説明

転換設備

【課題】上手案内体の上下揺動と下手案内体の左右揺動との組み合わせにより、ストロークを小さくかつ揺動速度を遅くでき、上手案内体の位置ずれが生じたとしても、被案内体の案内を常に円滑に行える転換設備を提供する。
【解決手段】切り換え手段110は、被案内体86を受け入れる合流案内部112と、両外移動案内部93A,63Bに案内する分岐案内部117A,117Bと、両分岐案内部に振り分ける切り換え案内部121を有する。切り換え案内部は、可逆的に上下揺動自在な左右一対の上手案内体130A,130Bと、左右揺動自在な1個の下手案内体150とを有し、物品横押し体側の移動力によって、両上手案内体を、上方揺動して合流案内部に連なる案内作用位置と下方揺動した非案内位置とに可逆的に切り換わり揺動させ、切り換わり揺動時に下手案内体を、案内作用する上手案内体に連なるように切り換わり揺動させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば主搬送経路上で搬送されている物品を、この主搬送経路の側部外方に設けた分岐搬送経路に移したりするのに使用される転換設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、主搬送経路に沿って配設された左右一対の無端回動体と、これら無端回動体間に多数取り付けられ、かつ主搬送経路とは直交状の方向が長さ方向とされた物品支持体と、この物品支持体に外嵌して案内される物品横押し体とが設けられた転換設備としては、次のような構成が提供されている。
【0003】
すなわち、物品横押し体の下部側には被案内体が取り付けられ、本体フレーム側には被案内体の案内を行う案内装置が配設されている。この案内装置は、下手側ほど内側へと傾斜した左右一対の内移動案内部と、これら内移動案内部の終端に切り換え手段を介して対向し、かつ下手側ほど外側へと傾斜した左右一対の外移動案内部とからなる。前記切り換え手段は、両内移動案内部からの被案内体を受け入れる合流案内部と、被案内体を両外移動案内部に案内する分岐案内部と、合流案内部からの被案内体を両分岐案内部に振り分ける切り換え案内部とを有する。この切り換え案内部は、上手案内体と下手案内体とを有し、前記物品横押し体側の主搬送経路の方向での移動力によって、上手案内体を切り換わり動作させるとともに、この切り換わり動作の後半時に下手案内体を一体状に切り換わり動作させるように構成されている。
【0004】
この従来構成によると、被案内体を、内移動案内部により案内して内側へ移動させたのち、切り換え手段を介して外移動案内部に移し、この外移動案内部により案内して外側へ移動させることにより、物品支持体の長さ方向に物品横押し体を移動させて物品を横押しし、以て物品を主搬送経路の側部外方に払い出すことができる。その際に、切り換え案内部の切り換わり動作は、物品支持体側の移動力を利用して自動的に行うことができる。すなわち、たとえば被案内体を、左右における一方側の内移動案内部により案内して内側へ移動させたのち、切り換え案内部を介して他方側の外移動案内部に移しているときに、切り換え案内部は、上手案内体および下手案内体を一方側へ切り換えている。したがって、一方側の内移動案内部からの被案内体は、合流案内部、上手案内体、下手案内体、他方側の分岐案内部を通って他方側の外移動案内部に移ることになり、以て物品横押し体群を、主搬送経路において一方側から他方側へと横切らせることができる。
【0005】
また被案内体を、他方側の内移動案内部へ案内するように切り換えたとき、一方側の内移動案内部からの最後端の被案内体が下手案内体の部分に達したとき、他方側の内移動案内部からの最前端の被案内体は合流案内部に達し、この状態からの物品支持体側の移動力によって、上手案内体を他方側へ切り換えることができる。そして上手案内体の切り換わり動作の後半時には、下手案内体を一体状として切り換わらせることができる。したがって、他方側の内移動案内部からの最前端の被案内体は、合流案内部、上手案内体、下手案内体、一方側の分岐案内部を通って一方側の外移動案内部に移ることになり、以て物品横押し体群を、主搬送経路において他方側から一方側へと横切らせることができる。これにより、切り換え手段における切り換え案内長さを上手案内体と下手案内体とにより十分に確保できながらも、上手案内体と下手案内体とを介しての切り換えを行うことができることになる(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−126250号公報(第1−5頁、図1、図13−図15)
【特許文献2】特開平3−205211号公報(FIG.3−FIG.6)
【特許文献3】特開平06−127650号公報
【特許文献4】米国特許第4971190号公報
【特許文献5】米国特許第5038912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし上記した従来構成によると、上手案内体と下手案内体との両方を左右方向に揺動(水平揺動)させる構成であり、したがって、ストロークが大きく、瞬時に切り換え揺動される上手案内体は揺動速度を速くしなければならないことから、その切り換わり時の衝撃によって騒音を発する恐れがある。また、不十分な切り換わりや、衝撃時における微小の跳ね返りなどによって、合流案内部に対して上手案内体の位置ずれ(位置のふらつき)が生じたとき、被案内体の案内が円滑に行われないことになる。
【0007】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、上手案内体の上下揺動と下手案内体の左右揺動との組み合わせによって、ストロークを小さくかつ揺動速度を遅くし得るとともに、合流案内部に対して上手案内体の位置ずれ(位置のふらつき)が生じたとしても、被案内体の案内を常に円滑に行える転換設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の転換設備は、主搬送経路に沿って配設された左右一対の無端回動体と、これら無端回動体間に多数取り付けられ、かつ主搬送経路とは直交状の方向が長さ方向とされた物品支持体と、この物品支持体に外嵌して案内される物品横押し体とが設けられた転換設備であって、前記物品横押し体の下部側には被案内体が取り付けられ、本体フレーム側には前記被案内体の案内を行う案内装置が配設され、この案内装置は、下手側ほど内側へと傾斜した左右一対の内移動案内部と、これら内移動案内部の終端に切り換え手段を介して対向し、かつ下手側ほど外側へと傾斜した左右一対の外移動案内部とからなり、前記切り換え手段は、両内移動案内部からの被案内体を受け入れる合流案内部と、被案内体を両外移動案内部に案内する分岐案内部と、合流案内部からの被案内体を両分岐案内部に振り分ける切り換え案内部とを有し、この切り換え案内部は、可逆的に上下揺動自在な左右一対の上手案内体と、左右揺動自在な1個の下手案内体とを有し、前記物品横押し体側の主搬送経路の方向での移動力によって、両上手案内体を、上方揺動して合流案内部に連なる案内作用位置と下方揺動した非案内位置とに可逆的に切り換わり揺動させるとともに、この切り換わり揺動時に下手案内体を、案内作用する上手案内体に連なるように一体状に切り換わり揺動させるように構成されていることを特徴としたものである。
【0009】
したがって請求項1の発明によると、両無端回動体の移動によって物品支持体群を主搬送経路上で移動させることにより、始端部の物品支持体群上に供給した物品を主搬送経路上で搬送し得る。そして被案内体を、内移動案内部により案内して内側へ移動させたのち、切り換え手段を介して外移動案内部に移し、この外移動案内部により案内して外側へ移動させることにより、物品支持体の長さ方向に物品横押し体を移動させて物品を横押しし、以て物品を主搬送経路の側部外方に払い出しし得る。
【0010】
その際に、切り換え案内部の切り換わり動作は、物品横押し体側の移動力を利用して自動的に行える。すなわち、たとえば被案内体を、左右における一方側の内移動案内部により案内して内側へ移動させたのち、切り換え手段を介して他方側の外移動案内部に移しているときに、切り換え案内部は、一方側の上手案内体を上方揺動させて案内作用位置にし得るとともに、他方側の上手案内体を下方揺動させて非案内位置にし得る。さらに、下手案内体を一方側に揺動させて、一方側の上手案内体と他方側の外移動案内部に連なる状態にし得る。したがって、一方側の内移動案内部からの被案内体は、合流案内部、一方側の上手案内体、下手案内体、他方側の分岐案内部を通って他方側の外移動案内部に移ることになり、以て物品横押し体群を、主搬送経路において一方側から他方側へと横切らせ得る。
【0011】
また被案内体を、他方側の内移動案内部へ案内するように切り換えたとき、他方側の内移動案内部からの最前端の被案内体は合流案内部に達し、この状態からの物品横押し体側の移動力によって、上手案内体を可逆的に上下揺動させることになる。すなわち、切り換え案内部は、他方側の上手案内体を上方揺動させて案内作用位置にし得るとともに、一方側の上手案内体を下方揺動させて非案内位置にし得る。さらに、下手案内体を他方側に揺動させて、他方側の上手案内体と一方側の外移動案内部に連なる状態にし得る。したがって、他方側の内移動案内部からの被案内体は、合流案内部、他方側の上手案内体、下手案内体、一方側の分岐案内部を通って一方側の外移動案内部に移ることになり、以て物品横押し体群を、主搬送経路において他方側から一方側へと横切らせ得る。
【0012】
また本発明の請求項2記載の転換設備は、上記した請求項1記載の構成において、切り換え案内部は、合流案内部に位置され上手側の縦支軸軸心の回りに左右揺動自在なカム体と、中間部の前後支軸軸心の回りに上下揺動自在な左右一対の上手案内体と、下手側の縦支軸軸心の回りに左右揺動自在な下手案内体と、カム体と上手案内体との間に設けられた第1揺動連動機構と、カム体と下手案内体との間に設けられた第2揺動連動機構とからなり、前記カム体は、物品横押し体側の移動力によって左右揺動され、このカム体の左右揺動に連動して上手案内体と下手案内体とが切り換わり揺動するように構成されていることを特徴としたものである。
【0013】
したがって請求項2の発明によると、たとえば被案内体を、一方側の内移動案内部により案内して内側へ移動させたのち、切り換え手段を介して外移動案内部に移しているときに、切り換え案内部は、カム体を上手側の縦支軸軸心の回りに他方側へ揺動させている。そして、カム体の他方側へ揺動に連動して第1揺動連動機構を介して、カム体が揺動した側とは反対側の上手案内体を前後支軸軸心の回りに上方揺動させて案内作用位置にし得るとともに、カム体が揺動した側の上手案内体を前後支軸軸心の回りに下方揺動させて非案内位置にし得る。さらに、カム体の他方側へ揺動に連動して第2揺動連動機構を介して、下手案内体を、カム体が揺動した側とは反対側に揺動させて、案内作用位置にある上手案内体に連なる状態にし得るとともに、他方側の外移動案内部に連なる状態にし得る。
【0014】
また、他方側の内移動案内部からの最前端の被案内体は合流案内部に達し、この状態から物品支持体群が移動するとカム体に当接し、物品横押し体側の移動力によってカム体を反対側(一方側)へと押し作用し、カム体を上手側の縦支軸軸心の回りに一方側へ揺動させることになる。このカム体の揺動により、第1揺動連動機構を介して、上手案内体を前後支軸軸心の回りに可逆的に上下揺動させる。すなわち、カム体の揺動側とは反対側である他方側の上手案内体を前後支軸軸心の回りに上方揺動させて、合流案内部に連なる案内作用位置にし得、またカム体が揺動した側である一方側の上手案内体を前後支軸軸心の回りに下方揺動させて、合流案内部に連ならない非案内位置にし得る。そして、上述したようにカム体を上手側の縦支軸軸心の回りに左側へ揺動させることにより、第2揺動連動機構を介して、下手案内体を下手側の縦支軸軸心の回りにカム体とは逆方向に揺動させる。すなわち、下手案内体を他方側に揺動させて、他方側の上手案内体と一方側の外移動案内部に連なる状態にし得る。
【0015】
そして本発明の請求項3記載の転換設備は、上記した請求項2記載の構成において、第1揺動連動機構には、上手案内体の可逆的な上下揺動を助長したのち対抗する付勢手段が設けられていることを特徴としたものである。
【0016】
したがって請求項3の発明によると、一方側の上手案内体を案内作用位置にするとともに、他方側の上手案内体を非案内位置にした状態においては、付勢手段により他方側への付勢力を付与しており、そしてカム体を揺動させての、上部切り換え手段における切り換え動の開始時には、付勢手段の反発力によって、その開始をスムースに行え、さらに切り換え動の終了時には反発力に抗しての移動を行える。
【0017】
さらに本発明の請求項4記載の転換設備は、上記した請求項2または3記載の構成において、物品横押し体の下部側には支持軸が垂設されるとともに、この支持軸に被案内体が取り付けられ、カム体は、合流案内部に移動してきた支持軸の移動力によって左右揺動されるとともに、上手案内体と下手案内体とは、合流案内部に移動してきた被案内体を案内するように構成されていることを特徴としたものである。
【0018】
したがって請求項4の発明によると、一方側の内移動案内部からの被案内体を、合流案内部、上手案内体、下手案内体、他方側の分岐案内部を通って他方側の外移動案内部に移す際に、カム体の部分を移動する被案内体は、その支持軸をカム体に当接させることなく通過し得、以て上手案内体や下手案内体の姿勢を維持し得る。また被案内体を、他方側の内移動案内部へ案内するように切り換えたとき、一方側の内移動案内部からの最後端の被案内体が下手案内体の部分に達したときに、他方側の内移動案内部からの最前端の被案内体は合流案内部に達し、その支持軸をカム体に近接(当接)させた位置にある。この状態から移動すると支持軸がカム体に当接し、この支持軸の移動力によってカム体を一方側へと押し作用して、上手側の支軸軸心の回りに一方側へ揺動させることになる。
【0019】
しかも本発明の請求項5記載の転換設備は、上記した請求項4記載の構成において、移動してきた支持軸がカム体の終端部分に達したとき、この支持軸に取り付けた被案内体が上手案内体に対向するように構成されていることを特徴としたものである。
【0020】
したがって請求項5の発明によると、支持軸がカム体から外れたときの衝撃などでカム体がガタついて、上手案内体が変位しようとすることを、被案内体により阻止し得る。
【発明の効果】
【0021】
上記した本発明の請求項1によると、両無端回動体の移動によって物品支持体群を主搬送経路上で移動させることにより、始端部の物品支持体群上に供給した物品を主搬送経路上で搬送できる。そして被案内体を、内移動案内部により案内して内側へ移動させたのち、切り換え手段を介して外移動案内部に移し、この外移動案内部により案内して外側へ移動させることにより、物品支持体の長さ方向に物品横押し体を移動させて物品を横押しし、以て物品を主搬送経路の側部外方に払い出すことができる。
【0022】
その際に、切り換え案内部の切り換わり動作は、物品横押し体側の移動力を利用して自動的に行うことができる。すなわち、たとえば被案内体を、左右における一方側の内移動案内部により案内して内側へ移動させたのち、切り換え手段を介して他方側の外移動案内部に移しているときに、切り換え案内部は、一方側の上手案内体を上方揺動させて案内作用位置にできるとともに、他方側の上手案内体を下方揺動させて非案内位置にできる。さらに、下手案内体を一方側に揺動させて、一方側の上手案内体と他方側の外移動案内部に連なる状態にできる。したがって、一方側の内移動案内部からの被案内体は、合流案内部、一方側の上手案内体、下手案内体、他方側の分岐案内部を通って他方側の外移動案内部に移ることになり、以て物品横押し体群を、主搬送経路において一方側から他方側へと横切らせることができる。
【0023】
また被案内体を、他方側の内移動案内部へ案内するように切り換えたとき、他方側の内移動案内部からの最前端の被案内体は合流案内部に達し、この状態からの物品横押し体側の移動力によって、上手案内体を可逆的に上下揺動させることができる。すなわち、切り換え案内部は、他方側の上手案内体を上方揺動させて案内作用位置にできるとともに、一方側の上手案内体を下方揺動させて非案内位置にできる。さらに、下手案内体を他方側に揺動させて、他方側の上手案内体と一方側の外移動案内部に連なる状態にできる。したがって、他方側の内移動案内部からの被案内体は、合流案内部、他方側の上手案内体、下手案内体、一方側の分岐案内部を通って一方側の外移動案内部に移ることになり、以て物品横押し体群を、主搬送経路において他方側から一方側へと横切らせることができる。
【0024】
その際に、上手案内体の可逆的な上下揺動と、下手案内体の左右揺動との組み合わせによって、それぞれの揺動ストロークを小さくかつ揺動速度を遅くでき、以て切り換わり時の衝撃による騒音を小さくして、消音効果を向上できる。また、不十分な切り換わりや、微小の跳ね返りなどによって、合流案内部に対して上手案内体の位置ずれ(位置のふらつき)が生じたとき、それは上手側から見た(正面視)ときの左右角度の僅かな変化として現れることから、被案内体の移動を、影響されることなく常に円滑に行うことができることになる。
【0025】
また上記した本発明の請求項2によると、たとえば被案内体を、一方側の内移動案内部により案内して内側へ移動させたのち、切り換え手段を介して外移動案内部に移しているときに、切り換え案内部は、カム体を上手側の縦支軸軸心の回りに他方側へ揺動させている。そして、カム体の他方側へ揺動に連動して第1揺動連動機構を介して、カム体が揺動した側とは反対側の上手案内体を前後支軸軸心の回りに上方揺動させて案内作用位置にできるとともに、カム体が揺動した側の上手案内体を前後支軸軸心の回りに下方揺動させて非案内位置にできる。さらに、カム体の他方側へ揺動に連動して第2揺動連動機構を介して、下手案内体を、カム体が揺動した側とは反対側に揺動させて、案内作用位置にある上手案内体に連なる状態にできるとともに、他方側の外移動案内部に連なる状態にできる。
【0026】
また、他方側の内移動案内部からの最前端の被案内体は合流案内部に達し、この状態から物品支持体群が移動するとカム体に当接し、物品横押し体側の移動力によってカム体を反対側(一方側)へと押し作用し、カム体を上手側の縦支軸軸心の回りに一方側へ揺動でき。このカム体の揺動により、第1揺動連動機構を介して、上手案内体を前後支軸軸心の回りに可逆的に上下揺動できる。すなわち、カム体の揺動側とは反対側である他方側の上手案内体を前後支軸軸心の回りに上方揺動させて、合流案内部に連なる案内作用位置にでき、またカム体が揺動した側である一方側の上手案内体を前後支軸軸心の回りに下方揺動させて、合流案内部に連ならない非案内位置にできる。そして、上述したようにカム体を上手側の縦支軸軸心の回りに左側へ揺動させることにより、第2揺動連動機構を介して、下手案内体を下手側の縦支軸軸心の回りにカム体とは逆方向に揺動できる。すなわち、下手案内体を他方側に揺動させて、他方側の上手案内体と一方側の外移動案内部に連なる状態にできる。
【0027】
これにより、物品横押し体側の主搬送経路の方向での移動力、すなわち合流案内部に移動してきた物品横押し体側の移動力によってカム体を左右揺動でき、このカム体の左右揺動による両上手案内体の切り換わり揺動時、すなわち、カム体の左右揺動に第1揺動連動機構を介して連動して、両上手案内体を、上方揺動して合流案内部に連なる案内作用位置と下方揺動した非案内位置とに可逆的に切り換わり揺動でき、また同時状に、カム体の左右揺動に第2揺動連動機構を介して連動して、下手案内体を切り換わり動作できることになる。
【0028】
そして上記した本発明の請求項3によると、一方側の上手案内体を案内作用位置にするとともに、他方側の上手案内体を非案内位置にした状態においては、付勢手段により他方側への付勢力を付与しており、そしてカム体を揺動させての、上部切り換え手段における切り換え動の開始時には、付勢手段の反発力によって、その開始をスムースに行うことができ、さらに切り換え動の終了時には、以て反発力に抗しての安定した移動を行うことができる。
【0029】
さらに上記した本発明の請求項4によると、一方側の内移動案内部からの被案内体を、合流案内部、上手案内体、下手案内体、他方側の分岐案内部を通って他方側の外移動案内部に移す際に、カム体の部分を移動する被案内体は、その支持軸をカム体に当接させることなく通過でき、以て上手案内体や下手案内体の姿勢を維持できる。また被案内体を、他方側の内移動案内部へ案内するように切り換えたとき、一方側の内移動案内部からの最後端の被案内体が下手案内体の部分に達したときに、他方側の内移動案内部からの最前端の被案内体は合流案内部に達し、その支持軸をカム体に近接(当接)させた位置にできる。この状態から移動すると支持軸がカム体に当接し、この支持軸の移動力によってカム体を一方側へと押し作用して、上手側の支軸軸心の回りに一方側へ揺動させることができる。このように、切り換え案内部の切り換わり動作は、支持軸の移動力を利用して自動的にかつ円滑に行うことができる。
【0030】
しかも上記した本発明の請求項5によると、支持軸がカム体から外れたときの衝撃などでカム体がガタついて、上手案内体が変位しようとすることを、被案内体により阻止でき、以て被案内体の移動を常に円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
[実施の形態1]
以下に、本発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図2〜図8において、1は本体フレームで、両側にそれぞれ上下一対に配設したフレーム材10,20と、上下ならびに左右のフレーム材10,20間を連結する中間枠部材2と、下位フレーム材20から下方に連設した脚体3群などからなり、前記中間枠部材2は、縦連結材4や横連結材5などにより構成される。
【0032】
前記上位フレーム材10は、アルミニウムの成形品により断面矩形状に形成され、そして中央部に上方への起立部11を形成して、この起立部11の上部外側に切欠き状の段部12を形成し、また起立部11の上部内側に上向き溝状の潤滑油受け部13を形成している。さらに上位フレーム材10には、起立部11の位置に外向き蟻溝14が、外側の段部12の位置に上向き蟻溝15がそれぞれ形成されるとともに、下端には内側下向き蟻溝16と外側下向き蟻溝17が形成されている。また上位フレーム材10には、内側の潤滑油受け部13よりも少し下方の位置から内方へ往路側案内レール部18が突出され、この往路側案内レール部18は物品支持体(後述する。)の支持案内用となる。ここで往路側案内レール部18の部分には下向き蟻溝19が形成される。なお、潤滑油受け部13や蟻溝14〜17、19や往路側案内レール部18などは、上位フレーム材10の成形時に長さ方向の全長に亘って形成される。以上の11〜19などにより上位フレーム材10の一例が構成される。
【0033】
前記下位フレーム材20は、アルミニウムの成形品により断面矩形状に形成され、そして上端に内側上向き蟻溝21と外側上向き蟻溝22とが形成されるとともに、下端に内側下向き蟻溝23と外側下向き蟻溝24とが形成される。さらに下位フレーム材20には、中間部の内側に上向き溝状の潤滑油受け部25が形成されるとともに、内方へ復路側案内レール部26が突出され、この復路側案内レール部26は物品支持体の支持案内用となる。ここで復路側案内レール部26の部分には下向き蟻溝27が形成される。また、復路側案内レール部26などにより形成される段部28の上方に位置するように、上端延長部29が一体に形成され、以て上端延長部29の内側面によって横向き案内面が形成されている。これら蟻溝21〜24、27や復路側案内レール部26、上端延長部29などは、下位フレーム材20の成形時に長さ方向の全長に亘って形成される。以上の21〜29などにより下位フレーム材20の一例が構成される。
【0034】
前記中間枠部材2は、上位フレーム材10の両下向き蟻溝16,17に板状のナット体6を位置させておき、そして中間枠部材2の縦連結材4や横連結材5に対して下方から通したボルト体7をナット体6に螺合し締め付けることで上位フレーム材10と一体化され、また下位フレーム材20の両上向き蟻溝21,22を利用することで、前述と同様にナット体6とボルト体7とにより下位フレーム材20に一体化される。この中間枠部材2は、両フレーム材10,20の長さ方向において所定間隔置きに複数が配設される。また前記脚体3は、下位フレーム材20の下向き蟻溝23,24を利用して、ナット体6とボルト体7により下位フレーム材20に連結される。
【0035】
上記のようにして構成された本体フレーム1の始端部には左右方向の従動軸30が回転自在に配設され、また終端部には左右方向の駆動軸31が回転自在に配設される。ここで従動軸30や駆動軸31は、両フレーム材10,20間に配設した左右一対の支持部材32に、それぞれ軸受け装置33を介して回転自在に支持されている。前記駆動軸31に連動連結した駆動装置34は、電動機35と、これに一体化した減速機36とからなり、この減速機36の出力部が前記駆動軸31に連動されている。
【0036】
前記従動軸30と駆動軸31との両端で相対向部間には、スプロケット(輪体の一例)38,39を介して無端チェーン(無端回動体の一例)40が配設されている。ここでスプロケット38,39は、前記支持部材32の内側に配設されて従動軸30や駆動軸31に連結されている。また前記無端チェーン40はリンク41と連結ピン42とからなり、往路側において潤滑油受け部13の上方に位置され、また復路側において潤滑油受け部25の上方で段部28内に位置されている。そして左右の無端チェーン40間に物品支持体50が多数取り付けられている。その際に、前記連結ピン42群のうち、所定ピッチ置きの連結ピンを内側に突出させることで形成した長尺の連結ピン42が物品支持体50の取り付けに使用される。
【0037】
前記物品支持体50は、図2〜図5、図9に示すように、両無端チェーン40の移動方向となる主搬送経路45に対して直交した方向を長さ方向51として配設されている。この物品支持体50は、上面に長さ方向51に沿った凸状部52を主搬送経路45の方向で3条(複数条)に形成した扁平状の物品載置板部53と、この物品載置板部53の下面中間部(裏面中間部分)から前記主搬送経路45の方向で一対に連設されかつ長さ方向51に沿った脚板部54と、物品載置板部53の前端から下方かつ後方に延びる前板部55と、物品載置板部53の後端から下方かつ前方に延びる後板部56などにより、型レール状に構成されている。このような構成において、両脚板部54の下端は、内方へ突出することで厚肉部に形成され、以て両脚板部54間でかつ物品載置板部53の下面中間部との間に、相対向する側で開放する溝状の案内部58が形成されている。なお、両脚板部54の下端には、下方で開放する溝状の螺合部54Aが形成されている。以上の52〜58などにより物品支持体50の一例が構成される。
【0038】
このようにして構成された物品支持体50における長さ方向51の両端には、それぞれサイドブラケット61が差し込み結合などにより取り付けられる。これらサイドブラケット61は鉄製からなり、主搬送経路45の方向で長い本体部62の内面側の上部で前後の二箇所に、内方へ突出する板状の差し込み部が設けられている。さらに本体部62における中間の下部には、内方への突出片が折れ曲がりにより形成されている。また、サイドブラケット61の外面側で前部の一箇所には、外方へ突出する筒状体63が溶接することによって取り付けられている。
【0039】
上記のように形成されたサイドブラケット61は、物品支持体50における物品載置板部53と前板部55または後板部56とにより形成された前後一対の空間部に一対の差し込み部を差し込み、次いで、外側から通したボルト体を螺合部54Aのいずれかに螺合結合させることで、物品支持体50の両端に取り付け得る。そして、筒状体63側の差し込み孔に対して、前記無端チェーン40側からの長尺の連結ピン42の突出部分を外側から差し込んで結合することで、物品支持体50の両端を、それぞれサイドブラケット61を介して無端チェーン40に連結し得、以て左右一対の無端チェーン40間に多数の物品支持体50を取り付け得る。
【0040】
前記筒状体63には、外周部がウレタンからなる回転体(被案内部材の一例で、ベアリング形式やローラ形式などからなる。)64が外嵌され、これら回転体64は、前記本体フレーム1側の両案内レール部18,26の上向き支持面に支持案内される。また前記本体部62の突出片には、外周部がウレタンからなるサイドローラ(被案内部材の一例)65が縦軸66を介して遊転自在に設けられ、これらサイドローラ65は、前記往路側案内レール部18の横向き案内面に案内される。
【0041】
各物品支持体50には、この物品支持体50に外嵌して案内されることで長さ方向51に移動自在な物品横押し体70が設けられ、これら物品横押し体70は、下位の矩形筒状部71と上位の横押し作用部76とにより構成されている。すなわち矩形筒状部71は、前記物品載置板部53に上側から対向される扁平状の上板材72と、この上板材72の前端から下方かつ後方に延びることで前板部55に外側から対向される前板材73と、前記上板材72の後端から下方かつ前方に延びることで後板部56に外側から対向される後板材74と、前板材73と後板材74の下端間に位置される底板材75などにより形成されている。
【0042】
そして前記上板材72の上面側(上方)に横押し作用部76が設けられている。すなわち横押し作用部76は、上板材72の上方を覆う天板材77と、この天板材77における両側の横向き傾斜面の部分に着脱自在に取り付けられた横押し当接部材78などにより形成されている。ここで横向き傾斜面は、たとえば平面視において傾斜角度θを30度として全体が台形板状に形成され、そして横押し当接部材78はゴム板などからなり、その横押し当接面が平面視において凹凸状に形成されている。
【0043】
前記底板材75の上面側には、両脚板部54間に嵌合される上向き突状の被嵌合部79が連設され、これにより前記物品横押し体70は、被嵌合部79を介して、物品支持体50における案内部58間で案内されるように構成されている。さらに、前記上板材72側の下面には、前記物品支持体50の物品載置板部53に形成した凸状部52に上方から対向される3本の凹溝部80が形成されている。以上の71〜80などにより物品横押し体70の一例が構成される。かかる物品横押し体70は、横押し当接部材78を除いて合成樹脂によって一体成形されている。
【0044】
前記物品横押し体70の下部側には、前記被嵌合部79を利用して被案内体が取り付けられる。すなわち前記被嵌合部79の中央部からローラ軸(支持軸の一例)85が、その上部を埋め込み成形により支持させることで垂設され、このローラ軸85の突出下部に、案内ローラ(被案内体の一例)86が遊転自在に取り付けられ、以て案内ローラ86は物品横押し体70の裏面外方に位置される。その際にローラ軸85は、案内ローラ86に対して所定長さ下方に突出されるように構成されている。
【0045】
図2〜図8に示すように、前記本体フレーム1の中間枠部材2における上位の横連結材5には前記案内ローラ86の案内を行う往路案内装置(案内装置の一例)90が配設され、また下位の横連結材5には復路案内装置96が配設される。そして中央の分岐部には、往路側の上部切り換え手段(切り換え手段の一例)110と復路側の下部切り換え手段105とが配設され、さらに往路側の始端近くには左右一対の振り分け手段106A,106Bが配設される。
【0046】
前記往路案内装置90は、始端部の両側にそれぞれ左右一対に設けた始端案内部91A,91Bと、これら始端案内部91A,91Bの終端に前記振り分け手段106A,106Bを介して対向し、かつ下手側ほど内側へと傾斜した左右一対の内移動案内部92A,92Bと、これら内移動案内部92A,92Bの終端に前記上部切り換え手段110を介して対向し、かつ下手側ほど外側へと傾斜した左右一対の外移動案内部93A,93Bと、これら外移動案内部93A,93Bの終端に対向して配設したそれぞれ左右一対の終端案内部94A,94Bなどからなる。また前記復路案内装置96は、下手側ほど内側へと傾斜した左右一対の内移動案内部97A,97Bと、これら内移動案内部97A,97Bの終端に前記下部切り換え手段105を介して対向し、かつ下手側ほど外側へと傾斜した左右一対の外移動案内部98A,98Bとからなる。
【0047】
前記往路案内装置90の始端案内部91A,91Bや終端案内部94A,94B、および前記復路案内装置96の外移動案内部98A,98Bは、上位の横連結材5に固定されたブラケット100と、このブラケット100に相対向する状態で取り付けられた一対または片側の案内体101により構成される。ここで案内体101はアルミニウムの押し出しまたは引き抜き成形品や樹脂製品などからなり、これら案内体101間や、案内体101と外移動案内部93A,93Bまたは98A,98Bとの相対向面間に案内ローラ86が位置される。なお、終端案内部94A,94Bにおける案内体101は、案内ローラ86の案内側に樹脂成形部材が設けられた構成や、この案内体101の全部が樹脂成形部材からなる構成などであってもよい。
【0048】
また前記往路案内装置90の内移動案内部92A,92Bや外移動案内部93A,93B、および前記復路案内装置96の内移動案内部97A,97Bは、前記案内体101を下位の横連結材5に対して直接に固定することで構成され、この案内体101の側面により案内ローラ86が案内される。なお、始終の反転部で案内ローラ86の案内を行うべく、両軸30,31の部分には案内ローラ86の嵌合を許す反転案内体107A,107B,108A,108Bが取り付けられている。
【0049】
図1、図9〜図13、図16に示すように、前記上部切り換え手段110は、両内移動案内部92A,92Bからの案内ローラ86を受け入れる合流案内部112と、案内ローラ86を両外移動案内部93A,93Bに案内する分岐案内部117A,117Bと、合流案内部112からの案内ローラ86を両分岐案内部117A,117Bに振り分ける切り換え案内部121とを有している。前記上部切り換え手段110の本体となるベース板体111が横連結材5上に載置されて固定され、このベース板体111は矩形板状であって、その中央部分にはT字状の貫通部111aが形成されている。そしてベース板体111上には、合流案内部112や分岐案内部117A,117Bを形成するための部材が固定されている。
【0050】
すなわち合流案内部112の部分には、合流案内部形成部材113が配設されるとともに、スペーサ114と固定具115とを介してベース板体111上に固定されている。そして合流案内部形成部材113には、左右一対の厚肉部の内側面によって次第に狭まる前部傾斜面113a,113bが形成され、その際に前部傾斜面113a,113bの始端部は、内移動案内部92A,92Bの案内面に連なる状態に設けられている。これにより、合流案内部形成部材113の前部傾斜面113a,113b間にV溝状の合流案内部112が形成される。なお、合流案内部形成部材113の上手部分でかつ中央部分には、厚肉部の外側面によって、次第に拡がる振り分け案内面113c,113dが形成されている。
【0051】
また分岐案内部117A,117Bの部分には、後部傾斜面118a,118bを形成した分岐案内部形成部材118が配設されるとともに、スペーサ119と固定具120とを介してベース板体111上に固定されている。すなわち分岐案内部形成部材118には、その両外側面によって次第に拡がる後部傾斜面118a,118bが形成され、その際に後部傾斜面118a,118bの終端部は、外移動案内部93A,93Bの案内面に連なる状態に設けられている。これにより、分岐案内部形成部材118の後部傾斜面118a,118bの外側に分岐案内部117A,117Bが、左右振り分け状で形成される。
【0052】
前記切り換え案内部121は、合流案内部112に位置され上手側の縦支軸軸心127の回りに左右揺動自在なカム体122と、中間部の前後支軸軸心134A,134Bの回りに可逆的に上下揺動自在な左右一対の上手案内体130A,130Bと、下手側の縦支軸軸心155の回りに左右揺動自在な1個の下手案内体150と、カム体122と上手案内体130A,130Bとの間に設けられた第1揺動連動機構140と、カム体122と下手案内体150との間に設けられた第2揺動連動機構160などから構成されている。
【0053】
すなわちカム体122は、前後方向のリンク部123と、このリンク部123の上手側部分から側方(左側)へ直角状で伸びる腕部124と、リンク部123の上側に厚肉状に設けられたカム部125などからなる。このカム体122は、その上手側部分が前記振り分け案内面113c,113dの部分の下手に位置される状態で配置され、ベース板体111上に固定した縦支軸体126に上手側部分が外嵌されることで、上手側の縦支軸軸心127の回りに左右揺動自在に構成されている。そしてカム部125の両側面はカム面125a,125bに形成され、ここでカム面125a,125bは、案内ローラ86が案内される合流案内部形成部材113の前部傾斜面113a,113bに対して下方に位置され、以てローラ軸85が当接するように構成されている。
【0054】
その際にカム面125a,125bは、カム体122(カム部125)が左右揺動したとき、揺動した側とは反対側を移動してきたローラ軸85はカム面125a,125bに当接することなく通過し、揺動した側を移動してきたローラ軸85はカム面125a,125bに当接して、反対側へと押し作用するように形成されている。すなわちカム体122は、移動してきたローラ軸85(物品横押し体70側)の主搬送経路45の方向での移動力によって上手側の縦支軸軸心127の回りに左右揺動されるように構成されている。なおカム部125は左右方向で分割され、右側がリンク部123に一体形成され、左側が当て付けられて一体結合化されているが、これは分割されることなく一体形成されてもよい。
【0055】
前記上手案内体130A,130Bは樹脂によって逆L字のリンク状に形成され、その中間コーナ部分が、固定具131A,131Bによりベース板体111上に固定されているブラケット132A,132Bに前後支軸体133A,133Bを介して連結されることで、前後支軸軸心134A,134Bの回りに上下揺動自在に構成されている。この上手案内体130A,130Bの上下揺動は貫通部111aの上方において行われ、その際に上方揺動により水平状となった横杆部の内面は、合流案内部形成部材113の前部傾斜面113a,113bに連なる傾斜案内面130a,130bに形成されている。
【0056】
第1揺動連動機構140は、上手案内体130A,130Bの縦杆部の下端に前後方向ピン141A,141Bを介して相対回動自在に取り付けたリンクブラケット142A,142Bと、これらリンクブラケット142A,142B間に連結された左右方向リンク143と、この左右方向リンク143の中央部上面に設けられたカムフォロア144と、このカムフォロア144を遊嵌すべくリンク部123の下手端に形成された下面開放の凹部145などにより構成されている。なお、左右方向リンク143の上方でリンク部123の両側部には、下方揺動限を規制するためのストッパ材146A,146Bが設けられている。ここでストッパ材146A,146Bは、ゴムなどの緩衝部材から形成されている。
【0057】
これにより、カム体122(カム部125)が左右揺動したとき、凹部145に遊嵌しているカムフォロア144を介して左右方向リンク143が、カム体122(カム部125)の揺動方向と同方向に左右移動され、以てリンクブラケット142A,142Bと前後方向ピン141A,141Bとを介して、上手案内体130A,130Bを前後支軸軸心134A,134Bの回りに可逆的に上下揺動させる。
【0058】
すなわち、カム体122が揺動した側とは反対側の上手案内体130A,130Bを前後支軸軸心134A,134Bの回りに上方揺動させて、その傾斜案内面130a,130bを合流案内部形成部材113の前部傾斜面113a,113bに連なる案内作用位置にし得、またカム体122が揺動した側の上手案内体130B,130Aを前後支軸軸心134B,134Aの回りに下方揺動させて、その傾斜案内面130b,130aを前部傾斜面113b,113aに連ならない非案内位置にし得る。その際に、下方揺動させた上手案内体130A,130Bの横杆部はストッパ材146A,146Bに上方から当接され、以て下方揺動させた上手案内体130B,130Aの上方に案内ローラ86の通過用空間を確保し得るとともに、上方揺動させた上手案内体130A,130Bの連なり姿勢を維持し得る。
【0059】
これにより物品横押し体70側の主搬送経路45の方向での移動力、すなわち合流案内部112に移動してきた支持軸85の移動力によってカム体122を左右揺動させ、このカム体122の左右揺動に第1揺動連動機構140を介して連動して、両上手案内体130A,130Bを、上方揺動して合流案内部112に連なる案内作用位置と下方揺動した非案内位置とに可逆的に切り換わり揺動するように構成される。
【0060】
前記分岐案内部形成部材118の前半部とベース板体111との間には、スペーサ119の高さに相当する空所149が形成されており、この空所149を利用して下手案内体150が設けられている。すなわち下手案内体150は、空所149内に位置される前後方向のリンク部151と、このリンク部151の下手側部分から側方(左側)へ直角状で伸びる腕部152と、分岐案内部形成部材118の前端前方に位置される状態でリンク部151の上側に厚肉状に設けられた案内部153などからなる。この下手案内体150は、その案内部153が前記後部傾斜面118a,118bの部分の上手に位置される状態で配置され、ベース板体111上に固定した縦支軸体154にリンク部151の下手側部分が外嵌されることで、下手側の縦支軸軸心155の回りに左右揺動自在に構成されている。そして案内部153の両側面は案内面153a,153bに形成され、ここで案内面153a,153bは、分岐案内部形成部材118の後部傾斜面118a,118bと同じレベルに位置され、以て案内ローラ86が案内されるように構成されている。
【0061】
第2揺動連動機構160は、腕部124,152の遊端に上下方向ピン161,162などを介して相対揺動自在に連結されたアーム状体163,164と、これらアーム状体163,164間に螺合されたロッド状体165とによって、連動長さを調整自在として構成されている。なお、ベース板体11上には、下手案内体150の左右揺動限を規制するためのストッパ体170が設けられている。ここでストッパ体170は、ベース板体11上に固定されたU字状のブラケット171と、このブラケット171に相対向する状態で設けられた一対のストッパ部172と、これらのストッパ部172の上手で相対向する状態で設けられた一対の緩衝部(ゴムなど)173などから構成されている。そしてストッパ部172や緩衝部173に対して、下手案内体150におけるリンク部151の側面が当接自在に構成されている。
【0062】
これにより、合流案内部112に移動してきたローラ軸85の移動力によって、前記カム体122(カム部125)が上手側の縦支軸軸心127の回りに左右揺動したとき、腕部124、上下方向ピン161、アーム状体163、ロッド状体165、アーム状体164、上下方向ピン162、腕部152を介して、下手案内体150を下手側の縦支軸軸心155の回りに、カム体122(カム部125)と揺動方向と逆方向に左右揺動させる。
【0063】
すなわち下手案内体150を、カム体122が揺動した側とは反対側に左右揺動させて、合流案内部形成部材113の前部傾斜面113a,113bに連なる(案内作用する)状態にある傾斜案内面130a,130bに、その案内面153a,153bを連なる状態にし得るとともに、この連なる状態の案内面153a,153bを、下手案内体150が揺動した側とは反対側に向いた後部傾斜面118a,118bに連なる状態にし得る。その際に、左右揺動した下手案内体150におけるリンク部151の側面が、ストッパ体170のストッパ部172や緩衝部173に対して当接され、下手案内体150の左右揺動限を緩衝しながら規制し得、以て下手案内体150の切り換わり揺動を、衝撃(騒音)を少なくしかつ正確に行わせるように構成されている。
【0064】
これにより、物品横押し体70側の主搬送経路45の方向での移動力、すなわち合流案内部112に移動してきた支持軸85の移動力によってカム体122を左右揺動させ、このカム体122の左右揺動による両上手案内体130A,130Bの切り換わり揺動時、すなわち、カム体122の左右揺動に第2揺動連動機構160を介して連動して、下手案内体150が切り換わり動作するように構成される。
【0065】
そして、先行している物品横押し体70の案内ローラ86を下手案内体150が案内しているときに、後続の物品横押し体70が上手案内体130A,130Bを切り換わり動作させる開始位置となるように、主搬送経路45の方向における物品支持体50のピッチに相当する被案内体ピッチPや、上手案内体130A,130Bおよび下手案内体150の位置、形状(長さ)や、カム体122の位置、形状(長さ)が設定されている。すなわち図1に示すように、先行している案内ローラ86を下手案内体150が案内しているときに、後続の案内ローラ86を支持しているローラ軸85が、上手側の縦支軸軸心127よりも少し下手においてカム部125のカム面125a,125bに当接されるように構成されている。
【0066】
しかも、移動してきたローラ軸85がカム部125の終端部分、すなわちカム面125a,125bの終端部分に達したとき、このローラ軸85に取り付けた案内ローラ86が上手案内体130A,130Bの傾斜案内面130a,130bに対向するように、カム体122と上手案内体130A,130Bとの相対の位置や案内ローラ86の径などが設定されている。
【0067】
図1、図9〜図16に示すように、前記第1揺動連動機構140には、上手案内体130A,130Bの可逆的な上下揺動を助長したのち、上下揺動に対抗する付勢手段180が設けられている。すなわち、縦支軸体126,154には、ベース板体111を貫通して下方に突出される下位ピン部分126a,154aが一体に形成され、これら下位ピン部分126a,154aに外嵌されることで縦支軸軸心127,155の回りに相対回動自在なバネホルダ181,182が設けられるとともに、これらバネホルダ181,182間に板バネ183が、その幅を上下方向として配設されている。そして左右方向リンク143の下面側には、左右一対のプーリ体184A,184Bが縦ボルト体185A,185Bを介して遊転自在に設けられるとともに、これらプーリ体184A,184Bによって板バネ183の長さ方向の中央部分を挟持するように構成されている。以上の181〜185A,185Bなどにより、付勢手段180の一例が構成される。
【0068】
図2、図3に示すように、前記上位フレーム材10(本体フレーム1の上部)で、無端チェーン40を配設するとともに往路側案内レール部18を形成した部分に、無端チェーン40や回転体64の上方を閉塞状とするためのカバー体(チェーンカバー)190が配置される。このカバー体190は、側板部と、この側板部の上部から内方へ直角状に折れ曲がった上板部とにより、断面で逆L字状の型レール状に形成されている。そして、カバー体190は、側板部を起立部11に対して外側から当接させた状態で、側板部の下端部分に外側から通したボルト体を、外向き溝部14内に予め位置させたナット体に螺合させることによって、上位フレーム材10の起立部11に対して着脱自在に固定し得る。
【0069】
図4に示すように、本体フレーム1の両側外方には、主搬送経路45に対して外方かつ下手側へと傾斜した分岐経路195A,195Bを形成する分岐コンベヤ196A,196Bが設けられる。これら分岐コンベヤ196A,196Bは、コンベヤフレームに多数のローラを支持させることで構成され、その際にコンベヤフレームやローラは、その端部を上位フレーム材10の段部12内に位置させ、かつカバー体190の側板部に充分に接近させた状態で配置される。なお上位フレーム材10の上向き蟻溝15などを分岐コンベヤ196A,196Bとの連結に利用してもよい。200は物品を示す。
【0070】
以下に、上記した実施の形態1において、物品200の搬送、分岐作用を説明する。
すなわち、駆動装置34の電動機35を作動させ、減速機36に連動した駆動軸31を介してスプロケット39を強制回転させることで、両無端チェーン40を移動し得る。この両無端チェーン40の移動によって物品支持体50群を、回転体64を介して両案内レール部18,26の上向き支持面に支持案内させるとともに、サイドローラ65を介して案内レール部18や上端延長部29の横向き案内面に案内させることで、安定した状態で移動し得る。その際に復路側においては、回転体64の上方に上端延長部29が位置することで、この回転体64の浮き上りを阻止し得、以て物品支持体50群を上下でガタつくことなく安定した状態で移動し得る。これにより物品支持体50群が循環移動することから、始端部の物品支持体50群上に供給した物品200を主搬送経路45上で搬送し得る。
【0071】
なお搬送時において、往路での両無端チェーン40の移動は、カバー体190の下方でかつ潤滑油受け部13の上方で行われ、また復路での両無端チェーン40の移動は、上端延長部29の下方でかつ潤滑油受け部25の上方で行われる。
【0072】
このような搬送を行う際に、物品支持体50群と一体的に移動する物品横押し体70は、その案内ローラ86が案内装置90,96群に案内されることによって、物品支持体50の長さ方向51に往復移動したり、物品支持体50とともに主搬送経路45に沿って直線状に移動したりする。その際に物品横押し体70の往復移動は、被嵌合部79を介して、物品支持体50における案内部58に嵌合されて案内される状態で、すなわち、好適な摺接摩擦が生じた状態で、ガタつきがなく、かつ姿勢(向き)を大きく変化させることなく、常に安定して行える。
【0073】
すなわち、たとえば左側の始端案内部91Aに案内されている案内ローラ86は、振り分け手段106Aが直線状振り分け姿勢のときに直進案内され、そして案内作用を受けない状態で直進したのち終端案内部94Aに案内されることになる。これにより物品横押し体70は物品200に作用せず、この物品200は主搬送経路45上を直進状に搬送される。なお反対側(右側)も同様であって、始端案内部91Bの案内ローラ86は、振り分け手段106Bから終端案内部94Bへと移動することになる。
【0074】
また、左側の始端案内部91Aに案内されている案内ローラ86は、振り分け手段106Aが傾斜状振り分け姿勢のときに内側へ傾斜案内され、そして内移動案内部92Aに案内されて内側へ移動されたのち、上部切り換え手段110を介して右側の外移動案内部93Bに移り、この外移動案内部93Bに案内されて外側へ移動されたのち終端案内部94Bに案内される。これにより物品横押し体70群は、搬送方向に移動しながら主搬送経路45を横切ることになり、以て横押し作用部76が、他側の横押し当接部材78を介して物品200に横押し作用して、この物品200を、その向きを変えながら、主搬送経路45に対して傾斜状で分岐移動させ、右側の分岐コンベヤ196Bに渡すことになる。
【0075】
なお反対側も同様であって、始端案内部91Bの案内ローラ86は、振り分け手段106B、内移動案内部92B、上部切り換え手段110、外移動案内部93A、終端案内部94Aと案内され、物品横押し体70群の横押し作用部76が、一側の横押し当接部材78を介して物品200に横押し作用して、この物品200を左側の分岐コンベヤ196Aに渡すことになる。
【0076】
このようにして終端案内部94A,94Bの端部に達した案内ローラ86は反転案内体108A,108Bに案内されて反転する。そして復路案内装置96においては、まず内移動案内部97A,97Bに案内されて中央部に移動され、次いで下部切り換え手段105により左右に振り分けられたのち、外移動案内部98A,98Bの案内により外側へと移動される。その後に、反転案内体107A,107Bに案内されて反転したのち、始端案内部91A,91Bのいずれかに移される。
【0077】
上述したように案内ローラ86を、傾斜状振り分け姿勢の振り分け手段106A,106Bによって内側へ傾斜案内し、そして内移動案内部92A,92Bにより案内して内側へ移動させたのち、上部切り換え手段110を介して外移動案内部93B,93Aに移し、この外移動案内部93B,93Aにより案内して外側へ移動させたのち終端案内部94B,94Aで案内し得、これにより物品横押し体70群を、搬送方向に移動しながら主搬送経路45を横切らせることになる。これによって、横押し作用部76を物品200に横押し作用させて、この物品200を分岐移動させ、分岐コンベヤ196A,196Bに振り分けて渡し得る。
【0078】
その際に、上部切り換え手段110の切り換わり動作は、ローラ軸85の移動力を利用して自動的に行える。すなわち、たとえば案内ローラ86を、左側の内移動案内部92Aにより案内して内側へ移動させたのち、上部切り換え手段110を介して外移動案内部93Bに移しているときに、この上部切り換え手段110は、図1、図9〜図13、図16に示すように、カム体122を上手側の縦支軸軸心127の回りに右側へ揺動させている。そして、カム体122の右側へ揺動に連動して第1揺動連動機構140を介して、カム体122が揺動した側とは反対側(左側)の上手案内体130Aを前後支軸軸心134Aの回りに上方揺動させて、その傾斜案内面130aを合流案内部形成部材113の前部傾斜面113aに連なる案内作用位置にし得るとともに、カム体122が揺動した側(右側)の上手案内体130Bを前後支軸軸心134Bの回りに下方揺動させて、その傾斜案内面130bを前部傾斜面113bに連ならない非案内位置にし得る。
【0079】
さらに、カム体122の右側へ揺動に連動して第2揺動連動機構160を介して、下手案内体150を、カム体122が揺動した側とは反対側の左側に揺動させて、合流案内部形成部材113の前部傾斜面113aに連なる状態にある傾斜案内面130aに、その案内面153bを連なる状態にし得るとともに、この連なる状態の案内面153bを後部傾斜面118bに連なる状態にし得る。
【0080】
したがって、左側の内移動案内部92Aからの案内ローラ86は、直線状で連続している前部傾斜面113a、傾斜案内面130a、案内面153b、後部傾斜面118bを介して、すなわち分岐案内部117Bを通って外移動案内部93Bに移ることになり、以て物品横押し体70群を、主搬送経路45において左側から右側へと横切らせることになる。その際に、カム体122の部分を移動する案内ローラ86は、図1の仮想線Aに示すように、そのローラ軸85をカム面125aに当接させることなく通過し得、そして図11に示すように、下方揺動させた上手案内体130Bの上方に形成された通過用空間を通過し得、以て上手案内体130A,130Bや下手案内体150の姿勢を維持し得る。
【0081】
また案内ローラ86を、下部切り換え手段105の操作によって右側の始端案内部91Bへ導き、振り分け手段106Bから内移動案内部92Bへ案内するように切り換えたとき、図1に示すように、左側の内移動案内部92Aからの最後端の案内ローラ86が下手案内体150の下手案内面153bの終端部分に達しているとき、右側の内移動案内部92Bからの最前端の案内ローラ86は合流案内部112に達し、図1の実線Bに示すように、そのローラ軸85をカム面125bに近接(当接)させた位置にある。この状態から物品支持体50群が移動すると、ローラ軸85がカム部125のカム面125bに当接し、このローラ軸85の移動力によってカム体122を左側へと押し作用し、図14、図15に示すように、カム体122を上手側の縦支軸軸心127の回りに左側へ揺動させることになる。
【0082】
このカム体122の揺動により、凹部145に遊嵌しているカムフォロア144を介して左右方向リンク143を、カム体122の揺動方向と同方向の左側へ移動させ、以てリンクブラケット142A,142Bと前後方向ピン141A,141Bとを介して、上手案内体130A,130Bを前後支軸軸心134A,134Bの回りに可逆的に上下揺動させる。すなわち図11の仮想線に示すように、カム体122の揺動側とは反対側である右側の上手案内体130Bを前後支軸軸心134Bの回りに上方揺動させて、その傾斜案内面130bを合流案内部形成部材113の前部傾斜面113bに連なる案内作用位置にし得、またカム体122が揺動した側である左側の上手案内体130Aを前後支軸軸心134Aの回りに下方揺動させて、その傾斜案内面130aを前部傾斜面113aに連ならない非案内位置にし得る。その際に、下方揺動させた上手案内体130Aの横杆部をストッパ材146Aに上方から当接し得、以て下方揺動させた上手案内体130Aの上方に案内ローラ86の通過用空間を確保し得るとともに、上方揺動させた上手案内体130Bの連なり姿勢を維持し得る。
【0083】
また、上述したようにカム体122を上手側の縦支軸軸心127の回りに左側へ揺動させることにより、腕部124、上下方向ピン161、アーム状体163、ロッド状体165、アーム状体164、上下方向ピン162、腕部152を介して、下手案内体150を下手側の縦支軸軸心155の回りに、カム体122とは逆方向に揺動させる。すなわち図15に示すように、下手案内体150を右側に揺動させて、合流案内部形成部材113の前部傾斜面113bに連なる案内作用位置に変位した傾斜案内面130bに、その案内面153aを連なる状態にし得るとともに、この案内面153aを後部傾斜面118aに連なる状態にし得る。その際に、下手案内体150におけるリンク部151の側面をストッパ部172や緩衝部173に当接して、下手案内体150の左右揺動限を緩衝しながら規制し得、以て下手案内体150の切り換わり揺動を、衝撃(騒音)を少なくしかつ正確に行うことができる。
【0084】
これにより、物品横押し体70側の主搬送経路45の方向での移動力、すなわち合流案内部112に移動してきた支持軸85の移動力によってカム体122を左右揺動させ、このカム体122の左右揺動に第1揺動連動機構140を介して連動して、両上手案内体130A,130Bを、上方揺動して合流案内部112に連なる案内作用位置と下方揺動した非案内位置とに可逆的に切り換わり揺動させるとともに、同時状に、カム体122の左右揺動に第2揺動連動機構160を介して連動して、下手案内体150が切り換わり動作させることになる。
【0085】
したがって図15に示すように、右側の内移動案内部92Bからの最前端の案内ローラ86は、直線状で連続している前部傾斜面113b、傾斜案内面126b、案内面153a、後部傾斜面113aを介して、すなわち、分岐案内部117Aを通って外移動案内部93Aに移ることになり、以て物品横押し体70群を、主搬送経路45において右側から左側へと横切らせることになる。
【0086】
その際に、上手案内体130A,130Bの可逆的な上下揺動と、下手案内体150の左右揺動との組み合わせによって、それぞれの揺動ストロークを小さくかつ揺動速度を遅くでき、以て切り換わり時の衝撃による騒音を小さくして、消音効果を向上できる。また、不十分な切り換わりや、微小の跳ね返りなどによって、合流案内部112に対して上手案内体130A,130Bの位置ずれ(位置のふらつき)が生じたとき、それは傾斜案内面130a,130bを上手側から見た(正面視)ときの左右角度の僅かな変化として現れることから、案内ローラ86の移動は、何ら影響されることなく常に円滑に行うことができることになる。
【0087】
上述したように、上部切り換え手段110における切り換え案内長さは、上手案内体130A,130Bの傾斜案内面130a,130bと下手案内体150の下手案内面150a,150bとを連続させることにより十分に確保でき、しかも上手案内体130A,130Bと下手案内体150とを介しての切り換えは常に円滑に行うことができる。
【0088】
また、上部切り換え手段110における切り換え動は、第1揺動連動機構140に設けた付勢手段180によって、上手案内体130A,130Bの可逆的な上下揺動を助長したのち、上下揺動に対抗する状態で行われる。すなわち図1、図16に示すように、左側の上手案内体130Aを前後支軸軸心134Aの回りに上方揺動させて、その傾斜案内面130aを合流案内部形成部材113の前部傾斜面113aに連なる案内作用位置にするとともに、右側の上手案内体130Bを前後支軸軸心134Bの回りに下方揺動させて、その傾斜案内面130bを前部傾斜面113bに連ならない非案内位置にした状態においては、一対のプーリ体184A,184Bが左右方向リンク143とともに右側に移動して、板バネ183を右側凸状に湾曲変形させており、以て弾性反発力によって左右方向リンク143に左側移動力を付与している。
【0089】
そしてカム体122を左側へ揺動させての、上部切り換え手段110における切り換え動の開始時には、板バネ183の弾性反発力によって左右方向リンク143に左側移動の開始をスムースに行うことができ、さらに切り換え動の終了時には、図15に示すように、一対のプーリ体184A,184Bが左右方向リンク143とともに左側に移動して、板バネ183を左側凸状に湾曲変形させることになり、以て弾性反発力に抗しての安定した移動を行うことができる。
【0090】
上記した実施の形態1では、案内装置として往路案内装置90を採用した形式を示しているが、これは復路案内装置96を採用した形式などであってもよい。
上記した実施の形態1では、カム体122を支持軸(ローラ軸85)の移動力によって揺動させる形式を示しているが、これは、被案内体(案内ローラ86)の移動力によって揺動させる形式や、物品横押し体70側からの別の部材の移動力によって揺動させる形式などであってもよい。
【0091】
上記した実施の形態1では、第1揺動連動機構140に、上手案内体130A,130Bの可逆的な上下揺動を助長したのち対抗する付勢手段180を設けた形式を示しているが、これは、付勢手段180を省略した形式などであってもよい。
【0092】
上記した実施の形態1では、物品横押し体70の下部側に、本体フレーム1側の案内装置90,96に案内される被案内体(案内ローラ86)を、その上部を被嵌合部79の中央部に埋め込んで支持させることにより垂設した支持軸(ローラ軸85)の突出下部に取り付けた形式を示しているが、これは、物品横押し体70の下部から一体状に垂設した支持軸部に被案内体を取り付けた形式などであってもよい。
【0093】
上記した実施の形態1では、無端回動体として無端チェーン40を採用し、リンク41間の連結を行う連結ピン42群のうち、所定の連結ピンを内側に突出させることで形成した長尺連結ピンにより突出部を構成した形式を示しているが、これは、無端チェーン40の所定箇所に突出部を形成した形式や、所定箇所に突出部を形成した無端ベルトを採用した形式などであってもよい。
【0094】
上記した実施の形態1では、物品支持体50として下面側開放の型レール状に構成した形式を示しているが、これは開放していない形式などであってもよい。
上記した実施の形態1では、上位フレーム材10と下位フレーム材20との別体化形式を示したが、これは下位フレーム材20を側板、側枠形式にしてもよい。
【0095】
上記した実施の形態1では、横押し当接部材78を30度の傾斜角度θに傾斜させた状態で取り付けているが、この傾斜角度は任意に設定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施の形態1を示し、転換設備における上部切り換え手段の切り換わり直前の一部切り欠き平面図である。
【図2】同転換設備の一部切り欠き正面図である。
【図3】同転換設備の要部の一部切り欠き正面図である。
【図4】同転換設備の概略平面図である。
【図5】同転換設備の概略側面図である。
【図6】同転換設備の往路案内装置を示す概略平面図である。
【図7】同転換設備の復路案内装置を示す概略平面図である。
【図8】同転換設備の案内装置群を示す概略側面図である。
【図9】同転換設備における上部切り換え手段部分の一部切り欠き側面図である。
【図10】同転換設備における切り換わり直前の上部切り換え手段の合流案内部の縦断正面図である。
【図11】同転換設備における切り換わり直前の上部切り換え手段の切り換え案内部の縦断正面図である。
【図12】同転換設備における切り換わり直前の上部切り換え手段のストッパ体部分の縦断正面図である。
【図13】同転換設備における切り換わり直前の上部切り換え手段の分岐案内部の縦断正面図である。
【図14】同転換設備における上部切り換え手段の切り換わり中の一部切り欠き平面図である。
【図15】同転換設備における上部切り換え手段の切り換わり直後の一部切り欠き平面図である。
【図16】同転換設備における上部切り換え手段の切り換わり直前の横断平面図である。
【符号の説明】
【0097】
1 本体フレーム
10 上位フレーム材
20 下位フレーム材
34 駆動装置
40 無端チェーン(無端回動体)
45 主搬送経路
50 物品支持体
51 長さ方向
53 物品載置板部
64 回転体
65 サイドローラ
70 物品横押し体
71 矩形筒状部
76 横押し作用部
85 ローラ軸(支持軸)
86 案内ローラ(被案内体)
90 往路案内装置(案内装置)
92A 内移動案内部
92B 内移動案内部
93A 外移動案内部
93B 外移動案内部
96 復路案内装置
105 下部切り換え手段
110 上部切り換え手段(切り換え手段)
111 ベース板体
112 合流案内部
113 合流案内部形成部材
113a 前部傾斜面
113b 前部傾斜面
117A 分岐案内部
117B 分岐案内部
118 分岐案内部形成部材
118a 後部傾斜面
118b 後部傾斜面
121 切り換え案内部
122 カム体
123 リンク部
124 腕部
125 カム部
125a カム面
125b カム面
126 縦支軸体
126a 下位ピン部分
127 上手側の縦支軸軸心
130A 上手案内体
130a 傾斜案内面
130B 上手案内体
130b 傾斜案内面
133A 前後支軸体
133B 前後支軸体
134A 前後支軸軸心
134B 前後支軸軸心
140 第1揺動連動機構
141A 前後方向ピン
141B 前後方向ピン
142A リンクブラケット
142B リンクブラケット
143 左右方向リンク
150 下手案内体
151 リンク部
152 腕部
153 案内部
153a 案内面
153b 案内面
154 縦支軸体
154a 下位ピン部分
155 下手側の縦支軸軸心
160 第2揺動連動機構
165 ロッド状体
180 付勢手段
183 板バネ
195A 分岐経路
195B 分岐経路
196A 分岐コンベヤ
196B 分岐コンベヤ
200 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主搬送経路に沿って配設された左右一対の無端回動体と、これら無端回動体間に多数取り付けられ、かつ主搬送経路とは直交状の方向が長さ方向とされた物品支持体と、この物品支持体に外嵌して案内される物品横押し体とが設けられた転換設備であって、前記物品横押し体の下部側には被案内体が取り付けられ、本体フレーム側には前記被案内体の案内を行う案内装置が配設され、この案内装置は、下手側ほど内側へと傾斜した左右一対の内移動案内部と、これら内移動案内部の終端に切り換え手段を介して対向し、かつ下手側ほど外側へと傾斜した左右一対の外移動案内部とからなり、前記切り換え手段は、両内移動案内部からの被案内体を受け入れる合流案内部と、被案内体を両外移動案内部に案内する分岐案内部と、合流案内部からの被案内体を両分岐案内部に振り分ける切り換え案内部とを有し、この切り換え案内部は、可逆的に上下揺動自在な左右一対の上手案内体と、左右揺動自在な1個の下手案内体とを有し、前記物品横押し体側の主搬送経路の方向での移動力によって、両上手案内体を、上方揺動して合流案内部に連なる案内作用位置と下方揺動した非案内位置とに可逆的に切り換わり揺動させるとともに、この切り換わり揺動時に下手案内体を、案内作用する上手案内体に連なるように一体状に切り換わり揺動させるように構成されていることを特徴とする転換設備。
【請求項2】
切り換え案内部は、合流案内部に位置され上手側の縦支軸軸心の回りに左右揺動自在なカム体と、中間部の前後支軸軸心の回りに上下揺動自在な左右一対の上手案内体と、下手側の縦支軸軸心の回りに左右揺動自在な下手案内体と、カム体と上手案内体との間に設けられた第1揺動連動機構と、カム体と下手案内体との間に設けられた第2揺動連動機構とからなり、前記カム体は、物品横押し体側の移動力によって左右揺動され、このカム体の左右揺動に連動して上手案内体と下手案内体とが切り換わり揺動するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の転換設備。
【請求項3】
第1揺動連動機構には、上手案内体の可逆的な上下揺動を助長したのち対抗する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載の転換設備。
【請求項4】
物品横押し体の下部側には支持軸が垂設されるとともに、この支持軸に被案内体が取り付けられ、カム体は、合流案内部に移動してきた支持軸の移動力によって左右揺動されるとともに、上手案内体と下手案内体とは、合流案内部に移動してきた被案内体を案内するように構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の転換設備。
【請求項5】
移動してきた支持軸がカム体の終端部分に達したとき、この支持軸に取り付けた被案内体が上手案内体に対向するように構成されていることを特徴とする請求項4記載の転換設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−208883(P2009−208883A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52756(P2008−52756)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】