説明

農作物の収穫後処理

農産物が植物の茎から分離された部位において、切りたての茎を密封して、水分損失を減らし、菌類、カビ、腐敗および昆虫の外寄生を抑制する、生鮮農産物を処理するための新規な方法および組成物。周囲および冷蔵温度において農産物を密封するための有効性を与えるために、天然のおよび商業的に生産されるワックスをエラストマーで変性し、これにより、水分損失を減らし、ワックスの下の酸素を減らし、よって、外寄生を妨げる。その結果、水分損失および外寄生による生鮮農産物の損失が減少し、殺真菌剤および殺生物剤に対する安全で経済的で環境上優れた代替物ならびに一般市場におけるブランド拡張の機会が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は農作物の収穫後処理に関する。より詳しくは、本発明は、害虫、寄生生物、菌類、カビ、腐敗などを含む生物学的外寄生から果物および野菜などの農作物を保護するための特定の特徴を有する変性ワックスの応用に関する。本発明は、主に、バナナなどの果物への使用を参照して記載されることになるが、本発明は、他の果物、野菜、観賞植物、花および他の農作物における外寄生の処理についても適用されると評価すべきである。目下、クラウン腐敗の安全管理は商業的なバナナの生産に関して重大な問題である。用語「クラウン」とは、おのおののバナナの上端が一体となって一つの茎とつながっているバナナの房/塊をいう。
【0002】
発明の背景
バナナ、プランテーン、パイナップル、チョウセンアザミなどの農作物はしばしば収穫後、生物学的に汚染される。汚染は、収穫前(例えば、採取/収穫時の寄生生物の存在によって)、収穫中(例えば、汚染因子が機械的収穫あるいは人間の関与によって導入される場合)および収穫後(例えば、寄生生物あるいは胞子が収穫後の生産物の上に付着する場合)に起こりうる。脱ラテックス浴(delatexing bath)内のカビの胞子は、バナナを農場で包装する間、胞子の源となりうる。
【0003】
汚染の時点にかかわらず、そのようないかなる汚染からの被害をも妨げるために、輸送および貯蔵の前に、収穫された果物、野菜および植物を処理することが望ましい。例えば、国際的な検疫規則と検査により、果物には生きた害虫がいないことが要求される。この程度までは、用途の広い収穫後農薬および殺真菌剤が現在、収穫後の農産物に適用されているが、このように処理された果物および野菜に付着したこのような化学物質の残留物に対する国際的懸念がある。特に人に対するこのような残留物の影響についてである。
【0004】
多様な数の真菌がバナナクラウンの主要な病原であると認知されてきており、セファロスポリウム・エスピー(Cephalosporium sp.)、バーティシリウム・テオブロマエ(Verticillium theobromae)、コレトトリカム・ムサエ(Colletotrichum musae)、デイグトネイラ・トルロサ(Deightoneilla torulosa)、セラトシスティス・パラドクサ(Ceratocystis paradoxa)、エフ・ロセウム・セミテクトゥムおよびアクリモネウム(F. roseum semitectum and acrimoneum)を含む。浸透殺真菌剤チアベンザドール(Thiabenzadole)は、商業的バナナにおける真菌の外寄生を制御するために最も広く使われる化学物質である。包装の時点で酸素が取り除かれる雰囲気制御減圧バッグ(Controlled atmosphere vacuum bags)が、西ヨーロッパへのバナナの出荷のために現在実施されている。該実施は効果的であるが、コスト、他の品質上の問題などの他の欠点がこの実施には伴っている。
【0005】
無数のポリマー、フィルムおよび他の商業的に利用可能な包装材料を用いてさえも、一般に生鮮農産物産業は、採りたての農産物を収穫後に菌類、カビおよび昆虫の外寄生から保護する商業的な方法として殺真菌剤、農薬などの殺生物剤に主に頼っている。摘みたての果物、野菜および花への殺生物剤の使用を中止しようとする市場心理および更には地域的規制圧力が農産物産業に対して増大している。ある種の果物および野菜、例えば、バナナ、プランテーン、チョウセンアザミ、マンゴー、ネクタリン、アスパラガス、パイナップルなどはこれらの外寄生に特に影響されやすく、バナナは菌類とカビとに最も影響されやすいものの一つである。
【0006】
茎(植物)から農産物を分離した結果として損傷を受け切断された表面は樹液と水分とを放ち、菌類、カビおよび昆虫の外寄生にとって理想的な湿性培地(moist-medium)を形成する。果物あるいは野菜の上の切れ目が経時的に自然乾燥して外寄生に対する外被あるいは天然の障壁を形成するまで、殺生物剤処理はむき出しの表面を保護する。殺生物剤の使用中止は農産物産業への重大な経済的挑戦を意味する。例えば、ある産業見積もりは、バナナの果手(房)が茎から切り取られたすぐ後に、採りたてのバナナの茎(「クラウン」として知られる)が殺生物剤で処理されず、さもなければ効果的に密封されない場合は、バナナの30パーセント以上が失われると言及する。ある場合には、バナナクラウンを保護するために、限られた基準で接着テープおよび/あるいはプラスチック袋が使われてきた。他には、酸素を減らし、それによって菌類およびカビの成長を遅らせるために減圧バッグが使われる。これらの実施は特に費用効果が高いというわけではない。果手が茎から切り取られたあとおよそ30分間は、浸透圧が消失するまで、バナナは粘着性のラテックス物質を放出する。該ラテックスは、クラウン腐敗、ネック腐敗(neck rot)およびピル腐敗(pill rot)を起こすカビおよび菌類の胞子にとって優れた成長培地である。浸透圧を消失させるために、切断後30分程度、バナナは水に浸されるが、ラテックスの生成はその後しばらくの間継続する。効果的な収穫後の方法は、切れ目が外寄生に対する天然の外被あるいは障壁を形成するのに十分な時間を有するまで、効果的にラテックスを取り除かなければならず、真菌の成長を維持するのに十分な酸素を妨げなければならない。
【0007】
種々のワックスが茎のシーラントとして評価されてきたが、いくつかのワックスは熱帯性の高い周囲温度においては軟らかくなり、ならびに、強度を失い、および/あるいは粘着性となる。しかしながら、より重要なのは、固体化の際に収縮し、農産物の冷蔵輸送と関連するより低い温度において弾力性を失って砕けやすくなるワックスの固有の物理的性質である。このように、典型的なワックス・コーティングは、冷蔵されたときに割れて、真菌の外寄生を妨げるための保護障壁としての有効性を失う。特に南アメリカの農場では、華氏100度近くになることがある周囲温度において農産物が包装される。農産物は、通常、華氏40−50度の温度において冷蔵された容器に入れられて貯蔵および出荷される。冷蔵中の未変性ワックスの収縮および不十分な弾力性が、ワックスがこの目的に適していると以前は見出されなかった主要な理由である。
【0008】
殺真菌剤処理に対する効果的な「障壁代替物」を見いだす際には、三つの要件が満たされなくてはならない:障壁代替物は、農産物を害さないで茎(あるいはバナナの場合はクラウンの被膜)を密封しなければならならず、障壁が適用面の周囲で効果的な密封を維持し、それにより、植物の水分を維持し、外寄生を防止するように、農場の条件下で十分な柔軟性(弾力性)を維持しなければならず、冷蔵輸送および貯蔵の条件下で十分な柔軟性を維持しなくてはならない。商業的に実行可能な殺生物剤代替物は、遠隔操作による農場加工施設で日常的に商業的な適用を行うために十分に単純でもなければならず、商業的な包装方法と互換性がなくてはならない。殺生物剤代替物は、非毒性でなければならず、食品とのある種のタイプの接触のための規制ガイドラインに従わなければならず、環境への責務のための規制ガイドラインを満たさなくてはならない。
【0009】
ここに記載された本発明は、特に、農業農産物を商業的に処理および包装して、該農産物の水分損失を減らし、外寄生を妨げることに関する。それは、商業的に利用可能なワックスをエラストマーのワックス変性剤と組み合わせて、生鮮農産物の茎を処理する際に有効性を達成する変性ワックスを生産するという戦略および実施である。本発明は、適用の手順および調合物と商業的な農場適用とについての技術をも含む。
【0010】
農作物の収穫前あるいは収穫後処理を考慮に入れた典型的な先行技術文献は以下の文献を含み、それらはすべてここに参考文献として導入される:
米国特許番号 名称
1. 6,435,347 新たに収穫された呼吸する葉状農産物のための容器
2. 6,379,731 生鮮農産物の真空ガス噴出処理の方法
3. 6,287,617 グラム陰性抗菌組成
4. 6,275,375 芯抜きレタスの芯洗浄装置と方法
5. 6,196,237 芯抜きしたレタス頭部の洗浄方法
6. 6,189,299 ばら積み新鮮作物の冷却と梱包用装置
7. 5,908,649 生鮮食品や園芸用品用の包装
8. 5,863,584 農産物の処理方法および工程水
9. 5,747,082 腐敗しやすい食品と園芸品用の梱包
10. 5,616,360 新鮮なメロンの処理方法
11. 5,505,950 腐敗し易い食物および園芸製品を包装する方法
12. 5,468,508 新鮮なフルーツジュースおよびフルーツジュースブレンド品の保存方法
13. 5,354,569 貯蔵し輸送するためにレタスを包装する方法
14. 5,316,778 貯蔵を延ばすための葉物野菜の処理方法
15. 5,290,580 破損しやすい食品や園芸品の冷却法
16. 5,279,843 生鮮野菜を水と共に包装する方法
17. 5,200,219 熟していない豆を調製する方法と得られる製品
18. 5,151,284 緑豆の調製法とその結果得られる製品
19. 5,097,755 農産物を処理加工する方法と装置
20. 4,956,209 野菜および果物を包装するための防曇性多層フィルムおよびそれから製造された袋
21. 4,943,440 調整された空気が入ったカット野菜農産物容器と方法
22. 4,919,948 生鮮根菜の貯蔵寿命の延長
23. 4,895,729 切り分けられた生鮮果実農産物の保存
24. 4,883,674 制御雰囲気カットフルーツ包装と方法
25. 4,876,146 野菜および果物を包装するための防曇性多層フィルムおよびそれから製造された袋
26. 4,867,996 さやいんげんの調製方法
27. 4,855,153 新鮮な根菜の貯蔵寿命の延長
28. 4,834,554 一体の通気構造を備えたプラスチック・バッグ
29. 4,810,512 緑色野菜の色安定化
30. 4,808,420 延長された貯蔵寿命を有する新鮮根野菜
31. 4,753,808 包装された予備切断化野菜
32. 4,711,789 予備切断化生鮮セロリの貯蔵寿命の延長
33. 4,001,443 切った葉野菜を保存するための包装および方法
34. 6,030,927 作物のポストハーベスト処理
35. 6,423,310 収穫後の腐敗の制御のための保護および治癒効果を有する生物学的コーティング
36. 5,863,584 農産物の処理方法および工程水
37. 6,391,357 新鮮な農産物を処理する方法
38. 6,045,844 果実及び野菜における菌増殖を抑制する方法
39. 5,670,368 抗作用性微生物による植物病原菌抑制
40. 5,215,747 植物病原菌から植物を守る為の組成物と方法
41. 6,372,238 B1 施肥し、成長とバナナおよび真菌への真菌および昆虫の攻撃とを制御するためにインプラントを用いる方法
【0011】
発明の詳細な説明
バナナ、パイナップルなどの収穫農作物を処理するのに有用な新規調合物は、(a)一以上のワックスと(b)一以上のエラストマーとの混合物を含み、ただし、該調合物は、該農作物に適用された後に、およそ華氏38度からおよそ華氏120度までの温度範囲にわたって弾力性と柔軟性とを示す実質的に固体の層を提供し、商業的な包装と互換性を有する。該層は、水分損失を減らし、ワックス層とワックス処理された農産物表面との間における酸素の利用可能性を減らす。
【0012】
ここで使われるワックスは、該エラストマーと組み合わせたとき、望ましい最終結果を達成するのに適した望ましい特徴をもたらす全てのワックスである。このようなワックスは、限定されず、パラフィン、ミクロクリスタリン、ワセリン、蜜ろう、フィッシャー−トロプシュ、アルファオレフィン、ポリエチレンワックスおよびこれらの混合物を含む。
【0013】
ここで使われるエラストマーは、該ワックスと組み合わせたとき、望ましい最終結果を達成するのに適した望ましい特徴をもたらす全てのエラストマーである。このようなエラストマーは、限定されず、天然ゴム、合成ゴム(合成ブチルゴムなど)、エチレン酢酸ビニル、アタクチックポリプロピレン、ネオプレン(あるいはイソプレン)およびこれらの混合物を含む。
【0014】
該調合物あるいは混合物中のワックスは、該混合物の全体の重量に対して、およそ10重量%からおよそ99重量%までの範囲で存在しており、好ましくはおよそ20%からおよそ95%である。このパーセンテージの範囲にはワックスの組み合わせも含まれる。
【0015】
該調合物あるいは混合物中のエラストマーは、該混合物の全体の重量に対して、およそ1重量%からおよそ90重量%までの範囲で存在しており、好ましくはおよそ1%からおよそ50%であり、より好ましくはおよそ1%からおよそ20%である。
【0016】
このように、本発明は、水分損失を減らし、カビ、菌類および昆虫による外寄生を妨げるために種々の農産物および花の切りたての茎に適用されるときに効果的な密封あるいは障壁を与える調合物において、ワックスとワックス変性剤(エラストマー)との新規な結合を提供する。望ましい弾力性と温度性能とを産み出すために、選択された成分が組み合わされる場合、この技術において適切な実際の調合物成分は多様である。具体的には、異なるタイプおよび等級のワックスが、所定の温度範囲にわたって変化する弾力性と引張強度を有する。多様な起源のワックスの物理的性質は、該ワックスを互いにおよび一以上のさまざまな弾力性改質剤と組み合わせて、ここで説明した目的のために有用な調合物を作り出すことによって、改変することができる。採りたての農産物の加工、輸送および貯蔵という活動には広い温度範囲が関与している。効果的なワックス調合物の選択は、これらの活動全体を通じて茎の上での密封に影響を与える化合物を生産することに基づく。融解貯蔵条件において層別化をもたらす不相容性あるいは商業的な包装との非互換性を避けるために、相溶性を有するワックスとワックス変性剤との組み合わせを選択するようにも注意しなければならない。
【0017】
また、本発明は、使用適合性を決定するために調合物の実験室試験を含み、商業的な農産物加工施設において農場適用するための方法論も含む。
【0018】
このように、本発明は、ワックスとエラストマーのワックス変性剤との融解した調合物の薄層を農産物の茎に適用し、それにより、水分損失を減らし、農産物の外寄生を妨げる障壁を作ることによって、切りたての農産物および花の茎を菌類、カビおよび昆虫の外寄生から保護する新規な方法を提供する。この方法は以下を含む。
【0019】
1. a. 採りたての果物、野菜および花の茎のために菌類、カビおよび昆虫による外寄生を妨げる障壁フィルムとして、周囲温度のおよび冷蔵された調合物の有効性を達成する目的で、パラフィン、ミクロクリスタリン、蜜ろう、ワセリン、フィッシャー−トロプシュ、アルファオレフィン、あるいはポリエチレンワックスなどの種々のタイプのワックスを、天然ゴム、合成ゴム、エチレン酢酸ビニル、あるいはアタクチックポリプロピレン(ワックスを伴うまたは伴わないアタクチックポリプロピレン)などのエラストマーと組み合わせること。
【0020】
b. 項目1.(a.)に記載した目的のために、特定のワックスおよびワックス変性剤の混合物の有効性を測定するための調合技術および試験方法。
【0021】
c. 項目1.(a.)に記載した調合物の適用および商業的使用のための農場適用方法論。
【0022】
2. ある種の果物および野菜の茎は収穫後に菌類、カビ、腐敗および昆虫による外寄生を非常に受けやすく、このような外寄生から適切に保護されない場合には、重大な浪費および経済的影響を引き起こす。バナナとパイナップルはこのような外寄生を特に受けやすい。項目1.(a)と項目3.とに記載の調合戦略および方法論により、該農産物の茎を保護するための変性ワックスの効果的な障壁フィルムが生産されうる。
【0023】
3. 適切に調合されたワックスおよびワックス変性剤の融解層を項目1.(a.)に記載の果物、野菜または花の切りたての茎に適用することにより、菌類、カビおよび昆虫による外寄生から該茎を保護し、該茎における水分損失を減らす障壁が形成される。
【0024】
4. 水分損失を減らす目的で、項目1.(a.)と項目7.とに記載のワックス調合物フィルムで農産物および花の茎を密封することにより、貯蔵寿命を延長することができ、密封された農産物の損傷を減らすことができる。
【0025】
5. 項目2.に記載の使用のためのワックスおよび/あるいはワックス調合物の有効性は、環境条件および冷蔵条件の両方におけるワックスおよび/あるいはワックス調合物の薄層の弾力性および柔軟性ならびに該調合物と商業的な農産物包装材料との互換性の関数である。
【0026】
6. 商業的に利用可能なワックスおよびワックス変性剤の種々の調合物が、項目2.に記載の調合物において使用するのに適している。しかしながら、該ワックス・ワックス変性剤調合物が環境条件および冷蔵条件の両方で十分な柔軟性および弾力性を有し、農産物の茎の周囲に効果的な密封が維持されることが条件である。
【0027】
7. 項目2に記載の障壁フィルムの融点、弾力性、粘着性、透明度(および/あるいは不透明度)を調整するために、ワックスとワックス変性剤との種々の組み合わせを作製することができる。
【0028】
8. 項目1(a.)に記載の融解した調合物に切りたての茎(あるいはバナナの場合はクラウン)の先端を浸すことにより、あるいは、融解した調合物を適用し、その後、得られたフィルムが固まるまで該調合物を冷やすことにより、項目2に記載の有効性を達成する効果的な障壁フィルムが作製される。
【0029】
9. 項目1.(a.)に記載の調合物のために特定の成分を選択することおよびその相対的比率は、調合物の費用効果と、特定の農場出荷条件において特定の農産物についておよび特定の包装材料との互換性について必要とされる密封度との関数である。
【0030】
10. 項目1(a.)に記載の調合物フィルムを適用後に固体化することは、農場において、水または次亜塩素酸ナトリウムもしくはトリクロロ−s−トリアジントリオンの希薄溶液などの別の適切な冷媒の浴の中に、被膜したばかりの農産物の茎を沈めることによって、速めることができる。これにより、障壁被膜の硬化が速まり、被膜された農産物をすぐに包装することが可能となる。水浴の中に殺菌剤を更に添加することは、水浴中で細菌あるいは真菌が増加することに対する予防策として役立ち、農産物を外寄生から保護する付加的な対策が追加される。
【0031】
11. 項目1(a.)で記載の調合物に適切な染料、顔料、および/あるいは香料を添加することにより、ブランド拡張および/あるいは製品イメージの向上を達成することができる。審美的に強化された見栄えという顧客へのアピールに加えて、宣伝とブランド拡張の機会が、該農産物は殺真菌剤を含まず、および/あるいは有機的に加工されているという宣言には存在する。
【0032】
12. 真菌の外寄生からの保護の付加的な対策として、柑橘類の種油および/あるいはカリウムミョウバンなどの天然の殺真菌剤を該調合物に添加することができる。
【0033】
例−−−一般
調合の方法論
以下の具体例には、採りたてのバナナのクラウン(茎)を密封するための調合物を開発するための、単純であるが効果的な調合の方法論および有効性試験の手順が含まれる。同一の手順および試験は他の農産物および花に当てはまる。
【0034】
ワックスおよびエラストマーを選択し、秤量し、融解し、完全に混合する。顔料、染料、および/あるいは香料などの添加剤を添加してもよい。混合物の融点は重要ではないが、取り扱いにおける安全のため、および、バナナの茎が燃えるのを妨げるために、華氏170−190度の範囲の融点を本解析で用いた。混合物をその融点よりもおよそ15−20度高く加熱して、厚さおよそ0.125インチの被膜を生成する。
【0035】
有効性のための初回通過選別試験を次のように行う:柔軟性のある紙あるいは箔からなるおよそ4インチ×4インチの切片を調製する。各試験混合物(調合物)を2枚の該紙の上へ薄膜状(厚さおよそ0.125+/−インチ)に注ぎ、均一な層を形成させ、固体化させる。
【0036】
該サンプルを曲げ、それを機器でこすることによって、各混合物を硬度と引張強度について100Fにおいて視覚的に試験する。ワックス層は、付着性あるいは粘着性ではなく、容易には表面に圧痕を与えず、引き離したときに剥げ落ちず、ひも状にならないほど、十分に硬くあるべきである。
【0037】
該紙およびワックス層を鉛筆あるいは他の類似形状の機器の周囲でおよそ45度に曲げることによって、各混合物を弾力性について45Fにおいて視覚的に試験する。調合物がひび割れず、破壊せず、十分に硬く、100Fにおいて粘着性でない場合、それを実際のバナナクラウン上で更に試験する。
【0038】
採りたてのバナナのクラウン(あるいは、クラウンが茎から切り離された表面を覆って形成された外被を取り除くことによって調製された、商業的バナナのクラウン)を、紙の正方形片上で満足がいく性能を発揮した融解ワックス調合物に浸す。バナナはクラウンよりおよそ1インチ下で被膜されて、クラウン全体にわたり密封される。バナナは100Fと45Fにおいて再び観察される。調合物は、バナナクラウンが融解ワックスから取り除かれたときにひも状の付着物が形成されるかどうかを決定するために、評価される。ひも状物が形成されると、クラウン密封物の視覚的アピールに否定的な影響を与える。
【0039】
100Fにおいては、ワックス層は非付着性あるいは非粘着性でなければならず、ブラシがけされたときに容易には破れないほど十分な強度を有していなければならない。45Fにおいては、ワックスで被膜された接続点であって、個々のバナナがクラウンと連結する場所において該個々のバナナが曲げられたとき、ワックス層はひび割れてはならない。ワックスは、該農産物を包装するときに使われる箱あるいはプラスチック製ライナーバッグに接着してはならない。
【0040】
有効性を確実にするために、これらの条件で性能を発揮する調合物を十分な数のバナナ上で更に試験する(例えば、証拠書類A)。顔料および染料を視覚的アピールのために調合物に添加する。ワックス密封物によって与えられた保護を越えて、持続放出により外寄生を阻止するために、天然のおよび市販の殺虫剤および/あるいは殺真菌剤を調合物の中に添加することができる。所望に応じて持続放出のために、天然オイル、ハーブおよび精油もワックス調合物に添加することができる。
【0041】
以下は、この目的について試験された実際の調合物の例である。
【0042】
例1
融点が華氏165度であるミクロクリスタリンワックスをブチルゴムと、85パーセントのミクロクリスタリンワックスおよび15パーセントのブチルゴムという重量比で混合させた。該調合物は、紙試験およびバナナ試験の間、満足がいく性能を発揮した(図1)。ひも状物は形成されなかった。この調合物はここに記載された目的に適している。
【0043】
例2
融点が華氏165度であるミクロクリスタリンワックスをアタクチックポリプロピレン(ブルックフィールド粘度が3500で軟化点が摂氏129度であるAPAO)と、75パーセントのミクロクリスタリンワックスおよび25パーセントのポリプロピレンという重量比で混合させた。該調合物は、紙試験およびバナナ試験の間、満足がいく性能を発揮した(図2)。ひも状物は形成されなかったが、該調合物は100Fで粘着性だった。該調合物を4パーセント(重量)のポリエチレンワックスの添加により変性させた。この調合物を再び試験した。この調合物はここに記載された目的に適している。
【0044】
例3
炭素原子数30以上のアルファオレフィンワックスをアタクチックポリプロピレン(ブルックフィールド粘度が3500で軟化点が摂氏129度であるAPAO)と、75パーセントのワックスおよび25パーセントのポリプロピレンという重量比で混合させた。該調合物は、45Fでの試験の間に収縮および不十分な弾力性のためにバナナの茎上でひび割れたので、満足がいく性能を発揮しなかった(図3)。該調合物を50重量パーセントのワックスおよび50重量パーセントのポリプロピレンに変性させた。ひも状物は形成されなかった。修正された調合物は45Fにおいて満足がいく性能を発揮した。
【0045】
例4
アルファオレフィンワックスは完全に不透明であり、ミクロクリスタリンワックスおよびアタクチックポリプロピレンはいくぶん透明である。より高い不透明度を有する調合物が望まれた。
【0046】
炭素原子数30以上のアルファオレフィンワックスをミクロクリスタリンワックスおよびアタクチックポリプロピレン(ブルックフィールド粘度が3500で軟化点が摂氏129度であるAPAO)と、20パーセントのアルファオレフィンワックス、40パーセントのミクロクリスタリンワックスおよび40パーセントのポリプロピレンという重量比で混合させた。該調合物は、ひも状物を形成することなく、満足がいく性能を発揮した。該調合物はここに記載された目的に適している。この調合物は、例示調合物1よりも不透明であり、ある種の商業的応用において望ましい場合がある。
【0047】
例5
凝固点が華氏187度で酸価が27の酸化フィッシャー・トロプシュワックスをアタクチックポリプロピレン(ブルックフィールド粘度が3500で軟化点が摂氏129度であるAPAO)と、50パーセントのワックスおよび50パーセントのポリプロピレンという重量比で混合させた。該調合物は、紙試験およびバナナ試験の間、満足がいく性能を発揮した。ひも状物は形成されなかった。この調合物はここに記載された目的に適している。
【0048】
例6
45パーセントのミクロクリスタリンワックス、45%のパラフィンワックスおよび10%のブチルゴムという重量比にある、軟化点が華氏165度であるミクロクリスタリンワックス、軟化点が華氏120度であるパラフィンワックスおよびブチルゴム。該調合物は、紙試験、バナナ試験の間および商業的な農場適用において満足がいく性能を発揮した。
【0049】
例7
以下に記載のとおり、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックスおよびポリブチレン(合成ブチルゴム)を含む2つのサンプル調合物、調合「C」および調合「F」を熱帯特有の商業的バナナの操作の中で農場において試験した。該試験は、ワックス製殺真菌剤代替物「本発明」を未処理のプラシーボ果物および市販の殺真菌剤で処理した同一の果物に対して試験するように計画した。接種物は、実際の農場加工条件よりも著しく濃縮された高濃度のコレトトリカム・ムサエ胞子水溶液であった。調合「C」は、外寄生の重症度および発生率の両方において、殺真菌剤チアベンザドール処理バナナよりも実質的に良好な性能を発揮した。この実証は、クラウン腐敗、ネック腐敗および黒点外寄生(black spot infestations)を特に受けやすい熱帯性農場環境にいる商業的バナナ生産者とともに行った。試験の方法論には4つの主要な試験群が含まれ、そのおのおのは、
a.)未処理の接種果物
b.)変性ワックスで処理した接種果物―2つの調合CおよびF
c.)殺真菌剤で処理した接種果物
の相対的な外寄生発生率を比較するための統計学的に有意な個数のバナナの果手(房)を含む。
【0050】
1.)全ての果物に20,000胞子/mLのコレトトリカム水性懸濁液を、該懸濁液に最低1分間浸すことによって接種した。
【0051】
2.)接種されたバナナの果手の湿ったクラウンを融解ワックスに浸し、一分間冷却し、融解ワックスに再度浸すことによって、調合CおよびFのワックスで処理された果物を加工した。
【0052】
3.)殺真菌剤処理果物は、製造業者の推奨する用量のチアベンザドール水溶液中に浸した。
【0053】
4.全ての果物を包装し、摂氏14度の温度および90パーセントの相対湿度で21日間、実験室倉庫に貯蔵した。
【0054】
a.)腐敗およびカビの有無、ならびにb.)外寄生の重症度について試験結果を記録・測定するために、経験的視覚等級化尺度(empirical visual grading scale)を採用した。ラテックスの染みつきも観察し記録した。1から5までの視覚的外寄生重症度尺度(1-5)を作成した。ここで、1=汚れのないクラウン、5=重度に腐敗したクラウン。
【0055】
果皮のラテックス染みつきを経験的視覚尺度で記録した。ここで、1=染みつきが全くない、3=果物に染みつきがあり、市場には不適当である。
【0056】
調合(F)―ブチルゴム(12重量%)およびミクロクリスタリンワックス(88重量%)からなり、軟化点がおよそ華氏190度である混合物。
【0057】
調合(C)―パラフィンワックス(55重量%)、ミクロクリスタリンワックス(39重量%)およびブチルゴム(6重量%)からなり、軟化点がおよそ華氏160度である混合物。
【0058】
培養後、バナナ生産者の訓練された実験技術者が果物を等級分けし、集計された結果は以下に示すとおり編集された。
【0059】
バナナ農作物の収穫後処理
実証結果
【0060】
【表1】

【0061】
凡例:I=被接種、ND=ラテックス除去なし、T=チアベンザドール適用
【0062】
観察および結果
カビおよび腐敗による被害の防止に関して、調合Cは非常に良好な性能を発揮した。接種された対照は、ほぼ100%が最も高いレベルの重症度で外寄生された。調合Cは、類似のチアベンザドール処理対照群に対して、カビおよび腐敗の発生率および重症度をおよそ50%下げた。調合Fは、チアベンザドール処理対照群よりも良好な性能を発揮した。調合物がラテックス染みつきに与える影響に関しては、明確な傾向はなかった。
【0063】
生成物の製造および包装
ここに記載されたとおりに商業的に生産される変性ワックスは、種々の成分を融解し、それらを高剪断装置(high-shear apparatus)および/あるいは撹拌槽を用いて混ぜることによって、仕様書どおりに生産される。変性ワックスは、再加熱のための蒸気コイルあるいは電気抵抗ヒーターが設置されたアイソコンテナ(Isocontainers)中で融解されて大量に出荷することができる。変性ワックスは、出荷および使用目的地における再溶解のために、従来のドラム(drums)、11ポンドのスラブ(slabs)あるいは小さいパステル(pastilles)として固体の状態で出荷することもできる。
【0064】
農場適用
実際の農場適用の手順は、立地、自動化の度合いおよび農産物のタイプによって変化する。上記の例7に加えて、以下は、熱帯の農場立地においてバナナにつき手動で農場適用する手順の例である。
【0065】
変性ワックスは、勤務時間全体の間あるいは一日の間、十分な量のワックスを供給するために、十分な大きさの断熱された加熱タンク内で現場において融解される。融解したワックスの温度は、望ましい厚さの障壁−ワックスフィルムを生成するワックスを供給するように、調整および維持される(通常、この温度は、変性ワックスの融点よりもおよそ華氏15−25度高い)。
【0066】
ワックスは、該加熱タンクから、比較的一定したワックス温度を維持するために十分に断熱され内部で加熱されたより小さなふたなし加熱容器へくみ出される。
【0067】
農産物の包装の直前に、農産物の茎(バナナクラウン)は融解したワックスの中に浸され、バナナがクラウンにおいて一つにつながる点を超えて最低でも長さ1インチのワックスフィルムが提供される。
【0068】
処理されたワックス塗りクラウンを、冷却されたあるいは周囲温度の水の浴中にしばらく浸して、あるいはコンベヤーの上に置き、水カーテン(water curtain)を通過させて、ワックス密封物を固体化する(水浴の工程は任意であるが推奨される)。浸漬水中においてカビの胞子が増加するのを低減させるために、およそ0.15−0.20重量パーセントの次亜塩素酸カルシウムあるいは2−3ppm(重量)のトリクロロ−s−トリアジントリオンあるいは他の適当な酸化剤で水浴を処理してもよい。浸漬水は日単位で交換される。ワックスで密封されたバナナの果手は、標準的な手順に従って包装および出荷される。
【0069】
より自動化された方法では、融解ワックスが浸漬タンクに供給される。そこでは、処理された農産物を加工の次工程に運ぶコンベヤーによって、バナナの果手の茎が融解ワックス中に浸される。
【0070】
即ち、本発明は以下のとおり新規な方法および組成物を提供する。
【0071】
収穫された農作物において生物学的外寄生を抑制するための収穫後処理方法であって、(a)ワックスと(b)エラストマーとの混合物を含む調合物を該収穫された農作物に適用することを含み、ただし、該調合物は、ダイス(dais)農作物に適用された後に、およそ華氏38度からおよそ華氏120度までの温度範囲にわたって弾力性と柔軟性とを示す実質的に固体の密封層を提供する方法。該密封層は、水分を封じ込め、真菌の成長を維持するのに利用可能な酸素の量を減らすことによりバナナクラウンの腐敗の発生率と重症度とを減少させる。
【0072】
該ワックスがパラフィン、ミクロクリスタリン、蜜ろう、フィッシャー−トロプシュ、アルファオレフィン、ポリエチレンワックスおよびこれらの混合物からなる群より選択される項目1に記載の方法。
【0073】
該エラストマーが天然ゴム、合成ゴム、エチレン酢酸ビニル、アタクチックポリプロピレン、ネオプレン(イソプレン)およびこれらの混合物からなる群より選択される項目1に記載の方法。
【0074】
該ワックスが該調合物の全重量に対しておよそ10重量%からおよそ99重量%までの範囲で該調合物中に存在している項目1に記載の方法。
【0075】
該エラストマーが該調合物の全重量に対しておよそ1重量%からおよそ90重量%までの範囲で該調合物中に存在している項目1に記載の方法。
【0076】
該農作物を該調合物に浸すまたは該農作物に該調合物をスプレーすることによって、該調合物が、該農作物の収穫後処理のために使われ、それに対して適用される項目1に記載の方法。
【0077】
該農作物が果物、花または野菜である項目1に記載の方法。
【0078】
該農作物がバナナ、プランテーンまたはパイナップルである項目1に記載の方法。
【0079】
該調合物がパラフィンとミクロクリスタリンワックスと合成ゴムとの混合物またはアタクチックポリプロピレンとパラフィンとミクロクリスタリンワックスとの混合物である項目1に記載の方法。
【0080】
収穫された農作物をその外寄生を減らすために処理するのに有用な組成物であって、(a)ワックスと(b)エラストマーとの混合物を含み、ただし、該混合物は、該農作物に適用された後に、およそ華氏38度からおよそ華氏120度までの温度範囲にわたって弾力性と柔軟性とを示す実質的に固体であり非粘着性の障壁層を提供する組成物。
【0081】
該ワックスがパラフィン、ミクロクリスタリン、蜜ろう、フィッシャー−トロプシュ、ワセリン、アルファオレフィン、ポリエチレンワックスおよびこれらの混合物からなる群より選択される項目10に記載の組成物。
【0082】
該エラストマーが天然ゴム、合成ゴム、エチレン酢酸ビニル、アタクチックポリプロピレン、ネオプレン(イソプレン)およびこれらの混合物からなる群より選択される項目10に記載の組成物。
【0083】
該ワックスが該調合物の全重量に対しておよそ10重量%からおよそ99重量%までの範囲で該混合物中に存在している項目10に記載の組成物。
【0084】
該エラストマーが該混合物の全重量に対しておよそ1重量%からおよそ90重量%までの範囲で該混合物中に存在している項目10に記載の組成物。
【0085】
該混合物が、パラフィンおよびミクロクリスタリンワックスおよびブチルゴムである、またはミクロクリスタリンワックスとパラフィンとアタクチックポリプロピレンとの混合物である項目10に記載の組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫された農作物において生物学的外寄生およびそれに続く腐敗を抑制するための収穫後処理方法であって、(a)ワックスと(b)エラストマーとの混合物を含む調合物を該収穫された農作物に適用することを含み、ただし、該調合物は、該農作物の少なくとも一部に適用された後に、およそ華氏38度からおよそ華氏120度までの温度範囲にわたって弾力性と柔軟性とを示す実質的に固体の密封層を提供し、該密封層は、水分を封じ込め、真菌の成長を維持するのに利用可能な酸素の量を減らすことにより腐敗の発生率と重症度とを減少させる方法。
【請求項2】
該ワックスがパラフィン、ミクロクリスタリン、蜜ろう、フィッシャー−トロプシュ、アルファオレフィン、ポリエチレンワックスおよびこれらの混合物からなる群より選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該エラストマーが天然ゴム、合成ゴム、エチレン酢酸ビニル、アタクチックポリプロピレン、ネオプレン(イソプレン)およびこれらの混合物からなる群より選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該ワックスが該調合物の全重量に対しておよそ10重量%からおよそ99重量%までの範囲で該調合物中に存在している請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該エラストマーが該調合物の全重量に対しておよそ1重量%からおよそ90重量%までの範囲で該調合物中に存在している請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該農作物の少なくとも一部を該調合物に浸すまたは該農作物の少なくとも一部に該調合物をスプレーすることによって、該調合物が、該農作物の収穫後処理のために使われ、それに対して適用される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該農作物が果物、花または野菜である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該農作物がバナナ、プランテーンまたはパイナップルである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該調合物がパラフィンとミクロクリスタリンワックスと合成ゴムとの混合物またはアタクチックポリプロピレンとパラフィンとミクロクリスタリンワックスとの混合物である請求項1に記載の方法。
【請求項10】
収穫された農作物をその外寄生を減らすために処理するのに有用な組成物であって、(a)ワックスと(b)エラストマーとの混合物を含み、ただし、該混合物は、該農作物の少なくとも一部に適用された後に、およそ華氏38度からおよそ華氏120度までの温度範囲にわたって弾力性と柔軟性とを示す実質的に固体であり非粘着性の障壁層を提供する組成物。
【請求項11】
該ワックスがパラフィン、ミクロクリスタリン、蜜ろう、フィッシャー−トロプシュ、ワセリン、アルファオレフィン、ポリエチレンワックスおよびこれらの混合物からなる群より選択される請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
該エラストマーが天然ゴム、合成ゴム、エチレン酢酸ビニル、アタクチックポリプロピレン、ネオプレン(イソプレン)およびこれらの混合物からなる群より選択される請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
該ワックスが該混合物の全重量に対しておよそ10重量%からおよそ99重量%までの範囲で該混合物中に存在している請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
該エラストマーが該混合物の全重量に対しておよそ1重量%からおよそ90重量%までの範囲で該混合物中に存在している請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
該混合物が、パラフィンおよびミクロクリスタリンワックスおよびブチルゴムである、またはミクロクリスタリンワックスとパラフィンとアタクチックポリプロピレンとの混合物である請求項10に記載の組成物。

【公表番号】特表2006−503579(P2006−503579A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546791(P2004−546791)
【出願日】平成15年10月7日(2003.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/031561
【国際公開番号】WO2004/037006
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(505093910)
【Fターム(参考)】