説明

農作業機

【課題】比較的簡単な構成と操作により走行停止状態で刈取装置などを作動させて畦際などでの作物収穫作業を行うことができる機構を備えた農作業機を提供することである。
【解決手段】出力軸17上の遊嵌された第1出力ギア11と出力軸17と一体的に駆動する第2出力ギア12の間に動力伝達を入/切するクラッチ体を設け、第1出力ギア11をクラッチ体を介して前記クラッチ体による動力伝達を入りとする方向に常時付勢する出力軸17上に設けた第1バネ4と、第1出力ギア11をクラッチ体を介して第2出力ギア12に係合する方向に常時付勢する走行ミッション装置14の外部に設けた第2バネ5と第1出力ギア11と第2出力ギア12との間の動力伝達を入切するクラッチアーム38とクラッチ体を作動させて第1出力ギア11と第2出力ギア12との間の動力伝達を切る掻込ペダル91と有する走行ミッション装置を備えた農作業機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植立穀稈を収穫するコンバインなどの農作業機に関し、特にその変速機構の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインは走行しながら、刈取装置で刈り取りと脱穀装置による脱穀を行う作業が基本であるが、畦際などでは走行停止状態で刈取装置と脱穀装置を作動させて、畦際での穀稈収穫作業を行う場合がある。
下記特許文献1には、刈取装置と脱穀装置を作動させた状態で左右両方のクローラの駆動を同時に停止させるために両方のサイドクラッチのみへの動力伝達を断つことで両方のクローラの駆動を同時に停止させて、畦際での穀稈収穫作業を行う構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−164215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の発明は左右旋回時にサイドクラッチの入切を行うための操向レバーとは別個に左右のサイドクラッチへの動力を切断するための専用のサイドクラッチ操作用レバーを備えている。
そのため確実に両方のサイドクラッチへの動力伝達を断つことができ、確実に走行停止状態を保つことができる利点があるが、変速装置が比較的複雑になる。
【0005】
そこで本発明の課題は比較的簡単な構成と操作により走行停止状態で刈取装置などを作動させて畦際などでの作物収穫作業を行うことができる変速機構を備えた農作業機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は次の解決手段で解決される。
請求項1記載の発明は、駆動源(111)から伝達される動力を出力する出力軸(17)と、該出力軸(17)からの動力により走行用駆動体(3)と作業用駆動体(15)に動力を伝達するギア機構を有する走行ミッション装置(14)を備えた農作業機において、出力軸(17)上に遊嵌された第1出力ギア(11)と、出力軸(17)と一体的に駆動する第2出力ギア(12)と、第1出力ギア(11)と第2出力ギア(12)との間、または第1出力ギア(11)と入力軸(17)との間の動力伝達を入/切するクラッチ体と、第1出力ギア(11)が駆動すると第1出力ギア(11)からの動力を伝動下手側に伝達して走行用駆動体(3)に動力を伝達する走行用伝動機構と、第2出力ギア(12)が駆動すると第2出力ギア(12)からの動力を伝動下手側に伝達して作業用駆動体(15)に動力を伝達する作業用伝動機構と、第1出力ギア(11)を前記クラッチ体を介して前記クラッチ体による動力伝達を入りとする方向に常時付勢する出力軸(17)上に設けた弾性体(4)と、第1出力ギア(11)を前記クラッチ体を介して第2出力ギア(12)に係合する方向に常時付勢する走行ミッション装置(14)の外部に設けた弾性体(5)と、クラッチ体を作動させて第1出力ギア(11)と第2出力ギア(12)との間の動力伝達を入切するクラッチ体作動アーム(38)と、クラッチ体作動アーム(38)を作動させてクラッチ体を作動させて第1出力ギア(11)と第2出力ギア(12)との間の動力伝達を切る作動手段(91)とを備えたことを特徴とする走行ミッション装置(14)を備えた農作業機である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、第1スプリング4又は第2スプリング5の何れか一方が破損した場合でも破損していない第1スプリング4又は第2スプリング5の何れか他方の作用によりクラッチ機構が保たれるため2重の安全装置となる。特に走行ミッション装置14の内部の第1スプリング4が破損した場合でも走行ミッション装置14の外部のクラッチ体作動アーム38作動側の第2スプリング5の作用により走行不能に陥らない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例のコンバインの右側面図である。
【図2】図1のコンバインの左側面図である。
【図3】図1のコンバインの正面図である。
【図4】図1のコンバイン走行ミッション装置の動力伝達部の構成図である。
【図5】図1のコンバインの差動歯車装置のギアの回転数の関係を示す図である。
【図6】図4の走行ミッション装置のクラッチ軸部分の拡大図である。
【図7】図4の走行ミッション装置の部分断面図である。
【図8】図4の走行ミッション装置の走行クラッチアームの作動機構図である。
【図9】図1のコンバインの操縦席付近の平面図である。
【図10】図1のコンバインの車体水平機構の部分構成の側面図である。
【図11】図1のコンバインの車体水平機構の部分構成の平面図である。
【図12】図1のコンバインのクローラ部分の要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明の実施例のコンバインの右側面図であり、図2は図1のコンバインの左側面図であり、図3はコンバインの正面図である。なお、本明細書では、左側及び右側とはコンバインが前進する方向に向いたときの方向を言う。
図1から図3に示すように、コンバインの車体フレーム2の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行装置(以下、走行クローラと称す。)3を配設し、該走行クローラ3にはエンジン動力が駆動輪16を介して伝達される。車体フレーム2の前端側に分草杆8を備えた刈取装置9が設けられている。刈取装置9は車体フレーム2の上方の支点を中心にして上下動する刈取装置支持フレーム7で支持されているので、コンバインに搭乗したオペレータが操縦席20にあるパワステレバー(操向レバー)21を前後に傾倒操作することにより、刈取装置支持フレーム7と共に上下に昇降する構成である。
【0010】
車体フレーム2の上方には、刈取装置9から搬送されてくる穀稈を搬送して脱穀、選別する脱穀装置10と該脱穀装置10で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク13が載置され、グレンタンク13の後部にオーガ49を連接して、グレンタンク13内の穀粒をグレンタンク下部の螺旋(図示せず)により搬送して、オーガ49の穀粒排出口49cからコンバインの外部に排出する構成としている。
【0011】
すなわち、コンバインはオペレータが操縦席20においてHST主変速レバー22および副変速レバー23を操作し、エンジン111(図1)の動力を走行ミッション装置14(図4)内の主変速機を介して変速し、左右の走行クローラ3、3に伝動して任意の速度で走行する。
【0012】
また、操縦席20の右側面はオペレータの乗降用の空間が設けられている。そして前記操縦席20の右側前方には、パワステレバー(操向レバー)21が設けられ、該パワステレバー21は、一本のレバーを左右に傾倒すればコンバインを左右に旋回させ、前後に傾倒すれば刈取装置9を下降、上昇できる。コンバインは、オペレータが操縦席20においてパワステレバー21を左右に傾倒操作することにより各種旋回走行することができる。すなわち、コンバインを旋回させようとする方向にパワステレバー21を傾倒操作することにより、左右の走行クローラ3、3に速度差が与えられて走行方向の変更が行われる構成としている。
【0013】
そして操縦席20の左側には、走行クローラ3を無段階で前進、停止、後退制御できるHSTレバー(主変速レバー)22、走行クローラ3の速度を低速(作業速)、中速(作業速と走行速)、高速(走行速)の3段階に切り替える副変速レバー23、刈取装置9および脱穀装置10の運転停止を操作する刈取レバー、脱穀レバー(いずれも図示省略)などが設けられている。
【0014】
本実施の形態のコンバインのエンジン111から得られた駆動力を無段変速装置(HST)18の出力軸17を経由して刈取装置9へ伝達する動力伝達機構である走行ミッション装置14を展開して示す断面図を図4に示す。また、図5に差動歯車装置のギアの回転数の関係図を示す。図6にはクラッチ軸70部分の拡大図を示す。
【0015】
静油圧式無段変速装置(HST)18の出力軸17上には第1出力ギア11と第2出力ギア12が装着されており、第1出力ギア11は出力軸17に遊嵌して該出力軸17上を軸芯方向に摺動する構成とし、該出力軸17上の軸芯方向の一部に設けたスプライン部と、第1出力ギア11の内周部に形成したスプライン部とが係合すると、該第1出力ギア11が出力軸17と一体回転する状態となるように構成されており、第2出力ギア12は出力軸17に固着している。第1出力ギア11は、圧縮スプリング4により、第2出力ギア12側(前記第1出力ギア11の内周のスプライン部が出力軸17上のスプライン部と係合する方向)に付勢されている。第1出力ギア11を第2出力ギア12側に付勢させると図示しない爪クラッチで第1出力ギア11と第2出力ギア12が係合する。第2出力ギア12は出力軸17に並列配置された入力軸27に固着した第2入力ギア26と常時係合しているので、第1出力ギア11と第2出力ギア12が係合することでHST18からの駆動力が入力軸27を経由して走行ミッション装置14の内部のギアに伝達される。入力軸27には刈取装置9への動力を伝達する刈取プーリ15が固着しているので、入力軸27に動力が伝達されると刈取装置9が駆動可能となる。
【0016】
また第1出力ギア11の外周部に溝11aが形成されており、該溝11aにシフタ駒31が装着されている。該シフタ駒31は図4の垂直方向の一部断面図である図7の走行ミッション装置14の部分断面図に示すように走行ミッション装置14の外部のクラッチアーム38で作動するシフタ軸39の先端のノブ39aに回転自在に連結している。従ってシフタ駒31を作動させ、第1出力ギア11と第2出力ギア12との係合を開放する方向に第1出力ギア11を出力軸17の軸上で摺動させることで走行ミッション装置14内の走行系のギア伝達機構から走行クローラ3への動力の動力伝達を断つことができる。
【0017】
図8には走行クラッチアーム38の作動機構図を示す。
シフタ軸39を回動させる走行クラッチアーム38にはステー43が固着されており、該ステー43の走行クラッチアーム連結部とは反対側の端部と機体との間に引張スプリングである第2スプリング5が係止され。矢印F2方向にステー43を付勢している。また走行クラッチアーム38の作動範囲を限定するための安全ストッパ85が機体に設けられている。
【0018】
また、図9には操縦席20付近の平面図を示すが操縦席20の前方床面に駐車ブレーキペダル90と掻込ペダル91が配置され、操縦席20の左側方には主変速レバー22と副変速レバー23が並列配置されている。そして図示しない連結機構により第2スプリング5は掻込ペダル91の踏み込みで走行クラッチアーム38を作動させて走行ミッション装置14内の走行系ギア機構への動力伝達を断つことができる。
【0019】
このように走行系と刈取などの作業系との動力伝達の係合・解放用のクラッチ機構に圧縮スプリングである第1のスプリング4(図4)を設けるとともに、走行クラッチ操作を行うアーム38にも第2のスプリング5(図8)を設けることで、第1スプリング4又は第2スプリング5の内の一方のスプリングが破損した場合でも他方のスプリングの作用によりクラッチ機構が保たれるため2重の安全装置となる。
また、走行ミッション装置14の内部にある第1のスプリング4が破損した場合でも走行ミッション装置14の外部にあるクラッチ操作を行う第2のスプリング5の作用により走行不能に陥いることはない。
【0020】
また、HST18からの出力軸17に、該出力軸17より下手の走行伝動系の前記走行クラッチ機構を設ける。前記クラッチ機構に第1スプリング4を設けるとともに、前記クラッチ操作を行う走行クラッチアーム38にも第2スプリング5を設けた構成において、走行ミッション装置14の外部にある第2スプリング5のセット荷重は容易に調整できるのでクラッチ機構の作動調整が簡単に行える。
【0021】
この第2スプリング5のセット荷重の調整は第2スプリング5の引張位置を変えることで容易に行うことができ、走行ミッション装置14内の第1スプリング4はそのままとする。このように走行ミッション装置14の外部にある第2スプリング5は広い空間にあるため安価なスプリングを用いることができ、しかも調整代を比較的多く取ることが出来るので組み立てが容易であるなど利点がある。また、第1スプリング4が第1出力ギア11を第2出力ギア12側に付勢する力をF1とし、第2スプリング5が第1出力ギア11を第2出力ギア12側に付勢する力をF2とすると、
第1スプリング4の押付力F1>第2スプリング5の押付力F2
とすることで、第2スプリング5の押付力F2と第1スプリング4の押付力F1の合計押付力F1+F2でクラッチ入り方向の付勢力を与え、押付力F2を比較的小さくすることができ、この押付力F2でシフタ駒31と第1出力ギア11の溝11aの接触面の面圧力が得られる。上記構成で押付力F2を比較的弱くすることで、シフタ駒31部分の摩耗を低減できる。
【0022】
また、畦際まで刈り進み、主変速レバー22を停車位置まで減速操作してHST18のトラニオン軸(図示せず)を中立位置に戻して停車した後に掻込ペダル91(図9)を踏み込むことで、第1出力ギア11の内周のスプライン部と出力軸17上のスプライン部との係合を離脱する方向に第1ギア出力11を摺動させる。この状態で、主変速レバー22を前進側へ増速操作すると、HST18からの出力によって出力軸17及び第2出力ギア12を介して第2入力ギア26に動力が伝わり、刈取プーリ15が駆動されて刈取装置9が作動する。この際、出力軸17から第1出力ギア11へは動力が伝達されないため、停車状態は維持される。これによって、停車状態のまま刈取装置9が作動し、畦際の穀稈を刈り取ることができる。
【0023】
なお、走行ミッション装置14は、図4に示す油圧式無段変速装置(走行用HST)18の出力軸17、ミッション入力軸27、ミッションカウンタ軸33、サイドクラッチ軸41、走行軸83L,83Rからなる走行トランスミッション基本伝動系と、クラッチ軸70及び差動歯車機構支持軸50を備えた走行ミッション差動伝動系(補助伝動系)を備えている。
【0024】
まず、走行ミッション装置14の走行トランスミッション基本伝動系を主に図4で説明する。
エンジン111からの回転駆動力が走行用HST18に伝動され、正・逆転の切換えや変速回転動力が出力軸17から出力される構成としている。そして、主変速レバー22により走行用HST18の増減速の変速と前後進(正・逆転の切換え)の切換えができる構成としている。
そして、操向レバー21を操作して、後述のサイドクラッチ44の「入」・「切」と差動歯車装置6を変速させて旋回操行ができる構成としている。
【0025】
走行ミッションケース84内には、副変速装置24とサイドクラッチ装置25と差動歯車装置6が設けられ、これらの装置の伝動下手側の左右の走行軸83L,83Rから駆動スプロケット16L,16Rを介して左右の走行クローラ3,3を駆動する構成になっている。
【0026】
副変速装置24はミッション入力軸27上に一体に設けられた大ギア28と中ギア29と小ギア30とミッションカウンタ軸33上に設けられた変速大ギア34、変速中ギア35及び変速小ギア36から構成される。ミッション入力軸27上に、一体に設けられたギア28〜30は副変速レバー23の操作でミッション入力軸27の軸方向に摺動自在に軸装して変速可能に構成している。そして、上記ミッション入力軸27は、端部を走行ミッションケース84から外側に延長して刈取伝動プーリ15を軸着して車速に同調した回転動力を刈取装置9などの回転各部に入力できる構成としている。
【0027】
また、ミッションカウンタ軸33は、前記ミッション入力軸27の伝動下手側に軸架し、変速大ギア34、変速中ギア35、変速小ギア36及び伝動ギア37がそれぞれ軸着している。ミッションカウンタ軸33のギア34〜37は不動で、ミッション入力軸27上に、一体に設けられた大ギア28と中ギア29と小ギア30が図示しないシフタにより摺動するので、ミッションカウンタ軸33の変速大ギア34は前記ミッション入力軸27の小ギア30に噛合し、変速中ギア35はミッション入力軸27の中ギア29に噛合し、変速小ギア36はミッション入力軸27の大ギア28にそれぞれ噛合する。さらに伝動ギア37はサイドクラッチ装置25のセンターギア40に常時噛合している。
【0028】
サイドクラッチ装置25は、センターギア40を略中心として、その左右に伸びるサイドクラッチ軸41を一体で備えている。該サイドクラッチ軸41上にはそれぞれクラッチギア42L1,42L2;42R1,42R2が遊嵌しており、前記センターギア40は前記クラッチギア42L2,42R2が係合、解放可能な内周ギア40bを備えている。
【0029】
クラッチギア42L1,42R1はそれぞれ走行軸83L,83Rに遊嵌しているホイールシャフトギア48L,48Rに常時噛合しているので、クラッチギア42L1,42R1からの動力はホイールシャフトギア48L,48Rから走行軸83L,83Rを経由し、駆動スプロケット16L,16Rから左右の走行クローラ3,3に伝達される。
クラッチギア42L2,42R2とセンターギア40の内周ギア40bからなる構成をそれぞれサイドクラッチ44L,44Rと呼ぶことにする。
【0030】
また、クラッチギア42L1,42L2;42R1,42Rと走行ミッションケース84との間にそれぞれベアリングスペーサー45L,45Rを介してスプリング46L,46Rが設けられ、このスプリング46L,46Rによりクラッチギア42L1,42L2;42R1,42R2は常時センターギア40側に付勢されている。そして、旋回時に油圧力で図示しない左右いずれかのシフタを作動させて対応する前記スプリング46L,46Rのいずれかの付勢力に打ち勝つ方向に移動可能な構成になっている。これにより、旋回内側のサイドクラッチ44L又は44Rが切れる。
【0031】
前記シフタは直進走行時には作動せず、サイドクラッチ44L,44Rが共に係合した状態であるので、後述の伝達経路で左右の走行クローラ3,3が等速回転する。また所望の旋回方向に操向レバー21を操作することで左右いずれかのシフタが作動して、旋回内側のサイドクラッチ44L又は44Rの係合と解放が選択される。
【0032】
センターギア40の外周ギア40aはクラッチ軸70上に遊嵌している円筒状回転体72のギア72aと常時噛合している。該円筒状回転体72と爪係合している円筒体72bとクラッチ軸70にスプライン係合している円筒状回転体71との間で多板式摩擦板からなる直進用クラッチ81を構成している。
【0033】
また、円筒状回転体72の外周には円筒状回転体74が遊嵌しており、該円筒状回転体74にはセンターギア40の第三のギア40cに常時係合しているギア74aを備えている。また円筒状回転体74と円筒状回転体71との間で多板式摩擦板からなる旋回用クラッチ82を構成している。直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82との間には圧縮バネ75が配置され、該圧縮バネ75の付勢力は直進用クラッチ81が「入」となるように設置されている。
【0034】
また、円筒状回転体71の外周には直進用クラッチ81と圧縮バネ75と旋回用クラッチ82の間をそれぞれ仕切る円盤状プレート76a,76bを備えた円筒体76が一体化して設けられている。
【0035】
油口77(図6参照)から圧油の導入がない場合には圧縮バネ75によって円筒状回転体71と円筒状回転体72との間で常時直進用クラッチ81が係合する「入」方向に付勢されている。直進用クラッチ81は常時「入」状態を保ち、旋回用クラッチ82は常時「切」状態を保っている。
【0036】
油口77から圧油の導入があると、ピストン73と円筒体76の円盤状プレート76aと76bがバネ75の付勢力に打ち勝って図4の左側方向にシフトし、直進用クラッチ81は解放(「切」状態)となり、旋回用クラッチ82が係合(「入」状態)になる。
【0037】
直進用クラッチ81が「入」の場合は副変速装置24からの駆動力がサイドクラッチ軸41のセンターギア40の外周ギア40aと円筒状回転体72のギア72aを経由して円筒状回転体72、円筒体72b、円筒体76、円筒状回転体71、直進用クラッチ81及びクラッチ軸70を回転させ、該クラッチ軸70と一体の伝動ギア78と、該伝動ギア78に常時係合している差動歯車機構6のリングギア53を回転させる。このとき旋回用クラッチ82が「切」であるのでセンターギア40の第三ギア40cに常時噛合している円筒状回転体74のギア74aの回転動力はクラッチ軸70には伝達されないで円筒状回転体74は空回りする。
【0038】
また、旋回用クラッチ82が「入」の場合は、直進用クラッチ81が「切」となり、クラッチ軸70に遊嵌している円筒状回転体72を空回りさせるが、このときセンターギア40の第三ギア40cからの駆動力が円筒状回転体74のギア74aを経由して円筒状回転体74から旋回用クラッチ82と円筒体76を経由して円筒状回転体71を回転させ、該回転体71の回転でクラッチ軸70を駆動させる。この結果、クラッチ軸70に固定された伝動ギア78が回転して、該伝動ギア78に常時係合している差動歯車装置6のリングギア53を回転させる。
【0039】
差動歯車装置6には、中間ベベルギア52の外周に設けたデフケース54と一体のリングギア53が設けられており、また、支持軸50には左右のサイドギア55L,55Rがそれぞれ固定している。
【0040】
サイドギア55Lはホイールシャフトギア48Lに常噛し、サイドギア55Rはホイールシャフトギア48Rに常噛しており、またホイールシャフトギア48Lとホイールシャフトギア48Rは左右の走行軸83L,83Rにスプライン係合している。
【0041】
図4から明らかなように、直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82を同一軸であるクラッチ軸70に設けることにより両クラッチ81、82を択一的に操作できるので、構成が簡素化でき、安価になる。また両クラッチ81、82の切り替えのタイミングを機械的に調整できるので複雑な制御が不要となる。
【0042】
上記構成からなる走行ミッション装置14のギア機構において、コンバインの直進時はサイドクラッチ装置25の左右のサイドクラッチ44L,44Rが共に係合したままであり、エンジン111の動力は副変速装置24のミッションカウンタ軸33に伝達され、該ミッションカウンタ軸33の出力ギア37を経由してセンターギア40に伝達される。該センターギア40にはサイドクラッチ軸41が共に係合しているので、センターギア40の回転力はクラッチ44L,44Rを介してクラッチギア42L,42Rに伝達され、該クラッチギア42L,42Rのギア42L1,42R1に常時係合しているホイールギア48L,48Rをそれぞれ経由して左右の走行クローラ3が共に回転する。
【0043】
副変速レバー23の作動で副変速シフタステー(図示せず)が副変速装置24のミッション入力軸27のギア28、29、30とそれぞれ対応するミッションカウンタ軸33のギア34、35、36のいずれかの組のギア同士を噛合させて、適切な速度段で直進走行ができる。
【0044】
このとき直進用クラッチ81は「入」で、旋回用クラッチ82は「切」であり、直進時の差動歯車装置6の状態は次の通りである。
(イ)ミッションカウンタ軸33の駆動力がセンタギア40の内周ギア40bを経由してサイドクラッチ装置25のサイドクラッチ44L,44R及びサイドクラッチ軸41のクラッチギア42L1,42R1を経由してホイールシャフトギア48L,48Rが共に回転しているので、ホイールシャフトギア48L,48Rがそれぞれ噛合している差動歯車装置6のサイドギア55L,55Rは同じ方向に共に等速回転する。従って、サイドギア55L,55Rとそれぞれ噛合している中間ベベルギア52が、該中間ベベルギア52と一体のデフケース54および該デフケース54と一体のリングギア53とともに支持軸50を中心に同じ方向に回転する。
【0045】
(ロ)ミッションカウンタ軸33の駆動力がセンターギア40の外周ギア40aからギア72aを介して回転円筒体72に伝達され、回転円筒体72と爪係合する円筒体72b、直進用クラッチ81、円筒体76のプレート76a、円筒状回転体71、クラッチ軸70、伝動ギア78及びリングギア53に順次動力伝達され、リングギア53と同じ回転方向にベベルギア52も回転する。
【0046】
このようにリングギア53は上記(イ)、(ロ)の二系統から回動されるので上記(イ)、(ロ)の二系統からのリングギア53への変速比を同じに設定する。従ってサイドクラッチ44L又は44Rを「切」にしたとき、上記(ロ)の伝動系統からの動力がリングギア53からサイドギア55L,55Rとホイールシャフトギア48L,48Rにそれぞれ伝わるので、ショックが防止される。また、センターギア40と一体の第三ギア40cから、ギア74a、円筒状回転体74に伝達される動力により、旋回用クラッチ82が回転している。
【0047】
次に前記ギア機構の左旋回時の作動について説明する。
操向レバー21を左側に傾斜させることで、図示しないシフタを作動させ、サイドクラッチ44Lを「切」にすると、図示しない機構により油口77から圧油が導入され、ピストン73と円筒体76が図4の左方向に移動する。この移動により直進用クラッチ81を「切」として、旋回用クラッチ82を「入」とする。溶接で一体構成されたセンターギア40と第三のギア40cの回転力は旋回用クラッチ82の円筒状回転体74の外周に設けられた対応するギア74a、旋回用クラッチ82、円筒体76、円筒状回転体71、クラッチ軸70、伝動ギア78、リングギア53、サイドギア55L、ホイールシャフトギア48L、クローラ駆動スプロケット16Lをそれぞれ経由して左の走行クローラ3を駆動させる。この時、センターギア40の動力はクラッチギア42R1からホイールシャフトギア48R、クローラ駆動スプロケット16Rをそれぞれ経由して旋回外側の右の走行クローラ3を駆動する。
【0048】
旋回用クラッチ82は、その多板式摩擦板を油圧力を無段階的(連続的)に設定した旋回モードまで制御することができる。なお、この旋回用クラッチ82の摩擦板の油圧力の制御は操縦席20に設けた操向レバー21に付属するポテンショメータ(図示せず)で検出される傾動角度の制御で行うことができる。
【0049】
センターギア40の第三のギア40cと円筒状回転体74のギア74aの変速比の関係により、例えば旋回用クラッチ82を完全に接続させた場合にサイドギア55Lの回転数はサイドクラッチ44R側のサイドギア55Rの回転数の−1/3になり、急旋回(スピンターン)状態になるように設定しているので、緩旋回からブレーキ旋回と急旋回への移行が可能になっている。
【0050】
すなわち、図4に示すように左旋回時には旋回外側であるサイドクラッチ44Rが「入」状態であるので、ホイールシャフトギア48Rの回転がクラッチギア42R1から一定回転で伝動されるとともに、クラッチギア42R1の回転はサイドギア55Rを一定回転で伝動する。一方、リングギア53の回転数が旋回用クラッチ82の摩擦力が強くなるに従い減速されていくと、それに比例してサイドギア55Lの回転数が減少していく。リングギア53の回転数がサイドギア55Rの1/2になると、サイドギア55Lはゼロ回転となり、サイドギア55Lからホイールシャフトギア48Lを経由する回転数がゼロになり、左走行クローラ3にブレーキが利いているのではないが左走行クローラ3が回転しない、いわゆるブレーキ旋回が行われる。
【0051】
さらにリングギア53が減速していくと、サイドギア55Rの回転方向に対してサイドギア55Lは逆転回転をして左走行クローラ3が逆回転し、いわゆる急旋回が行われる。
【0052】
サイドギア55Rの回転数に対してサイドギア55Lの逆転回転数は、ギア40cとギア74aの変速比を図5の点Xに設定していると、サイドギア55Lがサイドギア55Rに対して−1/3スピンターンまで実行可能な逆転回転数まで設定が可能である。
また、右旋回選択時はサイドクラッチ44Rを「切」にすることで、前記左旋回と全く逆の作動が走行ミッション装置14で行われる。
【0053】
上記したような副変速装置24と旋回用クラッチ82との間に比較的簡単な構成のギア変速装置19を介装し、旋回用クラッチ82の摩擦板の係合圧を調整することで、緩旋回からブレーキ旋回及び−1/3の急旋回まで実行可能な状態に切り替えられるようにした。
【0054】
クローラ3を支持するトラックローラには車体水平機構が設けられている。
図10の側面図と図11の平面図には車体水平機構を有するトラックローラの部分構成を示す。
角チューブ88a,88bを上下2段に重ねて溶接して構成したトラックローラフレーム88の前側上部にボス部98を設け、該ボス部98と車体フレーム2側とを前方ローリングアーム94で軸着連結する。また、前記トラックローラフレーム88の後側上部にボス部99を設け、該ボス部99と車体フレーム2側とを後方ローリングアーム96で軸着連結する。そして、前記前方ローリングアーム94と一体で回動するアーム93の上端部と、後方ローリングアーム96と一体で回動するアーム95の上端部とを、ロッド103で軸着連結する。そして、前記アーム96には、車体水平制御用の油圧シリンダ102のピストン先端を軸着し、該油圧シリンダ102のシリンダ後端は車体フレーム2側に軸着する。以上の構成は、左右両側の走行装置に適用する。
【0055】
上記構成からなるローリングアーム93,94;95、96等からなる連結部材は左右一対がクローラ3と車体フレーム2の間に連結しているので、車体フレーム2が左右方向に傾斜するとこれを水平に戻すように左右一対の油圧シリンダ102の両方を背反的に伸縮作動して車体を水平とする。
【0056】
上記構成でローリングアーム96のボス部99を支持する後方プレート101は2段の角チューブ88a,88bからなるトラックローラフレーム88の後端部付近まで伸ばした構成としているので、従来より安価に後方プレート101の剛性を向上することができる。
【0057】
また、後方プレート101の後端は転輪106の取り付け部の位置までとしたので、転輪106の支持強度を高めながら、軽量化を図ることができる。
図12のクローラ部分の要部側面図に示すようにトラックローラフレーム88の2段の角チューブ88a,88bの内の下段の角チューブ88bの後端は転輪106の取り付け部の位置までとしたので、クローラ3がトラックローラフレーム88付近まで押し上げられたときゴム製のクローラ3が角チューブ88bで傷つくのを防止でき、また下段の角チューブ88bは短い分だけトラックローラフレーム88は軽量化できる。
なお、角チューブ88aの後端にはクローラ3の従動輪109が支持されている。
【0058】
また、図12に示すようにトラックローラフレーム88の転輪106の取り付け部107を鋳物を構成し、鋳物の形状をフレーム88の角チューブ88a,88bに沿う形状にしたので転輪取り付け部107の剛性が従来より高くなり、補強プレートが不要になり、簡単な構成にできる。
【0059】
図2に示すように燃料タンク110を右側面下部を支点として、90度回動可能な構成とする。こうして燃料タンク110が機体右外側に張り出すことができ、給油しやすく、またエンジン111後方部のメンテナンス性が向上される。
【0060】
3条刈り用のコンバインにおいて、前後バランスの関係で脱穀後の排藁切断用のカッタ設置部の後方にウエイトを搭載しているが、脱穀装置10とオーガ49を従来より機体後方に約200mm後方に配置することでコンバインの機体前後のバランスを保っている構成において、コンバイン右側面のほぼ真ん中(エンジン111とグレンタンク13の間の約200mm空いたスペース)に燃料タンク110を設ける。
【0061】
従来のコンバインの燃料タンク110は機体前方もしくは、後方に燃料タンク110を設けているため、燃料満杯状態とからの状態で、前後バランスが大きく変化し、不安定であった。しかし、図1に示すようにコンバインのほぼ真ん中に燃料タンク110を配置することで、燃料の状態にかかわらず、機体の前後バランスが安定し、湿田性能が従来より向上する。
【0062】
燃料タンク110の燃料ホースを前記回動支点周辺に配置することで、燃料タンク110を回動させたときでもホースのたわみもなく、スムーズに燃料タンク110を回動させることができる。また、燃料タンク110の給油口110aの方向を燃料タンク110を張り出した時に、上を向くようにしてるので、燃料タンク110を収納したときは、給油口110aが横方向に向き、燃料がこぼれることなく、燃料タンク110を張り出したときは、給油口110aが上を向くので、給油しやすい。
【0063】
また、燃料タンク110を張り出した時に機体に対して水平よりも、下方に回動できるようにしておくと、給油口110aも同時に下方に下がり、より給油しやすくなり、また燃料タンク110を機体に収納した時は、機体中心から離れた右側面に配置されるため、給油口110aが脱穀装置10の回転伝動部よりも離れた位置となるため、安全である。さらに、給油口110aが燃料タンク110の右側面下部を回動中心として180度回動できるようにすると、燃料タンク110を張り出したときは、給油口110aが上向きとなり、給油がしやすくなり、また畦際やコンクリート畦畔付近で燃料がなくなり、コンバインが動かなくなっても、給油口110aが180度回動して右外側に向けることにより、給油することができる。
【0064】
また機体の左側にある脱穀装置10の前部にも約200mmのスペースができるため、そのスペースに電動ファンを配置して刈取装置における作業中に発生する、ゴミを機外左側へ排出する構成とすることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、コンバインの構成として利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0066】
2 車体フレーム 3 走行クローラ
4 第1スプリング 5 第2スプリング
6 差動歯車装置 7 刈取装置支持フレーム
8 分草杆 9 刈取装置
10 脱穀装置 11 第1出力ギア
12 第2出力ギア 13 グレンタンク
14 走行ミッション装置
15 刈取プーリ 16 駆動輪
17 出力軸 18 無段変速装置(HST)
19 ギア変速装置 20 操縦席
21 操向レバー 22 主変速レバー
23 副変速レバー 24 副変速装置
25 サイドクラッチ装置
26 第2入力ギア 27 ミッション入力軸
28 大ギア 29 中ギア
30 小ギア 31 シフタ駒
33 ミッションカウンタ軸
34 変速大ギア 35 変速中ギア
36 変速小ギア 37 伝動ギア
38 走行クラッチアーム
39 シフタ軸 39a ノブ
40 センタ−ギア 40a 外周ギア
40b 内周ギア 40c 第三ギア
41 サイドクラッチ軸 42L,42R クラッチギア
43 ステー 44L,44R サイドクラッチ
45L,45R ベアリングスぺーサ
46L,46R スプリング
48L,48R ホイールシャフトギア
49 オーガ 50 差動歯車機構支持軸
52 中間ベベルギア 53 リングギア
54 デフケース 55L,55R サイドギア
70 クラッチ軸
71、72、74 円筒状回転体
72a 円筒状回転体ギア
72b 円筒体 73 ピストン
74a ギア 75 圧縮バネ
76 円筒体 76a、76b プレート
77 油口 78 伝動ギア
81 直進用クラッチ 82 旋回用クラッチ
83L,83R 走行軸 84 走行ミッションケース
85 ストッパ 88 トラックローラフレーム
88a,88b 角チューブ
90 駐車ブレーキペダル
91 掻込みペダル 93,95 アーム
94 前方ローリングアーム
96 後方ローリングアーム
98,99 ボス部 101 プレート
102 油圧シリンダ 103 ロッド
106 転輪 107 転輪取付部
109 従動輪 110 燃料タンク
111 エンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源(111)から伝達される動力を出力する出力軸(17)と、該出力軸(17)からの動力により走行用駆動体(3)と作業用駆動体(15)に動力を伝達するギア機構を有する走行ミッション装置(14)を備えた農作業機において、
出力軸(17)上に遊嵌された第1出力ギア(11)と、
出力軸(17)と一体的に駆動する第2出力ギア(12)と、
第1出力ギア(11)と第2出力ギア(12)との間、または第1出力ギア(11)と入力軸(17)との間の動力伝達を入/切するクラッチ体と、
第1出力ギア(11)が駆動すると第1出力ギア(11)からの動力を伝動下手側に伝達して走行用駆動体(3)に動力を伝達する走行用伝動機構と、
第2出力ギア(12)が駆動すると第2出力ギア(12)からの動力を伝動下手側に伝達して作業用駆動体(15)に動力を伝達する作業用伝動機構と、
第1出力ギア(11)を前記クラッチ体を介して前記クラッチ体による動力伝達を入りとする方向に常時付勢する出力軸(17)上に設けた弾性体(4)と、
第1出力ギア(11)を前記クラッチ体を介して第2出力ギア(12)に係合する方向に常時付勢する走行ミッション装置(14)の外部に設けた弾性体(5)と、
クラッチ体を作動させて第1出力ギア(11)と第2出力ギア(12)との間の動力伝達を入切するクラッチ体作動アーム(38)と、
クラッチ体作動アーム(38)を作動させてクラッチ体を作動させて第1出力ギア(11)と第2出力ギア(12)との間の動力伝達を切る作動手段(91)と、
を備えたことを特徴とする走行ミッション装置(14)を備えた農作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−72209(P2011−72209A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224703(P2009−224703)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】