説明

農作業機

【課題】土、石、茎葉くず等の不要物が収容体内に混入することを抑制でき、しかも、農作物がスクリーン手段上で停留することを抑制できる農作業機を提供する。
【解決手段】農作業機1は農作物Wを搬送する搬送手段5を備える。搬送手段5の後方には、搬送手段5からの農作物Wを案内してコンテナ内に向けて落下させるスクリーン手段44を設ける。スクリーン手段44は左右対をなす支持側板を有する。両支持側板間には、前高後低の傾斜状態を維持しつつ可動して農作物Wを案内する可動スクリーン体63を設ける。可動スクリーン体63は、その案内始端側が回転運動しかつその案内終端側が往復直線運動するように可動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土、石、茎葉くず等の不要物が収容体内に混入することを抑制でき、しかも、農作物がスクリーン手段上で停留することを抑制できる農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば圃場の玉葱等の農作物を掻き込む掻込手段と、この掻込手段からの農作物を上斜め後方に搬送する搬送手段と、この搬送手段からの農作物を案内して収容体であるコンテナ内に向けて落下させる落下シュートと、この落下シュートの上方に配設された櫛状の弾性体とを備えた農作業機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−61011号公報(図2、図3、図23)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の農作業機では、例えば櫛状の弾性体で茎葉くずを捕捉できるが、茎葉くず以外の土、石等は、櫛状の弾性体にて捕捉されないため、落下シュートにて案内されてコンテナ内に混入するおそれがある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、土、石、茎葉くず等の不要物が収容体内に混入することを抑制でき、しかも、農作物がスクリーン手段上で停留することを抑制できる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の農作業機は、農作物を搬送する搬送手段と、この搬送手段からの農作物を案内して収容体内に向けて落下させるスクリーン手段とを備え、前記スクリーン手段は、前記収容体側に向って下り傾斜する傾斜状態を維持しつつ可動して農作物を案内する可動スクリーン体を有し、前記可動スクリーン体は、その案内始端側が回転運動しかつその案内終端側が往復直線運動するように可動するものである。
【0006】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、スクリーン手段は、長孔が形成された支持体と、一方側が第1軸を介して前記支持体に回転可能に連結された回転連結体とを有し、前記回転連結体の他方側が前記第1軸と平行な第2軸を介して可動スクリーン体の案内始端側に回転可能に連結され、前記可動スクリーン体の案内終端側の軸部材が前記支持体の前記長孔内にスライド可能に挿入されているものである。
【0007】
請求項3記載の農作業機は、請求項1または2記載の農作業機において、可動スクリーン体は、案内方向と直交する方向に間隔をおいて並ぶ複数の棒状部材と、この各棒状部材の外周面を覆う弾性部材とを有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スクリーン手段は収容体側に向って下り傾斜する傾斜状態を維持しつつ可動して農作物を案内する可動スクリーン体を有し、この可動スクリーン体はその案内始端側が回転運動しかつその案内終端側が往復直線運動するように可動するため、土、石、茎葉くず等の不要物が収容体内に混入することを抑制でき、しかも、農作物がスクリーン手段上で停留することを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の農作業機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし図3において、1は農作業機で、この農作業機1は、圃場上を前方(図中、矢印方向)に移動しながら、圃場の畝aの土中で生育した収穫物である農作物Wを畝aの土中から取り上げて、収容体である上面開口状のコンテナb内に収容する自走式の収穫機である。なお、圃場の農作物Wは、例えば畝aに生育した玉葱である。
【0011】
農作業機1は、クローラ部3を左右両側の下部に有する自走式の作業機本体2を備えている。
【0012】
作業機本体2には、持上コンベヤ装置等にて構成された前低後高の傾斜状の搬送手段5が搬送手段5の搬送終端側の左右方向の軸6を中心として搬送始端側が昇降するように上下回動可能に設けられている。搬送手段5の搬送始端側には、掻込コンベヤ装置等にて構成された掻込手段7が設けられている。
【0013】
また、作業機本体2と搬送手段5との間には、搬送手段5を軸6を中心として回動させて搬送手段5の傾斜角度を設定する角度設定手段8が設けられている。この角度設定手段8は、シリンダ本体9およびこのシリンダ本体9内に出入りするロッド10を有するシリンダ装置11にて構成され、ロッド10の先端部が搬送手段5の被取付部5aに回動可動に取り付けられ、シリンダ本体9の基端部が作業機本体2の被取付部2aに回動可能に取り付けられている。
【0014】
掻込手段7は、圃場の農作物Wを掻き込んで後方に送り搬送手段5の搬送始端部とともに農作物Wを上斜め後方に搬送するもので、搬送手段5の搬送始端部の上方に配設されている。
【0015】
掻込手段7は、互いに離間対向する回行可能な左右対をなす無端体であるチェーン13を有している。チェーン13は、複数の回転体であるスプロケット14に掛け渡され、動力源であるエンジン12側からの動力を伝達する動力伝達手段15によって所定方向に略楕円の軌跡を描くように回行する。
【0016】
両チェーン13間には、チェーン13の回行方向に等間隔をおいて並ぶ複数の支持体16が架設されている。各支持体16には、チェーン13の回行時にチェーン13とともに前後方向にやや長手状の略楕円を描くように回行しながら、農作物Wを掻き込んで後方に送る弾性変形可能な板状の掻込弾性体である掻込弾性板17が取り付けられている。掻込弾性板17の先端部には、複数の切欠凹部18が形成されている。
【0017】
搬送手段5は、掻込手段7の掻込弾性板17との協働により農作物Wを畝aの土中から掘り取って受け入れこの受け入れた農作物Wを上斜め後方に所望位置まで載置搬送するものである。
【0018】
搬送手段5は、掻込弾性板17との協働により農作物Wを受け入れて上斜め後方に載置搬送する前低後高の傾斜状の搬送部21と、この搬送部21のうち掻込手段7の下方に位置してこの掻込弾性板17の先端部と近接対向する部分である搬送始端部を上下に振動させる振動部22とを有している。
【0019】
搬送部21は、図4および図5に示されるように、互いに離間対向する回行可能な左右対をなす無端体であるチェーン23を有している。チェーン23は、複数の回転体であるスプロケット24に掛け渡されかつ支持体25にて支持されている。そして、チェーン23は、エンジン12側からの動力を伝達する動力伝達手段20によって所定方向に回行する。
【0020】
両チェーン23間には、チェーン23の回行方向に等間隔をおいて並ぶ左右方向に細長い棒状の複数の搬送体26が架設されている。すなわち、両チェーン23間には、チェーン23の回行時にチェーン23とともに回行しながら、掻込弾性板17からの農作物Wを受け入れて上斜め後方に載置搬送する複数の搬送体26が設けられている。また、回行方向に隣り合う搬送体26間には間隙27があり、農作物Wの搬送時にその間隙27から土、石、茎葉くず等が圃場上に落下する。
【0021】
なお、図4に示されるように、チェーン23は互いに回動自在に連結された複数のチェーン構成部材28にて構成されており、所定の一のチェーン構成部材28には1本の搬送体26の端部が連結され、所定の他のチェーン構成部材28には2本の搬送体26の端部が連結されている。
【0022】
振動部22は、搬送部21のうち掻込手段7の下方に位置する搬送始端部の一部を上下に振動させるもので、図4および図5に示されるように、搬送部21の左右の各チェーン23の上側部分である往路部23aの上方に左右方向の軸31aを中心として回転可能に配設された上側回転体31と、各チェーン23の往路部23aの下方に左右方向の軸32aを中心として回転可能に配設され上側回転体31との間でチェーン23の往路部23aを上下から挟持して往路部23aの一部が凹凸状になるように往路部23aを折り曲げる下側回転体32とを有している。つまりこれら上側回転体31と下側回転体32とでチェーン23の往路部23aが挟持されて凹凸状になると、その往路部23aの凹凸状の部分では搬送体26が上下動し、この搬送体26の上下動により搬送部21の搬送始端部の一部が上下に振動する。
【0023】
上側回転体31は、例えばスプロケットにて構成されている。そして、上側回転体31の下部がチェーン23の往路部23aに係合して接触し、この上側回転体31はチェーン23に追従して従動回転する。
【0024】
下側回転体32は、上側回転体31より前方に配設され上側回転体31との間でチェーン23の往路部23aを挟持して曲げる前下側回転部材33と、上側回転体31より後方に配設され上側回転体31との間でチェーン23の往路部23aを挟持して曲げる後下側回転部材34とにて構成されている。そして、下側回転体32が前後の下側回転部材33,34にて構成されているため、各チェーン23の往路部23aがそれぞれ2箇所で挟持されて凹凸状になり、この凹凸状の部分で搬送体26が上下動し、この搬送体26の上下動により搬送部21の搬送始端部の一部が上下振動する。
【0025】
前下側回転部材33および後下側回転部材34は、いずれも同じボールベアリングにて構成されている。そして、各下側回転部材33,34の上部がチェーン23の往路部23aに係合して接触し、この各下側回転部材33,34はチェーン23に追従して従動回転する。
【0026】
なお、1つの上側回転体(スプロケット)31とこの上側回転体31より外径寸法が小さい2つの前後の下側回転部材(ボールベアリング)33,34とにて、振動回転部35が構成されている。この振動回転部35は搬送部21の搬送始端部の左右両側にそれぞれ配設されている。
【0027】
また、前低後高の傾斜状の搬送部21の側方部は側板41にて覆われ、側板41の前端部にはガイド板42が取り付けられ、このガイド板42の案内作用により作業機本体2が畝aに沿って移動するようになっている。
【0028】
また、図1ないし図3に示されるように、作業機本体2には、搬送手段5の搬送部21の搬送終端部からの農作物Wを受け入れて下斜め後方に案内しその農作物Wを案内終端部からコンテナb内に向けて落下させるスクリーン手段44が設けられている。すなわち、搬送手段5から搬出された農作物Wをこの農作物Wが自重で転がり落ちるように下斜め後方に案内して案内終端部からコンテナb内に落下させるとともに、搬送手段5から搬出された土、石、茎葉くず等の不要物を不要物落下用の間隙部44aから圃場上に落下させるスクリーン手段44が作業機本体2の後側上部に設けられている。
【0029】
ここで、スクリーン手段44は、図6および図7に示すように、互いに離間対向する左右対をなす支持体である支持側板61を有している。両支持側板61は、作業機本体2の側板取付部62に固着されている。
【0030】
そして、左右の両支持側板61間には、コンテナb側つまり後方に向って下り傾斜する前高後低の傾斜状態を維持しつつ可動つまり揺動して農作物Wを下斜め後方に案内して後端部である案内終端部からコンテナb内に落下させる可動スクリーン体63が設けられている。すなわち、前端側である案内始端側が左右方向の回転中心軸線Xを中心として回転運動しかつ後端側である案内終端側が水平方向である前後方向に往復直線運動するように全体が上下前後に揺動しながら、農作物Wを下斜め後方に案内する可動スクリーン体63が両支持側板61にて揺動可能に支持されている。
【0031】
可動スクリーン体63は、略コ字状の枠部材65を有している。この枠部材65は、支持側板61の内側方に近接して配設され互いに離間対向する左右対をなす対向板部66と、両対向板部66の前端部同士を連結する連結部67とを有している。対向板部66の後端部には、この対向板部66から外側方に突出する左右方向のガイドピンである軸部材68が固着されている。そして、可動スクリーン体63の案内終端側に位置する突出状の軸部材68は、支持側板61の後端部に形成された前後方向長手状の長孔61a内にスライド可能に挿入されている。
【0032】
また、枠部材65の連結部67には、可動スクリーン体63の案内方向である前後方向に長手状の複数、例えば4本の丸棒である棒状部材69の前端部が取り付けられている。すなわち左右方向長手状の連結部67から複数の棒状部材69が後方に向って突出し、これら複数の棒状部材69は案内方向と直交する方向である左右方向に等間隔をおいて並んで位置している。棒状部材69の外周側には弾性変形可能な円筒状の弾性部材70が嵌着され、この弾性部材70にて棒状部材69の前端部以外の部分の外周面全体が覆われている。
【0033】
なお、棒状部材69は硬質かつ剛性のある金属等にて構成され、弾性部材70は農作物Wと接触しても農作物Wを傷付けないように棒状部材69より軟質かつ弾性のあるウレタン樹脂、ゴム或いはスポンジ等にて構成されている。棒状部材69および弾性部材70にて案内棒状部71が構成され、左右方向に隣り合う案内棒状部71間の空間部にて、可動スクリーン体63の不要物落下用の間隙部44aが構成されている。
【0034】
さらに、スクリーン手段44は、一方側が第1軸(回転中心軸線X上にある軸)73を介して支持側板61の前端部に回転可能に連結されその支持側板61の前端部にて第1軸73を中心として回転可能にその第1軸73を介して支持されたリンクである回転連結体72を有している。そして、この回転連結体72の他方側が、第1軸73と平行な第2軸74を介して可動スクリーン体63の案内始端側つまり対向板部66の前端部に回転可能に連結されている。
【0035】
すなわち回転連結体72の一方側に固着され回転連結体72から外側方に突出する左右方向の第1軸73が支持側板61の前端部にベアリング76を介して回転可能に連結され、回転連結体72の他方側に固着され回転連結体72から内側方に突出する左右方向の第2軸74が可動スクリーン体63の対向板部66の前端部にベアリング77を介して回転可能に連結されている。
【0036】
なお、図6に示されるように、左右いずれか一方、例えば右側の第1軸73はベアリング76から外側方に突出する延長軸部73aを有し、この延長軸部73aにはプーリやスプロケット等の回転部材78が固着され、この回転部材78には図3に示すようにエンジン12に接続された動力伝達手段79が接続されている。そして、この動力伝達手段79からの動力によって可動スクリーン体63が前高後低の傾斜状態を維持しつつ支持側板61に対して上下前後方向に揺動する。なお、エンジン12、動力伝達手段79および回転部材78等にて、可動スクリーン体63を支持側板61に対して揺動させる駆動手段80が構成されている。
【0037】
さらに、図1および図2に示すように、作業機本体2にはコンテナ載置台51および空コンテナ載置台52が設けられ、コンテナ載置台51にはコンテナbが載置され、空コンテナ載置台52には空のコンテナbが載置されている。
【0038】
また、作業機本体2には作業椅子55およびステップ台56が設けられている。作業椅子55に座った作業者は、搬送手段5の搬送部21にて搬送されてきた土、石、茎葉くず、腐った農作物W等の不要物を選別して例えばステップ台56上に載せたコンテナb内に入れたり圃場上に捨てたりする。
【0039】
さらに、作業機本体2にはハンドル58および操作パネル59等が設けられている。操作パネル59は、例えば農作物Wが収容されたコンテナbをコンテナ載置台51から降ろす作業をする作業者によって操作される。
【0040】
次に、上記農作業機1の作用等を説明する。
【0041】
クローラ部3の作動によって作業機本体2が圃場上を畝aに沿って移動すると、圃場の農作物Wは、掻込手段7の掻込弾性板17にて掻き込まれて後方に送られ、搬送手段5の搬送部21の搬送体26上に載って上斜め後方に搬送される。
【0042】
すなわち、掻込手段7の掻込弾性板17と搬送手段5の搬送部21の搬送体26との両方の力によって圃場の農作物Wが圃場の畝aの土中から持ち上げられるように掘り取られ、この掘り取られた農作物Wは、搬送部21の搬送体26にて上斜め後方に向けて載置搬送される。
【0043】
この際、搬送手段5の搬送部21のうち掻込弾性板17の先端部と近接対向する部分の搬送体26は、振動部22の作用によって上下に振動する。
【0044】
このため、農作物Wに付着した土や、農作物Wとともに搬送部21上に載置された土、石、茎葉くず等は、農作物Wから分離除去され、隣り合う搬送体26間の間隙27から圃場に落下する。
【0045】
また、搬送部21の掻込弾性板17と対向する部分の振動、つまり搬送部21の搬送始端側に位置する搬送体26の振動に基づいて農作物Wが搬送部21上を転げ落ちようとしても、農作物Wは、掻込弾性板17との接触により移動規制されるため、搬送部21上を転がり落ちることはない。
【0046】
また、農作物Wは、搬送手段5の搬送部21の搬送体26にて載置搬送された後、スクリーン手段44上を経て、コンテナb内に落下して収容される。
【0047】
すなわち、搬送手段5の搬送部21の搬送終端部から搬出された農作物Wは、図7(a)ないし(d)に示すように、回転連結体72の駆動回転に基づいて案内始端側が支持側板61に対して回転中心軸線(第1軸73)Xを中心として農作物Wを後方に送る方向(図7中、時計回り)に回転運動しかつ案内終端側が支持側板61に対して前後方向に往復直線運動するように揺動する前高後低の傾斜状の可動スクリーン体63の案内棒状部71にて誘導案内され、案内棒状部71の自由端部である後端部からコンテナb内に向って落下し、コンテナb内に収容される。
【0048】
また、搬送手段5の間隙27および作業者の選別にて分離除去されずに搬送手段5から搬出された土、石、茎葉くず等の不要物は、揺動する可動スクリーン体63の間隙部44aから圃場上に落下することにより分離除去される。
【0049】
そして、このような農作業機1によれば、スクリーン手段44はコンテナb側に向って下り傾斜する傾斜状態を維持しつつ揺動して農作物Wを案内する可動スクリーン体63を有し、この可動スクリーン体63はその案内始端側が回転運動しかつその案内終端側が往復直線運動するように揺動するため、土、石、茎葉くず等の不要物がコンテナb内に混入することを抑制でき、しかも、農作物Wがスクリーン手段44の可動スクリーン体63上で停留することを抑制でき、農作物Wをスムーズに案内してコンテナb内に収容できる。
【0050】
また、スクリーン手段44は一方側が第1軸73を介して支持側板61に回転可能に連結された回転連結体72を有し、この回転連結体72の他方側が第2軸74を介して可動スクリーン体63の案内始端側に回転可能に連結され、可動スクリーン体63の案内終端側の軸部材68が支持側板61の長孔61a内にスライド可能に挿入支持された構成であるから、簡単な構成であるにも拘わらず、回転連結体72を回転させることで可動スクリーン体63を所望の軌跡を描くように適切に揺動できる。
【0051】
さらに、可動スクリーン体63は、左右方向に間隔をおいて並ぶ複数の棒状部材69と、この各棒状部材69の外周面を覆う弾性部材70とを有する構成であるから、可動スクリーン体63が揺動してもこの可動スクリーン体63にて農作物Wを傷付けることがない。
【0052】
なお、例えば回転連結体72の他方側の第2軸74が第1軸73の真下に位置した場合に、可動スクリーン体63が水平に近い傾斜状態になる構成でもよい。
【0053】
また、農作業機1による収穫対象物である農作物Wは、圃場の畝a上に地干された玉葱でもよく、また玉葱には限らず、じゃがいも、さつまいも等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施の形態に係る農作業機の側面図である。
【図2】同上農作業機の平面図である。
【図3】同上農作業機の動力伝達部を示す伝動図である。
【図4】同上農作業機の掻込手段および搬送手段を示す側面図である。
【図5】同上掻込手段および搬送手段を示す平面図である。
【図6】同上農作業機のスクリーン手段の平面図である。
【図7】(a)ないし(d)はスクリーン手段の動作を示す側面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 農作業機
5 搬送手段
44 スクリーン手段
61 支持体である支持側板
61a 長孔
63 可動スクリーン体
68 軸部材
69 棒状部材
70 弾性部材
72 回転連結体
73 第1軸
74 第2軸
W 農作物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農作物を搬送する搬送手段と、
この搬送手段からの農作物を案内して収容体内に向けて落下させるスクリーン手段とを備え、
前記スクリーン手段は、前記収容体側に向って下り傾斜する傾斜状態を維持しつつ可動して農作物を案内する可動スクリーン体を有し、
前記可動スクリーン体は、その案内始端側が回転運動しかつその案内終端側が往復直線運動するように可動する
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
スクリーン手段は、
長孔が形成された支持体と、
一方側が第1軸を介して前記支持体に回転可能に連結された回転連結体とを有し、
前記回転連結体の他方側が前記第1軸と平行な第2軸を介して可動スクリーン体の案内始端側に回転可能に連結され、
前記可動スクリーン体の案内終端側の軸部材が前記支持体の前記長孔内にスライド可能に挿入されている
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
可動スクリーン体は、
案内方向と直交する方向に間隔をおいて並ぶ複数の棒状部材と、
この各棒状部材の外周面を覆う弾性部材とを有する
ことを特徴とする請求項1または2記載の農作業機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate