説明

転写体の製造法および該製造法により作製された転写体

【課題】転写によるカラーフィルタ等製造の際に、転写される着色パターンの線幅の再現性に優れた転写体の製造方法を提供する。
【解決手段】支持体1の裏面に粘着層2を、該支持体上に粘弾層4を形成してなる印刷基材5の粘弾層上に着色パターン8を印刷形成して印刷積層体40を製造した後、該印刷積層体に形成されている前記着色パターンを被転写体に転写することを特徴とする転写体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高精度着色パターンが形成された、印刷積層体、転写体及びその製造法とその製造装置等に関し、特に、転写体の製造法および該製造法により作製された転写体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高精度のパターンを形成するのに、印刷法で行うと、スループットはよいものの、被印刷体に印刷する際に、形状の変化が生じ、グラビア印刷、オフセット印刷等でも、パターン精度が得られず、高精度の着色パターンを形成することができなかった。
【0003】
例えば、特開平5−281409号公報、あるいは特開平6−214106号公報に、カラーフィルターを印刷によって製造する方法として、版の凹部内のインキを基材側に直接移すグラビアダイレクト方式を用いること等も提案しているが同様の問題があった。
【0004】
そこで、特開平5−169614号公報等では、平版状のセルからブランケットの転写像が高精度なものとなるようにセルの形状を改良したり、あるいはブランケットからの転写率を高めたりする方法等が提案されているが、これらの方法では、連続的に転写することはできず、枚葉式の装置に限られているとともに、これらの方法によっても、数十μm単位で正確な画素を形成することは困難であった。
【0005】
このため、本出願人は、高精度の着色パターンを印刷法で形成することを可能にすべく、先に特願平11−9409において、印刷法を用いて高精度の着色パターンを形成する方法を開示している。
この出願では印刷基材の表面に形成した粘弾層上に高精度の着色パターンを印刷して、正確なパターン形状に印刷することを可能としたが、着色パターンサイズが大きくなり、特に横方向の線幅の再現性については問題点があった。
【0006】
具体的には、印刷基材がグラビア版胴と接したときに、空気等が入って印刷基材が空に浮き、転写時に粘弾層がグラビア版胴の凹部に入り込んで、印刷基材の横幅が縮小し、転写後には一度入り込んだ粘弾層がグラビア版胴の凹部からでて、印刷基材の横幅が元に戻り、印刷基材上に転写された高精度の着色パターンが拡張することがあった。
【0007】
例えば、グラビア版胴に形成されている右端と左端の凹部の距離が210mmである場合、印刷された着色パターン8の右端から左端の幅は210、100mm〜210、150mmとサイズが大きくなる。
【特許文献1】特開平5−281409号公報
【特許文献2】特開平6−214106号公報
【特許文献3】特開平5−169614号公報
【特許文献4】特願平11−9409
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのため、本発明は、着色パターンのサイズ等、特に横方向の幅の再現性を向上させ、高精度の着色パターンが要求されるカラーフィルタ等を提供し、また、この高精度の着色パターンが要求されるカラーフィルタ等を製造する方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の転写体の製造法は、着色パターンを形成した転写体の製造法であって、支持体の裏面に粘着層を、該支持体上に粘弾層を形成してなる印刷基材の、該粘弾層上に前記着色パターンを印刷形成して、印刷基材は支持体の裏面に粘着層を、支持体上に粘弾層を形成してなり、前記着色パターンは該粘弾層上に形成されている印刷積層体を製造した後、該印刷積層体に形成されている前記着色パターンを転写基材に転写して形成することを特徴とするものである。
そして、上記請求項1の転写体の製造法であって、前記印刷積層体の製造は、前記着色パターンを印刷形成した後、前記粘着層の裏面をマット化することを特徴とするものである。
あるいは、上記請求項1の転写体の製造法であって、前記印刷積層体の製造は、前記着色パターンを印刷形成した後、前記印刷基材の裏面にフィルムを貼り付けを行うものであることを特徴とするものであり、前記フィルムは、裏面がマット化されたフィルムであることを特徴とするものである。
また、上記いずれか1項に記載の転写体の製造法であって、前記印刷積層体の製造は、前記印刷基材が供給ロールから巻出され、着色パターンが形成される印刷積層体の製造法において、供給ロールから巻き出された該印刷基材に合い紙が挟まれており、印刷基材を巻出し、該合い紙を取り除いた後、該印刷基材上に着色パターンを印刷形成するものであることを特徴とするものである。
また、本発明の転写体は、転写基材に着色パターンを形成した転写体であって、上記いずれかの転写体の製造法により、作製されたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明は、印刷基材は支持体の裏面に粘着層を、支持体上に粘弾層を形成した印刷基材上に高精度の着色パターンを形成した印刷積層体に関わり、特に印刷積層体の裏面には粘着性を示さぬように処理を施し、この処理として前記粘着層の裏面にフィルムを貼り付けた印刷積層体に関わる。
また好ましくは、印刷積層体の裏面にはマット面を備えており、特に、前記粘着層の裏面に、裏面がマット化されたフィルムを貼り付けた、もしくは、前記粘着層の裏面をマット化した印刷積層体に関わる
【0011】
さらに、以上の印刷積層体に形成されている高精度の着色パターンを転写基材に転写して、転写基材に高精度の着色パターンが形成された転写体又はカラーフィルタを得ることができる。
なお、転写体又はカラーフィルタに適切なサイズに製造、もしくは製造した後に転写体又はカラーフィルタとして適切なサイズに切り取り、上記印刷積層体をそのままカラーフィルタ等に用いることができる。
【0012】
次に、印刷積層体は、支持体の裏面に粘着層を、該支持体上に粘弾層を形成してなる印刷基材上に、高精度の着色パターンを転写した後、該印刷積層体の裏面が粘着性を示さぬように処理することで製造することが出来、特に形成する印刷積層体に合わせ、高精度の着色パターンを転写した後、前記印刷基材の裏面にフィルムを貼り付けてもよい。
【0013】
また好ましくは、支持体の裏面に粘着層を、該支持体上に粘弾層を形成してなる印刷基材上に、高精度の着色パターンを転写した後、該印刷積層体の裏面にマット面を形成することで印刷積層体を製造し、さらに好ましくは、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成した後、前記粘着層に、裏面がマット化されたフィルムを貼り付けて製造するか、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成した後、前記粘着層の裏面をマット化して印刷積層体を製造する方法がよい。
【0014】
上記印刷積層体を、印刷基材の間に合い紙を挟んで巻いた供給ロールから印刷基材を巻出して高精度の着色パターンを形成する場合、該印刷基材を供給ロールから巻き出し、合い紙を取り除いた後、印刷基材上に着色パターンを転写してもよい。
このようにすると、印刷基材の粘弾層や粘着層によって、印刷基材どうしが粘着することを防ぐことが出来る。
また、以上の方法で印刷積層体を製造した後、前記印刷基材上に形成した高精度の着色パターンを転写基材に転写して転写体を、特にカラーフィルタを製造することが出来る。
【0015】
以上の印刷積層体を製造する装置としては以下の3種類の装置を上げることが出来る。
【0016】
1つめとしては、印刷基材を供給する供給ロール、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成する圧胴、版胴を備え、該圧胴、版胴の下流側に、該印刷基材の裏面にフィルムを貼り付けるための少なくとも一対のラミネートロール、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成し、裏面にフィルムが貼り付けられた印刷積層体を巻き取るための巻き取りロール、とを有している印刷積層体の製造装置である。
なお、ラミネートロールで貼り付けたフィルムはマット化されたものであっても良い。
【0017】
2つめとしては、印刷基材を供給する供給ロール、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成する圧胴、版胴を備え、該圧胴、版胴の下流側に、印刷基材の裏面にフィルムを貼り付けるための少なくとも一対のラミネートロール、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成した印刷積層体の裏面に貼り付けられた前記フィルムをマット化させるためのマット機、フィルムが貼り付けられた印刷積層体を巻き取るための巻き取りロール、とを有している印刷積層体の製造装置である。
【0018】
3つめとしては、印刷基材を供給する供給ロール、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成する圧胴、版胴を備え、該圧胴、版胴の下流側に、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成した印刷積層体の裏面をマット化させるためのマット機裏面をマット化させた印刷積層体を巻き取るための巻き取りロール、とを有している印刷積層体の製造装置である。
【0019】
なお、以上の積層体の製造装置に、印刷基材の間に合い紙を挟んで巻いた供給ロールから印刷基材を巻出した後、印刷基材に挟まれていた合い紙を取り出す、合い紙取り出し装置を設置してもよい。
【0020】
以上の3つの装置によって印刷積層体を製造することができ、製造した印刷積層体はそのままカラーフィルタ等に用いることも可能であるが、一度巻き取りロールで印刷積層体を巻き取った後、再度このロールから巻き出して、印刷積層体に形成された高精度の着色パターンをガラス等に転写し、カラーフィルタを製造しても良い。
【0021】
次ぎに、転写体を製造する装置を3種類記載する。
1つめの高精度着色パターンを形成した転写体の製造装置としては、印刷基材を供給する供給ロール、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成する圧胴、版胴を備え、該圧胴、版胴の下流側に、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成した印刷積層体の裏面にフィルムを貼り付けるための少なくとも一対のラミネートロール、印刷積層体に形成された高精度の着色パターンを転写基材に転写させるための転写装置、を有している転写体の製造装置である。
なお、ラミネートロールで貼り付けたフィルムはマット化されたものであっても良い。
【0022】
2つめの高精度着色パターンを形成した転写体の製造装置としては、印刷基材を供給する供給ロール、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成する圧胴、版胴を備え、該圧胴、版胴の下流側に、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成した印刷積層体の裏面にフィルムを貼り付けるための少なくとも一対のラミネートロール、印刷積層体の裏面に貼り付けられたフィルムをマット化させるためのマット機、印刷積層体に形成された高精度の着色パターンを転写基材に転写させるための転写装置、とを有している転写体の製造装置である。
【0023】
3つめの高精度着色パターンを形成した転写体の製造装置としては、印刷基材を供給する供給ロール、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成する圧胴、版胴を備え、該圧胴、版胴の下流側に、印刷基材上に高精度の着色パターンを形成した印刷積層体の裏面をマット化させるためのマット機印刷積層体に形成された高精度の着色パターンを転写基材に転写させるための転写装置、とを有している転写体の製造装置である。
【0024】
なお、印刷基材を合い紙で挟んでいた供給ロールから印刷基材を巻出した後、印刷基材に挟まれていた合い紙を取り出す、合い紙取り出し装置を前記転写体の製造装置に設置してもよい。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明に関わる印刷基材は、支持体の裏面に粘着層を有するため、正確な大きさの着色パターンを形成することができた。
また、本発明に関わる製造方法や製造装置によって、印刷基材に高精度の着色パターンを印刷し、着色パターンが印刷積層体の裏面に付着することなく、カラーフィルタや、カラーフィルタを製造するための印刷積層体を供給することを可能にしたものあります。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態について説明する。
図1は高精度の着色パターンを印刷するために用いられる印刷基材5であり、図2は印刷基材5に着色パターン8を印刷し、さらに印刷基材5の裏面にフィルム6を貼り付けた印刷積層体40である。
また、図3も印刷基材上に着色パーン8を形成した印刷積層体40であり、着色パターンが形成された印刷基材は、フィルム6が貼り付けられていても、いなくても印刷積層体40である。
なお、図2のマット面7はフィルム6に形成されているが、図3のマット面は粘着層2に形成されている。
【0027】
以下に図1の印刷基材5について説明する。
支持体1の裏面に粘着層2を形成し、これを基材3とし、この基材3の支持体1の表面には粘弾層4を形成し、印刷基材5とした。
【0028】
この粘着層2としては、アクリル系共重合体、シリコーン共重合体、シリコーン等を含む組成物を用いる。
【0029】
また、アクリル系共重合体としては、ステアリル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシル(メタ)アクリレートを挙げることができ、これらの共重合体の分子量は重量平均分子量で100000ないし800000であることが好ましい。なお、(メタ)アクリレートは、メタクリレート、アクリレートの少なくともいずれか一方を含むものを意味する。
【0030】
さらに、シリコーン共重合体としては、ジメチルポリシロキサンと、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−イソシアネートエチル、あるいはメタクリレートから選ばれる少なくとも1種の共重合物を用いることができる。
シリコーン等としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフロロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、またはメチルフロロポリシロキサンを挙げることができる。 なお、シリコーン共重合体及びシリコーンの分子量は、重量平均分子量で100000ないし1000000であることが好ましい。
【0031】
また、粘弾層4としては、粘性及び弾性を有するものを用い、具体的には、上記のアクリル系共重合体、シリコーン共重合体、シリコーン等を含む組成物で、粘弾層4と同一の組成のものを用いてもよいし、上記組成物の範囲であれば別のものを用いても良い。
【0032】
支持体1には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の合成樹脂製フィルムを用いることができる。
【0033】
図2は、高精度着色パターンが形成された印刷積層体40であり、印刷基材5に着色パターン8を印刷した後、マット化した、マット面7を裏面に備えたフィルム6を、粘着層2に貼り付けたものである。
【0034】
なお、ここではマット化したフィルム6を貼り付けたが、同じフィルムを粘着層2に貼り付けた後、裏面をマット化してマット面7を形成してもよいし、また、図3に示すように粘着層2の裏面をマット化してマット面7を形成してもよい。
【0035】
このフィルム6は、裏面にマット化されるものであればよく、前記支持体1と同様のものを用いることができる。具体的に、マット化されたフィルム6としては、“ルミラー”ダイレクトマット、サンドマット、表面塗布によりマット化した層を形成したコーティングマット、アルカリエッチングによるケミカルマット等がある。
【0036】
以上のようにマット化することで、印刷積層体40として用いる場合にも、また印刷積層体40を用いてカラーフィルタ等を製造する場合にも、周囲のものに粘着することなく、印刷積層体40を容易に用いることが出来るようになったが、本発明はこの方法に限定されるものではなく、印刷積層体40の裏面が粘着性を示さぬように処理したものであればよい。
例えば粘着層2の裏面にフィルムを貼り付けて粘着性を示さないようにしてもよい。
【0037】
次に、高精度着色パターンが形成された印刷基材を製造する方法について、図4〜7を用いて説明する。
【0038】
まず最初に、図4に示した着色パターン8の印刷方法について説明する。
供給ロール20から巻出された印刷基材5はテンションロール11でテンション調整され、圧胴10の周囲に送られる。
その後、ファニッシャーローラ13によりグラビア版胴12に供給されたインキ14を、ドクター15で整形し、印刷基材5に、印刷する。
【0039】
図5は、図4のa’−a’断面を矢印A方向から見た模式図である。
以下に図5を用いて説明する。
印刷基材5は、支持体1の裏面に上記粘着層2が形成されている。
このため、粘着層2が圧胴10表面に接し、印刷基材5が、グラビア版胴12と接したときに空にういて、グラビア版胴12の凹部言いかえると印刷パターン9に入り込み、印刷パターン9の転写時に印刷基材5の横幅Wが縮んで、転写後に印刷基材5の横幅Wが元に戻ることで、形成された着色パターン8のサイズが大きくなることはなく、正確な着色パターンの大きさを再現できる。
【0040】
例えば、グラビア版胴に形成されたストライプ状の印刷パターン9の右端と左端の凹部の距離W’が210mmである場合、印刷された着色パターン8の右端から左端の幅は210mmとなり、1つ1つの着色パターン8も正確な大きさで形成されている。
【0041】
また、印刷基材5は、支持体1表面に粘弾層4を有するため、印刷基材5に転写される着色パターン8は、印刷パターン9の形状が完全に転写され、形状の正確な着色パターン8が得られるという特徴を有している。
【0042】
印刷パターン9の印刷は、図5に示すように圧胴10によって印刷基材5がグラビア版胴12の表面に密着させられ、印刷基材5がパターン非形成部17に接触すると、粘弾層4がパターン非形成部17に密着して、粘弾層4がグラビア版胴12の回転に伴い接触角を変えながら移動することで行われる。
これによって、印刷基材5が連続しているにもかかわらず、印刷基材5への印刷パターン9の転写が位置決めをされた状態で行なえ、正確な位置転写が開始する。
【0043】
また、印刷基材5の表面の粘弾層4は印刷パターン9のインキ14を付着させる作用を果たし、粘弾層4がない印刷基材5に比べて印刷パターン9の転写が良好なものとなる。
【0044】
なお、粘弾層4は粘性及び弾性を有し、粘性により印刷基材のグラビア版胴12の凹部への追従性が向上し、弾性により粘弾層の変形後の復元力が向上し、印刷パターン9の印刷基材への転移性及び印刷基材上の着色パターン8をさらに転写基材へ転写する際の転移性を良好にするものである。
【0045】
よって、粘着層2を設けることで、印圧等の調整を行わなくても印刷基材5上に形成される着色パターン8のサイズを印刷パターン9と同一とすることができる。
また、粘弾層4を設けることでパターン形状の正確な着色パターン8を正確に位置決めして転写することができるものであります。
【0046】
この粘弾層4としては、厚さは20〜200μm、損失正接tanδが0.01〜0.2、複素弾性率が106〜107dyne/cm2 、表面硬度が0.1〜1.5μm/0.1mN、臨界表面張力が17〜37dyne/cmであることが好ましく、さらに臨界表面張力は20〜26dyne/cmであることが好ましい。
【0047】
これは、損失正接tanδが0.01より小さい場合には、弾性成分が増加するため、粘弾層4がグラビア版胴12の凹部から離れた直後の復元力が強く、着色パターン8の形状および寸法安定性は良好であるが、粘弾層4のグラビア版胴12の凹部への追従性は
低下するため、インクとの被接触部分が発生し中抜け不
良を起こしやすいためである。
一方、損失正接tanδが0.2より大きい場合は、グラビア版胴12の凹部への追従性は向上するため中抜け不良の発生は低減するが、粘性部分が増加するため、上記とは反対の現象を起こしやすく、粘弾層4がグラビア版胴12の凹部から離れた直後は、復元力が弱く、着色パターン8の形状および寸法安定性は低下する。
【0048】
また、複素弾性率が106 より小さい場合は、グラビア版胴12の凹部からのインキ14の受理性が悪くなり、印刷不良を起こしやすくなる。
一方、107 より大きい場合には受理性スピードが速くなるが、グラビア版胴12の凹部への追従性が低下し、中抜け不良が発生しやすくなる。
【0049】
表面硬度が1.5μm/0.1mNより大きい場合には、グラビア版胴12の凹部への追従性が高すぎ、グラビア版胴12の凹部に充填されたインキ14が押し出されてくるため、着色パターン8が正確な形状で印刷できない。
一方、表面硬度が0.1μm/0.1mNより小さい場合には、グラビア版胴12の凹部への追従性が低く、グラビア版胴12の凹部に充填されたインキ14と粘弾層2との接触が不十分であり、印刷された着色パターン8はピンホール不良を起こすものである。
【0050】
なお、この表面硬度は、微小硬度で表現したものであり、ビッカーズ硬度測定のように大きな荷重で粘弾層に圧力を印加して行う測定方法では測定不可能であった。
微小硬度の測定は、一般には、測定針に荷重を印加した際の、変化量を測定針に結合した検出装置によって電気的に検出することにより行われている。
測定は、先端の直径が50μm、綾と先端面のなす角度が120度の円錐台圧子を用いて、0.1mNの荷重を加え、島津製作所ダイナミック超微小硬度計にて測定し、適正な範囲の硬度を求めたものである。
【0051】
さらに、臨界表面張力が37dyne/cmより大きい場合には、インキ14との濡れ性が高すぎ、印刷後のレベリング現象により印刷パターンがダレて直線性が低下する。
一方、臨界表面張力が17dyne/cmより小さい場合には、逆に濡れ性が悪く、インキ14をはじく現象が生じ、パターンの寸法精度の低下が生じるものである。
【0052】
このように印刷基材5に着色パターン8を印刷した後、マット化した、マット面7を有するフィルム6を、図7に示すように、粘着層2に貼り付け、このフィルム6が貼り付けたられた印刷積層体40は、図6に示すように、巻き取りロール21で巻き取られる。
ここで巻き取られた印刷積層体40が、図2に示す高精度の着色パターン8を印刷した印刷積層体40である。
【0053】
また、ここではマット面7を有するフィルム6を貼り付けたが、フィルム6を貼り付けた後、このフィルム6の、印刷基材5の反対面をマット化し、マット面7を形成して巻き取りロール21で巻き取ってもよいし、図3に示すように、マット面7を有するフィルムを印刷積層体40の裏面に貼り付けるのではなく、印刷積層体40の裏面を、マット化し、マット面7を印刷積層体40に直接形成しても良い。
【0054】
この後、巻き取りロール21に巻き取られた着色パターン8が形成された印刷積層体40を、再度巻きだし、この着色パターン8をガラス等の転写基材24に転写して、カラーフィルタ等にできる。
【0055】
以上のようにマット化することで、印刷積層体40として用いる場合にも、また印刷積層体40を用いてカラーフィルタ等を製造する場合にも、周囲のものに粘着することなく、印刷積層体40を容易に用いることが出来るようになったが、本発明はこの方法に限定されるものではなく、印刷積層体40の裏面が粘着性を示さぬように処理し、例えば粘着層2の裏面にフィルムを貼り付けて粘着性を示さないようにしてもよい。
【0056】
また、ここで巻き取りロール21に巻き取らず、そのまま転写しても良いし、適切なサイズ又は長さに切り取って、シート状にしてからガラス等の転写基材24に転写してカラーフィルタ等にしても良いし、カラーフィルタ等を形成する転写基材として好ましい印刷基材5を用いて着色パターン8を形成し、転写基材に転写することなく適切なサイズ又は長さに切り取り、シート状にしてカラーフィルタ等にすることもできる。
【0057】
以上の製造方法を実施するための装置の実施形態を、図4、図6、図7を用いて以下に説明します。
【0058】
本発明に関わる印刷積層体40を製造する装置としては以下3つの実施の形態がある。 第1の実施形態としては、印刷基材5を供給する供給ロール20、印刷基材5を巻きだし、圧胴10に供給する前にテンションを調整するテンションロール11と、圧胴10の外周部には形成する着色パターン8に応じてグラビア版胴12、ドクター15、ファニッシャーローラ13、インキ14、UV照射装置16を配置し、着色パターン8が形成された印刷基材5を、テンションの調整をして供給するため、テンションロール11を備えた印刷装置30によって、印刷基材5へ印刷パターン9の印刷を行う。
【0059】
さらに、着色パターン8が形成された印刷積層体40の粘着層2の裏面に、フィルム6を貼り付けるため、図6に示す、ラミネートロール22を有し、この着色パターン8が形成され、フィルム6が貼り付けられた印刷基材5を巻き取るための巻き取りローラ21を備えるものである。
なお、印刷基材5は供給ロール20に巻かれており、供給ロール20から巻き出して、印刷装置30へと運ばれるが、供給ロール20は印刷基材5の間に合い紙を挟んで巻いていてもよい。この場合には、印刷装置30は、供給ロール20とテンションロール11の間に、合い紙取り出し装置23を備える。
【0060】
第2の実施形態としては、第1の実施形態と同様の印刷装置30と、着色パターン8が形成された印刷積層体40の粘着層2の裏面にフィルム6を貼り付けるため、図6に示すラミネートロール22と、フィルム6の、印刷積層体40に貼り付けた面と反対面をマット化するためのマット処理機と、着色パターン8が形成された印刷積層体40を巻き取るための巻き取りローラ21を備えるものである。
【0061】
第3の実施形態としては、第1の実施形態と同様の印刷装置30と、粘着層2の裏面をマット化しマット面7を形成するマット処理機と、着色パターン8が形成された印刷積層体40を巻き取るための巻き取りローラ21を備えるものである。
【0062】
以上の製造装置により、製造された印刷積層体40は以下のとおりである。
第1の実施の形態により形成された印刷積層体40は、印刷基材5に着色パターン8を印刷した後、マット化したマット面7を有するフィルム6を、図7に示すように粘着層2に貼り付け、このフィルム6が貼り付けられた印刷積層体40は図6に示すように巻き取りロール21で巻き取られる。
ここで巻き取られた印刷積層体40が、図2に示す高精度の着色パターン8を印刷した印刷積層体40である。
【0063】
また、粘着層2にマットしたフィルムを貼り付けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、巻き取りロール21で巻き取ったときに印刷積層体40どうしが粘着しないように粘着層2にフィルムを貼り付けても良い。
この後、巻き取りロール21に巻き取られた着色パターン8が形成された印刷積層体40を、再度巻きだし、この着色パターン8をガラス等の転写基材に転写して、カラーフィルタ等にできるが、このとき、着色パターン8が形成された印刷積層体40を適切なサイズ、又は長さで切り取り、シート状にして、転写基材24に転写してもよい。
また、カラーフィルタ等を形成する転写基材として好ましい印刷基材5を用いて着色パターン8を印刷することで、転写基材に転写することなく、そのまま適切なサイズ又は長さに切り取ってシート状にし、カラーフィルタ等にしてもよい。
【0064】
第2の実施形態で形成された印刷積層体40は、印刷基材5に着色パターン8を印刷した後フィルム6を貼り付け、このフィルム6の、印刷基材5に貼り付けた面と反対面をマット化し、マット面7を形成し、巻き取りロール21で巻き取る。
この後は、第1の実施の形態と同様である。
【0065】
第3の実施形態で形成された印刷積層体40は、印刷基材5に着色パターン8を印刷した後、図3に示すように粘着層2の裏面をマット化し、マット面7を印刷積層体40に直接形成して、巻き取りロール21で巻き取る。
この後は、第1の実施の形態と同様である。
【0066】
次ぎに、本発明の転写体を製造する装置として以下に3つの実施の形態を説明する。
第1の実施形態としては、印刷積層体40を製造する装置の第1の実施形態と同様の印刷装置30と、着色パターン8が形成された印刷積層体40の粘着層2の裏面にフィルム6を貼り付けるため、図6に示すラミネートロール22を有し、さらに印刷積層体40に形成した着色パターン8を転写基材24に転写するための転写装置を備えている。
【0067】
第2の実施形態としては、印刷積層体40を製造する装置の第1の実施形態と同様の印刷装置30と、着色パターン8が形成された印刷積層体40の粘着層2の裏面にフィルム6を貼り付けるため、図6に示すラミネートロール22と、フィルム6の、印刷基材5に貼り付けた面の反対面をマット化するためのマット処理機と、印刷積層体40に形成した着色パターン8を転写基材24に転写するための転写装置を備えている。
【0068】
第3の実施形態としては、印刷積層体40を製造する装置の第1の実施形態と同様の印刷装置30と、図3に示すように粘着層2の裏面をマット化し、マット面7を印刷積層体40に直接形成するマット処理機と、印刷積層体40に形成された着色パターン8を転写基材24に転写するための転写装置を備えている。
【0069】
以上の製造装置により、製造された転写体は以下のとおりである。
第1の実施形態では、印刷基材5に着色パターン8を印刷した後、マット化したマット面7を有するフィルム6を、図7に示すように粘着層2に貼り付け、このフィルム6が貼り付けたられた印刷積層体40を、巻き取りロール21で巻き取らず、そのまま図8に示すように、この着色パターン8をガラス等の転写基材24に転写して、カラーフィルタ等にする。
このとき、適切なサイズ又は長さに切り取って、シート状にしてからガラス等の転写基材24に転写してカラーフィルタ等にしてもよい。
また、ここでは粘着層2にマットしたフィルムを貼り付けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、巻き取りロール21で巻き取ったときに印刷積層体40どうしが粘着しないようなフィルムを粘着層2に貼り付けても良い。
【0070】
第2の実施の形態では、印刷基材5に着色パターン8を印刷した後、フィルム6を貼り付け、このフィルム6の、印刷基材5に貼り付けた面と反対面をマット化してマット面7を形成し、その後、巻き取りロール21で巻き取らず、図8に示すように、この着色パターン8をガラス等の転写基材24に転写して、カラーフィルタ等にする。
このとき、適切な長さに切り取ってシート状にしてからガラス等の転写基材24に転写してカラーフィルタ等にしてもよい。
【0071】
第3の実施の形態では、印刷基材5に着色パターン8を印刷した後、図3に示すように粘着層2の裏面を、マット化し、マット面7を印刷積層体40に直接形成し、その後、巻き取りロール21で巻き取らず、そのまま図8に示すように、この着色パターン8をガラス等の転写基材24に転写して、カラーフィルタ等にできる。
このとき、適切なサイズ又は長さに切り取ってシート状にしてからガラス等の転写基材24に転写してカラーフィルタ等にしてもよい。
【0072】
なお、上記の印刷積層体40叉は転写体を製造する装置として、実施の形態に示したマット処理機としては、粒子を吹き付けてマット化するマット処理機、又は、表面塗布によりマット層を形成しマット化させるマット処理機等を用いることができる。
【0073】
(実施例)
以下に実施例を説明する。
パナック製 弱粘着フィルム(CT75M)の基材上にシリコンフィルム100μmを形成した印刷基材上に有機顔料30%、セルロースアセトブチレート樹脂20重量%、酢酸エチル50重量%からなる組成物を印刷し、その後、サンドブラスト処理を施して裏面の表面粗さを#300に調整したポリエチレンテレフタレート(パナック製 ルミマット)を印刷基材の裏面に貼り付け、巻き取った。
着色パターンを形成した印刷積層体を巻きだした後、100℃の転写ロールによって、7kg/cm2 の圧力で、厚さ1.1mmのガラスに転写した。
ガラスに転写して得られたカラーフィルタの特性は良好であり、形状変化が少なく、線幅再現性も優れているものであった。
【0074】
実施例2
厚さ75μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン製 カプトン)からなる支持体の裏面に厚さが30μmとなるようメチルフロロポリシロキサン(重量平均分子量100万)を2,5−ジメチル−2,5ジブチルフェロキサンを架橋剤として塗布し、支持体の表面にもメチルフロロポリシロキサン(重量平均分子量100万)を2,5−ジメチル−2,5ジブチルフェロキサンを架橋剤として塗布し印刷基材とした。
【0075】
次いで、横幅が80μmのセルを240μmの間隔で形成した直径127mmのグラビア版胴を有するグラビア印刷装置において、有機顔料30%、セルロースアセトブチレート樹脂20重量%、酢酸エチル50重量%からなるR、G、Bの各インキを印刷基材上に100m/分の速度で印刷し、その後、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン製 カプトン)にサンドブラスト処理を施して裏面の表面粗さを#300に調整し、印刷基材の裏面に貼り付け巻き取った。
R、G、Bの着色パターンを形成した印刷積層体を巻きだした後、100℃の転写ロールによって、7kg/cm2 の圧力で、厚さ1.1mmのガラスに転写した。
ガラスに転写して得られたカラーフィルタの特性は良好であり、形状変化が少なく、線幅再現性も優れているものであった。
【0076】
実施例3
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(帝人製 テオネックス)からなる支持体の裏面にアクリル系紫外線硬化性樹脂組成物(十条ケミカル製 JELCON USL)を塗布し、支持体の表面にもアクリル系紫外線硬化性樹脂組成物(十条ケミカル製 JELCON USL)を50μmの厚さに塗布し、紫外線を照射して硬化処理して印刷基材とした。
【0077】
横幅が120μmのセルを360μmの間隔で形成した直径100mmのグラビア版胴を有するグラビア印刷装置によって、蛍光体40重量%、塩素化度45%の塩素化ポリプロピレン樹脂20重量%、エチレンセロソルブ40重量%からなる蛍光体インキを印刷基材上に10m/分の速度で印刷し、ポリエチレンテレフタレート(帝人製 テオネックス)を印刷基材の裏面に貼り付け、サンドブラスト処理を施し、裏面の表面粗さを#200に調整した後、巻き取った。
着色パターンを形成した印刷積層体を巻きだした後、100℃の転写ロールによって、7kg/cm2 の圧力で、厚さ1.1mmのガラスに転写した。
ガラスに転写して得られたカラーフィルタの特性は良好であり、形状変化が少なく、線幅再現性も優れているものであった。
【0078】
実施例4
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人製 テオレックス)からなる支持体の裏面にジメチルポリシロキサン(重量平均分子量100万)を2、5−ジメチル−ジ−t−ブチルフェロキシヘキサンを架橋剤として塗布して乾燥を行い、支持体の表面にもジメチルポリシロキサン(重量平均分子量100万)を2、5−ジメチル−ジ−t−ブチルフェロキシヘキサンを架橋剤として20μmの厚さに塗布、乾燥を行い印刷基材とした。
【0079】
次いで、横幅100μmのセルを300μmの間隔で形成した直径191mmのグラビア胴を有するグラビア印刷装置において、有機顔料10重量%、ポリオール化合物であるポリプロピレングリコール、ジイソシアネート化合物であるヘキサメチレンジイソシアネート、鎖延長剤であるエチレンジアミンの縮重合によって得られたポリウレタン樹脂10重量%、トルエン−メチルエチルケトンの混合溶剤80重量%からなる各種インキを印刷基材上に50m/分の速度で印刷し、その後、サンドブラスト処理を施して裏面の表面粗さを#300に調整したポリエチレンテレフタレート(パナック製 ルミマット)を印刷基材の裏面に貼り付け、巻き取った。
着色パターンを形成した印刷基材を巻きだした後、100℃の転写ロールによって、7kg/cm2 の圧力で、厚さ1.1mmのガラスに転写した。
転写して得られたカラーフィルタの特性は良好であり、形状変化が少なく、線幅再現性も優れているものであった。
【0080】
実施例5
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人製 テオネックス)からなる支持体の裏面に、ジメチルポリシロキサン(重量分子量5000)が9重量%、n−ブチルアクリレートが89重量%、イソシアネートが系架橋剤2重量%から得られたシリコーン系共重合物からなる層を形成し、支持体の表面にも、同様のシリコーン系共重合体からなる層を50μmの厚さに形成し、印刷基材とした。
【0081】
横幅100μmのセルを300μmの間隔で形成した直径200mmのグラビア版胴を有するグラビア印刷装置によって、有機顔料15重量%、ポリウレタン樹脂15重量%、トルエン−メチルエチルケトン混合溶剤70重量%からなる各種インキを使用して、印刷基材上に50m/分の速度で印刷した。
その後、印刷基材の裏面をサンドブラスト処理し、巻き取った。着色パターンを形成した印刷積層体を巻きだした後、100℃の転写ロールによって、7kg/cm2 の圧力で、厚さ1.1mmのガラスに転写した。
ガラスに転写して得られたカラーフィルタの特性は良好であり、形状変化が少なく、線幅再現性も優れているものであった。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の印刷基材
【図2】本発明のマット面を有するフィルムを備えた印刷積層体
【図3】本発明のマット面を有する印刷積層体
【図4】本発明の印刷装置
【図5】図4のa’−a’断面を矢印A方向から見た模式図
【図6】本発明の高精度着色パターンが形成された印刷積層体を巻き取る説明図
【図7】図6B部分の拡大図
【図8】印刷積層体に形成された着色パターンを転写基材へ転写するときの説明図
【符号の説明】
【0083】
1・・・支持体
2・・・粘着層
3・・・基材
4・・・粘弾層
5・・・印刷基材
6・・・フィルム
7・・・マット面
8・・・着色パターン
9・・・印刷パターン
10・・圧胴
11・・テンションロール
12・・グラビア版胴
13・・ファニッシャーローラ
14・・インキ
15・・ドクター
16・・UV照射装置
17・・パターン非形成部
18・・印刷パターン形成部の近傍
19・・印刷パターン非形成部の近傍
20・・供給ロール
21・・巻き取りロール
22・・ラミネートロール
30・・印刷装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色パターンを形成した転写体の製造法であって、持体の裏面に粘着層を、該支持体上に粘弾層を形成してなる印刷基材の、該粘弾層上に前記着色パターンを印刷形成して、印刷基材は支持体の裏面に粘着層を、支持体上に粘弾層を形成してなり、前記着色パターンは該粘弾層上に形成されている印刷積層体を製造した後、該印刷積層体に形成されている前記着色パターンを転写基材に転写して形成することを特徴とする転写体の製造法。
【請求項2】
請求項1記載の転写体の製造法であって、前記印刷積層体の製造は、前記着色パターンを印刷形成した後、前記粘着層の裏面をマット化することを特徴とする転写体の製造法
【請求項3】
請求項1記載の転写体の製造法であって、前記印刷積層体の製造は、前記着色パターンを印刷形成した後、前記印刷基材の裏面にフィルムを貼り付けを行うものであることを特徴とする転写体の製造法。
【請求項4】
請求項3に記載の転写体の製造法であって、前記フィルムは、裏面がマット化されたフィルムであることを特徴とする転写体の製造法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の転写体の製造法であって、前記印刷積層体の製造は、前記印刷基材が供給ロールから巻出され、着色パターンが形成される印刷積層体の製造法において、供給ロールから巻き出された該印刷基材に合い紙が挟まれており、印刷基材を巻出し、該合い紙を取り除いた後、該印刷基材上に着色パターンを印刷形成するものであることを特徴とする転写体の製造法。
【請求項6】
転写基材に着色パターンを形成した転写体であって、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の転写体の製造法により、作製されたことを特徴とする転写体。
【請求項7】
請求項6に記載の転写体であって、転写基材に高精度の着色パターンを形成したカラーフィルタであることを特徴とする転写体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−78556(P2009−78556A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272164(P2008−272164)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【分割の表示】特願平11−190896の分割
【原出願日】平成11年7月5日(1999.7.5)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】