説明

軟質プラスチックフイルム製封筒の封緘

【課題】裁断された紙やフエルト、紙製文具などを収納する軟質プラスチックフイルム製の反復開閉自在な粘着封緘式封筒は、封緘開放時に内容物などが露出した封緘用粘着剤に触れて粘着し、損傷したり出し入れに支障をきたしたりすることがある。
【解決手段】封緘用粘着剤上又はその近傍に粘着剤の表面よりも高い非粘着性の粘着防止突出部分を設けることにより、封緘開放時に内容物などが粘着部に上載されても突出部上面で支持されるので、それよりも低い位置にある粘着剤には当接しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は裁断された紙製品やフエルト等を収納する軟質プラスチックフイルムでつくられた封筒の反復開閉自在な粘着封緘に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な軟質プラスチックフイルム製封筒の反復開閉自在な粘着封緘にはその本体と蓋の接触部分のいずれか一方に粘着剤を塗布、または粘着剤を塗布したテープを貼付して封緘する構造をもっている。
【0003】
粘着剤は封緘部分のプラスチックフイルムと相互に粘着して封をするが、開封に際してはフイルムが損傷しない程度の力で容易に粘着を解除する事が出来る。
【0004】
粘着剤は反復開閉してもその粘着性を失わず、しかも塗布または貼付された側から被粘着側に剥がれて移動することはない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記封緘に使用される粘着手段は反復開閉使用するのに大変便利である反面その内容物を出し入れする際に、内容物が露出した粘着剤に接触すると、これに粘着して出し入れが困難になるばかりか、ときには紙などの表面が接着して剥離してしまい、用紙が無駄になるだけでなく粘着剤が粘着効果を失なって再封緘できなくなるおそれがある。
また、高価な写真プリント用紙などでは表面がわずかに粘着損傷しても使用に耐えなくなってしまう。
【0006】
内容物等に粘着しないよう粘着力を弱めると封緘が十分でなくなり不用意に開封してしまったり反復使用が出来なくなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
封緘のために必要な粘着力を保持し、封緘開放時に内容物等が粘着剤に接触しないよう、封緘用粘着剤表面に封緘に必要な粘着剤の露出部分を残して粘着剤の表面よりも高くなるように非粘着性部分を粘着部分上貼付した構造とする。
【0008】
封緘が軟質プラスチックフイルムで構成されているため封をするには封筒本体の封緘部分と蓋の部分を重ね合わせたのち、外部から粘着部分を軽く押圧するだけで容易に軟質プラスチックフイルムが非粘着性物の外側に変形して粘着剤に当接し、粘着封緘する。
【発明の効果】
【0009】
本発明を実施することにより、封筒の封緘部分が開放され、出し入れ時の内容物や他の類似物が誤って粘着部分に上載されても上載物は粘着面より高い位置にある非粘着性物の上面に支えられて粘着剤に当接せず、粘着することがない。
【0010】
再封緘のさいに封緘部を正しく揃えてから押圧して粘着できるので封緘部が曲がったり皺になったりすることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する
【実施例】
【図面の簡単な説明】
本発明を構成するプラスチックフイルムや粘着物、非粘着性物、テープ等の厚さの実寸法はそれぞれ0.1mm単位のものであり、各部構成の理解を容易にするため、図面は実寸法との比例関係を無視して描かれている。
また、図1以降の他の実施例の斜視図、断面の位置及び方向は図1の断面イ−ロ−ハに準じている。
【図1】本発明の斜視図
【図2】従来の封緘部で、粘着剤が露出している状態を示す断面拡大斜視図。
【図3】本発明の封緘部の粘着剤の表面に帯状に非粘着性物が連続して突出している状態を示す図1の断面イ−ロ−ハ拡大斜視図。
【図4】本発明の他の実施例、請求項2にかかる封緘部の断面拡大斜視図。
【図5】点線状に薄い非粘着性物を粘着剤の上面に貼付又は塗布した請求項4の断面拡大斜視図。
【図6】本発明の他の実施例で、テープ上に粘着剤と非粘着性物を組み合わせて一体としたものを本体封筒に貼付した状態を示す請求項4にかかる封緘部の断面拡大斜視図。
【図7】本発明による封筒の封緘状態を示す図で、封緘部の蓋である軟質プラスチックフイルムが指先等で押圧されて非粘着性物の外側に変形し、粘着剤に粘着している状態を示す封緘部の断面拡大斜視図。
【図8】本発明の実施による効果の一例で、粘着部分に上載された紙片が非粘着性物に支持されて紙片の下面と粘着剤表面の間に空隙を保っている状態を示す封緘部の断面拡大斜視図。
【符号の説明】
1 軟質プラスチックフイルム製封筒の本体。
2 軟質プラスチックフイルム製封筒の封緘蓋部。
3 粘着剤。
4 請求項1に開示する、プラスチック、軟質プラスチック製フイルム、紙等の非粘着性物。
5 請求項3に開示するプラスチック、軟質プラスチック製フイルム、紙等の非粘着性物。
6 請求項4に開示するプラスチック、軟質プラスチック製フイルム、紙等の非粘着性物。
7 テープ
A 紙などの上載物。
a 空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封緘部の本体側と蓋側のいずれか一方に粘着剤を塗布又は貼付して反復開閉自在に構成された軟質プラスチックフイルム製封筒において。
封緘部に帯状に設けられた粘着剤の表面に粘着剤の巾よりも狭い非粘着物を設けた軟質プラスチックフイルム製封筒の封緘構造。
【請求項2】
封緘部に帯状に設けられた粘着剤の表面に、封緘に必要な粘着部分をその片側または両側に残して、紙またはプラスチックフイルムなどの非粘着物を粘着剤のほぼ全長に亘って連続的に貼付した軟質プラスチック製封筒の封緘構造。
【請求項3】
封緘部に帯状に設けられた粘着剤の表面に、封緘に必要な粘着部分をその周囲に残して、紙またはプラスチックフイルムなどの非粘着物を粘着剤のほぼ全長に亘って断続的に貼付した軟質プラスチック製封筒の封緘構造。
【請求項4】
上面に請求項2又は3に示す構成要件を満たして一体に構成されたテープを封緘部に貼付した軟質プラスチックフイルム製封筒の封緘構造

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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