説明

車両通信システム、および通信システムの動作方法

本発明は、車両(12)、特に、工業用または農業用の商用車両における通信システム(10)に関する。前記通信システム(10)は、少なくとも2つの主要動作コンポーネント(14)と、ネットワーク(16)とを備えている。車両(12)、そして好ましくは少なくとも1つの作業機能は、主要動作コンポーネント(14)によって動作させることができる。1つの主要動作コンポーネント(14)には、インターフェース・ユニット(32)と、主要動作コンポーネント(14)を作動させるおよび/または調整することができる任意の制御ユニットとが装備されている。1つの主要動作コンポーネント(14)上にあるインターフェース・ユニット(32)から、別の主要動作コンポーネント(14)上にあるインターフェース・ユニット(32)に、ネットワーク(16)を通じてデータを送信することができる。更に、本発明は、通信システム(10)の動作方法にも関する。簡略化したアーキテクチャおよび/またはより広い帯域幅を有する通信システムを設計するために、インターフェース・ユニット(32)に接続するネットワーク(16)には、イーサネット・データ・ネットワークが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、特に、工業用または農業用の商用車両における通信システムに関する。この通信システムは、少なくとも2つの主要動作コンポーネントと、ネットワークとを備えている。車両、そして好ましくは少なくとも1つの作業機能は、主要動作コンポーネントによって動作させることができる。主要動作コンポーネントは、インターフェース・ユニットを有し、更に主要動作コンポーネントを作動させるおよび/または調整するために用いることができる制御ユニットも有することができる。データおよび/または情報は、主要動作コンポーネント上にあるインターフェース・ユニットから、別の主要動作コンポーネント上にあるインターフェース・ユニットに、ネットワークと通じて送信することができる。また、本発明は、通信システムの動作方法にも関する。
【従来技術】
【0002】
過去数十年の間に、電子回路ならびに電子コントローラおよびレギュレータの使用は、農業機械セクタにおいて徐々に重要になってきた。多くの用途は、簡略化することができ、一層効率的にそしてより良く動作し使用することができる。何故なら、電子コントローラは複数のプロセスを、手動動作で可能な場合よりも正確且つ素早く実行することができるからである。
【0003】
種々のコントローラは、それらのプロセスを互いに同調させ合い同期を取ることができ、必要なデータを互いに相互交換することができるように、これらはCANバスを通じて通信する。これは、シリアル・バス・システムであり、長年にわたって自動車および自動化工業において広く用いられてきる。CANバスは、理想的な条件の下で、1Mビット/Sまでのデータ送信レートに備えている。典型的なデータ送信レートは、125kビット/S、250kビット/S、および500kビット/Sである。
【0004】
近年の車両システムにおける機能の範囲と共に増大しつつある大量のデータを送信および処理可能にするためには、複数のバスまたはバス・システムを並べて動作させる。前記バス・システムは、ゲートウェイによって互いに接続することができる。この結果、システムは増々複雑になり、問題を特定し解消することが増々困難になる。
【0005】
農業機械設計におけるCAN通信の応用下位分野に、制御コマンドを相互交換する目的での、トラクタと機材(appliance)との間における通信がある。このために、製造業者相互国際規格(ISO11783またはISOBUS)があり、異なる製造業者からの機材およびトラクタが互いに通信できることを確保し、これを行うことができる様式および形態を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、文頭において引用した形式で、前述の問題を克服する通信システムの仕様を決定し開発する目的に基づく。即ち、その目的は、簡略化したアーキテクチャ、および/または帯域幅を広げた(higher)通信システムを提供することである。
【0007】
本発明は、この目的を、請求項1の特徴によって達成する。本発明の更に進んだ改良および発展は、従属請求項において見出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、文頭において引用した形式の通信システムは、インターフェース・ユニットを接続するネットワークがイーサネット・データ・ネットワークを有するという点において格別である。
【0009】
原則として、全ての主要動作コンポーネント間に、イーサネット・データ・ネットワークを設けることができる。あるいは、車両内において選択した主要動作コンポーネント間のみに、イーサネット・データ・ネットワークを設けることもできる。
【0010】
第1に、ISOBUSの可能性が最大限用いられている場合、前述のISO規格に基づくCANバスの利用することができることが認識されている。ISOBUSを通じて敷設する制御ループは、車両とそれに合わせて構成することができる器具との間の相互作用におけるワークフローの自動化のためのアプリケーションと全く同様に、前記ISOBUSの性能能力を超過する。加えて、用途によっては、現行のCANバスによって実現できる反応時間よりも短い反応時間を要求する場合もある。また、CANバスは応答時間が保証されていない。更に別の問題は、ISOBUSの範囲である。何故なら、付属機材の中には、物理的な理由のために、その測定値の寸法が、バスが許容するよりも大きくなることもあるからである。
【0011】
したがって、工業用イーサネット・データ・ネットワークを、車両の主要動作コンポーネント間の通信のためのインフラストラクチャまたはプラットフォームとして用いることを、特に提案する。工業用イーサネット・データ・ネットワークは、工業用自動化ではほんの数年しか知られておらず、工業用生産プラントの製造業者および運営業者によって使用または応用されている。
【0012】
比較的高い帯域幅(100Mビット/Sまたは1Gビット/S)および比較的長い距離(銅線によって接続するときは100mまで)を考慮すると、比較的大量のデータを、全く問題なく、送信することも可能である。リアルタイム要求がある複雑な制御ループを動作させることを可能にするために、現在では、短いサイクル時間(例えば、数百マイクロ秒)の場合でも高い要求を満たす工業用イーサネット・データ・ネットワークに基づく、複数の異なるリアルタイム解決策がある。更に、工業用イーサネット・データ・ネットワークでは、車両の事務所および管理世界への連結を簡素化することができる。移動使用の特異性は、システムに対する要求の増大、したがって特に一般道路以外の区域(offroad area)における技術的課題を表す。リアルタイム互換ネットワークを実現するためには、例えば、正確時間プロトコル(IEEE1588)を用いることもできる。
【0013】
以下の車両コンポーネントは、本発明の想定においては、主要動作コンポーネントと見なされる。
−内燃エンジン
−トランスミッション
−液圧ポンプ
−電力引き取り軸
−電気機械を作動させるための変換器
−電力電子回路ユニット
−電気機械
−発電機
−電動機
−コンプレッサ
−特に能動的作動(active actuation)の場合における車両サスペンション・システム
言い換えると、主要動作コンポーネントは、移動(locomotion)または作業機能の実行というような、車両の必須機能遂行の実行のために通常比較的大量の電力引き出し即ち電力出力を要する、比較的大きなユニットまたは比較的大きなアセンブリである。
【0014】
通信システムの一好適実施形態によれば、発電機における変換器が、インターフェース・ユニットを通じて、ネットワーク内に組み込まれている。加えて、電動機における変換器も同様に、インターフェース・ユニットを通じてネットワーク内に組み込まれている。少なくとも2つのインターフェース・ユニット間において、ネットワークはイーサネット・データ・ネットワークの形態をなし、特に、これはリアルタイム互換性があるので、発電機および電動機を互いに順番に動作させることができる。
【0015】
通信システムの更に別の好適な実施形態では、主要動作コンポーネントの個々のインターフェース・ユニットを作動させる通信システム・サーバが設けられている。個々のインターフェース・ユニットは、通信システム・サーバによって集中的に作動させることができ、これは、必ずしも星形ネットワーク構成となる必要はない。
【0016】
主要動作コンポーネントの一部、または制御ループの少なくとも1つの主要動作コンポーネントを作動させる場合、ネットワークを通じて送信するデータ・レートは1から数Mビット/Sの範囲であることが期待される。更に、このような制御ループは、非常に短い反応時間を必要とする可能性もある。したがって、通信システムの一好適実施形態では、リアルタイム互換データ送信を実現できるように、イーサネット・データ・ネットワークを設計する。
【0017】
リアルタイム互換データ送信は、特に、規定可能な時間期間以内に少なくとも2つのインターフェース・ユニット間でデータ送信が行われる場合に実施することができ、規定可能な時間期間は、10μsから10msの範囲である。
【0018】
また、リアルタイム互換データ送信は、決定論的データ送信として知られているものの一部として実現することもできる。この場合、それぞれのデータ送信は、規定の時点において行われる。これは、個々のデータ・パケットの形態で設けることができる。典型的なサイクル時間は、約200μsであるが、これよりも短くてもよいことは確かである。ネットワーク加入者間のデータ送信は、このようなサイクル時間以内に終了する。
【0019】
加えてあるいは代わりに、リアルタイム互換データ送信は、少なくとも1つの別のインターフェース・ユニットに宛てたデータをインターフェース・ユニットが送る場合に行うことができる。この文脈では、最大時間期間は、送出側のインターフェース・ユニットによって規定することができる。あるいは、最大時間期間を別の方法で規定してもよい。この最大時間期間内に、データ送信成功の承認または検証が、受信側インターフェース・ユニットから受信されなければならない。
【0020】
また、リアルタイム互換データ送信は、少なくとも1つの別のインターフェース・ユニットに宛てたデータをインターフェース・ユニットが送り、送られたデータも実際に受信機によって、例えば、サイクル時間の後に受信された場合にも、行うことができる。このようなリアルタイム互換データ送信の設計は、異なる形態での静的用途のための先行技術から周知である。このような設計は、本願に対しても本質的に変更せずに採用することができ、あるいは本願に特定的に合わせることもできる。
【0021】
通信システムの一好適実施形態によれば、ネットワークは、以下のイーサネット規格の仕様に完全にまたは大方基づいて設計することができる。
−IEEE802.3(イーサネット)
−IEC SC5C(リアルタイム・イーサネット)
−IEEE802.11(WLAN)
−FlexRay
特に、IEC SC5C(リアルタイム・イーサネット)に基づいてイーサネット・データ・ネットワークを設計する場合、安全性が極めて重要な用途について既に証明されている規格に頼ることができるという利点がある。
【0022】
ここでは、インターフェース・ユニットは、互いに、クライアントおよび/またはサーバとして、ネットワークを通じて通信することができる。加えてあるいは代わりに、マスタと少なくとも1つのスレーブとを有することはネットワークにとって役立つ場合がある。マスタは、特に規定の時刻に、要求データ・パケットを少なくとも1つのスレーブおよび/または全てのインターフェース・ユニットに、ネットワークを通じて送ることができる。これに関して、ネットワークにおけるデータ送信に対して周知のまたは定評のある概念に、これらの概念の内どれが本願にとって役に立つと思われるかに応じて、頼ることが可能である。
【0023】
これに関して、ネットワークを通じて送信するフレームにおけるフレーム・サイズまたはデータ・パケットのサイズも、規定可能および/または可変の形態とするとよい。好ましくは、フレーム・サイズは、送信する情報に基づいて、および/または時間に基づく送信密度に基づいて、可変に取り決めることができる。
【0024】
通信システムの一好適実施形態によれば、インターフェース・ユニットは、マスタ/スレーブ・プロトコルに基づいて、ネットワークを通じて互いに通信する。特に、主要動作コンポーネントの個々のインターフェース・ユニットを集中的に作動させる通信システム・サーバが設けられている場合、この通信システム・サーバをマスタとして構成し、主要動作コンポーネント上のインターフェース・ユニットをスレーブとして構成すると役に立つ。
【0025】
好ましくは、ネットワークは、少なくとも1Mビット/S、好ましくは10Mビット/S以上のデータ送信レートを有するような形態とする。
個々のインターフェース・ユニットは、ネットワークにおいて異なる方法で互いに接続することができる。この文脈では、異なるトポロジが役立つこともあり、少なくとも2つのインターフェース・ユニットまたは3つ以上のインターフェース・ユニットを互いに区間毎にそれぞれのトポロジで接続することを実質的に仮定する。特に好ましいのは、少なくとも2つのインターフェース・ユニットを線形トポロジで互いに接続することである。加えてあるいは代わりに、少なくとも2つのインターフェース・ユニットは、環状トポロジ、ツリー・トポロジ、および/または星形トポロジの形態で互いに接続することもできる。環状トポロジは特に有利である。何故なら、ネットワークが一地点で中断された場合でも、残りの団結した部分によって、データ送信が相変わらず可能であるからである。
【0026】
全ての主要動作コンポーネントまたはそのインターフェースおよび/または制御ユニットが互いにリアル・タイムで通信する必要がない場合、ネットワークの1区間だけがリアルタイム互換データ送信を有するような設備としてもよい。加えて、個々のネットワーク区間の最大データ送信レートは、特に、関連するインターフェース・ユニット間で通常予期されるデータ・トラフィックに特に基づいて、異なる値を有してもよい。
【0027】
通信システムの一好適実施形態によれは、ネットワークは、車両に合わせて構成することができる器具まで及ぶ。車両が農業用商用車両、特に農業用トラクタの形態をなす場合、適した実現例は、一例として、鋤、ラウンド・ベーラ、噴霧器、ハロー、種まき機、および/または芝刈り機である。したがって、本発明の意味における器具とは、具体的には、作業機能を実行することができ、車両に合わせて可逆的に(reversibly)構成することができる機器である。車両と器具との間におけるネットワーク接続は、ケーブル・リンクおよび/または無線リンクによって実現することができる。車両のオンボード・ネットワークを、車両に合わせて可逆的に構成することができる器具まで延長することは、特に器具がインターフェース・ユニットを含む主要動作コンポーネントを有する場合には役に立つ。器具の主要動作コンポーネントは、例えば、電動機、またはこの電動機を作動させる変換器とすることができ、前記電動機は、例えば、飼料混合トラックにおいて混合スクリューを駆動することができる。電動機には、電源線を通じて電力を供給することができ、前記電力は、車両上に設けられる発電機によって生成し、飼料混合トラックに利用可能にすることができる。飼料混合トラックの電動機は、走行速度、分配する飼料、飼料混合トラック内にあるコンテナの充填状態、およびその他の動作パラメータに基づいて、適宜作動または調整することができる。器具および/または車両上にあるセンサからのセンサ・データも、ネットワークを通じて送信することができる。
【0028】
ネットワークは、装置データを送信するために用いることができ、これらは特に、ネットワーク上にある個々のインターフェース・ユニットの登録に関するデータとすることができる。加えて、インターフェースの識別に関するデータ、あるいはインターフェース・ユニットおよび主要動作コンポーネントからの特性データ、あるいはこれらのコンポーネントからのプリセット・パラメータおよび/またはステータス・データも考慮に入る。
【0029】
代わりにあるいは加えて、ネットワークは、プロセス・データを送信するために用いることができる。プロセス・データとは、具体的には、主要動作コンポーネントへのコマンド・データ、主要動作コンポーネントからの入力データ、主要動作コンポーネントからのパラメータ、および/またはセンサ・データとすることができる。特に好ましくは、これらは、発電機と電動機との間において、発電機の中にある変換器と電動機の中にある変換器との間で送信する必要がある、電力流についての調整データとするとよい。この場合、発電機および電動機の双方共、車両上に配置することができる。代わりにあるいは加えて、発電機を車両上に配置し、電動機を、車両に合わせて構成することができる器具上に配置することも着想することができる。
【0030】
また、ネットワークを通じて、エラー・メッセージを送信できるようにすることも可能である。これらは、特に、エラーの時刻、エラーの種類、エラーの理由、および/または主要動作コンポーネントの状態を含むとよい。
【0031】
とりわけ、診断データを送るためにネットワークを用いることが可能であり、診断データは、特に、主要動作コンポーネントからの動作状態および/またはパラメータを有する。
【0032】
通信システムの特に好ましい一実施形態では、インターフェース・ユニットは、単一チップ技術に基づく。この場合、特に、主要動作コンポーネントのネットワーク通信および作動を、半導体チップに組み合わせる。これによって、第1に簡潔な設計が可能となり、第2にほぼエラーのない信頼性が高いネットワーク動作が可能となる。何故なら、用いる必要がある別個のコンポーネントは数個に過ぎないからである。
【0033】
好ましくは、ネットワーク動作の最中にインターフェース・ユニットを追加または除去することができる。ネットワークのこのような固有性は、「ホット・プラグ」という用語でも呼ばれており、特に、器具が車両に合わせて構成されており、ネットワークが器具まで及んでいる場合に役に立つ。この場合、器具の主要動作コンポーネント上にあるインターフェース・ユニットは、ネットワーク動作の最中に車両ネットワーク上に登録することができ、続いてネットワークを通じて作動させることができる。
【0034】
特に、農業用器具即ちトラクタの場合、器具を頻繁に変えて、例えば、更に別のインターフェース・ユニットをネットワークに接続するためにネットワークの電力を落としたり、この時間中には車両の限られた機能しか利用可能できなくする必要がないようにしている。
【0035】
好ましくは、ネットワークへの不正アクセスを防止するために用いることができる少なくとも1つの対策を設ける。このような対策は、ファイアウオール、プログラム・ルーチン、パスワード・チェック、ユーザ権利管理、および/または暗号化方法を有することができる。これに関して、既存のメカニズムまたは規格に頼ることができる。
【0036】
特に好ましくは、ネットワークの個々のコンポーネントをファイル・システムにマッピングするために用いることができる手段を設ける。このような手段は、特に、ルーチン、あるいはNFS、FPT、SFTP、RSH、SSH、Telnet、Rloginおよび/またはX−Windowsを含むことができる。したがって、一例として、通信システムを単純なファイル・システムの形態で外部に対して表現することができる。この設計は、車両用「仮想サーバ」と呼ぶことができる。
【0037】
これに関して、例えば、通信システム・サーバを通じて新たなソフトウェアおよび/または変更したソフトウェアを集中的にロードすることが可能になる。これは、個々のインターフェース・ユニットおよび個々の主要動作コンポーネントの新たなファームウェアにも当てはまる。この場合、個々のデータまたはファイルの実際の物理的記憶位置を知る必要はない。何故なら、前記記憶位置は、例えば、通信システム・サーバによって調整されるからである。適したアドレシングが必要条件となろう。
【0038】
加えて、これによって、イーサネット・データ・ネットワークの全てのサービスおよび機能を原則として実現し用いることが可能となる。特に、一般道路以外の区域のためのネットワークの実現例に関しては、本願では、イーサネット・データ・ネットワークは、その信頼性がありロバストなネットワークという固有性を考慮すると、しかるべきインターフェース・ユニットを通じた車両の個々の主要動作コンポーネント間における通信に適していることが好ましい。
【0039】
個々のインターフェース・ユニットおよび/または通信システム・サーバのために提供するオペレーティング・システムは、UnixまたはUnix派生物とするとよい。これは、マルチタスキング互換オペレーティング・システムであり、リアルタイム処理能力も装備することができる。あるいは、個々のインターフェース・ユニットおよび/または通信システム・サーバのために提供するオペレーティング・システムは、Microsoft Windowsまたはしかるべき派生物としてもよい。
【0040】
ネットワーク・コンポーネント上で走るオペレーティング・システムには関わらず、車両ユーザには、グラフィカルおよび/またはマルチメディア・ユーザ・インターフェース(GUI)を設けることができる。これは、用いるのが簡単で直観的であり、車両を動作させるために必要な情報をユーザに提供する。この場合、グラフィカル・ユーザ・インターエースは、広く用いられているユーザ方式「ルック&フィール」(Look & Feel)の異なる形態と一致するとよい。これらの例は、Microsoft WindowsまたはAppleからのオペレーティング・システムのユーザ・インターフェースから周知である。Unixオペレーティング・システム、特にLinuxは、KDEまたはGNOMEと呼ばれるシステムを、ユーザ・インターフェースとして提供する。これらのユーザ・インターフェースは、個々に構成することができる。これが意味するのは、これらも、例えば、オペレーティング・システムMicrosoft Windowsの「ルック&フィール」を有することができるということである。
【0041】
特に好ましくは、通信システムは、少なくとも他の1つのネットワークおよび/またはセクタ特定ソフトウェアの1つおよび/または工業用または農業用商用車両を管理するソフトウェアの1つへのインターフェースを有する。この種の別のネットワークは、例えば、中央コンピュータ・システムを内部に備えた、農業経営(agricultural operation)からの基本ネットワークとするとよい。このようなコンピュータ・システムは、セクタ特定プログラムがインストールされており、農業経営の作業を処理し、管理し、および/または統計的に評価するために用いることができる。特に、このような他のネットワークへのインターフェースにより、事務所用アプリケーションおよびマルチメディア・アプリケーションを、車両のネットワークに統合することが可能になり、あるいはこれとデータを伝達または相互交換することが可能になる。
【0042】
前述した他のネットワークは、具体的には、次のネットワーク仕様の1つにそれぞれ完全にまたはほぼ準拠する。
−IEEE802.15.1(Bluetooth)
−IEEE802.15.4(ZigBee)
−IEEE802.1(WiMAX)
−GPS
−USB
−UMTSまたはGSM。
【0043】
以下の文章は、本発明による通信システムの利点を纏めたものである。つまり、本発明による通信システムは、相応の用途例に基づいて、従来技術と比較すると、高速化したデータ送信を有し、拡大した帯域幅を提供する。制御ユニットおよび/またはインターフェース・ユニットおよび/または主要動作コンポーネントのための制御および調整プログラムは、更に、より簡単にそしてより素早く開発することができる。何故なら、各単一制御ユニットの場合に、ときとして具体的なインターフェースに明示的に接続する必要なく、単純で、自動化した、包括的なプログラミングが可能であるからである。通信システム・サーバに直接ログ・インし、そこから、ネットワークを通じて互いに接続されている全てのコンポーネントにアクセスすることができる。
【0044】
これに関して、ユーザ権利の割り当ておよび/またはユーザ権利の管理を用いることができる。診断の選択肢に関しても、先行技術から周知のシステムと比較すると、改良を達成することができる。何故なら、診断データをより高いレートで送信することができるからである。通信システムは、コンポーネント、ネットワーク・プロトコル、および概念で設計することができ、これらを切り離すと、比較的長い時間知られており、設計に関しては優れていることが実証されている。これによって、特に、安全で高速なネットワーク通信が可能となる。これは利用可能な技術であり、標準的なコンポーネントは、大量に低材料コストで入手可能である。特に時間が極めて重要な用途および/または安全性に関係する用途に対して保証されている規格を用いることができる。
【0045】
方法に関して、文頭においてあげた目的は、請求項34の特徴によって達成する。したがって、本発明による方法は、車両において通信システムを動作させるために用いることができる。通信システムは、特に、請求項1から33の1つに基づいて設計する。通信システムは、少なくとも2つの主要動作コンポーネントとネットワークとを備えている。主要動作コンポーネントによって車両を動作させる。主要動作コンポーネントは、インターフェース・ユニットと、可能であれば、主要動作コンポーネントを作動および/または調整するために用いられる制御ユニットとを有する。1つの主要動作コンポーネント上にあるインターフェース・ユニットから別の主要動作コンポーネント上にあるインターフェース・ユニットへ、ネットワークを通じてデータを送信する。インターフェース・ユニットを接続するネットワークは、イーサネット・データ・ネットワークを有する。
【0046】
本発明による方法は、請求項1から34の1項に記載の通信システムを車両において動作させるのに適しているので、本発明の分野において活動する当業者であれば、請求項1から34のいずれか1項に記載の通信システムを参照することにより、本発明による方法の有利な改良および発展への糸口をつかめる。これに関して、繰り返しを避けるために、この説明の直前部分を引用する。
【0047】
ここで、本発明の教示を有利に改良し発展させるための様々な選択肢がある。このため、図面を参照しながら最初に従属請求項に言及し、次いで本発明の好ましい実施形態例の以下の説明に言及する。一般に、好ましい改良や発展も、本発明の好ましい実施形態例の記載と合わせて、図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明による通信システムの第1実施形態例の模式図を示す。
【図2a】図2aは、異なるネットワーク・トポロジの模式図を示す。
【図2b】図2bは、異なるネットワーク・トポロジの模式図を示す。
【図2c】図2cは、異なるネットワーク・トポロジの模式図を示す。
【図2d】図2dは、異なるネットワーク・トポロジの模式図を示す。
【図3】図3は、本発明による通信システムに可能なサーバ構成の実施形態例の模式図を示す。
【0049】
これらの図において、同一または同様のコンポーネントは、同じ参照符号によって特定することとする。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、車両12における通システム10を示す。車両12は、トラクタの形状、即ち、農業用商用車両の形態をなす。図1において、破線の枠12は、単に、車両12と関連のあるコンポーネントを示すに過ぎない。通信システム10は、複数の主要動作コンポーネント14と、ネットワーク16とを備えている。車両12は、主要動作コンポーネント14によって動作させることができる。
【0051】
図1に示す実施形態例に設けられている主要動作コンポーネント14は次の通りである。内燃エンジン18、トランスミッション20、液圧装置22、発電機24と関連付けられている変換器25を有する発電機24、および各々電動機または発電機として動作させることができる複数の電気機械である。具体的には、冷却装置においてクーラ(図示せず)のためにファン(図示せず)を駆動するために用いられるのは電気機械26である。電気機械28は、空調装置においてコンプレッサ(図示せず)を駆動する。変換器30は、電気インターフェース(図示せず)を用いて、車両に合わせて構成されている、器具(implement)40に電力をそれぞれに要求される形態で供給する。これは、直流、交流、または規定可能な周波数の三相交流でもよい。ネットワーク16は、したがって、具体的にはケーブル・リンクを通じておよび/または無線リンクを通じて、車両12に合わせて構成することができる器具40にまで及ぶ。器具40は、主要動作コンポーネント44およびインターフェース・ユニット46を有する・インターフェース・ユニット46は、ネットワーク動作の最中でもネットワーク16に追加すること、またはネットワーク16から取り外すことができる。診断システム52も、ネットワーク動作の最中にネットワーク16に接続することができる。診断システム52は、ネットワーク16に接続されているコンポーネントを診断するために用いることができる。
【0052】
前述の主要動作コンポーネント14は、各々、インターフェース・ユニット32を有する。インターフェース・ユニット32は、それぞれの主要動作コンポーネント14を作動および/または調整するために用いることができる。図1に示す通信システム10では、データは、一方の主要動作コンポーネント14上にあるインターフェース・ユニット32から、別の主要動作コンポーネント14上にあるインターフェース・ユニット32に、ネットワーク16を通じて送信することができる。
【0053】
加えて、ネットワーク16は、それに接続されているコンポーネントを有し、この実施形態例では、主要動作コンポーネントとは見なされないが、重要な車両機能または作業機能を作動させる。具体的には、これらは電磁的に作動可能な液圧弁34、個別センサ36、および個別液圧アクチュエータ38である。これらのコンポーネントは、それぞれ、インターフェース・ユニット32と関連付けられており、インターフェース・ユニット32はネットワーク16を通じてこれらのコンポーネントを作動させるために用いることができる。
【0054】
本発明によれば、インターフェース・ユニット32を接続するネットワーク16は、イーサネット・データ・ネットワークを有する。
通信システム・サーバ42を用いて、主要動作コンポーネント14の個々のインターフェース・ユニット32を作動させる。通信システム・サーバ42は、ネットワーク16とのダイアローグ(dialog)に関する限り、マスタとして構成されている。インターフェース・ユニット32は、ネットワーク動作についてはスレーブとして構成されている。したがって、マスタ/スレーブ・プロトコルが、通信システム・サーバ42とインターフェース・ユニット32との間において用いられる。
【0055】
少なくとも変換器25のインターフェース・ユニット32と電気機械26、28および変換器30との間にあるネットワーク16の部分は、IEC SC5Cに基づく仕様に従ったリアルタイム互換イーサネット・データ・ネットワークの形態をなす。これによって、これらのインターフェース・ユニット32と関連のある主要動作コンポーネント25、26、28、30との間において、リアルタイム互換データ送信が可能となる。ネットワーク16は、100Mビット/S以上のデータ送信レートを有する。
【0056】
車両のユーザには、モニタおよびユーザ・ユニット48上に、グラフィカルおよびマルチメディア・ユーザ・インターフェースが設けられている。これによって、ユーザは車両12またはその主要動作コンポーネント14についての現行状態データを読み取り、車両12の動作の個々のモードを活性化および/または不活性化することができる。このために、制御およびインターフェース・ユニット49が設けられており、ユーザと車両12の通信システム・サーバ42との相互作用を実行するために用いることができる。
【0057】
ネットワーク16は、他のネットワークに対して複数のインターフェースを有する。つまり、診断システム52が接続されているインターフェース50が設けられている。インターフェース50、したがってネットワーク16は、主要動作コンポーネント14から診断データを送信するために用いることができ、診断データは、特定的な動作状態および/またはパラメータを有する。
【0058】
加えて、車両12が、例えば、ディーラ、修理工場のコンピュータ・システム、および/またはユーザに属する基本的コンピュータ・システムに接続するために用いることができるインターフェース54も設けられている。このためのプログラム・ルーチンを実行し、外部コンピュータ・システムとの通信のための車両特定データを調整する(condition)車両コンピュータ・ユニットが、参照符号53によって示されている。この種の外部コンピュータおよび/またはネットワーク・システムは、参照符号56によって模式的に示すのみとする。インターフェース54は、ケーブル・リンクおよび従来のイーサネット・リンクとすることができる(車両は、工場(garage)においてネットワーク・ケーブルによって接続する)。しかしながら、インターフェース54は、IEEE802.11(WLAN)またはIEEE802.16(WiMAX)に基づく仕様に準拠して設計する無線リンクの形態をなすこともできる。
【0059】
車両12は、車両ナビゲーション・システム62を有する。車両ナビゲーション・システム62は、インターフェース58または無線リンクを用いて、少なくとも1機の衛星60からGPS測地信号を受信することができる。また、車両ナビゲーション・システム62は、インターフェース58を用いて基地局64と通信することもできる。基地局64も同様に測地信号を送り、現場の端縁(edge)に位置付けることができるので、現場作業の最中に、トラクタの形態をなす車両12の位置発見を、一層精度高く行うことが可能である。
【0060】
参照番号66から72は、安全性に関する制御ユニットを示し、これらは車両12を操縦および制動するために用いることができる。これに関係するネットワーク16の部分は、リアルタイム互換イーサネット・データ・ネットワークによって、通信システム・サーバ42に環状トポロジで接続されている。リアルタイム互換イーサネット・データ・ネットワークは、安全性が極めて重大なデータ送信のための仕様、例えば、TTP(時間誘起プロトコル:Time Triggered Protocol)またはFlexRayに準拠する。
【0061】
図2aは、線形トポロジの形態で互いに接続されている主要動作コンポーネント(図2から図2dには示されていない)に合わせた複数のインターフェース・ユニット32を示すために模式図を用いる。図2bは、ツリー・トポロジの形態で互いに接続されている主要動作コンポーネントに合わせた複数のインターフェース・ユニット32の模式図を示す。個々のインターフェース・ユニット32は、区間内では、線形トポロジで互いに接続されている。図2cは、星形トポロジの形態で互いに接続されている主要動作コンポーネントのインターフェース・ユニット32の模式図を示す。図2dは、環状トポロジの形態で互いに接続されている主要動作コンポーネントのインターフェース・ユニット32の模式図を示す。好ましくは、車両12における少なくとも区間単位で線形トポロジおよび/または環状トポロジを用いる。図1および図2aから図2dにおけるインターフェース・ユニット32は、単一チップ技術に基づいている。
【0062】
図3は、例えば、図1に示す通信システム10に用いることができる、サーバ構成の実施形態例を示すために、模式図を用いる。この場合、個々の矩形は、ファイル・システムの部分74を示す。ファイル・システムは、個々の関連システム・データおよび/またはプログラム・モジュールを格納する。ファイル・システムのそれぞれの経路表現(path statement)は、一例として、それぞれの部分74の上に示されている。
【0063】
図3に示すファイル・システムの構成に基づけば、通信システム・サーバ42によって集中的に新たなソフトウェアおよび/または変更したソフトウェアをロードすることができるという利点がある。
【0064】
個々のインターフェース・ユニット32および/または通信システム・サーバ42に設けられるオペレーティング・システムは、Unix派生物、即ち、Linuxである。
ネットワーク16に対する不正アクセスを防止するために用いることができる対策76が設けられている。これらの対策76は、それぞれ、ファイアウオールの形態となっている。
【0065】
最後に、以上で論じた実施形態例は、特許請求する教示を説明する役割を果たすだけであり、実施形態例に限定するのではないことを、特別に指摘しておく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両、特に工業用または農業用商用車両における通信システムであって、少なくとも2つの主要動作コンポーネント(14)とネットワーク(16)とを有し、前記車両(12)は、前記主要動作コンポーネント(14)によって動作させることができ、主要動作コンポーネント(14)は、インターフェース・ユニット(32)を有し、更に前記主要動作コンポーネント(14)を作動および/または調整するために用いることができる制御ユニットも有することができ、1つの主要動作コンポーネント(14)上にあるインターフェース・ユニット(32)から別の主要動作コンポーネント(14)上にあるインターフェース・ユニット(32)に、前記ネットワーク(16)を通じてデータを送信することができ、前記インターフェース・ユニット(32)を接続する前記ネットワーク(16)が、イーサネット・データ・ネットワークを有することを特徴とする、通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の通信システムにおいて、主要動作コンポーネント(14)は、内燃エンジン(18)と、トランスミッション(20)と、液圧ポンプと、パワー・テイクオフ軸と、電気機械を作動させる変換器(30)と、電力電子回路ユニットと、電気機械と、発電機(24)と、電動機と、コンプレッサおよび/または能動的に作動可能な車両サスペンション・システムとを有することを特徴とする、通信システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の通信システムにおいて、前記主要動作コンポーネント(14)の個々のインターフェース・ユニット(32)を作動させる通信システム・サーバ(42)を備えていることを特徴とする、通信システム。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記イーサネット・データ・ネットワークは、リアルタイム互換データ送信を実現するために用いることができるように設計されている、通信システム。
【請求項5】
請求項4記載の通信システムにおいて、前記リアルタイム互換データ送信は、規定可能な時間期間内に少なくとも2つのインターフェース・ユニット(32)間でデータ送信が行われた場合に、実行し、前記規定の時間期間は10μsから10msの範囲内であることを特徴とする、通信システム。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、それぞれのデータ送信は、好ましくは個々のデータ・パケットの形態で、規定の時点に行われることを特徴とする、通信システム。
【請求項7】
請求項6記載の通信システムにおいて、リアルタイム互換データ送信は、インターフェース・ユニット(32)が、少なくとも1つの他のインターフェース・ユニット(32)に宛てたデータを送るときに行われ、この文脈において、最大時間期間を規定し、この期間内に、それぞれのインターフェース・ユニット(32)からデータ送信成功の承認を受信する必要があることを特徴とする、通信システム。
【請求項8】
請求項6記載の通信システムにおいて、インターフェース・ユニット(32)が、少なくとも1つの他のインターフェース・ユニット(32)に宛てたデータを送り、前記送られたデータも実際に前記受信機によって受信されたときに、リアルタイム互換データ送信が行われる、通信システム。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記イーサネット・データ・ネットワークは、IEEE802.3、IEC SC5C、IEEE802.11、またはFlexRayに基づく仕様に完全にまたは大方準拠することを特徴とする、通信システム。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記インターフェース・ユニット(32)は、前記ネットワーク(16)を通じて互いにクライアントとしておよび/またはサーバとして通信することを特徴とする、通信システム。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記ネットワークは、マスタと少なくとも1つのスレーブとを有し、前記マスタは要求データ・パケットを前記少なくとも1つのスレーブおよび/または全てのインターフェース・ユニット(32)に、前記ネットワーク(16)を通じて規定の時間に送ることを特徴とする、通信システム。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記インターフェース・ユニット(32)は、マスタ/スレーブ・プロトコルに基づいて、前記ネットワーク(16)を通じて互いに通信することを特徴とする、通信システム。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記ネットワーク(16)を通じて送信するフレームのフレーム・サイズは、規定可能および/または可変であり、好ましくは、前記フレーム・サイズは、送信する情報に基づいておよび/または時間に基づく送信密度に基づいて、可変に取り決めることができることを特徴とする、通信システム。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記ネットワーク(16)は、少なくとも10Mビット/Sのデータ送信レートを有するような形態をなすことを特徴とする、通信システム。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、少なくとも2つのインターフェース・ユニット(32)を、線形トポロジの形態で互いに接続することを特徴とする、通信システム。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、少なくとも2つのインターフェース・ユニット(32)を、環状トポロジの形態で互いに接続することを特徴とする、通信システム。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、少なくとも3つのインターフェース・ユニット(32)を、ツリー・トポロジおよび/または星形トポロジの形態で互いに接続することを特徴とする、通信システム。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記ネットワーク(16)の一区間のみが、リアルタイム互換データ送信を有することを特徴とする、通信システム。
【請求項19】
請求項1から18までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記ネットワーク(16)は、好ましくはケーブル・リンクおよび/または無線リンクを通じて、前記車両(12)に適合させることができる器具(40)まで及ぶことを特徴とする、通信システム。
【請求項20】
請求項19記載の通信システムにおいて、前記器具(40)は、インターフェース・ユニット(46)を含む主要動作コンポーネント(44)を有する、通信システム。
【請求項21】
請求項1から20までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記ネットワーク(16)は、装置データを送信するために用いることができ、このようなデータは、特に、前記ネットワーク(16)上における登録のためのデータ、インターフェース・ユニット(32)の識別、特性データ、プリセット・パラメータ、および/またはステータス・データであることを特徴とする、通信システム。
【請求項22】
請求項1から21までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記ネットワーク(16)は、プロセス・データを送信するために用いることができ、プロセス・データは、特に、電気機械間における電力流に対する調整データ、主要動作コンポーネント(14)に対するコマンド・データ、主要動作コンポーネント(14)からの入力データ、および/または主要動作コンポーネント(14)からのパラメータであることを特徴とする、通信システム。
【請求項23】
請求項1から22までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記ネットワーク(16)は、エラー・メッセージを送信するために用いることができ、エラー・メッセージは、特に、時刻、エラーの種類、エラーの理由、および/または主要動作コンポーネント(14)の状態を含むことを特徴とする、通信システム。
【請求項24】
請求項1から23までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記ネットワーク(16)は、診断データを送信するために用いることができ、診断データは、特に、主要動作コンポーネント(14)からの動作状態および/またはパラメータを有することを特徴とする、通信システム。
【請求項25】
請求項1から24までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、インターフェース・ユニット(32)は、単一チップ技術に基づいており、特に、前記主要動作コンポーネント(14)の前記ネットワーク通信および作動を、半導体チップに組み合わせることを特徴とする、通信システム。
【請求項26】
請求項1から25までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、ネットワーク動作の最中に、インターフェース・ユニット(32)を追加または除去することができることを特徴とする、通信システム。
【請求項27】
請求項1から26までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記ネットワーク(16)に対する不正アクセスを防止するために用いることができる少なくとも1つの対策(76)を備えており、前記対策は、ファイアウオール、プログラム・ルーチン、パスワード・チェック、ユーザ権利管理、および/または暗号化方法を有することを特徴とする、通信システム。
【請求項28】
請求項1から27までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記ネットワーク(16)の個々のコンポーネントをファイル・システムにマッピングするために用いることができる手段を備えており、このような手段は、特に、ルーチン、あるいはNFS、FPT、SFTP、RSH、SSH、Telnet、Rlogin、および/またはX−Windowsのようなシステム・コンポーネントを備えていることを特徴とする、通信システム。
【請求項29】
請求項28記載の通信システムにおいて、通信システム・サーバ(42)を通じて、新たなソフトウェアおよび/または変更したソフトウェアをロードすることができることを特徴とする、通信システム。
【請求項30】
請求項1から29までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記個々のインターフェース・ユニット(32)および/または通信システム・サーバ(42)のために設けられる前記オペレーティング・システムは、UnixまたはUnix派生物、あるいはMicrosoft WindowsまたはMicrosoft Windows派生物であることを特徴とする、通信システム。
【請求項31】
請求項1から30までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、車両ユーザには、グラフィカル・ユーザ・インターフェースおよび/またはマルチメディア・ユーザ・インターフェース(48)を設けることができ、前記グラフィカル・ユーザ・インターフェース(48)は、好ましくは、広く用いられているユーザ方式の異なる形態、例えば、Microsoft Windows、KDE、GNOME、またはApple−OSのユーザ方式に適応させることができることを特徴とする、通信システム。
【請求項32】
請求項1から31までのいずれか1項に記載の通信システムにおいて、少なくとも1つの別のネットワーク、および/またはセクタ特定ソフトウェアの1つ、および/または工業用または農業用商用車両を管理するソフトウェアの1つに対するインターフェース(50、54、58)を特徴とする、通信システム。
【請求項33】
請求項32記載の通信システムにおいて、前記ネットワークは、IEEE802.15.1、IEEE802.15.4、IEEE802.1、GPS、USB、UMTS、またはGSMに基づく仕様に完全にまたはほぼ準拠することを特徴とする、通信システム。
【請求項34】
車両における通信システム、特に、請求項1から33のいずれか1項に記載の通信システムの動作方法であって、前記通信システム(10)は、少なくとも2つの主要動作コンポーネント(14)とネットワーク(16)とを備えており、前記主要動作コンポーネント(14)によって前記車両(12)を動作させ、主要動作コンポーネント(14)が、インターフェース・ユニット(32)と、可能であれば、前記主要動作コンポーネント(14)を作動および/または調整するために用いられる制御ユニットとを有し、1つの主要動作コンポーネント(14)上にあるインターフェース・ユニット(32)から別の主要動作コンポーネント(14)上にあるインターフェース・ユニット(32)に、前記ネットワーク(16)を通じてデータを送信し、前記インターフェース・ユニット(32)を接続する前記ネットワーク(16)がイーサネット・データ・ネットワークを有することを特徴とする、方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−524375(P2010−524375A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502518(P2010−502518)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/054405
【国際公開番号】WO2008/125614
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.UNIX
3.GSM
4.Linux
5.Bluetooth
6.ZIGBEE
【出願人】(591005165)ディーア・アンド・カンパニー (109)
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY
【Fターム(参考)】