車輌用ターンテーブル装置
【課題】工事現場等に簡単に設置でき、大型車輌等の重量物を旋回させることができるターンテーブルを提供する。
【解決手段】回転駆動部10と、この回転駆動部の外周を囲う外枠部20と、外枠部内に設けられ回転駆動部の駆動を担う駆動装置30とから構成されたターンテーブル装置1であって、前記回転駆動部は、回転軸2と、回転板3と、前記回転板の底面に設けられた複数のローラー4を備え、前記回転板を駆動するための駆動機構が前記回転板の外周側面に設けられていることを特徴とする。
【解決手段】回転駆動部10と、この回転駆動部の外周を囲う外枠部20と、外枠部内に設けられ回転駆動部の駆動を担う駆動装置30とから構成されたターンテーブル装置1であって、前記回転駆動部は、回転軸2と、回転板3と、前記回転板の底面に設けられた複数のローラー4を備え、前記回転板を駆動するための駆動機構が前記回転板の外周側面に設けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌用、特に、工事現場などで使用される工事用車輌に好適な車輌用ターンテーブル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄工事や街中のビルの建設現場等の狭隘な作業現場では、大型車輌等が方向転換するための十分なスペースを確保できず、従来は運転手が作業現場の外まで車輌をバックさせなければならなかった。
【0003】
トンネル作業現場などでは、狭いスペースで車輌を旋回させるために、台車トラバーサーと呼ばれる大型車輌用の旋回装置が用いられることもある(例えば、特許文献1参照)。その他、流体ベアリングを利用した大型車輌用のターンテーブル装置なども知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかし、立体駐車場などで用いられる普通車輌用のものとは異なり、土砂や建築資材などの重量物を積載したトラックなどの大型車輌等を安全に旋回及び停止させるために、従来の大型車輌用ターンテーブル装置はいずれも内部に大型の駆動装置(モーター類)を複数設けた嵩高かつ重厚な構造を有していた。
【0005】
図5(a)は、従来の大型車輌用ターンテーブル装置を側方から見た概略図である。従来の大型車輌用ターンテーブル装置50は、回転面となる回転板51と積載物となる大型車輌60の重量を支えるため、回転板51の裏面側には車輪及び大型ローラなどの回転摺動部材が敷設され、かつ回転板51の駆動装置自体も装置内部に収納している。
【0006】
そのため、嵩高になり易く、ターンテーブル装置1の回転面までの高さH2は、平均的なもので約500[mm]以上にもなる。従って、通常は図5(b)に示すように地中に埋設して回転面が低くなるようにして使用する。平坦な路面上に設置する場合には、この高さでは、回転板51上にトラックなどの大型車輌が回転面上に乗り上げることができないため、図5(a)に示すように道板52等による橋渡しが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭49−104362号公報
【特許文献2】特開2002−356147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の通り、従来の大型車輌用ターンテーブル装置は、構造が嵩高であり、かつ、都市土木工事などのように比較的長期間の工期を前提として使用されるものが多く、組み立てと解体をそれほど頻繁に行うことを予定したものでも無かった。
【0009】
また、立体駐車場などで見られる一般車輌用のターンテーブル装置、或いは車輌用以外にもターンテーブル装置は知られているが、軸受けや駆動機構(モーターや歯車等)などが大型車輌のような重量物を支持するための特別な構造を備えたものでは無かった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、平坦な路面或いは地下鉄工事などの際に敷設される覆工板の支持桁上に安全に設置することが可能な、かつ現場で容易に組み立て及び解体が可能な従来よりも薄型のターンテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るターンテーブル装置は、回転駆動部と、この回転駆動部の外周を囲う外枠部と、外枠部内に設けられ回転駆動部の駆動を担う駆動装置とから構成される。そして、その回転駆動部は、回転軸と、回転板と、前記回転板の底面に設けられた複数のローラーを備え、前記回転板を駆動するための駆動機構が前記回転板の外周側面に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る車輌用ターンテーブルによれば、従来よりも薄型に構成されたことで地中に埋め込んだりピットや道板が不要になり、狭いスペースで簡単に大型車輌等の重量物を旋回させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態を示す概略図、(a)は上方から見た図、(b)は(a)のA−Aの矢視図であり、側方から見た図
【図2】第1の実施形態の駆動装置付近の構成を示す拡大図、(a)は図1(a)のB−Bの矢視図 (b)は図2(a)のCの方向から見た矢視図
【図3】地下鉄工事の工事現場に本発明のターンテーブル装置を設置した様子を示す図
【図4】図3のC−C線矢視図であり、ターンテーブル装置1を覆工板の支持桁上に設置した様子を示す断面図
【図5】従来のターンテーブル装置を示す概略図、(a)は平坦な路面上に設置した様子、(b)は地中に埋設して設置した様子
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のターンテーブル装置の構造を示す概略図である。図1(a)は、第1の実施形態のターンテーブル装置1を上方から見た図であり、図1(b)は、図1(a)のA−Aの矢視図である。また、図中の破線は、大型車輌60を例示したものである。
【0015】
このターンテーブル装置1は、大型車輌60を載せて回転する回転駆動部10と、回転駆動部10の外周を囲う外枠部20と、外枠部20内に設けられ回転駆動部10の駆動を担う駆動装置30とから構成される。
【0016】
ターンテーブル装置1の回転駆動部10は、回転軸2と、回転板3と、回転板3の底面に設けられた多数のローラー4を備える。この回転板3は従来のターンテーブル装置と比べて極めて薄型の円板が使用される。また、回転板3の外周側面3bには、溶接等の固着手段によってチェーン5が固定されている。チェーン5はチェーンカバー6によって上部が保護され、砂などの異物が混入しにくくなっている。
【0017】
ローラー4は、略円筒形で内部に回転式の「ころ」が組み付けられた摺動支持部材であり、ターンテーブル装置1の全荷重を支持する鉄製の下部ベース板7の上に設けられる。このローラー4は、回転軸2と共に回転板3を支持しながら摺動させる役割を果たす。ローラー4は、回転板3の荷重を分散して支持するため同心円状に等間隔に多数配置されることが好ましい。
【0018】
図2(a)は、駆動装置30付近の拡大図であり、図1(a)のB−Bの矢視図である。この図に示すように、ローラー4は、ころ4aが一対の支持部材4b、4bで挟持されてレール状の軌道を形成している。他方、回転板3の裏面には凸部3aが設けられ、回転するころ4aとが接しながら、回転板3全体が回転軸2を中心に回転するように構成されている。
【0019】
回転板3を駆動させるための駆動装置30は、モーター31とスプロケット32とからなる。モーター31は、水平方向の軸の回転を垂直方向に変換する直交軸モーターであり、外枠部20の内部に水平に設置される。モーター31の回転はスプロケット32を介してチェーン5に伝達され、回転板3が回転する。
【0020】
図2(b)は、スプロケットとチェーンとを示す概略図であり、図2(a)のCの方向から見た矢視図である。スプロケット32は、チェーン5に噛み合っており、モーター31を回転させるとスプロケット32が回転し、チェーン5を介して回転板3が回転軸2を中心に回転する。
【0021】
回転板3や外枠部20は、運搬を容易にするために、複数の部材で構成され、運搬時には分解できるように構成することが好ましい。
【0022】
なお、駆動装置30の配置場所や個数は、必要なトルクが得られる限り、適宜変更してもよい。また、駆動装置30は、回転駆動部10の下に設けてもよい。その場合、ローラー4の配置等の調整はもちろんのこと、チェーン5を外枠部20の内側の円周部に取り付けすることが必要である。
【0023】
第1の実施形態のターンテーブル装置1は、例えば回転駆動部10の直径が6000[mm]であり、最大積載重量30000[kg]を得るために、インバータで制御できるモーター31を2個使用している。
【0024】
第1の実施形態のターンテーブル装置1は、ターンテーブル装置1の回転面までの高さH1は約220[mm]程度と、従来の大型車輌用ターンテーブル装置の回転面までの高さH2の半分以下にすることができる。これにより、ターンテーブル装置1は、大型車輌を乗り上げるための道板等が不要となり、スペースが限られている場所でも簡単に設置することができる。
【0025】
(第2の実施形態)
図3は、地下鉄工事の工事現場に第2の実施形態のターンテーブル装置を設置した様子を示している。道路41の路面全体に支持桁を設けてその上に覆工板42を敷設し、工事現場40内を柵で区画して出入り口43を一つ設け、工事車輌を進入させて開削工事を行う。
【0026】
覆工板42は1枚あたりの大きさが典型的なもので縦1000[mm]×横2000[mm]×厚さ218[mm]である鋼板である。本実施形態では、図3に示すように、工事現場40内の覆工板42の一部を取り外し、支持桁部に本発明のターンテーブル装置を設置している。ここでは、その内の縦8枚×横4枚である32枚(縦8000[mm]×横8000[mm]の領域分)を取り外し、代わりに第1の実施形態のターンテーブル装置1を設置した。
【0027】
図4は、図3のC−C線矢視図であり、ターンテーブル装置1を覆工板の支持桁上に設置した様子を示す断面図である。この図に示すように、ターンテーブル装置1は覆工板42を取り外して露出したH形鋼などの支持桁44の上に設置される。なお、ターンテーブル装置1の下部では支持桁の本数を2倍にして強度を確保している。これは、ターンテーブル装置1の下部には覆工板よりも大きな荷重がかかるためである。この図の例では、ターンテーブル装置1の下部での支持桁44の間隔W1は1000[mm]とし、それ以外の支持桁44の間隔W2は2000[mm]としている。
【0028】
上述の通りこのターンテーブル装置1の回転面までの高さH1は約220mmであり、覆工板の厚さとの差が小さいため、覆工板を部分的に取り外してターンテーブル装置1を取付けることで、大きな段差が設けられることなくターンテーブル装置が覆工板とほぼ同じ面に形成される。すなわち、覆工板の一部を取り外してターンテーブル装置を設けたことで従来不可能であった狭い工事現場での大型車輌の旋回が可能となる。
【0029】
以上のように、本実施形態によると、狭隘な作業現場でも大型の工事用車輌が作業現場内で容易に旋回できるため、作業性や安全性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のターンテーブル装置は、従来の大型車輌用ターンテーブル装置と比べて薄型であり、スペースの限られた場所でも簡単に設置することができる。また、構造が単純で組み立て性にも優れており、工事現場での作業性を大きく向上させるものとして、その産業上の利用可能性は極めて大きい。
【符号の説明】
【0031】
1 ターンテーブル装置
2 回転軸
3 回転板
3a 凸部
3b 外周側面
4 ローラー
5 チェーン
6 チェーンカバー
7 下部ベース板
10 回転駆動部
20 外枠部
30 駆動装置
31 モーター
32 スプロケット
40 工事現場
41 道路
42 覆工板
50 従来の大型車輌用ターンテーブル装置
51 ターンテーブル(回転板)
52 道板
60 大型車輌
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌用、特に、工事現場などで使用される工事用車輌に好適な車輌用ターンテーブル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄工事や街中のビルの建設現場等の狭隘な作業現場では、大型車輌等が方向転換するための十分なスペースを確保できず、従来は運転手が作業現場の外まで車輌をバックさせなければならなかった。
【0003】
トンネル作業現場などでは、狭いスペースで車輌を旋回させるために、台車トラバーサーと呼ばれる大型車輌用の旋回装置が用いられることもある(例えば、特許文献1参照)。その他、流体ベアリングを利用した大型車輌用のターンテーブル装置なども知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかし、立体駐車場などで用いられる普通車輌用のものとは異なり、土砂や建築資材などの重量物を積載したトラックなどの大型車輌等を安全に旋回及び停止させるために、従来の大型車輌用ターンテーブル装置はいずれも内部に大型の駆動装置(モーター類)を複数設けた嵩高かつ重厚な構造を有していた。
【0005】
図5(a)は、従来の大型車輌用ターンテーブル装置を側方から見た概略図である。従来の大型車輌用ターンテーブル装置50は、回転面となる回転板51と積載物となる大型車輌60の重量を支えるため、回転板51の裏面側には車輪及び大型ローラなどの回転摺動部材が敷設され、かつ回転板51の駆動装置自体も装置内部に収納している。
【0006】
そのため、嵩高になり易く、ターンテーブル装置1の回転面までの高さH2は、平均的なもので約500[mm]以上にもなる。従って、通常は図5(b)に示すように地中に埋設して回転面が低くなるようにして使用する。平坦な路面上に設置する場合には、この高さでは、回転板51上にトラックなどの大型車輌が回転面上に乗り上げることができないため、図5(a)に示すように道板52等による橋渡しが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭49−104362号公報
【特許文献2】特開2002−356147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の通り、従来の大型車輌用ターンテーブル装置は、構造が嵩高であり、かつ、都市土木工事などのように比較的長期間の工期を前提として使用されるものが多く、組み立てと解体をそれほど頻繁に行うことを予定したものでも無かった。
【0009】
また、立体駐車場などで見られる一般車輌用のターンテーブル装置、或いは車輌用以外にもターンテーブル装置は知られているが、軸受けや駆動機構(モーターや歯車等)などが大型車輌のような重量物を支持するための特別な構造を備えたものでは無かった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、平坦な路面或いは地下鉄工事などの際に敷設される覆工板の支持桁上に安全に設置することが可能な、かつ現場で容易に組み立て及び解体が可能な従来よりも薄型のターンテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るターンテーブル装置は、回転駆動部と、この回転駆動部の外周を囲う外枠部と、外枠部内に設けられ回転駆動部の駆動を担う駆動装置とから構成される。そして、その回転駆動部は、回転軸と、回転板と、前記回転板の底面に設けられた複数のローラーを備え、前記回転板を駆動するための駆動機構が前記回転板の外周側面に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る車輌用ターンテーブルによれば、従来よりも薄型に構成されたことで地中に埋め込んだりピットや道板が不要になり、狭いスペースで簡単に大型車輌等の重量物を旋回させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態を示す概略図、(a)は上方から見た図、(b)は(a)のA−Aの矢視図であり、側方から見た図
【図2】第1の実施形態の駆動装置付近の構成を示す拡大図、(a)は図1(a)のB−Bの矢視図 (b)は図2(a)のCの方向から見た矢視図
【図3】地下鉄工事の工事現場に本発明のターンテーブル装置を設置した様子を示す図
【図4】図3のC−C線矢視図であり、ターンテーブル装置1を覆工板の支持桁上に設置した様子を示す断面図
【図5】従来のターンテーブル装置を示す概略図、(a)は平坦な路面上に設置した様子、(b)は地中に埋設して設置した様子
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のターンテーブル装置の構造を示す概略図である。図1(a)は、第1の実施形態のターンテーブル装置1を上方から見た図であり、図1(b)は、図1(a)のA−Aの矢視図である。また、図中の破線は、大型車輌60を例示したものである。
【0015】
このターンテーブル装置1は、大型車輌60を載せて回転する回転駆動部10と、回転駆動部10の外周を囲う外枠部20と、外枠部20内に設けられ回転駆動部10の駆動を担う駆動装置30とから構成される。
【0016】
ターンテーブル装置1の回転駆動部10は、回転軸2と、回転板3と、回転板3の底面に設けられた多数のローラー4を備える。この回転板3は従来のターンテーブル装置と比べて極めて薄型の円板が使用される。また、回転板3の外周側面3bには、溶接等の固着手段によってチェーン5が固定されている。チェーン5はチェーンカバー6によって上部が保護され、砂などの異物が混入しにくくなっている。
【0017】
ローラー4は、略円筒形で内部に回転式の「ころ」が組み付けられた摺動支持部材であり、ターンテーブル装置1の全荷重を支持する鉄製の下部ベース板7の上に設けられる。このローラー4は、回転軸2と共に回転板3を支持しながら摺動させる役割を果たす。ローラー4は、回転板3の荷重を分散して支持するため同心円状に等間隔に多数配置されることが好ましい。
【0018】
図2(a)は、駆動装置30付近の拡大図であり、図1(a)のB−Bの矢視図である。この図に示すように、ローラー4は、ころ4aが一対の支持部材4b、4bで挟持されてレール状の軌道を形成している。他方、回転板3の裏面には凸部3aが設けられ、回転するころ4aとが接しながら、回転板3全体が回転軸2を中心に回転するように構成されている。
【0019】
回転板3を駆動させるための駆動装置30は、モーター31とスプロケット32とからなる。モーター31は、水平方向の軸の回転を垂直方向に変換する直交軸モーターであり、外枠部20の内部に水平に設置される。モーター31の回転はスプロケット32を介してチェーン5に伝達され、回転板3が回転する。
【0020】
図2(b)は、スプロケットとチェーンとを示す概略図であり、図2(a)のCの方向から見た矢視図である。スプロケット32は、チェーン5に噛み合っており、モーター31を回転させるとスプロケット32が回転し、チェーン5を介して回転板3が回転軸2を中心に回転する。
【0021】
回転板3や外枠部20は、運搬を容易にするために、複数の部材で構成され、運搬時には分解できるように構成することが好ましい。
【0022】
なお、駆動装置30の配置場所や個数は、必要なトルクが得られる限り、適宜変更してもよい。また、駆動装置30は、回転駆動部10の下に設けてもよい。その場合、ローラー4の配置等の調整はもちろんのこと、チェーン5を外枠部20の内側の円周部に取り付けすることが必要である。
【0023】
第1の実施形態のターンテーブル装置1は、例えば回転駆動部10の直径が6000[mm]であり、最大積載重量30000[kg]を得るために、インバータで制御できるモーター31を2個使用している。
【0024】
第1の実施形態のターンテーブル装置1は、ターンテーブル装置1の回転面までの高さH1は約220[mm]程度と、従来の大型車輌用ターンテーブル装置の回転面までの高さH2の半分以下にすることができる。これにより、ターンテーブル装置1は、大型車輌を乗り上げるための道板等が不要となり、スペースが限られている場所でも簡単に設置することができる。
【0025】
(第2の実施形態)
図3は、地下鉄工事の工事現場に第2の実施形態のターンテーブル装置を設置した様子を示している。道路41の路面全体に支持桁を設けてその上に覆工板42を敷設し、工事現場40内を柵で区画して出入り口43を一つ設け、工事車輌を進入させて開削工事を行う。
【0026】
覆工板42は1枚あたりの大きさが典型的なもので縦1000[mm]×横2000[mm]×厚さ218[mm]である鋼板である。本実施形態では、図3に示すように、工事現場40内の覆工板42の一部を取り外し、支持桁部に本発明のターンテーブル装置を設置している。ここでは、その内の縦8枚×横4枚である32枚(縦8000[mm]×横8000[mm]の領域分)を取り外し、代わりに第1の実施形態のターンテーブル装置1を設置した。
【0027】
図4は、図3のC−C線矢視図であり、ターンテーブル装置1を覆工板の支持桁上に設置した様子を示す断面図である。この図に示すように、ターンテーブル装置1は覆工板42を取り外して露出したH形鋼などの支持桁44の上に設置される。なお、ターンテーブル装置1の下部では支持桁の本数を2倍にして強度を確保している。これは、ターンテーブル装置1の下部には覆工板よりも大きな荷重がかかるためである。この図の例では、ターンテーブル装置1の下部での支持桁44の間隔W1は1000[mm]とし、それ以外の支持桁44の間隔W2は2000[mm]としている。
【0028】
上述の通りこのターンテーブル装置1の回転面までの高さH1は約220mmであり、覆工板の厚さとの差が小さいため、覆工板を部分的に取り外してターンテーブル装置1を取付けることで、大きな段差が設けられることなくターンテーブル装置が覆工板とほぼ同じ面に形成される。すなわち、覆工板の一部を取り外してターンテーブル装置を設けたことで従来不可能であった狭い工事現場での大型車輌の旋回が可能となる。
【0029】
以上のように、本実施形態によると、狭隘な作業現場でも大型の工事用車輌が作業現場内で容易に旋回できるため、作業性や安全性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のターンテーブル装置は、従来の大型車輌用ターンテーブル装置と比べて薄型であり、スペースの限られた場所でも簡単に設置することができる。また、構造が単純で組み立て性にも優れており、工事現場での作業性を大きく向上させるものとして、その産業上の利用可能性は極めて大きい。
【符号の説明】
【0031】
1 ターンテーブル装置
2 回転軸
3 回転板
3a 凸部
3b 外周側面
4 ローラー
5 チェーン
6 チェーンカバー
7 下部ベース板
10 回転駆動部
20 外枠部
30 駆動装置
31 モーター
32 スプロケット
40 工事現場
41 道路
42 覆工板
50 従来の大型車輌用ターンテーブル装置
51 ターンテーブル(回転板)
52 道板
60 大型車輌
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動部(10)と、この回転駆動部の外周を囲う外枠部(20)と、外枠部内に設けられ回転駆動部の駆動を担う駆動装置(30)とから構成されたターンテーブル装置(1)であって、
前記回転駆動部は、回転軸(2)と、回転板(3)と、前記回転板の底面に設けられた複数のローラー(4)を備え、
前記回転板を駆動するための駆動機構が前記回転板の外周側面(3b)に設けられていることを特徴とする車輌用ターンテーブル装置。
【請求項2】
前記駆動機構は、前記回転板の外周側面に固定されたチェーン(5)と、前記チェーンに動力を伝達する駆動装置(30)と噛み合って回転するスプロケット(32)と、前記スプロケットを駆動するモーター(31)とを含む請求項1記載の車輌用ターンテーブル装置。
【請求項3】
前記ローラーは、前記ターンテーブル装置の全荷重を支持する下部ベース板(7)の上に同心円状に設けられることを特徴とする請求項1記載の車輌用ターンテーブル装置。
【請求項4】
前記回転板の裏面には同心円状の凸部が設けられ、前記ローラーが前記凸部に嵌合して摺動することを特徴とする請求項1記載の車輌用ターンテーブル装置。
【請求項5】
覆工板を支持する支持桁上に前記回転板が前記覆工板と略面一に設けられた請求項1記載の車輌用ターンテーブル装置。
【請求項1】
回転駆動部(10)と、この回転駆動部の外周を囲う外枠部(20)と、外枠部内に設けられ回転駆動部の駆動を担う駆動装置(30)とから構成されたターンテーブル装置(1)であって、
前記回転駆動部は、回転軸(2)と、回転板(3)と、前記回転板の底面に設けられた複数のローラー(4)を備え、
前記回転板を駆動するための駆動機構が前記回転板の外周側面(3b)に設けられていることを特徴とする車輌用ターンテーブル装置。
【請求項2】
前記駆動機構は、前記回転板の外周側面に固定されたチェーン(5)と、前記チェーンに動力を伝達する駆動装置(30)と噛み合って回転するスプロケット(32)と、前記スプロケットを駆動するモーター(31)とを含む請求項1記載の車輌用ターンテーブル装置。
【請求項3】
前記ローラーは、前記ターンテーブル装置の全荷重を支持する下部ベース板(7)の上に同心円状に設けられることを特徴とする請求項1記載の車輌用ターンテーブル装置。
【請求項4】
前記回転板の裏面には同心円状の凸部が設けられ、前記ローラーが前記凸部に嵌合して摺動することを特徴とする請求項1記載の車輌用ターンテーブル装置。
【請求項5】
覆工板を支持する支持桁上に前記回転板が前記覆工板と略面一に設けられた請求項1記載の車輌用ターンテーブル装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2011−42243(P2011−42243A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191341(P2009−191341)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(593099207)株式会社クロダテック (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(593099207)株式会社クロダテック (3)
【Fターム(参考)】
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