軸外強化された織物体を形成する装置および方法
固定マンドレル(20)と回転マンドレル(22)とから作られた織物体(10)を軸外強化するための装置。回転マンドレル(22)は、固定マンドレル(22)の中央を通って回転するシャフトによって固定マンドレル(20)に結合されている。シャフトは、回転マンドレル(22)が固定マンドレル(20)に対して上下に移動することを可能にする。織物体(10)の一部は、固定マンドレル(20)に固定されることが可能であり、また織物体(10)の第2の端部も回転マンドレル(22)に固定されることが可能である。回転するとき、回転マンドレル(22)は、充填または輪状繊維(14)が実質的に90°方向に平行のままでありながら、織物体(10)の縦繊維(12)を0°方向からねじり外すことが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸外強化された対称および非対称の形状、および軸外強化されたシームレス織構造を有する対称および非対称形状を形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レードームは、航空宇宙産業において使用されるハウジングであり、それは外部環境からアンテナ、レーダーまたは同様の装置を保護する。例えば、レードームは、周辺環境における強風、着氷および/または温度からアンテナを保護するために使用される。そのような保護がないと、それらの装置は、使用されている場所において雨、熱、腐食、圧力および他の損傷といった好ましくない影響を受けやすい。
【0003】
航空宇宙の分野で使用されるレードームは、一般的に、円錐、半球、回転放物面または回転半楕円面といった形態の軸対称または対称の形状をしている。しかし、そういった形状のレードームは、政府機関(government agensies)によって課せられたレーダー断面(RCS)の要求を満たしていない。すなわち、先行技術のレードームは、その幾何学的形状によって装置全体を十分に保護するけれども、高いRCS値を有しており、したがって簡単にレーダーによって探知される。残念なことに、レーダー吸収体はレードームのなかに保持されている構成要素による信号の送信および受信を妨害するので、一般的にレードームと共には使用されない。例えば、いくつかの航空宇宙産業への応用において、レードームは空気力および気象によるダメージから被包された装置を保護しつつ、該装置が設置されたことにより航空機の空気力学的特性が乱されることを防ぐのと同時に、レーダー電波の送信および受信を可能とする。そういった装置へと送られる、または装置から送られる信号を妨害することは、それら装置を役立たずにすることである。
【0004】
レードームに関して航空宇宙産業が直面しているもう1つのデザイン上の問題は、レードームを構成するために使用される材料が、伝送された信号を妨害しないように、十分に誘電性の低いのものでなければならないということである。加えて、誘電性が非均一であるとレードームに入るまたはそれから離れる送受信信号に悪影響を与えるので、材料の誘電性は均一でなければならない。例えば、レードームは一般的に、複合構造である。その複合構造は通常、誘電性が低いポリマーであるマトリックス材を含有するガラスまたは石英繊維よりなるプリフォームからなる。このタイプのレードームは、樹脂トランスファー金型を使用することで、またはガラス繊維プリプレグを積層することで構成される。“プリプレグ”という用語は、ポリマー樹脂が予め含浸されている布または単一方向のテープを意味するものとして一般に使用されている。樹脂トランスファー成形された部材からプリフォームは、例えば、個々のガラス繊維の切断および縫製を通して、成形織、ポーラー織、ジャカード織(シャトル織機)などの方法で作られる。しかし、それらの技術は時間がかかり、さらに、次のような重大な欠点を有している。すなわち、そのような方法で作られたレードームは少なくとも1つは縫い目を有しており、そういった縫い目はしばしば、過酷な条件においてレードームの構造に不具合が生じる原因となる。また、縫い目の領域で誘電性が不均一になり、信号の送受信に悪影響を及ぼすことがあるので、レードームにおいて縫い目があることは望ましくない。
【0005】
しかし、3次元ジャカード織技術は、レードームの構成に使用されてよい。その技術を用いることで、一片の布から靴下状(sock−like)のプリフォームを構成することが可能である。このタイプの靴下状プリフォームには縫い目がなく、したがって縫い目に関連する重大な問題を回避することができるので好ましい。基本的な織構造では、最終的な構造体において、連続する充填繊維はプリフォームの輪(hoop)(90°)方向に沿って、縦糸繊維は軸方向の輪郭(0°方向)に沿って配置されおり、そのようにして該縦糸繊維と該充填繊維は互いに定められている。したがって、3次元ジャカード織のシームレス靴下状プリフォームは他の技術よりも好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
選択的に縦糸繊維を包含したり排除したりすることによって、それらの靴下形状物は、閉じられた端部を有するまたは有さない様々な寸法の形状へと形成される。それは1つの層で織られてもよいが、望ましい厚さまで積層された多層の靴下形状物が形成されてもよい。それから、そのプリフォームは、前述の製造技術を使用することで複合構造へと加工される。しかし、現在の技術では、織複合3次元形状、例えば非対称形状を形成することは非常に難しい。
【0007】
航空宇宙機のステルス特性を改善する研究の結果、それには非対称形状のレードームが好ましいことがわかっている。航空宇宙機のレーダー回避能力が向上するからである。しかし、非対称形状レードームにおいては、そのような複合3次元形状構造を構成することがさらに難しい。提案されている解決策としては、自動テープ敷技術、すなわち、ガラス(または石英)プリプレグのストリップをオス型マンドレル上に敷いていく方法がある。そのためには、テープ敷ヘッドは自由に動くことができ、常に一定の圧力でテープを正確に並べて配置することが可能でなくてはならない。そのような機械を利用することは可能であるが、非常に高価である。
【0008】
加えて、レードームは軸外方向に強化される必要がある場合もある。例えば、好ましくは約±45°方向にねじり強さまたはねじり剛性を必要とする。また他にも、支圧強度として、0°と90°の方向の強化にそって±45°方向を強化することが求められる。最終的な構造体において、連続する充填繊維はプリフォームの輪(90°)方向に、縦糸繊維は軸方向の輪郭(0°方向)に沿って、該縦糸および充填繊維が互いに配置される現在の基本的な織技術では、軸外強化を行うことが難しい。したがって、±45°方向に沿った強化を行うことができない。
【0009】
軸外強化をなすには、一般に2つのやり方がある。1つは、斜めに2次元平面の布を切るやり方である。そういった軸外強化は非常に多くの手作業を必要とし、そして縫い目が生じるので、0°/90°の靴下形状物が完全な管状となることが妨害され、前述したように、レードームの構造性および誘電性に悪影響を与える。しかし、そういった軸外強化は非常に巨大なプリフォームを作る際には使用されてよい。2つめとして、編み上げ靴下形状物を使用するやり方がある。このやり方ではプリフォームを本来の管状の形状に保つことが可能であるが、しかしプリフォームの大きさが制限されてしまう。さらに、このやり方は完全な円状の輪(90°)の強化をすることができない。
【0010】
したがって、軸外強化がされた対称および非対称形状の物体を形成するための、コストパフォーマンスの良い方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に従うことで、織物体を軸外強化するための装置が提供される。その装置は、固定マンドレルと回転マンドレルとからなる。回転マンドレルは、固定マンドレルに対して回転する。織物体の一部は固定マンドレルに固定されることが可能であり、一方、織物体の第2の部分もまた回転マンドレルに固定されることが可能である。回転するとき、回転マンドレルは、充填または輪状繊維が実質的に90°方向に平行のままでありながら、織物体の縦繊維を0°方向からねじり外すことが可能である。
【0012】
本発明の別の様態として、軸外強化された織繊維を形成する方法がある。その方法は、実質的に0°方向に平行に並んだ縦繊維と、実質的に90°(輪)方向に平行に並んだ充填または輪状繊維とで、プリフォームを織り合わせることを含む。できあがったプリフォームは、プリフォームの第2の部分に対してプリフォームの第1の部分を抑えることによってねじられる。そのようにねじることで、充填または輪状繊維が実質的に90°方向に平行のままでありながら、縦繊維を0°方向からねじり外すことが可能になる。
【0013】
本発明のさらなる様態として、まず複数の縦または充填繊維を有する対称形状の織物体を形成し、それからそれを非対称形状の物体へと変形させる方法がある。
【0014】
本発明に従うことで得られる他の特徴および利点は、例示されている実施形態に関するこれから述べる詳細な記述を、対応する構成要素が同じ指示番号によって示されている付属の図面とともに理解することで明らかとなる。
【0015】
本発明のより完全な理解のためには、これより続く記載と付属の図面を参照されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示されているように、本発明の第1の形態において、開いたまたは閉じられた端部を有する対称形状の靴下状プリフォーム10は、実質的に0°方向16と平行である縦糸繊維12と、実質的に90°方向または輪方向18と平行である充填または輪状繊維14と、を含む。ここで、輪状または充填繊維はプリフォームの円周を巡る繊維のことで、および90°の方向というのはプリフォームの円周を巡る方向のことであり、また、縦糸繊維および0°方向はプリフォームの輪状繊維に対して垂直に巡っている繊維および方向である。対称形状プリフォーム10は、通常の3次元ジャカード織によって織られてよい。縦糸繊維および充填繊維は、プリフォームを織るために使用できる繊維のタイプであればいずれのものでもよい。さらに、繊維にはポリマー樹脂が予め含浸されていてよい。
【0017】
図2に示されているように、対称形状プリフォーム10は、実質的に回転マンドレル22に対して垂直に配置された縦糸繊維12と、実質的に回転マンドレル22に対して平行に配置された充填または輪状繊維14と、を有する固定マンドレル20の上に配置される。図4aに示してあるように、軸外強化をするためには、特別に設計された固定具25が使用される。図4bのA−A線で固定具25を切断した断面図が、図5に示されている。固定具25は2つの主となる部分を有しており、それは固定マンドレル24と回転マンドレル22とである。対称形状プリフォーム10は、固定マンドレル24の上部28と、回転マンドレル22の下部30とに固定される。
【0018】
プリフォームの構造的剛性および強度を向上させるには、軸外強化をなすために縦糸12をせん断するまたはねじることが望ましい。
【0019】
求められるせん断および形状は、求められている最終体の形状をしている回転固定具25上の対称形状プリフォーム10をねじることによって得られる。図3にあるように、回転マンドレル22が回転した後、縦糸繊維12は0°方向16からねじり外されており、もはや回転マンドレル22の基部に対して実質的には垂直になってはいない。しかし、充填または輪状繊維14は、回転マンドレル22の基部または90°方向18と実質的に平行のままである。基本的な概念は、充填または輪状繊維14が実質的に90°方向にある一方、軸強化すなわち0°の繊維または縦糸繊維12が望ましい軸外の角度にねじれるように、0°/90°の靴下形状物をせん断することである。
【0020】
ねじることによって縦糸繊維が0°方向からせん断されたとき、プリフォーム10の長さは短くなる。プリフォーム10の短くなった部分を補うために、図4bに示されているように、回転マンドレル22のシャフト32が、固定マンドレル24の中央を通る穴34のなかを上下に自由に動くことができる。対称形状プリフォーム10の短くなった部分は計算され、プリフォーム10が対称形状のデザインおよび構成となるように補われる。
【0021】
繊維を詰めて織った布においては、プリフォームまたは靴下形状物が曲がり始める前に、約20°以下の角度で軸外強化が得られる。より大きな角度で軸外強化するためには、曲げるのに先だって、靴下をさらにねじることができるようにより糸目の粗い布を使用すればよい。
【0022】
このタイプのプリフォームを利用する複合構造は、バランス構造技術を使用することで形成される。すなわち、+θ°傾くごとに、それに合わせて−θ°の傾きを作る。これは第1の方向または負の方向にねじられている靴下形状物と、第2の方向または正の方向にねじられている靴下形状物と、を組にすることによって達成される。また、ねじられた靴下形状物は、軸外強化と同様の0°/90°強化を有する結合されたプリフォームを提供するために、ねじられていない靴下と結合されることが可能である。それらの靴下状プリフォームは、最終的な複合体の求められる強化、厚さおよび強度を達成するために必要であれば、いかなる組み合わせまたは数で結合されてもよい。結果、縫い目のないプリフォームは全ての方向に強化がなされている故に、軸外強化がされていない、すなわちねじられていないプリフォームと比較して、増強された機械的特性を有するに至る。それから、プリフォームは、樹脂トランスファー成形といった既存の製造技術を使用することで、複合構造へと加工されることが可能である。
【0023】
3次元ジャカード織技術は、対称形状の靴下状プリフォームを安い費用で作る手段を提供する。しかしまた、当業者に知られている他の既存の技術も、本発明の範囲から逸脱することない限り使用されてよい。
【0024】
図6aは、対称形状のプリフォーム36を示している。図6bは、対称形状のプリフォーム36が非対称形状のプリフォーム38へと変形した様子を示している。対称形状のプリフォーム36は非対称形状のマンドレルに合わせることができる。すなわち、対称形状の靴下状プリフォームの輪または円周長は、輪または円周の長手方向が不連続である非対称形状体の輪または円周長とぴったり合う。例えば、図7は、図8にも示されている非対称形状のプリフォーム46が、2つの交差している円40から構成されている様子を示している。図7および図9は、交差している円40の2つの交差している弧42および44の長さを足し合わせると、その合計値は対称形状のプリフォームである円50の円周48と等しいことを示している。
【0025】
図10は、非対称形状のマンドレルと合うようにデザインされた形に整えられた対称形状のプリフォームまたは靴下形状物50を示している。図11は、マンドレル形状と適合するように非対称形状のマンドレル上に配置された後の、対称形状プリフォームまたは靴下形状物50を示している。それから、そのような非対称形状のプリフォームは、軸外強化をするためにねじられる。その結果、軸外強化52がなされた非対称形状体を得ることができる。それから、そのようにして得られたプリフォームは、樹脂トランスファー成形といった既存の製造技術を使用することで、複合構造へとさらに加工されることが可能である。
【0026】
したがって、軸外強化がなされた対称形状および非対称形状体の双方は、靴下状プリフォームから構成されることがわかる。
【0027】
本発明の好ましい実施形態およびその変形態をこれまで詳細に記載してきたが、本発明はそれら詳細な実施形態および変形態に限定されることはなく、付随の請求項によって規定されている本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、当業者によって他の変形態や別様態がもたらされることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】対称形状のプリフォームの平面図である。
【図2】本発明の1つの形態に従ってねじられる前の、回転固定具上に配置された対称形状のプリフォームの平面図である。
【図3】ねじられた後の、図2の対称形状のプリフォームの平面図である。
【図4a】図2の回転固定具の平面図である。
【図4b】図4aの回転固定具の上面図である。
【図5】図4bの回転固定具のA−A線における断面図である。
【図6a】本発明の1つの形態に従う対称形状のプリフォームである。
【図6b】本発明の他の形態に従う非対称形状のプリフォームである。
【図7】図6bに示されている非対称形状を得るために使用される交差している円を示す図である。
【図8】図7の交差している円によって形成された非対称形状である。
【図9】非対称形状を得るために使用される対称形状の円周を示す図である。
【図10】本発明の1つの実施形態に従う対称形状のプリフォームの平面図である。
【図11】本発明の1つの実施形態に従う非対称形状のプリフォームの平面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 対称形状の靴下状プリフォーム
12 縦糸繊維
14 充填または輪状繊維
16 0°方向
18 90°方向または輪方向
20 固定マンドレル
22 回転マンドレル
24 固定マンドレル
25 固定具
28 固定マンドレルの上部
30 回転マンドレルの下部
32 シャフト
34 穴
36 対称形状のプリフォーム
38 非対称形状のプリフォーム
40 2つの交差している円
42 弧
44 弧
46 非対称形状のプリフォーム
48 円周
50 円
52 軸外強化
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸外強化された対称および非対称の形状、および軸外強化されたシームレス織構造を有する対称および非対称形状を形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レードームは、航空宇宙産業において使用されるハウジングであり、それは外部環境からアンテナ、レーダーまたは同様の装置を保護する。例えば、レードームは、周辺環境における強風、着氷および/または温度からアンテナを保護するために使用される。そのような保護がないと、それらの装置は、使用されている場所において雨、熱、腐食、圧力および他の損傷といった好ましくない影響を受けやすい。
【0003】
航空宇宙の分野で使用されるレードームは、一般的に、円錐、半球、回転放物面または回転半楕円面といった形態の軸対称または対称の形状をしている。しかし、そういった形状のレードームは、政府機関(government agensies)によって課せられたレーダー断面(RCS)の要求を満たしていない。すなわち、先行技術のレードームは、その幾何学的形状によって装置全体を十分に保護するけれども、高いRCS値を有しており、したがって簡単にレーダーによって探知される。残念なことに、レーダー吸収体はレードームのなかに保持されている構成要素による信号の送信および受信を妨害するので、一般的にレードームと共には使用されない。例えば、いくつかの航空宇宙産業への応用において、レードームは空気力および気象によるダメージから被包された装置を保護しつつ、該装置が設置されたことにより航空機の空気力学的特性が乱されることを防ぐのと同時に、レーダー電波の送信および受信を可能とする。そういった装置へと送られる、または装置から送られる信号を妨害することは、それら装置を役立たずにすることである。
【0004】
レードームに関して航空宇宙産業が直面しているもう1つのデザイン上の問題は、レードームを構成するために使用される材料が、伝送された信号を妨害しないように、十分に誘電性の低いのものでなければならないということである。加えて、誘電性が非均一であるとレードームに入るまたはそれから離れる送受信信号に悪影響を与えるので、材料の誘電性は均一でなければならない。例えば、レードームは一般的に、複合構造である。その複合構造は通常、誘電性が低いポリマーであるマトリックス材を含有するガラスまたは石英繊維よりなるプリフォームからなる。このタイプのレードームは、樹脂トランスファー金型を使用することで、またはガラス繊維プリプレグを積層することで構成される。“プリプレグ”という用語は、ポリマー樹脂が予め含浸されている布または単一方向のテープを意味するものとして一般に使用されている。樹脂トランスファー成形された部材からプリフォームは、例えば、個々のガラス繊維の切断および縫製を通して、成形織、ポーラー織、ジャカード織(シャトル織機)などの方法で作られる。しかし、それらの技術は時間がかかり、さらに、次のような重大な欠点を有している。すなわち、そのような方法で作られたレードームは少なくとも1つは縫い目を有しており、そういった縫い目はしばしば、過酷な条件においてレードームの構造に不具合が生じる原因となる。また、縫い目の領域で誘電性が不均一になり、信号の送受信に悪影響を及ぼすことがあるので、レードームにおいて縫い目があることは望ましくない。
【0005】
しかし、3次元ジャカード織技術は、レードームの構成に使用されてよい。その技術を用いることで、一片の布から靴下状(sock−like)のプリフォームを構成することが可能である。このタイプの靴下状プリフォームには縫い目がなく、したがって縫い目に関連する重大な問題を回避することができるので好ましい。基本的な織構造では、最終的な構造体において、連続する充填繊維はプリフォームの輪(hoop)(90°)方向に沿って、縦糸繊維は軸方向の輪郭(0°方向)に沿って配置されおり、そのようにして該縦糸繊維と該充填繊維は互いに定められている。したがって、3次元ジャカード織のシームレス靴下状プリフォームは他の技術よりも好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
選択的に縦糸繊維を包含したり排除したりすることによって、それらの靴下形状物は、閉じられた端部を有するまたは有さない様々な寸法の形状へと形成される。それは1つの層で織られてもよいが、望ましい厚さまで積層された多層の靴下形状物が形成されてもよい。それから、そのプリフォームは、前述の製造技術を使用することで複合構造へと加工される。しかし、現在の技術では、織複合3次元形状、例えば非対称形状を形成することは非常に難しい。
【0007】
航空宇宙機のステルス特性を改善する研究の結果、それには非対称形状のレードームが好ましいことがわかっている。航空宇宙機のレーダー回避能力が向上するからである。しかし、非対称形状レードームにおいては、そのような複合3次元形状構造を構成することがさらに難しい。提案されている解決策としては、自動テープ敷技術、すなわち、ガラス(または石英)プリプレグのストリップをオス型マンドレル上に敷いていく方法がある。そのためには、テープ敷ヘッドは自由に動くことができ、常に一定の圧力でテープを正確に並べて配置することが可能でなくてはならない。そのような機械を利用することは可能であるが、非常に高価である。
【0008】
加えて、レードームは軸外方向に強化される必要がある場合もある。例えば、好ましくは約±45°方向にねじり強さまたはねじり剛性を必要とする。また他にも、支圧強度として、0°と90°の方向の強化にそって±45°方向を強化することが求められる。最終的な構造体において、連続する充填繊維はプリフォームの輪(90°)方向に、縦糸繊維は軸方向の輪郭(0°方向)に沿って、該縦糸および充填繊維が互いに配置される現在の基本的な織技術では、軸外強化を行うことが難しい。したがって、±45°方向に沿った強化を行うことができない。
【0009】
軸外強化をなすには、一般に2つのやり方がある。1つは、斜めに2次元平面の布を切るやり方である。そういった軸外強化は非常に多くの手作業を必要とし、そして縫い目が生じるので、0°/90°の靴下形状物が完全な管状となることが妨害され、前述したように、レードームの構造性および誘電性に悪影響を与える。しかし、そういった軸外強化は非常に巨大なプリフォームを作る際には使用されてよい。2つめとして、編み上げ靴下形状物を使用するやり方がある。このやり方ではプリフォームを本来の管状の形状に保つことが可能であるが、しかしプリフォームの大きさが制限されてしまう。さらに、このやり方は完全な円状の輪(90°)の強化をすることができない。
【0010】
したがって、軸外強化がされた対称および非対称形状の物体を形成するための、コストパフォーマンスの良い方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に従うことで、織物体を軸外強化するための装置が提供される。その装置は、固定マンドレルと回転マンドレルとからなる。回転マンドレルは、固定マンドレルに対して回転する。織物体の一部は固定マンドレルに固定されることが可能であり、一方、織物体の第2の部分もまた回転マンドレルに固定されることが可能である。回転するとき、回転マンドレルは、充填または輪状繊維が実質的に90°方向に平行のままでありながら、織物体の縦繊維を0°方向からねじり外すことが可能である。
【0012】
本発明の別の様態として、軸外強化された織繊維を形成する方法がある。その方法は、実質的に0°方向に平行に並んだ縦繊維と、実質的に90°(輪)方向に平行に並んだ充填または輪状繊維とで、プリフォームを織り合わせることを含む。できあがったプリフォームは、プリフォームの第2の部分に対してプリフォームの第1の部分を抑えることによってねじられる。そのようにねじることで、充填または輪状繊維が実質的に90°方向に平行のままでありながら、縦繊維を0°方向からねじり外すことが可能になる。
【0013】
本発明のさらなる様態として、まず複数の縦または充填繊維を有する対称形状の織物体を形成し、それからそれを非対称形状の物体へと変形させる方法がある。
【0014】
本発明に従うことで得られる他の特徴および利点は、例示されている実施形態に関するこれから述べる詳細な記述を、対応する構成要素が同じ指示番号によって示されている付属の図面とともに理解することで明らかとなる。
【0015】
本発明のより完全な理解のためには、これより続く記載と付属の図面を参照されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示されているように、本発明の第1の形態において、開いたまたは閉じられた端部を有する対称形状の靴下状プリフォーム10は、実質的に0°方向16と平行である縦糸繊維12と、実質的に90°方向または輪方向18と平行である充填または輪状繊維14と、を含む。ここで、輪状または充填繊維はプリフォームの円周を巡る繊維のことで、および90°の方向というのはプリフォームの円周を巡る方向のことであり、また、縦糸繊維および0°方向はプリフォームの輪状繊維に対して垂直に巡っている繊維および方向である。対称形状プリフォーム10は、通常の3次元ジャカード織によって織られてよい。縦糸繊維および充填繊維は、プリフォームを織るために使用できる繊維のタイプであればいずれのものでもよい。さらに、繊維にはポリマー樹脂が予め含浸されていてよい。
【0017】
図2に示されているように、対称形状プリフォーム10は、実質的に回転マンドレル22に対して垂直に配置された縦糸繊維12と、実質的に回転マンドレル22に対して平行に配置された充填または輪状繊維14と、を有する固定マンドレル20の上に配置される。図4aに示してあるように、軸外強化をするためには、特別に設計された固定具25が使用される。図4bのA−A線で固定具25を切断した断面図が、図5に示されている。固定具25は2つの主となる部分を有しており、それは固定マンドレル24と回転マンドレル22とである。対称形状プリフォーム10は、固定マンドレル24の上部28と、回転マンドレル22の下部30とに固定される。
【0018】
プリフォームの構造的剛性および強度を向上させるには、軸外強化をなすために縦糸12をせん断するまたはねじることが望ましい。
【0019】
求められるせん断および形状は、求められている最終体の形状をしている回転固定具25上の対称形状プリフォーム10をねじることによって得られる。図3にあるように、回転マンドレル22が回転した後、縦糸繊維12は0°方向16からねじり外されており、もはや回転マンドレル22の基部に対して実質的には垂直になってはいない。しかし、充填または輪状繊維14は、回転マンドレル22の基部または90°方向18と実質的に平行のままである。基本的な概念は、充填または輪状繊維14が実質的に90°方向にある一方、軸強化すなわち0°の繊維または縦糸繊維12が望ましい軸外の角度にねじれるように、0°/90°の靴下形状物をせん断することである。
【0020】
ねじることによって縦糸繊維が0°方向からせん断されたとき、プリフォーム10の長さは短くなる。プリフォーム10の短くなった部分を補うために、図4bに示されているように、回転マンドレル22のシャフト32が、固定マンドレル24の中央を通る穴34のなかを上下に自由に動くことができる。対称形状プリフォーム10の短くなった部分は計算され、プリフォーム10が対称形状のデザインおよび構成となるように補われる。
【0021】
繊維を詰めて織った布においては、プリフォームまたは靴下形状物が曲がり始める前に、約20°以下の角度で軸外強化が得られる。より大きな角度で軸外強化するためには、曲げるのに先だって、靴下をさらにねじることができるようにより糸目の粗い布を使用すればよい。
【0022】
このタイプのプリフォームを利用する複合構造は、バランス構造技術を使用することで形成される。すなわち、+θ°傾くごとに、それに合わせて−θ°の傾きを作る。これは第1の方向または負の方向にねじられている靴下形状物と、第2の方向または正の方向にねじられている靴下形状物と、を組にすることによって達成される。また、ねじられた靴下形状物は、軸外強化と同様の0°/90°強化を有する結合されたプリフォームを提供するために、ねじられていない靴下と結合されることが可能である。それらの靴下状プリフォームは、最終的な複合体の求められる強化、厚さおよび強度を達成するために必要であれば、いかなる組み合わせまたは数で結合されてもよい。結果、縫い目のないプリフォームは全ての方向に強化がなされている故に、軸外強化がされていない、すなわちねじられていないプリフォームと比較して、増強された機械的特性を有するに至る。それから、プリフォームは、樹脂トランスファー成形といった既存の製造技術を使用することで、複合構造へと加工されることが可能である。
【0023】
3次元ジャカード織技術は、対称形状の靴下状プリフォームを安い費用で作る手段を提供する。しかしまた、当業者に知られている他の既存の技術も、本発明の範囲から逸脱することない限り使用されてよい。
【0024】
図6aは、対称形状のプリフォーム36を示している。図6bは、対称形状のプリフォーム36が非対称形状のプリフォーム38へと変形した様子を示している。対称形状のプリフォーム36は非対称形状のマンドレルに合わせることができる。すなわち、対称形状の靴下状プリフォームの輪または円周長は、輪または円周の長手方向が不連続である非対称形状体の輪または円周長とぴったり合う。例えば、図7は、図8にも示されている非対称形状のプリフォーム46が、2つの交差している円40から構成されている様子を示している。図7および図9は、交差している円40の2つの交差している弧42および44の長さを足し合わせると、その合計値は対称形状のプリフォームである円50の円周48と等しいことを示している。
【0025】
図10は、非対称形状のマンドレルと合うようにデザインされた形に整えられた対称形状のプリフォームまたは靴下形状物50を示している。図11は、マンドレル形状と適合するように非対称形状のマンドレル上に配置された後の、対称形状プリフォームまたは靴下形状物50を示している。それから、そのような非対称形状のプリフォームは、軸外強化をするためにねじられる。その結果、軸外強化52がなされた非対称形状体を得ることができる。それから、そのようにして得られたプリフォームは、樹脂トランスファー成形といった既存の製造技術を使用することで、複合構造へとさらに加工されることが可能である。
【0026】
したがって、軸外強化がなされた対称形状および非対称形状体の双方は、靴下状プリフォームから構成されることがわかる。
【0027】
本発明の好ましい実施形態およびその変形態をこれまで詳細に記載してきたが、本発明はそれら詳細な実施形態および変形態に限定されることはなく、付随の請求項によって規定されている本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、当業者によって他の変形態や別様態がもたらされることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】対称形状のプリフォームの平面図である。
【図2】本発明の1つの形態に従ってねじられる前の、回転固定具上に配置された対称形状のプリフォームの平面図である。
【図3】ねじられた後の、図2の対称形状のプリフォームの平面図である。
【図4a】図2の回転固定具の平面図である。
【図4b】図4aの回転固定具の上面図である。
【図5】図4bの回転固定具のA−A線における断面図である。
【図6a】本発明の1つの形態に従う対称形状のプリフォームである。
【図6b】本発明の他の形態に従う非対称形状のプリフォームである。
【図7】図6bに示されている非対称形状を得るために使用される交差している円を示す図である。
【図8】図7の交差している円によって形成された非対称形状である。
【図9】非対称形状を得るために使用される対称形状の円周を示す図である。
【図10】本発明の1つの実施形態に従う対称形状のプリフォームの平面図である。
【図11】本発明の1つの実施形態に従う非対称形状のプリフォームの平面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 対称形状の靴下状プリフォーム
12 縦糸繊維
14 充填または輪状繊維
16 0°方向
18 90°方向または輪方向
20 固定マンドレル
22 回転マンドレル
24 固定マンドレル
25 固定具
28 固定マンドレルの上部
30 回転マンドレルの下部
32 シャフト
34 穴
36 対称形状のプリフォーム
38 非対称形状のプリフォーム
40 2つの交差している円
42 弧
44 弧
46 非対称形状のプリフォーム
48 円周
50 円
52 軸外強化
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物体を軸外強化するための装置であって、
固定マンドレルと、
前記固定マンドレルに対して回転運動する回転マンドレルと、
前記物体の第1の部分を固定するために前記固定マンドレル上に配置されている固定手段と、
前記物体の第2の部分を固定するために前記回転マンドレル上に配置されている固定手段と、
からなり、前記回転マンドレルが回転することによって、充填または輪状繊維が実質的に90°方向と平行のままである一方、前記織物体の縦糸繊維は0°方向からねじり外されることを特徴とする織物体を軸外強化するための装置。
【請求項2】
前記固定マンドレルのなかを通るように配置されたシャフトからさらになり、前記シャフトは、回転している前記回転マンドレルを前記固定マンドレルに対して垂直に移動させることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記織物体は、ジャカード技術を使用することで織り合わせられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記織物体は、シームレスであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記固定マンドレルは、対称形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記固定マンドレルは、非対称形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記固定マンドレルは、レードーム形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記織物体は、比較的に繊維を詰めて織られていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記回転マンドレルは、いずれの方向にも約20°以下の角度で回転することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記織物体の前記縦糸繊維は、軸外に約20°移動することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記織物体は、比較的に糸目が粗く織られていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項12】
前記回転マンドレルは、いずれの方向にも約45°以下の角度で回転することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記織物体の前記縦糸繊維は、軸外に約45°移動することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
軸外強化をされた織物体を形成する方法であって、
前記方法は、
実質的に0°方向に平行に並ぶ縦糸繊維と、実質的に90°(輪)方向に平行に並ぶ充填繊維とで、プリフォームを織り合わせる工程と、
前記プリフォームの第2の部分に対して、前記プリフォームの第1の部分を抑えることによって前記プリフォームをねじる工程と、
からなり、前記ねじる工程によって、充填または輪状繊維が実質的に90°方向に平行のままである一方、縦糸繊維を0°方向からねじり外すことが可能となることを特徴とする軸外強化をされた織物体を形成する方法。
【請求項15】
前記織プリフォームは、ジャカード織技術を使用することで織り合わせられることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記織プリフォームは、シームレスであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記織プリフォームは、対称形状をしていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記対称形状の織プリフォームは、非対称形状のプリフォームへと形成されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
織プリフォームを回転固定具に配置する工程からさらになることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
回転固定具は、固定マンドレルと回転マンドレルとからなることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記プリフォームの第2の部分に対して、固定マンドレル上の前記プリフォームの第1の部分を抑える工程からさらになることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ねじる工程は、前記回転マンドレルを回転させることによって実行されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ねじる工程では、前記回転マンドレルの回転角度に応じて0°方向から前記縦糸繊維をねじり外すことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記輪または充填繊維は、前記ねじる工程の後にも、実質的に90°方向と平行に維持されていることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記固定マンドレルは、対称形状をしていることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記マンドレルは、非対称形状をしていることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記回転は、約45°以下の範囲であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項28】
織物体であって、
0°方向からねじり外された複数の縦糸繊維と、
実質的に90°(輪)方向に平行に並んでいる複数の充填または輪状繊維と、
からなり、0°方向からねじり外された複数の縦糸繊維は、織物体の軸外強化をもたらすことを特徴とする織物体。
【請求項29】
ジャカード技術を使用することで形成されていることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項30】
前記織物体は、シームレスであることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項31】
前記織物体は、対称形状をしていることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項32】
前記織物体は、非対称形状をしていることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項33】
前記織物体は、レードームのためのプリフォームであることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項34】
前記織物体は、開放された端部を有することを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項35】
前記織物体は、閉じられた端部を有することを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項36】
繊維には、ポリマー樹脂が含浸されていることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項37】
2つ以上の層を有するプリフォームから形成された構造からさらになることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項38】
前記層は、1つ以上の正の方向にねじられた次のプリフォーム、負の方向にねじられたプリフォームおよびねじられていないプリフォームからなる群より選択されることを特徴とする請求項37に記載の織物体。
【請求項1】
織物体を軸外強化するための装置であって、
固定マンドレルと、
前記固定マンドレルに対して回転運動する回転マンドレルと、
前記物体の第1の部分を固定するために前記固定マンドレル上に配置されている固定手段と、
前記物体の第2の部分を固定するために前記回転マンドレル上に配置されている固定手段と、
からなり、前記回転マンドレルが回転することによって、充填または輪状繊維が実質的に90°方向と平行のままである一方、前記織物体の縦糸繊維は0°方向からねじり外されることを特徴とする織物体を軸外強化するための装置。
【請求項2】
前記固定マンドレルのなかを通るように配置されたシャフトからさらになり、前記シャフトは、回転している前記回転マンドレルを前記固定マンドレルに対して垂直に移動させることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記織物体は、ジャカード技術を使用することで織り合わせられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記織物体は、シームレスであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記固定マンドレルは、対称形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記固定マンドレルは、非対称形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記固定マンドレルは、レードーム形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記織物体は、比較的に繊維を詰めて織られていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記回転マンドレルは、いずれの方向にも約20°以下の角度で回転することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記織物体の前記縦糸繊維は、軸外に約20°移動することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記織物体は、比較的に糸目が粗く織られていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項12】
前記回転マンドレルは、いずれの方向にも約45°以下の角度で回転することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記織物体の前記縦糸繊維は、軸外に約45°移動することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
軸外強化をされた織物体を形成する方法であって、
前記方法は、
実質的に0°方向に平行に並ぶ縦糸繊維と、実質的に90°(輪)方向に平行に並ぶ充填繊維とで、プリフォームを織り合わせる工程と、
前記プリフォームの第2の部分に対して、前記プリフォームの第1の部分を抑えることによって前記プリフォームをねじる工程と、
からなり、前記ねじる工程によって、充填または輪状繊維が実質的に90°方向に平行のままである一方、縦糸繊維を0°方向からねじり外すことが可能となることを特徴とする軸外強化をされた織物体を形成する方法。
【請求項15】
前記織プリフォームは、ジャカード織技術を使用することで織り合わせられることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記織プリフォームは、シームレスであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記織プリフォームは、対称形状をしていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記対称形状の織プリフォームは、非対称形状のプリフォームへと形成されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
織プリフォームを回転固定具に配置する工程からさらになることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
回転固定具は、固定マンドレルと回転マンドレルとからなることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記プリフォームの第2の部分に対して、固定マンドレル上の前記プリフォームの第1の部分を抑える工程からさらになることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ねじる工程は、前記回転マンドレルを回転させることによって実行されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ねじる工程では、前記回転マンドレルの回転角度に応じて0°方向から前記縦糸繊維をねじり外すことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記輪または充填繊維は、前記ねじる工程の後にも、実質的に90°方向と平行に維持されていることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記固定マンドレルは、対称形状をしていることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記マンドレルは、非対称形状をしていることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記回転は、約45°以下の範囲であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項28】
織物体であって、
0°方向からねじり外された複数の縦糸繊維と、
実質的に90°(輪)方向に平行に並んでいる複数の充填または輪状繊維と、
からなり、0°方向からねじり外された複数の縦糸繊維は、織物体の軸外強化をもたらすことを特徴とする織物体。
【請求項29】
ジャカード技術を使用することで形成されていることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項30】
前記織物体は、シームレスであることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項31】
前記織物体は、対称形状をしていることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項32】
前記織物体は、非対称形状をしていることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項33】
前記織物体は、レードームのためのプリフォームであることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項34】
前記織物体は、開放された端部を有することを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項35】
前記織物体は、閉じられた端部を有することを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項36】
繊維には、ポリマー樹脂が含浸されていることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項37】
2つ以上の層を有するプリフォームから形成された構造からさらになることを特徴とする請求項28に記載の織物体。
【請求項38】
前記層は、1つ以上の正の方向にねじられた次のプリフォーム、負の方向にねじられたプリフォームおよびねじられていないプリフォームからなる群より選択されることを特徴とする請求項37に記載の織物体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−520847(P2008−520847A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543109(P2007−543109)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/040303
【国際公開番号】WO2006/055320
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(501196677)アルバニー インターナショナル テクニウェイブ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/040303
【国際公開番号】WO2006/055320
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(501196677)アルバニー インターナショナル テクニウェイブ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
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