説明

軸対称レンズの製造方法

【課題】被削材の形状に制約されずに表面に高精度のレンズ形状を安価に形成することが可能な軸対称レンズの製造方法を提供する。
【解決手段】回転駆動される研削工具10の端部に、研削工具10の回転中心にその中心軸を合わせて製造しようとする軸対称のレンズ形状を予め形成しておき、研削工具10を回転させた状態で被削材17に押し当て、研削工具10の端部に形成されたレンズ形状を被削材17の表面に形成する。ここで、レンズはフレネルレンズとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転する研削工具を被削材に押し当て研削工具の端部に形成されたレンズ形状を被削材の表面に形成する軸対称レンズの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製品、デジタル機器の小型化、軽量化に伴い、微細な高精度部品が必要となってきている。これにより、部品を製造する金型を製作する金型メーカーに対しても、金型の微細化、高精度化、納期短縮化の要求がますます厳しいものとなっている。そして、携帯電話等のデジタル機器には、多くの光学系が使用されている。これらの機器の光学系には、集光等のためのレンズが使用されており、これらのレンズに関しても更に小型化、薄型化、高精度化、納期短縮化の要求が強まってきている。そこで、レンズの小型化、薄型化を達成する方法のひとつとして、デジタル機器のレンズに、従来の球面レンズからフレネルレンズを使用することが検討されるようになっている。しかし、微細フレネルレンズの金型を従来のような最終仕上げを手作業で行なう金型製作方法で対応することは困難である。そこで、図4に示すように、レンズ金型の母材となる被削材100を旋盤の主軸101の先端面102に取付け、工具にバイト103を使用して、被削材100の端部にフレネルレンズ形状の加工を行なうことが行なわれている。また、被削材の端部に凹溝加工を行なう方法として、バイトの代りに砥石を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。更に、被削材の端部に凹溝加工を行なう方法として、砥石端面を使用した加工方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−237942号公報
【特許文献2】特開平9−70752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、工具にバイト103を使用する方法では、図4に示すように、バイト103の先端部を2軸同時に移動させながら加工を行なう必要があり、レンズ金型の精度が旋盤の運動精度に大きく影響を受け、超精密旋盤を使用することが前提になり、加工コストが高くなるという問題がある。特許文献1に記載された発明では、加工中にフレネル形状の円弧部と砥石の円弧部が相互に干渉するため加工できるフレネル形状の寸法に制限が生じ、溝隅部に鋭いエッジを形成することが非常に困難になる。また、旋盤を使用するため、被削材の形状も円柱状に限定されるという問題もある。特許文献2に記載された発明では、溝隅部に鋭いエッジを形成することは可能であるが、フレネル形状の加工ができないという問題がある。
【0005】
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、被削材の形状に制約されずに表面に高精度なレンズ形状を安価に形成することが可能な軸対称レンズの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係る軸対称レンズの製造方法は、回転駆動される研削工具の端部に、該研削工具の回転中心にその中心軸を合わせて製造しようとする軸対称のレンズ形状を予め形成しておき、前記研削工具を回転させた状態で被削材に押し当て、前記研削工具の端部に形成された前記レンズ形状を前記被削材の表面に形成する。
【0007】
第1の発明に係る軸対称レンズの製造方法において、前記レンズはフレネルレンズとすることができる。また、前記研削工具の前記レンズの形成面の周囲には水平部が設けられ、前記被削材には該研削工具の端部に形成された前記レンズの形成面及びこの周囲に連続する前記水平部を正確にコピーすることができる。
【0008】
前記目的に沿う第2の発明に係る軸対称レンズの製造方法は、回転駆動される研削工具の端部に、該研削工具の回転中心にその中心軸を合わせて製造しようとする軸対称のフレネルレンズの基礎となる全レンズ面を予め形成する第1工程と、
前記第1工程で製造された前記研削工具を回転させた状態で被削材に押し当て、前記研削工具の端部に形成された前記全レンズ面を該被削材に形成する第2工程と、
前工程で製造された前記研削工具の周囲を削って、該研削工具の端部に前工程で製造されたレンズ面より径の小さいレンズ面を形成する第3工程と、
前記第3工程で製造された研削工具を軸心を合わせてその前工程で製造された前記被削材のレンズ面に対して所定深さまで研削する第4工程とを有し、
前記第3工程及び前記第4工程を1又は複数回行う。
【0009】
第1、第2の発明に係る軸対称レンズの製造方法において、前記研削工具の切削部は、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、窒化珪素、炭化珪素、及びアルミナのいずれか1又は2以上を砥粒に使用した砥石であって、該砥粒は導電性を有するメタルボンドで保持されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1及びこれに従属する請求項2、3、5記載の軸対称レンズの製造方法においては、軸心回りに回転させた研削工具を被削材に押し当てて加工を行なうので、工作機械の運動精度に左右される加工誤差の発生を防止して、高精度のレンズ形状の加工を効率的、かつ安価に行なうことができる。また、被削材を固定した状態で、研削工具のみを回転させて加工を行なうので、任意形状の被削材、例えば、角形状被削材の端部の複数箇所にそれぞれレンズ形状の加工を施すことができる。その結果、軸対称レンズの製造用の転写金型のマスター型を効率的、かつ安価に製造することができる。
【0011】
特に、請求項2記載の軸対称レンズの製造方法においては、フレネルレンズのレンズ形状を被削材の表面に効率的、かつ安価に形成することができる。
【0012】
請求項3記載の軸対称レンズの製造方法は、研削工具を途中で交換せずに、被削材の表面に研削工具に形成したレンズの形成面及びその周囲の水平部を正確にコピーするので、レンズ形成面と水平部との接続部に鋭い隅部を効率的、かつ安価に形成することができる。そして、フレネルレンズのレンズ形状を形成する場合、形成された同心環状溝の各溝の両側に容易に隅部及び角部を設けることができる。
【0013】
請求項4及びこれに従属する請求項5記載の軸対称レンズの製造方法においては、軸心回りに回転させた研削工具を被削材に押し当てて加工を行なうので、工作機械の運動精度に左右される加工誤差の発生を防止して、高形状精度のフレネルレンズ面を効率的、かつ安価に形成することができる。また、被削材を固定した状態で、研削工具のみを回転させて加工を行なうので、任意形状の被削材、例えば、角形状被削材の端部の複数箇所にそれぞれフレネルレンズ形状の加工を施すことができる。そして、研削工具の周囲を削りながら全レンズ面に順次径の小さなレンズ面を形成していくので、両側に明確な隅部及び角部が存在する同心環状溝を順次形成することができる。その結果、軸対称フレネルレンズの製造用の転写金型のマスター型を効率的、かつ安価に製造することができる。
【0014】
特に、請求項5記載の軸対称レンズの製造方法においては、砥粒がダイヤモンド、立方晶窒化硼素、窒化珪素、炭化珪素、及びアルミナのいずれか1又は2以上なので研削中に砥石の形状が変化するのを抑制することができる。また、砥粒は導電性のメタルボンド(鉄系又は非鉄金属系)で保持されているので、砥石の成形に放電加工を利用することができ、砥石を任意の形状に高精度かつ容易に加工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る軸対称レンズの製造方法を適用してフレネルレンズ形状を形成する際の状況を示す斜視図、図2は同軸対称レンズの製造方法を適用してフレネルレンズ形状の加工中の状態を示す側断面図、図3(A)〜(D)は本発明の第2の実施の形態に係る軸対称レンズの製造方法を適用したフレネルレンズ形状の加工工程を示す側断面図、(E)は得られたフレネルレンズ形状の側面図である。
【0016】
図1、図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る軸対称レンズの製造方法に使用する研削工具10は、図示しない加工機械(例えば、マシニングセンター)の回転駆動軸に連結される円柱状の工具保持部11と、工具保持部11の先側に設けられ、砥粒12として、例えば、粒径が3〜25μmのダイヤモンドをメタルボンド13で保持した砥石部(砥石からなる切削部)14を有している。ここで、工具保持部11は、例えば、鉄(炭素鋼材又はステンレス鋼材)、超硬、セラミックスのいずれか1つで形成されている。
そして、砥石部14の端面の内側には、研削工具10の回転中心にその中心軸を合わせて製造しようとする軸対称のレンズ形状の一例であるフレネルレンズ形状(反対の面は平面となっている)が形成されたレンズ形成面15が設けられ、レンズ形成面15の周囲には水平部16が設けられている。なお、砥石部14の周方向には、図示しない複数のスリットが研削工具10の回転中心軸と平行に形成されている。スリットを設けることで、研削液を砥石部14の端面中央部に容易に到達させることができると共に、砥石部14の端面で発生した研削屑を研削液に載せて外部に排出させることができる。
【0017】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る軸対称レンズの製造方法を適用してフレネルレンズ形状を形成する場合について説明する。
第1段階として、回転駆動される研削工具10の端部に、研削工具10の回転中心にその中心軸を合わせて製造しようとする軸対称のフレネルレンズ形状が形成されたレンズ形成面15を形成する。ここで、研削工具10は、以下の方法で製造する。先ず、窒化硼素材、グラファイト材、及びセラミックス材のいずれか1又は2以上で構成された図示しない有底円筒状の型枠内に、粒径が3〜25μmのダイヤモンド粉末と鉄粉との混合粉末を充填し加圧成形する。そして、得られた成形体を加熱炉内に入れ、鉄粉同士を焼結させる。これにより、導電性を有する鉄系のメタルボンドでダイヤモンドの砥粒が保持された原砥石部が得られる。そして、得られた原砥石部を、円柱状の工具保持部11の基になる鉄製の棒部材の先端に、例えば、ろう付けすることにより、原研削工具を作製する。
なお、鉄粉の焼結は、真空中で行うことが好ましいが、加熱炉内に不活性ガス(例えば、アルゴンガス)を充満させて行うことも可能である。
【0018】
ここで、混合粉末中のダイヤモンド粉末の割合は、25〜50体積%とする。ダイヤモンド粉末が25体積%未満では、砥石部14単位体積当たりのダイヤモンド含有量が少な過ぎ、研削効率が低下する。一方、ダイヤモンド粉末が50体積%を超えると、相対的にニッケル系ろう材粉末の割合が低下するため、砥石部14内でのダイヤモンドの保持力が低下し、砥石部14の強度が低下して砥石部14が摩耗し易く、均一な研削ができず加工精度が低下する。
【0019】
次いで、原研削工具の棒部材の外周部を旋盤加工して横断面が真円となる工具保持部11を形成して研削工具10を製造する。そして、研削工具10を放電加工により、工具保持部11の回転中心にその中心軸を合わせて、原研削部の端面の内側に製造しようとする軸対称のフレネルレンズの片面全体を形成したレンズ形成面15、その外側の周囲に水平部16を形成することで砥石部14を完成させる。
【0020】
第2段階として、砥石部14を完成させた研削工具10を加工機械の回転駆動軸に工具保持部11を介して連結する。そして、被削材17を加工機械の被削材固定テーブル18上に固定し、研削工具10を回転させた状態で被削材17に押し当て、研削工具10の端部に形成されたレンズ形成面15及び水平部16により、フレネルレンズ形状部19及び水平研削部20を被削材17の表面に形成して行く。そして、研削工具10が被削材17に対して予め設定された切り込み深さに達した時点では、図2に示すように、被削材17には研削工具10の端部に形成されたレンズ形成面15及びこの周囲に連続する水平部16が正確にコピーされ、フレネルレンズ形状部19と水平研削部20との接続部には鋭い隅部20aが形成され、フレネルレンズ形状部19内の同心環状溝の各溝の両側には鋭い隅部20b及び角部20cがそれぞれ形成される。
【0021】
ここで、被削材17としてはセラミック材、例えば、アルミナ、ジルコニア、石英、炭化珪素、及び窒化珪素のいずれか1を使用する。セラミック材を使用することで、フレネルレンズ製造用の転写金型を溶融金属の鋳込みに製作する際のマスター型が得られる。
【0022】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る軸対称レンズの製造方法を適用してフレネルレンズ形状を形成する場合について説明する。
図3(A)に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る軸対称レンズの製造方法は、回転駆動される研削工具21の端部に、研削工具21の回転中心にその中心軸を合わせて製造しようとする軸対称のフレネルレンズの基礎となる全レンズ面22及び全レンズ面22の周囲に水平部23を予め形成する第1工程を有している。ここで、研削工具21は、原研削工具の棒部材の外周部を旋盤加工して横断面が真円となる工具保持部11を形成して製造され、研削工具21を放電加工により、工具保持部11の回転中心にその中心軸を合わせて、原研削部の端面の内側に全レンズ面22、その外側の周囲に水平部23を形成することで研削部(砥石からなる切削部)24を完成させる。
【0023】
また、本発明の第2の実施の形態に係る軸対称レンズの製造方法は、第1工程で製造された研削工具21を回転させた状態で被削材17に押し当て、被削材17の表面に研削工具21の端部に形成された全レンズ面22及び水平部23がコピーされた全レンズ面25及び水平研削面26を形成する第2工程と、図3(B)に示すように、前工程で製造された研削工具21の研削部24の周囲を放電加工で削って、研削工具21の端部に全レンズ面22の直径より径の小さいレンズ面27を形成する第3工程と、第3工程で製造された研削工具28を軸心を合わせて第2工程で製造された全レンズ面25を所定深さまで研削する第4工程とを有している。従って、第4工程終了後では、全レンズ面25の内側にレンズ面27がコピーされたレンズ面29が形成され、その外側に全レンズ面25の残部である第1環状部30が形成される。
【0024】
更に、本発明の第2の実施の形態に係る軸対称レンズの製造方法では、第3工程及び第4工程が1又は複数回(本実施の形態では3回)行なわれる。すなわち、図3(C)に示すように、前工程で製造された研削工具28の研削部24の周囲を放電加工で削って、研削工具28の端部にレンズ面27の直径より径の小さいレンズ面31が形成された研削工具32を製作し、研削工具32の軸心を合わせて前工程で製造されたレンズ面29を所定深さまで研削する。これにより、レンズ面29の内側にレンズ面31がコピーされたレンズ面33が形成され、その外側にレンズ面29の残部である第2環状部34が形成される。
【0025】
更に、図3(D)に示すように、前工程で製造された研削工具32の研削部24の周囲を放電加工で削って、研削工具32の端部にレンズ面31の直径より径の小さいレンズ面35が形成された研削工具36を製作し、研削工具36の軸心を合わせて前工程で製造されたレンズ面33を所定深さまで研削する。これにより、レンズ面33の内側にレンズ面35がコピーされたレンズ面37が形成され、その外側にレンズ面33の残部である第3環状部38が形成される。その結果、図3(E)に示すように、被削材17の表面側に、第1〜第3環状部30、34、38、及びレンズ面37を備えたフレネルレンズ形状部39が形成される。
【0026】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、第1、第2の実施の形態では、ダイヤモンドの砥粒が鉄系のメタルボンドで保持された砥石からなる切削部を有する研削工具を使用したが、ダイヤモンドの砥粒が導電性を有する非鉄金属系(例えば、銅系、銅−錫系)のメタルボンドで保持された切削部を有する研削工具を使用することもできる。また、砥粒としてダイヤモンドの代りに、立方晶窒化硼素、窒化珪素、炭化珪素、及びアルミナのいずれかを使用することができ、更に、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、窒化珪素、炭化珪素、及びアルミナのいずれか2以上を砥粒に使用することもできる。
【0027】
ダイヤモンドの砥粒を鉄系のメタルボンドで保持した原研削工具を作製したが、ダイヤモンド粉末とろう材粉末との混合粉末を有底円筒状の型枠内に充填し、この型枠を加熱炉内に入れてろう材粉末の融点より、例えば50℃程度高い温度まで加熱してろう材粉末を溶融させ、ろう材粉末の全体が溶融したら、型枠の上方から型枠形状に対応した円柱状の工具保持部の基になる鉄製の棒部材を型枠内に装入し、溶融させたろう材を上方から押圧しながら冷却することで、棒部材の先端に、切削部の基になる空隙の存在しない原砥石部が形成された原研削工具を作製することも可能である。ろう材粉末の溶融は、例えば、真空中で行うことが好ましいが、加熱炉内に不活性ガス(例えば、アルゴンガス)を充満させて行なってもよい。また、ろう材としては、例えば、ニッケル系、銅系、コバルト、鉄系、及び銀系のいずれか1を使用することができる。
【0028】
また、第1の実施の形態では、切削部の端面の広さを、フレネルレンズ形状の全体を形成したレンズ形成面とその周囲に形成する水平部が一括して納まる面積としたが、フレネルレンズ形状の一部が形成されたレンズ形成面及びこのレンズ形成面の外側に形成する水平部のみが納まる面積とすることもできる。この場合は、研削液を切削部の端面中央部に容易に到達させることができるので、切削部の周方向に形成するスリットの本数を減少させたり、スリットの形成を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る軸対称レンズの製造方法を適用してフレネルレンズ形状を形成する際の状況を示す斜視図である。
【図2】同軸対称レンズの製造方法を適用してフレネルレンズ形状の加工中の状態を示す側断面図である。
【図3】(A)〜(D)は本発明の第2の実施の形態に係る軸対称レンズの製造方法を適用したフレネルレンズ形状の加工工程を示す側断面図、(E)は得られたフレネルレンズ形状の側面図である。
【図4】従来例に係るフレネルレンズ形状の加工方法の説明図である。
【符号の説明】
【0030】
10:研削工具、11:工具保持部、12:砥粒、13:メタルボンド、14:砥石部、15:レンズ形成面、16:水平部、17:被削材、18:被削材固定テーブル、19:フレネルレンズ形状部、20:水平研削部、20a、20b:隅部、20c:角部、21:研削工具、22:全レンズ面、23:水平部、24:研削部、25:全レンズ面、26:水平研削面、27:レンズ面、28:研削工具、29:レンズ面、30:第1環状部、31:レンズ面、32:研削工具、33:レンズ面、34:第2環状部、35:レンズ面、36:研削工具、37:レンズ面、38:第3環状部、39:フレネルレンズ形状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される研削工具の端部に、該研削工具の回転中心にその中心軸を合わせて製造しようとする軸対称のレンズ形状を予め形成しておき、前記研削工具を回転させた状態で被削材に押し当て、前記研削工具の端部に形成された前記レンズ形状を前記被削材の表面に形成することを特徴とする軸対称レンズの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の軸対称レンズの製造方法において、前記レンズはフレネルレンズであることを特徴とする軸対称レンズの製造方法。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の軸対称レンズの製造方法において、前記研削工具の前記レンズの形成面の周囲には水平部が設けられ、前記被削材には該研削工具の端部に形成された前記レンズの形成面及びこの周囲に連続する前記水平部が正確にコピーされることを特徴とする軸対称レンズの製造方法。
【請求項4】
回転駆動される研削工具の端部に、該研削工具の回転中心にその中心軸を合わせて製造しようとする軸対称のフレネルレンズの基礎となる全レンズ面を予め形成する第1工程と、
前記第1工程で製造された前記研削工具を回転させた状態で被削材に押し当て、前記研削工具の端部に形成された前記全レンズ面を該被削材に形成する第2工程と、
前工程で製造された前記研削工具の周囲を削って、該研削工具の端部に前工程で製造されたレンズ面より径の小さいレンズ面を形成する第3工程と、
前記第3工程で製造された研削工具を軸心を合わせてその前工程で製造された前記被削材のレンズ面に対して所定深さまで研削する第4工程とを有し、
前記第3工程及び前記第4工程を1又は複数回行うことを特徴とする軸対称レンズの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の軸対称レンズの製造方法において、前記研削工具の切削部は、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、窒化珪素、炭化珪素、及びアルミナのいずれか1又は2以上を砥粒に使用した砥石であって、該砥粒は導電性を有するメタルボンドで保持されていることを特徴とする軸対称レンズの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−36719(P2008−36719A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210063(P2006−210063)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(591065549)福岡県 (121)
【Fターム(参考)】