説明

輪転機を制御する装置

【課題】このロータリ部材の速度変動が評価ユニットに伝わり、評価ユニットが発生する出力信号に悪影響を及ぼすという問題を解決する。
【解決手段】輪転機(12)を制御する装置が主評価ユニット(28)を備え、そのユニットは主信号入力部(28E)、少なくとも第1主信号出力部(28S1、28S2、28S3)及び第1主変換装置(50)を備える。更にその装置はマスター発生器(26)を備え、その発生器は輪転機(12)の指令値を示すマスター信号を発生する。また第1インターフェイスはマスター信号に応答して第一の周期信号を発生し、その第一の周期信号を主信号入力部に伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輪転印刷機と同等機種の制御装置に関している;
・第1信号発生器は、第一の周期信号を発生し、それは固有の周波数と位相を有する。
・主評価ユニットは主信号入力部を備え、そこで主周期入力信号、少なくとも第1主信号出力部及び第1主変換器装置を受ける。その装置は、主周期入力信号に応答して第1主信号出力部で第一の周期出力信号を発生する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、印刷機におけるエンコーダで検出するロータリ部材を示している。そのエンコーダは、ロータリ部材が回転すると第一の周期信号を発生する。またそのエンコーダは、少なくとも1台の合成器からなる評価ユニットに接続され、その合成器はその第一の信号と相対的な分解能、周波数、又は位相比を有する第二の周期信号を発生する。
【0003】
ロータリ部材において、そのエンコーダは物理的なエンコーダであり、エンコーダ・プレート20とエンコーダ・センサー22に相当するもので構成されている。そのエンコーダ・センサー22は、エンコーダ・プレートの回転に応答してその第一の周期信号を発生する。
【特許文献1】WO 2005/08 0081
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このロータリ部材の問題は、その部材の速度変動が評価ユニットに伝わり、評価ユニットが発生する出力信号に悪影響を及ぼすということである。
【0005】
本発明の主旨は、それらの問題を解決し、輪転印刷機の制御装置を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の同種の機種の制御装置に関するものである:
マスター発生器は、ポジション、ポジション・インクリメントと(又は)輪転機の速度等の指令値を示すマスター信号を発生する。
【0007】
第1信号発生器は第1インターフェイスであり、それはマスター信号に応答して第一の周期信号を発生する。また、それは主入力信号としてその第一の周期信号を主評価ユニットへ伝送する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
具体的な実施例によると、本発明は下記の1つ又はそれ以上の特徴から成り立つ:
第1インターフェイスは仮想エンコーダであり、それはマスター信号に基づく第一の周期信号として第1エンコーダ信号を発生する。
【0009】
第1主変換装置は、分解能と(又は)周波数と(又は)位相比を有する第一の周期出力信号を発生し、それらは主入力信号のものとは異なる。
【0010】
主評価ユニットは第2主変換装置を備え、その装置は主周期入力信号に応答して第2主信号出力部で第2の周期出力信号を発生する。そして、その第2主変換装置は分解能と(又は)周波数と(又は)位相比を有する第二の主周期出力信号を発生する。それらは主周期入力信号及び第一の周期出力信号のものとは異なる。
【0011】
制御装置は補助評価ユニットを備え、その装置は補助信号入力部を装備している。そこで、補助周期入力信号、少なくとも第1補助信号出力部及び少なくとも1つの補助変換装置を受信する。その装置は、補助周期入力信号に応答して第1補助信号出力部で第一の補助周期出力信号を発生する。
【0012】
補助変換装置は、分解能と(又は)周波数と(又は)位相比を有する第一の補助周期出力信号を発生する。それらは、補助周期入力信号のものとは異なる。
補助信号入力部は、補助入力信号として第1信号発生器で発生されるその第一の周期信号を受信する。
【0013】
制御装置は第2信号発生器を備え、その発生器はマスター信号に応答して補助周期入力信号を発生する。
【0014】
第2信号発生器は第2インターフェイスであり、具体的には、第2仮想エンコーダで補助周期入力信号として第2エンコーダ信号を発生する。
【0015】
第1主信号出力部は、印刷ユニットの制御と(又は)命令をする装置に接続され、第1補助信号出力部は、折機の制御と(又は)命令をする装置に接続される。
少なくともその変換装置の1つはコマンド入力部を備え、その入力部で分解能と(又は)周波数と(又は)コマンド入力部に来るコマンド信号に応答して関連する出力信号の位相を修正する。
【0016】
本発明は、一例として用いられた下記の詳細を読み、添付図面を参照することでより詳しく理解できる。
図1は、本発明の印刷機の概略図である。
図2は、本発明の評価ユニットの概略図である。
【実施例】
【0017】
図1は、概して2と指定された輪転印刷機を図式的に説明している。
【0018】
印刷機2は4台の印刷ユニット4を備え、それぞれのユニットはモーター6で駆動される。それぞれのモーター6は周波数コンバータ又は電圧コンバータのどちらかの印刷コンバータ8で制御される。
【0019】
さらに、印刷機2はドライヤー10を備え、そのドライヤーはモーター12で駆動されそして乾燥機コンバータ14により制御される。この乾燥機コンバータ14は、周波数コンバータ又は電圧コンバータのどちらかである。
【0020】
印刷機2は2台の折機16を備え、それぞれ折機は折機コンバータ20で制御されるモーター18で駆動される。
【0021】
さらに、印刷機2は制御ユニット22を備え、それはプログラム可能なロジカル・コンピュータPLO24と周波数変調機モジュラー26で構成される。
【0022】
この周波数変調機モジュラー26は、指令値を示すマスター信号を発生する。その指令値は、印刷機のロータリ部材の絶対値、ロータリ部材の回転速度又はロータリ部材のポジション・インクリメント等である。このマスター信号は、固有の周波数と振幅を有する周期信号の方式で伝送される。このマスター信号は、デジタル信号であることが好ましい。
マスター信号は、輪転機のそれぞれの部材に割り当てられ、同期して回転しなければならない。そのために、それぞれのモジュールは、マスター信号が送られる正確なアドレスを有する。
【0023】
さらに、印刷機2は、主評価ユニット28と補助評価ユニット30を備えている。これらの2つの主と補助評価ユニット30は、2つの別のディストロビューション・カードで形成される。
【0024】
コンバータ8、14、20と周波数モジュラー26は、ネットワークを構成するバス32に接続される。
【0025】
主評価ユニット28は主仮想エンコーダ34によりバス32に接続され、そして補助評価ユニット30は補助仮想エンコーダ36によりバス32に接続される。
【0026】
それぞれの仮想エンコーダ34、36は、信号入力部34E、36Eと信号出力部34S、36Sを備える。主仮想エンコーダ34は周期信号を発生し、その信号はモジュラー26により伝送される主周期信号に応答する固有の周期数と位相を有する。主仮想エンコーダ34は、主入力信号として発生される周期信号を主評価ユニット28へ伝送する。
補助仮想エンコーダ36は周期信号を発生し、その信号はモジュラー26により伝送される同じ主周期信号に応答する固有の周波数と位相を有する。また、それは補助入力信号として周期信号を補助評価ユニット30へ伝送する。
【0027】
注意すべきは、仮想エンコーダ34と36により発生される周期信号は、印刷機の部材の回転を記録する物理エンコーダで発生される信号と同一である。
【0028】
図2は、本発明の好適な実施形態に従って、評価ユニット28又は30を図式的に表している。主評価ユニット28と補助評価ユニット30は、同一構成である。従って、それらの特徴は1つの図表で説明できる。評価ユニット28、30は、信号入力部28E、30Eを備える。
【0029】
主評価ユニット28は、3つの信号出力部28S1、28S2、28S3を備える。それぞれのユニットは、10信号の出力部を備える。補助評価ユニット30は、2つの信号出力部30S1、30S2を備える。
【0030】
エンコーダ34、36により伝送される周期信号は、例えば4つの位相を有するデコーダ46等の関連する信号入力部28E、30Eに来る。そしてデコードされた信号は、内部信号ライン48に伝送される。
【0031】
内部信号ライン48は、同一のオペレーション・ユニット50の数に分岐する。これらのオペレーション・ユニット50の数は、評価ユニット28、30で利用できる信号出力部の数に相当する。明確にするために、1台のオペレーション・ユニット50のみが図2で説明されている。この場合、主評価ユニット28は、そのような3つのオペレーション・ユニット50を備える。それぞれのオペレーション・ユニット50は、関連する信号出力部28S1、28S2、28S3の1つに接続される。補助評価ユニット30は、2つのオペレーション・ユニット50を備え、それぞれのユニットは信号出力部30S1、30S2のどちらかに接続される。
【0032】
オペレーション・ユニット50はコミュニケータ52を備え、それはディレクト・ライン54の2のファクターにより分配される第1分圧装置56と、4のファクターにより分配される第2分配装置58の間で切り替えることができる。デコードされそして随意に分配されたその信号は、合成器60に伝送される。そして、周波数と(又は)仮想エンコーダ34、36により伝送される周期信号の位相に応答して、合成器60は第二の周期信号を発生する。その信号は、エンコーダ34の周期信号と相対的な固有の分解能比率、周波数比率及び位相比を有する。望ましい分解能62に関する情報と(又は) 周期信号及び第二の周期信号の間の望ましい位相シフト64は、対応する入力部を通して合成器60に入力される。例えば、位相シフトなどの第二の周期信号のポジション66は、監視目的のため合成器60により供給される。
【0033】
それぞれのオペレーション・ユニット50のそれぞれの合成器60のパラメータ62、64は、RS232 インターフェイスなどの制御インターフェイス68によって修正できる。また、評価ユニット28はデータ・メモリー70を備え、その指令データ72は合成器60へ伝送される。それぞれの合成器60により供給されたポジション・データ74は、メモリー70に記憶される。
【0034】
それぞれのオペレーション・ユニット50では、関連する合成器60で発生される信号はアンプ76により増幅され、そして出力インターフェイス78を通して関連する信号出力部28S1、28S2、28S3、または30S1、30S2に伝送される。
【0035】
主評価ユニット28のそれぞれの信号出力部28S1、28S2、28S3は、クロック・パルス信号によって制御される装置に接続される。それゆえ、信号出力部28S1は、エンコーダ38へ伝送されるエンコーダ信号を発生する。例えば、このエンコーダ38は、2048パルス/回転を受信する。ストロボスコープ40は、512パルス/回転を受信する。また、レジスター制御装置42は、冗長エンコーダ38より低い電圧で2048パルス/回転を受信する。それゆえ、主評価ユニット28は、印刷ユニット4の指令を提供する出力部28S1、28S2、28S3で信号を発生する。これらの部材は、単に印刷グループのポジションを示す信号にアクセスできる。
【0036】
補助評価ユニット30は、少なくとも1台の折機16の位置を指令する出力部30S1、30S2で信号を発生する。出力部30S1は、印刷された製品の糊付け用の装置44に接続され、出力部30S2は断裁制御装置45に接続される。これらのアプリケーションは、折機16の位置を調整する信号を受信する。
【0037】
2台の評価ユニット28、30を使うという新しい考え方において、それぞれのユニットは、例えると印刷ユニット又は折機などの印刷機の特定の部分との関係を示す信号を処理する。信号の分配は容易である。それゆえに、1つの出力信号の発生は、信号の正確さを高める為の追加出力信号の発生に影響を与えない。
【0038】
別の方法では、補助周期入力信号は、ユニット26にあるモジュールで発生され、その信号は印刷グループと折機の間の実際の位置角で分配されるマスター信号に基づいている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明の印刷機の概略図である。
【図2】図2は、本発明の評価ユニットの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輪転機(12)を制御する装置であって、
第1信号発生器(34)は、固有の周波数と位相を有する第一の周期信号を発生し、
主評価ユニット(28)は主信号入力部(28E)を備え、そこで主周期入力信号、少なくとも第1主出力部(28S1、28S2、28S3)、第1主変換装置(50)を受信し、
前記第1主変換装置は、主周期入力信号に応答して第1主信号出力部(28S1、28S2、28S3)で第一の周期出力信号を受信する形式の装置において、
マスター発生器(26)は指令値を示すマスター信号を発生し、その値は、ポジション、ポジション・インクリメントと(又は)輪転機(12)の速度等であり、
第1信号発生器は第1インターフェイスであり、それはマスター信号に応答して第一の周期信号を発生する。また、そのマスター信号は主入力信号としてその第一の周期信号を主評価ユニット(28)へ伝送することを特徴とする、輪転機(12)を制御する装置。
【請求項2】
第1インターフェイス(34)は仮想エンコーダであり、それはマスター信号に基づく第一の周期信号として第1エンコーダ信号を発生することを特徴とする請求項1に基づく制御装置。
【請求項3】
第1主変換装置(50)は、分解能と(又は)周波数と(又は)位相比を有する第一の周期出力信号を発生し、それらは主入力信号のものとは異なることを特徴とする請求項1又は請求項2に基づく制御装置。
【請求項4】
主評価ユニット(28)は第2主変換装置(50)を備え、その装置は主周期入力信号に応答して第2主信号出力部(28S1、28S2、28S3)で第二の周期出力信号を発生し、また第2主変換装置(50)は分解能と(又は)周波数と(又は)位相比を有する第二の主周期出力信号を発生し、それらは主周期入力信号及び第一の周期出力信号のものとは異なることを特徴とする前記のいずれかの請求項に基づく制御装置。
【請求項5】
(それは)補助信号入力部(30E)を装備する補助評価ユニット(30)を備え、その入力部で補助周期入力信号、少なくとも第1補助信号出力部(30S1,30S2)、および少なくとも補助変換装置(50)を受信し、またその装置は、補助周期入力信号に応答して第1補助信号出力部(30S1,30S2)で第一の補助周期出力信号を発生することを特徴とする前記のいずれかの請求項に基づく制御装置。
【請求項6】
補助変換装置(30)は、分解能と(又は)周波数と(又は)位相比を有する第一の補助周期出力信号を発生し、それらは補助周期入力信号のものとは異なることを特徴とする請求項5に基づく制御装置。
【請求項7】
補助信号入力部(30E)は、補助入力信号として第1信号発生器(34)により発生される第一の周期信号を受信することを特徴とする請求項5又は請求項6に基づく制御装置。
【請求項8】
(それは)第2信号発生器(36)を備え、その発生器はマスター信号に応答して補助周期入力信号を発生することを特徴とする請求項5又は請求項6に基づく制御装置。
【請求項9】
第2信号発生器は第2インターフェイスであり、具体的には、第2仮想エンコーダで補助周期入力信号として第二のエンコーダ信号を発生することを特徴とする請求項8に基づく制御装置。
【請求項10】
第1主信号出力部(28S1、28S2、28S3)は印刷ユニットの制御と命令をする装置に接続され、第1補助信号出力部(30S1、30S2)は、折機の制御と命令をする装置に接続されることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれかに基づく制御装置。
【請求項11】
少なくとも一つの変換装置はコマンド入力部を備え、その入力部でコマンド入力部のコマンド信号に応答して関連する出力信号の分解能と(又は)周波数と(又は)位相を修正することを特徴とする前記の請求項のいずれかに基づく制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−188991(P2008−188991A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−21598(P2008−21598)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(594141705)ゴス インターナショナル モンタテール ソシエテ アノニム (41)
【氏名又は名称原語表記】Goss International Montataire,S.A
【住所又は居所原語表記】Square H.Marinoni,F−60761,Montataire,France
【Fターム(参考)】