車載用再生装置及び車載用再生装置の再生制御方法
【課題】ユーザーの煩わしさを回避してパレンタルレベルを適切に設定可能な車載用再生装置及び車載用再生装置の再生制御方法を提供する。
【解決手段】コンテンツの再生指示を入力した場合に、現在位置を測定する位置測定処理（ステップＳ１）と、測定した現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを、地域毎のパレンタルレベルを記憶する記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定する設定処理と（ステップＳ２〜Ｓ１９６）、設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う再生処理と（ステップＳ１５、Ｓ１６、Ｓ２１）を実行する。
【解決手段】コンテンツの再生指示を入力した場合に、現在位置を測定する位置測定処理（ステップＳ１）と、測定した現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを、地域毎のパレンタルレベルを記憶する記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定する設定処理と（ステップＳ２〜Ｓ１９６）、設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う再生処理と（ステップＳ１５、Ｓ１６、Ｓ２１）を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、パレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う車載用再生装置及び車載用再生装置の再生制御方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
ＤＶＤ等の記録媒体では、パレンタルレベルの設定があり、この設定により、例えば、子供向けのコンテンツを記録した記録媒体に限り再生する、といった視聴制限をかけることができる（例えば、特許文献１参照）。
再生装置側のパレンタルレベルは、ユーザー自身が手入力することによって設定される。再生装置では、ユーザーから再生指示を入力した場合に、当該装置に設定されたパレンタルレベルと、記録媒体に記録されたパレンタルレベルとを比較し、この比較結果に応じて再生するか否かを判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−０８９２３５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、パレンタルレベルは、同じレベルであっても国などの地域によってレベルが示す意味（視聴制限）が異なる場合がある。このため、再生地域によってはパレンタルレベルの設定を変更しないと、ユーザーが再生を希望しないコンテンツが再生されてしまう場合が生じ、好ましくない。これを回避するには、再生前に、再生地域のパレンタルレベルの内容をユーザーが手に入れて再設定する必要があり、ユーザーに煩わしさがあった。
【０００５】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーの煩わしさを回避してパレンタルレベルを適切に設定可能な車載用再生装置及び車載用再生装置の再生制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するために、本発明は、同じレベルでも地域によってレベルが示す視聴制限が異なるパレンタルレベルが設定され、設定されたパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う車載用再生装置において、地域毎のパレンタルレベルを記憶する記憶部と、現在位置を測定する位置測定部と、コンテンツの再生指示を入力した場合に、前記位置測定部により現在位置を測定し、測定された現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを前記記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定し、設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う再生制御部とを備えることを特徴とする。
【０００７】
この構成によれば、コンテンツの再生指示を入力した場合に、位置測定部により現在位置を測定し、測定された現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定し、設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行うので、ユーザーの煩わしさを回避してパレンタルレベルを適切に設定することができる。また、再生指示後の処理、つまり、再生処理中に、その時点の地域が特定されて該地域に対応するパレンタルレベルが設定されるので、パレンタルレベルを必要とする場合にだけパレンタルレベルを適切に設定することができる。
【０００８】
この場合において、現在位置が属する地域と、この地域で設定されたパレンタルレベルとを記憶する設定記憶部を有し、前記再生制御部は、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した場合に、前記設定記憶部の記憶内容に基づいて現在位置が属する地域が変更したか否かを判定し、地域が変更した場合、設定されたパレンタルレベルを、変更後の地域に対応するパレンタルレベルに置換するようにしてもよい。この構成によれば、同じ地域でパレンタルレベルを設定し直す事態を回避することができる。
【０００９】
また、前記コンテンツは、リージョンコードと共に記録媒体に記録されており、前記再生制御部は、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した後、特定した地域が、前記記録媒体に記録されたリージョンコードで再生が許可された地域か否かを判定し、許可された地域であって、地域が変更した場合に、設定されたパレンタルレベルを変更後の地域に対応するパレンタルレベルに置換する処理を実行し、許可された地域でない場合、該置換する処理を行わずに前記コンテンツの再生を禁止するようにしてもよい。この構成によれば、記録媒体を再生しない場合にパレンタルレベルを設定し直す事態を回避できる。
【００１０】
また、本発明は、同じレベルでも地域によってレベルが示す視聴制限が異なるパレンタルレベルが設定され、設定されたパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う車載用再生装置の再生制御方法において、コンテンツの再生指示を入力した場合に、現在位置を測定する位置測定処理と、測定した現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを、地域毎のパレンタルレベルを記憶する記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定する設定処理と、設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う再生処理とを実行することを特徴とする。
この構成によれば、ユーザーの煩わしさを回避してパレンタルレベルを適切に設定することができ、また、パレンタルレベルを必要とする場合にだけパレンタルレベルを適切に設定することができる。
【発明の効果】
【００１１】
本発明によれば、ユーザーの煩わしさを回避してパレンタルレベルを適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置のブロック図である。
【図２】パレンタルレベルの初期設定処理を示すフローチャートである。
【図３】再生モード時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図１は、本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置のブロック図である。
この車載用ナビゲーション装置は、自動車などの車両に搭載され、その車両の経路案内を行うナビゲーション機能と、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｃ）などの記録媒体に記録された映像・音声（コンテンツ）を再生するコンテンツ再生機能とを備えている。
【００１４】
図１に示すように、車載用ナビゲーション装置１０は、車両の現在位置を測定する位置測定部２０と、各種情報を記憶する記憶部３０と、ＤＶＤなどの記録媒体を再生する再生部４０と、音声出力や映像出力を行う情報出力部５０と、ユーザーから各種指示を入力する指示入力部６０と、車載用ナビゲーション装置１０の各部を制御する制御部（再生制御部）７０とを備えている。
位置測定部２０は、ＧＰＳユニット２１と、ジャイロユニット２２と、加速度センサーユニット２３と、車両データ処理部２４とを備えている。
【００１５】
ＧＰＳユニット２１は、ＧＰＳアンテナ２１ａを介してＧＰＳ衛星からのＧＰＳ電波を受信し、ＧＰＳ電波に重畳されたＧＰＳ信号から、車両の現在地（自車位置）を示す位置座標と移動方向とを演算により取得し、これら情報を制御部７０に出力する。
ジャイロユニット２２は、図示せぬジャイロセンサーを備え、ジャイロセンサーにより車両の相対的な方位（例えば、ヨー軸方向の旋回量）を検出して制御部７０に出力する。
加速度センサーユニット２３は、図示せぬ加速度センサーを備え、加速度センサーにより車両の加速度（例えば、進行方向に対する車両の傾き）を検出して制御部７０に出力する。また、車両データ処理部２４は、車両の車速パルスを入力して車速を検出する車速検出部として機能し、車速を制御部７０に出力する。
【００１６】
すなわち、この車載用ナビゲーション装置１０は、ＧＰＳユニット２１により車両の測位情報（位置、移動方向）を所定の時間間隔で取得すると共に、ジャイロユニット２２や車両データ処理部２４などにより自車の移動方向や車速を求め、ＧＰＳで測位した絶対位置からの相対位置を特定することによって、現在位置に相当する測位情報（位置、移動方向、速度）を取得する。
これによれば、トンネルや地下道を走行するなどしてＧＰＳ電波を受信できない状況でも、ジャイロユニット２２、加速度センサーユニット２３及び車両データ処理部２４などで得られる情報で自立測位できるので、十分な精度を有する位置情報を得ることができる。
【００１７】
記憶部３０は、地図情報や経路案内に供される表示用データなどの各種データを格納した経路案内データベース（地図データベースとも言う）３０ａと、国などの地域毎の位置情報や各地域を特定するカントリーコードを格納した地域データベース（国データベースとも言う）３０ｂと、地域毎のパレンタルレベルを記憶するパレンタルレベル設定記憶部（以下、ＰＬ設定記憶部という）３０ｃと、現在の設定情報を記憶する現在設定記憶部３０ｄとを格納している。
ここで、パレンタルレベルは、ＤＶＤの視聴制限を規定する情報であり、このパレンタルレベルの設定は、世界各国の体系に対応するため、８段階まで可能であり、各国のルール通りに使用される。例えば、日本の場合、レベル１が「子供向け」、レベル２〜３が「小〜中学生向け」、レベル４〜７が「中〜高校生向け」、レベル８が「成人向け」とされ、現在設定されたレベルに対し、同一レベル或いは下位レベルのパレンタルレベルが記述されたＤＶＤは再生可能で、それ以外のＤＶＤは再生不可とされる。つまり、現在のパレンタルレベルが５であれば、レベル１〜５までのＤＶＤが再生可能で、レベル６〜８のＤＶＤが再生不可とされる。
【００１８】
パレンタルレベル設定記憶部３０ｃには、地域毎（国毎）のパレンタルレベルの定義情報が記述され、この情報は、制御部７０が、ある地域で設定された任意のパレンタルレベルと同様の視聴制限を、別の地域で実現するパレンタルレベルを特定するための情報として用いられる。
本構成では、この情報として、地域毎（国毎）のパレンタルレベルと、各レベルが示す視聴制限とを対応づけた情報を予め記述した情報を用いることによって、同様の視聴制限（暴力シーン等の制限内容が同一、対象者（子供向け、・・・、成人向け）が同一など）に対応するパレンタルレベルを、地域毎に容易に特定できるようにしている。また、この情報に代えて、地域毎のパレンタルレベルを、同様の視聴制限で関連づけた情報にしてもよく、この場合にも、異なる地域間で、同様の視聴制限のパレンタルレベルを容易に特定可能である。
【００１９】
また、パレンタルレベル設定記憶部３０ｃには、各地域に応じたパレンタルレベル設定メニューの情報、ＤＶＤ再生時のメニュー言語の設定、音声言語の設定、字幕言語の設定などの地域毎のデフォルト設定も記述される。
現在設定記憶部３０ｄは、現在設定されているパレンタルレベルや、現在地が属する地域（国等）を示すカントリーコードが記憶される。
【００２０】
再生部４０は、ＤＶＤやＣＤなどの記録媒体が装填されるディスク装填部を備え、制御部７０の制御の下、ディスク装填部に装填された記録媒体から各種データを読み出し、デコード処理などの各種処理を施して出力する。ここで、ＤＶＤが装填された場合には、ＤＶＤからは、このＤＶＤのリージョンコード、ＤＶＤ内のコンテンツに応じたパレンタルレベル、及び、コンテンツの映像・音声・字幕のデータなどが適宜読み出される。
【００２１】
情報出力部５０は、スピーカー５１を駆動してＤＶＤ音声などの各種音声を出力させる音声出力制御部５２と、液晶表示装置などで形成される表示部５３の表示パネル５３ａにＤＶＤ映像などの各種画像を表示させる表示制御部５４とを備えている。
指示入力部６０は、ユーザーが操作する操作キーや、ユーザーが操作するリモートコントローラーからの信号を受信する受光部等を有し、これらを介してユーザーの指示を入力し、制御部７０に通知する。
【００２２】
制御部７０は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭなどを備えたコンピューターの構成を具備し、指示入力部６０を介して入力したユーザー指示に基づいて車載用ナビゲーション装置１０の各部を制御するコンピューターとして機能する。
この制御部７０は、ナビゲーションに関する指示を入力した場合は、ナビゲーションモードで動作し、再生部４０に装填された記録媒体に関する指示を入力した場合は、再生モード（記録媒体再生モード）で動作する。なお、従来の車載用ナビゲーション装置と同様に、ナビゲーションの処理とＤＶＤ等の再生処理とを同時に実行することも可能である。
【００２３】
本装置１０では、パレンタルレベルを設定することによってＤＶＤの視聴制限をかけることが可能に構成されている。
図２は、パレンタルレベルの初期設定処理を示すフローチャートである。
この車載用ナビゲーション装置１０において、ユーザーが所定操作を行い、パレンタルレベルの設定メニューの呼び出し指示を行うと、制御部７０は、まず、位置測定部２０により現在位置を測定する現在位置測定処理を行う（ステップＳ１）。
【００２４】
次いで、制御部７０は、現在位置が測定されると、地域データベース（国データベースとも言う）３０ｂを参照し、現在位置が属する地域（国）を特定し（ステップＳ２：地域（国）特定処理）、ＰＬ設定記憶部３０ｃを参照し、特定した地域（国）に応じたパレンタルレベル設定メニューの画面を表示部５３に表示し、ユーザーに対してパレンタルレベルの設定レベルの入力を促す（ステップＳ３：パレンタルレベル入力要求処理）。
この場合、パレンタルレベル設定メニューとして、レベル毎の視聴制限の内容がユーザーから判るように（例えば、子供向け、・・・、成人向け等が判るように）、画面表示を行うことが好ましい。
【００２５】
そして、ユーザーがパレンタルレベルの設定（入力）を行うと、制御部７０は、特定した地域（国）に対応するカントリーコードと、ユーザーが選んだパレンタルレベルとを、現在設定記憶部３０ｄに登録する（ステップＳ４：登録処理）。これによって、パレンタルレベルの初期設定が行われる。この初期設定が行われると、再生モード時に視聴制限することが可能になる。
【００２６】
次に、再生モード時の動作を説明する。図３は、この場合の動作（再生処理）を示すフローチャートである。なお、ここでは、パレンタルレベルの初期設定が行われた後であって、再生部４０にＤＶＤが装填されているものとする。
この車載用ナビゲーション装置１０において、ユーザーが所定操作を行ってＤＶＤの再生指示を行うと、制御部７０は、位置測定部２０により現在位置を測定する現在位置測定処理を行う（ステップＳ１１）。
【００２７】
制御部７０は、現在位置が測定されると、地域データベース３０ｂを参照し、現在位置が属する地域（国）を特定する（ステップＳ１２：地域（国）特定処理）。次いで、制御部７０は、特定した地域のカントリーコードと、現在設定記憶部３０ｄに記憶されたカントリーコードとの比較により、現在位置が属する地域が変更したか否かを判定する（ステップＳ１３：地域変更判定処理）。
【００２８】
以下、地域が変更していない場合と、地域が変更していた場合とを別々に説明する。なお、地域が変更していない場合は、当該装置１０を搭載する車両が、前回再生時と今回再生時とで同じ地域に存在する場合であり、地域が変更していた場合とは、前回再生時と今回再生時とで別の地域に存在する場合である。
＜地域が変更していない場合＞
制御部７０は、ステップＳ１３の判定の結果、地域が変更していない場合には、ＤＶＤのリージョンコードとの整合性チェックを行う（ステップＳ１４）。
この整合性チェックでは、現在設定されるカントリーコードとＤＶＤのリージョンコードとの比較により、現在位置が、リージョンコードが示す再生可能地域か否かが判定され、再生可能地域でない場合（ステップＳ１４：不適合）、制御部７０は、ＤＶＤの再生を不可とする（ステップＳ２１：再生禁止）。
【００２９】
一方、再生可能地域であった場合（ステップＳ１４：適合）、制御部７０は、ＤＶＤ（記憶媒体）のパレンタルレベルとの比較を行う（ステップＳ１５：パレンタルレベル比較処理）。
この場合、制御部７０は、現在設定されるパレンタルレベルと、ＤＶＤに記録されたパレンタルレベルとの比較により、視聴制限対象か否かを判定し、視聴制限対象であった場合には（ステップＳ１５：不適合）、ステップＳ２１に移行し、ＤＶＤの再生を不可とし、視聴制限対象でない（＝視聴許可対象の）場合には（ステップＳ１５：適合）、ＤＶＤの再生を開始する（ステップＳ１６）。そして、制御部７０は、ＤＶＤの再生終了を検出すると（ステップＳ１７：ＹＥＳ）、当該再生モードの処理を終了する。
【００３０】
＜地域が変更していた場合＞
制御部７０は、ステップＳ１３の判定の結果、地域が変更していた場合には、変更後の地域でＤＶＤのリージョンコードとの整合性チェックを行う（ステップＳ１８）。
すなわち、制御部７０は、地域データベース３０ｂを参照することにより、変更後の地域のカントリーコードを特定し、このカントリーコードと、ＤＶＤのリージョンコードとの比較により、そのＤＶＤの再生可能地域か否かを判定し、再生可能地域でなければ（ステップＳ１８：不適合）、ステップＳ２１に移行してＤＶＤの再生を不可とする。一方、再生可能地域であれば（ステップＳ１８：適合）、制御部７０は、パレンタルレベルを置換する置換処理を行う（ステップＳ１９）。
【００３１】
この置換処理では、ＰＬ設定記憶部３０ｃの記憶内容に基づいて、現在設定記憶部３０ｄに設定されているパレンタルレベルを、変更後の地域に対応するパレンタルレベルに置き換える処理であり、この処理により、同様の視聴制限を、変更後の地域で実現するパレンタルレベルに置き換えることができる。また、この置換処理の際、現在設定記憶部３０ｄに設定されているカントリーコードについても、変更後の地域に対応するカントリーコードに置換される。
このようにして、現在設定記憶部３０ｄに、今回再生時の地域に対応するカントリーコード、及び、この地域で同じ視聴制限を実現するパレンタルレベルが設定され、設定情報が最新に更新される。
【００３２】
その後、制御部７０は、ステップＳ１５に移行し、現在設定記憶部３０ｄに新たに設定されたパレンタルレベルとＤＶＤのパレンタルレベルとの比較により、そのＤＶＤが視聴制限対象か否かを判定し、視聴制限対象の場合（ステップＳ１５：不適合）、ステップＳ２１に移行してＤＶＤの再生を不可とし、視聴制限対象でない（＝視聴許可対象の）場合（ステップＳ１５：適合）、ＤＶＤの再生を開始し（ステップＳ１６）、ＤＶＤの再生終了を検出すると（ステップＳ１７：ＹＥＳ）、当該再生モードの処理を終了する。以上が、再生モード時の動作である。
【００３３】
このように本実施の形態の車載用ナビゲーション装置１０では、ＤＶＤの再生指示を入力した場合に、現在位置を測定し、測定した現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを、ＰＬ設定記憶部３０ｃから読み出して設定し、設定したパレンタルレベルに基づいてＤＶＤの再生又は視聴制限を行うので、再生指示後の処理、つまり、再生処理中に、その時点の地域が特定されて該地域に対応するパレンタルレベルが設定される。
このため、本装置１０では、車両が様々な地域に移動しても、ユーザーからの再生指示がなければ、その地域でのパレンタルレベルが設定されず、ユーザーがＤＶＤを再生したい意思表示があって初めてその地域でのパレンタルレベルが設定される。従って、車両が別地域に移動する毎にパレンタルレベルを設定し直す、といったＤＶＤ非再生時にもパレンタルレベルを設定し直す事態を回避することができ、パレンタルレベルを必要とする場合にだけパレンタルレベルを適切に設定することが可能になる。
これにより、本装置１０では、パレンタルレベルの設定頻度を下げながら、ユーザーの煩わしさを回避してパレンタルレベルを適切に設定することが可能になる。
【００３４】
また、本構成では、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した場合に、現在設定記憶部３０ｄの記憶内容に基づいて地域が変更したか否かを判定し、地域が変更した場合にだけ、設定されるパレンタルレベルを置換するので、同じ地域でパレンタルレベルを設定し直す事態を回避することができる。
また、本構成では、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した後、特定した地域が、ＤＶＤに記録されたリージョンコードで再生が許可された地域か否かを判定し、許可された地域でない場合には、パレンタルレベルを置換する処理を行わずにＤＶＤの再生を不可（禁止）にするので、再生時点の地域とＤＶＤのリージョンコードとの整合性を適切に判断できると共に、ＤＶＤを再生しない場合にパレンタルレベルを設定し直す事態を回避でき、パレンタルレベルの設定頻度をより低減することができる。
【００３５】
さらに、本構成では、カントリーコードについても、パレンタルレベルと同様に、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定し、この地域が変更した場合にだけ更新（置換）するので、ユーザーがＤＶＤを再生したい意思表示があって初めてその地域のカントリーコードに設定することができる。このため、車両が別地域に移動する毎にカントリーコードを設定し直す事態を回避することができる。
【００３６】
上述した実施形態は、あくまで本発明の一態様に過ぎず、本発明の範囲内で任意に変形が可能である。
例えば、上述の実施形態では、位置測定部２０が、ＧＰＳユニット２１と、ジャイロユニット２２と、加速度センサーユニット２３と、車両データ処理部２４とを備える場合について説明したが、これに限らず、現在位置を測定可能であればＧＰＳユニット２１だけでもよく、また、公知の現在位置測定機器を適用してもよい。
また、上述の実施形態において、ユーザーが地域毎のパレンタルレベルを設定可能に構成し、この設定情報をパレンタルレベル設定記憶部３０ｃに格納するようにしてもよい。この場合、制御部３０が、この設定情報に基づいて各地域のパレンタルレベルを容易に特定することができる。
【００３７】
また、上述の実施形態では、ＤＶＤ再生機能を具備する車載用ナビゲーション装置に本発明を適用したが、これに限らず、ＤＶＤ再生機能を具備する車載用再生装置に本発明を広く適用可能である。また、ブルーレイディスク（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標））規格の記録媒体といった、パレンタルレベルを設定可能な記録媒体を再生可能な車載用再生装置に本発明を適用することも可能である。
また、上述の実施形態では、ＤＶＤ等の記録媒体用の制御プログラムを予め装置内に記録しておく場合について述べたが、この制御プログラムを、磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記録媒体などのコンピューターが読み取り可能な記録媒体に格納し、コンピューターが記録媒体からこの制御プログラムを読み取って実行するようにしてもよい。また、この制御プログラムを通信ネットワーク（電気通信回線）を介して配信サーバーなどからダウンロードできるようにしてもよい。
【符号の説明】
【００３８】
１０ 車載用ナビゲーション装置（車載用再生装置）
２０ 位置測定部
３０ 記憶部
３０ａ 経路案内データベース
３０ｂ 地域データベース
３０ｃ パレンタルレベル設定記憶部
３０ｄ 現在設定記憶部
４０ 再生部
５０ 情報出力部
６０ 指示入力部
７０ 制御部（再生制御部）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、パレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う車載用再生装置及び車載用再生装置の再生制御方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
ＤＶＤ等の記録媒体では、パレンタルレベルの設定があり、この設定により、例えば、子供向けのコンテンツを記録した記録媒体に限り再生する、といった視聴制限をかけることができる（例えば、特許文献１参照）。
再生装置側のパレンタルレベルは、ユーザー自身が手入力することによって設定される。再生装置では、ユーザーから再生指示を入力した場合に、当該装置に設定されたパレンタルレベルと、記録媒体に記録されたパレンタルレベルとを比較し、この比較結果に応じて再生するか否かを判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−０８９２３５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、パレンタルレベルは、同じレベルであっても国などの地域によってレベルが示す意味（視聴制限）が異なる場合がある。このため、再生地域によってはパレンタルレベルの設定を変更しないと、ユーザーが再生を希望しないコンテンツが再生されてしまう場合が生じ、好ましくない。これを回避するには、再生前に、再生地域のパレンタルレベルの内容をユーザーが手に入れて再設定する必要があり、ユーザーに煩わしさがあった。
【０００５】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーの煩わしさを回避してパレンタルレベルを適切に設定可能な車載用再生装置及び車載用再生装置の再生制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するために、本発明は、同じレベルでも地域によってレベルが示す視聴制限が異なるパレンタルレベルが設定され、設定されたパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う車載用再生装置において、地域毎のパレンタルレベルを記憶する記憶部と、現在位置を測定する位置測定部と、コンテンツの再生指示を入力した場合に、前記位置測定部により現在位置を測定し、測定された現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを前記記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定し、設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う再生制御部とを備えることを特徴とする。
【０００７】
この構成によれば、コンテンツの再生指示を入力した場合に、位置測定部により現在位置を測定し、測定された現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定し、設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行うので、ユーザーの煩わしさを回避してパレンタルレベルを適切に設定することができる。また、再生指示後の処理、つまり、再生処理中に、その時点の地域が特定されて該地域に対応するパレンタルレベルが設定されるので、パレンタルレベルを必要とする場合にだけパレンタルレベルを適切に設定することができる。
【０００８】
この場合において、現在位置が属する地域と、この地域で設定されたパレンタルレベルとを記憶する設定記憶部を有し、前記再生制御部は、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した場合に、前記設定記憶部の記憶内容に基づいて現在位置が属する地域が変更したか否かを判定し、地域が変更した場合、設定されたパレンタルレベルを、変更後の地域に対応するパレンタルレベルに置換するようにしてもよい。この構成によれば、同じ地域でパレンタルレベルを設定し直す事態を回避することができる。
【０００９】
また、前記コンテンツは、リージョンコードと共に記録媒体に記録されており、前記再生制御部は、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した後、特定した地域が、前記記録媒体に記録されたリージョンコードで再生が許可された地域か否かを判定し、許可された地域であって、地域が変更した場合に、設定されたパレンタルレベルを変更後の地域に対応するパレンタルレベルに置換する処理を実行し、許可された地域でない場合、該置換する処理を行わずに前記コンテンツの再生を禁止するようにしてもよい。この構成によれば、記録媒体を再生しない場合にパレンタルレベルを設定し直す事態を回避できる。
【００１０】
また、本発明は、同じレベルでも地域によってレベルが示す視聴制限が異なるパレンタルレベルが設定され、設定されたパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う車載用再生装置の再生制御方法において、コンテンツの再生指示を入力した場合に、現在位置を測定する位置測定処理と、測定した現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを、地域毎のパレンタルレベルを記憶する記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定する設定処理と、設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う再生処理とを実行することを特徴とする。
この構成によれば、ユーザーの煩わしさを回避してパレンタルレベルを適切に設定することができ、また、パレンタルレベルを必要とする場合にだけパレンタルレベルを適切に設定することができる。
【発明の効果】
【００１１】
本発明によれば、ユーザーの煩わしさを回避してパレンタルレベルを適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置のブロック図である。
【図２】パレンタルレベルの初期設定処理を示すフローチャートである。
【図３】再生モード時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図１は、本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置のブロック図である。
この車載用ナビゲーション装置は、自動車などの車両に搭載され、その車両の経路案内を行うナビゲーション機能と、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｃ）などの記録媒体に記録された映像・音声（コンテンツ）を再生するコンテンツ再生機能とを備えている。
【００１４】
図１に示すように、車載用ナビゲーション装置１０は、車両の現在位置を測定する位置測定部２０と、各種情報を記憶する記憶部３０と、ＤＶＤなどの記録媒体を再生する再生部４０と、音声出力や映像出力を行う情報出力部５０と、ユーザーから各種指示を入力する指示入力部６０と、車載用ナビゲーション装置１０の各部を制御する制御部（再生制御部）７０とを備えている。
位置測定部２０は、ＧＰＳユニット２１と、ジャイロユニット２２と、加速度センサーユニット２３と、車両データ処理部２４とを備えている。
【００１５】
ＧＰＳユニット２１は、ＧＰＳアンテナ２１ａを介してＧＰＳ衛星からのＧＰＳ電波を受信し、ＧＰＳ電波に重畳されたＧＰＳ信号から、車両の現在地（自車位置）を示す位置座標と移動方向とを演算により取得し、これら情報を制御部７０に出力する。
ジャイロユニット２２は、図示せぬジャイロセンサーを備え、ジャイロセンサーにより車両の相対的な方位（例えば、ヨー軸方向の旋回量）を検出して制御部７０に出力する。
加速度センサーユニット２３は、図示せぬ加速度センサーを備え、加速度センサーにより車両の加速度（例えば、進行方向に対する車両の傾き）を検出して制御部７０に出力する。また、車両データ処理部２４は、車両の車速パルスを入力して車速を検出する車速検出部として機能し、車速を制御部７０に出力する。
【００１６】
すなわち、この車載用ナビゲーション装置１０は、ＧＰＳユニット２１により車両の測位情報（位置、移動方向）を所定の時間間隔で取得すると共に、ジャイロユニット２２や車両データ処理部２４などにより自車の移動方向や車速を求め、ＧＰＳで測位した絶対位置からの相対位置を特定することによって、現在位置に相当する測位情報（位置、移動方向、速度）を取得する。
これによれば、トンネルや地下道を走行するなどしてＧＰＳ電波を受信できない状況でも、ジャイロユニット２２、加速度センサーユニット２３及び車両データ処理部２４などで得られる情報で自立測位できるので、十分な精度を有する位置情報を得ることができる。
【００１７】
記憶部３０は、地図情報や経路案内に供される表示用データなどの各種データを格納した経路案内データベース（地図データベースとも言う）３０ａと、国などの地域毎の位置情報や各地域を特定するカントリーコードを格納した地域データベース（国データベースとも言う）３０ｂと、地域毎のパレンタルレベルを記憶するパレンタルレベル設定記憶部（以下、ＰＬ設定記憶部という）３０ｃと、現在の設定情報を記憶する現在設定記憶部３０ｄとを格納している。
ここで、パレンタルレベルは、ＤＶＤの視聴制限を規定する情報であり、このパレンタルレベルの設定は、世界各国の体系に対応するため、８段階まで可能であり、各国のルール通りに使用される。例えば、日本の場合、レベル１が「子供向け」、レベル２〜３が「小〜中学生向け」、レベル４〜７が「中〜高校生向け」、レベル８が「成人向け」とされ、現在設定されたレベルに対し、同一レベル或いは下位レベルのパレンタルレベルが記述されたＤＶＤは再生可能で、それ以外のＤＶＤは再生不可とされる。つまり、現在のパレンタルレベルが５であれば、レベル１〜５までのＤＶＤが再生可能で、レベル６〜８のＤＶＤが再生不可とされる。
【００１８】
パレンタルレベル設定記憶部３０ｃには、地域毎（国毎）のパレンタルレベルの定義情報が記述され、この情報は、制御部７０が、ある地域で設定された任意のパレンタルレベルと同様の視聴制限を、別の地域で実現するパレンタルレベルを特定するための情報として用いられる。
本構成では、この情報として、地域毎（国毎）のパレンタルレベルと、各レベルが示す視聴制限とを対応づけた情報を予め記述した情報を用いることによって、同様の視聴制限（暴力シーン等の制限内容が同一、対象者（子供向け、・・・、成人向け）が同一など）に対応するパレンタルレベルを、地域毎に容易に特定できるようにしている。また、この情報に代えて、地域毎のパレンタルレベルを、同様の視聴制限で関連づけた情報にしてもよく、この場合にも、異なる地域間で、同様の視聴制限のパレンタルレベルを容易に特定可能である。
【００１９】
また、パレンタルレベル設定記憶部３０ｃには、各地域に応じたパレンタルレベル設定メニューの情報、ＤＶＤ再生時のメニュー言語の設定、音声言語の設定、字幕言語の設定などの地域毎のデフォルト設定も記述される。
現在設定記憶部３０ｄは、現在設定されているパレンタルレベルや、現在地が属する地域（国等）を示すカントリーコードが記憶される。
【００２０】
再生部４０は、ＤＶＤやＣＤなどの記録媒体が装填されるディスク装填部を備え、制御部７０の制御の下、ディスク装填部に装填された記録媒体から各種データを読み出し、デコード処理などの各種処理を施して出力する。ここで、ＤＶＤが装填された場合には、ＤＶＤからは、このＤＶＤのリージョンコード、ＤＶＤ内のコンテンツに応じたパレンタルレベル、及び、コンテンツの映像・音声・字幕のデータなどが適宜読み出される。
【００２１】
情報出力部５０は、スピーカー５１を駆動してＤＶＤ音声などの各種音声を出力させる音声出力制御部５２と、液晶表示装置などで形成される表示部５３の表示パネル５３ａにＤＶＤ映像などの各種画像を表示させる表示制御部５４とを備えている。
指示入力部６０は、ユーザーが操作する操作キーや、ユーザーが操作するリモートコントローラーからの信号を受信する受光部等を有し、これらを介してユーザーの指示を入力し、制御部７０に通知する。
【００２２】
制御部７０は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭなどを備えたコンピューターの構成を具備し、指示入力部６０を介して入力したユーザー指示に基づいて車載用ナビゲーション装置１０の各部を制御するコンピューターとして機能する。
この制御部７０は、ナビゲーションに関する指示を入力した場合は、ナビゲーションモードで動作し、再生部４０に装填された記録媒体に関する指示を入力した場合は、再生モード（記録媒体再生モード）で動作する。なお、従来の車載用ナビゲーション装置と同様に、ナビゲーションの処理とＤＶＤ等の再生処理とを同時に実行することも可能である。
【００２３】
本装置１０では、パレンタルレベルを設定することによってＤＶＤの視聴制限をかけることが可能に構成されている。
図２は、パレンタルレベルの初期設定処理を示すフローチャートである。
この車載用ナビゲーション装置１０において、ユーザーが所定操作を行い、パレンタルレベルの設定メニューの呼び出し指示を行うと、制御部７０は、まず、位置測定部２０により現在位置を測定する現在位置測定処理を行う（ステップＳ１）。
【００２４】
次いで、制御部７０は、現在位置が測定されると、地域データベース（国データベースとも言う）３０ｂを参照し、現在位置が属する地域（国）を特定し（ステップＳ２：地域（国）特定処理）、ＰＬ設定記憶部３０ｃを参照し、特定した地域（国）に応じたパレンタルレベル設定メニューの画面を表示部５３に表示し、ユーザーに対してパレンタルレベルの設定レベルの入力を促す（ステップＳ３：パレンタルレベル入力要求処理）。
この場合、パレンタルレベル設定メニューとして、レベル毎の視聴制限の内容がユーザーから判るように（例えば、子供向け、・・・、成人向け等が判るように）、画面表示を行うことが好ましい。
【００２５】
そして、ユーザーがパレンタルレベルの設定（入力）を行うと、制御部７０は、特定した地域（国）に対応するカントリーコードと、ユーザーが選んだパレンタルレベルとを、現在設定記憶部３０ｄに登録する（ステップＳ４：登録処理）。これによって、パレンタルレベルの初期設定が行われる。この初期設定が行われると、再生モード時に視聴制限することが可能になる。
【００２６】
次に、再生モード時の動作を説明する。図３は、この場合の動作（再生処理）を示すフローチャートである。なお、ここでは、パレンタルレベルの初期設定が行われた後であって、再生部４０にＤＶＤが装填されているものとする。
この車載用ナビゲーション装置１０において、ユーザーが所定操作を行ってＤＶＤの再生指示を行うと、制御部７０は、位置測定部２０により現在位置を測定する現在位置測定処理を行う（ステップＳ１１）。
【００２７】
制御部７０は、現在位置が測定されると、地域データベース３０ｂを参照し、現在位置が属する地域（国）を特定する（ステップＳ１２：地域（国）特定処理）。次いで、制御部７０は、特定した地域のカントリーコードと、現在設定記憶部３０ｄに記憶されたカントリーコードとの比較により、現在位置が属する地域が変更したか否かを判定する（ステップＳ１３：地域変更判定処理）。
【００２８】
以下、地域が変更していない場合と、地域が変更していた場合とを別々に説明する。なお、地域が変更していない場合は、当該装置１０を搭載する車両が、前回再生時と今回再生時とで同じ地域に存在する場合であり、地域が変更していた場合とは、前回再生時と今回再生時とで別の地域に存在する場合である。
＜地域が変更していない場合＞
制御部７０は、ステップＳ１３の判定の結果、地域が変更していない場合には、ＤＶＤのリージョンコードとの整合性チェックを行う（ステップＳ１４）。
この整合性チェックでは、現在設定されるカントリーコードとＤＶＤのリージョンコードとの比較により、現在位置が、リージョンコードが示す再生可能地域か否かが判定され、再生可能地域でない場合（ステップＳ１４：不適合）、制御部７０は、ＤＶＤの再生を不可とする（ステップＳ２１：再生禁止）。
【００２９】
一方、再生可能地域であった場合（ステップＳ１４：適合）、制御部７０は、ＤＶＤ（記憶媒体）のパレンタルレベルとの比較を行う（ステップＳ１５：パレンタルレベル比較処理）。
この場合、制御部７０は、現在設定されるパレンタルレベルと、ＤＶＤに記録されたパレンタルレベルとの比較により、視聴制限対象か否かを判定し、視聴制限対象であった場合には（ステップＳ１５：不適合）、ステップＳ２１に移行し、ＤＶＤの再生を不可とし、視聴制限対象でない（＝視聴許可対象の）場合には（ステップＳ１５：適合）、ＤＶＤの再生を開始する（ステップＳ１６）。そして、制御部７０は、ＤＶＤの再生終了を検出すると（ステップＳ１７：ＹＥＳ）、当該再生モードの処理を終了する。
【００３０】
＜地域が変更していた場合＞
制御部７０は、ステップＳ１３の判定の結果、地域が変更していた場合には、変更後の地域でＤＶＤのリージョンコードとの整合性チェックを行う（ステップＳ１８）。
すなわち、制御部７０は、地域データベース３０ｂを参照することにより、変更後の地域のカントリーコードを特定し、このカントリーコードと、ＤＶＤのリージョンコードとの比較により、そのＤＶＤの再生可能地域か否かを判定し、再生可能地域でなければ（ステップＳ１８：不適合）、ステップＳ２１に移行してＤＶＤの再生を不可とする。一方、再生可能地域であれば（ステップＳ１８：適合）、制御部７０は、パレンタルレベルを置換する置換処理を行う（ステップＳ１９）。
【００３１】
この置換処理では、ＰＬ設定記憶部３０ｃの記憶内容に基づいて、現在設定記憶部３０ｄに設定されているパレンタルレベルを、変更後の地域に対応するパレンタルレベルに置き換える処理であり、この処理により、同様の視聴制限を、変更後の地域で実現するパレンタルレベルに置き換えることができる。また、この置換処理の際、現在設定記憶部３０ｄに設定されているカントリーコードについても、変更後の地域に対応するカントリーコードに置換される。
このようにして、現在設定記憶部３０ｄに、今回再生時の地域に対応するカントリーコード、及び、この地域で同じ視聴制限を実現するパレンタルレベルが設定され、設定情報が最新に更新される。
【００３２】
その後、制御部７０は、ステップＳ１５に移行し、現在設定記憶部３０ｄに新たに設定されたパレンタルレベルとＤＶＤのパレンタルレベルとの比較により、そのＤＶＤが視聴制限対象か否かを判定し、視聴制限対象の場合（ステップＳ１５：不適合）、ステップＳ２１に移行してＤＶＤの再生を不可とし、視聴制限対象でない（＝視聴許可対象の）場合（ステップＳ１５：適合）、ＤＶＤの再生を開始し（ステップＳ１６）、ＤＶＤの再生終了を検出すると（ステップＳ１７：ＹＥＳ）、当該再生モードの処理を終了する。以上が、再生モード時の動作である。
【００３３】
このように本実施の形態の車載用ナビゲーション装置１０では、ＤＶＤの再生指示を入力した場合に、現在位置を測定し、測定した現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを、ＰＬ設定記憶部３０ｃから読み出して設定し、設定したパレンタルレベルに基づいてＤＶＤの再生又は視聴制限を行うので、再生指示後の処理、つまり、再生処理中に、その時点の地域が特定されて該地域に対応するパレンタルレベルが設定される。
このため、本装置１０では、車両が様々な地域に移動しても、ユーザーからの再生指示がなければ、その地域でのパレンタルレベルが設定されず、ユーザーがＤＶＤを再生したい意思表示があって初めてその地域でのパレンタルレベルが設定される。従って、車両が別地域に移動する毎にパレンタルレベルを設定し直す、といったＤＶＤ非再生時にもパレンタルレベルを設定し直す事態を回避することができ、パレンタルレベルを必要とする場合にだけパレンタルレベルを適切に設定することが可能になる。
これにより、本装置１０では、パレンタルレベルの設定頻度を下げながら、ユーザーの煩わしさを回避してパレンタルレベルを適切に設定することが可能になる。
【００３４】
また、本構成では、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した場合に、現在設定記憶部３０ｄの記憶内容に基づいて地域が変更したか否かを判定し、地域が変更した場合にだけ、設定されるパレンタルレベルを置換するので、同じ地域でパレンタルレベルを設定し直す事態を回避することができる。
また、本構成では、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した後、特定した地域が、ＤＶＤに記録されたリージョンコードで再生が許可された地域か否かを判定し、許可された地域でない場合には、パレンタルレベルを置換する処理を行わずにＤＶＤの再生を不可（禁止）にするので、再生時点の地域とＤＶＤのリージョンコードとの整合性を適切に判断できると共に、ＤＶＤを再生しない場合にパレンタルレベルを設定し直す事態を回避でき、パレンタルレベルの設定頻度をより低減することができる。
【００３５】
さらに、本構成では、カントリーコードについても、パレンタルレベルと同様に、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定し、この地域が変更した場合にだけ更新（置換）するので、ユーザーがＤＶＤを再生したい意思表示があって初めてその地域のカントリーコードに設定することができる。このため、車両が別地域に移動する毎にカントリーコードを設定し直す事態を回避することができる。
【００３６】
上述した実施形態は、あくまで本発明の一態様に過ぎず、本発明の範囲内で任意に変形が可能である。
例えば、上述の実施形態では、位置測定部２０が、ＧＰＳユニット２１と、ジャイロユニット２２と、加速度センサーユニット２３と、車両データ処理部２４とを備える場合について説明したが、これに限らず、現在位置を測定可能であればＧＰＳユニット２１だけでもよく、また、公知の現在位置測定機器を適用してもよい。
また、上述の実施形態において、ユーザーが地域毎のパレンタルレベルを設定可能に構成し、この設定情報をパレンタルレベル設定記憶部３０ｃに格納するようにしてもよい。この場合、制御部３０が、この設定情報に基づいて各地域のパレンタルレベルを容易に特定することができる。
【００３７】
また、上述の実施形態では、ＤＶＤ再生機能を具備する車載用ナビゲーション装置に本発明を適用したが、これに限らず、ＤＶＤ再生機能を具備する車載用再生装置に本発明を広く適用可能である。また、ブルーレイディスク（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標））規格の記録媒体といった、パレンタルレベルを設定可能な記録媒体を再生可能な車載用再生装置に本発明を適用することも可能である。
また、上述の実施形態では、ＤＶＤ等の記録媒体用の制御プログラムを予め装置内に記録しておく場合について述べたが、この制御プログラムを、磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記録媒体などのコンピューターが読み取り可能な記録媒体に格納し、コンピューターが記録媒体からこの制御プログラムを読み取って実行するようにしてもよい。また、この制御プログラムを通信ネットワーク（電気通信回線）を介して配信サーバーなどからダウンロードできるようにしてもよい。
【符号の説明】
【００３８】
１０ 車載用ナビゲーション装置（車載用再生装置）
２０ 位置測定部
３０ 記憶部
３０ａ 経路案内データベース
３０ｂ 地域データベース
３０ｃ パレンタルレベル設定記憶部
３０ｄ 現在設定記憶部
４０ 再生部
５０ 情報出力部
６０ 指示入力部
７０ 制御部（再生制御部）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
同じレベルでも地域によってレベルが示す視聴制限が異なるパレンタルレベルが設定され、設定されたパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う車載用再生装置において、
地域毎のパレンタルレベルを記憶する記憶部と、
現在位置を測定する位置測定部と、
コンテンツの再生指示を入力した場合に、前記位置測定部により現在位置を測定し、測定された現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを前記記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定し、設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う再生制御部とを備えることを特徴とする車載用再生装置。
【請求項２】
現在位置が属する地域と、この地域で設定されたパレンタルレベルとを記憶する設定記憶部を有し、
前記再生制御部は、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した場合に、前記設定記憶部の記憶内容に基づいて現在位置が属する地域が変更したか否かを判定し、地域が変更した場合、設定されたパレンタルレベルを、変更後の地域に対応するパレンタルレベルに置換することを特徴とする請求項１に記載の車載用再生装置。
【請求項３】
前記コンテンツは、リージョンコードと共に記録媒体に記録されており、
前記再生制御部は、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した後、特定した地域が、前記記録媒体に記録されたリージョンコードで再生が許可された地域か否かを判定し、許可された地域であって、地域が変更した場合に、設定されたパレンタルレベルを変更後の地域に対応するパレンタルレベルに置換する処理を実行し、許可された地域でない場合、該置換する処理を行わずに前記コンテンツの再生を禁止することを特徴とする請求項２に記載の車載用再生装置。
【請求項４】
同じレベルでも地域によってレベルが示す視聴制限が異なるパレンタルレベルが設定され、設定されたパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う車載用再生装置の再生制御方法において、
コンテンツの再生指示を入力した場合に、現在位置を測定する位置測定処理と、
測定した現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを、地域毎のパレンタルレベルを記憶する記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定する設定処理と、
設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う再生処理とを実行することを特徴とする車載用再生装置の再生制御方法。
【請求項１】
同じレベルでも地域によってレベルが示す視聴制限が異なるパレンタルレベルが設定され、設定されたパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う車載用再生装置において、
地域毎のパレンタルレベルを記憶する記憶部と、
現在位置を測定する位置測定部と、
コンテンツの再生指示を入力した場合に、前記位置測定部により現在位置を測定し、測定された現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを前記記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定し、設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う再生制御部とを備えることを特徴とする車載用再生装置。
【請求項２】
現在位置が属する地域と、この地域で設定されたパレンタルレベルとを記憶する設定記憶部を有し、
前記再生制御部は、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した場合に、前記設定記憶部の記憶内容に基づいて現在位置が属する地域が変更したか否かを判定し、地域が変更した場合、設定されたパレンタルレベルを、変更後の地域に対応するパレンタルレベルに置換することを特徴とする請求項１に記載の車載用再生装置。
【請求項３】
前記コンテンツは、リージョンコードと共に記録媒体に記録されており、
前記再生制御部は、再生指示を入力して現在位置が属する地域を特定した後、特定した地域が、前記記録媒体に記録されたリージョンコードで再生が許可された地域か否かを判定し、許可された地域であって、地域が変更した場合に、設定されたパレンタルレベルを変更後の地域に対応するパレンタルレベルに置換する処理を実行し、許可された地域でない場合、該置換する処理を行わずに前記コンテンツの再生を禁止することを特徴とする請求項２に記載の車載用再生装置。
【請求項４】
同じレベルでも地域によってレベルが示す視聴制限が異なるパレンタルレベルが設定され、設定されたパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う車載用再生装置の再生制御方法において、
コンテンツの再生指示を入力した場合に、現在位置を測定する位置測定処理と、
測定した現在位置が属する地域を特定し、この地域に対応するパレンタルレベルを、地域毎のパレンタルレベルを記憶する記憶部から読み出してパレンタルレベルを設定する設定処理と、
設定したパレンタルレベルに基づいてコンテンツの再生又は視聴制限を行う再生処理とを実行することを特徴とする車載用再生装置の再生制御方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１１−１５９３４３（Ｐ２０１１−１５９３４３Ａ）
【公開日】平成２３年８月１８日（２０１１．８．１８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１９１０２（Ｐ２０１０−１９１０２）
【出願日】平成２２年１月２９日（２０１０．１．２９）
【出願人】（０００００１４８７）クラリオン株式会社 (1,722)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年８月１８日（２０１１．８．１８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１月２９日（２０１０．１．２９）
【出願人】（０００００１４８７）クラリオン株式会社 (1,722)
【Ｆターム（参考）】
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