説明

輻射熱供給用パネル、輻射熱供給用パネルユニット及び輻射システム天井

【課題】伝熱管の配設・連結作業の作業負担を極力低減できる輻射熱供給用パネル(天井パネル)を提供する。
【解決手段】平面視矩形形状のパネル本体8A(10A)の上面に、その幅方向両側において起立部11A,11Bを有する天井パネル8(10)であることを前提とする。このパネル本体8A(10A)に、蛇行形状の伝熱管9の各直線状パイプ部16を先端面12aによって支持する複数の支持部12を突設し、その各支持部12を、伝熱管9の直線状パイプ部16に対応させて、間隔をあけつつ各起立部11A,11Bの延び方向に延ばし、その各支持部12の先端面12aの高さを、パネル本体8A(10A)の上面を基準として、各起立部11A,11Bの先端面の高さ以上の高さに設定する。これにより、伝熱管9を安定姿勢(水平状態)に保持すると共に、伝熱管9のうち、起立部11A,11Bを乗り越える部分(流出入端部18)を、各起立部11A(11B)に邪魔されることなく外部に延出できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輻射熱を供給する輻射熱供給用パネル、輻射熱供給用パネルユニット及び輻射システム天井に関する。
【背景技術】
【0002】
システム天井として、特許文献1に示すように、多くの平面視四角形状の天井パネルをいわゆるTバー工法を用いて支持することにより構成するものが知られている。具体的には、天井形成空間に複数の長尺な天井パネル支持部材としてのTバーを水平且つ所定間隔毎に平行に配設し、その各対向するTバーに天井パネルが掛け渡される。
この場合、各Tバーは、天井裏となる配設空間内で水平状態をもって縦横に配設される野縁受けに吊持される。また、各天井パネルについては、一般に、対向するTバー間において撓むことを規制すべく、その各天井パネルの対向辺部のうち、対向するTバー間を跨ぐ対向辺部に起立部がそれぞれ設けられる。
【0003】
ところで、近時、室内空調の一環として、輻射システム天井が提案されている。この輻射システム天井においては、特許文献2に示すように、天井を構成する各天井パネルの内面に、蛇行状に形成された伝熱管を配置し、その各天井パネル上の伝熱管を連続するように接続した上で、その連続する伝熱管に伝熱媒体(冷水又は温水)を流すこととされる。これにより、伝熱管からの冷熱又は温熱が各天井パネルに伝熱され、各天井パネルは、輻射熱供給用パネルとして、輻射熱を室内に放射し、室内空調を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−068154号公報
【特許文献2】特開2006−170551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記輻射システム天井において、輻射熱供給用パネル(天井パネル)として、対向するTバー間を跨ぐ対向辺部に起立部を有するようにしたものを用いる場合には、各輻射熱供給用パネル上の伝熱管同士を接続するために、伝熱管が起立部を乗り越えるようにする必要がある。このため、伝熱管の配設・連結作業に際して、輻射熱供給用パネル内面上の伝熱管のうち、起立部を乗り越える部分について、上下に曲げ加工を行わなければならず、少なからず作業負担となっている。
【0006】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その第1の技術的課題は、伝熱管の配設・連結作業の作業負担を極力低減できる輻射熱供給用パネルを提供することにある。
第2の技術的課題は、上記天井パネルを利用した輻射熱供給用パネルユニットを提供することにある。
第3の技術的課題は、上記輻射熱供給用パネルないしは輻射熱供給用パネルユニットを利用した輻射システム天井を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記第1の技術的課題を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
平面視四角形状のパネル本体の内面のうち、該パネル本体における一方の組の一対の対向辺部に、該パネル本体の内面から離れる方向に起立する起立部が該パネル本体における他方の組の一対の対向辺部に向けて延びるようにそれぞれ設けられ、前記パネル本体の内面が、伝熱媒体を流す伝熱管を受け止める受け面とされ、前記伝熱管として、間隔をあけて略平行に配置される複数の直線状パイプ部と、隣り合う直線状パイプ部を直列となるように連結する湾曲パイプ部と、を備えて蛇行形状とされたものを対象としている輻射熱供給用パネルであって、
前記パネル本体の内面に、前記伝熱管の各直線状パイプ部を先端面によって支持する支持部が、該パネル本体の内面から離れる方向に突出した状態をもって複数設けられ、
前記各支持部が、前記伝熱管の直線状パイプ部に対応させて、間隔をあけつつ前記各起立部の延び方向に延ばされ、
前記各支持部の先端面の高さが、前記パネル本体の内面を基準として、前記各起立部の先端面の高さ以上の高さに設定されている構成とされている。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2〜4の記載の通りとなる。
【0008】
前記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項5に係る発明)にあっては、
輻射熱供給用パネルとして、平面視四角形状のパネル本体と、該パネル本体における一方の組の一対の対向辺部に該パネル本体の内面から離れる方向に起立した状態をもってそれぞれ設けられ該パネル本体における他方の組の一対の対向辺部に向けてそれぞれ延びる起立部と、を備えたものが用いられ、前記輻射熱供給用パネルの内面上に、伝熱媒体を流す伝熱管が配置され、該伝熱管が、間隔をあけて前記起立部に略平行に配置される複数の直線状パイプ部と、隣り合う直線状パイプ部を直列となるように連結する湾曲パイプ部と、を備えて蛇行形状とされたものとされ、該伝熱管の流出入端部が前記輻射熱供給用パネルの起立部を乗り越えて外方に延びている輻射熱供給用パネルユニットであって、
前記パネル本体の内面に、複数の支持部が該パネル本体の内面から離れる方向に突出した状態をもって設けられ、
前記各支持部が、前記一方の組の対向辺部の配設方向に間隔をあけつつ前記各起立部の延び方向に延ばされ、
前記各支持部の先端面の高さが、前記パネル本体の内面を基準として、前記各起立部の先端面の高さ以上の高さに設定され、
前記各支持部の先端面に、前記伝熱管の各直線状パイプ部が略全長に亘ってそれぞれ支持されて、該伝熱管の流出入端部が、前記パネル本体の内面を基準として、該各直線状パイプ部と同一高さ位置に位置されている構成とされている。この請求項5の好ましい態様としては、請求項6の記載の通りとなる。
【0009】
前記第3の技術的課題を達成するために本発明(請求項7に係る発明)にあっては、
長尺な天井パネル支持部材が、間隔をあけつつ互いに平行に延びるように順次、配設され、
各対向する天井パネル支持部材間に、複数の伝熱管が直列に接続された伝熱管群連結体が該対向する天井パネル支持部材に沿うように配設され、
前記各伝熱管が、前記対向する天井パネル支持部材の延び方向に間隔をあけつつ該対向する天井パネル支持部材に向けて平行に延びる複数の直線状パイプ部と、隣り合う直線状パイプ部を直列となるように連結する湾曲パイプ部と、を備えて蛇行形状とされたものとされ、
前記各対向する天井パネル支持部材間に、前記伝熱管群連結体の各伝熱管を支える輻射熱供給用パネルがそれぞれ掛け渡され、
前記各輻射熱供給用パネルが、前記対向する天井パネル支持部材間を跨ぐ平面視四角形状のパネル本体と、該パネル本体の内面のうち、前記対向する天井パネル支持部材の延び方向において対向する一対の対向辺部に該パネル本体の内面から離れる方向に起立した状態をもってそれぞれ設けられて該対向する天井パネル支持部材間を跨ぐように延びる起立部と、を備えたものとされ、
前記各伝熱管群連結体が、該各伝熱管群連結体に隣り合う伝熱管群連結体に対して、該両者間に存在する天井パネル支持部材を横切る連結管により直列となるようにそれぞれ接続されている輻射システム天井であって、
前記各輻射熱供給用パネルにおけるパネル本体の内面に、複数の支持部が該パネル本体の内面から離れる方向に突出した状態をもって設けられ、
前記各輻射熱供給用パネルにおける各支持部が、前記一方の組の対向辺部の配設方向に間隔をあけつつ前記各起立部の延び方向に延ばされ、
前記各支持部の先端面の高さが、前記パネル本体の内面を基準として、前記各起立部の先端面の高さ以上の高さに設定され、
前記各輻射熱供給用パネルにおける各支持部の先端面に、前記各伝熱管の各直線状パイプ部が略全長に亘って支持されて、該各伝熱管の流出入端部が、該各輻射熱供給用パネルにおけるパネル本体の内面を基準として、該各直線状パイプ部と同一高さ位置に位置され、
前記各天井パネル支持部材に、前記連結管を通すための貫通孔がそれぞれ形成され、
前記各貫通孔は、前記各連結管が前記貫通孔を貫通した状態において、該各連結管の高さ位置が前記各輻射熱供給用パネルにおける伝熱管の高さ位置と同じとなるように設定されている構成とされている。
【発明の効果】
【0010】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、当該輻射熱供給用パネルの各支持部の先端面に伝熱管の各直線状パイプ部をそれぞれ配置することにより、伝熱管を安定姿勢に保持できると共に、伝熱管のうち、起立部を乗り越える部分(流出入端部)を、各起立部に邪魔されることなく外部に延出させることができる。このため、当該輻射熱供給用パネル上に伝熱管を配設するに際して、伝熱管に対して曲げ加工の必要性をなくすことができ、伝熱管の配設作業の作業負担を極力低減できる。
また、伝熱管のうち、起立部を乗り越える部分を、起立部の乗り越えのために曲げる必要がなくなることから、伝熱媒体の圧力損失の増大を防止できる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、各支持部の先端面と協働して伝熱管の各直線状パイプ部を挟持する保持具が、それぞれ備えられていることから、伝熱管を安定した状態で当該輻射熱供給用パネルに保持できる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、各支持部の先端部が、各支持部の全長に亘って、支持部の基端部よりも支持部の幅方向において拡張された拡張部としてそれぞれ形成されていることから、その各拡張部の比較的広い上面を利用して各直線状パイプ部を安定した状態で保持できる。
また、各保持具が、各拡張部の上側外方から各拡張部を包み込むようにして各拡張部に係止可能とされていることから、各保持具と各拡張部とで、各直線状パイプ部を挟持できることになり、ねじ、リベット等を用いることなく(見栄えを低下させることなく)、伝熱管を当該輻射熱供給用パネルに保持できる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、各支持部の先端部が、各支持部の全長に亘って、支持部の基端部よりも支持部の幅方向において拡張された拡張部としてそれぞれ形成され、各保持具が、各拡張部の幅方向一方側に撓み可能にそれぞれ一体的に設けられて、各保持具と該各拡張部とにより、各直線状パイプ部を挿入保持するための挿入空間と、挿入空間内に導くための挿入開口と、がそれぞれ形成され、各挿入開口のいずれもが各拡張部の幅方向他方側に向けられていることから、各保持具の撓み性を利用して、各保持具と各拡張部との間(挿入空間)に伝熱管の各直線状パイプ部を嵌着(挟持)でき、伝熱管を当該輻射熱供給用パネルに安定した状態で保持できる。
また、各挿入開口のいずれもが各拡張部の幅方向他方側に向けられていることから、伝熱管が蛇行形状をしていても、各挿入開口に伝熱管の各直線状パイプ部を臨ませた配置にした上で、各直線状パイプ部(伝熱管)を各挿入開口に向けて水平に移動させれば、その各直線状パイプ部を各拡張部と各保持具との間にそれぞれ同時に嵌着できる。このため、輻射熱供給用パネルに対する伝熱管の保持を簡単に行うことができる。
【0014】
本発明(請求項5に係る発明)によれば、各支持部の先端面の高さが、パネル本体の内面を基準として、各起立部の先端面の高さ以上の高さに設定され、各支持部の先端面に、伝熱管の各直線状パイプ部が略全長に亘ってそれぞれ支持されて、伝熱管の流出入端部が、パネル本体の内面を基準として、各直線状パイプ部と同一高さ位置に位置されており、伝熱管の流出入端部は、曲げ加工しなくても、各起立部に邪魔されることなく外部に延出する構成となる。このため、請求項1に係る輻射熱供給用パネルを利用した輻射熱供給用パネルユニットを提供できる。
また、当該輻射熱供給用パネルユニットを用いることにより、予め前記伝熱管を輻射熱供給用パネルに備えておくことができ、作業性を高めることができる。
【0015】
請求項6に係る発明によれば、輻射熱供給用パネルが、複数の基準パネルを連結具を用いて連結することにより構成され、各基準パネルが、平面視四角形状のパネル本体と、パネル本体における一方の組の一対の対向辺部に該パネル本体の内面から離れる方向に起立した状態をもってそれぞれ設けられてパネル本体における他方の組の一対の対向辺部に向けてそれぞれ延びる起立部と、パネル本体の内面に、一方の組の一対の対向辺部の配設方向に間隔をあけつつパネル本体の内面から離れる方向に突出した状態をもって設けられて各起立部の延び方向にそれぞれ延びると共に、その各先端面の高さが、パネル本体の内面を基準として、各起立部の先端面の高さ以上に設定されている複数の支持部と、を備えていることから、基準パネルの大きさ(一方の組の一対の対向辺部間の長さ)に限度があり、基準パネル単独ではそれ以上大きくできない場合であっても、それらを複数連結することにより、所望の大きさの輻射熱供給用パネルを得ることができる。このため、所望の大きさの輻射熱供給用パネルを備える輻射熱供給用パネルユニットを提供できる。これにより、輻射熱供給用パネルの取付け回数を減らし、作業性等を向上させることができる。
【0016】
請求項7に係る発明によれば、請求項1に係る輻射熱供給用パネルないしは請求項5に係る輻射熱供給用パネルユニットを利用して、輻射システム天井を構成できる。
また、天井パネル支持部材を基準として両側に存在する伝熱管群連結体同士を連結管により接続するに際し、連結管は天井パネル支持部材の貫通孔を通り、その貫通孔により、連結管の高さ位置が各天井パネルにおける伝熱管の高さ位置と同じとなることから、連結管に対する上下の曲げ加工を不要とすることができる。これにより、連結管の配設・連結作業の作業負担を低減できると共に、伝熱媒体の圧力損失の増大も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係る輻射システム天井を上面側から見た状態を示す図。
【図2】第1実施形態に係る輻射システム天井の取付け構造を説明する説明図。
【図3】第1実施形態に係る天井パネルユニットを示す斜視図。
【図4】第1実施形態に係る天井パネルユニットを示す平面図。
【図5】基準天井パネルを連結してパネル本体(天井パネル)を形成することを説明する説明図。
【図6】第1実施形態に係る天井パネルユニットの取付け構造を説明する説明図。を示す斜視図。
【図7】第1実施形態に係る基準天井パネルを並設した状態を示す側面図。
【図8】第1実施形態に係る天井パネル(基準パネルを連結バーにより連結したもの)を示す側面図。
【図9】図8の一部拡大図。
【図10】図4のX10−X10線拡大断面図。
【図11】Tバーの貫通孔を連結管が貫通する状態を示す説明図。
【図12】第2実施形態に係る天井パネルユニットを示す一部破断斜視図。
【図13】図12のX13−X13線拡大断面図。
【図14】第3実施形態を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、システム天井1の裏面側を上方側から見た状態を示している。このシステム天井1は、室内上方の天井形成空間に多数の天井パネルユニット(輻射熱供給用パネルユニット)2を配設することにより構成されており、その天井パネルユニット2の配設に際しては、いわゆるTバー工法が用いられている。Tバー工法は、図1,図2に示すように、天井形成空間に複数のTバー(天井パネル支持部材)3を所定間隔毎に平行に配設し、その各対向配置されるTバー3同士に天井パネルユニット2(又は天井パネル10)を掛け渡すことによりシステム天井1を形成するものであり、この場合、各Tバー3は、天井スラブ(図示略)から下方に延びる吊りボルト4、その吊りボルト4にハンガー5を介して取付けられる野縁受け(例えばCチャンネル)6、その野縁受け6に取付けられる固定具7等を利用して吊持される(図2参照)。
【0019】
前記各天井パネルユニット2としては、図1に示すように、第1天井パネルユニット2Aと第2天井パネルユニット2Bの2種類が用いられている。第1天井パネルユニット2Aは、図1〜図4に示すように、天井パネル(輻射熱供給用パネル)8と、その上に敷設される伝熱管9と、を備えている。
【0020】
天井パネル8は、平面視矩形形状のパネル本体8Aと、そのパネル本体8A上面(内面)の幅方向両側部分(一組の一対の対向辺部)から起立する起立部11A,11Bと、を有するものとなっている。本実施形態においては、この天井パネル8は、図4〜図6に示すように、2枚の基準天井パネル(基準パネル)10を並設させた状態で連結することにより構成されている。
【0021】
具体的に説明する。上記天井パネル8を構成する各基準天井パネル10も、平面視矩形形状のパネル本体10Aと、そのパネル本体10A上面10aの幅方向両側部分からそれぞれ起立する起立部11A,11Bと、を有している。
パネル本体10Aの延び方向(図4中、左右方向)長さは、互いに対向して配置されるTバー3間を跨ぐことができる長さとされており、その延び方向端部は、その対向配置されるTバー3にそれぞれ支持されている。
起立部11A,11Bは、曲げ剛性を高めることを主目的としてパネル本体部10Aに設けられており、その両起立部11A,11Bは、基準天井パネル10の延び方向にその全長に亘って延びている。パネル本体10Aの幅方向一方側の起立部11Aは、パネル本体10Aの上面10aから離間する方向に垂直に立ち上がる基部11Aaと、その基部11Aaの先端部から連続して基準天井パネル10の幅方向外方に拡張されるフランジ部11Abとを一体的に備えており、その起立部11Aの先端面となるフランジ部11Ab上面の高さは、本実施形態においては、パネル本体10Aの上面10aを基準として10mmに設定されている。パネル本体10Aの幅方向他方側の起立部11Bは、内外一対の起立壁部11Ba,11Bbを有しており、内側の起立壁部11Baは、外側の起立壁部11Bbよりも前記起立部11Aのフランジ部11Abの肉厚分だけ高く起立している。本実施形態においては、内側の起立壁部11Baの先端面(上面)の高さは、パネル本体10Aの上面10aを基準として10mmとされ、前述の起立部11Bのフランジ部11Abの上面の高さと同じとされている。
【0022】
前記各基準天井パネル10におけるパネル本体上面10aには、図2〜図9に示すように、一対の起立部11A,11B間において、複数(本実施形態では2つ)の支持部12が一体的に立設(突設)されている。
各支持部12は、各起立部11A(11B)から基準天井パネル10の幅方向内方に所定間隔離れた位置において、互いに一定間隔離間しつつ、基準天井パネル10の延び方向(起立部11A,11Bの延び方向)にその基準天井パネル10の全長に亘って延びており、この各支持部12の先端面12aの高さは、パネル本体上面10aを基準として、起立部11A,11Bの先端面、すなわちフランジ部11Ab上面及び内側起立壁部11Baの先端面以上の高さに設定されている。本実施形態においては、この各支持部12の先端面12aの高さは、起立部11の先端面と同じ高さ(10mm)とされている。この各支持部12の先端部の幅方向長さ(厚み:図7〜図9中、左右方向)は、その各支持部12の全長に亘って、その支持部12の基端部の幅方向長さよりも拡張されている。これにより、各支持部12の先端部は、拡張部13としてそれぞれ形成されている。この拡張部13の上面は支持部12の先端面12aとして水平に形成されており(以下、拡張部13の上面についても、符号12aを用いる)、その拡張部13の上面12aの高さは、パネル本体上面10aを基準として、前述の起立部11A,11Bの先端面(11Ab,11Baの各上面(以下同じ))と同じ高さとされている。このような基準天井パネル10は、本実施形態では、押し出し成形により形成されている。
【0023】
前記2枚の基準天井パネル10は、図4,図6,図8,図9に示すように、連結具としての連結バー14を用いて連結されている。
2枚の基準天井パネル10は、その両幅方向を一致させると共にその両延び方向端面を揃えた状態で並設されている。このとき、図8に示すように、一方の基準天井パネル10における外側の起立壁部11Bb(起立部11)先端面に他方の基準天井パネル10におけるフランジ部11Abが載せられ、そのフランジ部11Ab外端が、一方の基準天井パネル10における内側の起立壁部11Baに当接された状態とされる。これにより、本実施形態においては、2枚の並設された基準天井パネル10は、その幅方向両側に起立部11A(一方の基準天井パネル10の起立部11A),11B(他方の基準天井パネル10の起立部11B)を有するだけでなく、その幅方向中央において起立部11C(両基準天井パネル10の起立部11Aと11Bとが当接した部分)を有することになる。この起立部11Cの先端面(フランジ部11Abの上面,内側起立壁部11Baの先端)も、他の起立部11A,11Bの先端面の高さと同じとなる。
【0024】
連結バー14は、上記2枚の並設された基準天井パネル10の延び方向両側において、それらの上をその幅方向において跨ぐように配置されている。この連結バーの下部には、各基準天井パネル10の支持部12(拡張部13を有する断面T字状のもの)、起立部11Cに対応した切り欠き部15がそれぞれ形成されており、その連結バー14の各切り欠き部15に2枚の基準天井パネル10の支持部12等の延び方向端部が摺動可能にそれぞれ嵌合されている(図6の連結バー14の取付けの動きを示す矢印参照)。これにより、各基準天井パネル10の支持部12の形状(拡張部13を有する断面T字形状)が連結バー14との関係で有効に利用されて、2枚の基準天井パネル10は一体化することになり、天井パネル8が構成されることになる。このように2枚の基準天井パネル10を一体化して天井パネル8を形成するのは、幅広の天井パネルを形成するためには大型の金型が必要となり、コストがかさむためである。2枚の基準天井パネル10を組み合わせることにより、安価に製作することが可能となる。
【0025】
前記伝熱管9として、図2,図3,図4,図6に示すように、間隔をあけて略平行に配置される複数の直線状パイプ部16と、隣り合う直線状パイプ部16を直列となるように連結する湾曲パイプ部17と、を備えて、蛇行形状とされたものが用いられている。この隣り合う直線状パイプ部16の間隔は、支持部12間の間隔と等しくされており、その各直線状パイプ部16は、第1天井パネルユニット2Aの各拡張部13(各支持部12先端部)の上面12a上に、その各直線状パイプ部16の延び方向を支持部12の延び方向に向けた状態でそれぞれ配置されている。これにより、伝熱管9は、水平な姿勢で支持されることになっている。これに伴い、この伝熱管9の流出入端部18も、直線状パイプ部16及び湾曲パイプ部17と同一高さをもって、第1天井パネルユニット2Aの幅方向両側外方へと延びることになるが、拡張部13の上面12の高さが各起立部11A,11B先端面以上の高さ(本実施形態では同一高さ)とされていることから、その際、伝熱管9の流出入端部18は、各起立部11A,11Bと干渉することはない。特に本実施形態では、拡張部13上面12の高さと各起立部11A,11B先端面の高さとが同一とされて、伝熱管9の流出入端部18が各起立部11A,11B先端面により支持されることから、第1天井パネルユニット2Aの幅方向中央における起立部11C先端面により伝熱管9の湾曲パイプ部17が支持されることと相まって、伝熱管9は、極めて安定な水平姿勢状態となる。この両流出入端部18には、別の天井パネルユニット2における伝熱管9との接続を容易にするためにジョイントを予め取付けておくことが好ましい。
この伝熱管9としては、既知の種々のものを用いることができる。本実施形態においては、三層構造管が用いられている。三層構造管は、最内層及び最外層に高耐熱ポリエチレン樹脂が使用され、その最内層と最外層との間の中間層には、強化アルミ(強化アルミパイプ)が使用されている。このため、本実施形態に係る伝熱管9は、手作業により曲げることができると共に、その曲げ状態を維持することができる。
【0026】
前記伝熱管9は、図2,図3,図4,図6,図10に示すように、その各直線状パイプ部16が保持具19を用いて前記各支持部12にそれぞれ取付けられている。保持具19は、金属材料(例えばアルミ材)を用いて、長尺部材として形成され、その長尺部材にその全長に亘って溝状の凹所20が形成されている。このため、保持具19は、長尺部材の溝状凹所20の幅方向両側において、凹所20の側部を区画する側壁部21と、凹所20の底部を区画して両側壁部21を連結する底壁部22と、を有している(図10参照)。この両側壁部21は、底壁部22を基準として互いが接近・離間可能とされて、その両者21,21間に前記拡張部13を嵌め込むことができるようにされていると共に、その各側壁部21の先端部に、前記各拡張部13の幅方向端部を係止するために係止爪23がそれぞれ形成されている。しかも、各側壁部21には、外部に向けて張り出すようにして突片部41がそれぞれ一体的に設けられており、その各突片部41の突出量は、保持具19の取外しを考慮して、指が的確にかけられる程度に設定されている。このような各保持具19の凹所20内には、各拡張部13及びその上の直線状パイプ部16が嵌め込まれ、各拡張部13の幅方向両側に対しては側壁部21の係止爪23が係止されている。これにより、拡張部13及びその上の直線状パイプ部16は、係止爪23と保持具19の底壁部22とにより挟持、保持され、各保持具19は、各直線状パイプ部16の大部分を上側から覆うことになる。勿論この場合、拡張部13の幅方向両側に対する係止爪23の係止は、突片部41に指をかけて両側壁部21間の間隔が拡がるように力を加えることにより、容易に外すことができる。
【0027】
前記第2天井パネルユニット2Bは、前記第1天井パネルユニット2Aから伝熱管9が除かれて天井パネル8だけからなる構成とされている。この場合、天井パネル8を構成する基準天井パネル10には、基本的に、第1天井パネルユニット2Aを構成する基準天井パネル10と同じものが用いられているが、天井端部等においては、必要に応じて、第1天井パネルユニット2Aを構成する基準天井パネル10よりも幅狭の基準天井パネル10が第2天井パネルユニット2Bに用いられる。
【0028】
前記第1,第2天井パネルユニット2A,2Bは、図1に示すように、各対向するTバー3間において、その延び方向に互い違いに配置され、その第2天井パネルユニット2B上に連結管24が配置されている。第1,第2天井パネルユニット2A,2Bを互い違いに配置するのは、第1天井パネルユニット2A同士の伝熱管9を連結管24を用いて連結するべく、第2天井パネルユニット2Bの配置前の相当空間を天井裏への作業者の進入空間とするためである。第2天井パネルユニット2Bの配置前の相当空間を利用して、第1天井パネルユニット2A同士の伝熱管9が連結管24により連結されると、その相当空間は第2天井パネルユニット2Bにより塞がれる。この場合、連結管24についても、その両端部にジョイント(接手)を予め取付けておくことが好ましく、これにより、その連結管24のジョイントと第1天井パネルユニット2Aの伝熱管9のジョイントとを、連結ジョイントを用いることにより簡単に連結できることになる。図1における符号25は、連結管24のジョイント、伝熱管9のジョイント、それらジョイントを連結する連結ジョイントをまとめて示している(一部の個所のもののみを示し、他の個所のものについては図示を略す)。勿論この場合、連結管24も、各起立部11A,11B及び各支持部12の先端面に支持され、連結管24の高さは、伝熱管9と同じ高さに維持されている。各対向するTバー3間においては、このようにして各第1天井パネルユニット2Aの伝熱管9が連結管24を用いて直列に連結され、伝熱管群連結体37が構成されている(図1参照)。
【0029】
各対向するTバー3間に配置された伝熱管群連結体37は、システム天井1裏全体に伝熱管システム26を構成すべく、図1に示すように、その隣り合うもの(伝熱管群連結体37)に対して、連結管24Aを介して接続されている。この場合、連結管24AはTバー3を横切っている。図1において、符号P1〜P4がその相当個所を示している。そのような相当個所P1〜P4では、Tバー3の縦壁に貫通孔27が形成されており、連結管24Aは、図2,図11(P1個所の貫通孔27を示す)に示すように、Tバー3を横切るために、各貫通孔27を貫通している。この際、貫通孔27の高さ(天井パネル8の上面を基準)設定に基づき、連結管24Aの高さ位置は、各伝熱管9と同じ高さ位置に維持されている。これにより、連結管24Aについても、上下に曲げ加工を行う必要はなくなり、作業負担の軽減と、伝熱媒体の圧力損失の増大の防止とを図ることができる。
尚、図1中、符号28は、システム天井用照明器具を示す。
【0030】
このような伝熱管システム26には、図外の配管システム、伝熱媒体を供給する伝熱媒体供給源等が接続されて、伝熱媒体循環システム(図示略)が構成されており、季節に応じて、その伝熱媒体循環システムを通じて、伝熱管システム26に、伝熱媒体としての温水又は冷却水が供給されることになっている。これに基づき、伝熱管システム26に伝熱媒体としての冷却水又は温水が供給されると、各第1天井パネルユニット2Aの伝熱管9、第2天井パネルユニット2B上の連結管24は熱を受け取り、その熱は、熱伝導、対流、輻射により各天井パネル8(基準天井パネル10)に伝熱されることになる。この結果、天井(各天井パネル8)は、室内に輻射熱を供給することになる。
【0031】
この場合、基準天井パネル10の各支持部12の先端面12a高さ位置が、各起立部11の先端面の高さ位置と等しくされて、その各起立部11の先端面の高さ以上の高さの下で最も低くされていることから、伝熱管9等から天井パネル8への伝熱量を極力増やすことができる。また、各伝熱管9における各直線状パイプ部16の大部分を保持具19により覆っていることから、天井と正反対の裏面上方に熱が逃げることを抑えることができ、その熱をシステム天井1から室内への輻射熱として有効に利用できることになる。
【0032】
したがって、このような輻射システム天井1においては、各第1天井パネルユニット2A同士の伝熱管9同士を接続するために、各第1天井パネルユニット2Aにおける伝熱管9の流出入端部18が、起立部11A,11Bを乗り越えて外側に延びる場合であっても、伝熱管9の直線状パイプ部16を支持する各支持部12(拡張部13)の先端面12aの高さが、起立部11A,11B先端面の高さ以上の高さ(本実施形態では高さは同一)であることから、伝熱管9の流出入端部18が起立部11A,11Bに干渉することはない。このため、各伝熱管9の流出入端部18に対して上下に曲げ加工する必要はなくなり、天井パネル8への伝熱管9の配設・連結作業の負担を軽減することができる。また同時に、伝熱媒体の圧力損失の増大を防止できることにもなる。
また、本実施形態においては、伝熱管9の各直線状パイプ部16を支持する支持部12が、第1,第2天井パネルユニット2A,2B(各基準天井パネル10)において、その延び方向にその全長に亘って延びていることから、第1,第2天井パネルユニット2A,2B(各基準天井パネル10)の曲げ剛性を起立部11A,11Bだけでなく、支持部12によっても高めることができる。
さらに、起立部11A,11B,11Cの先端面、拡張部13の上面12aの高さが等しくされて、それらにより伝熱管9が多個所で支持されることから、伝熱管9を極めて安定な姿勢状態(水平状態)にすることができる。
【0033】
図12,図13は第2実施形態、図14は第3実施形態を示す。この各実施形態において、前記第1実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0034】
第2実施形態は、各支持部12が、伝熱管9の直線状パイプ部16を保持する保持具として保持部32を一体的に備えたものを示している。
支持部12は、本実施形態においては、天井パネル8(基準天井パネル10)の上面と一体成形されておらず、天井パネル8と別個独立のものがその天井パネル8の上面に固定されている。このため、支持部12の基端部には、その肉厚方向(幅方向)に拡張された固定部31が設けられており、その固定部31が、熱伝導性の良好な接着剤、両面テープ等を介して、又はスポット溶接等により天井パネル8の上面に固定されている。支持部12は、伝熱管9の直線状パイプ部16の全長よりもやや短めの長さとされており、その支持部12の先端部には、前記第1実施形態同様、拡張部13が支持部12の全長に亘って一体的に設けられている。この拡張部13の上面12aの高さも起立部11A,11B,11Cの先端面の高さと等しくされている。本実施形態においては、この拡張部13の幅方向一方側(図13中、右側)に、同じ金属材料をもって、保持部32が拡張部13の全長に亘って一体的に設けられている。この保持部32は、一旦、立上がった後、湾曲状態を保ちつつ拡張部13の幅方向他方側(図13中、左側)に延びており、保持部32は、拡張部13の幅方向一方側を基準として撓み可能となっている。この保持部32は、拡張部13と協働して、直線状パイプ部16を挿入保持する挿入空間33と、その挿入空間33に導くための挿入開口34と、を形成することになっており、そのうちの挿入開口34の大きさは、保持部32の撓みに基づく先端部の変位動により変化することになる。このような支持部12は、挿入開口34の向きを全て、拡張部13の幅方向他方側に統一しつつ、伝熱管9の隣り合う直線状パイプ部16の間隔に対応した間隔をあけた状態で配置されている。尚、符号35は、保持部32の先端部に設けられて、直線状パイプ部16を挿入空間33へ容易に進入できるようにする案内部である。
【0035】
この各挿入空間33に伝熱管9の直線状パイプ部16を挿入保持するに際しては、各対向する支持部12の間に伝熱管9の直線状パイプ部16を位置させ、その状態から略水平に移動させて、挿入開口34を介して挿入空間33に入れ込む。この際、保持部32先端部の案内部35が、各直線状パイプ部16の挿入空間33への挿入を案内すると共に、各直線状パイプ部16の挿入空間33への進入を容易にするべく、保持部32を上方へ撓ませる(挿入開口34を上方に拡張する)。これによって、各直線状パイプ部16が各挿入空間33に挿入保持されると、各保持部32が復帰して、各保持部32と各拡張部13とは、各直線状パイプ部16を挟持する。結果、この第2実施形態においても、各第1天井パネルユニット2Aの伝熱管9の流出入端部18が起立部11を乗り越えて外側に延びる構成であっても、各第1天井パネルユニット2Aの伝熱管9は、各起立部11の先端面と、その各起立部11の先端面の高さと等しい各支持部12の先端面とによって支持され、伝熱管9は、水平状態で支持できる。このため、天井パネル8上で伝熱管9を配設・連結するに際して、各伝熱管9(流出入端部18)に対して上下に曲げ加工を施す必要はなくなり、天井パネル8上での伝熱管9の配設・連結作業の負担を軽減できると共に、伝熱媒体の圧力損失の増大を防止できる。
また、本実施形態においては、保持具19が保持部32として支持部12に一体的に成形されていることから、部品点数を少なくできると共に、部品管理を容易にできる。
さらに、支持部12(拡張部13)と保持部32とが形成する挿入空間33に直線状パイプ部16を容易に嵌め込むことができると共に、その際、保持部32により直線状パイプ部16の上側の大部分を覆って、直線状パイプ部16からの熱を天井とは正反対の上方側に逃げることを抑制できる。
【0036】
図14に示す第3実施形態は第2実施形態の変形例を示す。この第3実施形態においては、支持部12(図14においては図示略、図12,図13参照)として、伝熱管9の直線状パイプ部16に対応したものが設けられているばかりか、湾曲パイプ部17に対応したものが設けられている。これにより、伝熱管9は、直線状パイプ部16に加えて、湾曲パイプ部17も支持部12上に支持されることになり、その直線状パイプ部16、湾曲パイプ部17は、支持部12と保持部32(32a)とにより挟持(保持)される。勿論この場合、湾曲パイプ部17に対応した支持部12、保持部32aは、その湾曲パイプ部17に対応して湾曲したものが用いられる。
これにより、伝熱管9と天井パネル8(10)との接触面積を増大させることができ、伝熱効率を向上させることができる。
【0037】
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次の態様を包含する。
(1)天井パネル8として、基準天井パネル10自体を単独で用いること。
(2)天井パネル8として、平面視正方形状のものを用いること。
(3)支持部12の数を2以上の適宜の数とすること。
(4)支持部12の先端面12aの高さを起立部11A,11Bの先端面の高さよりも高くすること。
(5)天井パネル8(10)を、天井パネルユニット2を予め形成するために利用するだけでなく、その天井パネル8(10)自体を配設し、その後、その上で伝熱管9の配設・連結作業を行うこと。
(6)本発明に係る輻射熱供給用パネル、輻射熱供給用パネルユニットを室内の側壁等の壁を構成するために用いること。これにより、側壁等を構成するためのパネルの幅方向両側に起立部11A、11Bを設けて、曲げ剛性を高めている場合であっても、前記各実施形態同様、各伝熱管9の流出入端部18を、曲げ加工することなく、そのパネルの幅方向外側に延出することができる。
【0038】
尚、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましい或いは利点として記載されたものに対応したものを提供することをも含むものである。
【符号の説明】
【0039】
1 システム天井
2 天井パネルユニット
2A 第1天井パネルユニット(輻射熱供給用パネルユニット)
2B 第2天井パネルユニット
3 Tバー(天井パネル支持部材)
8 天井パネル(輻射熱供給用パネル)
8A パネル本体
9 伝熱管
10 基準天井パネル(基準パネル)
10A パネル本体
11A、11B 起立部
12 支持部
12a 支持部の先端面(拡張部13の上面)
13 拡張部
14 連結バー(連結具)
16 直線状パイプ部
17 湾曲パイプ部
18 流出入端部
19 保持具
24A 連結管
27 貫通孔
32 保持部(保持具)
37 伝熱管群連結体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視四角形状のパネル本体の内面のうち、該パネル本体における一方の組の一対の対向辺部に、該パネル本体の内面から離れる方向に起立する起立部が該パネル本体における他方の組の一対の対向辺部に向けて延びるようにそれぞれ設けられ、前記パネル本体の内面が、伝熱媒体を流す伝熱管を受け止める受け面とされ、前記伝熱管として、間隔をあけて略平行に配置される複数の直線状パイプ部と、隣り合う直線状パイプ部を直列となるように連結する湾曲パイプ部と、を備えて蛇行形状とされたものを対象としている輻射熱供給用パネルであって、
前記パネル本体の内面に、前記伝熱管の各直線状パイプ部を先端面によって支持する支持部が、該パネル本体の内面から離れる方向に突出した状態をもって複数設けられ、
前記各支持部が、前記伝熱管の直線状パイプ部に対応させて、間隔をあけつつ前記各起立部の延び方向に延ばされ、
前記各支持部の先端面の高さが、前記パネル本体の内面を基準として、前記各起立部の先端面の高さ以上の高さに設定されている、
ことを特徴とする輻射熱供給用パネル。
【請求項2】
請求項1において、
前記各支持部の先端面と協働して前記伝熱管の各直線状パイプ部を挟持する保持具が、それぞれ備えられている、
ことを特徴とする輻射熱供給用パネル。
【請求項3】
請求項2において、
前記各支持部の先端部が、該各支持部の全長に亘って、該支持部の基端部よりも該支持部の幅方向において拡張された拡張部としてそれぞれ形成され、
前記各保持具が、前記各拡張部の上側外方から該各拡張部を包み込むようにして該各拡張部に係止可能とされている、
ことを特徴とする輻射熱供給用パネル。
【請求項4】
請求項2において、
前記各支持部の先端部が、該各支持部の全長に亘って、該支持部の基端部よりも該支持部の幅方向において拡張された拡張部としてそれぞれ形成され、
前記各保持具が、前記各拡張部の幅方向一方側に撓み可能にそれぞれ一体的に設けられて、該各保持具と該各拡張部とにより、前記各直線状パイプ部を挿入保持するための挿入空間と、該挿入空間内に導くための挿入開口と、がそれぞれ形成され、
前記各挿入開口のいずれもが該各拡張部の幅方向他方側に向けられている、
ことを特徴とする輻射熱供給用パネル。
【請求項5】
輻射熱供給用パネルとして、平面視四角形状のパネル本体と、該パネル本体における一方の組の一対の対向辺部に該パネル本体の内面から離れる方向に起立した状態をもってそれぞれ設けられ該パネル本体における他方の組の一対の対向辺部に向けてそれぞれ延びる起立部と、を備えたものが用いられ、前記輻射熱供給用パネルの内面上に、伝熱媒体を流す伝熱管が配置され、該伝熱管が、間隔をあけて前記起立部に略平行に配置される複数の直線状パイプ部と、隣り合う直線状パイプ部を直列となるように連結する湾曲パイプ部と、を備えて蛇行形状とされたものとされ、該伝熱管の流出入端部が前記輻射熱供給用パネルの起立部を乗り越えて外方に延びている輻射熱供給用パネルユニットであって、
前記パネル本体の内面に、複数の支持部が該パネル本体の内面から離れる方向に突出した状態をもって設けられ、
前記各支持部が、前記一方の組の対向辺部の配設方向に間隔をあけつつ前記各起立部の延び方向に延ばされ、
前記各支持部の先端面の高さが、前記パネル本体の内面を基準として、前記各起立部の先端面の高さ以上の高さに設定され、
前記各支持部の先端面に、前記伝熱管の各直線状パイプ部が略全長に亘ってそれぞれ支持されて、該伝熱管の流出入端部が、前記パネル本体の内面を基準として、該各直線状パイプ部と同一高さ位置に位置されている、
ことを特徴とする輻射熱供給用パネルユニット。
【請求項6】
請求項5において、
前記輻射熱供給用パネルが、複数の基準パネルを連結具を用いて連結することにより構成され、
前記各基準パネルが、
平面視四角形状のパネル本体と、
前記パネル本体における一方の組の一対の対向辺部に該パネル本体の内面から離れる方向に起立した状態をもってそれぞれ設けられて該パネル本体における他方の組の一対の対向辺部に向けてそれぞれ延びる起立部と、
前記パネル本体の内面に、前記一方の組の一対の対向辺部の配設方向に間隔をあけつつ該パネル本体の内面から離れる方向に突出した状態をもって設けられて前記各起立部の延び方向にそれぞれ延びると共に、その各先端面の高さが、前記パネル本体の内面を基準として、前記各起立部の先端面の高さ以上の高さに設定されている複数の支持部と、を備えている、
ことを特徴とする輻射熱供給用パネルユニット。
【請求項7】
長尺な天井パネル支持部材が、間隔をあけつつ互いに平行に延びるように順次、配設され、
各対向する天井パネル支持部材間に、複数の伝熱管が直列に接続された伝熱管群連結体が該対向する天井パネル支持部材に沿うように配設され、
前記各伝熱管が、前記対向する天井パネル支持部材の延び方向に間隔をあけつつ該対向する天井パネル支持部材に向けて平行に延びる複数の直線状パイプ部と、隣り合う直線状パイプ部を直列となるように連結する湾曲パイプ部と、を備えて蛇行形状とされたものとされ、
前記各対向する天井パネル支持部材間に、前記伝熱管群連結体の各伝熱管を支える輻射熱供給用パネルがそれぞれ掛け渡され、
前記各輻射熱供給用パネルが、前記対向する天井パネル支持部材間を跨ぐ平面視四角形状のパネル本体と、該パネル本体の内面のうち、前記対向する天井パネル支持部材の延び方向において対向する一対の対向辺部に該パネル本体の内面から離れる方向に起立した状態をもってそれぞれ設けられて該対向する天井パネル支持部材間を跨ぐように延びる起立部と、を備えたものとされ、
前記各伝熱管群連結体が、該各伝熱管群連結体に隣り合う伝熱管群連結体に対して、該両者間に存在する天井パネル支持部材を横切る連結管により直列となるようにそれぞれ接続されている輻射システム天井であって、
前記各輻射熱供給用パネルにおけるパネル本体の内面に、複数の支持部が該パネル本体の内面から離れる方向に突出した状態をもって設けられ、
前記各輻射熱供給用パネルにおける各支持部が、前記一方の組の対向辺部の配設方向に間隔をあけつつ前記各起立部の延び方向に延ばされ、
前記各支持部の先端面の高さが、前記パネル本体の内面を基準として、前記各起立部の先端面の高さ以上の高さに設定され、
前記各輻射熱供給用パネルにおける各支持部の先端面に、前記各伝熱管の各直線状パイプ部が略全長に亘って支持されて、該各伝熱管の流出入端部が、該各輻射熱供給用パネルにおけるパネル本体の内面を基準として、該各直線状パイプ部と同一高さ位置に位置され、
前記各天井パネル支持部材に、前記連結管を通すための貫通孔がそれぞれ形成され、
前記各貫通孔は、前記各連結管が前記貫通孔を貫通した状態において、該各連結管の高さ位置が前記各輻射熱供給用パネルにおける伝熱管の高さ位置と同じとなるように設定されている、
ことを特徴とする輻射システム天井。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−112165(P2012−112165A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261589(P2010−261589)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000151025)株式会社タブチ (86)
【出願人】(000110479)ナカ工業株式会社 (125)