説明

農地検索装置、農地検索プログラム、及び農地検索方法

【課題】農地拡大の実現、耕作放棄地の発生防止、及び農地の分散化防止に有効な農地候補を検索可能にする。
【解決手段】農地検索装置は、検索対象地番として地目が畑又は田の地番の入力を受け付ける入力部と、地図情報に基づいて、検索対象地番に隣接する全ての地番、及び又は、検索対象地番と同地区の全ての地番を判定対象地番として特定する特定部と、登記情報と、地図情報と、各地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報とに基づいて、特定部によって特定された判定対象地番が、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番であるかを判定する判定部と、判定部により、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定された判定対象地番を表示する表示部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農地を検索する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日本では、農地法の規定により、農地を許可なく農地以外の用途に転用することはできない。そのため、例えば、郊外で農業を営む親が亡くなり、親の農地を都市に住む子供が相続するような場合には、移動時間等の問題により、子供は農業を受け継ぐことが出来ず、農地をそのまま放置してしまうケースが多い。このようなケースは、耕作放棄地の発生を招く要因の一つになっている。例えば、2008年度調査によると、全国の耕作放棄地は約23万ヘクタールとなり、日本の農地全体の約5%を占めていることがわかっている。
【0003】
また、認定農業者等の担い手が経営する農地面積は年々増加しているものの、担い手への農地の利用集積が進んでいない。その理由の一つとして、例えば、集積した農地が分散していることが挙げられる。農地が分散していると、移動時間の増加や機械の効率的利用が困難等といった理由により、生産コストを低減させることが出来ず、規模拡大のメリットを十分に生かすことが出来ない。
【0004】
アメリカや中国等と比較すると、日本は農地面積が狭い上に上述のような問題があるため、日本の農家は生産コストが高くなってしまい経営が悪化している。また、日本の食料自給率も上げることが出来ず、海外からの輸入に頼らざるを得ない状況になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記実情に鑑み、農地拡大の実現、耕作放棄地の発生防止、及び農地の分散化防止に有効な農地候補を検索することができる農地検索装置、農地検索プログラム、及び農地検索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
装置の一観点によれば、入力部と、記憶部と、特定部と、判定部と、表示部とを備える農地検索装置が提供される。ここで、入力部は、検索対象地番として地目が畑又は田の地番の入力を受け付ける。記憶部は、登記情報と、地図情報と、地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報を記憶する。特定部は、記憶部に記憶された各地番の筆界を特定する地図情報に基づいて、検索対象地番に隣接する全ての地番、及び又は、検索対象地番と同地区の全ての地番を判定対象地番として特定する。判定部は、記憶部に記憶された登記情報と、地図情報と、各地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報とに基づいて、特定部によって特定された判定対象地番が、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番であるかを判定する。表示部は、判定部により、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定された判定対象地番を表示する。
【0007】
プログラムの一観点によれば、農地検索装置の農地検索プログラムが提供される。このプログラムは、次のような処理をコンピュータに実行させる。検索対象地番として地目が畑又は田の地番の入力を入力部を介して受け付ける。記憶部に記憶された各地番の筆界を特定する地図情報に基づいて、検索対象地番に隣接する全ての地番、及び又は、検索対象地番と同地区の全ての地番を判定対象地番として特定する。記憶部に記憶された登記情報と、地図情報と、各地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報とに基づいて、特定された判定対象地番が、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番であるかを判定する。耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定された判定対象地番を表示部に表示する。
【0008】
方法の一観点によれば、農地検索装置が行う農地検索方法が提供される。この方法では、コンピュータが次のことを行う。検索対象地番として地目が畑又は田の地番の入力を入力部を介して受け付ける。記憶部に記憶された各地番の筆界を特定する地図情報に基づいて、検索対象地番に隣接する全ての地番、及び又は、検索対象地番と同地区の全ての地番を判定対象地番として特定する。記憶部に記憶された登記情報と、地図情報と、各地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報とに基づいて、特定された判定対象地番が、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番であるかを判定する。耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定された判定対象地番を表示部に表示する。
【発明の効果】
【0009】
開示の装置、プログラム、及び方法は、農地拡大の実現、耕作放棄地の発生防止、及び農地の分散化防止に有効な農地候補を検索することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施例に係る農地検索装置の構成例を示す図である。
【図2】地図図形筆界点テーブルに格納されている情報の一例を示す図である。
【図3】地図図形結線テーブルに格納されている情報の一例を示す図である。
【図4】筆属性テーブルに格納されている情報の一例を示す図である。
【図5】登記情報DBに格納されている情報の一例を示す図である。
【図6】農業者テーブルに格納される情報の構成例を示す図である。
【図7】農地テーブルに格納される情報の構成例を示す図である。
【図8】賃借条件テーブルに格納されている情報の一例を示す図である。
【図9】一実施例に係る農地検索装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】判定対象地番毎に農地拡大可能性の判定を行う処理(S104,S107)の一例に係るフローチャートを示す図である。
【図11】耕作放棄可能性及び貸付可能性の判定を行う処理(S205)の一例に係るフローチャートである。
【図12】近未来の貸付可能性の判定を行う処理(S206)の一例に係るフローチャートである。
【図13】面積条件をクリアしているかの判定を行う処理(S208)の一例に係るフローチャートである。
【図14】S101の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
【図15】S104の処理内のS203の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
【図16】S104の処理内のS204の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
【図17】S104の処理内のS205の処理内のS302の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
【図18】S104の処理内のS205の処理内のS303の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
【図19】S104の処理内のS205の処理内のS305の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
【図20】S104の処理内のS205の処理内のS311の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
【図21】S104の処理内のS205の処理内のS313の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
【図22】S104の処理内のS206の処理内のS402の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
【図23】S104の処理内のS208の処理内のS505の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
【図24】S107の処理が終了した時点において、農業者テーブル及び農地テーブルに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
【図25】S108の処理によって表示部に表示された表示例を示す図である。
【図26】コンピュータシステムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、一実施例に係る農地検索装置の構成例を示す図である。
図1に示したように、本実施例に係る農地検索装置は、農地拡大・分散防止システム100と、地図図形筆界点テーブル200と、地図図形結線テーブル300と、筆属性テーブル400と、登記情報DB(DataBase)500とを含む。
【0012】
なお、農地拡大・分散防止システム100、地図図形筆界点テーブル200、地図図形結線テーブル300、及び筆属性テーブル400は、地図情報システム600に含まれる。地図情報システム600は、電子化された地図情報の提供等を行うシステムである。また、登記情報DB500は、登記情報システム700に含まれる。登記情報システム700は、電子化された登記情報の提供等を行うシステムである。
【0013】
農地拡大・分散防止システム100は、入力部110と、筆情報取得部120と、判定対象地番特定部130と、農地集約判定部140と、表示部150と、農業者テーブル160と、農地テーブル170と、賃借条件テーブル180を含む。なお、判定対象地番特定部130は特定部の一例であり、農地集約判定部140は判定部の一例である。
【0014】
農地拡大・分散防止システム100は、例えば、農地拡大を考えている農業者が、農地の拡大及び分散化防止等に有効な農地であって借入可能性の高い農地を検索する場合等に利用される。
【0015】
入力部110は、検索対象地番として地目が畑又は田の地番等の入力を受け付ける。
筆情報取得部120は、地図図形筆界点テーブル200、地図図形結線テーブル300、筆属性テーブル400、及び登記情報DB500等を参照し、それらから情報を取得する。
【0016】
判定対象地番特定部130は、地図図形筆界点テーブル200及び地図図形結線テーブル300等に格納されている情報に基づいて、検索対象地番に隣接する全ての地番、及び又は、検索対象地番と同地区の全ての地番を判定対象地番として特定する。
【0017】
農地集約判定部140は、登記情報DB500、地図図形筆界点テーブル200、地図図形結線テーブル300、及び賃借条件テーブル180等に格納されている情報に基づいて、次のような処理を行う。すなわち、判定対象地番が、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番であるかを判定する等の農地集約判定(後述の判定対象地番毎の農地拡大可能性の判定等)を行う。また、農地集約判定部140は、この中で、農業者テーブル160及び農地テーブル170へ情報を格納することや、農業者テーブル160、農地テーブル170、及び賃借条件テーブル180を参照して、それらから情報を取得すること等も行う。
【0018】
表示部150は、例えば、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として農地集約判定部140により判定された判定対象地番等を表示する。
【0019】
図2は、地図図形筆界点テーブル200に格納されている情報の一例を示す図である。但し、図2では、その一部のみを示す。
図2に示したように、地図図形筆界点テーブル200には、各地番の各筆界点のXY座標等の情報が格納されている。図2に示した例によれば、例えば、地番「10」の筆界点(点No)「T1」は、X座標が「X1」でY座標が「Y1」であることを示している。
【0020】
図3は、地図図形結線テーブル300に格納されている情報の一例を示す図である。但し、図3では、その一部のみを示す。
図3に示したように、地図図形結線テーブル300には、各地番の筆界点間の結線等の情報が格納されている。図3に示した例によれば、例えば、地番「10」は、筆界点「T1」、「T2」間を結線した筆界線と、筆界点「T2」、「T3」間を結線した筆界線と、筆界点「T3」、「T4」間を結線した筆界線と、筆界点「T4」、「T1」間を結線した筆界線を有することを示している。
【0021】
図4は、筆属性テーブル400に格納されている情報の一例を示す図である。但し、図4では、その一部のみを示す。
図4に示したように、筆属性テーブル400には、各地番の地目及び地積等の情報が格納されている。図4に示した例によれば、例えば、地番「10」の地目は「畑」であることを示している。
なお、地図図形筆界点テーブル200、地図図形結線テーブル300、及び筆属性テーブル400に格納されている情報は、地図情報でもある。
【0022】
図5は、登記情報DB500に格納されている情報の一例を示す図である。但し、図5では、その一部のみを示す。
図5に示したように、登記情報DB500には、各地番の登記年月日、登記種類、所有者氏名、及び所有者住所等の情報が格納されている。図5に示した例によれば、例えば、地番「10」の登記種類は「所有権移転」であることを示している。なお、登記情報DB500には、基本的に、登記簿が電子化された情報(登記情報)が格納されており、図5に示したもの以外にも、例えば、各地番の住所や面積等の情報も格納されている。
【0023】
図6は、農業者テーブル160に格納される情報の構成例を示す図である。
図6に示したように、農業者テーブル160には、判定対象地番毎に、「検索者氏名」、「農地候補検索日(隣接)」「農地候補検索日(地区)」、「所有者氏名」、「年齢レベル」、「最初の登記年月日」、「所有者住所」、「検索対象地番」等の情報が格納される。ここで、「検索者氏名」は、入力部110に入力された検索者の氏名である。「農地候補検索日(隣接)」は、「検索対象地番」に隣接する全ての地番において農地候補の検索を行った日付(年月日)である。「農地候補検索日(地区)」は、「検索対象地番」と同地区の全ての地番において農地候補の検索を行った日付(年月日)である。「所有者氏名」は、判定対象地番の所有者の氏名である。「年齢レベル」は、判定対象地番の所有者の年齢レベルである。本実施例では、年齢が高い順に「高」、「低」の何れかに区分される。「最初の登記年月日」は、判定対象地番の土地の所有者の最初の登記事件に係る登記年月日である。「所有者住所」は、判定対象地番の所有者の住所である。「検索対象地番」は、検索者によって入力部110に入力された、地目が畑又は田の地番である。
【0024】
図7は、農地テーブル170に格納される情報の構成例を示す図である。
図7に示したように、農地テーブル170には、判定対象地番毎に、次のような情報が格納される。すなわち、判定対象地番毎に、「地番」、「放棄候補F」、「貸付可能F」、「近未来貸付可能F」、「面積条件F」、「賃借権設定日付」、「所有者の他への賃借権有無」、「面積」、「地目」、「所有者住所との距離」等の情報が格納される。ここで、「地番」は、判定対象地番である。「放棄候補F」は、判定対象地番の耕作放棄の可能性があるか否かを示す耕作放棄可能性フラグである。「貸付可能F」は、判定対象地番の貸付可能性があるか否かを示す貸付可能性フラグである。「近未来貸付可能F」は、判定対象地番の近未来の貸付可能性があるか否かを示す近未来貸付可能性フラグである。「面積条件F」は、判定対象地番の面積と検索者が所有する土地の地番(但し、地目が畑又は田)の面積との合計が、検索対象地番の地域の賃借許可最低面積を超えているか否か示す面積条件フラグである。なお、賃借許可最低面積とは、各地域における、地目が畑又は田の土地に対して賃借権の設定が許可される最低面積のことである。「賃借権設定日付」は、判定対象地番に賃借権が設定された日付(年月日)である。但し、判定対象地番に賃借権が設定されていない場合には、その旨を示す情報となる。「所有者の他への賃借権有無」は、判定対象地番の所有者が所有する他の地番(但し、地目が畑又は田)において、賃借権が設定されているか否かを示す情報である。「面積」は、判定対象地番の面積である。「地目」は、判定対象地番の地目である。「所有者住所との距離」は、判定対象地番とその判定対象者地番の所有者の住所との距離である。
【0025】
図8は、賃借条件テーブル180に格納されている情報の一例を示す図である。但し、図8では、その一部のみを示す。
図8に示したように、賃借条件テーブル180には、地域毎に、賃借許可最低面積等の情報が格納されている。図8に示した例によれば、例えば、地域「北海道」の賃借許可最低面積が「2ha」であることを示している。
【0026】
次に、本実施例に係る農地検索装置の動作について説明する。
図9は、本実施例に係る農地検索装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図9に示したように、本動作では、まず、検索者から、当該検索者の氏名、当該検索者が所有する土地(地目が畑又は田)の地番、及び検索オプションの入力を入力部110を介して受け付ける(S101)。
【0027】
なお、検索オプションとは、検索範囲を指定するものである。本実施例では、検索オプションとして、検索範囲を、入力された地番に隣接する全ての地番とする検索オプションAと、入力された地番と同地区の全ての地番とする検索オプションBと、両者を合わせた地番とする検索オプションCの何れかを選択可能である。本動作では、検索オプションとして検索オプションCが入力されたものとする。
【0028】
また、S101では、農地集約判定部140が、受け付けられた氏名、地番の情報を、農地テーブル170の「検索者氏名」、「検索対象地番」の情報として、農地拡大・分散防止システム100の図示しないワーキングメモリに一時的に格納する。なお、以下では、農地拡大・分散防止システム100の図示しないワーキングメモリを単にワーキングメモリという。また、農地集約判定部140が、受け付けられた検索オプションCに応じて、現在の年月日の情報を、農地テーブル170の「農地候補検索日(隣接)」及び「農地候補検索日(地区)」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納する。
【0029】
次に、筆情報取得部120が、地図図形筆界点テーブル200及び地図図形結線テーブル300等に格納されている情報に基づいて、検索対象地番に隣接する全ての地番の情報を取得する(S102)。続いて、判定対象地番特定部130が、その全ての隣接地番を、判定対象地番として特定する(S103)。そして、詳しくは図10を用いて後述するように、農地集約判定部140が筆情報取得部120と協同して、判定対象地番毎に農地拡大可能性の判定を行う(S104)。この判定を行う処理では、例えば、判定対象地番毎に、耕作放棄地になる可能性や所有者の貸し付け可能性があるか等の判定を行う。
【0030】
次に、筆情報取得部120が、登記情報DB500等に格納されている情報に基づいて、検索対象地番と同地区の全ての地番の情報を取得する(S105)。続いて、判定対象地番特定部130が、その検索対象地番と同地区の全ての地番から、検索対象地番に隣接する地番を除いた残りの地番を、判定対象地番として特定する(S106)。そして、S104と同様に、詳しくは図10を用いて後述するように、農地集約判定部140が筆情報取得部120と協同して、判定対象地番毎に農地拡大可能性の判定を行う(S107)。
【0031】
次に、農地集約判定部140が筆情報取得部120と協同して、S101で入力された地番に応じた農地候補、すなわち、農地の拡大及び分散化防止等に有効な農地であって借入可能性の高い農地の候補を、表示部150に表示させる(S108)。具体的には、検索対象地番の土地と、判定対象地番とされた土地において耕作放棄地になる可能性が高い土地と、判定対象地番とされた土地において所有者が将来に貸し付ける可能性が高い土地と、その他の判定対象地番とされた土地とを区別可能に表示部150に表示させる。このような表示の処理は、地図図形筆界点テーブル200及び地図図形結線テーブル300に格納されている情報と、農地テーブル170に格納されている情報とに基づいて行われる。ここで、その表示の処理に使用される、地図図形筆界点テーブル200及び地図図形結線テーブル300に格納されている情報は、検索対象地番とS103及びS106において判定対象地番とされた全ての地番についての情報である。また、その表示の処理に使用される、農地テーブル170に格納されている情報は、S103及びS106において判定対象地番とされた全ての地番についての情報である。なお、地図図形筆界点テーブル200及び地図図形結線テーブル300に格納されている情報は、筆情報取得部120により参照される。また、農地テーブル170に格納されている情報は、農地集約判定部140により参照される。
【0032】
図10は、判定対象地番毎に農地拡大可能性の判定を行う処理(S104,S107)の一例に係るフローチャートを示す図である。
図10に示したように、この処理では、まず、判定対象地番を、その番号が小さい順に、1、2、3・・・N番目の判定対象地番と定義する(S201)。
【0033】
続いて、n=1として(S202)、筆情報取得部120が、登記情報DB500及び筆属性テーブル400等を参照して、n番目判定対象地番の情報として、所有者氏名、所有者住所、賃借権の設定状況、面積、地目の情報を取得する(S203)。また、S203では、農地集約判定部140が、取得された所有者氏名、所有者住所の情報を、農業者テーブル160の「所有者氏名」、「所有者住所」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納する。また、n番目判定対象地番と、取得された賃借権の設定状況、面積、地目の情報を、農地テーブル170の「地番」、「賃借権設定日付」、「面積」、「地目」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納する。
【0034】
続いて、農地集約判定部140が、耕作放棄可能性フラグ、貸付可能性フラグ、近未来貸付可能性フラグ、及び面積条件フラグを初期化する(S204)。すなわち、これらのフラグの値を0とし、その情報を、農地テーブル170の「放棄候補F」、「貸付可能F」、「近未来貸付可能F」、「面積条件F」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納する。
【0035】
続いて、詳しくは図11を用いて後述するように、耕作放棄可能性及び貸付可能性の判定を行う(S205)。
続いて、詳しくは図12を用いて後述するように、近未来の貸付可能性の判定を行う(S206)。
【0036】
続いて、農地テーブル170の「放棄候補F」、「貸付可能F」、「近未来貸付可能F」の情報としてワーキングメモリに格納されている耕作放棄可能性フラグ、貸付可能性フラグ、及び近未来貸付可能性フラグの情報に基づいて、次のような判定を行う(S207)。すなわち、耕作放棄可能性フラグ、貸付可能性フラグ、及び近未来貸付可能性フラグの何れかの可能性フラグの値が1であるか否かを判定する。ここで、その判定結果がNoの場合には、S211へ進む。
【0037】
一方、S207の判定結果がYesの場合には、詳しくは図13を用いて説明するように、面積条件をクリアしているかの判定を行う(S208)。
続いて、農地テーブル170の「面積条件F」の情報としてワーキングメモリに格納されている面積条件フラグの情報に基づいて、面積条件フラグの値が1であるか否かを判定する(S209)。ここで、その判定結果がNoの場合には、S211へ進む。
【0038】
一方、S209の判定結果がYesの場合には、農業者テーブル160及び農地テーブル170の情報としてワーキングメモリに格納されているn番目判定対象地番についての情報を、農業者テーブル160及び農地テーブル170に格納する(S210)。また、S210では、その後、農業者テーブル160及び農地テーブル170の情報としてワーキングメモリに格納されている情報をクリアする。但し、農業者テーブル160の「検索者氏名」、「農地候補検索日(隣接)」、「農地候補検索日(地区)」、「検索対象地番」の情報としてワーキングメモリに格納されている情報は除かれる(クリアされない)。
【0039】
S210の後は(或いは、S207又はS209がNoの場合)、nをn+1とし(S211)、n>Nであるか否かを判定する(S212)。ここで、その判定結果がNoの場合にはS203へ戻り、次の判定対象地番についての処理が開始される。
一方、S212の判定結果がYesの場合には、本処理が終了(リターン)する。
【0040】
図11は、耕作放棄可能性及び貸付可能性の判定を行う処理(S205)の一例に係るフローチャートである。
図11に示したように、この処理では、まず、筆情報取得部120が登記情報DB500を参照し、S203で取得したn番目判定対象地番についての所有者氏名を検索キーとして、当該所有者の最初の登記事件に係る登記年月日を取得する(S301)。また、S301では、農地集約判定部140が、取得された登記年月日の情報を、農業者テーブル160の「最初の登記年月日」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納する。
【0041】
続いて、農地集約判定部140は、S301で取得された登記年月日から現在までの経過年月日を算出し、その経過年月日に応じて、所有者の年齢レベルを「高」又は「低」に区分する(S302)。例えば、その経過年月日が30年以上であれば「高」に区分し、30年未満であれば「低」に区分する。なお、このような区分は、最初の登記事件に係る登記年月日から現在までの経過年数が長期間になるほど所有者の年齢レベルは高い(高齢)だろうという推測のもとに行われている。また、S302では、農地集約判定部140が、区分された年齢レベルの情報を、農業者テーブル160の「年齢レベル」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納する。
【0042】
続いて、筆情報取得部120が登記情報DB500を参照し、S203で取得したn番目判定対象地番についての所有者情報(氏名、住所等)を検索キーとして、当該所有者が所有する他の地番(但し、地目が畑又は田)についての情報を取得する(S303)。また、S303では、更に、農地集約判定部140が、その情報から、当該所有者が所有する他の地番(但し、地目が畑又は田)の土地において、賃借権の設定が為されている土地の有無を判定する。そして、その判定結果(賃借権の設定が為されている土地が有り又は無し)の情報を、農地テーブル170の「所有者の他への賃借権有無」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納する。
【0043】
続いて、筆情報取得部120が、地図図形筆界点テーブル200、地図図形結線テーブル300、及び登記情報DB500を参照して、n番目判定対象地番の土地の座標と、所有者の住所の座標についての情報を取得する(S304)。
【0044】
続いて、農地集約判定部140が、S304で取得された情報に基づいて、n番目判定対象地番の土地と所有者の住所の土地との間の直線距離を求める(S305)。また、S305では、農地集約判定部140が、求めた直線距離の情報を、農地テーブル170の「所有者住所との距離」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納する。
【0045】
続いて、農地集約判定部140が、S305で求めた直線距離が350m以下であるか否かを判定する(S306)。なお、このような判定は、その直線距離が350mを超えると、移動時間の増加等といった問題から、n番目判定対象地番の土地(但し、地目が畑又は田の場合)が耕作放棄地になる可能性が高くなり、また、その土地を所有者が貸し付ける可能性が高くなるという推測のもとに行われる。本例では、S306の判定基準である距離を350mとするが、これは一例であり、上記の推測のもとに他の距離とすることも可能である。S306の判定は、第1の条件を満足するか否かの判定の一例である。
【0046】
S306の判定結果がNoの場合には、本フローが終了(リターン)する。
一方、その判定結果がYesの場合、農地集約判定部140が、S203で農地テーブル170の「地目」の情報としてワーキワーキングメモリに格納されたn番目判定対象地番の地目の情報を抽出し(S307)、その地目が畑又は田であるか否かを判定する(S308)。なお、S308の判定は、第2の条件を満足するか否かの判定の一例である。
【0047】
S308の判定結果がNoの場合には、本フローが終了(リターン)する。
一方、その判定結果がYesの場合には、農地集約判定部140が、S203で農地テーブル170の「賃借権設定日付」の情報としてワーキングメモリに格納された賃借権の設定状況の情報を抽出する(S309)。そして、その情報から、n番目判定対象地番の土地に賃借権の設定が無しか否かを判定する(S310)。なお、S310の判定は、第3の条件を満足するか否かの判定の一例である。
【0048】
S310の判定結果がNoの場合には、本フローが終了(リターン)する。
一方、その判定結果がYesの場合には、農地集約判定部140が、耕作放棄可能性フラグの値を1とし、その情報を、農地テーブル170の「放棄候補F」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納する(S311)。なお、耕作放棄可能性フラグの値が1となることは、例えば、n番目判定対象地番の土地が耕作放棄地になる可能性が高いことを示している。
【0049】
続いて、農地集約判定部140が、S303で農地テーブル170の「所有者の他への賃借権有無」の情報としてワーキングメモリに格納された情報が、賃借権の設定が為されている土地が有るとの情報である場合に、次のような判定を行う(S312)。すなわち、n番目判定対象地番の土地の所有者が所有する他の地番の土地において、過去1年以内に賃借権の設定が為されたか否かを判定する。この判定は、例えば、筆情報取得部120が、登記情報DB500から、所有者が所有する他の地番において賃借権の設定が為された地番についての情報(賃借権の設定年月日等の情報)を取得し、その情報に基づいて農地集約判定部140が行う。なお、このような判定は、n番目判定対象地番の土地の所有者が所有する他の地番の土地において過去1年以内に賃借権の設定が為されていれば、n番目判定対象地番の土地についても所有者が貸し付ける可能性が高くなるという推測のもとに行われる。本例では、S312の判定基準である期間を過去1年以内とするが、これは一例であり、上記の推測のもとに他の期間とすることも可能である。S312の判定は、第4の条件を満足するか否かの判定の一例である。
【0050】
S312の判定結果がNoの場合には、本フローが終了(リターン)する。
一方、その判定結果がYesの場合には、農地集約判定部140が、貸付可能性フラグの値を1とし、その情報を、農地テーブル170の「貸付可能F」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納して(S313)、本フローが終了(リターン)する。なお、貸付可能性フラグの値が1となることは、例えば、n番目判定対象地番の土地を所有者が貸し付ける可能性が高いことを示している。
【0051】
図12は、近未来の貸付可能性の判定を行う処理(S206)の一例に係るフローチャートである。
図12に示したように、この処理では、まず、S401乃至S403の処理が行われる。この処理では、S306乃至S308と同様の処理が行われる。
【0052】
続いて、農地集約判定部140が、S302で農業者テーブル160の「年齢レベル」の情報としてワーキングメモリに格納された年齢レベルの情報を抽出し、年齢レベルが「高」であるか否かを判定する(S404)。なお、このような判定は、年齢レベルが「高」である場合には、所有者が高齢であると推測されることから、n番目判定対象地番の土地を所有者が貸し付ける可能性が高くなるだろうという推測のもとに行われる。S404の判定は、第5の条件を満足するか否かの判定の一例である。
【0053】
S404の判定結果がNoの場合には、本フローが終了(リターン)する。
一方、その判定結果がYesの場合には、農地集約判定部140が、近未来貸付可能性フラグの値を1とし、その情報を、農地テーブル170の「近未来貸付可能F」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納して(S405)、本フローが終了(リターン)する。なお、近未来貸付可能性フラグの値が1となることは、例えば、n番目判定対象地番の土地を所有者が近い将来に貸し付ける可能性が高いことを示している。
【0054】
図13は、面積条件をクリアしているかの判定を行う処理(S208)の一例に係るフローチャートである。
図13に示したように、この処理では、まず、農地集約判定部140が、検索対象地番の属する地域に対応する賃借許可最低面積を賃借条件テーブル180から取得する(S501)。なお、検索対象地番は、S101で農業者テーブル160の「検索対象地番」の情報としてワーキングメモリに格納された地番の情報を抽出することにより得られる。
【0055】
続いて、筆情報取得部120は、登記情報DB500を参照し、検索対象地番の所有者(検索者)の情報(氏名)を検索キーとして、検索対象地番の所有者が所有する他の地番についての情報(地目と面積)を取得する(S502)。なお、検索対象地番の所有者の情報(氏名)は、S101で農業者テーブル160の「検索者氏名」の情報としてワーキングメモリに格納された氏名の情報を抽出することにより得られる。
【0056】
続いて、農地集約判定部140は、S502で取得された情報に基づいて、検索対象地番の所有者が所有する他の地番において地目が畑又は田の地番である土地と、n番目判定対象地番の土地との合計面積を求める(S503)。また、S503では、農地集約判定部140が、その合計面積の情報を、農地テーブル170の「面積」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納する。
【0057】
続いて、農地集約判定部140が、S503で求められた合計面積がS501で取得された賃借許可最低面積を超えるか否かを判定する(S504)。なお、S504の判定は、第6の条件を満足するか否かの判定の一例である。
【0058】
S504の判定結果がNoの場合には、本フローが終了(リターン)する。
一方、S504の判定結果がYes場合には、農地集約判定部140が、面積条件フラグの値を1とし、その情報を、農地テーブル170の「面積条件F」の情報として、ワーキングメモリに一時的に格納して(S505)、本フローが終了(リターン)する。なお、面積条件フラグの値が1となることは、例えば、n番目判定対象地番の土地を検索者が借り入れる場合に、賃借権の設定が許可される最低面積の条件を満たしていることを示している。
【0059】
次に、上述の本実施例に係る農地検索装置の動作中において、ワーキングメモリに格納される情報の一例、農業者テーブル160及び農地テーブル170に格納される情報の一例、及び、S108で表示部150に表示される表示例について説明する。
【0060】
なお、ワーキングメモリには、本実施例に係る農地検索装置の動作開始時に、農業者テーブル用領域と農地テーブル用の領域が確保される。そして、農業者テーブル160の情報として格納される情報は農業者テーブル用領域へ格納され、農地テーブル170の情報として格納される情報は農地テーブル用領域へ格納される。
【0061】
図14は、S101の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
図14に示した例では、S101の処理によって、農業者テーブル160の「検索者氏名」、「農地候補検索日(隣接)」、「農地候補検索日(地区)」、「検索対象地番」の情報として、次のような情報がワーキングメモリに格納されたことを示している。すなわち、それらの情報として、「検索太郎」、「2011.2.6」、「2011.2.6」、「18」の情報が格納されたことを示している。
【0062】
図15は、S104の処理内のS203の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
図15に示した例では、S104の処理内のS203の処理によって、更に、農業者テーブル160の「所有者氏名」、「所有者住所」の情報として、「山田次郎」、「A123」の情報がワーキングメモリに格納されたことを示している。また、農地テーブル170の「地番」、「賃借権設定日付」、「面積」、「地目」の情報として、「24」、「無」、「100」、「畑」の情報がワーキングメモリに格納されたことを示している。
【0063】
図16は、S104の処理内のS204の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
図16に示した例では、S104の処理内のS204の処理によって、更に、農地テーブル170の「放棄候補F」、「貸付可能F」、「近未来貸付可能F」、「面積条件F」の各々の情報として、次のような情報がワーキングメモリに格納されたことを示している。すなわち、その各々の情報として、0(図16では「−」として表す)の情報が格納されたことを示している。
【0064】
図17は、S104の処理内のS205の処理内のS302の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
図17に示した例では、S104の処理内のS205の処理内のS301及びS302の処理によって、更に、農業者テーブル160の「年齢レベル」、「最初の登記年月日」の情報として、次のような情報がワーキングメモリに格納されたことを示している。すなわち、それらの情報として、「高」、「1950.2.1」の情報が格納されたことを示している。
【0065】
図18は、S104の処理内のS205の処理内のS303の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
図18に示した例では、S104の処理内のS205の処理内のS303の処理によって、更に、農地テーブル170の「所有者の他への賃借権有無」の情報として、「有」の情報がワーキングメモリに格納されたことを示している。
【0066】
図19は、S104の処理内のS205の処理内のS305の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
図19に示した例では、S104の処理内のS205の処理内のS305の処理によって、更に、農地テーブル170の「所有者住所との距離」の情報として、「2250m」の情報がワーキングメモリに格納されたことを示している。
【0067】
図20は、S104の処理内のS205の処理内のS311の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
図20に示した例では、S104の処理内のS205の処理内のS311の処理によって、更に、農地テーブル170の「放棄候補F」の情報として、1(図20では「●」として表す)の情報がワーキングメモリに格納されたことを示している。
【0068】
図21は、S104の処理内のS205の処理内のS313の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
図21に示した例では、S104の処理内のS205の処理内のS313の処理によって、更に、農地テーブル170の「貸付可能F」の情報として、1(図21では「●」として表す)の情報がワーキングメモリに格納されたことを示している。
【0069】
図22は、S104の処理内のS206の処理内のS402の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
図22に示した例では、S104の処理内のS206の処理内のS402の処理によって、更に、農地テーブル170の「近未来貸付可能F」の情報として、1(図22では「●」として表す)の情報がワーキングメモリに格納されたことを示している。
【0070】
図23は、S104の処理内のS208の処理内のS505の処理が終了した時点のワーキングメモリに格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
図23に示した例では、S104の処理内のS208の処理内のS505の処理によって、更に、農地テーブル170の「面積条件F」の情報として、1(図23では「●」として表す)の情報がワーキングメモリに格納されたことを示している。
【0071】
その後、S104の処理内のS210に処理が進むと、S210では、ワーキングメモリの農業者テーブル用領域に格納されている情報が農業者テーブル160に格納され、ワーキングメモリの農地テーブル用領域に格納されている情報が農地テーブル170に格納される。
【0072】
図24は、S107の処理が終了した時点において、農業者テーブル160及び農地テーブル170に格納されている情報の一例を模式的に示す図である。
図24に示した例では、3つの判定対象地番についての情報が、農業者テーブル160及び農地テーブル170に格納されたことを示している。但し、農業者テーブル160に格納された情報については、判定対象地番「24」についての情報のみを示し、他の2つの判定対象地番「15」、「28」についての情報については省略して示している。
【0073】
図25は、S108の処理によって表示部150に表示された表示例を示す図である。
なお、この表示例は、図24に示した農業者テーブル160及び農地テーブル170に格納されている情報に基づく表示例である。
【0074】
図25に示したように、この表示例では、検索対象地番の土地と、判定対象地番とされた土地において、耕作放棄地になる可能性が高い土地と、所有者が将来に貸し付ける可能性が高い土地と、その他の土地とが区別可能に表示されたことを示している。ここで、検索対象地番の土地は、地番「18」の土地である。判定対象地番とされた土地において、耕作放棄地になる可能性が高い土地は、地番「15」、「28」の土地である。判定対象地番とされた土地において、所有者が将来に貸し付ける可能性が高い土地は、地番「24」の土地である。判定対象地番とされた土地において、その他の土地は、地番「17」、「21」、「29」、「60」の土地である。
【0075】
なお、本例では、農地テーブル170に格納された情報において(図24の農地テーブル170参照)、「近未来貸付可能F」が「1」(「●」)となっている「地番」が「24」の土地を、所有者が将来に貸し付ける可能性が高い判定対象地番の土地としている。また、それ以外の「地番」が「15」、「28」の土地を、耕作放棄地になる可能性が高い判定対象地番の土地としている。
【0076】
また、本例では、検索対象地番の土地と、耕作放棄地になる可能性が高い地番の土地と、所有者が将来に貸し付ける可能性が高い地番の土地とを、それぞれ対応するアイコンと併せて表示することによって、その他の土地も含めて、それらの土地を区別可能に表示するようにしている。但し、それらの土地を区別可能に表示する手法は、これに限らず、例えば色分け等、他の手法を採用することも可能である。
【0077】
また、本例では、耕作放棄地になる可能性が高い地番の土地や所有者が将来に貸し付ける可能性が高い地番の土地が検索対象地番の土地に隣接する場合には、対応するアイコンを大きめに表示するようにしている。このようにする理由は、その土地を検索者が借り入れた場合には、農地の拡大及び分散化防止、更には耕作放棄地の発生防止に、特に有効になるからである。図25に示した例では、所有者が将来に貸し付ける可能性が高い地番「24」の土地が検索対象地番「18」の土地に隣接することから、地番「24」の土地には、対応するアイコンが大きめに表示されている。
【0078】
図25に示した表示例によれば、検索者は、農地の拡大及び分散化防止と耕作放棄地の発生防止に有効な借入可能性の高い農地が、地番「15」、「24」、「28」の土地であると判断することができる。また、その中でも特に有効な農地が、地番「24」の農地であると判断することができる。
【0079】
以上のように、本実施例に係る農地検索装置によれば、検索者(例えば農地拡大を望む農業者)は、自身が所有する農地の地番等を入力することによって、農地の拡大及び分散化防止と耕作放棄地の発生防止に有効な借入可能性の高い農地を検索することができる。
【0080】
なお、本実施例に係る農地検索装置の動作の説明では、図9のS101において検索オプションとして検索オプションCが入力された場合の例について説明したが、検索オプションAや検索オプションBが入力された場合には、次のような動作が行われる。すなわち、検索オプションAが入力された場合には、検索範囲を検索対象地番に隣接する全ての地番とすることから、検索範囲を検索対象地番と同地区の全ての地番とする処理に係る上述のS105乃至S107の処理は行われない。一方、検索オプションBが入力された場合には、検索範囲を検索対象地番と同地区の全ての地番とすることから、検索範囲を検索対象地番に隣接する全ての地番とする処理に係る上述のS102乃至S104の処理は行われない。
【0081】
また、本実施例に係る農地検索装置において、表示部150に表示する内容を印刷可能に構成することも可能である。
また、本実施例に係る農地検索装置は、例えば、次のようなコンピュータシステムによって実現することも可能である。
【0082】
図26は、そのコンピュータシステムの構成例を示す図である。
図26に示したように、このコンピュータシステムは、CPU801、ROM802、RAM803、通信インタフェース804、記憶装置805、入出力装置806、可搬型記憶媒体の読取り装置807、及び、これらの全てが接続されたバス808を含む。なお、CPUは Central Processing Unit であり、ROMは Read Only Memory であり、RAMは Random Access Memory である。
【0083】
記憶装置805としてはハードディスク、磁気ディスクなど様々な形式の記憶装置を使用することができる。記憶装置805、またはROM802に、本実施例に係る農地検索装置が行う動作(例えば図9乃至図13に示したフローチャートの動作)のためのプログラム等が格納される。また、記憶装置805、またはROM802に、地図図形筆界点テーブル200、地図図形結線テーブル300、筆属性テーブル400、登記情報DB500、及び賃借条件テーブル180に格納されている情報等も格納される。また、RAM803には、ワーキングメモリ、農業者テーブル160、及び農地テーブル170等に格納される情報が格納される。そして、そのプログラムがCPU801によって実行されることにより、筆情報取得部120、判定対象地番特定手段130、農地集約判定部140等が実現される。
【0084】
このようなプログラムは、プログラム提供者端末809からネットワーク810、および通信インタフェース804を介して、例えば記憶装置805に格納されて、CPU801によって実行されることも可能である。また、市販され、流通している可搬型記憶媒体811に格納され、読取り装置807にセットされて、CPU801によって実行されることも可能である。可搬型記憶媒体811としてはCD−ROM、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、DVDディスク、USBメモリなど様々な形式の記憶媒体を使用することができる。
【0085】
入出力装置806は、例えばキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等の入力装置と、例えばディスプレイ、プリンタ、スピーカ等の出力装置を含み、入力部110及び表示部150に対応する。
【0086】
以上、実施例を説明したが、本発明は、上述した実施例に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【0087】
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
検索対象地番として地目が畑又は田の地番の入力を受け付ける入力部と、
登記情報と、地図情報と、地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報を記憶した記憶部と、
前記記憶部に記憶された各地番の筆界を特定する地図情報に基づいて、前記検索対象地番に隣接する全ての地番、及び又は、前記検索対象地番と同地区の全ての地番を判定対象地番として特定する特定部と、
前記記憶部に記憶された登記情報と、地図情報と、各地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報とに基づいて、前記特定部によって特定された判定対象地番が、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番であるかを判定する判定部と、
前記判定部により、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定された判定対象地番を表示する表示部と、
を備えることを特徴とする農地検索装置。
(付記2)
前記記憶部が地図情報として各地番の地目を特定する情報を併せて記憶し、
前記判定部は、前記特定部により特定された判定対象地番の土地の住所と当該判定対象地番の土地の所有者の住所との間の距離が所定距離を越えるという第1の条件と、当該判定対象地番の地目が畑又は田であるという第2の条件と、当該判定対象地番の土地に賃借権が設定されていないという第3の条件と、当該判定対象地番の土地の所有者が所有する他の地番の土地において過去所定期間内に賃借権が設定されたという第4の条件と、当該判定対象地番の土地の所有者が高齢であるという第5の条件と、当該判定対象地番の土地と前記検索対象地番の所有者が所有する地目が畑又は田の土地との合計面積が当該検索対象地番の地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積を超えるという第6の条件の中の、前記第1、2、及び6の条件と、前記第3乃至5の何れか1つ以上の条件とを満足すると判定した場合に、当該判定対象地番を、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定する、
ことを特徴とする付記1記載の農地検索装置。
(付記3)
前記判定部は、前記登記情報に基づいて、前記特定部により特定された判定対象地番の土地の所有者の最初の登記事件に係る登記年月日から現在までの経過期間が所定期間を超えると判定した場合に、前記第5の条件を満足すると判定する、
ことを特徴とする付記2記載の農地検索装置。
(付記4)
農地検索装置の農地検索プログラムであって、
検索対象地番として地目が畑又は田の地番の入力を入力部を介して受け付け、
記憶部に記憶された各地番の筆界を特定する地図情報に基づいて、前記検索対象地番に隣接する全ての地番、及び又は、前記検索対象地番と同地区の全ての地番を判定対象地番として特定し、
前記記憶部に記憶された登記情報と、地図情報と、各地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報とに基づいて、前記特定された判定対象地番が、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番であるかを判定し、
耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定された判定対象地番を表示部に表示する、
という処理をコンピュータに実行させる農地検索プログラム。
(付記5)
前記記憶部が地図情報として各地番の地目を特定する情報を併せて記憶し、
前記判定では、前記特定された判定対象地番の土地の住所と当該判定対象地番の土地の所有者の住所との間の距離が所定距離を越えるという第1の条件と、当該判定対象地番の地目が畑又は田であるという第2の条件と、当該判定対象地番の土地に賃借権が設定されていないという第3の条件と、当該判定対象地番の土地の所有者が所有する他の地番の土地において過去所定期間内に賃借権が設定されたという第4の条件と、当該判定対象地番の土地の所有者が高齢であるという第5の条件と、当該判定対象地番の土地と前記検索対象地番の所有者が所有する地目が畑又は田の土地との合計面積が当該検索対象地番の地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積を超えるという第6の条件の中の、前記第1、2、及び6の条件と、前記第3乃至5の何れか1つ以上の条件とを満足すると判定した場合に、当該判定対象地番を、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定する、
ことを特徴とする付記4記載の農地検索プログラム。
(付記6)
前記判定では、前記登記情報に基づいて、前記特定された判定対象地番の土地の所有者の最初の登記事件に係る登記年月日から現在までの経過期間が所定期間を超えると判定した場合に、前記第5の条件を満足すると判定する、
ことを特徴とする付記5記載の農地検索プログラム。
(付記7)
農地検索装置が行う農地検索方法であって、
コンピュータが、
検索対象地番として地目が畑又は田の地番の入力を入力部を介して受け付け、
記憶部に記憶された各地番の筆界を特定する地図情報に基づいて、前記検索対象地番に隣接する全ての地番、及び又は、前記検索対象地番と同地区の全ての地番を判定対象地番として特定し、
前記記憶部に記憶された登記情報と、地図情報と、各地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報とに基づいて、前記特定された判定対象地番が、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番であるかを判定し、
耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定された判定対象地番を表示部に表示する、
ことを特徴とする農地検索方法。
(付記8)
前記記憶部が地図情報として各地番の地目を特定する情報を併せて記憶し、
前記判定では、前記特定された判定対象地番の土地の住所と当該判定対象地番の土地の所有者の住所との間の距離が所定距離を越えるという第1の条件と、当該判定対象地番の地目が畑又は田であるという第2の条件と、当該判定対象地番の土地に賃借権が設定されていないという第3の条件と、当該判定対象地番の土地の所有者が所有する他の地番の土地において過去所定期間内に賃借権が設定されたという第4の条件と、当該判定対象地番の土地の所有者が高齢であるという第5の条件と、当該判定対象地番の土地と前記検索対象地番の所有者が所有する地目が畑又は田の土地との合計面積が当該検索対象地番の地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積を超えるという第6の条件の中の、前記第1、2、及び6の条件と、前記第3乃至5の何れか1つ以上の条件とを満足すると判定した場合に、当該判定対象地番を、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定する、
ことを特徴とする付記7記載の農地検索方法。
(付記9)
前記判定では、前記登記情報に基づいて、前記特定された判定対象地番の土地の所有者の最初の登記事件に係る登記年月日から現在までの経過期間が所定期間を超えると判定した場合に、前記第5の条件を満足すると判定する、
ことを特徴とする付記8記載の農地検索方法。
【符号の説明】
【0088】
100 農地拡大・分散防止システム
110 入力部
120 筆情報取得部
130 判定対象地番特定部
140 農地集約判定部
150 表示部
160 農業者テーブル
170 農地テーブル
180 賃借条件テーブル
200 地図図形筆界点テーブル
300 地図図形結線テーブル
400 筆属性テーブル
500 登記情報DB
600 地図情報システム
700 登記情報システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象地番として地目が畑又は田の地番の入力を受け付ける入力部と、
登記情報と、地図情報と、地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報を記憶した記憶部と、
前記記憶部に記憶された各地番の筆界を特定する地図情報に基づいて、前記検索対象地番に隣接する全ての地番、及び又は、前記検索対象地番と同地区の全ての地番を判定対象地番として特定する特定部と、
前記記憶部に記憶された登記情報と、地図情報と、各地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報とに基づいて、前記特定部によって特定された判定対象地番が、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番であるかを判定する判定部と、
前記判定部により、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定された判定対象地番を表示する表示部と、
を備えることを特徴とする農地検索装置。
【請求項2】
前記記憶部が地図情報として各地番の地目を特定する情報を併せて記憶し、
前記判定部は、前記特定部により特定された判定対象地番の土地の住所と当該判定対象地番の土地の所有者の住所との間の距離が所定距離を越えるという第1の条件と、当該判定対象地番の地目が畑又は田であるという第2の条件と、当該判定対象地番の土地に賃借権が設定されていないという第3の条件と、当該判定対象地番の土地の所有者が所有する他の地番の土地において過去所定期間内に賃借権が設定されたという第4の条件と、当該判定対象地番の土地の所有者が高齢であるという第5の条件と、当該判定対象地番の土地と前記検索対象地番の所有者が所有する地目が畑又は田の土地との合計面積が当該検索対象地番の地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積を超えるという第6の条件の中の、前記第1、2、及び6の条件と、前記第3乃至5の何れか1つ以上の条件とを満足すると判定した場合に、当該判定対象地番を、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の農地検索装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記登記情報に基づいて、前記特定部により特定された判定対象地番の土地の所有者の最初の登記事件に係る登記年月日から現在までの経過期間が所定期間を超えると判定した場合に、前記第5の条件を満足すると判定する、
ことを特徴とする請求項2記載の農地検索装置。
【請求項4】
農地検索装置の農地検索プログラムであって、
検索対象地番として地目が畑又は田の地番の入力を入力部を介して受け付け、
記憶部に記憶された各地番の筆界を特定する地図情報に基づいて、前記検索対象地番に隣接する全ての地番、及び又は、前記検索対象地番と同地区の全ての地番を
判定対象地番として特定し、
前記記憶部に記憶された登記情報と、地図情報と、各地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報とに基づいて、前記特定された判定対象地番が、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番であるかを判定し、
耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定された判定対象地番を表示部に表示する、
という処理をコンピュータに実行させる農地検索プログラム。
【請求項5】
農地検索装置が行う農地検索方法であって、
コンピュータが、
検索対象地番として地目が畑又は田の地番の入力を入力部を介して受け付け、
記憶部に記憶された各地番の筆界を特定する地図情報に基づいて、前記検索対象地番に隣接する全ての地番、及び又は、前記検索対象地番と同地区の全ての地番を判定対象地番として特定し、
前記記憶部に記憶された登記情報と、地図情報と、各地域における地目が畑又は田の土地に対する賃借権の設定が許可される最低面積の情報とに基づいて、前記特定された判定対象地番が、耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番であるかを判定し、
耕作放棄地となる可能性が高い地番、及び又は、所有者が貸し付ける可能性が高い地番として判定された判定対象地番を表示部に表示する、
ことを特徴とする農地検索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図24】
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【図26】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図25】
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