説明

農作業用腰掛台車

【課題】農作業用腰掛台車の進行方向を変えたい場合に、一々降りなくても、作業者がこの農作業用腰掛台車に腰掛けた状態のままで進行方向を変更できる農作業用腰掛台車を提供することを目的とする。
【解決手段】前後に走行車輪1を備えた車体フレーム部2に腰掛座席部3を設けた農作業用腰掛台車において、前記車体フレーム部2に車輪支持フレーム部4を回動自在に設け、この車輪支持フレーム部4に前記走行車輪1の前輪1aを設けて、この前輪1aを前記車体フレーム部2に前記車輪支持フレーム部4を介して旋回自在に設け、前記車輪支持フレーム部4に操作ハンドル部5を前方且つ上方に向けて突設した農作業用腰掛台車。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畑や庭などに植えられている野菜や草木などの手入れや収穫作業を、腰掛けた状態の楽な姿勢で行うことができる農作業用腰掛台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、畑の畝に植えられている野菜や草木の手入れや収穫などの農作業、或いは庭先のプランターに植えた草花の手入れなどの園芸作業をする際、作業者は長い時間、中腰姿勢やしゃがみ姿勢、或いは前屈み状態となるため、この作業は、作業者の足腰に非常に負担が掛かり辛く難儀なものであった。
【0003】
このような辛く難儀な姿勢で行わなければならない畑作業などを楽な姿勢で快適に行えるように、本出願人は特許文献1に示すような農作業用腰掛台車を提案している。
【0004】
この農作業用腰掛台車は、車輪を備えた走行車体に、腰掛用座部を、昇降機構を介して走行車体に対して昇降調整可能に設けたものであり、作業者の身長に合わせて腰掛用座部の高さを容易に変更し作業者が楽な姿勢で作業を快適に行うことができるように構成した実用性に優れた画期的な農作業用腰掛台車である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−125607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記に示す従来の農作業用腰掛台車には、この農作業用腰掛台車の進行方向を操作する操作手段がなく前後方向への直進動作のみであったため、作業場所を移動するために台車を所望の方向に向きを変更したい場合は、作業者は一々台車から降りてこの農作業用腰掛台車を持ち上げて向きを変えなければならなかった。
【0007】
そこで、本発明は、この農作業用腰掛台車の進行方向を変えたい場合に、一々降りなくても、作業者がこの農作業用腰掛台車に腰掛けた状態のままで進行方向を変更できる、より実用性を向上させた画期的な農作業用腰掛台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
前後に走行車輪1を備えた車体フレーム部2に腰掛座席部3を設けた農作業用腰掛台車において、前記車体フレーム部2に車輪支持フレーム部4を回動自在に設け、この車輪支持フレーム部4に前記走行車輪1の前輪1aを設けて、この前輪1aを前記車体フレーム部2に前記車輪支持フレーム部4を介して旋回自在に設け、前記車輪支持フレーム部4に操作ハンドル部5を前方且つ上方に向けて突設したことを特徴とする農作業用腰掛台車に係るものである。
【0010】
また、前記操作ハンドル部5は、一本の棒状体であることを特徴とする請求項1記載の農作業用腰掛台車に係るものである。
【0011】
また、前記操作ハンドル部5の先端握持部6を設け、この先端握持部6は、前記前輪1aよりも前方に突出した位置に設けた構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の農作業用腰掛台車に係るものである。
【0012】
また、前記操作ハンドル部5を前記車輪支持フレーム部4に、傾斜状態に突設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の農作業用腰掛台車に係るものである。
【0013】
また、左右並設状態に配置した一対の前記車体フレーム部2間に、この一対の車体フレーム部2を連結する第一連結フレーム部7を架設し、この第一連結フレーム部7に前記車輪支持フレーム部4を水平回動自在に設けると共に、この第一連結フレーム部7の上面に収容体8を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の農作業用腰掛台車に係るものである。
【0014】
また、前記走行車輪1を幅広のドラム形状に形成し、前記車体フレーム部2に前記走行車輪1として前輪1aと後輪1bとを夫々一つずつ設けた二輪車タイプに構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の農作業用腰掛台車に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述のように構成したから、作業場所を移動するために台車を所望の方向に向きを変更したい場合は、従来のように、一々立ち上がって作業者自身が農作業用腰掛台車を持ち上げて向きを変えるといった行動を必要とせず、腰掛座席部に腰掛けた状態のままで操作ハンドル部を操作して前輪を所望の方向に向けて、足で地面を蹴りながら車体を移動させることで所望の作業場所まで移動することができ、また、例えば、畑の畝に沿って農作業用腰掛台車を進めながら作業を行う場合でも、従来は、畑の地面が平坦でないために農作業用腰掛台車が畝に沿って真っ直ぐに進まず進行方向がズレてしまい、その都度、一々立ち上がって農作業用腰掛台車から降りて作業者自身が農作業用腰掛台車を持ち上げて進行方向を修正していたが、操作ハンドル部で前輪の向きを操作し、農作業用腰掛台車の進行方向を容易に変更できるので、農作業用腰掛台車の軌道修正をしながら畝に対応して真っ直ぐに進めることが極めて容易に出来る実用性に優れた画期的な農作業用腰掛台車となる。
【0016】
しかも、操作ハンドル部を前方且つ上方に向けて設けたことで、作業者は自然で楽な姿勢で操作ハンドル部を操作することができ、快適に操作ハンドル部を操作することができる操作性に優れた農作業用腰掛台車となる。
【0017】
また、請求項2記載の発明においては、片手操作時の操作性が良く、しかも、簡易な構成で設計実現が容易なうえに安価に製造可能となる、実用性・生産性に優れた農作業用腰掛台車となる。
【0018】
また、請求項3,4記載の発明においては、操作ハンドル部の先端握持部の位置が作業者に近づき過ぎないので、作業者は窮屈な体勢で操作ハンドル部を操作することがなく、更に、先端握持部を握る際の手首の角度が自然な角度で先端握持部を握持することができるので、作業者の姿勢に負担がかからず、楽な状態で快適に操作できる操作性に優れた農作業用腰掛台車となる。
【0019】
また、請求項5記載の発明においては、農作業或いは園芸作業に用いる鎌やスコップなどの小型作業用具を載置、収納できるので、従来のように、この小型作業用具を手に持ちながら移動したり、使用しないときは地面に置いて作業時や移動時に一々拾い上げるといった面倒なことをする必要がなくなり、手がふさがったり用具を置き忘れてしまうなどの不具合が生じない利便性の高い実用性に優れた農作業用腰掛台車となる。
【0020】
また、請求項6記載の発明においては、地面との設置面積が広く、畑などの比較的柔らかい地面であっても走行車輪が地面に食い込んで移動しにくくなるといった不具合が生じず、容易に移動することができる実用性に優れた農作業用腰掛台車となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施例を示す斜視図である。
【図2】本実施例を示す側面図である。
【図3】本実施例の前輪側を示す説明斜視図である。
【図4】本実施例の車輪支持フレーム部を示す説明断面図である。
【図5】本実施例の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0023】
作業者が車輪支持フレーム部4の前方且つ上方に向けて突設した操作ハンドル部5を握持してこの操作ハンドル部5を旋回操作すると、車輪支持フレーム部4が回動動作し、この車輪支持フレーム部4に設けた前輪1aが旋回動作する。
【0024】
即ち、作業者が所望の方向に操作ハンドル部5を旋回操作すると、前輪1aが車輪支持フレーム部4を介して同じ方向に旋回動作する。
【0025】
従って、従来品と同様に中腰姿勢やしゃがみ姿勢などの辛く難儀な姿勢にならなくとも、腰掛座席部3に腰掛けた楽な姿勢で作業を行うことができることは勿論のこと、移動の際にも、腰掛座席部3に腰掛けたままの状態で操作ハンドル部5を旋回操作して前輪1aの向きを操作して農作業用腰掛台車を所望の方向に移動させることができることとなる。
【0026】
即ち、例えば、畑の畝に植えられている野菜や草木の手入れや収穫などの農作業、或いは庭先のプランターに植えた草花の手入れなどの園芸作業をする際に、作業者は作業場所を移動する際には、腰掛座席部3に腰掛けた状態のまま、操作ハンドル部5を操作して前輪1aを所望の方向に向けて、足で地面を蹴りながら農作業用腰掛台車を移動させることで容易に所望の作業場所まで移動することができるので、一々立ち上がって作業者自身が台車を持ち上げて進行方向を修正するといった面倒な動作を行う必要がなくなり、従来よりも一層作業性が高い実用性に優れた画期的な農作業用腰掛台車となる。
【実施例】
【0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例は、前後に走行車輪1を備えた車体フレーム部2に腰掛座席部3を設けると共に、この車体フレーム部2に車輪支持フレーム部4を回動自在に設け、この車輪支持フレーム部4に走行車輪1の前輪1aを設けて、この前輪1aを車体フレーム部2に車輪支持フレーム部4を介して旋回自在に設け、車輪支持フレーム部4に操作ハンドル部5を前方且つ上方に向けて突設したことを特徴とする農作業用腰掛台車である。
【0029】
具体的には、車体フレーム部2は、段違いの平担部9を有するクランク形状に形成した金属製パイプからなり、これを左右並設状態に配置し、平担部9を上側に配置した上側平担部9a側を車体フレーム部2の前側とし、平担部9を下側に配置した下側平担部9b側を車体フレーム部2の後側とした構成としている。
【0030】
また、この左右並設状態の車体フレーム部2は、上側平坦部9aに第一連結フレーム部7を架設し、下側平坦部9bに第二連結フレーム部10を架設して左右夫々の車体フレーム部2の前側を第一連結フレーム部7で連結し、後側を第二連結フレーム部10で連結して第一連結フレーム部7及び第二連結フレーム部10を介して左右並設した車体フレーム部2を一体形成した構成としている。
【0031】
より具体的に説明すると、この左右並設状態の車体フレーム部2を連結する第一連結フレーム部7は、長方形状の金属板材からなり、中央には後述する車輪支持フレーム部4を軸支するための支持軸11を貫通させる貫通孔とこの貫通させた支持軸11を抜け止め係止する支持軸上側係止部7aを設けた構成としており、これをクランク形状に形成した車体フレーム部2の前方上側に位置する上側平坦部9aの先端側に架設している。
【0032】
また、第二連結フレーム部10は、第一連結フレーム部7と同様に長方形状の金属板材からなり、中央には後述する腰掛座席部3を立設状態に設ける座席取付部12を設けた構成とし、このように構成した第二連結フレーム部10を、クランク形状に形成した車体フレーム部2の後方下側に位置する下側平担部9bの先端側で、この車体フレーム部2の略中央となる位置に架設している。
【0033】
また、このように構成した車体フレーム部2に回動自在に設けられる車輪支持フレーム部4は、金属板材を所定形状に形成した車輪支持ベース部4aと軸受腕部4bとからなり、この車輪支持ベース部4aの左右両端に夫々軸受腕部4bを垂設してコ字状に形成した構成とし、具体的には、本実施例では、帯状の金属板材をコ字状に折曲して一体形成した構成としている。
【0034】
更に具体的に説明すると、この車輪支持フレーム部4は、車輪支持ベース部4aの中心部に車体フレーム部2と連設し回動軸となる支持軸11を貫通させる貫通孔とこの貫通させた支持軸11を抜け止め係止する支持軸下側係止部4cを設け、また、この車輪支持ベース部4aの左右両端に対向状態に垂設する軸受腕部4bは、帯板材を傾斜状態に形成し、この先端側には、前輪1aを軸着するための車軸13を軸支する車軸支持部を設けた構成としている。即ち、支持軸11と車軸13とが同一線上の配置とならず、支持軸11に対して車軸13が前方側に配置されるように車輪支持フレーム部4を構成し、この車輪支持フレーム部4の回動動作がスムーズに動作するように構成している。
【0035】
このように構成した車輪支持フレーム部4は、上述した車体フレーム部2の前側に設けた第一連結フレーム部7に設けた貫通孔と車輪支持ベース部4aに設けた貫通孔とを連通状態にし、この連通孔に支持軸11を挿入して車輪支持フレーム部4を車体フレーム部2に回動自在に設けた構成としている。
【0036】
また、本実施例では、車輪支持フレーム部4を車体フレーム部2の第一連結フレーム部7に設ける際に、車輪支持フレーム部4が車体フレーム部2と干渉して回動動作に支障を来たさないように、第一連結フレーム部7と車輪支持ベース部4aとの間にスペーサー19を介在させた構成としている。
【0037】
尚、本実施例では、支持軸11としてリベットを採用した構成としているが、例えば、螺子杆とナットを用いた構成としても良く、支持軸11と同等の機能を発揮する構成であれば適宜採用可能なものとする。
【0038】
また、上述した車輪支持フレーム部4に旋回自在に設けた前輪1aの旋回方向を操作する操作ハンドル部5は、一本の棒状体を車輪支持フレーム部4に前方且つ上方に向けて突設した構成としている。
【0039】
具体的には、この操作ハンドル部5は、一本の棒状体を車輪支持ベース部4aの長手方向の中間部の前側から前方に向けて水平方向に突設し、途中から先端側を上方に向けた傾斜部を設け、この傾斜部の先端側に先端握持部6を設けて、この先端握持部6が前輪1aよりも前方に突出状態となるように構成している。
【0040】
即ち、車輪支持フレーム部4に設けたこの操作ハンドル部5の基端部から先端握持部6を設けた先端部までの長さを長くし、てこの原理を用いて車輪支持フレーム部4の回動動作させる際に必要な操作ハンドル部5に掛ける荷重を軽減し、軽快にハンドル操作できるような構成としている。
【0041】
尚、本実施例では、操作ハンドル部5の形状を上述したように構成したが、例えば、この操作ハンドル部5に直線状の棒状体を採用して車輪支持フレーム部4に傾斜状態に設けた構成としても良く、また、例えば、操作ハンドル部5をL字形状に形成した構成としても良く、この操作ハンドル部5の形状を、この操作ハンドル部5の先端部に設けた先端握持部6の位置が前輪1aよりも前方に突出し、且つ、車輪支持フレーム部4よりも上方に位置する構成となる形状であれば適宜採用し得るものとする。
【0042】
本実施例は、このように構成した車体フレーム部2及び車輪支持フレーム部4に走行車輪1を設けて移動方向自在に走行可能な構成とし、また、走行車輪1として前輪1aと後輪1bを夫々一つずつ設けて二輪車タイプの農作業用腰掛台車に構成している。
【0043】
具体的には、走行車輪1は、合成樹脂製(具体的にはプラスチック若しくは合成ゴム)で、幅広のドラム形状に形成し、中心部にはこの走行車輪1を車体フレーム部2若しくは車輪支持フレーム部4に軸着する車軸13を貫通させる車軸貫通孔を形成している。
【0044】
このように構成した走行車輪1の前輪1aは、中心部に形成した車軸貫通孔に車軸13を貫通状態に設けてこの車軸13に軸着し、上述した車輪支持フレーム部4の左右の軸受腕部4bの先端部間に車軸13を架設して、この前輪1aを回転自在且つ旋回自在に設けた構成としている。
【0045】
また、後輪1bは、前輪1a同様に中心部に形成した車軸貫通孔に車軸13を貫通状態に設けてこの車軸13に軸着し、車体フレーム部2の後端部間にこの車軸13を架設して、この後輪1bを回転自在に設けた構成としている。
【0046】
また、腰掛座席部3は、車体フレーム部2の略中央に架設した第二連結フレーム部10に突設し、回転自在に設けた構成としている。
【0047】
また更に、本実施例の腰掛座席部3は、昇降機構14を介して昇降自在に設けた構成としている。
【0048】
具体的には、腰掛座席部3は、背もたれ部15を備えたL字状に形成し、背もたれ部15の上端に取っ手部16を突設した構成としており、このように構成した腰掛座席部3に昇降機構14を備えたシリンダ筒17を垂設し、このシリンダ筒17を第二連結フレーム部10に設けた筒状に形成した座席取付部12に挿入嵌合し、車体フレーム部2の第二連結フレーム部10に立設状態に設けた構成としている。
【0049】
また、昇降機構14には操作レバー部18を設けて、この操作レバー部18を押動操作若しくは引動操作することで、シリンダ筒17が上下動可能となるように構成している。
【0050】
また、本実施例は、車体フレーム部2間に架設した第一連結フレーム部7を載置台として、この載置台上に収容体8を載置した構成とし、本実施例では、カゴ状に形成した収容体8をこの載置台上に載置した構成としている。尚、この収容体8は、車体フレーム部2に固定状態若しくは着脱自在に設けた構成としても良く、着脱自在に設ける構成とした場合は、例えば、第一連結フレーム部7若しくは収容体8にマグネットを装着した構成とすることで簡易な構成で容易に着脱自在な構成とすることができる。
【0051】
本実施例は、このように構成したので以下のような作用効果を奏する。
【0052】
作業場所を移動するために台車を所望の方向に向きを変更したい場合は、従来のように、一々立ち上がって作業者自身が農作業用腰掛台車を持ち上げて向きを変えるといった行動を必要とせず、腰掛座席部3に腰掛けた状態のままで操作ハンドル部5を操作して前輪1aを所望の方向に向けて、足で地面を蹴りながら農作業用腰掛台車を移動させることで所望の作業場所まで移動することができる実用性に優れた画期的な農作業用腰掛台車となる。
【0053】
従って、例えば、畑の畝に沿って農作業用腰掛台車を進めながら作業を行う場合、従来は、畑の地面が平坦でないために農作業用腰掛台車が畝に沿って真っ直ぐに進まず、そのまま進むと畝に乗り上げてしまうので、農作業用腰掛台車の進行方向を修正するためにその都度一々立ち上がり、農作業用腰掛台車から降りて作業者自身が農作業用腰掛台車を持ち上げて進行方向を修正していたが、操作ハンドル部5で前輪1aの向きを操作し、農作業用腰掛台車の進行方向を容易に変更できるので、農作業用腰掛台車の軌道修正をしながら畝に対応して真っ直ぐに進めることが極めて容易に出来る実用性に優れた画期的な農作業用腰掛台車となる。
【0054】
しかも、操作ハンドル部5を前方且つ上方に向けて設けたことで、作業者は自然で楽な姿勢で操作ハンドル部5を操作することができ、しかも、この操作ハンドル部5の長さを前輪1aよりも前方に突出する長さにしたことで、この前輪1aを設けた車輪支持フレーム部4をてこの原理を用いて小さな荷重で容易に回動動作することができるので、力の無い女性などでも軽快に操作ハンドル部5を操作することができる操作性に優れた農作業用腰掛台車となる。
【0055】
更に、この操作ハンドル部5を一本の棒状体に形成したので、一般的な左右二股形状のハンドルに比して前方の空間が広く、例えば、車体フレーム部2にまたがって乗車し、左右の畝を作業する際にも、操作ハンドル部5が作業者の作業の邪魔にならず、作業性の良い農作業用腰掛台車となる。
【0056】
また、操作ハンドル部5と腰掛座席部3との間の第一連結フレーム部7に収容体8を設けたので、農作業或いは園芸作業に用いる小型用具が載置、収納でき、従来のように、この小型作業用具を手に持ちながら移動したり、使用しないときは地面に置いて作業時や移動時に一々拾い上げるといった面倒なことをする必要がなくなり、手がふさがったり用具を置き忘れてしまうなどの不具合が生じない利便性の高い実用性に優れた農作業用腰掛台車となる。
【0057】
また更に、走行車輪1に幅広なドラム形状のものを採用したので、地面との設置面積が広くなり、比較的柔らかい地面であっても走行車輪1が地面に食い込んで移動しにくくなるといった不具合が生じず、また、操作ハンドル部5の操作が重くなることもなく快適に行うことができ、容易に方向自在に移動することができる実用性に優れた農作業用腰掛台車となる。
【0058】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0059】
1 走行車輪
1a 前輪
1b 後輪
2 車体フレーム部
3 腰掛座席部
4 車輪支持フレーム部
5 操作ハンドル部
6 先端握持部
7 第一連結フレーム部
8 収容体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後に走行車輪を備えた車体フレーム部に腰掛座席部を設けた農作業用腰掛台車において、前記車体フレーム部に車輪支持フレーム部を回動自在に設け、この車輪支持フレーム部に前記走行車輪の前輪を設けて、この前輪を前記車体フレーム部に前記車輪支持フレーム部を介して旋回自在に設け、前記車輪支持フレーム部に操作ハンドル部を前方且つ上方に向けて突設したことを特徴とする農作業用腰掛台車。
【請求項2】
前記操作ハンドル部は、一本の棒状体であることを特徴とする請求項1記載の農作業用腰掛台車。
【請求項3】
前記操作ハンドル部の先端握持部を設け、この先端握持部は、前記前輪よりも前方に突出した位置に設けた構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の農作業用腰掛台車。
【請求項4】
前記操作ハンドル部を前記車輪支持フレーム部に、傾斜状態に突設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の農作業用腰掛台車。
【請求項5】
左右並設状態に配置した一対の前記車体フレーム部間に、この一対の車体フレーム部を連結する第一連結フレーム部を架設し、この第一連結フレーム部に前記車輪支持フレーム部を水平回動自在に設けると共に、この第一連結フレーム部の上面に収容体を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の農作業用腰掛台車。
【請求項6】
前記走行車輪を幅広のドラム形状に形成し、前記車体フレーム部に前記走行車輪として前輪と後輪とを夫々一つずつ設けた二輪車タイプに構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の農作業用腰掛台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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