説明

農薬を適用する方法

【課題】本発明は、例えば播種又は移植などの労働集約的作業の改善に投資をせずに、種子の段階で既に始まる大量栽培における適切な農薬保護植物の収量を増大させることを目的とする。
【解決手段】農薬の量が、農薬処理した種子及び農薬含有粒子が共同して有効用量の農薬を含む程度のものであり、且つ農薬処理した種子中に含まれる農薬用量が、農薬の最大非植物毒性用量以下であって、農薬処理した種子の近傍に1つ以上の農薬含有粒子を置くことを含んで成る、農薬で処理した発芽種子を保護する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業及び園芸において農薬を処理した発芽種子を保護する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
害虫から植物種子を保護するための方法は当業界において周知である。通常農薬、例えば殺虫剤又は殺真菌剤は、播種の前の種子処理の際に、単独で又は組み合わせにおいて直接種子上に適用する。種子処理は当業界で周知であり、異なる方法、例えば種子ドレッシング、種子コーティング又は種子ペレッティング(pelleting)を含んで成る。
【0003】
種子処理において、一般的に比較的高い用量において適用し、対抗すべき害虫に対して適切な保護を達成する。例えば、種子処理におけるある殺虫剤の高い投与量は、それらがある限界を超えると、発芽を遅延させ、植物の成長活力を妨害し、又は発芽の際に他の負の効果を誘導し得ることが、当業界で良く知られている。植物の苗の段階において主に生じるこれらの効果は、まとめて「植物毒性」効果と呼ばれる。用量、適用の方法、環境条件及び類似のパラメーターに依存して植物毒性効果をもたらし得る農薬の例は、例えばイミダクロプリド、チアメトキサム及びクロチアニジンなどの浸透性殺虫剤の中に見出すことができる。この植物毒性効果は、経済的に不利益であり、種子処理における対応する農薬の柔軟性を制限する。この植物毒性効果を回避する1つの方法が国際公開第01/13722号に示唆されている。そこでは、別々の粒子上に農薬を適用し、これらの農薬含有粒子の1つを種子の隣に置くことが提案されている。国際公開第01/13722号は、殺虫剤であるイミダクロプリドを含有するペレットとの組み合わせにおける、ペレットレタス種子のためのこの方法について説明する。
【0004】
国際公開第01/13722号に記載されている方法を植物生産工業に適用する場合、いくつかの経済的不利益が未だ存在する。現代の播種機は非常に正確であるが、1〜2%の播種の失敗が存在し得る。従って、この産業に特徴的な植物の大量栽培を考慮すると、播種の際の農薬含有粒子の播種の失敗により、植物の大部分が全く農薬保護を受けていないだろう。
【0005】
本発明の当業界における更に重要な産業は、若い植物の栽培者のものである。若い植物の栽培者は、種子を播種した時から植物が若い植物の段階に達するまで、苗床において高価値の野菜、例えばレタス、アブラナ科、コショウ、トマト及びメロンを栽培する。典型的には、若い植物の段階へは、種子の播種後4〜6週で到達する。その後、若い植物は通常消費者に売られ、その後彼らは若い植物を更なる栽培のために開けた土地の田畑に移植する。一般的に、若い植物の栽培者の苗床にある間は、植物は植物トレイ上で栽培される。既に言及した播種の失敗による農薬含有粒子の損失に加えて、例えばこのような植物トレイの輸送、又は開けた土地の田畑に移植する際にも、農薬含有粒子が損失を受け得る。
【0006】
この植物の取扱作業の際の農薬含有粒子の播種の失敗又は損失により、植物のかなりの部分が農薬保護を全く受けないので、それらの高価値植物生育産業において国際公開第01/13722号に記載された方法を適用することにより著しい経済的損失が存在する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、例えば播種又は移植などの労働集約的作業の改善に投資をせずに、種子の段階で既に始まる大量栽培における適切な農薬保護植物の収量を増大させる必要性を認識する。
【0008】
典型的には、若い植物の栽培者により用いられる植物トレイは、多くの個別の植物容器を含む。適用に依存して、この植物容器の大きさは、1×1cm〜4×4cmの範囲である。種子及び農薬含有粒子は、個々に植物容器に置く。従って、播種機の使用による自動化により、種子及び殺虫含有粒子は個々の植物容器において最大で互いに4cmの距離を容易に有することができる。通常、植物は、それらが若い植物の段階に達する前に植物トレイにおいて4〜6週間栽培され、その後開けた土地の田畑に移植される。種子とその対応する農薬含有粒子の間に例えば4cmのかなりの距離がある種子の場合、農薬が拡散により単独でその距離を輸送されなければならないので、種子から発芽した植物が移植の後早期に適切な農薬保護を受けているか疑問である。
【0009】
本発明は、種子及び対応する農薬含有粒子が植物容器中でかなりの距離で置かれる場合に、それらの移植された植物に対して初期の農薬保護を与える必要性も認識する。
【0010】
大量栽培における適切に農薬保護された植物の収量の増大及び移植した植物に対する早期の農薬保護を与えることの問題は、双方とも本発明により克服される。
【0011】
本発明によると、農薬の有効用量(1つの種子胚を保護するのに十分な用量)を、農薬含有粒子(これらは保護する種子の隣に置く)上に適用するのではなく、適切な比率で種子と農薬含有粒子の間に有効量を分配することを提案する。
【0012】
本発明は、農薬の量が、農薬処理した種子及び農薬含有粒子が共同して有効用量の農薬を含む程度のものであり、且つ農薬処理した種子中に含まれる農薬用量が、農薬の最大非植物毒性用量以下であって、農薬処理した種子の隣に1つ以上の農薬含有粒子を置くことを含んで成る、農薬処理した発芽種子を保護する方法に関する。農薬が常にその農薬の最大非植物毒性用量以下の用量で種子上に直接存在するので、これは、農薬含有粒子を受けない又は失っていた植物が非保護のままでないことを保証する。当該方法を用いることにより、発芽の際の所望されない植物毒性効果を生じさせずに、基本的なレベルの農薬保護が大量栽培において全ての植物に与えられる。農薬含有粒子が植物容器中で種子からかなりの距離で置かれた種子でさえも、移植直後にこの基本的なレベルの農薬保護が存在するだろう。従って、発芽の際の所望されない植物毒性効果を生じさせずに、早期の保護が植物に与えられる。
【0013】
本発明の関連の中で、特定の用語は以下で定義する具体的な意味を有することが意図されている:
【0014】
本発明によると、「有効量」は、標準的な試験条件下で害虫の十分な防除を与える種子処理における農薬の用量である。通常、この十分な防除は、標準的な試験条件下での農薬に関する最大の獲得可能な害虫の防除に等しい。この標準的な試験条件は一般的に、植物が育てられ、害虫が対抗される自然の環境を示す。「害虫の十分な防除」は、経済的に興味のある害虫防除を意味し、一般に70〜100%の防除の範囲である。
【0015】
種子処理における農薬の農薬活性に関する試験は当業界で周知であり、例えば殺虫、殺真菌又は殺ダニ活性に関する試験を含む。これらの試験の例は、Jukes他(「Evaluation of non−organophosphorus insecticides for controlling the cabbage root fly.The insecticide conundrum」,Proceedings 52nd International Symposium on Crop Protection,Gent,Belgium,2000)、Ester他(「Filmcoating the seed of cabbage(Brassica oleracea L. covar. Capitata L.)and cauliflower(Brassica oleracea L.var.−A−Botrytis L.)with imidacloprid and spinosad to control insect pests」,2003,Crop Protection 22(5):761−768)、Ester and Brantjes(「Pelleting the seed of iceberg lettuce(Lactuca sativa L.)and butterhead lettuce(Lactuca sativa L.var.capitata L.)with imidacloprid to control aphids」,Proceedings 50th International Symposium on Crop Protection,Gent,Belgium,1998)及びHofer他(「Thiamethoxam(CGA293’343)−a novel insecticide for seed delivered insect control」,2001 BCPC Symposium Proceedings No.76,Seed Treatment)に見出すことができる。具体的な植物/害虫の系において用いられる個々の農薬のための有効量についての情報は、行政当局により必要とされ、従って規制目的で当業界において決まった方法で決定される。このような有効量に関する例:1000個のレタスの種子あたり、0.8gのイミダクロプリド(オランダ登録コードno.11455)、1000個のアブラナ科の種子あたり、0.096gのクロルピリホス(オランダ登録コードno.10968)、アブラナ科の種子1kgあたり、0.175gのメタラキシル−m(オランダ登録コードno.12280)、タマネギの種子1kgあたり、1gのカルベンダジム(オランダ登録コードno.8672)、ニンジンの種子1kgあたり、5gのイプロジオネパー(iprodioneper)(オランダ登録コードno.8928)、及びダイコンの種子1kgあたり、1.6gのチランパー(thiramper)(オランダ登録コードno.11492)。
【0016】
有効用量を含む農薬活性を決定するための方法論は、当業界で知られており、例えば上記の引用文献において記載されている。一般的に、有効用量は、種子1kgあたり、0.0001〜1000gの範囲であることができる。しかし、有効用量の具体的な値は、様々なパラメーター、例えばそれぞれの農薬に対して固有の物理的及び生物学的因子(試験環境における化合物の安定性、防除する害虫に対する有効性)、並びに保護する植物材料の性質(表面積、稠度、含水率及び類似のパラメーター)に依存し得る。それは、同一の植物/害虫の系のための異なる農薬製剤及び農薬適用の方法にも依存して変わり得る。
【0017】
本発明によると、「最大の非植物毒性用量」は、経済的に所望されない植物毒性効果を植物に生じさせない十分低い有効用量の比率である。植物毒性効果の例は、発芽の遅延、植物の成長活力の妨害及び発芽の際の他の負の効果である。種子処理における植物毒性効果のための試験は当業界で周知であり、例えば発芽比率の試験、発芽種子の試験、正常な発達した植物の収量の試験及び植物の葉面積の発達の試験を含む。当該試験に関する例は、国際公開第01/13722号において見出すことができる。
【0018】
一般に、有益なパラメーターの値、例えば発芽率又は植物の葉面積の大きさの成長が、未処理コントロールの値の95〜75%未満に減少する場合に、経済的に所望されない植物毒性の効果が見られる。ここで、植物毒性試験のために選択されたパラメーターの経済的な重要性を考慮すべきである。中間の経済的な重要性を有するパラメーター、例えば植物の葉面積の大きさの25%の減少が経済的に許容されるのに対して、高い経済的な重要性を有するパラメーター、例えば発芽率(市場性のある植物の数に影響する)の5%の減少が最大許容である。いくつかのまれで例外的な植物/害虫/農薬の系に関して、直接的に種子に利用可能な農薬保護の増大が植物毒性効果により引き起こされる経済的な不利益を補うので、上記で言及した値を超える特定の量の植物毒性は経済的に許容され得ることが言及されるべきである。本発明は、これらのまれで例外的な場合も対象とすることが意図されている。
【0019】
個々の植物種のための農薬に関する最大の非植物毒性用量についての情報は行政当局により必要とされ、従って規制目的で当業界において決まった方法で決定される。植物農薬の最大の非植物毒性用量を決定するための方法は当業者に周知であり、例えば上記の引用文献において説明されている。植物農薬の最大の非植物毒性用量を決定するための方法論は当業界で知られている。一般に、最大の非植物毒性用量は、1kgの種子あたり0.0001〜1000gの農薬の範囲であることができる。しかし、最大の非植物毒性用量の具体的な値は、様々なパラメーター、例えばそれぞれの農薬に対して固有の物理的及び生物学的因子(試験環境における化合物の安定性、植物種に対する有効性)、並びに保護する植物材料の性質(表面積、稠度、含水率及び類似のパラメーター)に依存し得る。それは、同一の植物種のための異なる農薬製剤及び農薬適用の方法にも依存して変わり得る。
【0020】
本発明によると、「農薬含有粒子を農薬処理した種子の隣に置くこと」という表現、及び「農薬処理した種子の隣」という表現は、農薬処理した種子の場所に十分近く、農薬処理した種子の場所への農薬含有粒子からの農薬の拡散が可能であることを意味する。
【0021】
農薬含有粒子を農薬処理した種子の播種の前、その間又は後に置くことができることが言及されるべきであり、本発明は本発明の全てのこれらの実施態様を対象とすることが意図されている。
【0022】
本発明の具体的な実施態様によると、「農薬含有粒子を農薬処理した種子の隣に置くこと」という表現、及び「農薬処理した種子の隣」という表現は、農薬処理した種子の場所に対して、10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは4cm未満、最も好ましくは1cm未満の距離を意味する。
【0023】
特に、(i)農薬含有粒子も農薬処理した種子を有する苗床トレイ中に置かれるか、又は(ii)農薬含有粒子上の農薬が農薬含有粒子、もし存在するならば苗床中の農薬処理した種子と同一又は異なっているかに関係なく、若い植物が苗床トレイから開けた土地に移植される時に、農薬含有粒子を開けた土地の田畑に置く(植えるか又は播種する)ことも想定される。農薬含有粒子を開けた土地の田畑に置くことは、農薬を農薬含有粒子から若い植物の場所に拡散させることを可能にするためである。このような方法は、同一又は異なった農薬による若い植物への第二のレベルの農薬保護を可能にする。農薬保護が、苗床及び開けた土地の田畑において若い植物にダメージを与えることが知られている害虫に対して求められている場合に、これは特に有利であり得る。
【0024】
本発明の好ましい実施態様において、農薬処理した種子中に含まれる農薬用量は、その農薬の最小農薬用量以上であり、且つ農薬の最大非植物毒性用量以下であることが想定される。本発明によると、「最小農薬用量」は、標準的な試験条件下で害虫の部分的な防除を提供することが必要とされる種子処理における用量である。この標準的な試験条件は、上記の通りである。「害虫の部分的な防除」は、標準的な試験条件下での測定可能な害虫防除を意味し、上記の「害虫の十分な防除」よりも低い。
【0025】
本発明の特に好ましい実施態様において、農薬処理した種子中に含まれる農薬用量は、農薬の最大非植物毒性用量に等しいことが想定される。従って、高レベルの保護は植物に直接与えられ、同時に若い植物段階における植物毒性による経済的な不利益は経済的に許容されるレベルに保たれる。
【0026】
本発明の別の実施態様において、農薬処理した種子中に含まれる農薬用量は、有効用量の10、20、30、40、50、60、70、80及び/又は90%の間の範囲であり、10%と90%の間のこの範囲に該当する任意の個々の数及び範囲の境界(10%及び90%)も含み、本発明の一部分である。結果として、農薬含有粒子に適用する各用量は、有効用量の90、80、70、60、50、40、30、20及び/又は10%の間の範囲であり、10%と90%の間のこの範囲に該当する任意の個々の数及び範囲の境界(10%及び90%)も含み、本発明の一部分である。種子及び農薬含有粒子に適用する総用量は100%となる(有効用量に対応する)。従って、例えば種子に適用する用量が有効用量の10%であるならば、農薬含有粒子は有効用量の残りの90%を受ける。保護する種子に適用する最大用量は、処理する植物種及び用いる農薬それぞれに依存して、上記で与えられた有効用量の10%〜90%の範囲内でかなり変わり得る。農薬の適切な投与において考慮され得る他のパラメーターは、例えば湿度、温度、土壌条件及び類似のパラメーターである。
【0027】
種子処理方法は当業界で周知であり、それらは種子に農薬を適用するのに容易に用いることができる。種子処理方法に関する例は、Butler(「Coatings,films and treatments」,Seed World,October,19−24,1993)、Callan(1975,Outlook on Agriculture 8:271−274)、Maude(「Vegetable seed treatmets」,Seed Treatment,CIPAC Monograph 2,Jeffs,Ed.,ページ91−101,1978)、米国特許第5,876,739号及び米国特許第2,502,809号に示されている。
【0028】
農薬製剤及びそれを用いた種子を処理する方法は、当業界で知られている。一般的に、農薬は、例えば粉末、水和剤、水溶性粉末、液体製剤(例えば、水性又は溶剤型)として製剤することができ、例えば流動性濃縮物(例えば、懸濁液濃縮物)、溶液及びカプセル懸濁液が挙げられる。農薬の製剤としては、種子への製剤の粘着性を助ける物質、例えば鉱物油又はフィルム形成バリアも挙げることができる。農薬又は製剤は、粉末、スラリー、溶液、フィルムコーティング又はカプセル化として種子に適用することができる。適用の方法は、種子表面及び農薬それ自体の化学的又は物理的特性に依存し、変わり得る。本発明は、用いるべき任意の技術を含むことが意図されている。
【0029】
従来のコーティング又はペレッティング技術を用いてコーティングを加えることができ、多数の異なるコーティングが有力である。コーティングは、種子を保護又はペレッティングするのに当業界で一般に用いられる任意の従来の物質を含むことができる。適切な物質としては、添加物、例えばパーライト、軽石、金属ステアリン酸塩、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、タルカムパウダー、ポリプロピレン、塩化ポリビニル、デンプン、ローム(loam)、砂糖、アラビアゴム、有機ポリマー、セルロース、粉末、例えば木粉、石英粉末などと共に、粘土、例えばサブベントナイト(sub−bentnite)及びベントナイト、バーミキュライトが挙げられる。コーティングは農薬を含んでなり、更なるアジュバント、例えば顔料、抗酸化物、色素、着臭剤、苦味を運ぶ物質、又は植物に有用な物質、例えば1つ以上の他の農薬、例えばダニ駆除剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、軟体動物駆除剤、線虫駆除剤又は殺鼠剤、1つ以上の除草剤、成長ホルモン、栄養素、肥料、例えば窒素−、カリウム−又はリン−含有肥料、発芽刺激剤、微生物、フェロモン又は生物学的調製物も含むことができる。
【0030】
本発明の具体的実施態様において、種子は、種子含有ペレットの形態で用いる。種子含有ペレットは、充填物質を用いて種子の周りに形成する。多くの様々な充填物質が当業界で知られており、特に泥炭、土壌、炭酸カルシウム、ドロマイト、石こう、粘土鉱物、リン酸、二酸化チタン、腐植土及び活性炭が挙げられる。任意の農業に適した物質を用いることができる。粘着物質をしばしばこのような種子含有ペレットに含め、充填物質が種子との接触を確実に保つようにする。多くの許容される粘着剤が当業界で知られており、特に、合成接着剤、植物接着剤、ゼラチン及び砂糖が挙げられる。コーティングは、ペレッティング工程の前又は後に適用することができる。
【0031】
本発明によると、「農薬含有粒子」は、農薬及び適切な不活性担体を含んで成る組成物を指す。「農薬含有粒子」の適切な例は、農薬含有ペレット及び農薬含有顆粒である。「農薬含有粒子」の適切な例は、農薬含有ペレット及び農薬含有顆粒である。農薬含有粒子は当業界で周知であり、例えば国際公開第01/13722号、DE−4343176−A1及びCA特許第1−143−651を参照のこと。選択された農薬含有粒子のタイプは、想定される特定の目的、並びに農薬の物理的、化学的及び生物学的な特性に依存するだろう。
【0032】
農薬含有粒子は、0.0001〜95%、より好ましくは1〜85%、例えば5〜60%の農薬を含んで成ることが好ましい。
【0033】
農薬含有粒子は核を有することができる。核は、不活性な、例えばガラスビーズ、パーライト、プラスチック、軽石又は任意の他の適切な物質であることができる。しかしもし必要であれば、例えば熱処理、ガンマ線又はマイクロ波により不活性化された非発芽種子、又は他の生分解性有機物質を用いることも可能である。
【0034】
農薬含有粒子は充填物質を含むことができる。充填物質は、農薬の適用の前又は後に粒子に適用することができる。一般的に種子処理に用いる全てのタイプの充填物質を用いることができる。充填物質のタイプは上記に記載する。
【0035】
本発明の実施態様において、特定の時間の後の又は特定の条件(例えば温度、水分、湿度)下における農薬の放出を制御するために、物質を農薬含有粒子に組み入れる。このような物質は当業界で知られている。種子の播種又は植え付けにおいて直ちに害虫保護が必要とされる場合に、このような制御された放出は有利である。
【0036】
農薬含有粒子は、更なるアジュバント、例えば顔料、抗酸化物、色素、着臭剤、苦味を運ぶ物質、又は植物に有用な物質、例えば1つ以上の他の農薬、例えばダニ駆除剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、軟体動物駆除剤、線虫駆除剤又は殺鼠剤、除草剤、成長ホルモン、栄養素、肥料、例えば窒素−、カリウム−又はリン−含有肥料、発芽刺激剤、微生物、フェロモン又は生物学的調製物を含んで成ることができる。
【0037】
農薬含有粒子は、農薬処理した種子又は移植した若い植物の隣に正確に置くことを可能にする任意の所望の形及び大きさにおいて製造することができる。
【0038】
本発明の好ましい実施態様において、農薬含有粒子は、実質的に種子と同じ大きさ、形及び重量を有する。従って、精密な播種機を用いて、植物あたりの正確に規定された数(害虫圧力に基づいて栽培者により決定される)の農薬含有粒子を種子の隣に置くことが可能である。従って、単純な方法において、副用量(subdose)及び過剰用量を効果的に避けることができる。
【0039】
本発明の更に好ましい実施態様により、1〜4、特に1つの農薬含有粒子を農薬処理した種子に用いる。この比率は、農薬含有粒子を移植した若い植物と共に開けた土地の田畑において用いる場合にも適用する。このような方法における使用のための機構が存在し、もし必要であれば具体的な比率に適合させることができる。
【0040】
本発明の更に好ましい実施態様により、農薬含有粒子及び農薬処理した種子の双方は、0.5〜5ミリメートルの範囲の実質的に均一な直径を有する。
【0041】
種子は以下の有用な植物からのものであることができる:穀類、例えば小麦、大麦、ライ麦、オート麦、コメ、トウモロコシ又はソルガム;ビート、例えば砂糖又は飼料ビート;果物、例えば梨状果果物、石果及び柔らかい果物、例えばリンゴ、西洋ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ又はベリー、例えばイチゴ、キイチゴ及びブラックベリー;マメ科植物、例えばマメ、レンティルマメ、エンドウマメ又はダイズ、油料穀物、例えばアブラナ、マスタード、ポピー、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、トウゴマ、カカオ又はピーナッツ;ウリ科植物、例えばカボチャ、キュウリ又はメロン;繊維植物、例えば綿、亜麻、麻又はジュート;柑橘類の果物、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ又はマンダリン;野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、アブラナ(例えばキャベツ、ブロッコリー、及びカリフラワー)、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ又はトウガラシ;クスノキ科、例えばアボカド、シナモン又はショウノウ;或いは、タバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、ブドウのつる、ホップ、バショウ科、ラテックス植物又は観賞植物(例えば、屋外の園芸又は造園において用いる室内植物)。
【0042】
種子は、好ましくは以下の有用な植物からのものであることができる:ビート、例えば砂糖又は飼料ビート;野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、アブラナ、ニンジン、タマネギ、トマト、ウリ科植物、ジャガイモ又はトウガラシ;タバコ。
【0043】
種子は、最も好ましくは野菜、例えばレタス、アブラナ、トマト及びウリ科植物からのものであることができる。
【0044】
本発明の方法は、害虫、例えば昆虫、ダニ目の代表、軟体動物、線虫、微生物、例えば植物病原真菌、又は齧歯類から有用な植物を保護するのに用いることができる。
【0045】
本発明の方法は、好ましくは昆虫、ダニ目の代表又は線虫から有用な植物を保護するのに用いることができる。昆虫の例は:
鱗翅目、例えば、アクレリス種(Acleris spp)、アドキソフィエス種(Adoxophyes spp)、アエゲリア種(Aegeria spp)、アグロチス種(Agrotis spp)、アラバマ アルギラセアエ(Alabama argillaseae)、アミロイス種(amylois spp)、アンチカルシア ゲマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルチプス種(Archips spp)、アルギロタエニア種(Argyrotaenia spp)、アスチラスアトロマクラタス(Astylus atromaculatus)、アウトグラファ種(Autographa spp)、ブセオラ フスカ(Busseola fusca)、カドラ カウテラ(Cadra cautella)、カルポシナ ニッポネシス(Carposina nipponesis)、チロ種(Chilo spp)、コリストネウラ種(Choristoneura spp)、クリシア アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロクロシス種(Cnaphalocrocis spp)、クネファシア種(Cnephasia spp)、コチリス種(Cochylis spp)、コレオフォラ種(Coleophora spp)、クロシドロミア ビノタリス(Crocidolomia binotalis)、クリプトフレビア ロイコトレタ(Cryptophlebia leucotreta)、シディア種(Cydia spp)、ジアトラエア種(Diatraea spp)、ジパロプシス カスタネア(Diparopsis castanea)、エアリアス種(Earias spp)、エラスモパルパス種(Elasmopalpus spp)、エフェスチア種(Ephestia spp)、エウコスマ種(Eucosma spp)、エウポエシリア アンビグエラ(Eupoecillia ambiguella)、エウプロクチス種(Euproctis spp)、エウクソア種(Euxoa spp)、グラフォリタ種(Grapholita spp)、ヘディア ヌビフェラナ(Hedya nubiferana)、ヘリオシス種(Heloithis spp)、ヘルラ ウンダリス(Hellula undalis)、ヘテロニカスアラトル(Heteronychus arator)、ハイファントリア クネア(Hyphantria cunea)、ケイフェリア リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ロイコプテラ スシテラ(Leucoptera scitella)、リソコレシス種(Lithocollethis spp)、ロベシア ボトラナ(Lobesia botrana)、リマントリア種(Lymantria spp)、リオネチア種(Lyonetia spp)、マラコソマ種(Malacosoma spp)、マメストラ ブラシカエ(Mamestra brassicae)、マンドゥカ セクスタ(Manduca Sexta)、オペロフテラ種(Operophtera spp)、オストリニア ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パメネ種(Pammene spp)、パンデミス種(Pandemis spp)、パノリス フラメア(Panolisflammea)、ペクチノフォラ ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フトリマエア オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、ピエリス ラパエ(Pieris rapae)、ピエリス種(Pieris spp)、プルテラ キシロステラ(Plutella xylostella)、プライス種(Prays spp)、スクリポファガ種(Scripophaga spp)、セサミア種(Sesamia spp)、スパルガノシス種(Sparganothis spp)、スポドプテラ種(Spodoptera spp)、シナンセドン種(Synanthedon spp)、タウメトポエア種(Thaumetopoea spp)、トルトリクス種(Tortrix spp)、トリコプルシアni (Trichoplusia ni)及びイポノメウタ種(Yponomeuta spp);
鞘翅目、例えば、アグリオテス種(Agriotes spp)、アントノムス種(Anthonomusu spp)、アトマリア リネアリス(Atomaria linearis)、カエトクネマ チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コノツラチェラス種(Conotrachelus spp)、コスモポリテス種(Cosmopolites spp)、クルクリオ種(Curculio spp)、デルメテス種(Dermetes spp)、ヂアブロチカ種(Diabrotica spp)、ジロポデラス種(Dilopoderus spp)、エピラクナ種(Epilac sppspp)、エレムヌス種(Eremnus spp)、ヘテロニカス種(Heteronuchus spp)、レプチノタルサ デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス種(Lissorhoptrus spp)、メロロンタ種(Melolontha spp)、オリカエフィルス種(Orycaephirus spp)、オチオリンクス種(Otiorhynchus spp)、フリクチヌス種(Phlyctinus spp)、ポピリア種(Popillia spp)、プシリオデス種(Psylliodes spp)、リゾペルタ種(Rhizopertha spp)、スカラベイダエ種(Scarabeidae spp)、ソマチカス種(Somaticus spp)、シトフィルス種(Sitophilus spp)、シトトロガ種(Sitotroga spp)、タニメカス種(Tanymecus spp)、テネブリオ種(Tenebrio spp))、トリボリウム種(Tribolium spp)、トロゴデルマ種(Trogoderma spp)及びザブラス種(Zabrus spp);
直翅目、例えばブラッタ種(Blatta spp)、ブラッテラ種(Blattella spp)、グリロタルパ種(Gryllotalpa spp)、ロイコファエア マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ種(Locusta spp)、ペリプラネタ種(Periplaneta spp)及びスチストセルカ種(Schistocerca spp);
チャタテムシ目、例えばリポセリス種(Liposcelis spp);
シラミ目、例えばハエマトピヌス種(Haematopinus spp)、リノグナサス種(Linognathusu spp)、ペヂクルス種(Pediculus spp)、ペムフィグス種(Pemphigus spp)及びフィロキセラ種(Phylloxera spp);
等翅目、例えばレチクリテルメス種(Reticulitermes spp);
食毛目、例えばダマリネア種(Damalinea spp)及びトリコデクテス種(Trichodectes spp);
総翅目、例えばフランクリニエラ種(Frankliniella spp)、ヘルシノスリプス種(Hercinothrips spp)、タエニオスリプス種(Taeniothrips spp)、スリプス パルミ(Thripspalmi)、スリプス タバシ(Thrips tabaci)及びスシルトスリプス アウランチイ(Scirtothrips aurantii);
異翅目、例えばシメックス種(Cimex spp)、ディスタンチエラ テオブロマ(Distantiellatheobroma)、ディスデルクス種(Dysdercus spp)、オイチスツス種(Euchistus spp)、オイリガステル種(Eurygaster spp)、レプトコリサ種(Leptocorisa spp)、ネザラ種(Nezara spp)、ピエスマ種(Piesma spp)、ロドニウス種(Rhodnius spp)、サールベルゲラ シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノファラ種(Scotinophara spp)及びトリアトマ種(Triatoma spp);
同翅目、例えばアレウロトリクス フロコスス(Aleurothrixus floccosus)、アレイロデス ブラシカエ(Aleyrodes brassicae)、アオニジエラ種(Aonidiella spp)、アフィヂダエ(Aphididae)、アフィス種(Aphis spp)、アスピドツス種(Aspidotus spp)、ベミシア タバシ(Bemisia tabaci)、セロプラステル種(Celoplaster spp)、クリソムファルス アオニジウム(Chrysomphalus aonodium)、クリソムファルス ディクチオスペルミ(Chrysomphalus dictyospermi)、コカス ヘスペリダム(Coccus hesperidum)、エンポアスカ種(Empoasca spp)、エリオソマ ラリゲルム(Eriosoma larigerum)、エリスロノイラ種(Erythroneura spp)、ガスカルヂア種(Gascardia spp)、ラオデルファクス種(Laodelphax spp)、レカニウム コルニ(Lecanium corni)、レピドサフェス種(Lepidosaphes spp)、マクロシフス種(Macrosiphus spp)、ミズス種(Myzus spp)、ネフォテチックス種(Nephotettix spp)、ニラパルバタ種(Nilaparvata spp)、パラトリア種(Paratoria spp)、ペムフィグス種(Pemphigus spp)、プラノコカス種(Planococcus spp)、プソイドアウラカスピス種(Pseudoaulacaspis spp)、プソイドコカス種(Pseudococcus spp)、プシラ種(Psylla spp)、プルビナリア アエチオピカ(Pluvinaria aethiopica)、クアドラスピヂオツス種(Quadraspidiotus spp)、ロパロシフム種(Rhopalosiphum spp)、サイセチア種(Saissetia spp)、スカフィオデウス種(Scaphoideus spp)、スチザフィス種(Schizaphis spp)、シトビオン種(Sitobion spp)、トリアロイロデス バポラアリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ エリトリアエ(Trioza erytreae)及びウナスピス シトリ(Unaspi citri);
膜翅目、例えばアクロミルメクスAtta種(Acromyrmex Att spp)、セフス種(Cephus spp)、ディプリオン種(Diprion spp)、ディプリオニダエ(Diprionidae)、ギルピニア ポリトマ(Glipinia polytoma)、ホプロカムパ種(Hoplocampa spp)、ラシウス種(Lasius spp)、モノモリウム ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ネオディプリオン種(Neodiprion spp)、ソレノプシス種(Solenopsis spp)及びベスパ種(Vespa spp);
双翅目、例えばアエデス種(Aedes spp)、アンテリゴナ ソカタ(Antheri soccaoccata)、バビオ ホルツラヌス(Babio hortulanus)、カリフォラ エリスロセファラ(Calliphoraerythrocephala)、セラチチス種(Ceratitis spp)、クリソミア種(Chrysomyia spp)、クレックス種(Culex spp)、クテレブラ種(Cuterebra spp)、ダクス種(Dacus spp)、ドロソフィラ メラノガステル(Drosophila melanogaster)、ファニア種(Fannia spp)、ガストロフィルス種(Gastrophilus spp)、グロシナ種(Glossina spp)、ヒポデルマ種(Hypoderma spp)、ヒッポボスカ種(Hyppobosca spp)、リリオミザ種(Liriomyza spp)、ルシリア種(Lucilia spp)、メラナグロミザ種(Melanagromyza spp)、ムスカ種(Musca spp)、オエストルス種(Oestrus spp)、オルセオリア種(Orseolia spp)、オシネラ フリット(Oscinella frit)、ペゴミア ヒオシアミ(Pegomyia hyoscyami)、フォルビア種(Phorbia spp)、ラゴレチス ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、スシアラ種(Sciara spp)、ストモキス種(Stomoxys spp)、タバヌス種(Tabanus spp)、タニア種(Tannia spp)及びチプラ種(Tipula spp);
ノミ目、例えばセラトフィルス種(Ceratophyllus spp)及びキセノプシラ チェオピス(Xenopsylla cheopis);又は
シミ目、例えばレピスマ サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0046】
ダニ目の代表の中で、例えばアカルス シロ(Acarus siro)、アセリア シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクルス シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、アンブリオマ種(Amblyomma spp)、アルガス種(Argas spp)、ブーフィルス種(Boophilus spp)、ブレビパルプス種(Brevipalpus spp)、ブリオビア プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、カリピトリメルス種(Calipitrimerus spp)、コリオプテス種(Chorioptes spp)、デルマニスス ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス カルピニ(Eotetranychus carpini)、エリオフィエス種(Eriophyes spp)、ヒアロマ種(Hyalomma spp)、イクソデス種(Ixodes spp)、オリゴニクス プラテンシス(Olygonychus pratensis)、オルニソドロス種(Ornithodoros spp)、パノニクス種(Panonychus spp)、フィロコプトルタ オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス種(Psoroptes spp)、リピセファルス種(Rhipicephalus spp)、リゾグリフス種(Rhizoglyphus spp)、サルコプテス種(Sarcoptes spp)、タルソネムス種(Tarsonemus spp)及びテトラニクス種(Tetranychus spp)。
【0047】
線虫の中で、例えば根瘤病線虫、クキセンチュウ及び葉の線虫;特にヘテロデラ種(Heterodera spp)、例えばヘテロデラシャクチイ(Heterodera schachtii)、ヘテロデラアベナエ(Heterodora avenae)及びヘテロデラトリフォリイ(Heterodora trifolii);グロボデラ種(Globodera spp)、例えばグロボデラロストチエンシス(Globodera rostochiensis);メロイドジン(Meloidogyne spp)、例えばメロイドジンインコジニタ(Meloidogyne incoginita)及びメロイドジンジャバニカ(Meloidogyne javanica);ラドホラス種(Radopholus spp)、例えばラドホラスシミリス(Radopholus similis);プラチレンカス(Pratylenchus)、例えばプラチレンカスネグレクタンス(Pratylenchus neglectans)及びプラチレンカスペネトランス(Pratylenchus penetrans);チレンキュラス(Tylenchulus)、例えばチレンキュラスセミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans);ロンジドラス(Longidorus)、トリコドラス(Trichodorus)、キシオフィネマ(Xiphinema)、ジチレンンカス(Ditylenchus)、アフェレンコイデス(Aphelenchoides)及びアングイナ(Anguina)。
【0048】
そして、アブラナ科ノミハ虫(フィリトレタ種(Phyllotreta spp))の中で、根食い虫(ディーリア種(Delia spp))及びキャベツ莢ゾウムシ(セウトリンカス種(Ceutorhynchus spp))。
【0049】
農薬含有粒子及び農薬処理した種子は、同一の農薬又は異なる農薬を有することができる。更に粒子又は種子上の農薬は、1つの以上の農薬又は活性成分であることができる。それらは異なるタイプの農薬であることができる(例えば、殺真菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤、線虫駆除剤)。1つの実施態様において、農薬含有粒子は1つ以上の殺真菌剤及び活性成分の1つ以上の殺虫剤混合物を有する。或いは、農薬含有粒子は、1つ以上のタイプの殺虫剤、例えばチアメトキサム、イミダクロプリド及びテフルトリンを有する。
【0050】
一般的に、種子上でいくつかの異なる農薬を含むことによる、植物毒性及び物理的な実行不可能性などの困難性は、害虫防除に対して有効な比率でのいくつかの農薬の使用を妨げる。従って、本発明の特段の利点は、農薬処理した種子又は移植した若い植物あたりの規定した数の農薬含有粒子の使用により、成長の被害を受けやすい段階の種子及び植物を保護するのに、いくつかの農薬を利用することができる。
【0051】
農薬は、例えばダニ駆除剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、軟体動物駆除剤、線虫駆除剤若しくは殺鼠剤、又はそれらの2以上の混合物、例えば殺真菌剤及び殺虫剤又は2つの殺虫剤である。
【0052】
本発明の1つの実施態様において、農薬は、ダニ駆除剤、殺真菌剤、線虫駆除剤若しくは殺虫剤、又はそれらの2以上の混合物、例えば殺真菌剤及び殺虫剤又は2つの殺虫剤である。
【0053】
2つ以上の農薬(同じタイプ又は異なるタイプ)は、種子及び/又は粒子上に存在することが好ましい。
【0054】
本発明の別の実施態様によると、農薬は、ダニ駆除剤又は殺虫剤、例えばスピノサド、クロルピリホス、イミダクロプリド、ベンフラカルブ、クロチアニジン、フィプロニル、クロルフェンビンホス及びチアメトキサム、又はそれらの2以上の混合物である。
【0055】
本発明の特に好ましい実施態様によると、農薬は、イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン又はアバメクチンのうちの少なくとも1つである。
【0056】
1つの実施態様において、農薬含有粒子は、農薬処理した種子と同一の農薬を含む。
【0057】
別の実施態様において、農薬含有粒子は、農薬処理した種子とは異なる農薬を含み、それは異なるタイプの農薬又は同一のタイプの農薬の中の異なる活性成分であることができる。好ましくは、種子上の農薬は、少なくともチアメトキサム、アゾキシストロビン、フルジオクソニル及びメタラキシル−Mであり、粒子上の農薬は少なくともアバメクチンである。
【0058】
本発明の更なる側面は、農薬の量が、農薬処理した種子及び農薬含有粒子が共同して有効用量の農薬を含む程度のものであり、且つ農薬処理した種子中に含まれる農薬用量が、農薬の最大非植物毒性用量以下であって、農薬処理した種子の隣に1つ以上の農薬含有粒子を置くことを含んで成る、植物を保護する方法に関する。
【0059】
本発明の更なる側面は、農薬の量が、農薬処理した種子及び農薬含有粒子が共同して有効用量の農薬を含む程度のものであり、且つ農薬処理した種子中に含まれる農薬用量が、農薬の最大非植物毒性用量以下であって、農薬処理した種子の隣に1つ以上の農薬含有粒子を置くことを含んで成る方法により製造された種子に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬の量が、農薬処理した種子及び農薬含有粒子が共同して有効用量の農薬を含む程度のものであり、且つ農薬処理した種子中に含まれる農薬用量が、農薬の最大非植物毒性用量以下であって、農薬処理した種子の近傍に1つ以上の農薬含有粒子を置くことを含んで成る、農薬で処理した発芽種子を保護する方法。
【請求項2】
農薬処理した種子中に含まれる農薬用量が、農薬の最大非植物毒性用量に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1〜4つの農薬含有粒子を農薬処理した種子の隣に置く、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
農薬処理した種子中に含まれる農薬用量が有効用量の10〜90%の範囲であり、且つ農薬含有粒子中に含まれる各用量が有効用量の90〜10%の範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
農薬処理種子を種子含有ペレットの形態で用いる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
農薬含有粒子が、農薬処理した種子と実質的に同一の大きさ、形及び重量を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
1つの農薬含有粒子を農薬処理した種子の隣に置く、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
農薬が、ダニ駆除剤又は殺虫剤又はそれらの2以上の混合物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
農薬がイミダクロプリド又はチアメトキサムである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
農薬の量が、農薬処理した種子及び農薬含有粒子が共同して有効用量の農薬を含む程度のものであり、且つ農薬処理した種子中に含まれる農薬用量が、農薬の最大非植物毒性用量以下であって、農薬処理した種子の隣に1つ以上の農薬含有粒子を置くことを含んで成る、植物を製造する方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法により製造される植物。

【公開番号】特開2012−228267(P2012−228267A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−166822(P2012−166822)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【分割の表示】特願2007−526306(P2007−526306)の分割
【原出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】