説明

車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置及び車載レーダ装置の取り付け角度調整方法

【課題】車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、高い精度で軸調整を行う。
【解決手段】レーザ装置2と、ターゲット面30a,30bを含む被照射部材3a,3bと、を備えており、前記被照射部材3a,3bは、車両の左右方向の少なくとも一方に配置され、前記レーザ装置2は、放射したレーザ光が前記被照射部材3a,3bのターゲット面30a,30bに照射されるように前記車載レーダ装置100に取り付けられていることを特徴とする、車載レーダ装置100の取り付け角度調整のための支援装置及びこれを用いた方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置及び車載レーダ装置の取り付け角度調整方法に関する。特に、本発明は、レーザ装置と、ターゲット面を含む被照射部材と、を備えており、被照射部材が車両の左右方向の少なくとも一方に配置され、レーザ装置は、放射したレーザ光が被照射部材のターゲット面に照射されるように車載レーダ装置に取り付けられている、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置及びこれを用いた車載レーダ装置の取り付け角度調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、前方車両の有無及び前方車両との距離を検出するために、車両前部にレーダ装置を取り付けることが知られている。検出精度を高めるため、このような車載レーダ装置は、レーダ波軸または光軸が車軸(車体の車幅方向の中心軸)と一致するように、正確に車両前部に取り付けられる必要がある。
【0003】
しかし、製造ラインにおいて、車両の前方部は、ビデオキャリブレーション等、ヘッドランプの軸調整のための調整器具によって既に占拠されており、車載レーダ装置の軸調整のための器具を新たに設置することは難しい。このため、車両の前方部に広い空間を必要としない、車載レーダ装置の取り付け角度調整装置及び方法が種々提案されている。例えば、特開2008−268088号は、反射鏡とコーナーレフレクターを備える、レーダ装置の取り付け角度調整装置を記載している。この装置では、レーダ装置から投射されたレーザ光が、車両前方に配置された反射鏡で垂直方向に反射され、さらにコーナーレフレクターで反射されて、反射鏡に戻される。戻された反射光は、レーダ装置のアンテナに受信され、アンテナにおける最大受信レベルが角度0°になるまで、レーダ装置の取り付け角度が調整される。この装置では、コーナーレフレクターを垂直方向に配置することにより、レーダ装置の性能確認に必要な所定の検知距離を確保しつつ、レーダ装置と反射鏡の間の距離を小さくしている。
【0004】
特開2003−315442号は、車両の車軸と軸調整された光軸の方向を示す、光軸マークを出力する車両前方撮影カメラ装置と、車両前方に配置される反射装置とを備える、車載レーダ装置の位置調整装置及びこれを用いた位置調整方法を記載している。反射装置の反射面には、所定の基準点が描かれており、カメラが検出する基準点の位置と光軸マークを一致させ、さらにレーダ装置が検出する基準点の位置と光軸マークとを一致させることにより、車載レーダ装置の取り付け位置を調整する。これにより、電波軸を正確に検出するための計測器具や反射部材を、車両前方の離れた位置に設置する必要性を回避している。
【0005】
しかし、上記の装置及び方法を含む従来技術では、車両前方に反射鏡等の測定対象物または測定器具を配置しているという点では、依然として車両前方の空間を使用することが必要である。また、精度を高めるために高価な設備や複雑な手順を導入する必要があり、大量生産の要求と適合していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−268088号
【特許文献2】特開2003−315442号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、車両の前方に器具を新設する必要がないため容易に既存の製造ラインに導入することができ、且つ、複雑な設備や手順を必要としないため大量生産に適している、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置及び車載レーダ装置の取り付け角度調整方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明によれば、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、レーザ装置と、ターゲット面を含む被照射部材と、を備えており、前記被照射部材は、車両の左右方向の少なくとも一方に配置され、前記レーザ装置は、放射したレーザ光が前記被照射部材のターゲット面に照射されるように前記車載レーダ装置に取り付けられていることを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置が提供される。この構成によれば、被照射部材が車両の左右方向の少なくとも一方に配置されるため、従来技術のように車両前方の空間を必要とすることがなく、既存の製造ラインに容易に組み込むことができる、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置を提供することができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記レーザ光は、前記ターゲット面に線状の像を形成する、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置が提供される。この構成によれば、レーザ光が線状の像を形成するため、一つのレーザ光の像を用いて、水平方向と垂直方向について一度に軸調整を行うことができる。
【0010】
請求項3の発明によれば、請求項1に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記ターゲット面には、基準線が形成されている、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置が提供される。この構成によれば、ターゲット面に基準線が形成されているため、被照射部材のターゲット面に形成されるレーザ光の像を、基準線と位置合わせすることによって、車載レーダ装置の取り付け角度を調整することができる。従って、従来技術のように複雑な設備が必要でなく、簡単且つ安価な方法で調整作業を行うことができる。
【0011】
請求項4の発明によれば、請求項1に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記レーザ装置のレーザ光を反射して前記ターゲット面に照射するための反射鏡を備えている、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置が提供される。この構成によれば、支援装置は、レーザ装置のレーザ光を反射してターゲット面に照射するための反射鏡を備えているため、レーザ装置の真横方向にバンパー等の他の部品が存在しても、例えば、レーザ装置の下方に配置された反射鏡でレーザ光を反射させ、反射光をターゲット面に到達させることができる。
【0012】
請求項5の発明によれば、請求項1に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記被照射部材は、前記車両の左右方向にそれぞれ配置される、第1被照射部材と第2被照射部材であり、前記第1被照射部材は、前記レーザ装置のレーザ光が照射される第1ターゲット面を含み、前記第2被照射部材は、前記レーザ装置のレーザ光が照射される第2ターゲット面を含む、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置が提供される。この構成によれば、被照射部材が車両の左右方向のそれぞれに配置されるため、特に水平方向について、より精密な軸調整が可能になる。
【0013】
請求項6の発明によれば、請求項5に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうちいずれか一方に形成された前記レーザ光の像を、前記第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうち他方に表示する表示手段を備えている、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置が提供される。この構成によれば、一方のターゲット面に形成されたレーザ光の像を他方のターゲット面に表示することができる。従って、水平方向の軸調整も車両の左右方向のいずれか一方のみを観察することによって行うことができ、軸調整作業を容易に行うことができる。
【0014】
請求項7の発明によれば、請求項6に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記表示手段は鏡面反射変換手段を備えている、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置が提供される。この構成によれば、表示手段が鏡面反射変換手段を備えているため、車両の左右方向いずれか一方のターゲット面の像を適切に座標変換することによって他方のターゲット面に表示することができる。従って、車両の左右方向のいずれか一方のみを観察して軸調整作業を行うことができる。
【0015】
請求項8の発明によれば、車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、車両の左右方向の少なくとも一方に被照射部材を配置する第1工程と、前記車両に取り付けられた車載レーダ装置にレーザ装置を取り付ける第2工程と、前記レーザ装置のレーザ光を前記被照射部材のターゲット面に照射することにより、前記ターゲット面に前記レーザ光の像を形成する第3工程と、前記ターゲット面に形成された基準線と前記レーザ光の像の比較に基づいて、前記車載レーダ装置の前記車両に対する取り付け角度を調整する第4工程と、を備える方法が提供される。この構成によれば、被照射部材を車両の左右方向の少なくとも一方に配置するので、従来技術のように車両前方の空間を必要とすることがなく、既存の製造ライン内で、容易に車載レーダ装置の取り付け角度調整を行うことができる。また、被照射部材のターゲット面に形成された基準線とレーザ光の像を比較するので、被照射部材のターゲット面に形成されるレーザ光の像を基準線と位置合わせすることにより車載レーダ装置の取り付け角度を容易に調整することができる。従って、従来技術のように複雑な設備が必要でなく、簡単且つ安価な方法で調整作業を行うことができる。
【0016】
請求項9の発明によれば、請求項8に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、前記レーザ光の像は線状である、車載レーダ装置の取り付け角度調整方法が提供される。この構成によれば、レーザ光の像が線状であるため、一つのレーザ光の像を用いて、水平方向と垂直方向について一度に軸調整が可能になる。
【0017】
請求項10の発明によれば、請求項8に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、前記第3工程は、前記レーザ装置のレーザ光を、反射鏡で反射させて前記ターゲット面に照射する工程を含む、車載レーダ装置の取り付け角度調整方法が提供される。この構成によれば、レーザ装置のレーザ光を反射鏡で反射させることができるため、レーザ装置の真横方向にバンパー等の他の部品が存在しても、例えば、レーザ装置の下方に配置された反射鏡でレーザ光を反射させ、反射光をターゲット面に到達させることができる。
【0018】
請求項11の発明によれば、請求項8に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、前記被照射部材は、前記車両の左右方向にそれぞれ配置される、第1被照射部材と第2被照射部材であり、前記第3工程は、前記レーザ装置のレーザ光を前記第1被照射部材の第1ターゲット面に照射する工程と、前記レーザ装置のレーザ光を前記第2被照射部材の第2ターゲット面に照射する工程とを含む、車載レーダ装置の取り付け角度調整方法が提供される。この構成によれば、被照射部材が車両の左右方向のそれぞれに配置されるため、特に水平方向について、より精密な軸調整が可能になる。
【0019】
請求項12の発明によれば、請求項11に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、前記第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうちいずれか一方に形成された前記レーザ光の像を、前記第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうち他方に表示する工程を含む、車載レーダ装置の取り付け角度調整方法が提供される。この構成によれば、第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうちいずれか一方に形成されたレーザ光の像が、第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうち他方に表示されるため、水平方向の軸調整も車両の左右方向のいずれか一方のみを観察することによって行うことができ、軸調整作業を容易に行うことができる。
【0020】
請求項13の発明によれば、請求項12に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、前記表示する工程は、前記第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうちいずれか一方に形成されたレーザ光の像を、鏡面反射変換する工程を含む、車載レーダ装置の取り付け角度調整方法が提供される。この構成によれば、第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうちいずれか一方に形成されたレーザ光の像が鏡面反射変換されるので、車両の左右方向のいずれか一方のターゲット面の像を適切に座標変換することによって他方のターゲット面に表示することができる。従って、車両の左右方向のいずれか一方のみを観察して軸調整作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、車両の前方に器具を新設する必要がないため容易に既存の製造ラインに導入することができ、且つ、複雑な設備や手順を必要としないため大量生産に適している、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置及び車載レーダ装置の取り付け角度調整方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態による車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置の構成を概略的に示す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態による車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置の構成を概略的に示す側面図である。
【図3】本発明の一実施形態による車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置の構成を概略的に示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態による車載レーダ装置の取り付け角度調整方法を説明するための第1及び第2ターゲット面の部分拡大図である。
【図5】本発明の他の実施形態による車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置の構成を示す概略図である。
【図6】図5の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置を用いた車載レーダ装置の取り付け角度調整方法の手順を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態による車載レーダ装置の取り付け角度調整方法を説明するためのターゲット面の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図1〜図7に参照して、本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
[車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置の全体概要]
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による、車載レーダ装置100の取り付け角度調整のための支援装置1を概略的に示す平面図である。図1は、製造ラインにおける、例えばヘッドランプ軸調整ステーションに配置された車両Vを示しており、図1に示すように、ヘッドランプ軸調整ステーションでは、通常、車両前方の空間Aは、ビデオキャリブレーション等のヘッドランプ調整用の器具によって大部分が占拠されている。従って、従来技術のような車両前方の空間を利用する設備を、既存の製造ラインに新たに組み込むことは困難である。本発明では、主に車両Vの左右方向の空間を利用して、車載レーダ装置100の取り付け角度調整(換言すれば、車載レーダ装置100の軸調整)を行う。
【0025】
具体的には、図1に示すように、本発明の一実施形態による車載レーダ装置100の取り付け角度調整のための支援装置1(以下、支援装置1)は、車載レーダ装置100に取り付けられる軸調整用のレーザ装置2と、レーザ装置2のレーザ光が照射される第1及び第2の被照射部材3a、3bとを備えている。第1及び第2の被照射部材3a、3bは、車両Vの左右方向に配置される。このため、従来技術のような車両前方の空間を必要とせず、既存の製造ラインに容易に組み込むことができる。
[レーザ装置について]
【0026】
レーザ装置2は、軸調整用のレーザ装置であり、車載レーダ装置100の外側から脱着可能に取り付けられる。従って、添付図面では、レーザ装置2と車載レーダ装置100は、実質的に同一の位置に一体的に示されている。
【0027】
レーザ装置2は、放射したレーザ光が第1及び第2被照射部材3a、3bの第1及び第2ターゲット面30a、30b(後述)に照射されるように、車載レーダ装置100に取り付けられる。レーザ装置2としては、2つのレーザを、それぞれ、左右方向に、レーダ装置100に対して所定の角度で1つずつ取り付けることが実用上好ましいが、レーザ光の照射方向を予め定めることができるものであれば、単一のレーザを用いることもできる。また、車載レーダ装置100に対するレーザ装置2の所定の取り付け角度は、レーザ装置2から照射されるレーザ光の向きが、車載レーダ装置100の送受信方向に対して垂直方向である(換言すれば、レーダ装置100の送受信方向に対して垂直な平面上にある)ように決められる。
【0028】
上記したように、レーザ装置2は、車載レーダ装置100の外側から脱着可能に、車載レーダ装置100に取り付けられる。従って、軸調整作業終了後は、レーザ装置2を取り外して他の車両に流用し、同様の軸調整作業を行うことができる。このため、軸調整のための設備費用を大幅に低減させることができる。尚、レーザ装置2は、アタッチメント等を介して、車載レーダ装置100に取り付けることもできる。アタッチメントの構成は、レーザ装置2を車載レーダ装置100に対して脱着可能に取り付けることができ、且つ、レーザ装置2を車載レーダ装置100に対して所定の角度で取り付けることができる限り、特に限られない。本実施形態では、レーザ装置2のレーザ光を車両Vの左右方向それぞれに配置された第1及び第2被照射部材3a、3bに照射することによって、車載レーダ装置100の軸調整が行われる。
【0029】
また、後述するように、レーザ装置2から照射されるレーザ光は、第1及び第2被照射部材3a、3bの第1及び第2ターゲット面30a、30bにレーザ光の像を形成するが、レーザ光の像は、線状であることが好ましい(図4(A)、(B)等参照)。従って、レーザ装置2から照射されるレーザ光は、線状のビーム形状を有していることが好ましい。また、レーザ光の色及び像の大きさは、第1及び第2被照射部材3a、3bの第1及び第2ターゲット面30a、30b上で視認可能な色及び大きさであれば特に限られない。
[被照射部材について]
【0030】
本発明に用いられる被照射部材は、車両の左右方向の少なくとも一方に配置されるものであり、本実施形態では、2つの被照射部材、即ち第1被照射部材3aと第2被照射部材3bが、車両Vの左右方向にそれぞれ、配置されている。上記したように、第1被照射部材3aと第2被照射部材3bは、それぞれ、レーザ装置2のレーザ光が照射される第1ターゲット面30a、第2ターゲット面30bを含んでいる。図2に示すように、各ターゲット面30a、30bには、直線状の基準線10が縦に(換言すれば、垂直方向に)描かれており、基準線10の位置は、車両Vの停止線5(図1参照)に対応している(尚、図2では第1ターゲット面30aのみを示しているが、第2ターゲット面30bにも同様の基準線10が描かれている)。作業者は、第1ターゲット面30aと第2ターゲット面30bの間に立ち、左右の第1ターゲット面30aと第2ターゲット面30bを観察しながら、レーダ装置100の固定ネジを調整すること等によってレーダ装置100の軸調整を行う。具体的には、第1及び第2ターゲット面30a、30bに形成されるレーザ光の像が基準線10と実質的に整列するように作業者がレーダ装置100の取り付け角度を調整することによって、レーダ装置100のレーダ波軸又は光軸を、車両Vの車軸と一致させる。
【0031】
尚、本実施形態では、基準線10は車両Vの停止線5に対応する位置に描かれているが、必ずしも停止線5に対応させなくてもよく、他の所定位置に描くことができる。
【0032】
尚、上記したように、本発明に用いられる被照射部材は、車両の左右方向のうちいずれか一方にのみ配置することができる。しかし、水平方向及び垂直方向の両方に関して精度良く軸調整を行うためには、本実施形態のように、2つの被照射部材3a、3bが、車両Vの左右方向それぞれに配置されていることが好ましい。特に、レーダ装置100の軸が水平方向にずれている場合、レーザ光の像の基準線10に対する水平方向のずれは、車両Vの左右で異なる場合がある。このため、車両Vの左右方向のそれぞれにおけるターゲット面30a、30bを観察することによって、特に水平方向の軸調整を正確に行うことができる。
【0033】
尚、第1及び第2被照射部材3a、3bは、第1及び第2ターゲット面30a、30bにレーザ光の像が視認可能に形成されるものであれば、その材質、色、寸法等について、特に限定されることはない。
[反射鏡について]
【0034】
本実施形態では、さらに、支援装置1は、レーザ装置2のレーザ光を反射して第1及び第2ターゲット面30a、30bに照射するための反射鏡4を備えている。本発明が適用される車載レーダ装置100は、通常、車両のエンジンルームとバンパーとの間、具体的にはフロントグリル内又はバンパー内に設けられる。従って、車載レーダ装置100の取り付け位置によっては、レーザ装置2の(車両正面から見て)真横に、バンパー等の他の部品が存在する場合があり、このとき、レーザ光を左右の第1及び第2ターゲット面30a、30bに直接照射することが妨げられる。本実施形態では、製造ラインの床面500に、レーザ光を反射させるための反射鏡4を設置している。この構成により、例えばバンパーの裏側の空間等を介して、図3に示すように床面500の反射鏡4に向けてレーザ装置2からレーザ光を照射し、反射光が第1及び第2ターゲット面30a、30bに到達するようにレーザ光を反射鏡4で反射させる。こうして第1及び第2ターゲット面30a、30bに形成された反射光の像に基づいて、軸調整作業を行うことができる。
【0035】
尚、反射鏡4は、第1及び第2ターゲット面30a、30bに向けてレーザ光を反射させることができる限り、上記のような製造ラインの床面500だけでなく、任意の高さ位置に設置することができる。しかし、上記したように、レーザ光の反射鏡4に対する照射方向は、レーダ装置100の送受信方向に対して垂直方向である(換言すれば、レーダ装置100の送受信方向に対して垂直な平面上にある)。さらに、レーザ光の反射鏡4に対する照射方向(換言すれば、レーザ光の入射角)は、反射光が第1及び第2ターゲット面30a、30bに到達するように、第1及び第2ターゲット面30a、30bの位置に応じて決めることができる。しかし、レーザ装置2からのレーザ光の照射方向に応じて、第1及び第2ターゲット面30a、30bの位置を決めることもできる。
【0036】
尚、車載レーダ装置100の取り付け位置によっては、レーザ装置2の真横にバンパー等の他の部品が存在しない場合があり、そのような場合は、反射鏡4はなくてもよい。図3では、レーザ光の進路の例が矢印(1)〜(3)で示されている。(1)、(2)は、レーザ光が、バンパー等の部品に妨げられることなく、レーザ装置2から実質的に真横に照射される例であり、(3)は、本実施形態のように反射鏡4を使用した場合の例である。
[車載レーダ装置の取り付け角度調整方法について]
【0037】
次に、上記した構成を有する支援装置1を用いた、本発明の車載レーダ装置100の取り付け角度調整方法の一実施形態を説明する。
【0038】
車両Vの左右方向に、それぞれ、第1及び第2被照射部材3a、3bを配置し(第1工程)、車両Vに取り付けられた車載レーダ装置100に、レーザ装置2を所定の角度で取り付ける(第2工程)。レーザ装置2のレーザ光を、反射鏡4を介して第1及び第2被照射部材3a、3bの第1及び第2ターゲット面30a、30bに照射し、各ターゲット面30a、30bに、レーザ光の像300a、300bを形成する(第3工程)。第1及び第2ターゲット面30a、30bにおける、基準線10とレーザ光の像300a、300bとの比較に基づいて、車載レーダ装置100の車両Vに対する取り付け角度を調整する(第4工程)。尚、第1工程と第2工程は必ずしもこの順序で実施される必要はなく、第1工程として車載レーダ装置100にレーザ装置2を所定の角度で取り付け、第2工程として、レーザ光の照射方向に応じて第1及び第2被照射部材3a、3bを位置決めしてもよい。
【0039】
ここで、第4工程における、基準線10とレーザ光の像300a、300bとの比較について具体的に説明する。図4は、作業者によって観察される第1及び第2ターゲット面30a、30bを示しており、具体的には、第1及び第2ターゲット面30a、30b上に形成された基準線10と、レーザ装置2により第1及び第2ターゲット面30a、30b上に形成されたレーザ光の像300a、300bを示している。(A)は、例えば第1ターゲット面30aに照射されたレーザ光の像300aを示し、(B)は、第2ターゲット面30bに照射されたレーザ光の像300bを示している。図4(A)、(B)に示されるように、レーザ光の像300a、300bは、線状である。
【0040】
図4に示すように、第1ターゲット面30aに照射されたレーザ光の像300aは、基準線10に対して(図4(A)において)水平方向左側にずれており、且つ、基準線10に対して傾斜している。一方、第2ターゲット面30bに照射されたレーザ光の像300bは、基準線10に対して(図4(B)において)水平方向右側にずれており、且つ、基準線10に対して傾斜している。軸調整作業では、作業者が、第1及び第2ターゲット面30a、30bを観察しながら、レーザ光の像300a、300bが基準線10と実質的に整合するまでレーダ装置100の固定ネジを調整すること等によって、レーダ装置100の取り付け角度調整を行う。このとき、レーザ光の像300a、300bを基準線10と平行にすることによって、レーダ装置100の取り付け角度を垂直方向に調整することができ、レーザ光の像300a、300bを基準線10と重なるまで水平方向に移動させることによって、レーダ装置100の取り付け角度を水平方向に調整することができる。特に、レーダ装置100の軸が水平方向にずれている場合、各レーザ光の像の基準線10に対する水平方向のずれは、車両Vの左右で異なる場合がある。このため、上記したように、左右両方のターゲット面30a、30bを観察することによって、特に水平方向の軸調整を正確に行うことができる。尚、図4(A)、(B)に示す例は、図3において、レーダ装置100の左側が紙面手前側に位置し、右側が紙面奥側に位置し、且つ、垂直方向に対して傾いて取り付けられた場合の一例である。
【0041】
本実施形態では、レーザ光の像300a、300bが線状であるため、上記のような方法で水平方向及び垂直方向の軸調整を一度に行うことができる。仮にレーザ光の像が点状であると、基準線10に対する傾きを検出することができない(その場合、各ターゲット面についてレーザ光が2本以上必要となる)。本発明では、レーザ光の像の形状(換言すれば、レーザ光のビーム形状)は、レーザ光の像の基準線10に対する水平方向のずれ及び基準線10に対する傾きを一度に検出できるような形状であればよく、例えば十字形等でもよい。
【0042】
第1実施形態では、車両の左右方向両側の第1及び第2ターゲット面30a、30bを観察することにより、車載レーダ装置100の軸調整を行っている。しかし、本発明の第2実施形態によれば、第1及び第2ターゲット面30a、30bのうちいずれか一方に形成されたレーザ光の像を、他方のターゲット面30a、30bに表示することができる。これにより、作業者は、車両の左右方向いずれか一方の側のターゲット面のみを観察することによって軸調整を容易に行うことができる。
[第2実施形態]
【0043】
図5〜図7を参照して、本発明の第2実施形態を具体的に説明する。図5は、本発明の第2実施形態における、車載レーダ装置100の取り付け角度調整のための支援装置20の概略を示す図である。
【0044】
図5に示すように、第2実施形態の車載レーダ装置100の取り付け角度調整のための支援装置20(以下、支援装置20)は、車載レーダ装置100に取り付けられるレーザ装置2と、レーザ装置2のレーザ光が照射される第1ターゲット面30a、第2ターゲット面30bをそれぞれ含む第1被照射部材3a、第2被照射部材3bとを備えており、第1及び第2被照射部材3a、3bは、車両の左右方向にそれぞれ配置される。本実施形態において、レーザ装置2及び第1、第2被照射部材3a、3bの構成は、第1実施形態で説明したものと実質的に同様である。
【0045】
支援装置20は、さらに、第1及び第2ターゲット面30a、30bのうちいずれか一方(本実施形態では第1ターゲット面30a)に形成されたレーザ光の像を、第1及び第2ターゲット面30a、30bのうち他方(本実施形態では第2ターゲット面30b)に表示するための表示手段200を備えている。表示手段200は、第1及び第2ターゲット面30a、30bのうちいずれか一方(本実施形態では第1ターゲット面30a)に形成されたレーザ光の像を読み取るためのレーザ光読み取り手段11と、読み取られたレーザ光のデータを画像処理(本実施形態では鏡面反射変換)するための画像処理手段(本実施形態では、鏡面反射変換手段)12と、画像処理後のデータを、第2被照射部材3b側のデータ受信手段14に出力するためのデータ転送手段13と、転送された画像データを受け取るデータ受信手段14と、受信された画像データを第2ターゲット面30bに表示するための画像出力手段15とが設けられている。尚、図5では、反射鏡4は特に示されていないが、第1実施形態で説明したように、レーダ装置100の取り付け位置によってレーザ装置2の真横にレーザ光の照射を妨げる部材等がある場合は、適宜、反射鏡4を使用してよい。
【0046】
上記の支援装置20を用いた、本発明の車載レーダ装置100の取り付け角度調整方法の概略を図6に示す。図6では、主に、上記したレーザ光読み取り手段11、鏡面反射変換手段12、データ転送手段13、データ受信手段14、画像出力手段15に対応する工程、即ち、第1ターゲット面30aに形成されたレーザ光の像を読み取って第2ターゲット面30bに表示するための工程を示す。その他の構成は、第1実施形態で説明したものと実質的に同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0047】
第2実施形態は、一例として、車両の左右方向にそれぞれ配置された第1及び第2被照射部材3a、3bのうち、第1被照射部材3aの第1ターゲット面30aに形成されたレーザ光の像を、第2被照射部材3bの第2ターゲット面30bに表示するように構成されている。以下、第1実施形態の図4(A)に示される像300aを第2ターゲット面30bに表示する場合を例として説明する。この目的のため、第2実施形態では、図6に示すように、第1被照射部材3aの第1ターゲット面30aにレーザ装置2からレーザ光を照射し、第1ターゲット面30aに図4(A)に示すようなレーザ光の像300aを形成する。次に、カメラ、スキャナ等のレーザ光読み取り手段11によって第1ターゲット面30a上の像300aがスキャニングされる。スキャニングにより得られた画像データは、第2被照射部材3bの第2ターゲット面30bに表示するために鏡面反射変換手段12によって画像処理、即ち、鏡面反射変換される。本明細書において「鏡面反射変換」とは、レーザ光読み取り手段11によって読み取られたレーザ光の像の鏡像を形成するために、例えば第1ターゲット面30a上の像が第2ターゲット面30b上で左右方向に反転された位置(換言すれば、基準線10に対して線対称の位置)に表示されるように、スキャニングされた像の位置座標データを変換する処理を意味する。
【0048】
鏡面反射変換後のデータは、データ転送手段13によりデータ受信手段14に転送され、画像出力手段15によって、第2被照射部材3bの第2ターゲット面30bに表示される。画像出力手段15として、例えば、軸調整用のレーザ装置2とは別個に、投影用のレーザを予め用意することができる。この場合、データ受信手段14に転送された位置座標データを基に、第2被照射部材3bの第2ターゲット面30b上の該当位置へ、投影用レーザからレーザ光を照射することができる。
【0049】
この場合の第2被照射部材3bの第2ターゲット面30bで観察されるレーザ光の像の一例を、図7に示す。図7において、像300bは、第1実施形態に関して示された図4(B)に示すものに対応する。一方、像300a’は、図4(A)における像300aの鏡面反射変換後の座標データに基づいて表示されたものである。仮に、第1ターゲット面30aで像300aをスキャニングした座標データをそのまま(即ち、鏡面反射変換せずに)用いて、第2ターゲット面30bに出力すると、図7の点線で示す位置に像300aが表われる。しかし、このように表示された像300aは、実際に第1ターゲット面30aに照射されたレーザ光の位置とは逆方向の位置に表示されることになり、従って、基準線10に対する水平方向のずれ及び傾きも、実際のものとは逆の方向に表われる。本実施形態では、鏡面反射変換後の座標データを用いることによって、一方のターゲット面に、車両の左右両側のレーザ光の実際の位置(基準線10に対するずれ及び傾き)を正確に表示するようにしている。このように、第2実施形態では、車両の左右方向で得られたレーザ光の像を車両の左右方向のうち一方のみで観察することによって、作業者は容易に軸調整作業をすることができる。
【0050】
尚、図7に示す例では、鏡面反射変換後の像300a’が像300bと重なり合って表示されること等を避けるため、鏡面反射変換後の像300a’は、第2ターゲット面30b上を垂直方向に平行移動した位置に表示されている。このように、本実施形態では、鏡面反射変換に加えて、必要に応じて平行移動のための座標変換を行ってよい。しかし、例えば、予め、レーザ装置2のレーザ光の高さ位置又は投影用レーザの高さ位置を調整すること等によって、平行移動のための座標変換を不要にすることができる。
【0051】
尚、上記実施形態では、スキャナ等のレーザ光読み取り手段11及び投影用レーザ等の画像出力手段15は、共に、第1及び第2被照射部材3a、3bの表側(換言すれば、車両側)に配置されるものとして説明しているが、第1被照射部材3aを第1ターゲット面30aを含めて光透過性のある材質から構成し、レーザ光読み取り手段11を第1被照射部材3aの裏面側に配置してもよく、第2被照射部材3bを第2ターゲット面30bを含めて光透過性のある材質から構成し、投影用レーザで第2被照射部材3bの裏面側からレーザ光を照射するようにしてもよい。また、第1及び第2被照射部材3a、3bは、例えば電光掲示板のような電気的又は電子的な表示機器であってもよい。この場合は、画像出力手段15として投影用のレーザを用いることなく、座標変換後のデータを電光掲示板の該当位置へプロットすることができる。
【0052】
また、レーザ光読み取り手段11、鏡面反射変換手段12、データ転送手段13、データ受信手段14、及び画像出力手段15を単一のカメラ装置で構成し、第1ターゲット面30aのスキャニングから第2ターゲット面30bへの出力までの一連の工程を、単一のカメラ装置で行ってもよい。
【0053】
また、鏡面反射変換手段12等の画像処理手段は省略してもよい。例えば、第1被照射部材3aの表側(換言すれば、車両側)からスキャニングした座標データに基づいて、第2被照射部材3bの裏面側から投影用レーザでレーザ光を照射することができる場合等には、鏡面反射変換手段12はなくてもよい。
【0054】
尚、本実施形態では、レーダ装置100の軸調整を基準公差内で行うための判定を行ってもよい。この場合、第2ターゲット面30bに形成される基準線10は、基準公差に応じた所定の幅を有する1本の縦線として形成し、レーザ光の像300a’、300bが、縦線の幅内に収まるように軸調整を行うことができる。または、基準線10を、互いに所定距離だけ離れた平行な2本の縦線として形成し、レーザ光の像300a’、300bが、2本の縦線の間に収まるように軸調整を行うことができる。また、本実施形態では、第1ターゲット面30aの像を、第2ターゲット面30bに表示する場合について説明したが、第2ターゲット面30b上の像を第1ターゲット面30aに表示するように構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、車両に搭載される車載レーダ装置の軸調整に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
V 車両
A 車両前方空間
5 停止線
100 車載レーダ装置
1、20 車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置
2 レーザ装置
3a 第1被照射部材
3b 第2被照射部材
30a 第1ターゲット面
30b 第2ターゲット面
300a、300a’、300b レーザ光の像
4 反射鏡
10 基準線
500 床面
200 表示手段
11 レーザ光読み取り手段
12 鏡面反射変換手段
13 データ転送手段
14 データ受信手段
15 画像出力手段
(1)〜(3) レーザ光の進路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、
レーザ装置と、
ターゲット面を含む被照射部材と、を備えており、
前記被照射部材は、車両の左右方向の少なくとも一方に配置され、前記レーザ装置は、放射したレーザ光が前記被照射部材のターゲット面に照射されるように前記車載レーダ装置に取り付けられていることを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記レーザ光は、前記ターゲット面に線状の像を形成することを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記ターゲット面には、基準線が形成されていることを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記レーザ装置のレーザ光を反射して前記ターゲット面に照射するための反射鏡を備えていることを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置。
【請求項5】
請求項1に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記被照射部材は、前記車両の左右方向にそれぞれ配置される、第1被照射部材と第2被照射部材であり、
前記第1被照射部材は、前記レーザ装置のレーザ光が照射される第1ターゲット面を含み、
前記第2被照射部材は、前記レーザ装置のレーザ光が照射される第2ターゲット面を含むことを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうちいずれか一方に形成された前記レーザ光の像を、前記第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうち他方に表示する表示手段を備えていることを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置であって、前記表示手段は、鏡面反射変換手段を備えていることを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整のための支援装置。
【請求項8】
車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、
車両の左右方向の少なくとも一方に被照射部材を配置する第1工程と、
前記車両に取り付けられた車載レーダ装置にレーザ装置を取り付ける第2工程と、
前記レーザ装置のレーザ光を前記被照射部材のターゲット面に照射することにより、前記ターゲット面に前記レーザ光の像を形成する第3工程と、
前記ターゲット面に形成された基準線と前記レーザ光の像の比較に基づいて、前記車載レーダ装置の前記車両に対する取り付け角度を調整する第4工程と、を備える方法。
【請求項9】
請求項8に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、前記レーザ光の像は線状であることを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整方法。
【請求項10】
請求項8に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、前記第3工程は、前記レーザ装置のレーザ光を、反射鏡で反射させて前記ターゲット面に照射する工程を含むことを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整方法。
【請求項11】
請求項8に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、前記被照射部材は、前記車両の左右方向にそれぞれ配置される、第1被照射部材と第2被照射部材であり、
前記第3工程は、前記レーザ装置のレーザ光を前記第1被照射部材の第1ターゲット面に照射する工程と、前記レーザ装置のレーザ光を前記第2被照射部材の第2ターゲット面に照射する工程とを含むことを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整方法。
【請求項12】
請求項11に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、前記第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうちいずれか一方に形成された前記レーザ光の像を、前記第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうち他方に表示する工程を含むことを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整方法。
【請求項13】
請求項12に記載の車載レーダ装置の取り付け角度調整方法であって、前記表示する工程は、前記第1ターゲット面及び第2ターゲット面のうちいずれか一方に形成されたレーザ光の像を、鏡面反射変換する工程を含むことを特徴とする、車載レーダ装置の取り付け角度調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−226810(P2011−226810A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94193(P2010−94193)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000003333)ボッシュ株式会社 (510)
【Fターム(参考)】