説明

農園芸用殺菌剤組成物及び植物病害の防除方法

【課題】 より優れた植物病害防除効果、特に植物病害を予防及び/又は治療する効果を格段に向上させた農園芸用殺菌剤組成物及びその組成物を用いる植物病害の防除方法を提供する。
【解決手段】 (a)式(I):
【化1】


(式中、RはC1-6アルキル基またはC1-6アルコキシ基であり、nは1〜5の整数である)で表されるイミダゾール系化合物と、(b)フルトラニルとの相乗有効量を含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物病害防除効果、特に植物病害を予防及び/又は治療する効果を格段に向上させた農園芸用殺菌剤組成物及びその組成物を用いる植物病害の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、本発明の農園芸用殺菌剤組成物の有効成分である後記式(I)で表されるイミダゾール系化合物が有害生物防除剤として有用であることが記載され、必要に応じて他の殺菌剤との混用・併用が可能であるとの記載がある。特許文献2には、後記式(I)で表される化合物とは異なるイミダゾール系化合物とフルトラニルを混用、併用した場合に効果が上がることが記載されている。しかしながら、式(I)で表される化合物と、フルトラニルの相乗有効量を組み合わせたとき、顕著に優れた殺菌効果をもつことは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ヨーロッパ公開特許公報第298196号
【特許文献2】ヨーロッパ公開特許公報第337103号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
後記式(I)で表されるイミダゾール系化合物は各々その植物病害防除効果において、特定の植物病害に対してその効果が十分でなかったり、残効性が比較的短かったりして、ある施用場面では、植物病害に対し実用上、不十分な防除効果しか示さないこともある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前述の問題点を解決すべく研究した結果、後記式(I)で表されるイミダゾール系化合物に対し、フルトラニルを混合使用することにより、各薬剤を単独で使用した場合に比して予想することができないような、さらに優れた植物病害防除効果が得られることの知見を得、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、(a)式(I):
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、RはC1-6アルキル基またはC1-6アルコキシ基であり、nは1〜5の整数である)で表されるイミダゾール系化合物と、(b)フルトラニルとの相乗有効量を含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤組成物に関する。また、本発明は前記農園芸用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする植物病害の防除方法に関する。
【0009】
式(I)のイミダゾール系化合物中、Rで定義されたC1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基のアルキル部分としては、炭素数1〜6のアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルが挙げられ、それらは直鎖又は枝分かれ鎖であってもよい。また、nが2以上の場合、Rは同種であっても異種であってもよい。
【0010】
式(I)のイミダゾール系化合物には、例えば次の化合物が含まれる。
・4−クロロ−2−シアノ−1−ジメチルスルファモイル−5−(4−メチルフェニル)イミダゾール(化合物No.1)
・4−クロロ−2−シアノ−1−ジメチルスルファモイル−5−(4−メトキシフェニル)イミダゾール(化合物No.2)
・4−クロロ−2−シアノ−1−ジメチルスルファモイル−5−(4−エチルフェニル)イミダゾール(化合物No.3)
・4−クロロ−2−シアノ−1−ジメチルスルファモイル−5−(3−メチル−4−メトキシフェニル)イミダゾール(化合物No.4)
なお、前記一般式(I)のイミダゾール系化合物は、前記特許文献1、ヨーロッパ公開特許公報第705823号などに記載された方法によって製造することができる。また、化合物No.1は、一般名シアゾファミド(Cyazofamid)として知られた化合物である。
【0011】
本発明で有効成分(b)として用いられるフルトラニル(flutolanil)は、IUPAC名α,α,α−トリフルオロ−3'−イソプロポキシ−o−トルアニリドとして知られた化合物である。
【0012】
前記(a)式(I)のイミダゾール系化合物の少なくとも1種と、(b)フルトラニルの相乗有効量を含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤組成物は、有害病菌に感染している或いはその恐れのある栽培作物、例えば、キュウリ、トマト、ナスなどの蔬菜類;イネ、麦類などの禾穀類;マメ類、リンゴ、ナシ、ブドウ、柑橘などの果樹類;バレイショなどに適用することにより優れた殺菌作用を呈し、例えばうどんこ病、べと病、炭そ病、灰色かび病、みどりかび病、黒星病、斑点落葉病、斑点細菌病、黒斑病、黒点病、晩腐病、疫病、輪紋病、いもち病、紋枯病、苗立枯病、白絹病などの病害の防除に好適であり、また、フザリウム菌、リゾクトニア菌、バーティシリウム菌、プラズモディオホーラ属菌、ピシウム菌などの植物病原菌によって引き起こされる土壌病害に対しても優れた防除効果を示す。本発明の農園芸用殺菌剤組成物は残効性が長く、浸透移行性が優れ、予防効果及び/又は治療効果を有するが、特に予防効果が優れている。
【0013】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、具体的にはイネいもち病;イネ紋枯病;イネ苗立枯病;キュウリ炭そ病;キュウリ、メロン、キャベツ、ハクサイ、タマネギ、カボチャ、ブドウのべと病;小麦、大麦、キュウリうどんこ病;バレイショ、トウガラシ、ピーマン、スイカ、カボチャ、タバコ、トマトの疫病;小麦のセプトリア病;トマト輪紋病;柑橘類の黒点病;柑橘類のみどりかび病;ナシ黒星病;リンゴ斑点落葉病;タマネギの白色疫病;スイカの褐色腐敗病;各種の灰色かび病、菌核病、さび病、斑点細菌病などの病害;フザリウム菌、ピシウム菌、リゾクトニア菌、バーティシリウム菌などの植物病原菌によって引き起こされる各種土壌病害に対して優れた防除効果を示す。また、プラズモディオホーラ属菌による病害に対しても優れた防除効果を示す。該組成物は、さらに具体的にはバレイショ、トウガラシ、ピーマン、スイカ、カボチャ、タバコ、トマトの疫病;キュウリ、メロン、キャベツ、ハクサイ、タマネギ、カボチャ、ブドウのべと病;芝のピシウム病、赤焼病、葉腐病(ブラウンパッチ、ラージパッチ)などによる病害に対して特に優れた防除効果を示す。
【0014】
本発明における農園芸用殺菌剤組成物を構成する有効成分は従来の農薬製剤の場合と同様に、各種補助剤と配合し、乳剤、粉剤、水和剤、液剤、粒剤、懸濁製剤などの種々の形態に製剤することができる。その際、前記式(I)の化合物と、フルトラニルとを一緒に混合・製剤してもよいし、あるいは別々に製剤してそれらを混合してもよい。これら製剤品の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、又は水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用することができる。ここにいう補助剤としては、担体、乳化剤、懸濁剤、増粘剤、安定剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、浸透剤、凍結防止剤、消泡剤などが挙げられ、必要により適宜添加すればよい。担体としては、固体担体と液体担体が挙げられ、固体担体としては、澱粉、砂糖、セルロース粉、シクロデキストリン、活性炭、大豆粉、小麦粉、もみがら粉、木粉、魚粉、粉乳などの動植物性粉末;タルク、カオリン、ベントナイト、有機ベントナイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、ゼオライト、ケイソウ土、ホワイトカーボン、クレー、アルミナ、シリカ、硫黄粉末、消石灰などの鉱物性粉末などが挙げられ、液体担体としては、水;大豆油、綿実油などの植物油;牛脂、鯨油などの動物油;エチルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ケロシン、灯油、流動パラフィンなどの脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキサン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素類;クロロホルム、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミドなどの酸アミド類;酢酸エチルエステル、脂肪酸のグリセリンエステルなどのエステル類;アセトニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫化合物類あるいはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。展着剤としては、アルキル硫酸ソーダ、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、リグニンスルホン酸ソーダ、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0015】
また、本発明方法において、他の農薬、例えば殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、抗ウイルス剤、誘引剤、除草剤、植物生長調製剤等を混用することもでき、この場合には一層優れた効果を示すことがある。
【0016】
上記他の農薬中の、殺菌剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えば、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメサニル(pyrimethanil)、シプロジニル(cyprodinil)のようなアニリノピリミジナミン系化合物;
フルアジナム(fluazinam)のようなピリジナミン系化合物;
トリアジメホン(triadimefon)、ビテルタノール(bitertanol)、トリフルミゾール(triflumizole)、エタコナゾール(etaconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ペンコナゾール(penconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、マイクロブタニル(myclobutanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ファーコナゾールシス(furconazole‐cis)、プロクロラズ(prochloraz)、メトコナゾール(metconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、オキスポコナゾールフマル酸塩(oxpoconazole fumarate)、シプコナゾール(sipconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、トリアジメノール(triadimenol)、フルトリアホール(flutriafol)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、トリシクラゾール(tricyclazole)、プロベナゾール(probenazole)、シメコナゾール(simeconazole)、ペフラゾエート(pefurazoate)、イプコナゾール(ipconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)のようなアゾール系化合物;
キノメチオネート(quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(maneb)、ジネブ(zineb)、マンゼブ(mancozeb)、ポリカーバメート(polycarbamate)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)のようなジチオカーバメート系化合物;
フサライド(fthalide)、クロロタロニル(chlorothalonil)、キントゼン(quintozene)のような有機塩素系化合物;
ベノミル(benomyl)、チオファネートメチル(thiophanate‐methyl)、カーベンダジム(carbendazim)、チアベンダゾール(thiabendazole)、フベリアゾール(fuberiazole)のようなイミダゾール系化合物;
シモキサニル(cymoxanil)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル−M(metalaxyl-M)、メフェノキサム(mefenoxam)、オキサジキシル(oxadixyl)、オフレース(ofurace)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル−M(benalaxyl-M、別名キララキシル(kiralaxyl、chiralaxyl))、フララキシル(furalaxyl)、シプロフラム(cyprofuram)のようなフェニルアミド系化合物;
ジクロフルアニド(dichlofluanid)のようなスルフェン酸系化合物;
水酸化第二銅(cupric hydroxide)、有機銅(oxine Copper)のような銅系化合物;
ヒメキサゾール(hymexazol)のようなイソキサゾール系化合物;
ホセチルアルミニウム(fosetyl‐Al)、トルコホスメチル(tolcofos‐Methyl)、S−ベンジル O,O−ジイソプロピルホスホロチオエート、O−エチル S,S−ジフェニルホスホロジチオエート、アルミニウムエチルハイドロゲンホスホネート、エジフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)のような有機リン系化合物;
キャプタン(captan)、キャプタホル(captafol)、フォルペット(folpet)のようなN−ハロゲノチオアルキル系化合物;
プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;
メプロニル(mepronil)、ゾキサミド(zoxamide)、チアジニル(tiadinil)のようなベンズアニリド系化合物;
カルボキシン(carboxin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、チフルザミド(thifluzamide)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、ボスカリド(boscalid)、ビキサフェン (bixafen)、 フルオピラム(fluopyram)、 イソチアニル(isotianil) のようなアニリド系化合物;
トリホリン(triforine)のようなピペラジン系化合物;
ピリフェノックス(pyrifenox)のようなピリジン系化合物;
フェナリモル(fenarimol)、フルトリアフォル(flutriafol)のようなカルビノール系化合物;
フェンプロピディン(fenpropidin)のようなピペリジン系化合物;
フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、スピロキサミン(spiroxamine)、トリデモルフ(Tridemorph)のようなモルフォリン系化合物;
フェンチンヒドロキシド(fentin hydroxide)、フェンチンアセテート(fentin acetate)のような有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(pencycuron)のような尿素系化合物;
ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)のようなシンナミック酸系化合物;
ジエトフェンカルブ(diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;
フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxim‐methyl)、メトミノフェン(metominofen)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、オリザストロビン(oryzastrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)のようなストロビルリン系化合物;
ファモキサドン(famoxadone)のようなオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(ethaboxam)のようなチアゾールカルボキサミド系化合物;
シルチオファム(silthiopham)のようなシリルアミド系化合物;
イプロバリカルブ(iprovalicarb)、ベンチアバリカルブ−イソプロピル(benthiavalicarb-isopropyl)、バリフェナール (valiphenal)のようなアミノアシッドアミドカーバメート系化合物;
フェナミドン(fenamidone)のようなイミダゾリジン系化合物;
フェンヘキサミド(fenhexamid)のようなハイドロキシアニリド系化合物;
フルスルファミド(flusulfamid)のようなベンゼンスルホンアミド系化合物;
シフルフェナミド(cyflufenamid)のようなオキシムエーテル系化合物;
フェノキサニル(fenoxanil)のようなフェノキシアミド系化合物;
アトラキノン系化合物;
クロトン酸系化合物;
バリダマイシン(validamycin)、カスガマイシン(kasugamycin)、ポリオキシン(polyoxins)のような抗生物質;
イミノクタジン(iminoctadine)のようなグアニジン系化合物;
その他の化合物として、ピリベンカルブ(pyribencarb)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、ピロキロン(pyroquilon)、ジクロメジン(diclomezine)、キノキシフェン(quinoxyfen)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride)クロルピクリン(chloropicrin)、ダゾメット(dazomet)、メタムナトリウム塩(metam‐sodium)、ニコビフェン(nicobifen)、メトラフェノン(metrafenone)、UBF-307、ジクロシメット(diclocymet)、プロキンアジド(proquinazid)、アミスルブロム(amisulbrom;別名アミブロドール(amibromdole))、Syngenta 446510(mandipropamid、 dipromandamid)、フルオピコリド(fluopicolide)、カルプロパミド(carpropamid)、BCF051、BCM061、BCM062、AF-0201などが挙げられる。
【0017】
上記他の農薬中の、殺虫剤、殺ダニ剤、或いは殺線虫剤、すなわち殺害虫剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えばプロフェノホス(profenofos)、ジクロルボス(dichlorvos)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、EPN、ダイアジノン(diazinon)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos‐methyl)、アセフェート(acephate)、プロチオホス(prothiofos)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ホスホカルブ(phosphocarb)、カズサホス(cadusafos)、ジスルホトン(dislufoton)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、デメトン-S-メチル(demeton-S-methyl)、ジメトエート(dimethoate)、メタミドホス(methamidophos)、イミシアホス(imicyafos)、イソキサチオン(isoxathion)、イソフェンホス(isofenphos)、エチオン(ethion)、エトリムホス(etrimfos)、キナルホス(quinalphos)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、スルプロホス(sulprofos)、チオメトン(thiometon)、バミドチオン(vamidothion)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、ピリミホスメチル(pirimiphos-methyl)、プロパホス(propaphos)、ホサロン(phosalone)、ホルモチオン(formothion)、マラチオン(malathion)、テトラクロルビンホス(tetrachlovinphos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、シアノホス(cyanophos)、トリクロルホン(trichlorfon)、メチダチオン(methidathion)、フェントエート(phenthoate)、ESP、アジンホスメチル(azinphos-methyl)、フェンチオン(fenthion)、ヘプテノホス(heptenophos)、メトキシクロル(methoxychlor)、パラチオン(paration)、モノクロトホス(monocrotophos)、パラチオン-メチル(parathion-methyl)、テルブホス(terbufos)、ホスファミドン(phospamidon)、ホスメット(phosmet)、ホレート(phorate)のような有機リン酸エステル系化合物;
カルバリル(carbaryl)、プロポキスル(propoxur)、アルジカルブ(aldicarb)、カルボフラン(carbofuran)、チオジカルブ(thiodicarb)、メソミル(methomyl)、オキサミル(oxamyl)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、ピリミカルブ(pirimicarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、フラチオカルブ(furathiocab)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メトルカルブ(metolcarb)、キシリルカルブ(xylylcarb)、XMC、フェノチオカルブ(fenothiocarb)のようなカーバメート系化合物;
カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、ベンスルタップ(bensultap)、チオスルタップナトリウム(thiosultap-sodium)のようなネライストキシン誘導体;
ジコホル(dicofol)、テトラジホン(tetradifon)、エンドスルファン(endosulfan)、ジエノクロル(dienochlor)、ディルドリン(dieldrin)のような有機塩素系化合物;
酸化フェンブタスズ(fenbutatin Oxide)、シヘキサチン(cyhexatin)のような有機金属系化合物;
フェンバレレート(fenvalerate)、ペルメトリン(permethrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、テフルトリン(tefluthrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フルフェンプロックス(flufenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、イミデート(imidate)、シフルトリン(cyfluthrin)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルバリネート(fluvalinate)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、ラムダシハロトリン(lambda-cyhalothrin)、ピレスリン(pyrethrins)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、テトラメスリン(tetramethrin)、レスメスリン(resmethrin)、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ゼータシペルメトリン(zeta-cypermethrin)、アクリナトリン(acrinathrin)、アルファシペルメトリン(alpha-cypermethrin)、アレスリン(allethrin)、ガンマシハロトリン(gamma-cyhalothrin)、シータシペルメトリン(theta-cypermethrin)、タウフルバリネート(tau-fluvalinate)、トラロメスリン(tralomethrin)、プロフルスリン(profluthrin)、ベータシペルメトリン(beta-cypermethrin)、ベータシフルトリン(beta-cyfluthrin)、メトフルトリン(metofluthrin)のようなピレスロイド系化合物;
ジフルベンズロン(diflubenzuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、トリフルムロン(triflumuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ビストリフルロン(bistrifluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、フルアズロン(fluazuron)のようなベンゾイルウレア系化合物;
メトプレン(methoprene)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ジオフェノラン(diofenolan)のような幼若ホルモン様化合物;
ピリダベン(pyridaben)のようなピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フィプロニル(fipronil)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、エチピロール(ethiprole)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、アセトプロール(acetoprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)のようなピラゾール系化合物;
イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、クロチアニジン(clothianidin)、ニジノテフラン(nidinotefuran)、ジノテフラン(dinotefuran)などのネオニコチノイド;
テブフェノジド(tebufenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)などのヒドラジン系化合物;
ピリダリル(Pyridaryl)、フロニカミド(flonicamid)などのようなピリジン系化合物;
スピロディクロフェン(spirodiclofen)などのようなテトロニック酸系化合物;
フルアクリピリム(fluacrypyrin)などのようなストロビルリン系化合物;
フルフェネリム(flufenerim)などのようなピリジナミン系化合物;
ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、ヒドラゾン系化合物、また、その他の化合物として、ブプロフェジン(buprofezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、アミトラズ(amitraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)、シラフルオフェン(silafluofen)、トリアザメイト(triazamate)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、インドキサカルブ(indoxacarb)、アセキノシル(acequinocyl)、エトキサゾール(etoxazole)、シロマジン(cyromazine)、1,3−ジクロロプロペン(1,3-dichloropropene)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、フルフェンリム(flufenerim)、ピリダリル(pyridalyl)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、ビフェナゼート(bifenazate)、スピロテトラマット(spirotetramat)、プロパルギット(propargite)、ベルブチン(verbutin)、スピロメシフェン(spiromesifen)、チアゾリルシナノニトリル(thiazolylcinnanonitrile)、アミドフルメット(amidoflumet)、フルベンジアミド(flubendiamide)、クロフェンテジン(clofentezine)メタフルミゾン(metaflumizone)、クロルアントラニルプロール(chlorantraniliprole)、HGW-86、シフルメトフェン(cyflumetofen)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazone)、フェナザキン(fenazaquin)、ピリダベン(pyridaben)、アミドフルメット(amidoflumet)、クロロベンゾエート(chlorobenzoate)、スルフルアミド(sulfluramid)、メタアルデヒド(metaldehyde)、リアノジン(ryanodine)のような化合物;AKD‐1022、IKA‐2000などが挙げられる。更に、Bacillus thuringienses aizawai、Bacillus thuringienses kurstaki、Bacillus thuringienses israelensis、Bacillus thuringienses japonensis、Bacillus thuringienses tenebrionis又はBacillus thuringiensesが生成する結晶タンパク毒素、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤などのような微生物農薬、アベルメクチン(avermectin)、ミルベメクチン(milbemectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、スピノサッド(spinosad)、エマメクチンベンゾエート(emamectin Benzoate)、イベルメクチン(ivermectin)、レピメクチン(lepimectin)、スピネトラム(spinetoram)、アバメクチン(abamectin)、エマメクチン(emamectin)のような抗生物質;アザディラクチン(azadirachtin)、ロテノン(rotenone)のような天然物;ディート(deet)のような忌避剤などと、混用、併用することもできる。
【0018】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物において、式(I)の化合物の少なくとも1種と、フルトラニルとの適当な混合重量比は、一般に1: 10000〜10000:1、望ましくは、1:1000〜1000:1である。
【0019】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物を植物に施用する植物病害の防除方法も本発明に含まれる。本発明農園芸用殺菌剤組成物の有効成分の使用濃度は、対象作物、使用方法、製剤形態、施用量、施用時期、有害病菌の種類などの条件などの違いによって異なり、一概に規定できないが、茎葉処理あるいは土壌灌注処理の場合、有効成分濃度で普通前記一般式(I)で表される化合物が0.01〜1,000ppm、望ましくは0.3〜500ppmであり、フルトラニルが0.1〜10,000ppm、望ましくは0.5〜5000ppmである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、植物病害に感染した栽培作物に対する安定した高い防除効果を有するものであり、この組成物を用いて植物病害を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の農園芸用殺菌剤組成物の望ましい実施形態のいくつかを例示するが、これらは本発明を限定するものではない。
(1)(a)式(I)の化合物の少なくとも1種と、(b)フルトラニルの相乗有効量を含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤組成物。
(2)(a)式(I)の化合物の少なくとも1種と、(b)フルトラニルとの重量比が1:10000〜10000:1である(1)の農園芸用殺菌剤組成物。
(3)(a)式(I)の化合物の少なくとも1種と、(b)フルトラニルとの重量比が1:1000〜1000:1である(1)の農園芸用殺菌剤組成物。
(4)式(I)の化合物がシアゾファミドである(1)の農園芸用殺菌剤組成物。
【実施例】
【0022】
次に本発明に係わる試験例を記載するが、これらは本発明を限定するものではない。
試験例1
リゾクトニア(Rizoctonia solani)菌糸伸長阻害効果試験
検定に用いる菌株をPSA平板培地で20℃、2日間予備培養し、成育した菌糸の周縁部分を直径4mmのコルクボーラーで打ち抜き、有効成分化合物を所定の濃度含有するように希釈して作成したPDA平板培地上に置いた。本平板培地を20℃で2日間培養したのち菌糸伸長を測定し、阻害率を調べ、結果を第1表に示した。なお、無処理区の菌糸伸長平均は23.5mmであった。また、コルビーの式により阻害率の理論値を計算し、第1表の( )内に記載した。実験値がコルビーの式による理論値よりも高い場合に、本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、植物病害の防除に関し相乗効果を有する。
【0023】
【表1】

【0024】
試験例2
リゾクトニア(Rizoctonia solani)菌糸伸長阻害効果試験
試験例1と同様の方法で、菌糸伸長を測定し、阻害率を調べ、結果を第2表に示した。なお、無処理区の菌糸伸長平均は66mmであった。
【0025】
【表2】

【0026】
試験例3
ピシウム(Pythium graminicola)菌糸伸長阻害効果試験
試験例1と同様の方法で、菌糸伸長を測定し、阻害率を調べ、結果を第3表に示した。なお、無処理区の菌糸伸長平均は46mmであった。
【0027】
【表3】

【0028】
次に、本発明の有害生物防除用組成物の製剤例について記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
製剤例1(イ)シアゾファミド 2重量部、(ロ)フルトラニル 10重量部、(ハ)ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物 5重量部、(ニ)アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5重量部、(ホ)クレー 78重量部、以上の各成分を混合し、水和剤が得られる。
【0030】
製剤例2(イ)シアゾファミド 0.5重量部、(ロ)フルトラニル 2.5重量部、(ハ)炭酸カルシウム 20重量部、(ニ)クレー 77重量部、以上の各成分を混合し、粉剤が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式(I):
【化1】

(式中、RはC1-6アルキル基またはC1-6アルコキシ基であり、nは1〜5の整数である)で表されるイミダゾール系化合物の少なくとも1種と、(b)フルトラニルの相乗有効量を含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項2】
(a)イミダゾール系化合物と、(b)フルトラニルとの混合重量比が1:100000〜10000:1である請求項1記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項3】
式(I)のイミダゾール系化合物がシアゾファミドである請求項1に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の農園芸用殺菌剤組成物を植物に施用することを特徴とする植物病害の防除方法。

【公開番号】特開2009−286786(P2009−286786A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109755(P2009−109755)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】