記凹部7や前記リブ部8を容易に形成することができる。
【0017】
前記凹部7は、1つの窓部3に隣接する2本のスポーク部2の対向した側面に前記ホイール固定部6にまで延在して連続的に形成される。これにより、前記凹部7を多く確保して一層軽量化することができ、且つ側方からの意匠性を高めることができる。この凹部7は、複数の窓部3のうちの等間隔に配置される幾つかの窓部3において隣接する2本のスポーク部2に形成するようにしてもよく、例えば、図1に示す車両用ホイール1では、凹部7は、12個の窓部3のうち1つ置きに等間隔に配置される6個の窓部3において隣接する2本のスポーク部2の対向した側面に対してホイール固定部6にまで延在して連続的に形成されている。これにより、車両用ホイール1の負荷バランスを保つことができ、しかも側方からの意匠性を高めることができる。なお、凹部7は、全てのスポーク部2に形成してもよいし、何本かのスポーク部2にのみ形成してもよい。また、凹部7は、スポーク部2の両側面に対して形成するようにしてもよいし、一側面にのみ形成するようにしてもよい。さらに、凹部7は、ホイール固定部6に延在することなくスポーク部2の側面に形成されるようにしてもよい。
【0018】
また、車両用ホイール1の回転曲げに対する応力は、ディスク面の意匠形状にもよるが、スポーク部2のホイール固定部6付近に集中的に生じ易いため、前記リブ部8は、前記ホイール固定部6付近に形成される。これにより、スポーク部2にかかる応力集中を確実に緩和させることができる。なお、スポーク部2において、回転曲げに対する応力が集中的に作用する部位がリム部5付近であれば、前記リブ部8は、リム部5付近に形成され、要するに、リブ部8は、凹部7を設けたスポーク部2において回転曲げ試験で脆弱となる位置又はその近傍に少なくとも1箇所形成されればよい。また、前記リブ部8は、その両側面がRを有する凹形状の一例として球凹面状に形成され、リブ幅が中央部から両端部へ向かう程に太幅に形成されている。これにより、Rを設けることによってリブ部8の脆弱化が防止され、その結果、側方からの意匠性を高めつつ、リブ部8の厚みを抑えて軽量化を図ると共にスポーク部2の回転曲げ強度を効果的に確保することができる。なお、リブ部8の両側面は、球凹面状に限らず、Rを有する凹形状であればよく、また、Rを有しない角を尖らせた形状でもよい。さらには、リブ部8のリブ幅は、全体的に同一幅で形成されてもよいし、また、両端部を太く形成するものでもよい。
【0019】
一例として、スポーク部2は、ディスク面の周方向の幅が10mm、高さ(表裏方向の長さ)が25mm〜30mm、径方向の長さが120mm〜130mmとした場合、凹部7は、幅が15mm〜20mm、深さが5mmとし、リブ部8の幅は、狭幅の中央部が5mm、広幅の両端部が15mm〜25mmとすることができる。
【0020】
なお、前記スポーク部2は、意匠面又は/及び裏面に凹欠部が形成されてもよいし、また、表裏に貫通する貫通孔が形成されてもよい。この場合は、更なる軽量化を図ることができる。
【0021】
ところで、スポーク部2の側面に前記凹部7を設ける切削加工を行う場合、凹部7がないスポーク断面形状と比較してスポーク部2の強度低下が懸念されるため、その補強策として、スポーク断面厚、すなわちディスク断面厚、あるいはスポーク意匠面におけるスポーク幅を増やすことで強度を上げようとすることが一般的な発想である。この場合、ディスク裏面が肉厚化されると、年々大型化しているブレーキキャリパーなどとの干渉も避けられないなどといった不具合が生じることもある。その一方、ディスク表面が肉厚化されると、ディスク意匠面の変更を要する他、ディスク・スポーク形状等によってはリム部5のリムフランジよりも突出することが避けられない事態となることもある。このスポーク部2の突出により法規上装着できない車両用ホイール1となることもある。他方、スポーク幅を広げることで対処すると、意匠そのものが変わってしまい、カーメーカなどのユーザーが要望するデザインに沿った形状を実現することが難しくなる。
【0022】
そこで、本実施形態では、車両用ホイール1は、設計段階において回転曲げ試験を想定して応力解析を行っていることに着目し、ディスク・スポーク断面厚、さらにはスポーク意匠幅を変更することなく、前述したスポーク部2側面の凹部7の有無での応力解析結果に基づいて、凹部7を設けたときに応力集中が生じる該当部位にリブ部8を形成することで応力集中を緩和させるようにした。
【0023】
具体的に解析手法は以下の手順にて行う。まず、解析モデルとして車両用ホイール1の3次元形状データを3次元CADで作成する。このとき、意匠面形状をカーメーカなどのユーザーが要望するデザインに沿って作成すると共に、スポーク部2の側面の凹部7を作成する。なお、意匠裏面の鋳抜き等の所謂ヌスミとした凹欠部を設けてもよい。
【0024】
次に、完成した3次元形状データを用いて、この形状による車両用ホイール1の回転曲げ試験に対する応力解析などの強度解析を行い、応力値を色などで識別・グラフィック化された解析結果を作成し確認する。この際、応力値が高く示されて応力集中が発生する部位において、スポーク部2の側面の凹部7をなくすようにリブ部8を形成した3次元形状データへ修正、変更する。なお、応力値が許容値を超える部位にはリブ部8を少なくとも1つ設ける必要があるが、リブ部8を複数設けるようにしてもよい。また、応力集中箇所が複数ある場合は、応力集中箇所毎にリブ部8を複数設けてもよい。さらには、応力値が許容範囲にある場合は、リブ部8を設けて強度の見直しをする必要性はないが、意匠面からリブ部8を増やすことは構わない。
【0025】
このようにして、応力集中箇所の応力値が許容範囲内となるようにリブ部8を設ける。なお、リブ部8の数が増えると当然ながら凹部7により軽量化できる重量は減少するため、これを補うように凹部7の幅や深さを大きくするように見直すことも可能である。これにより、リブ部8の重量増は、凹部7による軽量化に比べて微量な範囲にとどめることができる。
【0026】
以上の実施形態の車両用ホイール1によれば、スポーク部2の側面に凹部7を設けることによって回転曲げ試験における応力集中を想定した応力解析を行い、その解析結果を把握した上で製品設計を適切な形状とすることができる。すなわち、応力解析を行った際に、回転曲げ試験において許容値を超えるような応力値が示された脆弱部位には、凹部7を施さずにリブ部8を形成することで応力の局部的集中を回避することが可能となる。つまり、スポーク部2の側面に軽量化のための凹部7を切削加工で形成することを前提としながら、リブ部8によって強度低下を回避しつつ、前記凹部7を設けない車両用ホイール1Aに比べて軽量化することが可能となり、さらには、切削未加工部位を残してこれをリブ部8とするという従来にない発想による新たな意匠性をも具備したスポーク形状とすることができる。また、リブ部8は、形状・大きさを任意とし、かつ1本のスポーク部2上のリブ数についても応力集中箇所に配置したい任意の箇所に適宜に配置することで応力集中の緩和といった機械的特性の強化とホイール意匠性を高めるという創作性の2面性を兼ね備えた製品を提供することが可能である。従って、本実施形態によれば、軽量化と回転曲げ強度とを両立させることができ、しかも側方からの意匠性を高めることができる車両用ホイール1が実現される。
【実施例】
【0027】
以下に、実施例を挙げて具体的に説明する。
(実施例1)
<凹部無しのホイール>
まず、図5に示すように、スポーク部2の側面に凹部7を形成しないスポーク形状を持つ車両用ホイール1Aの3次元データを3次元CADで作成した。
この車両用ホイール1Aは、JISで定めたA6061−T6相当のアルミ合金材からなり、スポーク裏面には鋳抜き等によるヌスミ(凹欠部)を有しないものである。この車両用ホイール1Aの各サイズは、以下のとおりである。
ホイール径:19インチ
スポーク部2の長さ:120mm
スポーク部2の表裏方向の高さ:25mm〜30mm
スポーク部2の周方向の幅:10mm
ホイール重量:9.336kg
なお、この車両用ホイール1Aの形状は、ユーザーから要求されたものである。
そして、この車両用ホイール1Aにおいて、回転曲げ試験に対する応力解析をした結果、図6に示すように、スポーク部2のホイール固定部6付近に応力集中が見られ、その最大応力値が135N/mmであった。
【0028】
<凹部のみを設けたホイール>
次に、図5の車両用ホイール1Aに対して、1つ置きの6つの窓部3において隣接する2本のスポーク部2の対向した側面に対してホイール固定部6にまで延在して連続した凹部7を設けた車両用ホイール1Bの3次元データを3次元CADで作成した。この車両用ホイール1Bを図7に示す。
この際、凹部7は、幅が15mm〜20mm、深さが5mmである。ホイール重量は、 9.207kgとなり、図5のモデルに比べ、凹部7により0.129kgの軽量化がなされた。
そして、この車両用ホイール1Bにおいて、回転曲げ試験に対する応力解析をした結果、図8に示すように、ホイール固定部6近傍側スポーク部2の応力集中は、最大応力値が140N/mm以上となり、しかも図5のモデルに比べて135N/mm以上の応力集中範囲も2mm(図6)から20mmへ肥大化した。
【0029】
<凹部及びリブ部を設けたホイール>
以上の図7のモデルに基づいて、応力集中範囲中の最大応力値140N/mm以上を示した近傍のスポーク部2の側面において、凹部7を未加工の状態に戻す形でリブ部8を形成した車両用ホイール1の3次元データを3次元CADで作成した。この車両用ホイール1を図1に示す。
この際、リブ部8は、両側面が球凹面状に形成され、リブ幅が中央部から両端部へ向かう程に太幅に形成されている。このリブ部8は、中央部の狭幅で5mm、両端部の広幅で最大25mmとなるように形成した。ホイール重量は、9.224kgとなり、図5のモデルに比べ、凹部7により0.112kgの軽量化がなされた。
そして、この車両用ホイール1において、回転曲げ試験に対する応力解析をした結果、図2に示すように、スポーク部2のホイール固定部6付近の応力集中は、最大応力値が135N/mmとなり、図7のモデルよりも応力値が5N/mm緩和され、図5の凹部7を設けないモデルとほぼ同等の回転曲げ強度を有するようにできた。また、この135N/mmの応力集中範囲も図5の凹部7を設けないモデルとほぼ同等の4mmに緩和された。
【0030】
(実施例2)
図7のモデルに基づいて、最も応力値が高かった位置ではなく、次に応力値が高かったディスク外径方向の応力集中箇所の近傍において、スポーク部2の側面の凹部7を未加工状態に戻す形でリブ部8を形成した以外は、実施例1と同様に車両用ホイール1Xの3次元データを3次元CADで作成した。この車両用ホイール1Xを図3に示す。
ホイール重量は、実施例1と同様に9.224kgとなり、図5のモデルに比べ、凹部7により0.112kgの軽量化がなされた。
そして、この車両用ホイール1Xにおいて、回転曲げ試験に対する応力解析をした結果、図4に示すように、応力集中範囲は図7のモデルと変わりなかったが、スポーク部2のホイール固定部6付近の応力集中は、最大応力値が135N/mmとなり、図7のモデルよりも応力値が5N/mm緩和され、図5の凹部7を設けないモデルとほぼ同等の回転曲げ強度を有するようにできた。
【符号の説明】
【0031】
1,1X 車両用ホイール
2 スポーク部
3 窓部
4 ディスク部
5 リム部
6 ホイール固定部
7 凹部
8 リブ部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーク部及び該スポーク部間に形成される窓部を有するディスク部と、リム部と、ホイール固定部とを有する車両用軽合金ホイールにおいて、
前記スポーク部の窓部側に面する側面には、前記ホイール固定部から前記リム部付近までの間に凹部が形成され、且つ前記凹部を径方向に分けるリブ部が形成されている車両用軽合金ホイール。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用軽合金ホイールにおいて、
前記リブ部は、前記凹部を形成したスポーク部に対して回転曲げ試験で脆弱となる位置又はその近傍の少なくとも1箇所に形成されている車両用軽合金ホイール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用軽合金ホイールにおいて、
前記リブ部は、リブ幅を両端側が太く形成されている車両用軽合金ホイール。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用軽合金ホイールにおいて、
前記リブ部は、側面がRを有する凹形状に形成されている車両用軽合金ホイール。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用軽合金ホイールにおいて、
前記凹部は、1つの窓部に隣接する2本のスポーク部の対向した側面に前記ホイール固定部にまで延在して連続的に形成されている車両用軽合金ホイール。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用軽合金ホイールにおいて、
前記凹部は、切削加工により形成され、該切削加工の未加工部位として前記リブ部が形成される車両用軽合金ホイール。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−40903(P2012−40903A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181730(P2010−181730)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(591100301)株式会社レイズエンジニアリング (4)