説明

軽量ゴルフグリップ

【課題】軽量ゴルフグリップ用具を提供する。
【解決手段】外側スリーブに固着されるプレモールドキャップを含むゴルフグリップ用具である。ゴルフグリップは、ゴルフクラブシャフトの基端部に装着される。ゴルフグリップは、ゴルフクラブシャフトの外周に配置されるグリップの外側スリーブと、シャフトの基端部に配置されるプレモールドキャップを利用して、ゴルフクラブシャフトに取り外し不能に装着することができる。外側スリーブは、グリップの外側スリーブとクラブシャフトとの間に中空領域を形成するように、十分に薄い所定の壁厚を有しており、グリップの使用中に、このグリップの重量を減少させる。グリップの内面にスペーサを形成して、グリップをシャフトに装着したときに、ゴルフクラブシャフトの位置をグリップ内で保持するようにアシストしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはハンドグリップに関するものであり、特に、軽量ゴルフグリップ用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の市場には、広範囲の活動のために、多くの形式のハンドグリップやスポーツグリップが用いられている。これらのハンドグリップやスポーツグリップは、打撃用具の使用に伴う衝撃を含む、人体に与える衝撃を減少させるために使用することができる。これらの打撃用具の例は、ジャックハンマーからテニスラケットの範囲に及んでいる。打撃用具に分類される数々の他の道具や器具の中に、スカッシュ、ラケットボール及びゴルフなどのスポーツに使用される道具や器具がある。これらのどのスポーツにおいても、プレイヤーは、打撃用具、例えば、ラケットやクラブを用いてボールを打つことになる。プレイヤーが打撃用具を用いてボールを打った際に、プレイヤーの関節や筋肉組織に衝撃が及ぶかもしれない。
【0003】
衝撃は人体に害を及ぼすかもしれないし、また、関節や筋肉組織に損傷を被ったり、或いは、影響を受けやすい人々にとって、特に悪影響となるかもしれない。このグループの中にシニアが含まれる。関節や筋肉への衝撃を軽減させるゴルフグリップ用具に対する要望が存在する。
【0004】
損傷に加えて、高齢者や、筋肉や関節の損傷を受けやすいかどうかにかかわらず、衝撃はどのゴルファーにも不快感を与える。さらに、快適に使用することができるゴルフグリップに対する要望が存在する。
【0005】
ゴルフでは大型サイズのパターが人気を得ている。このパターは打撃用具であるため、ハンドグリップの利用に対して他の機会を示している。ある場合には、小型のパターよりも真っ直ぐな方向に沿ってゴルフボールを移動させることができるため、大型サイズのパターが好まれるかもしれない。あるゴルファーは、真っ直ぐな方向に沿ってボールを打ちたいときには、小型のパターよりも大型サイズのパターを好む。より小型のパターを、大型サイズのパターのほうが適していると思われる条件下で使用した場合、ストローク中に、ゴルファーの手首がターンしてしまうか、或いは、「方向を変えて」しまうかもしれない。大型サイズのパターの場合は、ゴルファーはよりリラックスしてグリップすることができるため、ターン動作が起こることは少ないようである。
【0006】
しかしながら、大型サイズのパターは大型であるために、標準のパターよりも重量が重くなる傾向がある。そのため、使用者は、ゴルフゲームを改善するために、大型サイズのパターを使用したいと思っているが、大型サイズのパターに伴う重量増やサイズのために、このような大型サイズのパターを敬遠してしまうかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの大型サイズのパターを含む、ゴルフクラブの重量を著しく増加させることがないゴルフグリップが要望されている。
本発明は、軽量のゴルフグリップ用具を提供することによって、上述した従来技術の欠点に対処するものである。ゴルフグリップ用具は、一つまたはそれ以上の中空領域を含んでいる。このグリップをシャフトに装着した場合、中空領域内の空気がシャフトによって移動されて、圧縮される。この空気がゴルフグリップに緩衝性と硬さを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの実施の形態に従うと、一つの方法がゴルフクラブグリップに緩衝性を付与する。この方法は、キャップ端部とベル形状端部を備え、さらに、キャップ端部の開口とベル形状端部の開口を有している、細長くほぼ円錐形状の外側スリーブ部品であって、キャップ端部の開口はベル形状端部の開口よりも大きく、また、キャップ端部の開口とベル形状端部の開口との間で外側スリーブの内側に一つまたはそれ以上の内側中空領域を区画するように十分に薄い壁を備え、さらに、ベル形状端部の開口が、ゴルフクラブシャフトに取り付けられるような形状の一つまたはそれ以上の接触領域を含んでいる外側スリーブ部品と、この外側スリーブ部品のキャップ端部の開口に取り付けられる端部キャップと、を含むゴルフグリップ用具を準備するステップを含んでいる。
【0009】
この方法は、さらに、ゴルフグリップ用具をゴルフクラブシャフトにスライド装着して、シャフトにより中空領域内の空気を移動させ、かつ、圧縮することによって、ゴルフグリップ用具に緩衝性と硬さを具備させるステップを含んでいる。この方法は、また、ゴルフグリップ用具の接触領域をゴルフクラブシャフトに取り付けるステップを含んでいる。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、軽量ゴルフグリップ用具が提供される。この軽量グルフグリップは、ゴルフクラブシャフトの基端部に好適にスライド装着される。
グリップ用具は、キャップ端部とベル形状端部を備え、さらに、キャップ端部に開口を備えると共にベル形状端部に開口を備えている細長くほぼ円錐形状の外側スリーブ部品であって、キャップ端部の開口はベル形状端部の開口よりも大きく、また、キャップ端部とベル形状端部との間で外側スリーブの内側に一つまたはそれ以上の内側中空領域を区画するように十分に薄い壁を備えている外側スリーブ部品を含んでいる。この軽量ゴルフグリップは、さらに、外側スリーブ部品のキャップ端部の開口を閉鎖する形状の端部キャップを含んでいる。外側スリーブのベル形状端部は、ゴルフクラブシャフトの少なくとも外面の一部分に取り付けられるような形状の一つまたはそれ以上の接触領域を備えている。
【0011】
本発明のさらに他の特徴によれば、軽量グリップ用具を備えたゴルフクラブが提供される。このゴルフクラブは、ヘッドと細長いシャフトを備えている。このゴルフクラブは、さらに、ベル形状端部とキャップ端部を備え、さらに、キャップ端部に開口を備えると共にベル形状端部に開口を備えている細長くほぼ円錐形状の外側スリーブ部品であって、キャップ端部の開口はベル形状端部の開口よりも大きく、また、キャップ端部とベル形状端部との間で外側スリーブの内側に一つまたはそれ以上の内側中空領域を区画するように十分に薄い壁を備えている外側スリーブ部品と、この外側スリーブ部品のキャップ端部の開口に取り付けられる端部キャップを備えるグリップ用具を含んでいる。外側スリーブのベル形状端部の開口は、細長いシャフトの少なくとも外面の一部分に取り付けられるような形状の一つまたはそれ以上の接触領域を有している。ゴルフクラブは、さらに、一つまたはそれ以上の接触領域を細長いシャフトに固着する接着剤を含んでいる。
【0012】
本発明のさらに他の特徴によれば、軽量ゴルフクラブグリップを製造する方法が提供される。この方法は、第1成形型で第1の成形可能な材料から端部キャップを成形することを含む。この方法は、また、第2成形型で、ベル形状端部とこのベル形状端部よりも大きいキャップ端部を有する、外側スリーブのほぼ円錐形状の外面を、第2の成形可能な材料から成形することを含む。さらに、この方法は、コアバーを用いて、外側スリーブ内に、ほぼ円錐形状で外側スリーブと同じ長さの細長い中空領域をくりぬくことを含んでいる。
本発明のこれらの特徴や利点は他の目的と共に、以下の実施の形態の詳細な説明と図面を見直すことにより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】本発明の実施の形態に従うゴルフグリップを組み込んだゴルフクラブを示す図である。
【図1B】本発明の実施の形態に従うゴルフグリップを組み込んだゴルフクラブを示す図である。
【図1C】本発明の実施の形態に従うゴルフグリップを組み込んだゴルフクラブを示す図である。
【図1D】本発明の実施の形態に従うゴルフグリップを組み込んだゴルフクラブを示す図である。
【図2A】本発明の実施の形態に従う組立前のゴルフグリップ用具の断面図である。
【図2B】本発明の実施の形態に従う組立後のゴルフグリップ用具の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う端部キャップの斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に従うスペーサを備えたゴルフグリップ用具の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に従う図2A及び図2Bのゴルフグリップ用具を形成する工程のフロー図である。
【図6A】本発明の実施の形態に従う図2A及び図2Bのゴルフグリップ用具の外側スリーブ壁の内面を形成するために使用されるコアバーを示す図である。
【図6B】本発明の実施の形態に従う図4のゴルフグリップ用具の外側スリーブの壁の内面を形成するために使用される、スペーサ用の切欠き部を有するコアバーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、軽量成形ゴム部品を組み込んだ軽量ゴルフグリップを提供する。この形式のゴムは、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム化合物、熱可塑性ゴム及び/または熱硬化性ゴムに限定されないが、これらの材料を含む部品として使用される。ゴルフグリップは大型サイズのパターやスイング型ゴルフクラブに使用することができる。当然のことながら、本発明の対象はゴルフグリップとして参照され、また、主題の用具はゴルフグリップに適しているが、本発明はゴルフグリップだけに限定することを意図するものではなく、衝撃を吸収する他のスポーツグリップやハンドグリップも意図するものであることはすぐに分かることである。
【0015】
本発明のゴルフグリップは、ゴルフクラブにスライド自在に装着することができる。図1Aを参照すると、ゴルフクラブシャフトの基端部にスライド自在に装着されるゴルフグリップを含むゴルフクラブの前面図が示されている。ここで、「基端」及び「先端」という用語は、本発明が組み込まれるゴルフクラブを使用するゴルファーの視点に関連するものとして用いられる。ゴルフクラブ100は、先端部に配置されたヘッド110と、細長いシャフト120を含む。ゴルファーの視点から見て、細長いシャフト120の基端部にグリップ用具130がある。
【0016】
図1Bを参照すると、本発明の実施の形態に従うゴルフクラブに装着されたゴルフグリップの断面が示されている。この断面図には、外側スリーブ140とゴルフグリップ用具130の端部キャップ150を見ることができる。図1Dは、図1Bの拡大断面を示している。
【0017】
図1Cを参照すると、ゴルフグリップを含むゴルフクラブの斜視図が示されている。この図は、ゴルファーの視点と同様の図であり、ゴルフグリップ130と端部キャップ150は、細長いシャフト120の基端部にある。
【0018】
図2Aを参照すると、本発明の実施の形態に従う組立前の軽量ゴルフグリップ用具とゴルフクラブシャフトの断面が示されている。図示されるように、ゴルフグリップ用具200は、シャフト240の基端部に配置されたプレモールドキャップ(予め成形したキャップ)210を含んでいる。用具200の主体部は、プレモールドキャップ210に取り付けられる形状の外側スリーブ220を含んでいる。プレモールドキャップ210は、3つの環状リングとノッチ(切欠き部)を有している。第1の環状リングは、端部キャップ210の最も外側の部分であり、シャフトが組み付けられた際に見ることができる。外側スリーブ220の基端部の周囲に沿って配置されたシート部245は、グリップ用具200が組み立てられた際に、プレモールドキャップ210の第2環状リングが外側スリーブ220内に着座されることを許容する。端部キャップ210の先端でノッチの近傍に位置する第3環状リングは、ゴルフグリップが組み立てられた際に、外側スリーブ220の壁の内面に取り付けられる。接着剤または他の取付手段が、第2及び第3環状リングを外側スリーブ220に取り付けるために用いられる。
【0019】
外側スリーブ220の内側部分は、ゴルフクラブシャフト24を収容するような形状とされている。ゴルフグリップ200は、シャフト240の上に外側スリーブ220をスライドさせることによってゴルフシャフトにスライド自在に装着することができ、また、続いて、端部キャップ210の先端のノッチがシャフト240の基端部の頂部に接触するまでシャフト240上でグリップ200をスライドさせる。グリップ用具がシャフト240上に装着された後、グリップ200は、接着剤、テープ、またはそれらを組み合わせることによって、シャフト240に固定される。ゴルフグリップ200はシャフト240に接着されているため、使用後にシャフト240から切り離さなければならないので、ゴルフグリップ240は再使用することができない。
【0020】
外側スリーブ220は所定の壁厚(t)を有しており、この壁は十分に薄いので、中空断面部260が、収容されたゴルフクラブシャフト240と外側スリーブ220との間に形成される。壁の厚さを決定する要素は、達成可能な最軽量の重量と最適なグリップ感覚を保持できる厚さでよい。したがって、外側スリーブ220の厚さは変化させることができる。例えば、パター用の構造では、厚さは0.125〜0.200インチ(3.175〜5.08mm)とすることができる。スポーツ規則は外側スリーブ220の外径寸法を制限するかもしれない。
【0021】
中空領域260により、グリップ用具200の重量を減少させることができる。大部分のゴルフグリップでは、この領域は固体材料の塊であるかもしれないことに注目すべきである。中空断面部260内に取り込まれた空気は、外側スリーブ220と収容されたゴルフクラブシャフト240との間の距離を維持する役目をする。また、取り込まれた空気は緩衝性と硬さをゴルフグリップ200に与える。キャップ210またはスリーブ220を形成するために使用する材料の種類により、軽量化され、さらに、ゴルフグリップ200の重量が減少させられる。キャップ210またはスリーブ220を形成するために最適な材料は、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム化合物、熱可塑性ゴム及び/または熱硬化性ゴムに限定されないが、これらの材料を含んでいる。
【0022】
グリップ用具200の外側スリーブ220は、ゴルフクラブシャフト240に接触するグリップ200の領域で接着剤を使用してゴルフクラブのシャフトに密閉される。これらの接触領域252,254は、接着テープ及び/または液状接着剤或いは接着スプレーに限定されないが、これらの接着剤を含む接着材料で被覆することができる。例えば、接着剤として両面テープを使用することができる。また、接着スプレー、例えば3M.RTM接着スプレーを使用してもよい。接着剤は、グリップ20をシャフト240に取り付ける前または取り付けた後に用いることができる。しかしながら、使い易さのためには、グリップ200が完全に装着される前に接触領域252,254がシャフト240に接着される機会を減少させるために、グリップ200がシャフト240の上に装着された後に接着剤を用いるほうが望ましい。
【0023】
端部キャップ210と外側スリーブ220を含むグリップ用具200がゴルフクラブシャフト240上に配置された際に、周囲の大量の空気が中空断面部260から移動される。移動した空気は圧縮されて、一端がプレモールドキャップ210で、また、他端がグリップ開口のベル形状端部で、中空断面部260内に密封される。ベル形状端部は、外側スリーブ220とゴルフクラブシャフト240との間の接触領域252,254に供給される接着剤を備えている。この空気は、ゴルフクラブに緩衝性と硬さを付与する。
【0024】
図2Bを参照すると、本発明の実施の形態にしたがってゴルフシャフト上に装着され組み立てられた軽量ゴルフグリップ用具の断面が示されている。この図では、プレモールドキャップ210は、接着剤、例えば、ゴム糊を使用して外側スリーブ220に取り付けられている。端部キャップ210の先端の切り欠かれた端部は、ゴルフシャフト240の基端部を受け止めている。ゴルフグリップ用具が組み付けられると、グリップ用具の外側から見ることができるグリップ200の基端部の第1環状リングをゴルファーが見ることができる。第2及び第3環状リングは、ゴム糊または同等の接着剤を用いて、成形された外側スリーブ220の壁の内面に結合することができる。グリップ用具200が組み付けられると、第2及び第3環状リングは、グリップ用具200の外側から見ることはできない。
【0025】
図3を参照すると、本発明の実施の形態に従う端部キャップの斜視図が示されている。図示するように、端部キャップは、3つの環状リング280,282,284を含んでおり、第1環状リング280は、第2環状リング282または第3環状リング284よりも大径である。端部キャップ210の最先端部のノッチ286は、テーパ状に形成されており、ゴルフグリップシャフトにグリップを組み付ける間、ガイドとして機能する。第3環状リング284は、グリップが組み付けられた時点で、シャフトに対するシール部を提供する。ゴルフクラブシャフトは、グリップがシャフト上に装着された際に第3環状リング284に支持される。また、第3環状リング284は、ゴルフクラブシャフトの端部をグリップ本体の中心にとどまるように支持して、安定させる。
【0026】
ゴルフグリップ内でゴルフクラブシャフトの位置を維持するために、ゴルフグリップはスペーサを含むことができる。図4を参照すると、本発明の実施の形態に従う、ひとつまたはそれ以上のスペーサを備えた軽量ゴルフグリップ用具300が示されている。この図では、グリップ300は組み付けられていない。図4のゴルフグリップは、図2A及び図2Bの要素と同一の要素を含んでいる。しかしながら、最も注目すべきことは、外側スリーブ320の壁の内面にスペーサ335を含むことである。図2A及び図2Bのグリップとは異なって、パターの輪郭に似たアーチを外側スリーブ320上に含んでいる。このアーチは、本発明の概念から離れることなく、ゴルフグリップの設計特性がどのように変化するかを示している。図示するように、ゴルフグリップ用具300は、外側スリーブ320に接着されるような形状のプレモールドキャップ310を含んでいる。
【0027】
ゴルフグリップ用具300は、シャフト340上で外側スリーブ320をスライド自在に位置させることによってシャフト340上に装着することができ、また、続いて、キャップ310がシャフト340の基端部に接触するまで、シャフト340上でグリップ300をスライドさせる。
【0028】
外側スリーブ320は所定の壁厚(t)を有しており、この壁は十分に薄いため、収容されたゴルフクラブシャフト340と外側スリーブ320との間に中空断面部360、365、367が形成される。上述したように、スペーサ335は、外側スリーブ320の壁の内面に配置されている。ゴルフグリップ300の端部キャップ310が外側スリーブに接着されると、端部キャップ310のノッチ部によってゴルフシャフトが受け止められるため、中空断面部367は二つの独立した中空断面部にさらに再分割される。
【0029】
グリップ用具300の外側スリーブ320は、ゴルフクラブシャフト340と接触するグリップ300の境域に接着剤を用いて密封される。これらの接触領域352,354,355,357は、接着テープ及び/または液状接着剤或いは接着スプレーを含む接着剤で被覆してもよい。例えば、接着剤として両面テープを使用することができる。接着スプレー、例えば、3M.RTM接着スプレーを使用してもよい。
【0030】
空気は、一端がプレモールドキャップで、また、他端がグリップ開口のベル形状端部で、中空断面部360,365,367内に密封される。グリップ開口のベル形状端部は、外側スリーブ320とゴルフクラブシャフト340との間の接触領域352,354,355,357に供給される接着剤を備えている。
【0031】
本発明のゴルフグリップの製造工程は、二つの成形型を形成することとコアバーを使用する外側スリーブの内面を形成することを含む。図5を参照すると、本発明の実施の形態に従う図2Bのゴルフグリップを形成する方法を示すフロー図が示されている。
【0032】
ステップ510において、ゴルフグリップの端部キャップが第1成形型内で成形される。端部キャップの構成部材は、第1環状リング、第2環状リング、第3環状リング及びノッチを含んでいる。これらの構成部材は、4つの部品として別々に成形して、続いて、相互に接着することができる。または、4つの構成部材を単一部品として成形してもよい。ステップ520において、ゴルフグリップの外側スリーブが第2成形型内で成形される。外側スリーブは、ゴルフクラブに適したスイングウエイトとスイングバランスに合わせた長さにすることができる。端部キャップは外側スリーブの材料よりも硬い材料から成形されるため、二つの成形型はキャップとスリーブを成形するために好都合である。硬さが異なるが、キャップとスリーブを成形するために、EPDM化合物、TRPまたは熱硬化性ゴムを含む種類のゴムが使用される。製造されるクラブの形式にもよるが、デュローメータは変化する。例えば、30−40デュローメータは、大型サイズのパターをターゲットにすることができる。二つの成形型は要望どおりに塗装及び/または仕上げをすることができる。
【0033】
外側スリーブ用の内側中空領域または空洞は、コアバーを利用して形成される。コアバーは第2形成型内に挿入される。或いは、中空領域は後でくりぬかれる。ステップ530に、くりぬきステップが示されている。コアバーを使用すると、外側スリーブの内面は、一つまたはそれ以上の中空領域を形成するようにくりぬかれる。中空領域は、ゴルフグリップに起因する重量を減少させる。選択として、コアバーはスペーサ用の切り欠き部を含んでもよい。キャップと外側スリーブを成形した後に、追加の製造工程として、塗装や仕上げなどの審美性を向上させる工程を含むことができる。
【0034】
ステップ540において、ステップ510で成形されたプレモールドキャップが、ゴルフグリップのキャップ端部開口に固着される。このようにして、キャップと外側スリーブは単一ユニットとして組み立てられる。キャップと外側スリーブを形成するために使用する材料の硬さが異なるため、ステップ510とステップ520で、二つの成形型が使用される。キャップは多数の方法で取り付けることができる。例えば、キャップは、ゴム糊などの接着剤を使用してスリーブに取り付けることができる。或いは、キャップは、外側スリーブのキャップ端部開口内に圧入することができる。
【0035】
ステップ550において、ゴルフグリップは、製造中に、または、エンドユーザーによって、ゴルフクラブシャフトの基端部にスライド自在に装着される。ステップの順番は、グリップが、工場で組み付けられるか、あるいは、ユーザーが組み付けるかによって、変えることができることを理解すべきである。グリップがシャフト上に組み付けられると、中空領域内に取り込まれた周囲の大量の空気が、シャフトによって移動される。中空領域内に取り込まれた空気は、グリップ用具の緩衝材として機能するが、グリップに一定の硬さを提供する。中空領域内の空気量を増加させたり、または、減少させたりするために、中空領域にバルブを取り付けてもよい。このようにして、グリップに所望の硬さが提供される。
【0036】
図6Aを参照すると、本発明の実施の形態に従うゴルフグリップ用の外側スリーブの内面を形成するために使用するコアバーが示されている。この実施の形態では、コアバーはスペーサを含んでいない。一定のスイングウエイトとクラブバランスを達成するためには、コアバーの外径と長さを変化させることができる。パターは、例えば、D3からD6のサイズを有する。スイングウエイトは、ゴルフボールと接触するヘッドとクラブを握るために使用するグリップとの間のクラブのバランス点にある。コアバーは外側スリーブの内面を形成するために使用されるので、コアバーの外径と長さが変化すると、それが外側スリーブの内面と長さになる。
【0037】
図6Bを参照すると、本発明の実施の形態に従って、スペーサを備えた外側スリーブを形成するために使用されるコアバーが示されている。図示するように、このコアバーは、図4のゴルフグリップに示すように、外側スリーブに切欠き部を形成するために使用する切欠き部660、670を含んでいる。
【0038】
本明細書は、本発明の特定の実施の形態について説明しているが、当業者であれば、本発明の概念から離れることなく本発明のバリエーションを工夫することができる。
【符号の説明】
【0039】
100 ゴルフクラブ
110 ヘッド
120、240、340 シャフト(細長いシャフト)
130、200、300 グリップ用具
140、220、320 外側スリーブ
150、210、310 プレモールドキャップ(端部キャップ)
252、254、352、354、355、357 接触領域
260、360、365、367 中空断面部(中空領域)
280 第1環状リング
282 第2環状リング
284 第3環状リング
286 ノッチ
335 スペーサ
600、650 コアバー
660、670 切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベル形状端部とキャップ端部を備え、さらに、キャップ端部の開口とベル形状端部の開口を有している、細長くほぼ円錐形状の外側スリーブ部品であって、前記キャップ端部の開口は前記ベル形状端部の開口よりも大きく、また、前記キャップ端部の開口と前記ベル形状端部の開口との間で外側スリーブの内側に一つまたはそれ以上の内側中空領域を区画するように十分に薄い壁を備え、さらに、前記ベル形状端部の開口が、ゴルフクラブシャフトに取り付けられるような形状の一つまたはそれ以上の接触領域を含んでいる外側スリーブ部品と、該外側スリーブ部品のキャップ端部の開口に取り付けられる端部キャップと、を含むゴルフグリップ用具を準備するステップと、
ゴルフグリップ用具をゴルフクラブシャフトにスライド装着して、前記シャフトにより中空領域内の空気を移動させ、かつ、圧縮することによって、ゴルフグリップ用具に緩衝性と硬さを具備させるステップと、
ゴルフグリップ用具の接触領域をゴルフクラブシャフトに取り付けるステップと、
を含むことを特徴とするゴルフクラブグリップを緩衝化する方法。
【請求項2】
前記取り付けるステップは、ゴルフクラブシャフトと一つまたはそれ以上の接触領域との間に接着剤を塗布することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端部キャップは、外側スリーブの材料よりも硬い材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ゴルフグリップ用具は、さらに、外側スリーブの壁の内面に取り付けられる一つまたはそれ以上のスペーサを含んでおり、ひとつまたはそれ以上のスペーサは、外側スリーブの壁の内面から径方向の内側に延びており、一つまたはそれ以上の中空領域を介して、ゴルフクラブシャフトの外面に接触することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記端部キャップは、グリップ用具がゴルフクラブシャフトに装着された際に、ゴルフクラブシャフトの基端部に接触する形状のテーパー状ノッチと環状リングを含んでおり、また、前記スライド装着するステップは、前記環状リングと前記テーパー状ノッチがゴルフクラブシャフトの基端部に接触するまで、ゴルフグリップ用具をゴルフクラブシャフト上でスライドさせるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ゴルフクラブシャフトの基端部にスライド自在に装着される軽量ゴルフグリップ用具であって、該グリップ用具は、
ベル形状端部とキャップ端部を備え、さらに、キャップ端部に開口を備えると共にベル形状端部に開口を備えている細長くほぼ円錐形状の外側スリーブ部品であって、前記キャップ端部の開口は前記ベル形状端部の開口よりも大きく、また、前記キャップ端部と前記ベル形状端部との間で外側スリーブの内側に一つまたはそれ以上の内側中空領域を区画するように十分に薄い壁を備えている外側スリーブ部品と、該外側スリーブ部品のキャップ端部の開口を閉鎖する形状の端部キャップと、を含んでおり、ここで、
前記外側スリーブのベル形状端部は、ゴルフクラブシャフトの少なくとも外面の一部分に取り付けられるような形状の一つまたはそれ以上の接触領域を有する、ことを特徴とする軽量ゴルフグリップ用具。
【請求項7】
前記端部キャップは、外側スリーブの材料よりも硬い材料から構成されていることを特徴とする請求項6に記載の軽量ゴルフグリップ用具。
【請求項8】
さらに、外側スリーブの壁の内面に取り付けられる一つまたはそれ以上のスペーサを含んでおり、ひとつまたはそれ以上のスペーサは、外側スリーブの壁の内面から径方向の内側に延びており、一つまたはそれ以上の中空領域を介して、ゴルフクラブシャフトの外面に接触することを特徴とする請求項6に記載の軽量ゴルフグリップ用具。
【請求項9】
前記キャップは、グリップ用具がゴルフクラブシャフトに装着された際に、ゴルフクラブシャフトの基端部に接触する形状のテーパー状ノッチと環状リングを含んでいることを特徴とする請求項6に記載の軽量ゴルフグリップ用具。
【請求項10】
ヘッドと細長いシャフトを含む軽量グリップ用具を備えたゴルフクラブであって、
グリップ用具は、ベル形状端部とキャップ端部を備え、さらに、キャップ端部に開口を備えると共にベル形状端部に開口を備えている細長くほぼ円錐形状の外側スリーブ部品であって、前記キャップ端部の開口は前記ベル形状端部の開口よりも大きく、また、前記キャップ端部と前記ベル形状端部との間で外側スリーブの内側に一つまたはそれ以上の内側中空領域を区画するように十分に薄い壁を備えている外側スリーブ部品と、該外側スリーブ部品のキャップ端部の開口に取り付けられる端部キャップと、を含んでおり、ここで、
前記外側スリーブのベル形状端部の開口は、細長いシャフトの少なくとも外面の一部分に取り付けられるような形状の一つまたはそれ以上の接触領域を有しており、また、一つまたはそれ以上の接触領域を細長いシャフトに固着する接着剤、を含むことを特徴とする軽量グリップ用具を備えたゴルフクラブ。
【請求項11】
前記端部キャップは、外側スリーブの材料よりも硬い材料から構成されていることを特徴とする請求項10に記載のゴルフクラブ。
【請求項12】
さらに、外側スリーブの壁の内面に取り付けられる一つまたはそれ以上のスペーサを含んでおり、ひとつまたはそれ以上のスペーサは、外側スリーブの壁の内面から径方向の内側に延びており、一つまたはそれ以上の中空領域を介して、ゴルフクラブシャフトの外面に接触することを特徴とする請求項10に記載のゴルフクラブ。
【請求項13】
前記キャップは、グリップ用具が細長いシャフトに装着された際に、細長いシャフトの基端部に接触する形状のテーパー状ノッチと環状リングを含んでいることを特徴とする請求項10に記載のゴルフクラブ。
【請求項14】
第1成形型で、第1の成形可能な材料から端部キャップを成形するステップと、
第2成形型で、ベル形状端部とこのベル形状端部よりも大きいキャップ端部を有する、外側スリーブのほぼ円錐形状の外面を、第2の成形可能な材料から成形するステップと、
コアバーを用いて、外側スリーブ内に、ほぼ円錐形状で外側スリーブと同じ長さの細長い中空領域をくりぬくステップと、
を特徴とする軽量ゴルフクラブグリップ用具の製造方法。
【請求項15】
さらに、外側スリーブに端部キャップを固着するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
前記固着するステップは、ゴルフクラブシャフトと一つまたはそれ以上の接触領域との間に接着剤を塗布するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
第1の成形可能な材料は、第2の成形可能な材料よりも硬いことを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
【請求項18】
前記コアバーは、外側スリーブの壁の内側に取り付けられる一つまたはそれ以上のスペーサを形成する形状の一つまたはそれ以上の切欠き部を備えており、一つまたはそれ以上のスペーサは、外側スリーブの壁の内面から径方向の内側に延びており、一つまたはそれ以上の中空領域を介して、ゴルフクラブシャフトの外面に接触することを特徴とする請求項14に記載の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2011−120913(P2011−120913A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−276054(P2010−276054)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【Fターム(参考)】