説明

車両等に搭載可能な飲料サーバー

【課題】 車両等に搭載可能な飲料サーバー
【解決手段】
本体上部1aには冷蔵空間を構成する為に、飲料品樽3から供給される飲料品が通過することで冷やすコールドプレート7を底に配置し、コールドプレート7の上部には冷却剤8、を入れる為の空間と、食べ物を入れて冷やす冷蔵空間9を形成し、そして敷詰めた冷却剤8と冷蔵空間9の間に敷くアルミ板10を設けている。上端部には開閉できる上蓋16を取付け、本体上部1aには飲料品樽3に供給するガスボンベ6を取着し、又、冷却剤8が融けてできる水、及びカップに注ぐ際にこぼれ出た飲料品はホース19・20に流して回収する為のポリタンク5を底に載置し、さらに本体下部1bの底にはキャスター2を取り付けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観光バス等の車両・列車・船舶・航空機等(以下、車両等という)に搭載し、宴会場やイベント会場・キャンプ場等(以下、屋外等という)でも、美味しい飲料品を飲むことができる飲料サーバー(ビールサーバー等)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料サーバーとは、飲料品樽(生ビール樽等)に充填されている飲料品(生ビール・ジュース・お茶等)を保冷して、ノズルを介してカップに注入できるようにしたもので、飲料品樽からノズルへ飲料品を圧送する手段として、一般にガスなどの圧力を利用している。飲料サーバー本体の外部に小型のガスボンベを設置し、このガスボンベから飲料品樽にガスを圧送し、その圧力で飲料品樽内の飲料品をノズル側に送るように構成している。
【0003】
ところで、多くの飲食店などでは、電源が必要で簡単に移動ができない、大型の飲料サーバーを設置しており、客の注文を受けて手頃な温度に冷やされた飲料品をカップに入れて提供することができる。ところで、飲料品を飲む機会は何も飲食店に限るものではなく、屋外等や車両等に乗って旅行する場合も同じであるが、そのような場所では、大型のアイスボックスに氷を詰め、飲料品を入れて携帯することが一般的である。
【0004】
しかし、大型のアイスボックスを持ち運ぶことは不便であり、一方では缶飲料品(缶ビール等)と飲料サーバーから注がれた飲料品とでは、その味が違ってくる。ところが、従来の店舗に設置されている飲料サーバーを屋外や車両等に搭載することはできない。幾つかの問題点はあるが、第一に店舗用の飲料サーバーは電源が必要なうえ大きくて重く、走行に際して揺れ動く電車や観光バスに搭載し難い。
【0005】
特に飲料品樽へ圧力を付加する為に、ガスを圧入しているガスボンベが車両等の急ブレーキによって転倒する虞がある。そして、この転倒による衝撃でガスボンベが破裂する危険もあり、車両等への飲料サーバーの搭載には問題がある。
【0006】
市販の缶ビールとし、2リットル〜3リットルの比較的大型の缶を内部に取付け、ガスを用いて抽出することで、カップに注ぎ込むようにした小型のビールサーバー(飲料サーバー)も知られている。この小型飲料サーバーは家庭用を対象とし、屋外や
車両等に搭載して多数の人が利用するには缶ビールは小さすぎる。
特開2003−267493号に係る「ビールサーバー」は、この形態の一つである。
【0007】
特開2002−68385号に係る「ビールサーバー」は、ビール圧送用のガスボ
ンベを設置するためのスペースを別途必要とせず、またガスボンベを倒すおそれが
無いと共に、外観的にもスッキリした印象を与えるビールサーバーである。
すなわち、サーバー本体の前面に開閉可能な扉を備え、この扉の前面上部側に
飲料品注入用のノズルを設けている。そして扉の前面下部側には、ガスボンベを
収納するための収納部を扉に対して開閉可能に設け、当該収納部の上面にノズルから
注がれるビールを受けるカップを載置するための載置部を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−267493号に係る「ビールサーバー」
【特許文献2】特開2002−68385号に係る 「ビールサーバー」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、従来の飲料サーバーには上記等の問題点がある。本発明が解決しようとする課題はこれらの問題点であり、屋外等や車両等など場所を選ばずに、電源が無くても美味しい飲料品を自由に飲むことができる飲料サーバーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る飲料サーバーは、屋外等や車両等に搭載できるように構成する為に、次の特徴を備えている。
(1) 本体上部1aに持ち手22・ハンドル27があり、本体下部1b底面のキャスター2で、簡単に自由に持ち運びができる飲料サーバーである。
【0011】
(2) 本体下部1bの左右側面に、R112.50のカーブを設け、2本の飲料品樽を設置し、ゴムバンドにて本体1に固定、さらに車両等に設置されているテーブルに
固定することで、本体1の転倒を防止することができ、屋外等や車両等で使う事が
できる飲料サーバーができあがる。
【0012】
(3) 飲料品樽から供給してカップに注ぎ込む飲料品を冷やす為の手段としては、コールドプレートが使用され、該コールドプレートを冷やす冷却剤が用いられ、その為にコールドプレートの上部には冷却剤が収容される冷蔵空間を設けている。ここでいう、コールドプレートとは所定の厚さを有す板状体で、内部には飲料品が流れる細い穴が多数形成されている。
【0013】
(4) 冷却剤が融けてできる水を回収するポリタンクを備え、該ポリタンクを収納
するための空間を本体下部1bに設けている。このポリタンクには、冷却剤が融けた
水の他にカップに注ぐ際にこぼれ出た飲料品も回収される。
【0014】
(5) 本体上部1aはコールドプレートによって飲料品を冷やすと共に、冷却剤を敷詰
た上部には食べ物を入れて冷やすことができるように冷蔵空間を形成している。
【発明の効果】
【0015】
本発明の飲料サーバーは小型で持ち運びすることができる為に、屋外等や車両等に搭載して、イベント客等や乗車客等は飲料サーバーから飲料品を出して飲むことができる。従って、缶飲料品をアイスボックスに入れて携帯する必要性は無く、美味しい飲料品を飲料サーバーに提供することが可能になる。そして、該飲料サーバーは冷却剤で飲料品を冷やすことができる為に、車両等であっても使用・搭載することが可能である。一方で屋外等の場所であっても美味しい飲料品を飲むことができる。
【0016】
そして、この冷却剤を利用して飲料品を冷やすだけでなく、冷蔵空間を形成している為に他の食べ物を冷やすことができる。融けた冷却剤の水は、本体下部1bに収納しているポリタンクに流れ落ちて外に漏れ出すことはない。又、飲料品を注ぐ際に発生する泡やこぼれ出た飲料品もポリタンクに回収され、周囲に流れ出ないようにしている。一方、飲料品を飲料品樽から送り出すため、ガスを収納しているガスボンベは、本体上部1aの側面に固定されている為に、急ブレーキ等で車両等が停車してもガスボンベが転倒するといった事故は起こらない。勿論、飲料サーバー本体1は2個の飲料品樽にて両脇を固定され、さらに押え板を適切な高さにスライドレールにて位置を調整し(最低地上高267mm〜660mmまで対応可能)、車両等のテーブルに固定することで転倒することもない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る飲料サーバーの正面図
【図2】本発明に係る飲料サーバーの側面図
【図3】本発明に係る飲料サーバーの背面図
【図4】本発明に係る飲料サーバーの上面図
【図5】本発明に係る飲料サーバーの下部の下面図
【図6】本発明に係る飲料サーバーの上部の内部構造図
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1〜図4は本発明に係る飲料サーバーを示す実施例であり、図1は正面図、
図2は側面図、図3は背面図、図4は上面図、図5は下部の下面図、図6は本体上部1aの内部構造図を夫々表している。同図の1は飲料サーバーの本体1、2はキャスター、3は飲料品樽、4は蛇口、5がポリタンク、6がガスボンベを夫々表している。
本体1は本体上部1aと本体下部1bとで構成され、本体上部1aは冷蔵空間を構成し本体下部1bには、ポリタンク5及びガスボンベ6が収納・取着されている。
【0019】
本体上部1aの冷蔵空間は、飲料品樽3から送り出される飲料品を冷やし、又、その他の食べ物を入れて冷やすことができるようにしている。図6は本体上部1aの内部構造を示す概略図であり、下部にはコールドプレート7が配置され、その上の中間層は冷却剤8が詰まっている。そして冷却剤8の上部は色々な食べ物を入れて冷やすことができる、冷蔵空間9と成っている。又、冷却剤の上には熱伝導率の高いアルミ板10が敷かれて冷蔵空間9の底を形成している。
【0020】
飲料品樽3は本体下部1bの両側面に配置され、飲料品樽3の上端には飲料品供給パイプ11とガス供給パイプ12が接続されている。本体下部1b側面に取着したガスボンベ6からガスがガス供給パイプ12を通して飲料品樽3へ圧送される。そして、このガス圧力によって飲料品は、飲料品供給パイプ11を流れて蛇口4から注がれる。
【0021】
飲料品供給パイプ11は、本体上部1aに設けた飲料品供給ホース口13に接続されている。そして、飲料品供給ホース口13に入った飲料品はコールドプレート7に流入し、このコールドプレート7は、その上部に敷き詰められた冷却剤によって冷やされて、蛇口4から流出する。勿論、蛇口4にはレバー14が取り付けられていて、このレバー14を倒すことで蛇口4の弁が開いて飲料品が流出する。ここで、上記コールドプレート7とは市販されているものであり、内部には飲料品が流れる為の細かい穴が多数形成されているが、その具体的な構造は特に限定しない。飲料品供給口13からコールドプレート7の入口へ入り、出口から流出した飲料品は蛇口4へ導かれる。
【0022】
本体上部1aの正面にはカップ台15が水平に設けられ、カップはこのカップ台15に置かれて飲料品が注がれることは、従来のビールサーバーと同じである。ところで、本体上部1aの上端には上蓋16が取着され、この上蓋16を開き、アルミ板10を取り外して内部に冷却剤8が入れられる。冷却剤は時間の経過と共に融けて水になるが、この水は本体下部1bに配置したポリタンク5に流れて回収される。
【0023】
図3に示す背面図には水排出口17と飲料品排出口18を設けていて、冷却剤が融けた水は、上記水排出口17からホース19を流れてポリタンク5に入り、飲料品
をカップに注ぐ時に溢れ出た飲料品は飲料品排出口18からホース20を流れてポリ
タンク5へ回収される。
【0024】
本体上部1aに入る冷却剤8の量は適当に調整され、冷却剤の上に敷かれるアルミ
板10の上部に形成される冷蔵空間を小さくすれば、より多量の冷却剤を入れること
ができ、融けた冷却剤の水は水排出口17から排出されることで冷却剤は長持ちする。
そして、ガスボンベ6は本体下部1bに取り付けられ、圧力調整弁21によって適当
なガスを飲料品樽3へ供給することができる。
【0025】
そしてガスボンベ6は、本体1の内部に置かれるのではなく、本体下部1b側面に固定されることで、車両等が急停車しても転倒することはない。ところで、本発明の飲料サーバーは車両等に搭載することができ、その為にキャスター2と、本体下部1bの左右には、R112.50のカーブを設けて、飲料品樽置き場28を備えている。従って、上端に取り付けているハンドル27を握り、キャスター2を転がして飲料サーバーを移動することができる。所定の場所に起立させるならば、本体左右両脇の飲料品樽置き場28に2本の飲料品樽を置き、本体1とゴムバンドで固定することで安定することができる。
【0026】
さらに本体上部1aの背面側には開口25が形成され、この開口25に車両等に設置されるテーブルの縁が嵌る。スライドレール26(最低地上高267mm〜660mmまで対応可能)にて車両等に設置されるテーブルの高さに応じて取り付け位置を調整し、2本の固定ネジ23を締めることで、押え板24が上昇して開口25に嵌ったテーブル縁を挟み込み、飲料サーバーは該テーブルに固定される。従って、飲料サーバー自体が電車や観光バスの急ブレーキによって転倒することもない。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は上記説明に限定される。例えば、キャスター2は無くてもよい。ポリタンク6に限らず、金属タンクでもよい。冷却剤8に限らず、その他の冷却剤を使用できる。
【符号の説明】
【0028】

1・本体1 15・カップ台
2・キャスター 16・上蓋
3・飲料品樽 17・水排出口
4・蛇口 18・飲料品排出口
5・ポリタンク 19・ホース
6・ガスボンベ 20・ホース
7・コールドプレート 21・圧力調整弁
8・冷却剤 22・持ち手
9・冷蔵空間 23・固定ネジ
10・アルミ板 24・押え板
11・飲料品供給パイプ 25・開口
12・ガス供給パイプ 26・スライドレール(最低地上高267mm〜660mまで対応可能)
13・飲料品供給口 27・ハンドル
14・レバー 28・飲料品樽置き場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両等に搭載する事ができる飲料品サーバーにおいて、本体上部1aには冷蔵空間
を構成する為に、飲料品樽から供給される飲料品が通過することで冷やすコールドプレートを底に配置し、コールドプレートの上部には冷却剤を入れる為の空間と、飲食品を入れて冷やす冷蔵空間を形成し、そして敷詰めた冷却剤と食べ物が入る冷蔵空間
の間に敷く板を設け、上端部には開閉できる上蓋を取付け、本体下部1bの側面には飲料品樽に供給するガスボンベを取着し、又、冷却剤から出る水分、及び、カップに注ぐ際にこぼれ出た飲料品をホースにて流して回収する為の回収タンクを本体下部1bに載置し、本体上部1aには水分排出口と飲料品排出口を設けて夫々に上記ホースを接続したことを特徴とする飲料サーバー。
【請求項2】
本体上部1aには持ち手・ハンドルを取付け、本体下部1bにはキャスターを成して取着した請求項1記載の飲料サーバー。
【請求項3】
本体1の背面側にテーブルの縁が嵌る開口を設け、該開口には固定部材によって
該テーブル縁を挟み込むことができる押え板を配置した請求項1、又は請求項2の
飲料サーバー。
【請求項4】
請求項3に記載の飲料サーバーにおいて、前記の押え板に高さ調整機能を設けたことを特徴とする飲料サーバー。




















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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