近位リーマ
【課題】整形外科用インプラントステムおよび人工関節を植え込む際に用いられる腔の近位部分をリーミングする近位リーマと共に使用するスリーブを提供する。
【解決手段】スリーブ24は整形外科用インプラントステムの近位部分に被さって嵌められる内周部32を画定するボアを含み、スリーブ24はリーマのキャビティ内に嵌まる外周部26を画定し、スリーブの内周部32は、整形外科用インプラントステムの外側テーパ付き近位部分と締り嵌めを形成するように成形される。
【解決手段】スリーブ24は整形外科用インプラントステムの近位部分に被さって嵌められる内周部32を画定するボアを含み、スリーブ24はリーマのキャビティ内に嵌まる外周部26を画定し、スリーブの内周部32は、整形外科用インプラントステムの外側テーパ付き近位部分と締り嵌めを形成するように成形される。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の技術分野〕
本発明は、全般的に、整形外科の分野に関し、特に、関節形成術に用いられるインプラントに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
骨関節症およびリウマチ様関節炎により引き起こされる疼痛および非可動化に苦しんでいる患者には、関節置換術という選択肢がある。関節置換術は、極めて一般的であり、かかる関節置換術により、多くの個々の人は、機能的な働きを適切に行うことができるが、関節置換術以外の手術では、そのようにすることが可能でない場合がある。人工関節は、通常、既存の骨に固定される金属、セラミックおよび/またはプラスチックコンポーネントで構成されている。
【0003】
かかる関節置換手術は、関節形成術(joint arthroplasty)という別の言い方で知られている。関節形成術は、疾患のある、かつ/あるいは損傷した関節を人工関節で置き換える周知の外科手術手技である。典型的な関節全置換術では、関節に隣接した骨の端部または遠位部分を切除し、あるいは、骨の遠位部の一部分を除去し、人工関節をこれに固定する。
【0004】
植え込み可能な物品、例えば人工骨を製造する多くの設計および方法が存在することが知られている。かかる人工骨は、人工関節、例えば肘関節、股関節、膝関節および肩関節のコンポーネントを含む。
【0005】
現在、股関節全置換術(total hip arthroplasty)では、大きな重要な関心事は、関節の不安定性である。不安定性は、脱臼と関連している。脱臼は、股関節全置換術では特に問題である。
【0006】
脱臼に関連した要因としては、手術の技術、インプラントの設計、インプラントの位置付けおよび患者に関連した要因が挙げられる。股関節全置換術では、インプラントシステムは、ある範囲の外方オフセット、ネックオフセット、ヘッドオフセットおよびレッグ長さを備えた一連の製品を提供することによりこの課題に取り組んでいる。これら4つの要因の組み合わせが、軟組織の弛緩性に影響を及ぼす。バイオメカニクス(生体力学)を最適化することにより、外科医は、脱臼に対する耐性が非常に高い安定した股関節を患者に提供することができる。
【0007】
関節障害測定基準範囲に対応するため、股関節インプラントについて広範な幾何学的形状が、現在、本願の譲受人であるデピュイ・オルトパエディックス・インコーポレイテッド(DePuy Orthopaedics, Inc.)および他の会社によって製造されている。特に、デピュイ・オルトパエディックス・インコーポレイテッドによって提供されているS−ROM(登録商標)全股関節システム(total hip systems)は、3つのオフセット、3つのネック長さ、4つのヘッド長さおよび1つのレッグ長さ調節を含む。これら全てのバイオメカニクスオプションの組み合わせは、かなり複雑である。
【0008】
全股関節システムの前捻は、関節の安定性と密接に関連している。前捻が不適当であると、それにより脱臼および患者の不満足度が生じる。前捻制御は、全ての股関節ステムで重要である。しかしながら、前捻制御は、追加のモジュール化度を備えたステムの出現により一層難題である。
【0009】
先行技術は、前捻に関する問題の幾つかの取り組みを提供している。例えば、現行のS−ROM(登録商標)ステムは、中央ステムおよび近位スリーブに付けられたレーザ印を有する。この印により、外科医は、これらコンポーネント相互間の相対的な位置合わせを評価することができる。スリーブは、無限の前捻を有するので、これは、前捻を定めるために用いることができる骨のランドマークに対して必ずしも差し向けられない。事実、現行のスリーブは、スパウト(spout)が、残りの利用可能な骨の中に直接側方に向いた状態で差し向けられる場合がある。
【0010】
一次またはインデックス関節全置換術が失敗すると、人工関節再置換術が行われ、この場合、インデックス器具(これらのうち幾つかまたは全て)が除去される。残りの骨は、一次股関節手技と比較してかなり損なわれている場合が極めて多い。相当な量の骨の損失が観察され、それと共に、一般に位置合わせのために用いられる骨のランドマークが失われている場合が多い。
【0011】
人工股関節全置換術として知られている外科手術手技における共通のステップでは、最初に、トライアルまたは代用ステムを患者の体内に植え込む。トライアルは、現場で患者に対するインプラントの選択された寸法形状を確認するために利用され、患者は、トライアル整復と呼ばれる手技を受ける。このトライアル整復は、関節を移動させることを意味し、かかる関節は、その関節のために選択された典型的な運動によるトライアルインプラントを含む。現行の股関節器械は、外科医がインプラントの嵌まり具合および位置を評価するのを助けるようサイズの異なる一連のトライアルを提供する。暫定具とも呼ばれているトライアルにより、外科医は、トライアル整復を実施して最終のインプラント選択に先立って、インプラントの適合性およびインプラントの安定性を評価することができる。在庫費用および複雑さを減少させるため、多くのトライアル実施システムは、モジュール式である。例えば、デピュイ・オルトパエディックス・インコーポレイテッドの製品であるExcel(登録商標)器械システムでは、全ての範囲のインプラントを提供するよう組み合わされてマッチさせることができる一連のブローチおよび一連のネックトライアルが存在する。ブローチとネックトライアルとの間にはたった1つの一定の関係がある。というのは、これらトライアルは、一体形ステムインプラントのシステムを提供するからである。
【0012】
同様に、デピュイ・オルトパエディックス・インコーポレイテッドによって提供されている現行のS−ROM(登録商標)器械システムには、ネックトライアル、近位本体トライアル、遠位ステムトライアル、ヘッドトライアルおよびスリーブトライアルがある。これらコンポーネントの全てを組み合わせることにより、インプラントが提供される。S−ROM(登録商標)ステムは、モジュール式であって、ステムおよびスリーブを含むので、ネックとスリーブとの間の角度の関係または相対的前捻は、独立しており、ネックと近位本体トライアルとの間の歯部による結合によって提供される。近位本体トライアルは、真っ直ぐな一次ステムのトライアル実施の際にスリーブにキー止めされる固定された横方向ボルトを有する。長いステムトライアルは、横方向ボルトを備えておらず、かくして、トライアル整復の間、回転的に安定性が無く、従って、常に外科医により用いられるとは限らない。
【0013】
追加のインプラントモジュール化度の導入により、インプラントを構成する遠位ステム、近位本体および任意のスリーブの別個独立の位置付けが必要となる。現在弓形に曲げられた一体形ステムは、固定された量の前捻、例えば15°で提供されている。
【0014】
現在入手できるインプラント、トライアルおよび器械の結果として、外科手術手技が長くなる。この長い外科手術手技は、髄管を前処理するステップと、器械を取り外して髄管を前処理するステップと、トライアルを植え込むステップと、トライアル整復を実施するステップと、次に、人工装具を植え込むステップとを含む。この長い手技により、患者の手術合併症の恐れが増大する。
【0015】
現在入手できる器械、トライアルおよび外科手術手技を利用する場合、外科医は、外科医がトライアルの適正さおよび体内におけるトライアルの位置付けに関する何らかのフィードバックを得る前に、トライアル整復を患者に対して行わなければならない。かくして、トライアルおよびその結果としてのインプラントの位置付けおよび選択の調節は、実施するのが困難でありかつ時間がかかるようになる。
【0016】
現行の器械、トライアルおよびインプラントを利用する場合、これら全てを患者にとって最適な結果が得られるよう正しく配置すると共に選択する必要がある。大腿骨に対するトライアルの位置付け、およびトライアルに対するインプラントの位置付けは、現在、手技毎の大幅なばらつきを考慮に入れている。
【0017】
患者に対する結果を最適化するため、整形外科手術は、好ましくは、切除された骨のうちできるだけ多くを保存する。現行の外科手術手技では、器械により近位骨のうち十分な骨を切除して除去し、それにより近位トライアルおよび近位インプラントのための隙間をもたらす。かくして、現行の技術の元では、骨の材料を近位側で除去して患者にとって最適でありうる位置の多様性が得られるようにしなければならない。
【0018】
米国特許出願公開第2004/0122439号(発明の名称:「調整可能生体力学的テンプレーティングおよび切除器具ならびに関連方法(ADJUSTABLE BIOMECHANICAL TEMPLATING & RESECTION INSTRUMENT AND ASSOCIATED METHOD)」)、米国特許出願公開第2004/0122437号(発明の名称:「モジュラー式インプラントのための位置合わせ装置および方法(ALIGNMENT DEVICE FOR MODULAR IMPLANTS AND METHOD)」)、および米国特許出願公開第2004/0122440号(発明の名称:「モジュール式股関節ステムのためのトライアル器具およびその関連方法(INSTRUMENT AND ASSOCIATED METHOD OF TRIALING FOR MODULAR HIP STEMS)」)を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0019】
弓形に曲げられたステムを用いて股関節形成術を行う場合、遠位髄管をリーマで前処理し、弓形に曲げられたステムをリーミングされた腔内に設置する。インプラントの近位本体の長さ方向中心線は、遠位ステムが曲げられているので遠位ステムの中心線とは整列していない。遠位腔を前処理するリーマは、インプラントの近位本体中心線が遠位ステム中心線と整列していないことにより、骨の除去を最小限に抑えるよう正確な仕方で近位本体に隙間を提供するよう骨を除去することはできない。追加の材料を遠位リーマにより近位骨から除去してこの非整列状態を許容しなければならないか、あるいは、追加の材料を他の手段、例えば骨刀により除去しなければならないかのいずれかである。いずれの方法でも、臨床的に望ましくない追加の骨の除去が必要である。
【0020】
先行技術は、外科手術技術におけるステップを減少させ、近位コンポーネントを受け入れるために骨を前処理するよう骨を正確に除去する性能を向上させようとしたが、モジュール式インプラント用の遠位リーマおよび近位本体を利用して外科手術技術におけるステップを減少させるシステムおよび装置が要望されている。
【0021】
本発明は、先行技術の問題のうちの少なくとも幾つかを解決しようとするものである。
【0022】
〔発明の概要〕
本発明の設計は、遠位インプラントを植え込んだ後にこのインプラントの固定位置を利用して工具を支持して近位骨を除去し、このように近位骨を除去する能力を外科医に与える。
【0023】
本発明は、長骨内に設けられた遠位インプラントを、長骨を近位側でリーミングするためのガイドとして利用するリーマを提供する。
【0024】
長骨、例えば股関節を切除した後、遠位側にリーミングしてモジュール式遠位ステムおよび近位本体インプラント組立体の遠位ステムインプラントのために髄管を前処理する。このリーミングは、テーパ付きリーマを用いて行われる。遠位ステムインプラントは、人工関節再置換術で用いられる長い遠位ステムインプラント形態において大腿管の生まれつきの内部湾曲部に対応するよう3°の曲がり部を有している。3°の曲がり部のために、遠位テーパ付きリーマによって除去されなかった骨を除去するために近位リーミングを別個に行わなければならない。インプラントをいったん植え込むと、外科医は、本発明を利用して遠位ステムインプラントの近位端部またはテーパ付き部分を近位リーマのためのパイロットシャフトとして用いることができる。保護スリーブをインプラントの遠位ステムコンポーネントのテーパ付き部分に被せて、近位リーミングが行われている間、遠位ステムコンポーネントへの損傷を阻止することができる。近位リーミング後における外科医にとっての次のステップは、近位本体インプラントまたは近位本体トライアルの植え込みに取り掛かることである。次に、トライアル整復を実施し、トライアル整復において適正なインプラント/トライアル組立体の選択が行われている場合、次に、対応のインプラントを遠位ステムインプラント上に嵌める。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、人工関節を植え込む際に用いられる腔の近位部分をリーミングするリーマが提供される。リーマは、整形外科インプラントステムの近位部分と協働する。リーマは、本体を有し、本体は、整形外科インプラントステムの少なくとも一部を受け入れる、この本体に形成されたキャビティを画定している。リーマは、本体から外方に延びる複数の切れ刃を更に有する。切れ刃は、骨と協働するよう構成されている。リーマは、本体の端から延びるステムを更に有する。
【0026】
本発明の別の実施形態によれば、人工関節の整形外科用インプラントステムを植え込む際に用いられる腔をリーミングするリーマ組立体が提供される。リーマは、整形外科インプラントステムの近位部分と協働する。リーマ組立体は、整形外科インプラントステムの近位部分に被さるスリーブを有する。スリーブは、スリーブの外周部を画定している。リーマ組立体は、リーマを更に含み、リーマは、本体を有し、本体は、スリーブの外周部の少なくとも一部分を受け入れる、この本体に形成されたキャビティを画定している。リーマは、本体から外方に延びる複数の切れ刃を更に有する。切れ刃は、骨と協働するよう構成されている。リーマは、本体の端から延びるステムを更に有する。
【0027】
本発明の更に別の実施形態によれば、整形外科用インプラントステムおよび近位リーマと共に使用されるスリーブが提供される。スリーブは、整形外科用インプラントステムの近位部分に被さって嵌められる。スリーブは、スリーブの外周部を画定している。
【0028】
本発明の別の実施形態によれば、関節形成術に用いられるキットが提供される。キットは、近位整形外科用インプラントステム、および整形外科用インプラントステムの近位部分に被さるスリーブを含む。スリーブは、スリーブの外周部を画定している。キットは、リーマを更に含む。リーマは、本体を有し、本体は、整形外科インプラントステムの少なくとも一部を受け入れる、本体に形成された、キャビティを画定している。リーマは、本体から外方に延びる複数の切れ刃を更に有する。切れ刃は、骨と協働するよう構成されている。リーマは、本体の端から延びるステムを更に有する。
【0029】
本発明の別の実施形態によれば、関節形成術を実施する方法が提供される。この方法は、長骨の端部分を切除するステップと、長骨の髄管に中央長さ方向開口部を準備するステップとを有する。この方法は、人工ステムコンポーネントを用意するステップと、人工ステムコンポーネントを髄管の開口部内に設置するステップとを更に有する。この方法は、人工ステムコンポーネントを受け入れる開口部を備えたリーマを用意するステップと、リーマの開口部を少なくとも部分的に人工ステムコンポーネント上に位置付けした状態でリーマを人工ステムコンポーネント上に位置付けするステップとを更に有する。この方法は、リーマで長骨の一部分をリーミングするステップと、リーマを取り外すステップと、人工本体コンポーネントを人工ステムコンポーネント上に設置するステップとを更に有する。
【0030】
本発明の別の実施形態によれば、関節形成術を実施する方法が提供される。この方法は、長骨の端部分を切除するステップと、長骨の髄管に中央長さ方向開口部を形成するステップとを有する。この方法は、人工ステムコンポーネントを用意するステップと、人工ステムコンポーネントを髄管の開口部内に設置するステップとを更に有する。この方法は、スリーブを人工ステムコンポーネント上に設置するステップと、人工ステムコンポーネントを受け入れる開口部を備えたリーマを用意するステップとを更に有する。この方法は、リーマをスリーブ上に位置付けするステップと、リーマで長骨の一部分をリーミングするステップとを更に有する。この方法は、リーマを取り外すステップと、人工本体コンポーネントを人工ステムコンポーネント上に設置するステップとを更に有する。
【0031】
本発明の技術的利点としては、整形外科手術、例えば股関節インプラント外科手術を実施するのに必要な外科技術におけるステップの数を減少させることができるということにある。例えば、本発明の一態様によれば、関節形成術を行う方法が提供される。この方法は、長骨の端部分を切除するステップと、その髄管に中央長さ方向開口部を準備するステップと、人工ステムコンポーネントを用意するステップと、このステムコンポーネントを開口部内に設置するステップとを有する。この方法は、人工ステムコンポーネントを受け入れるリーマを用意するステップを更に有する。リーマを少なくとも部分的に人工ステムコンポーネント上に位置付けする。リーマを人工ステムコンポーネント上に置くことにより、リーマを案内する別個の工具は不要であり、リーマの支持体となるよう髄管内に位置付けされる人工トライアルまたは他のコンポーネントは不要である。かくして、本発明は、関節形成術のための外科技術におけるステップの数を減少させることができる。
【0032】
本発明の技術的利点としては、更に、関節形成術を実施するのに必要な器械の数が減少し、器械トレイ内の器械の数が減少し、しかも、器械の関連費用が減少することが挙げられる。例えば、本発明の別の態様によれば、関節形成術を行う方法および装置が提供され、この場合、遠位ステムトライアルを用いないで遠位ステムインプラントをリーミングされた骨管内に植え込む。したがって、本発明のこの態様では、遠位ステムトライアルという器械は不要である。かくして、本発明は、関節形成術を実施するのに必要な器械の数を減少させることができる。
【0033】
本発明の技術的利点としては、更に、遠位ステムインプラントを患者の長骨内に設置した後に骨を長骨から近位側に除去することができるということが挙げられる。例えば、本発明の別の態様によれば、関節形成術を実施する方法が提供され、この方法は、長骨の髄管内に位置付けされる人工ステムコンポーネントを用意するステップと、人工ステムコンポーネントを受け入れるリーマを用意するステップとを有する。近位リーマを人工ステムコンポーネント上に位置付けし、このリーマは、長骨の近位部分をリーミングする。かくして、本発明は、遠位ステムインプラントを設置した後に骨を近位側に除去することができる。
【0034】
本発明の技術的利点としては、更に、遠位髄管の中心線に対して偏心した形態で骨をリーマにより除去できるということが挙げられる。例えば、本発明の別の態様によれば、モジュール式人工関節の近位本体インプラントを植え込む際に用いられる腔の近位部分をリーミングするリーマ組立体が提供される。リーマは、遠位ステムインプラントの近位部分と協働する。リーマ組立体は、近位リーマ、および遠位ステムインプラントの近位部分上でこれに沿って滑って動くスリーブを含む。スリーブは、近位リーマのキャビティ内にスナップ嵌合することができる。整形外科用インプラントステムは、インプラントステムの遠位部分と一線をなしていない関係にある近位部分を有する。かくして、本発明は、遠位髄管と偏心状態にある骨をリーマで除去することができる。長骨の近位部分のリーミングは、近位部分をブローチ削りするよりも良好な場合がある。というのは、骨は、非常に硬性が高くまたは非常に弱くかつ脆弱なのでブローチ削りによる衝撃力を吸収することができない場合があるからである。
【0035】
本発明の技術的利点としては、更に、インプラントをリーミングのためのインプラントシャフトとして用いることができるということにある。例えば、本発明の別の態様によれば、人工関節のための腔の近位部分をリーミングするリーマ組立体が提供される。リーマ組立体は、整形外科用ステムに被さって嵌められるスリーブ、およびスリーブに被さって嵌められて長骨の近位部分を前処理するために用いられるリーマを含む。かくして、本発明では、インプラントをリーマのためのパイロットシャフトとして用いることができる。
【0036】
本発明の技術的利点としては、更に、遠位インプラントステムの頂部に対して現場近位本体トライアル実施を行うことができるということにある。例えば、本発明の更に別の態様によれば、関節形成術を行う方法が提供される。この方法は、長骨の端部分を切除するステップと、髄管に開口部を準備するステップと、遠位ステムコンポーネントを用意するステップとを有する。遠位ステムコンポーネントを髄管内に設置し、遠位ステムコンポーネントの近位部分を受け入れる開口部を備えたリーマをステム上に位置付け、リーマは、近位本体コンポーネントを受け入れるために長骨の近位部分をその部位(in situa)でリーミングする。近位本体インプラントコンポーネントまたは近位本体トライアルコンポーネントを人工遠位ステムインプラントコンポーネント上に位置付けてもよく、トライアルを遠位人工ステムインプラントコンポーネントの頂部に対して実施する。かくして、本発明では、遠位インプラントコンポーネントの頂部に対して近位本体トライアルをその部位で実施することができる。
【0037】
本発明の他の技術的利点は、以下の図面、説明および特許請求の範囲の記載から当業者には容易に明らかになろう。
【0038】
次に、本発明およびその利点をより完全に理解するために、添付の図面と関連して行われる以下の説明を参照されたい。
【0039】
〔発明の詳細な説明〕
本発明の実施形態およびその利点は、以下の説明および図面を参照すると最もよく理解される。なお、図中、同一の符号は、図面の同一および対応の部分に用いられている。
【0040】
ここで図1を参照すると、本発明に用いられる長骨または大腿骨2が示されている。大腿骨2は、本発明の人工装具を挿入することができる髄管4を有している。大腿骨2は、例えば電動工具、例えばのこぎりで切除線6に沿って切除される。長骨または大腿骨2の切除により、大腿骨2の髄管4が露出する。市販の標準型リーマであってよいリーマ8を長骨2の髄管4内に位置付けして整形外科関節インプラントを受け入れるための腔10を形成する。リーマ8は、複数個の長さ方向に延びる縦溝12を有し、これら縦溝は、腔10を形成するよう髄管4から骨および他の生物学的物体を除去するために用いられる。リーマ8上に位置付けられたコネクタ14を用いてリーマ8を回転させることができる。コネクタ14は、任意の標準型コネクタ、例えば、ハドソン(Hudson)またはAOコネクタ(A-O connector )であってよい。コネクタ14は、リーマ8を回転させる電動工具16への連結のために用いられる。電動工具16は、任意の標準型電動工具であってよい。理解されるべきこととして、ハンドツール、例えば“T”形取っ手によりコネクタ14を用いることによってリーマ8を回転させることができる。
【0041】
次に図2を参照すると、遠位インプラントステム18が、長骨または大腿骨2の髄管4に形成された腔10内に嵌め込まれた状態で示されている。遠位インプラントステム18は、図2に示すように、湾曲したまたは曲げられたステムの形態であってよい。生まれつき備わっている大腿骨は、特に遠位インプラントステムが特に長い長さを有していて、例えば、関節再置換術で用いられる場合、インプラントコンポーネントに最もよく複製できるカーブを有している。原点21から延びる半径Rによって遠位インプラントステムの形状を定めることができる。ステム18の湾曲または曲げ部分をステム18の最も遠位側に設けることができる。遠位インプラントステムは、外側テーパ付き近位部分20およびテーパ付き近位部分20から見て近位側に設けられた雄ねじ24の形態をしたコネクタを有する。切除線6は、ステム18を植え込んだとき、ステム18の外側テーパ付き部分20の始まりとなる位置にほぼ一致してよい。
【0042】
次に図2Aを参照すると、ステムは、湾曲したまたは曲げられた部分を備えていない真っ直ぐなまたは円筒形ステム18Aの形態をしていてもよいことは理解されるべきである。本発明の近位リーマをかかる円筒形ステム18Aと共に用いることにより、近位本体を受け入れるための骨の除去は、正確であり、かつ近位本体を受け入れるために骨を除去する他の方法と比較して、骨の除去量を最小限に抑えることができる。
【0043】
本発明によれば、ここで図3を参照すると、遠位インプラントステム、例えば図2のステム18に用いられるスリーブ24Xが示されている。スリーブ24Xは、近位リーマ58Cに用いられる(図5C参照)。スリーブ24Xは、図3に示すように、遠位インプラントステム18のテーパ付き近位部分20に被せて嵌められることが可能である。スリーブ24Xは、スリーブ24Xの外周部26Xを画定している。図3に示すように、スリーブ24Xは、中空であってもよく、スリーブ中心線30Xに沿って長さ方向に延びるキャビティ28Xを有してもよい。キャビティ28Xは、スリーブ24Xの内周部32Xを画定してもよい。スリーブ24Xの内周部32Xは、ステム18(図2を参照)のテーパ付き近位部分20の外周部19と合致する形状であればどのような形状を有してもよい。
【0044】
再び図2を参照すると、ステム18は、テーパ付き近位部分20およびねじ山付き部分22を有している。同様に、図3を参照すると、内周部32Xは、ステム18のテーパ付き部分20と嵌合するテーパ付き部分34Xを有している。また、スリーブ24Xの内周部32Xは、ステム18(図2を参照)に形成された雌ねじ25と嵌合するねじ山付き円筒形部分36Xを有している。
【0045】
テーパ付き部分34Xと円筒形部分36Xは、スリーブ24Xの円筒形部分36Xとテーパ付き部分34Xとの間に位置する段部または肩38Xを画定している。スリーブ24Xは、近位リーマ(図5C参照)の形状に適合可能な形状を備えた外周部26Xを有してもよい。外周部26Xは、図3に示されているように、テーパしていて、夾角αによって定められてもよい。夾角αは、スリーブ24Xが全体として一様な肉厚Tを有することができるように設計されていてもよい。かくして、スリーブ24Xの内周部32Xのテーパ付き部分34Xは、夾角αとほぼ同じ夾角θにより定められていてもよいし、その夾角θを含んでもよい。図3に示すように、内角αは、夾角θよりも僅かに小さい。
【0046】
好ましくは、スリーブ24Xは、摩耗または損傷がステム18のテーパ付き近位部分20に生じないように図2のステム18にしっかりと固定されている。かくして、スリーブ24Xは、ステム18が互いに組み立てられると、スリーブ24Xにしっかりと固定されることを確実にする特徴部を有してもよい。テーパ付き部分34Xの内周部の角度ααは、これによりステム18のテーパ付き部分20とのロック用テーパ部が得られるよう設計されていてもよい。変形例として、内周部32Xの円筒形部分36Xは、例えば、想像線で示された雌ねじ40Xの特徴部を有してもよく、かかる雌ねじは、変形例として、スリーブ24Xをステム18の雄ねじ23に係合させるために使用できる。
【0047】
次に図3Aを参照すると、本発明の変形実施形態が、スリーブ24Aとして示されている。スリーブ24Aは、このスリーブ24Aが、両方共円筒形である外周部26Aおよび内周部32Aを有する点を除き、図3のスリーブ24と同一である。スリーブ24Aは、円筒形のプロフィールの駆動面を備えたリーマに用いられるのに適している。
【0048】
次に図3Bを参照すると、本発明の別の実施形態が、スリーブ24Bとして示されている。スリーブ24Bは、このスリーブ24Bが、円筒形である外周部26Bおよびテーパ付きの内周部32Bを有する点を除き、図3のスリーブ24とほぼ同じである。図3Bのスリーブ24Bは、段部または肩の無い一様な形態の内周部32B、および単純な円筒形の外周部26Bを有してもよいことは理解されるべきである。
【0049】
スリーブ24は、スリーブ24の肩部44のところで外周部26から外方に延びる環状外側リングまたはリップ42を有してもよい。リップ42は、スリーブ24の外周部26が近位リーマに恒久的にテーパロックされるのを阻止するのに役立つことができる。
【0050】
近位リーマがスリーブ24と共に用いられる場合、スリーブ24を遠位インプラント18にしっかりと固定することが望ましいが、インプラントステム18へのスリーブ24のかかる固い係合は、スリーブ24の内周部32とステム18のテーパ付き外側部分20との間の締り嵌めによって得ることができる。ただし、これらコンポーネントが、円筒形、もしそうでなければテーパロックされることを条件とする。
【0051】
また、ステム18へのスリーブ24のロックを保証するため、スリーブ24は、ステム18に対するスリーブ24の剛性を確保するようステム18に設けられた連結特徴部56と協働するロックまたは固定特徴部46を有することができることは理解されるべきである。
【0052】
図3Cに示すように、図3のスリーブ24とほぼ同じスリーブ24Cが示されており、図3のスリーブ24と異なる点は、スリーブ24Cが、凹みの形態のスリーブ/ステム固定特徴部46Cを有していることにある。凹み46Cは、ステム18(図2参照)の外側テーパ付き部分20の外周部26から延びる相補形の突起と嵌合することができる。
【0053】
次に図3Dを参照すると、スリーブ24Cは、図3Dに示すように単一の窪み46Cを有することもできる。
【0054】
次に図3Eを参照すると、本発明の別の実施形態が、スリーブ24Eとして示されている。スリーブ24Eは、このスリーブ24Eが2つ以上の窪み、例えば3つの互いに間隔を置いた窪み46Eを有している点を除き、図3Cおよび図3Dのスリーブ24Cと同一である。
【0055】
次に図3Fおよび図3Gを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、スリーブ24Fとして示されている。スリーブ24Fは、このスリーブ24Fが、スリーブ24Fの内周部32Fから内方に延びる突起46Fの形態のスリーブ/ステム固定特徴部を有している点を除き、図3のスリーブ24とほぼ同じである。図3Gに示すように、突起46Fは、単一の突起である。図3Fおよび図3Gの突起46Fは、図4Fのステム18Fの外側テーパ付き部分20F上に形成された窪み56Fと嵌合してもよい。
【0056】
次に図3Hを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、スリーブ24Hとして示されている。スリーブ24Hは、このスリーブ24Hが、3つの互いに間隔を置いた突起46Hを有している点を除き、スリーブ24Fと同一である。
【0057】
次に図3Iを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、スリーブ24Iとして示されている。スリーブ24Iは、このスリーブ24Iが、スリーブ24の肩38Iの近くに位置付けられた突起48Iの形態のスリーブ/近位リーマ固定特徴部を有している点を除き、図3のスリーブ24とほぼ同じである。突起48Iは、スリーブ24Iの外周部26Iから外方に延びている。突起48Iは、近位リーマに設けられた窪みと嵌合するのに役立ち、近位リーマをステム18から取り出したとき、スリーブ24Iは、近位リーマと結合したままであり、ステム18から別個に取り外される必要がないようになっている(図2参照)。
【0058】
突起48Iは、任意適当な形状のものであってよく、この突起は、図3Iに示すように、突起をリーマの下向きの方向で開口部内に容易に係合すると共に、スリーブ24が近位リーマと共に取り外されることを確実にするために、下方にテーパしてもよい。この特徴により、外科手術手技ステップが減少すると共に手術室での時間が節約される。
【0059】
次に図3Jを参照すると、スリーブ24Jの突起48Jは、単一の突起であっても良い。
【0060】
次に図3Kを参照すると、本発明の別の実施形態が、スリーブ24Kとして示されている。スリーブ24Kは、スリーブ24Kの外周部26Kから外方に延びる突起48Kを有している。理解されるべきこととして、図3Kに示されているように、3つの互いに間隔を置いた別々の突起48Kを近位リーマ(図4参照)に形成された相補形の窪みと共に利用できる。
【0061】
次に図3Lを参照すると、スリーブ24Lの突起48Lは、リングまたはリップを形成するようスリーブの周囲に沿ってぐるりと延びる単一の突起であってもよい。
【0062】
次に図3Mを参照すると、スリーブ24Mが、詳細に示されている。スリーブ24Mは、スリーブ24Mの外周部26Mから内方に延びる内部溝48Mの形態をしたスリーブリーマ連結特徴部48Mを有してもよい。溝48Mは、スリーブ24Mの長さ方向軸線としての中央線30Mに沿ってどこに位置付けられてもよいが、好ましくは、スリーブ24Mの肩38Mの近くに設けられる。溝48Mは、近位リーマ58C(図7A参照)に形成された戻り止め88Cと嵌合するのに役立つ。理解されるべきこととして、この特徴部48Mは、スリーブ24Mと近位リーマ58Cを互いに相対回転させることができるべきである。
【0063】
本発明によれば、次に図3N、図3Pおよび図3Qを参照すると、遠位インプラントステム、例えば図2のステム18に用いられるスリーブ24が示されている。スリーブ24は、近位リーマ58(図5参照)と共に使用される。スリーブ24は、図3に示されているように、遠位インプラントステム18のテーパ付き近位部分20に被さって嵌められることが可能である。スリーブ24は、スリーブ24の外周部26を画定している。図3に示すように、スリーブ24は、中空であってもよく、スリーブ中心線30に沿って長さ方向に延びるキャビティ28を有してもよい。キャビティ28は、スリーブ24の内周部32を画定してもよい。スリーブ24の内周部32は、ステム18のテーパ付き近位部分20の外周部19と合致する形状であればどのような形状を有してもよい。内周部32は、円筒形であってもよく、図2のステム18のテーパ付き近位部分20上に締り嵌め関係をなして嵌まってもよい。
【0064】
再び図2を参照すると、ステム18は、テーパ付き近位部分20およびねじ山付き部分22を有している。同様に、図3N、図3Pおよび図3Qを参照すると、内周部32は、ステム18のテーパ付き部分20と締り嵌め関係をなして嵌合する遠位円筒形部分34を有している。また、スリーブ24の内周部32は、ステム18(図2を参照)に形成された互いに反対側の二重平坦部27と合致する互いに反対側の二重平坦部37を備えた近位円筒形部分36を有している。
【0065】
再び図3N、図3Pおよび図3Qを参照すると、遠位円筒形部分34と近位円筒形部分36は、スリーブ24の円筒形部分36と遠位円筒形部分34との間に位置する段部または肩38を画定している。スリーブ24は、近位リーマ(図5参照)の形状に適合可能な形状を備えた外周部26を有してよい。近位リーマボアの角度が十分に小さい場合、スリーブ24の外周部26は、円筒形であってもよい。外周部26は、図3に示されているように、円筒形であり、直径DOSにより定められてよい。スリーブ24は、全体として一様な肉厚Tを有してもよい。かくして、スリーブ24の内周部32の遠位円筒形部分34は、肉厚Tにより定められることができる。
【0066】
好ましくは、スリーブ24は、摩耗または損傷がステム18のテーパ付き近位部分20に生じないようにステム18にしっかりと固定されている。かくして、スリーブ24は、ステム18が互いに組み立てられると、スリーブ24にしっかりと固定されることを確実にする特徴部を有してもよい。スリーブ24の内周部32の遠位円筒形部分34は、これがステム18のテーパ付き部分20と締り嵌め関係をなすことかできるよう設計されていてもよい。変形例として、内周部32の円筒形部分36は、例えば、雌ねじ(図示せず)という特徴部を有してもよく、変形例として、かかる雌ねじを用いてスリーブ24をステム18に設けられている雄ねじ23に螺合させることができる。
【0067】
理解されるべきこととして、スリーブ24の遠位円筒形部分34とリーマ8のステム18のテーパ付き部分20との間の締り嵌めを保証するため、スリーブは、スリーブ24の壁を貫通する長さ方向スロット(図示せず)を有することができるが、このようにするかどうかは任意である。スロットは、単一のスロットであってもよく、あるいは、複数個の互いに間隔を置いたスロットであってもよい。スロットは、部分的にスリーブ24の長さに沿って延びてもよく、あるいは、全長にわたって延びてスリーブ24を分割してもよい。スロットは、追加の締り嵌めを可能にする。
【0068】
本発明によれば、次に図4を参照すると、インプラントスリーブ組立体50が示されている。インプラントスリーブ組立体50は、図2の整形外科用インプラントステム18上に位置付けられた図3のスリーブ24を含む。整形外科用インプラントステム18は、大腿骨2の髄管4内の軟骨(soft bone)または海綿骨の腔10の髄管4内に位置付けされる。スリーブ24を矢印52の方向で整形外科用インプラントステム18にローディングすることができる。整形外科用インプラントステム18を想像線で示されているローディング位置54から実線で示されている設置位置56に動かすことができる。
【0069】
スリーブ24を大腿骨2の腔10の髄管4内に既に設置されている整形外科用インプラントステム18にそのまま(in situa)設置することができるが、理解されるべきこととして、スリーブ24を手術の実施に先立って整形外科用インプラントステム18にあらかじめ設置することができ、従って、スリーブ24は、輸送中および大腿骨2の髄管4の腔10内へのステム18の設置中に、ステム18のテーパ付き部分20の外周部19を保護することができるようになっている。
【0070】
スリーブ24は、好ましくは、整形外科用インプラントステム18にしっかりと嵌められている。ステム18へのスリーブ24の固い連結は、スリーブ24の内周部32をステム18のテーパ付き部分20の外周部19に嵌めることにより達成できる。スリーブ24の内周部32は、円筒形であってもよく、かくして、夾角θθにより定められる整形外科用インプラントステム18のテーパ付き部分20の外周部19と締り嵌め関係をなすことができる。
【0071】
整形外科用インプラントステム18は、スリーブ24と同様、ステム18へのスリーブ24の固い固定を保証する特徴部を有してもよい。例えば、図4に示すように、ステム18は、スリーブ24(図3参照)と協働可能な締り嵌めの形態をしたステム/スリーブ連結特徴部56を有してもよい。
【0072】
次に図4Aおよび図4Bを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、インプラントスリーブ組立体50Aとして示されている。インプラントスリーブ組立体50Aは、このインプラントスリーブ組立体50Aが、ステム18Aを有し、このステム18Aが、ステム18Aから延びる突起56Aの形態をしたステム/スリーブ連結特徴部を有している点を除き、図4のインプラントスリーブ組立体50とほぼ同じである。突起56Aは、図3Cおよび図3Dのスリーブ24Cに形成された単一の凹み46Cに嵌まり込む。
【0073】
次に図4Cを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、インプラント/スリーブ組立体50Cとして示されている。インプラントスリーブ組立体50Cは、このインプラントスリーブ組立体50Cのステム18が、ステム18Cから延びる複数個の互いに間隔を置いた突起56Cを有している点を除き、図4Aおよび図4Bのインプラント/スリーブ組立体50Aとほぼ同じである。突起56Cは、スリーブ24Eに形成された複数個の窪み46Eと協働する。
【0074】
次に図4Dおよび図4Eを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、インプラントスリーブ組立体50Dとして示されている。インプラントスリーブ組立体50Dは、ステム18Dに形成された単一の窪み56Dを有している。ステム18Dの窪み56Dは、図3Fおよび図3Gのスリーブ24Fに形成された単一突起46Fと協働する。
【0075】
次に図4Fを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、インプラントスリーブ組立体50Fとして示されている。インプラントスリーブ組立体50Fは、図4Eおよび図4Dのインプラントスリーブ組立体50Dとほぼ同じである。インプラントスリーブ組立体50Fは、3つの互いに間隔を置いた凹み56Fを有するステム18Fを含む。ステム18Fの凹み56Fは、図3Hのスリーブ24Hに形成された3つの互いに間隔を置いた突起46Hと協働する。
【0076】
次に図4Gを参照すると、スリーブ24は、遠位リーマ8のステム18と協働関係にある状態で示されている。遠位リーマ8のステム18は、ステム18上に形成された、互いに反対側の二重平坦部27を含む。スリーブ24の近位円筒形部分36は、その近位円筒形部分36に形成された、互いに反対側の二重平坦部37を含む。スリーブ24の近位円筒形部分36に形成された互いに反対側の二重平坦部37は、ステム18に形成された互いに反対側の二重平坦部27と嵌合する。遠位リーマ8のステム18は、遠位リーマ8のステム18の端31から延びる細長い中央凹部29を更に有している。
【0077】
次に図4Hを参照すると、図3N、図3Pおよび図3Qのステム18を保護するために図4のインプラントスリーブ組立体50に用いられる案内ピン33が示されている。案内ピン33は、図1の遠位リーマ8のステム18に設けられた雄ねじ23に嵌まる。案内ピン33は、遠位リーマ8のステム18の雄ねじ23と嵌合する雌ねじ35を有している。案内ピン33は、図5の近位リーマ58内に嵌まり込む形状であればどのような形状を有していてもよい。例えば、案内ピン33は、直径DGPにより定められる全体として円筒形の形を有することができる。案内ピン33は、リーマ58を案内ピン33上に案内するのを助ける丸形のまたは弾丸状先端部43を有することができる。案内ピンは、案内ピン33を取り出す際に用いられる貫通横方向開口部51を有することができる。
【0078】
次に図4Iを参照すると、図4Hの案内ピン33が、インプラント/スリーブ/ピン組立体45を形成するよう図4のインプラント/スリーブ組立体50に組み付けられた状態で示されている。図5の近位リーマ58は、インプラント/スリーブ/ピン組立体45上に案内される。
【0079】
次に図5を参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58として示されている。リーマ58は、大腿骨2の髄管4内に形成された腔10の近位部分62をリーミングするために利用される。リーマ58は、人工関節62を植え込む際に用いられる。人工関節62は、遠位ステム部分18を有する。リーマ58は、本体66を有し、この本体66は、本体66に形成された遠位キャビティ68を画定している。遠位キャビティ68は、整形外科用インプラントコンポーネント、例えばステム18の少なくとも一部分を受け入れるよう構成されている。
【0080】
リーマ58は、本体66から外方に延びる複数個の切れ刃70を更に有している。切れ刃70は、骨、例えば大腿骨2と協働するよう構成されている。リーマ58は、本体66の端74から延びるステム72を更に有している。本体66は、任意適当な形状のものであってもよく、例えば、円筒形であってもよく、断面が多角形のものであってもよく、あるいは、テーパした周囲76を有するものであってもよい。ステム72は、任意適当な形状のものであってもよく、このステムは、リーマ58を矢印82の方向に回す工具、例えばドライバ80を受け入れることができる例えば、市販の標準型コネクタ、例えば、AOコネクタまたはハドソンコネクタの形態をしたコネクタ78を有することもできる。リーマ58は、骨に係合してこれを除去する切れ刃70を有している。
【0081】
リーマ58は、任意適当な形状のものであってもよく、任意の数の切れ刃70を有していてもよい。例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、7つまたは8つ以上の縦溝が設けられる場合がある。好ましくは、縦溝は、等間隔を置いて設けられ、近位リーマ58の長さ方向中心線84に沿って長さ方向に延びる。縦溝70は、長さ方向軸線84に沿って長さ方向に延びてもよく、あるいは、図5に示すように、螺旋であってもよく、または水平線に対して角度、例えば角度ββを形成してもよい。
【0082】
近位リーマ58に形成された遠位キャビティ68は、任意適当な形状のものであってもよく、例えば、円筒形であってもよく、または円錐を画定する外周部86を有してもよい。近位リーマ58の内周部86は、遠位キャビティ68を画定し、好ましくは、ステム18の近位部分20と嵌合する形状を有する。
【0083】
図5に示すように、リーマ58の外周部71は、切れ刃70により画定され、テーパしていてもよい。遠位キャビティ68により形成される内周部86もまた、テーパしていてもよい。これらコンポーネントの他の形状は、本発明の範囲に含まれることは理解されるべきである。リーマ58は、図4Hの案内ピン33を受け入れる近位内部キャビティ39を有している。近位内部キャビティ39は、その近位内部キャビティ39の端41を画定し、近位内部キャビティ39の端41は、案内ピン33の弾丸状先端部43と協働する停止部を提供する。リーマ58は、リーマ58内への案内ピン33の挿入状態を視認するため、およびリーマ58の容易なクリーニングのために、リーマの外周部49から近位内部キャビティ39まで延びる長さ方向スロット47を更に有してもよい。リーマ58は、単一のまたは多数の(例えば3つの等間隔を置いた)スロット47を有することもできる。
【0084】
次に図5Aを参照すると、本発明の別の実施形態が、近位リーマ58Aとして示されている。近位リーマ58Aは、この近位リーマ58Aが、円筒形である外周部71Aを形成する切れ刃70Aを有する点を除き、図5の近位リーマ58とほぼ同じである。また、キャビティ68Aが、同様に円筒形の内部キャビティ86Aを形成している。
【0085】
次に図5Bを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Bとして示されている。リーマ58Bは、このリーマ58Bが、円筒形である内周部86Bを形成するキャビティ68Bを有している点を除き、図5のリーマ58とほぼ同じである。切れ刃70Bが、テーパしたまたは円錐形の外周部71Bを形成している。外周部71Bは、夾角ααにより定められている。
【0086】
次に図5Cを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Cとして示されている。リーマ58Cは、大腿骨2の髄管4内に形成された腔10の近位部分62Cをリーミングするために利用される。リーマ58Cは、人工関節62を植え込む際に用いられる。人工関節62は、遠位ステム部分18を有する。リーマ58Cは、本体66Cを有し、この本体66Cは、本体66Cに形成されたキャビティ68Cを画定している。キャビティ68Cは、整形外科インプラントコンポーネント、例えばステム18の少なくとも一部分を受け入れるよう構成されている。
【0087】
リーマ58Cは、本体66Cから外方に延びる複数個の切れ刃70Cを更に有している。切れ刃70Cは、骨、例えば大腿骨2と協働するよう構成されている。リーマ58Cは、本体66Cの端74Cから延びるステム72Cを更に有している。本体66Cは、任意適当な形状のものであってもよく、例えば、円筒形であってもよく、断面が多角形のものであってもよく、あるいは、テーパした周囲76Cを有するものであってもよい。ステム72Cは、任意適当な形状のものであってもよく、このステムは、リーマ58Cを矢印82Cの方向に回す工具、例えばドライバ80Cを受け入れることができる例えば、市販の標準型コネクタ、例えば、AOコネクタまたはハドソンコネクタの形態をしたコネクタ78Cを有してもよい。リーマ58Cは、骨に係合してこれを除去する切れ刃70Cを有している。
【0088】
リーマ58Cは、任意適当な形状のものであってもよく、任意の数の切れ刃70Cを有してもよい。例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、7つまたは8つ以上の縦溝が設けられる場合がある。好ましくは、縦溝は、等間隔を置いて設けられ、近位リーマ58Cの長さ方向中心線84Cに沿って長さ方向に延びる。縦溝70Cは、長さ方向軸線84Cに沿って長さ方向に延びてもよく、あるいは、図5Cに示すように、螺旋であってもよく、または水平線に対して角度、例えば角度ββを形成してもよい。
【0089】
近位リーマ58Cに形成されたキャビティ68Cは、任意適当な形状のものであってもよく、例えば、円筒形であってもよく、または円錐を画定する外周部86Cを有してもよい。近位リーマ58Cの内周部86Cは、遠位キャビティ68を画定し、好ましくは、ステム18の近位部分20と嵌合する形状を有する。
【0090】
図5Cに示すように、リーマ58Cの外周部71Cは、切れ刃70Cにより画定され、テーパしていてもよい。遠位キャビティ68Cにより形成される内周部86Cもまた、テーパしていることもできる。これらコンポーネントの他の形状は、本発明の範囲に含まれることは理解されるべきである。
【0091】
次に図6を参照すると、リーマ58の切れ刃70は、任意適当な形態のものであってよい。例えば、切れ刃70は、複数個の互いに間隔を置いた縦溝73を有してもよい。縦溝73は各々、図6に示すように、互いに間隔を置いた凹部(reliefs)75の集まりを含んでもよい。凹部は、縦溝73の各々の上に位置付けされてもよく、これら凹部は、円形リングを形成してもよく、または図6に示すようにリーマの外周部71に沿って螺旋に位置付けられてもよい。
【0092】
リーマ58は、このリーマが近位本体のための腔の準備を完了すると、スリーブ24がリーマ58と共に取り出されるようにスリーブ24と協働可能な取り付け特徴部88を有することができる。取り付け特徴部88は、スリーブ24をリーマ58と一緒に取り出すのを助けるような任意適当な寸法形状のものであってもよい。
【0093】
次に図6Aを参照すると、リーマ58Cの切れ刃70Cは、任意適当な形態のものであってよい。例えば、切れ刃70Cは、複数個の互いに間隔を置いた縦溝73Cを有してもよい。縦溝73Cは各々、図6Cに示すように、互いに間隔を置いた凹部75Cの集まりを含んでもよい。凹部は、縦溝73Cの各々の上に位置付けられてもよく、これら凹部は、円形リングを形成してもよく、または図6Cに示すようにリーマの外周部71Cに沿って螺旋に位置付けられてもよい。
【0094】
リーマ58Cは、このリーマが近位本体のための腔の準備を完了すると、スリーブ24Cがリーマ58Cと共に取り出されるようにスリーブ24Cと協働可能な取り付け特徴部88Cを有することができる。取り付け特徴部88Cは、スリーブ24Cをリーマ58Cと一緒に取り出すのを助けるような任意適当な寸法形状のものであってよい。
【0095】
次に図7を参照すると、取り付け特徴部88Cが、詳細に示されている。取り付け特徴部88Cは、突起の形態をしていてもよく、あるいは、図7に示されているように、ばね押し戻り止めの形態をしていてもよい。
【0096】
次に図7Aを参照すると、リーマ58Cのばね押し戻り止め88Cが、詳細に示されている。ばね押し戻り止め88Cは、キャビティ68Cの方向にばね付勢されるボール83Cを有している。ばね85Cおよび戻り止め88Cは、開口部87C内に位置付けされる。戻り止め88Cは、ばね85Cを圧縮し、ボール83Cを内方に動かすことによりスリーブ24Cを受け入れる。次に、ばね85Cは、伸長してスリーブ24Cの溝48Cに係合してスリーブ24Cをリーマ58Cと共に取り出すことができるようになっている。
【0097】
戻り止め88Cのボール83Cは、図3Mに示すようにスリーブ24Mの溝48Mと協働する。溝、例えば図3Mの溝48Mと嵌合する戻り止め88Cを設けることにより、リーマ58Cは、スリーブ24Xが静止しまたは遠位ステム18に固定された状態で回転することができる。
【0098】
次に図7Bおよび図7Cを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Bとして示されている。リーマ58Bは、このリーマ58Bが、リーマ58Bのキャビティ68Bの内周部86Bから内方に延びる固定された単一の突起88Bを有している点を除き、図7のリーマ58とほぼ同じである。リーマ58Bの突起88Bは、図3Mに示すようにスリーブ24Mの溝48Mと協働する。
【0099】
本発明によれば、次に図7Dを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Dとして示されている。リーマ58Dは、このリーマ58Dが、リーマ58Dのキャビティ68Dの内周部86Dから内方に延びる3つの互いに間隔を置いた突起86Dを有している点を除き、図7Bおよび図7Cのリーマ58Bとほぼ同じである。リーマ58Dの突起88Dは、図3Mに示すようにスリーブ24Mの溝48Mと協働する。
【0100】
図7Bおよび図7Cの突起88Bは、図7Dのリーマ58Dの突起88Dと同様、溝を備えたスリーブ、例えば、図3Mに示すような溝48Mを備えたスリーブ24Mと協働する。突起と溝は、ステム18およびスリーブ24が静止したままの状態で近位リーマ58が回転することができるよう互いに協働する。
【0101】
次に図7Eを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Eとして示されている。近位リーマ58Eは、連続リブ88Eが、キャビティ68Eの内周部86Eから内方に延びる点を除き、図7Dのリーマ58Dとほぼ同じである。リブ88Eは、図3Mに示すようにスリーブ24Mに形成された溝48Mと協働する。
【0102】
次に図7Fを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Fとして示されている。リーマ58Fは、このリーマ58Fが、リーマ58Fのキャビティ68F内に形成された内周部86Fから外方に延びる円周方向内部溝88Fを有している点を除き、図7Eに示すようなリーマ58Eとほぼ同じである。溝88Fは、例えば、図3Kの単一の突起24Kまたは図3Kのスリーブ24Kに形成されたリブ48Kと協働する。
【0103】
次に図7Gを参照すると、取り付け特徴部88が、詳細に示されている。取り付け特徴部88は、突起の形態をしていてもよく、あるいは、図7に示されているように、ばね押し戻り止めの形態をしていてもよい。
【0104】
ばね押し戻り止め88は、遠位キャビティ68の方向にばね付勢されるボール83を有している。ばね85および戻り止め88は、開口部87内に位置付けされる。戻り止め88は、ばね85を圧縮し、ボール83を内方に動かすことによりスリーブ24を受け入れる。次に、ばね85は、伸長してスリーブ24の溝48に係合してスリーブ24をリーマ58と共に取り出すことができるようになっている。
【0105】
戻り止め88のボール83は、図3Nに示すようにスリーブ24の溝48と協働する。溝、例えば図3Nの溝48と嵌合する戻り止め88を設けることにより、リーマ58は、スリーブ24が静止しまたは遠位ステム18に固定された状態で回転することができる。
【0106】
次に図8を参照すると、本発明によれば、リーマ組立体90が示されている。スリーブ24および案内ピン33は、近位リーマ58内に形成された近位内部キャビティ39内に位置付けされている。整形外科用インプラントステム18は、リーマ58の遠位キャビティ68内に位置付けされ、ステム18の近位部分20の外周部19は、スリーブ24の内周部32と嵌合する。スリーブの外周部26は、リーマ58の内周部86と回転可能に係合する。スリーブ24の固定特徴部48は、リーマ58の取り付け特徴部88に係合する。同様に、ステム18の固定特徴部56は、スリーブ24のロック特徴部46と連結する。
【0107】
次に図9を参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマスリーブ組立体92として示されている。リーマスリーブ組立体92は、リーマ58およびスリーブ24を含む。図9に示すように、リーマスリーブ組立体は、リーマ58に形成されていて、スリーブ24に形成された溝48と協働する戻り止め88を有している。リーマ58の切れ刃70により画定された外周部71は、骨を大腿骨2の近位部分89から除去するために利用される。リーマ58の切れ刃70は、大腿骨2の近位部分89に腔91を準備する。近位腔91は、リーマ58の外周部71により定められる角度βにほぼ等しい角度αααにより定められる。
【0108】
次に図9を参照すると、スリーブ24のリップ42は、スリーブ24に形成された溝48および戻り止め88と協働してスリーブ24をリーマ58内に固定可能に位置付けすることは理解されるべきである。
【0109】
次に図10を参照すると、整形外科用インプラント近位コンポーネント90が、ステム18用として示されている。整形外科用インプラント近位コンポーネント90は、人工関節のヘッド96を受け入れる本体93を有している。本体93は、ステム18を受け入れる長さ方向開口部97を画定している。本体93は、リーマ58(図9参照)により大腿骨2の近位部分89に準備された開口部91内に嵌まるよう寸法決めされた外側部分98を更に画定している。
【0110】
次に図11を参照すると、本発明のリーマおよびリーマ組立体と共に用いられる股関節ステム組立体99が示されている。股関節ステム組立体99は、近位本体93がしっかりと固定された遠位インプラントステム18を有している。ステム18のテーパ付き部分20は、近位コンポーネント92の本体93に形成された長さ方向開口部97内に嵌め込まれる。ステム18のテーパ付き部分20は、ステム18のねじ山付き部分22上に形成された雄ねじ21を含んでもよい。ナット100の形態の締結具を用いると、ステム18のテーパ付き部分20を長さ方向開口部97内に完全に嵌め込むことを確実にすることができる。ナット100は、整形外科用ステム組立体99に取り付けられたままにしてもよく、あるいは、ステム18を近位コンポーネント92にいったんしっかりと嵌めると、取り外されてもよい。
【0111】
次に図12を参照すると、近位コンポーネント92が、詳細に示されている。図12に示すように、遠位コンポーネント18の近位部分20は、近位コンポーネント92の長さ方向開口部97内に嵌め込まれた状態で示されている。ステム18のねじ山付き部分22のねじ山21は、ナット100に係合し、ステムを引っ張ってこれを近位コンポーネント92に係合させる。近位コンポーネント92の外周部98は、近位リーマ58により形成された腔91内に嵌め込まれる。ネック94は、球形ボールの形態をしたヘッド96が固定的に嵌め込まれるテーパ付き外周部95を支持している。
【0112】
次に図13を参照すると、ステム組立体99のコンポーネントが、分解組立て図で示されている。ステム18、近位コンポーネント92、ヘッド96、およびナット100は、組み立て前のそれぞれの位置で示されている。図13に示すように、ステム18は、弧状の形を有している。本発明は、湾曲しまたは曲げられたステムを備えた整形外科用インプラントに用いるのに特に好適である。しかしながら、本発明は、真っ直ぐなまたは円筒形のもしくは線形のステムにも使用できることは理解されるべきである。湾曲したまたは弧状のステムを備えたインプラントを用いた場合、リーマは、遠位リーマのための遠位腔を準備すると同時に近位本体のための密に嵌合するリーミングされた部分を準備することができないことは理解されるべきである。というのは、これら2つのコンポーネントは、共通の中心線を備えておらず、かくして、これら2つのコンポーネントを同時にリーミングすることができないからである。
【0113】
次に図14を参照すると、人工股関節102の形態をした整形外科用インプラント組立体が示されている。人工股関節102は、ステム組立体99およびヘッド96を有している。シェルまたはカップ104を寛骨臼106に固定してもよい。カップまたはシェル104は、ヘッド96と直接嵌合してもよく、あるいは、ライナまたは支承体(bearing)108をカップ104とヘッド96との間に位置付けしてもよい。整形外科用インプラント102は、任意適当な材料で作ることができる。ステム99は、ヒトの解剖学的構造と適合性のある任意の適当な耐久性のある材料で作られてもよく、例えば金属で作られることができる。金属で作られる場合、整形外科用インプラントコンポーネントは、例えば、コバルトクロム合金、ステンレス鋼合金、またはチタン合金で作られてもよい。理解されるべきこととして、ライナまたは支承体108は、金属で作られてもよく、プラスチック、例えばポリエチレンで作られてもよい。
【0114】
次に図15を参照すると、トライアルネック110が、遠位インプラントステム18用に示されている。トライアルネック110は、近位コンポーネント92に取って代わっており、このトライアルネックを用いると、適正な近位コンポーネントが用いられることを確実にするように、トライアル整復を行うことができる。トライアルネック110とほぼ同じ近位インプラントが、トライアル整復をいったん実施し、近位トライアルネック110が適当であると分かると、置き換えられることになり、かくして、患者にとって適当な対応の近位コンポーネントが作られる。
【0115】
次に図16を参照すると、関節形成術を実施する際に用いられるキット112が提供されている。キット112は、近位リーマ58ならびにスリーブ24および遠位インプラントステム18を含む。キット112は、遠位リーマ8を更に含んでもよい。キット112は、近位トライアル110を更に含んでもよい。キット112は、近位インプラントコンポーネント92を更に含んでもよい。キット112は、案内ピン33を更に含んでもよい。
【0116】
本発明によれば、次に図17を参照すると、関節形成術を実施する方法220が提供されている。この方法220は、長骨の端部分を切除する第1のステップ222を有する。この方法220は、長骨の髄管に中央長さ方向開口部を準備する第2のステップ224を更に有する。この方法220は、人工ステムコンポーネントを用意する第3のステップ226、および人工ステムコンポーネントを髄管の開口部内に設置する第4のステップ228を更に有している。
【0117】
方法220は、人工ステムコンポーネントを受け入れる開口部を有するリーマを用意する第5のステップ230、およびリーマの開口部を少なくとも部分的に人工ステムコンポーネント上に位置付けした状態でリーマを人工ステムコンポーネント上に位置付けする第6のステップ232を更に有する。
【0118】
方法220は、リーマで長骨の一部をリーミングする第7のステップ234、およびリーマを取り外す第8のステップ236を更に有している。方法220は、人工本体コンポーネントを人工ステムコンポーネント上に設置する第9のステップ238を更に有している。
【0119】
本発明およびその利点を詳細に説明したが、特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更例、置換例および変形例を想到できることは理解されるべきである。
【0120】
〔実施の態様〕
(1)人工関節を植え込む際に用いられる腔の近位部分をリーミングするリーマであって、整形外科インプラントコンポーネントの近位部分と協働する、リーマにおいて、
本体であって、前記整形外科インプラントコンポーネントの少なくとも一部を受け入れるための、前記本体に形成された、キャビティを画定している、本体と、
前記本体から外方に延びていて、骨と協働するよう構成された複数の切れ刃と、
前記本体の端から延びるステムと、
を有する、リーマ。
(2)実施態様(1)記載のリーマにおいて、
前記本体の前記キャビティは、全体として円筒形の形を有する、リーマ。
(3)実施態様(1)記載のリーマにおいて、
前記整形外科用インプラントコンポーネントにスライド可能に嵌められているスリーブ、
を更に有し、
前記リーマの前記本体は、前記スリーブを前記本体に固定するための特徴部を有する、リーマ。
(4)実施態様(3)記載のリーマにおいて、
前記特徴部は、戻り止めを含む、リーマ。
(5)実施態様(1)記載のリーマにおいて、
前記複数の切れ刃は、円錐形に境界付けられる、リーマ。
【0121】
(6)人工関節の近位コンポーネントを植え込む際に用いられる腔の近位部分をリーミングするリーマ組立体であって、整形外科用インプラントステムの近位部分と協働する、リーマ組立体において、
スリーブであって、
前記スリーブは、前記スリーブの内周部を画定し、
前記スリーブが、前記整形外科用インプラントコンポーネントの前記近位部分に被さって嵌められることが可能であり、
前記スリーブが、前記スリーブの外周部を画定している、
スリーブと、
リーマであって、
前記スリーブの前記外周部の少なくとも一部分を受け入れるための、キャビティを画定する本体であって、前記キャビティは前記本体に形成されている、本体、
前記本体から外方に延びていて、骨と協働するよう構成された複数の切れ刃、および、
前記本体の端から延びるステム、
を含む、リーマと、
を有する、リーマ組立体。
(7)実施態様(6)記載のリーマ組立体において、
前記リーマの前記本体の前記キャビティは、全体として円筒形の形を有する、リーマ組立体。
(8)実施態様(6)記載のリーマ組立体において、
前記スリーブは、前記整形外科用インプラントコンポーネントにスライド可能に嵌められ、
前記リーマの前記本体は、前記スリーブを前記本体に固定するための特徴部を有する、リーマ組立体。
(9)実施態様(8)記載のリーマ組立体において、
前記特徴部は、キャビティを含む、リーマ組立体。
(10)実施態様(8)記載のリーマ組立体において、
前記特徴部は、突起を含む、リーマ組立体。
(11)実施態様(10)記載のリーマ組立体において、
前記特徴部は、戻り止めを含む、リーマ組立体。
【0122】
(12)実施態様(6)記載のリーマ組立体において、
前記複数の切れ刃は、切頭円錐形に境界付けられている、リーマ組立体。
(13)整形外科用インプラントステムおよび近位リーマと共に使用するスリーブにおいて、
前記スリーブは、前記整形外科用インプラントステムの近位部分に被さって嵌められることが可能であり、前記スリーブは、前記スリーブの外周部を画定している、スリーブ。
(14)実施態様(13)記載のスリーブにおいて、
前記本体の前記キャビティは、全体として円筒形の形を有する、スリーブ。
(15)実施態様(13)記載のスリーブにおいて、
前記スリーブは、前記整形外科用インプラントコンポーネントにスライド可能に嵌められ、
前記スリーブは、前記スリーブを前記整形外科用インプラントステムの前記近位部分に固定するための特徴部を有する、スリーブ。
(16)実施態様(15)記載のスリーブにおいて、
前記特徴部は、キャビティを含む、スリーブ。
(17)実施態様(15)記載のスリーブにおいて、
前記特徴部は、突起を含む、スリーブ。
(18)実施態様(15)記載のスリーブにおいて、
前記スリーブは、前記スリーブの外周部および前記スリーブの内周部を画定し、
前記内周部は、円錐形に境界付けられる、スリーブ。
【0123】
(19)関節形成術を実施する方法において、
長骨の端部分を切除するステップと、
前記長骨の髄管に中央長さ方向開口部を準備するステップと、
人工ステムコンポーネントを用意するステップと、
前記人工ステムコンポーネントを前記髄管の前記開口部内に設置するステップと、
前記人工ステムコンポーネントを受け入れる開口部を備えたリーマを用意するステップと、
前記リーマの前記開口部を少なくとも部分的に前記人工ステムコンポーネント上に位置付けした状態で前記リーマを前記人工ステムコンポーネント上に位置付けするステップと、
前記リーマで前記長骨の一部分をリーミングするステップと、
前記リーマを取り外すステップと、
人工本体コンポーネントを前記人工ステムコンポーネント上に設置するステップと、
を有する、方法。
(20)実施態様(19)記載の方法において、
本体トライアルを用意するステップと、
前記本体トライアルを前記人工ステムコンポーネントに取り付けるステップと、
トライアル整復を実施するステップと、
を更に有する、方法。
(21)実施態様(19)記載の方法において、
前記リーマと協働するスリーブを用意するステップ、
を更に有し、
前記リーマを前記人工ステムコンポーネント上に位置付けする前記ステップの実施前に、前記スリーブを前記人工ステムコンポーネント上に設置するステップ、
を更に有する、方法。
(22)実施態様(21)記載の方法において、
前記スリーブを前記人工ステムコンポーネントに設置する前記ステップは、前記スリーブを前記リーマにロックするステップを含む、方法。
(23)実施態様(19)記載の方法において、
前記リーマを取り外す前記ステップは、前記スリーブを前記リーマと共に取り出すステップを含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】長骨内の所定位置に設けられていて、長骨人工ステムを受け入れる骨髄管を前処理するリーマの平面図である。
【図2】本発明に用いられる図1のリーマにより前処理された髄管内の所定位置に設けられた湾曲した長骨遠位ステムインプラントの平面図である。
【図2A】本発明に用いられる図1のリーマにより前処理された髄管内の所定位置に設けられた真っ直ぐな長骨遠位ステムインプラントの平面図である。
【図3】図2の遠位長骨ステムに用いられる本発明の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3A】円筒形ボアおよび円筒形外周部を備えた本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3B】円筒形ボアおよびテーパした外周部を備える本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3C】本発明の別の実施形態に従って遠位長骨ステムに設けられた突起と嵌合するスリーブのボア内に設けられた凹部の部分平面図である。
【図3D】図3Cのスリーブの端面図であり、スリーブのボア内に設けられた凹部を示す図である。
【図3E】スリーブのボアに設けられた3つの互いに間隔を置いた凹部を有する本発明の別の実施形態としてのスリーブの端面図である。
【図3F】本発明の別の実施形態に従って遠位長骨ステムに設けられた凹部と嵌合するスリーブのボア内に設けられた突起の部分平面図である。
【図3G】図3Fのスリーブの端面図であり、スリーブのボア内に設けられた突起を示す図である。
【図3H】本発明の別の実施形態に従ってスリーブのボア内に設けられた3つの互いに間隔を置いた突起を有するスリーブの端面図である。
【図3I】スリーブの外周部に設けられた突起を有する本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3J】図3Iのスリーブの端面図であり、スリーブの外周部に設けられた突起を示す図である。
【図3K】スリーブの外周部に設けられた3つの互いに間隔を置いた突起を備える本発明の別の実施形態としてのスリーブの端面図である。
【図3L】スリーブの外周部に設けられたリブまたはリングを備える本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3M】スリーブの外周部に設けられた溝を有する本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3N】スリーブの外周部に設けられた溝を有すると共に円筒形ボアおよび円筒形外径を備えた本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3P】矢印の方向における3P−3P線矢視断面図である。
【図3Q】図3Nのスリーブの平面図である。
【図4】遠位インプラントスリーブ組立体を形成するよう図3Mのスリーブが図2の遠位インプラントステムに設置されている状態を示す、遠位インプラントステムの平面図である。
【図4A】本発明の別の実施形態に従って遠位インプラントスリーブ組立体を形成するよう図3Cのスリーブに用いられる外部突起が遠位インプラントステムに設置された状態を示す、遠位インプラントステムの平面図である。
【図4B】図4Aの遠位インプラントスリーブ組立体の端面図であり、遠位インプラントステムの周囲に設けられた突起を示す図である。
【図4C】本発明の別の実施形態に従って遠位インプラントスリーブ組立体を形成するよう図3Eのスリーブに用いられる3つの互いに間隔を置いた外側突起が遠位インプラントステムに設置された状態の遠位インプラントステムの端面図である。
【図4D】本発明の別の実施形態に従って遠位インプラントスリーブ組立体を形成するよう図3Fのスリーブに用いられる外部窪みが遠位インプラントステムに設置された状態の遠位インプラントステムの平面図である。
【図4E】図4Dの遠位インプラントスリーブ組立体の端面図であり、遠位インプラントステムの外部窪みに設けられた突起を示す図である。
【図4F】本発明の別の実施形態に従って遠位インプラントスリーブ組立体を形成するよう図3Hのスリーブに用いられる3つの互いに間隔を置いた外部窪みが遠位インプラントステムに設置された状態の遠位インプラントステムの端面図である。
【図4G】図4のインプラント/スリーブ組立体の平面図である。
【図4H】図3のスリーブを保護するよう図4の組立体に用いられる案内ピンの平面図である。
【図4I】図4Hの案内ピンが図4のインプラント/スリーブ組立体に組み付けられた状態のインプラント/スリーブ/ピン組立体の平面図である。
【図5】本発明の別の実施形態に従って図4Iのインプラント/スリーブ/ピン組立体に用いられるリーマの平面図である。
【図5A】円筒形外周部を備えた遠位ステムコンポーネントに用いられるリーマの平面図であり、リーマが、本発明の別の実施形態に従って円筒形開口部および円筒形周囲を有する状態を示す図である。
【図5B】円筒形外周部を備えた遠位ステムコンポーネントと共に使用されるリーマの平面図であり、リーマが、本発明の別の実施形態に従って円筒形開口部およびテーパ付き周囲を備えた状態を示す図である。
【図5C】本発明の別の実施形態に従って遠位ステムコンポーネントに用いられるリーマの平面図である。
【図6】図5のリーマの部分断面平面図である。
【図6A】図5Cのリーマの部分断面平面図である。
【図7】詳細に示された図5Cのリーマの部分断面平面図である。
【図7A】図7の部分平面図であり、ばね押し戻り止め(spring loaded detent)が、スリーブの外周部に設けられた溝と嵌合するようリーマのボア内に位置付けされた状態を詳細に示す図である。
【図7B】近位リーマの部分平面図であり、突起が、本発明の別の実施形態に従ってスリーブに設けられた溝と嵌合するようリーマのボア内に位置付けられた状態を示す図である。
【図7C】図7Bの近位リーマの端面図であり、リーマのボア内に位置付けられた突起を示す図である。
【図7D】図7Bの近位リーマの端面図であり、3つの互いに間隔を置いた突起が、本発明の別の実施形態に従ってリーマのボア内に位置付けられている状態を示す図である。
【図7E】近位リーマの部分平面図であり、リングが、本発明の別の実施形態に従ってスリーブに設けられた溝と嵌合するようリーマのボア内に位置付けられている状態を示す図である。
【図7F】近位リーマの部分平面図であり、溝が、本発明の別の実施形態に従ってスリーブに設けられた突起と嵌合するようリーマのボア内に位置付けられている状態を示す図である。
【図7G】詳細に示された図5のリーマの部分断面平面図である。
【図8】図4の遠位インプラント/スリーブ組立体上の所定位置に設けられた図5のリーマの部分断面平面図である。
【図9】本発明の別の実施形態に従ってリーマ/スリーブ組立体を形成するよう図3のスリーブが図5のリーマ上の所定位置に設けられた状態の図5のリーマの部分断面部分平面図である。
【図10】図2の遠位ステムインプラントに用いられる近位本体インプラントを示す図である。
【図11】図2の長骨遠位ステムインプラント上の所定位置に設けられた図10の近位本体インプラントを含む長骨インプラント組立体を示す図である。
【図12】図11の長骨インプラント組立体の拡大部分平面図であり、テーパ付き連結部を詳細に示す図である。
【図13】ヘッドを含む図11の長骨インプラント組立体の分解組立図である。
【図14】体内の所定位置に設けられた図13の長骨インプラント組立体の組立図である。
【図15】図2の長骨遠位ステムインプラントに用いられる近位トライアルコンポーネントを示す図である。
【図16】本発明の別の実施形態に従って関節置換術を行う際に用いられるキットを示す図である。
【図17】本発明の別の実施形態による外科手術手技のフローチャートである。
【開示の内容】
【0001】
〔発明の技術分野〕
本発明は、全般的に、整形外科の分野に関し、特に、関節形成術に用いられるインプラントに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
骨関節症およびリウマチ様関節炎により引き起こされる疼痛および非可動化に苦しんでいる患者には、関節置換術という選択肢がある。関節置換術は、極めて一般的であり、かかる関節置換術により、多くの個々の人は、機能的な働きを適切に行うことができるが、関節置換術以外の手術では、そのようにすることが可能でない場合がある。人工関節は、通常、既存の骨に固定される金属、セラミックおよび/またはプラスチックコンポーネントで構成されている。
【0003】
かかる関節置換手術は、関節形成術(joint arthroplasty)という別の言い方で知られている。関節形成術は、疾患のある、かつ/あるいは損傷した関節を人工関節で置き換える周知の外科手術手技である。典型的な関節全置換術では、関節に隣接した骨の端部または遠位部分を切除し、あるいは、骨の遠位部の一部分を除去し、人工関節をこれに固定する。
【0004】
植え込み可能な物品、例えば人工骨を製造する多くの設計および方法が存在することが知られている。かかる人工骨は、人工関節、例えば肘関節、股関節、膝関節および肩関節のコンポーネントを含む。
【0005】
現在、股関節全置換術(total hip arthroplasty)では、大きな重要な関心事は、関節の不安定性である。不安定性は、脱臼と関連している。脱臼は、股関節全置換術では特に問題である。
【0006】
脱臼に関連した要因としては、手術の技術、インプラントの設計、インプラントの位置付けおよび患者に関連した要因が挙げられる。股関節全置換術では、インプラントシステムは、ある範囲の外方オフセット、ネックオフセット、ヘッドオフセットおよびレッグ長さを備えた一連の製品を提供することによりこの課題に取り組んでいる。これら4つの要因の組み合わせが、軟組織の弛緩性に影響を及ぼす。バイオメカニクス(生体力学)を最適化することにより、外科医は、脱臼に対する耐性が非常に高い安定した股関節を患者に提供することができる。
【0007】
関節障害測定基準範囲に対応するため、股関節インプラントについて広範な幾何学的形状が、現在、本願の譲受人であるデピュイ・オルトパエディックス・インコーポレイテッド(DePuy Orthopaedics, Inc.)および他の会社によって製造されている。特に、デピュイ・オルトパエディックス・インコーポレイテッドによって提供されているS−ROM(登録商標)全股関節システム(total hip systems)は、3つのオフセット、3つのネック長さ、4つのヘッド長さおよび1つのレッグ長さ調節を含む。これら全てのバイオメカニクスオプションの組み合わせは、かなり複雑である。
【0008】
全股関節システムの前捻は、関節の安定性と密接に関連している。前捻が不適当であると、それにより脱臼および患者の不満足度が生じる。前捻制御は、全ての股関節ステムで重要である。しかしながら、前捻制御は、追加のモジュール化度を備えたステムの出現により一層難題である。
【0009】
先行技術は、前捻に関する問題の幾つかの取り組みを提供している。例えば、現行のS−ROM(登録商標)ステムは、中央ステムおよび近位スリーブに付けられたレーザ印を有する。この印により、外科医は、これらコンポーネント相互間の相対的な位置合わせを評価することができる。スリーブは、無限の前捻を有するので、これは、前捻を定めるために用いることができる骨のランドマークに対して必ずしも差し向けられない。事実、現行のスリーブは、スパウト(spout)が、残りの利用可能な骨の中に直接側方に向いた状態で差し向けられる場合がある。
【0010】
一次またはインデックス関節全置換術が失敗すると、人工関節再置換術が行われ、この場合、インデックス器具(これらのうち幾つかまたは全て)が除去される。残りの骨は、一次股関節手技と比較してかなり損なわれている場合が極めて多い。相当な量の骨の損失が観察され、それと共に、一般に位置合わせのために用いられる骨のランドマークが失われている場合が多い。
【0011】
人工股関節全置換術として知られている外科手術手技における共通のステップでは、最初に、トライアルまたは代用ステムを患者の体内に植え込む。トライアルは、現場で患者に対するインプラントの選択された寸法形状を確認するために利用され、患者は、トライアル整復と呼ばれる手技を受ける。このトライアル整復は、関節を移動させることを意味し、かかる関節は、その関節のために選択された典型的な運動によるトライアルインプラントを含む。現行の股関節器械は、外科医がインプラントの嵌まり具合および位置を評価するのを助けるようサイズの異なる一連のトライアルを提供する。暫定具とも呼ばれているトライアルにより、外科医は、トライアル整復を実施して最終のインプラント選択に先立って、インプラントの適合性およびインプラントの安定性を評価することができる。在庫費用および複雑さを減少させるため、多くのトライアル実施システムは、モジュール式である。例えば、デピュイ・オルトパエディックス・インコーポレイテッドの製品であるExcel(登録商標)器械システムでは、全ての範囲のインプラントを提供するよう組み合わされてマッチさせることができる一連のブローチおよび一連のネックトライアルが存在する。ブローチとネックトライアルとの間にはたった1つの一定の関係がある。というのは、これらトライアルは、一体形ステムインプラントのシステムを提供するからである。
【0012】
同様に、デピュイ・オルトパエディックス・インコーポレイテッドによって提供されている現行のS−ROM(登録商標)器械システムには、ネックトライアル、近位本体トライアル、遠位ステムトライアル、ヘッドトライアルおよびスリーブトライアルがある。これらコンポーネントの全てを組み合わせることにより、インプラントが提供される。S−ROM(登録商標)ステムは、モジュール式であって、ステムおよびスリーブを含むので、ネックとスリーブとの間の角度の関係または相対的前捻は、独立しており、ネックと近位本体トライアルとの間の歯部による結合によって提供される。近位本体トライアルは、真っ直ぐな一次ステムのトライアル実施の際にスリーブにキー止めされる固定された横方向ボルトを有する。長いステムトライアルは、横方向ボルトを備えておらず、かくして、トライアル整復の間、回転的に安定性が無く、従って、常に外科医により用いられるとは限らない。
【0013】
追加のインプラントモジュール化度の導入により、インプラントを構成する遠位ステム、近位本体および任意のスリーブの別個独立の位置付けが必要となる。現在弓形に曲げられた一体形ステムは、固定された量の前捻、例えば15°で提供されている。
【0014】
現在入手できるインプラント、トライアルおよび器械の結果として、外科手術手技が長くなる。この長い外科手術手技は、髄管を前処理するステップと、器械を取り外して髄管を前処理するステップと、トライアルを植え込むステップと、トライアル整復を実施するステップと、次に、人工装具を植え込むステップとを含む。この長い手技により、患者の手術合併症の恐れが増大する。
【0015】
現在入手できる器械、トライアルおよび外科手術手技を利用する場合、外科医は、外科医がトライアルの適正さおよび体内におけるトライアルの位置付けに関する何らかのフィードバックを得る前に、トライアル整復を患者に対して行わなければならない。かくして、トライアルおよびその結果としてのインプラントの位置付けおよび選択の調節は、実施するのが困難でありかつ時間がかかるようになる。
【0016】
現行の器械、トライアルおよびインプラントを利用する場合、これら全てを患者にとって最適な結果が得られるよう正しく配置すると共に選択する必要がある。大腿骨に対するトライアルの位置付け、およびトライアルに対するインプラントの位置付けは、現在、手技毎の大幅なばらつきを考慮に入れている。
【0017】
患者に対する結果を最適化するため、整形外科手術は、好ましくは、切除された骨のうちできるだけ多くを保存する。現行の外科手術手技では、器械により近位骨のうち十分な骨を切除して除去し、それにより近位トライアルおよび近位インプラントのための隙間をもたらす。かくして、現行の技術の元では、骨の材料を近位側で除去して患者にとって最適でありうる位置の多様性が得られるようにしなければならない。
【0018】
米国特許出願公開第2004/0122439号(発明の名称:「調整可能生体力学的テンプレーティングおよび切除器具ならびに関連方法(ADJUSTABLE BIOMECHANICAL TEMPLATING & RESECTION INSTRUMENT AND ASSOCIATED METHOD)」)、米国特許出願公開第2004/0122437号(発明の名称:「モジュラー式インプラントのための位置合わせ装置および方法(ALIGNMENT DEVICE FOR MODULAR IMPLANTS AND METHOD)」)、および米国特許出願公開第2004/0122440号(発明の名称:「モジュール式股関節ステムのためのトライアル器具およびその関連方法(INSTRUMENT AND ASSOCIATED METHOD OF TRIALING FOR MODULAR HIP STEMS)」)を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0019】
弓形に曲げられたステムを用いて股関節形成術を行う場合、遠位髄管をリーマで前処理し、弓形に曲げられたステムをリーミングされた腔内に設置する。インプラントの近位本体の長さ方向中心線は、遠位ステムが曲げられているので遠位ステムの中心線とは整列していない。遠位腔を前処理するリーマは、インプラントの近位本体中心線が遠位ステム中心線と整列していないことにより、骨の除去を最小限に抑えるよう正確な仕方で近位本体に隙間を提供するよう骨を除去することはできない。追加の材料を遠位リーマにより近位骨から除去してこの非整列状態を許容しなければならないか、あるいは、追加の材料を他の手段、例えば骨刀により除去しなければならないかのいずれかである。いずれの方法でも、臨床的に望ましくない追加の骨の除去が必要である。
【0020】
先行技術は、外科手術技術におけるステップを減少させ、近位コンポーネントを受け入れるために骨を前処理するよう骨を正確に除去する性能を向上させようとしたが、モジュール式インプラント用の遠位リーマおよび近位本体を利用して外科手術技術におけるステップを減少させるシステムおよび装置が要望されている。
【0021】
本発明は、先行技術の問題のうちの少なくとも幾つかを解決しようとするものである。
【0022】
〔発明の概要〕
本発明の設計は、遠位インプラントを植え込んだ後にこのインプラントの固定位置を利用して工具を支持して近位骨を除去し、このように近位骨を除去する能力を外科医に与える。
【0023】
本発明は、長骨内に設けられた遠位インプラントを、長骨を近位側でリーミングするためのガイドとして利用するリーマを提供する。
【0024】
長骨、例えば股関節を切除した後、遠位側にリーミングしてモジュール式遠位ステムおよび近位本体インプラント組立体の遠位ステムインプラントのために髄管を前処理する。このリーミングは、テーパ付きリーマを用いて行われる。遠位ステムインプラントは、人工関節再置換術で用いられる長い遠位ステムインプラント形態において大腿管の生まれつきの内部湾曲部に対応するよう3°の曲がり部を有している。3°の曲がり部のために、遠位テーパ付きリーマによって除去されなかった骨を除去するために近位リーミングを別個に行わなければならない。インプラントをいったん植え込むと、外科医は、本発明を利用して遠位ステムインプラントの近位端部またはテーパ付き部分を近位リーマのためのパイロットシャフトとして用いることができる。保護スリーブをインプラントの遠位ステムコンポーネントのテーパ付き部分に被せて、近位リーミングが行われている間、遠位ステムコンポーネントへの損傷を阻止することができる。近位リーミング後における外科医にとっての次のステップは、近位本体インプラントまたは近位本体トライアルの植え込みに取り掛かることである。次に、トライアル整復を実施し、トライアル整復において適正なインプラント/トライアル組立体の選択が行われている場合、次に、対応のインプラントを遠位ステムインプラント上に嵌める。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、人工関節を植え込む際に用いられる腔の近位部分をリーミングするリーマが提供される。リーマは、整形外科インプラントステムの近位部分と協働する。リーマは、本体を有し、本体は、整形外科インプラントステムの少なくとも一部を受け入れる、この本体に形成されたキャビティを画定している。リーマは、本体から外方に延びる複数の切れ刃を更に有する。切れ刃は、骨と協働するよう構成されている。リーマは、本体の端から延びるステムを更に有する。
【0026】
本発明の別の実施形態によれば、人工関節の整形外科用インプラントステムを植え込む際に用いられる腔をリーミングするリーマ組立体が提供される。リーマは、整形外科インプラントステムの近位部分と協働する。リーマ組立体は、整形外科インプラントステムの近位部分に被さるスリーブを有する。スリーブは、スリーブの外周部を画定している。リーマ組立体は、リーマを更に含み、リーマは、本体を有し、本体は、スリーブの外周部の少なくとも一部分を受け入れる、この本体に形成されたキャビティを画定している。リーマは、本体から外方に延びる複数の切れ刃を更に有する。切れ刃は、骨と協働するよう構成されている。リーマは、本体の端から延びるステムを更に有する。
【0027】
本発明の更に別の実施形態によれば、整形外科用インプラントステムおよび近位リーマと共に使用されるスリーブが提供される。スリーブは、整形外科用インプラントステムの近位部分に被さって嵌められる。スリーブは、スリーブの外周部を画定している。
【0028】
本発明の別の実施形態によれば、関節形成術に用いられるキットが提供される。キットは、近位整形外科用インプラントステム、および整形外科用インプラントステムの近位部分に被さるスリーブを含む。スリーブは、スリーブの外周部を画定している。キットは、リーマを更に含む。リーマは、本体を有し、本体は、整形外科インプラントステムの少なくとも一部を受け入れる、本体に形成された、キャビティを画定している。リーマは、本体から外方に延びる複数の切れ刃を更に有する。切れ刃は、骨と協働するよう構成されている。リーマは、本体の端から延びるステムを更に有する。
【0029】
本発明の別の実施形態によれば、関節形成術を実施する方法が提供される。この方法は、長骨の端部分を切除するステップと、長骨の髄管に中央長さ方向開口部を準備するステップとを有する。この方法は、人工ステムコンポーネントを用意するステップと、人工ステムコンポーネントを髄管の開口部内に設置するステップとを更に有する。この方法は、人工ステムコンポーネントを受け入れる開口部を備えたリーマを用意するステップと、リーマの開口部を少なくとも部分的に人工ステムコンポーネント上に位置付けした状態でリーマを人工ステムコンポーネント上に位置付けするステップとを更に有する。この方法は、リーマで長骨の一部分をリーミングするステップと、リーマを取り外すステップと、人工本体コンポーネントを人工ステムコンポーネント上に設置するステップとを更に有する。
【0030】
本発明の別の実施形態によれば、関節形成術を実施する方法が提供される。この方法は、長骨の端部分を切除するステップと、長骨の髄管に中央長さ方向開口部を形成するステップとを有する。この方法は、人工ステムコンポーネントを用意するステップと、人工ステムコンポーネントを髄管の開口部内に設置するステップとを更に有する。この方法は、スリーブを人工ステムコンポーネント上に設置するステップと、人工ステムコンポーネントを受け入れる開口部を備えたリーマを用意するステップとを更に有する。この方法は、リーマをスリーブ上に位置付けするステップと、リーマで長骨の一部分をリーミングするステップとを更に有する。この方法は、リーマを取り外すステップと、人工本体コンポーネントを人工ステムコンポーネント上に設置するステップとを更に有する。
【0031】
本発明の技術的利点としては、整形外科手術、例えば股関節インプラント外科手術を実施するのに必要な外科技術におけるステップの数を減少させることができるということにある。例えば、本発明の一態様によれば、関節形成術を行う方法が提供される。この方法は、長骨の端部分を切除するステップと、その髄管に中央長さ方向開口部を準備するステップと、人工ステムコンポーネントを用意するステップと、このステムコンポーネントを開口部内に設置するステップとを有する。この方法は、人工ステムコンポーネントを受け入れるリーマを用意するステップを更に有する。リーマを少なくとも部分的に人工ステムコンポーネント上に位置付けする。リーマを人工ステムコンポーネント上に置くことにより、リーマを案内する別個の工具は不要であり、リーマの支持体となるよう髄管内に位置付けされる人工トライアルまたは他のコンポーネントは不要である。かくして、本発明は、関節形成術のための外科技術におけるステップの数を減少させることができる。
【0032】
本発明の技術的利点としては、更に、関節形成術を実施するのに必要な器械の数が減少し、器械トレイ内の器械の数が減少し、しかも、器械の関連費用が減少することが挙げられる。例えば、本発明の別の態様によれば、関節形成術を行う方法および装置が提供され、この場合、遠位ステムトライアルを用いないで遠位ステムインプラントをリーミングされた骨管内に植え込む。したがって、本発明のこの態様では、遠位ステムトライアルという器械は不要である。かくして、本発明は、関節形成術を実施するのに必要な器械の数を減少させることができる。
【0033】
本発明の技術的利点としては、更に、遠位ステムインプラントを患者の長骨内に設置した後に骨を長骨から近位側に除去することができるということが挙げられる。例えば、本発明の別の態様によれば、関節形成術を実施する方法が提供され、この方法は、長骨の髄管内に位置付けされる人工ステムコンポーネントを用意するステップと、人工ステムコンポーネントを受け入れるリーマを用意するステップとを有する。近位リーマを人工ステムコンポーネント上に位置付けし、このリーマは、長骨の近位部分をリーミングする。かくして、本発明は、遠位ステムインプラントを設置した後に骨を近位側に除去することができる。
【0034】
本発明の技術的利点としては、更に、遠位髄管の中心線に対して偏心した形態で骨をリーマにより除去できるということが挙げられる。例えば、本発明の別の態様によれば、モジュール式人工関節の近位本体インプラントを植え込む際に用いられる腔の近位部分をリーミングするリーマ組立体が提供される。リーマは、遠位ステムインプラントの近位部分と協働する。リーマ組立体は、近位リーマ、および遠位ステムインプラントの近位部分上でこれに沿って滑って動くスリーブを含む。スリーブは、近位リーマのキャビティ内にスナップ嵌合することができる。整形外科用インプラントステムは、インプラントステムの遠位部分と一線をなしていない関係にある近位部分を有する。かくして、本発明は、遠位髄管と偏心状態にある骨をリーマで除去することができる。長骨の近位部分のリーミングは、近位部分をブローチ削りするよりも良好な場合がある。というのは、骨は、非常に硬性が高くまたは非常に弱くかつ脆弱なのでブローチ削りによる衝撃力を吸収することができない場合があるからである。
【0035】
本発明の技術的利点としては、更に、インプラントをリーミングのためのインプラントシャフトとして用いることができるということにある。例えば、本発明の別の態様によれば、人工関節のための腔の近位部分をリーミングするリーマ組立体が提供される。リーマ組立体は、整形外科用ステムに被さって嵌められるスリーブ、およびスリーブに被さって嵌められて長骨の近位部分を前処理するために用いられるリーマを含む。かくして、本発明では、インプラントをリーマのためのパイロットシャフトとして用いることができる。
【0036】
本発明の技術的利点としては、更に、遠位インプラントステムの頂部に対して現場近位本体トライアル実施を行うことができるということにある。例えば、本発明の更に別の態様によれば、関節形成術を行う方法が提供される。この方法は、長骨の端部分を切除するステップと、髄管に開口部を準備するステップと、遠位ステムコンポーネントを用意するステップとを有する。遠位ステムコンポーネントを髄管内に設置し、遠位ステムコンポーネントの近位部分を受け入れる開口部を備えたリーマをステム上に位置付け、リーマは、近位本体コンポーネントを受け入れるために長骨の近位部分をその部位(in situa)でリーミングする。近位本体インプラントコンポーネントまたは近位本体トライアルコンポーネントを人工遠位ステムインプラントコンポーネント上に位置付けてもよく、トライアルを遠位人工ステムインプラントコンポーネントの頂部に対して実施する。かくして、本発明では、遠位インプラントコンポーネントの頂部に対して近位本体トライアルをその部位で実施することができる。
【0037】
本発明の他の技術的利点は、以下の図面、説明および特許請求の範囲の記載から当業者には容易に明らかになろう。
【0038】
次に、本発明およびその利点をより完全に理解するために、添付の図面と関連して行われる以下の説明を参照されたい。
【0039】
〔発明の詳細な説明〕
本発明の実施形態およびその利点は、以下の説明および図面を参照すると最もよく理解される。なお、図中、同一の符号は、図面の同一および対応の部分に用いられている。
【0040】
ここで図1を参照すると、本発明に用いられる長骨または大腿骨2が示されている。大腿骨2は、本発明の人工装具を挿入することができる髄管4を有している。大腿骨2は、例えば電動工具、例えばのこぎりで切除線6に沿って切除される。長骨または大腿骨2の切除により、大腿骨2の髄管4が露出する。市販の標準型リーマであってよいリーマ8を長骨2の髄管4内に位置付けして整形外科関節インプラントを受け入れるための腔10を形成する。リーマ8は、複数個の長さ方向に延びる縦溝12を有し、これら縦溝は、腔10を形成するよう髄管4から骨および他の生物学的物体を除去するために用いられる。リーマ8上に位置付けられたコネクタ14を用いてリーマ8を回転させることができる。コネクタ14は、任意の標準型コネクタ、例えば、ハドソン(Hudson)またはAOコネクタ(A-O connector )であってよい。コネクタ14は、リーマ8を回転させる電動工具16への連結のために用いられる。電動工具16は、任意の標準型電動工具であってよい。理解されるべきこととして、ハンドツール、例えば“T”形取っ手によりコネクタ14を用いることによってリーマ8を回転させることができる。
【0041】
次に図2を参照すると、遠位インプラントステム18が、長骨または大腿骨2の髄管4に形成された腔10内に嵌め込まれた状態で示されている。遠位インプラントステム18は、図2に示すように、湾曲したまたは曲げられたステムの形態であってよい。生まれつき備わっている大腿骨は、特に遠位インプラントステムが特に長い長さを有していて、例えば、関節再置換術で用いられる場合、インプラントコンポーネントに最もよく複製できるカーブを有している。原点21から延びる半径Rによって遠位インプラントステムの形状を定めることができる。ステム18の湾曲または曲げ部分をステム18の最も遠位側に設けることができる。遠位インプラントステムは、外側テーパ付き近位部分20およびテーパ付き近位部分20から見て近位側に設けられた雄ねじ24の形態をしたコネクタを有する。切除線6は、ステム18を植え込んだとき、ステム18の外側テーパ付き部分20の始まりとなる位置にほぼ一致してよい。
【0042】
次に図2Aを参照すると、ステムは、湾曲したまたは曲げられた部分を備えていない真っ直ぐなまたは円筒形ステム18Aの形態をしていてもよいことは理解されるべきである。本発明の近位リーマをかかる円筒形ステム18Aと共に用いることにより、近位本体を受け入れるための骨の除去は、正確であり、かつ近位本体を受け入れるために骨を除去する他の方法と比較して、骨の除去量を最小限に抑えることができる。
【0043】
本発明によれば、ここで図3を参照すると、遠位インプラントステム、例えば図2のステム18に用いられるスリーブ24Xが示されている。スリーブ24Xは、近位リーマ58Cに用いられる(図5C参照)。スリーブ24Xは、図3に示すように、遠位インプラントステム18のテーパ付き近位部分20に被せて嵌められることが可能である。スリーブ24Xは、スリーブ24Xの外周部26Xを画定している。図3に示すように、スリーブ24Xは、中空であってもよく、スリーブ中心線30Xに沿って長さ方向に延びるキャビティ28Xを有してもよい。キャビティ28Xは、スリーブ24Xの内周部32Xを画定してもよい。スリーブ24Xの内周部32Xは、ステム18(図2を参照)のテーパ付き近位部分20の外周部19と合致する形状であればどのような形状を有してもよい。
【0044】
再び図2を参照すると、ステム18は、テーパ付き近位部分20およびねじ山付き部分22を有している。同様に、図3を参照すると、内周部32Xは、ステム18のテーパ付き部分20と嵌合するテーパ付き部分34Xを有している。また、スリーブ24Xの内周部32Xは、ステム18(図2を参照)に形成された雌ねじ25と嵌合するねじ山付き円筒形部分36Xを有している。
【0045】
テーパ付き部分34Xと円筒形部分36Xは、スリーブ24Xの円筒形部分36Xとテーパ付き部分34Xとの間に位置する段部または肩38Xを画定している。スリーブ24Xは、近位リーマ(図5C参照)の形状に適合可能な形状を備えた外周部26Xを有してもよい。外周部26Xは、図3に示されているように、テーパしていて、夾角αによって定められてもよい。夾角αは、スリーブ24Xが全体として一様な肉厚Tを有することができるように設計されていてもよい。かくして、スリーブ24Xの内周部32Xのテーパ付き部分34Xは、夾角αとほぼ同じ夾角θにより定められていてもよいし、その夾角θを含んでもよい。図3に示すように、内角αは、夾角θよりも僅かに小さい。
【0046】
好ましくは、スリーブ24Xは、摩耗または損傷がステム18のテーパ付き近位部分20に生じないように図2のステム18にしっかりと固定されている。かくして、スリーブ24Xは、ステム18が互いに組み立てられると、スリーブ24Xにしっかりと固定されることを確実にする特徴部を有してもよい。テーパ付き部分34Xの内周部の角度ααは、これによりステム18のテーパ付き部分20とのロック用テーパ部が得られるよう設計されていてもよい。変形例として、内周部32Xの円筒形部分36Xは、例えば、想像線で示された雌ねじ40Xの特徴部を有してもよく、かかる雌ねじは、変形例として、スリーブ24Xをステム18の雄ねじ23に係合させるために使用できる。
【0047】
次に図3Aを参照すると、本発明の変形実施形態が、スリーブ24Aとして示されている。スリーブ24Aは、このスリーブ24Aが、両方共円筒形である外周部26Aおよび内周部32Aを有する点を除き、図3のスリーブ24と同一である。スリーブ24Aは、円筒形のプロフィールの駆動面を備えたリーマに用いられるのに適している。
【0048】
次に図3Bを参照すると、本発明の別の実施形態が、スリーブ24Bとして示されている。スリーブ24Bは、このスリーブ24Bが、円筒形である外周部26Bおよびテーパ付きの内周部32Bを有する点を除き、図3のスリーブ24とほぼ同じである。図3Bのスリーブ24Bは、段部または肩の無い一様な形態の内周部32B、および単純な円筒形の外周部26Bを有してもよいことは理解されるべきである。
【0049】
スリーブ24は、スリーブ24の肩部44のところで外周部26から外方に延びる環状外側リングまたはリップ42を有してもよい。リップ42は、スリーブ24の外周部26が近位リーマに恒久的にテーパロックされるのを阻止するのに役立つことができる。
【0050】
近位リーマがスリーブ24と共に用いられる場合、スリーブ24を遠位インプラント18にしっかりと固定することが望ましいが、インプラントステム18へのスリーブ24のかかる固い係合は、スリーブ24の内周部32とステム18のテーパ付き外側部分20との間の締り嵌めによって得ることができる。ただし、これらコンポーネントが、円筒形、もしそうでなければテーパロックされることを条件とする。
【0051】
また、ステム18へのスリーブ24のロックを保証するため、スリーブ24は、ステム18に対するスリーブ24の剛性を確保するようステム18に設けられた連結特徴部56と協働するロックまたは固定特徴部46を有することができることは理解されるべきである。
【0052】
図3Cに示すように、図3のスリーブ24とほぼ同じスリーブ24Cが示されており、図3のスリーブ24と異なる点は、スリーブ24Cが、凹みの形態のスリーブ/ステム固定特徴部46Cを有していることにある。凹み46Cは、ステム18(図2参照)の外側テーパ付き部分20の外周部26から延びる相補形の突起と嵌合することができる。
【0053】
次に図3Dを参照すると、スリーブ24Cは、図3Dに示すように単一の窪み46Cを有することもできる。
【0054】
次に図3Eを参照すると、本発明の別の実施形態が、スリーブ24Eとして示されている。スリーブ24Eは、このスリーブ24Eが2つ以上の窪み、例えば3つの互いに間隔を置いた窪み46Eを有している点を除き、図3Cおよび図3Dのスリーブ24Cと同一である。
【0055】
次に図3Fおよび図3Gを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、スリーブ24Fとして示されている。スリーブ24Fは、このスリーブ24Fが、スリーブ24Fの内周部32Fから内方に延びる突起46Fの形態のスリーブ/ステム固定特徴部を有している点を除き、図3のスリーブ24とほぼ同じである。図3Gに示すように、突起46Fは、単一の突起である。図3Fおよび図3Gの突起46Fは、図4Fのステム18Fの外側テーパ付き部分20F上に形成された窪み56Fと嵌合してもよい。
【0056】
次に図3Hを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、スリーブ24Hとして示されている。スリーブ24Hは、このスリーブ24Hが、3つの互いに間隔を置いた突起46Hを有している点を除き、スリーブ24Fと同一である。
【0057】
次に図3Iを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、スリーブ24Iとして示されている。スリーブ24Iは、このスリーブ24Iが、スリーブ24の肩38Iの近くに位置付けられた突起48Iの形態のスリーブ/近位リーマ固定特徴部を有している点を除き、図3のスリーブ24とほぼ同じである。突起48Iは、スリーブ24Iの外周部26Iから外方に延びている。突起48Iは、近位リーマに設けられた窪みと嵌合するのに役立ち、近位リーマをステム18から取り出したとき、スリーブ24Iは、近位リーマと結合したままであり、ステム18から別個に取り外される必要がないようになっている(図2参照)。
【0058】
突起48Iは、任意適当な形状のものであってよく、この突起は、図3Iに示すように、突起をリーマの下向きの方向で開口部内に容易に係合すると共に、スリーブ24が近位リーマと共に取り外されることを確実にするために、下方にテーパしてもよい。この特徴により、外科手術手技ステップが減少すると共に手術室での時間が節約される。
【0059】
次に図3Jを参照すると、スリーブ24Jの突起48Jは、単一の突起であっても良い。
【0060】
次に図3Kを参照すると、本発明の別の実施形態が、スリーブ24Kとして示されている。スリーブ24Kは、スリーブ24Kの外周部26Kから外方に延びる突起48Kを有している。理解されるべきこととして、図3Kに示されているように、3つの互いに間隔を置いた別々の突起48Kを近位リーマ(図4参照)に形成された相補形の窪みと共に利用できる。
【0061】
次に図3Lを参照すると、スリーブ24Lの突起48Lは、リングまたはリップを形成するようスリーブの周囲に沿ってぐるりと延びる単一の突起であってもよい。
【0062】
次に図3Mを参照すると、スリーブ24Mが、詳細に示されている。スリーブ24Mは、スリーブ24Mの外周部26Mから内方に延びる内部溝48Mの形態をしたスリーブリーマ連結特徴部48Mを有してもよい。溝48Mは、スリーブ24Mの長さ方向軸線としての中央線30Mに沿ってどこに位置付けられてもよいが、好ましくは、スリーブ24Mの肩38Mの近くに設けられる。溝48Mは、近位リーマ58C(図7A参照)に形成された戻り止め88Cと嵌合するのに役立つ。理解されるべきこととして、この特徴部48Mは、スリーブ24Mと近位リーマ58Cを互いに相対回転させることができるべきである。
【0063】
本発明によれば、次に図3N、図3Pおよび図3Qを参照すると、遠位インプラントステム、例えば図2のステム18に用いられるスリーブ24が示されている。スリーブ24は、近位リーマ58(図5参照)と共に使用される。スリーブ24は、図3に示されているように、遠位インプラントステム18のテーパ付き近位部分20に被さって嵌められることが可能である。スリーブ24は、スリーブ24の外周部26を画定している。図3に示すように、スリーブ24は、中空であってもよく、スリーブ中心線30に沿って長さ方向に延びるキャビティ28を有してもよい。キャビティ28は、スリーブ24の内周部32を画定してもよい。スリーブ24の内周部32は、ステム18のテーパ付き近位部分20の外周部19と合致する形状であればどのような形状を有してもよい。内周部32は、円筒形であってもよく、図2のステム18のテーパ付き近位部分20上に締り嵌め関係をなして嵌まってもよい。
【0064】
再び図2を参照すると、ステム18は、テーパ付き近位部分20およびねじ山付き部分22を有している。同様に、図3N、図3Pおよび図3Qを参照すると、内周部32は、ステム18のテーパ付き部分20と締り嵌め関係をなして嵌合する遠位円筒形部分34を有している。また、スリーブ24の内周部32は、ステム18(図2を参照)に形成された互いに反対側の二重平坦部27と合致する互いに反対側の二重平坦部37を備えた近位円筒形部分36を有している。
【0065】
再び図3N、図3Pおよび図3Qを参照すると、遠位円筒形部分34と近位円筒形部分36は、スリーブ24の円筒形部分36と遠位円筒形部分34との間に位置する段部または肩38を画定している。スリーブ24は、近位リーマ(図5参照)の形状に適合可能な形状を備えた外周部26を有してよい。近位リーマボアの角度が十分に小さい場合、スリーブ24の外周部26は、円筒形であってもよい。外周部26は、図3に示されているように、円筒形であり、直径DOSにより定められてよい。スリーブ24は、全体として一様な肉厚Tを有してもよい。かくして、スリーブ24の内周部32の遠位円筒形部分34は、肉厚Tにより定められることができる。
【0066】
好ましくは、スリーブ24は、摩耗または損傷がステム18のテーパ付き近位部分20に生じないようにステム18にしっかりと固定されている。かくして、スリーブ24は、ステム18が互いに組み立てられると、スリーブ24にしっかりと固定されることを確実にする特徴部を有してもよい。スリーブ24の内周部32の遠位円筒形部分34は、これがステム18のテーパ付き部分20と締り嵌め関係をなすことかできるよう設計されていてもよい。変形例として、内周部32の円筒形部分36は、例えば、雌ねじ(図示せず)という特徴部を有してもよく、変形例として、かかる雌ねじを用いてスリーブ24をステム18に設けられている雄ねじ23に螺合させることができる。
【0067】
理解されるべきこととして、スリーブ24の遠位円筒形部分34とリーマ8のステム18のテーパ付き部分20との間の締り嵌めを保証するため、スリーブは、スリーブ24の壁を貫通する長さ方向スロット(図示せず)を有することができるが、このようにするかどうかは任意である。スロットは、単一のスロットであってもよく、あるいは、複数個の互いに間隔を置いたスロットであってもよい。スロットは、部分的にスリーブ24の長さに沿って延びてもよく、あるいは、全長にわたって延びてスリーブ24を分割してもよい。スロットは、追加の締り嵌めを可能にする。
【0068】
本発明によれば、次に図4を参照すると、インプラントスリーブ組立体50が示されている。インプラントスリーブ組立体50は、図2の整形外科用インプラントステム18上に位置付けられた図3のスリーブ24を含む。整形外科用インプラントステム18は、大腿骨2の髄管4内の軟骨(soft bone)または海綿骨の腔10の髄管4内に位置付けされる。スリーブ24を矢印52の方向で整形外科用インプラントステム18にローディングすることができる。整形外科用インプラントステム18を想像線で示されているローディング位置54から実線で示されている設置位置56に動かすことができる。
【0069】
スリーブ24を大腿骨2の腔10の髄管4内に既に設置されている整形外科用インプラントステム18にそのまま(in situa)設置することができるが、理解されるべきこととして、スリーブ24を手術の実施に先立って整形外科用インプラントステム18にあらかじめ設置することができ、従って、スリーブ24は、輸送中および大腿骨2の髄管4の腔10内へのステム18の設置中に、ステム18のテーパ付き部分20の外周部19を保護することができるようになっている。
【0070】
スリーブ24は、好ましくは、整形外科用インプラントステム18にしっかりと嵌められている。ステム18へのスリーブ24の固い連結は、スリーブ24の内周部32をステム18のテーパ付き部分20の外周部19に嵌めることにより達成できる。スリーブ24の内周部32は、円筒形であってもよく、かくして、夾角θθにより定められる整形外科用インプラントステム18のテーパ付き部分20の外周部19と締り嵌め関係をなすことができる。
【0071】
整形外科用インプラントステム18は、スリーブ24と同様、ステム18へのスリーブ24の固い固定を保証する特徴部を有してもよい。例えば、図4に示すように、ステム18は、スリーブ24(図3参照)と協働可能な締り嵌めの形態をしたステム/スリーブ連結特徴部56を有してもよい。
【0072】
次に図4Aおよび図4Bを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、インプラントスリーブ組立体50Aとして示されている。インプラントスリーブ組立体50Aは、このインプラントスリーブ組立体50Aが、ステム18Aを有し、このステム18Aが、ステム18Aから延びる突起56Aの形態をしたステム/スリーブ連結特徴部を有している点を除き、図4のインプラントスリーブ組立体50とほぼ同じである。突起56Aは、図3Cおよび図3Dのスリーブ24Cに形成された単一の凹み46Cに嵌まり込む。
【0073】
次に図4Cを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、インプラント/スリーブ組立体50Cとして示されている。インプラントスリーブ組立体50Cは、このインプラントスリーブ組立体50Cのステム18が、ステム18Cから延びる複数個の互いに間隔を置いた突起56Cを有している点を除き、図4Aおよび図4Bのインプラント/スリーブ組立体50Aとほぼ同じである。突起56Cは、スリーブ24Eに形成された複数個の窪み46Eと協働する。
【0074】
次に図4Dおよび図4Eを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、インプラントスリーブ組立体50Dとして示されている。インプラントスリーブ組立体50Dは、ステム18Dに形成された単一の窪み56Dを有している。ステム18Dの窪み56Dは、図3Fおよび図3Gのスリーブ24Fに形成された単一突起46Fと協働する。
【0075】
次に図4Fを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、インプラントスリーブ組立体50Fとして示されている。インプラントスリーブ組立体50Fは、図4Eおよび図4Dのインプラントスリーブ組立体50Dとほぼ同じである。インプラントスリーブ組立体50Fは、3つの互いに間隔を置いた凹み56Fを有するステム18Fを含む。ステム18Fの凹み56Fは、図3Hのスリーブ24Hに形成された3つの互いに間隔を置いた突起46Hと協働する。
【0076】
次に図4Gを参照すると、スリーブ24は、遠位リーマ8のステム18と協働関係にある状態で示されている。遠位リーマ8のステム18は、ステム18上に形成された、互いに反対側の二重平坦部27を含む。スリーブ24の近位円筒形部分36は、その近位円筒形部分36に形成された、互いに反対側の二重平坦部37を含む。スリーブ24の近位円筒形部分36に形成された互いに反対側の二重平坦部37は、ステム18に形成された互いに反対側の二重平坦部27と嵌合する。遠位リーマ8のステム18は、遠位リーマ8のステム18の端31から延びる細長い中央凹部29を更に有している。
【0077】
次に図4Hを参照すると、図3N、図3Pおよび図3Qのステム18を保護するために図4のインプラントスリーブ組立体50に用いられる案内ピン33が示されている。案内ピン33は、図1の遠位リーマ8のステム18に設けられた雄ねじ23に嵌まる。案内ピン33は、遠位リーマ8のステム18の雄ねじ23と嵌合する雌ねじ35を有している。案内ピン33は、図5の近位リーマ58内に嵌まり込む形状であればどのような形状を有していてもよい。例えば、案内ピン33は、直径DGPにより定められる全体として円筒形の形を有することができる。案内ピン33は、リーマ58を案内ピン33上に案内するのを助ける丸形のまたは弾丸状先端部43を有することができる。案内ピンは、案内ピン33を取り出す際に用いられる貫通横方向開口部51を有することができる。
【0078】
次に図4Iを参照すると、図4Hの案内ピン33が、インプラント/スリーブ/ピン組立体45を形成するよう図4のインプラント/スリーブ組立体50に組み付けられた状態で示されている。図5の近位リーマ58は、インプラント/スリーブ/ピン組立体45上に案内される。
【0079】
次に図5を参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58として示されている。リーマ58は、大腿骨2の髄管4内に形成された腔10の近位部分62をリーミングするために利用される。リーマ58は、人工関節62を植え込む際に用いられる。人工関節62は、遠位ステム部分18を有する。リーマ58は、本体66を有し、この本体66は、本体66に形成された遠位キャビティ68を画定している。遠位キャビティ68は、整形外科用インプラントコンポーネント、例えばステム18の少なくとも一部分を受け入れるよう構成されている。
【0080】
リーマ58は、本体66から外方に延びる複数個の切れ刃70を更に有している。切れ刃70は、骨、例えば大腿骨2と協働するよう構成されている。リーマ58は、本体66の端74から延びるステム72を更に有している。本体66は、任意適当な形状のものであってもよく、例えば、円筒形であってもよく、断面が多角形のものであってもよく、あるいは、テーパした周囲76を有するものであってもよい。ステム72は、任意適当な形状のものであってもよく、このステムは、リーマ58を矢印82の方向に回す工具、例えばドライバ80を受け入れることができる例えば、市販の標準型コネクタ、例えば、AOコネクタまたはハドソンコネクタの形態をしたコネクタ78を有することもできる。リーマ58は、骨に係合してこれを除去する切れ刃70を有している。
【0081】
リーマ58は、任意適当な形状のものであってもよく、任意の数の切れ刃70を有していてもよい。例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、7つまたは8つ以上の縦溝が設けられる場合がある。好ましくは、縦溝は、等間隔を置いて設けられ、近位リーマ58の長さ方向中心線84に沿って長さ方向に延びる。縦溝70は、長さ方向軸線84に沿って長さ方向に延びてもよく、あるいは、図5に示すように、螺旋であってもよく、または水平線に対して角度、例えば角度ββを形成してもよい。
【0082】
近位リーマ58に形成された遠位キャビティ68は、任意適当な形状のものであってもよく、例えば、円筒形であってもよく、または円錐を画定する外周部86を有してもよい。近位リーマ58の内周部86は、遠位キャビティ68を画定し、好ましくは、ステム18の近位部分20と嵌合する形状を有する。
【0083】
図5に示すように、リーマ58の外周部71は、切れ刃70により画定され、テーパしていてもよい。遠位キャビティ68により形成される内周部86もまた、テーパしていてもよい。これらコンポーネントの他の形状は、本発明の範囲に含まれることは理解されるべきである。リーマ58は、図4Hの案内ピン33を受け入れる近位内部キャビティ39を有している。近位内部キャビティ39は、その近位内部キャビティ39の端41を画定し、近位内部キャビティ39の端41は、案内ピン33の弾丸状先端部43と協働する停止部を提供する。リーマ58は、リーマ58内への案内ピン33の挿入状態を視認するため、およびリーマ58の容易なクリーニングのために、リーマの外周部49から近位内部キャビティ39まで延びる長さ方向スロット47を更に有してもよい。リーマ58は、単一のまたは多数の(例えば3つの等間隔を置いた)スロット47を有することもできる。
【0084】
次に図5Aを参照すると、本発明の別の実施形態が、近位リーマ58Aとして示されている。近位リーマ58Aは、この近位リーマ58Aが、円筒形である外周部71Aを形成する切れ刃70Aを有する点を除き、図5の近位リーマ58とほぼ同じである。また、キャビティ68Aが、同様に円筒形の内部キャビティ86Aを形成している。
【0085】
次に図5Bを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Bとして示されている。リーマ58Bは、このリーマ58Bが、円筒形である内周部86Bを形成するキャビティ68Bを有している点を除き、図5のリーマ58とほぼ同じである。切れ刃70Bが、テーパしたまたは円錐形の外周部71Bを形成している。外周部71Bは、夾角ααにより定められている。
【0086】
次に図5Cを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Cとして示されている。リーマ58Cは、大腿骨2の髄管4内に形成された腔10の近位部分62Cをリーミングするために利用される。リーマ58Cは、人工関節62を植え込む際に用いられる。人工関節62は、遠位ステム部分18を有する。リーマ58Cは、本体66Cを有し、この本体66Cは、本体66Cに形成されたキャビティ68Cを画定している。キャビティ68Cは、整形外科インプラントコンポーネント、例えばステム18の少なくとも一部分を受け入れるよう構成されている。
【0087】
リーマ58Cは、本体66Cから外方に延びる複数個の切れ刃70Cを更に有している。切れ刃70Cは、骨、例えば大腿骨2と協働するよう構成されている。リーマ58Cは、本体66Cの端74Cから延びるステム72Cを更に有している。本体66Cは、任意適当な形状のものであってもよく、例えば、円筒形であってもよく、断面が多角形のものであってもよく、あるいは、テーパした周囲76Cを有するものであってもよい。ステム72Cは、任意適当な形状のものであってもよく、このステムは、リーマ58Cを矢印82Cの方向に回す工具、例えばドライバ80Cを受け入れることができる例えば、市販の標準型コネクタ、例えば、AOコネクタまたはハドソンコネクタの形態をしたコネクタ78Cを有してもよい。リーマ58Cは、骨に係合してこれを除去する切れ刃70Cを有している。
【0088】
リーマ58Cは、任意適当な形状のものであってもよく、任意の数の切れ刃70Cを有してもよい。例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、7つまたは8つ以上の縦溝が設けられる場合がある。好ましくは、縦溝は、等間隔を置いて設けられ、近位リーマ58Cの長さ方向中心線84Cに沿って長さ方向に延びる。縦溝70Cは、長さ方向軸線84Cに沿って長さ方向に延びてもよく、あるいは、図5Cに示すように、螺旋であってもよく、または水平線に対して角度、例えば角度ββを形成してもよい。
【0089】
近位リーマ58Cに形成されたキャビティ68Cは、任意適当な形状のものであってもよく、例えば、円筒形であってもよく、または円錐を画定する外周部86Cを有してもよい。近位リーマ58Cの内周部86Cは、遠位キャビティ68を画定し、好ましくは、ステム18の近位部分20と嵌合する形状を有する。
【0090】
図5Cに示すように、リーマ58Cの外周部71Cは、切れ刃70Cにより画定され、テーパしていてもよい。遠位キャビティ68Cにより形成される内周部86Cもまた、テーパしていることもできる。これらコンポーネントの他の形状は、本発明の範囲に含まれることは理解されるべきである。
【0091】
次に図6を参照すると、リーマ58の切れ刃70は、任意適当な形態のものであってよい。例えば、切れ刃70は、複数個の互いに間隔を置いた縦溝73を有してもよい。縦溝73は各々、図6に示すように、互いに間隔を置いた凹部(reliefs)75の集まりを含んでもよい。凹部は、縦溝73の各々の上に位置付けされてもよく、これら凹部は、円形リングを形成してもよく、または図6に示すようにリーマの外周部71に沿って螺旋に位置付けられてもよい。
【0092】
リーマ58は、このリーマが近位本体のための腔の準備を完了すると、スリーブ24がリーマ58と共に取り出されるようにスリーブ24と協働可能な取り付け特徴部88を有することができる。取り付け特徴部88は、スリーブ24をリーマ58と一緒に取り出すのを助けるような任意適当な寸法形状のものであってもよい。
【0093】
次に図6Aを参照すると、リーマ58Cの切れ刃70Cは、任意適当な形態のものであってよい。例えば、切れ刃70Cは、複数個の互いに間隔を置いた縦溝73Cを有してもよい。縦溝73Cは各々、図6Cに示すように、互いに間隔を置いた凹部75Cの集まりを含んでもよい。凹部は、縦溝73Cの各々の上に位置付けられてもよく、これら凹部は、円形リングを形成してもよく、または図6Cに示すようにリーマの外周部71Cに沿って螺旋に位置付けられてもよい。
【0094】
リーマ58Cは、このリーマが近位本体のための腔の準備を完了すると、スリーブ24Cがリーマ58Cと共に取り出されるようにスリーブ24Cと協働可能な取り付け特徴部88Cを有することができる。取り付け特徴部88Cは、スリーブ24Cをリーマ58Cと一緒に取り出すのを助けるような任意適当な寸法形状のものであってよい。
【0095】
次に図7を参照すると、取り付け特徴部88Cが、詳細に示されている。取り付け特徴部88Cは、突起の形態をしていてもよく、あるいは、図7に示されているように、ばね押し戻り止めの形態をしていてもよい。
【0096】
次に図7Aを参照すると、リーマ58Cのばね押し戻り止め88Cが、詳細に示されている。ばね押し戻り止め88Cは、キャビティ68Cの方向にばね付勢されるボール83Cを有している。ばね85Cおよび戻り止め88Cは、開口部87C内に位置付けされる。戻り止め88Cは、ばね85Cを圧縮し、ボール83Cを内方に動かすことによりスリーブ24Cを受け入れる。次に、ばね85Cは、伸長してスリーブ24Cの溝48Cに係合してスリーブ24Cをリーマ58Cと共に取り出すことができるようになっている。
【0097】
戻り止め88Cのボール83Cは、図3Mに示すようにスリーブ24Mの溝48Mと協働する。溝、例えば図3Mの溝48Mと嵌合する戻り止め88Cを設けることにより、リーマ58Cは、スリーブ24Xが静止しまたは遠位ステム18に固定された状態で回転することができる。
【0098】
次に図7Bおよび図7Cを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Bとして示されている。リーマ58Bは、このリーマ58Bが、リーマ58Bのキャビティ68Bの内周部86Bから内方に延びる固定された単一の突起88Bを有している点を除き、図7のリーマ58とほぼ同じである。リーマ58Bの突起88Bは、図3Mに示すようにスリーブ24Mの溝48Mと協働する。
【0099】
本発明によれば、次に図7Dを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Dとして示されている。リーマ58Dは、このリーマ58Dが、リーマ58Dのキャビティ68Dの内周部86Dから内方に延びる3つの互いに間隔を置いた突起86Dを有している点を除き、図7Bおよび図7Cのリーマ58Bとほぼ同じである。リーマ58Dの突起88Dは、図3Mに示すようにスリーブ24Mの溝48Mと協働する。
【0100】
図7Bおよび図7Cの突起88Bは、図7Dのリーマ58Dの突起88Dと同様、溝を備えたスリーブ、例えば、図3Mに示すような溝48Mを備えたスリーブ24Mと協働する。突起と溝は、ステム18およびスリーブ24が静止したままの状態で近位リーマ58が回転することができるよう互いに協働する。
【0101】
次に図7Eを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Eとして示されている。近位リーマ58Eは、連続リブ88Eが、キャビティ68Eの内周部86Eから内方に延びる点を除き、図7Dのリーマ58Dとほぼ同じである。リブ88Eは、図3Mに示すようにスリーブ24Mに形成された溝48Mと協働する。
【0102】
次に図7Fを参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマ58Fとして示されている。リーマ58Fは、このリーマ58Fが、リーマ58Fのキャビティ68F内に形成された内周部86Fから外方に延びる円周方向内部溝88Fを有している点を除き、図7Eに示すようなリーマ58Eとほぼ同じである。溝88Fは、例えば、図3Kの単一の突起24Kまたは図3Kのスリーブ24Kに形成されたリブ48Kと協働する。
【0103】
次に図7Gを参照すると、取り付け特徴部88が、詳細に示されている。取り付け特徴部88は、突起の形態をしていてもよく、あるいは、図7に示されているように、ばね押し戻り止めの形態をしていてもよい。
【0104】
ばね押し戻り止め88は、遠位キャビティ68の方向にばね付勢されるボール83を有している。ばね85および戻り止め88は、開口部87内に位置付けされる。戻り止め88は、ばね85を圧縮し、ボール83を内方に動かすことによりスリーブ24を受け入れる。次に、ばね85は、伸長してスリーブ24の溝48に係合してスリーブ24をリーマ58と共に取り出すことができるようになっている。
【0105】
戻り止め88のボール83は、図3Nに示すようにスリーブ24の溝48と協働する。溝、例えば図3Nの溝48と嵌合する戻り止め88を設けることにより、リーマ58は、スリーブ24が静止しまたは遠位ステム18に固定された状態で回転することができる。
【0106】
次に図8を参照すると、本発明によれば、リーマ組立体90が示されている。スリーブ24および案内ピン33は、近位リーマ58内に形成された近位内部キャビティ39内に位置付けされている。整形外科用インプラントステム18は、リーマ58の遠位キャビティ68内に位置付けされ、ステム18の近位部分20の外周部19は、スリーブ24の内周部32と嵌合する。スリーブの外周部26は、リーマ58の内周部86と回転可能に係合する。スリーブ24の固定特徴部48は、リーマ58の取り付け特徴部88に係合する。同様に、ステム18の固定特徴部56は、スリーブ24のロック特徴部46と連結する。
【0107】
次に図9を参照すると、本発明の更に別の実施形態が、リーマスリーブ組立体92として示されている。リーマスリーブ組立体92は、リーマ58およびスリーブ24を含む。図9に示すように、リーマスリーブ組立体は、リーマ58に形成されていて、スリーブ24に形成された溝48と協働する戻り止め88を有している。リーマ58の切れ刃70により画定された外周部71は、骨を大腿骨2の近位部分89から除去するために利用される。リーマ58の切れ刃70は、大腿骨2の近位部分89に腔91を準備する。近位腔91は、リーマ58の外周部71により定められる角度βにほぼ等しい角度αααにより定められる。
【0108】
次に図9を参照すると、スリーブ24のリップ42は、スリーブ24に形成された溝48および戻り止め88と協働してスリーブ24をリーマ58内に固定可能に位置付けすることは理解されるべきである。
【0109】
次に図10を参照すると、整形外科用インプラント近位コンポーネント90が、ステム18用として示されている。整形外科用インプラント近位コンポーネント90は、人工関節のヘッド96を受け入れる本体93を有している。本体93は、ステム18を受け入れる長さ方向開口部97を画定している。本体93は、リーマ58(図9参照)により大腿骨2の近位部分89に準備された開口部91内に嵌まるよう寸法決めされた外側部分98を更に画定している。
【0110】
次に図11を参照すると、本発明のリーマおよびリーマ組立体と共に用いられる股関節ステム組立体99が示されている。股関節ステム組立体99は、近位本体93がしっかりと固定された遠位インプラントステム18を有している。ステム18のテーパ付き部分20は、近位コンポーネント92の本体93に形成された長さ方向開口部97内に嵌め込まれる。ステム18のテーパ付き部分20は、ステム18のねじ山付き部分22上に形成された雄ねじ21を含んでもよい。ナット100の形態の締結具を用いると、ステム18のテーパ付き部分20を長さ方向開口部97内に完全に嵌め込むことを確実にすることができる。ナット100は、整形外科用ステム組立体99に取り付けられたままにしてもよく、あるいは、ステム18を近位コンポーネント92にいったんしっかりと嵌めると、取り外されてもよい。
【0111】
次に図12を参照すると、近位コンポーネント92が、詳細に示されている。図12に示すように、遠位コンポーネント18の近位部分20は、近位コンポーネント92の長さ方向開口部97内に嵌め込まれた状態で示されている。ステム18のねじ山付き部分22のねじ山21は、ナット100に係合し、ステムを引っ張ってこれを近位コンポーネント92に係合させる。近位コンポーネント92の外周部98は、近位リーマ58により形成された腔91内に嵌め込まれる。ネック94は、球形ボールの形態をしたヘッド96が固定的に嵌め込まれるテーパ付き外周部95を支持している。
【0112】
次に図13を参照すると、ステム組立体99のコンポーネントが、分解組立て図で示されている。ステム18、近位コンポーネント92、ヘッド96、およびナット100は、組み立て前のそれぞれの位置で示されている。図13に示すように、ステム18は、弧状の形を有している。本発明は、湾曲しまたは曲げられたステムを備えた整形外科用インプラントに用いるのに特に好適である。しかしながら、本発明は、真っ直ぐなまたは円筒形のもしくは線形のステムにも使用できることは理解されるべきである。湾曲したまたは弧状のステムを備えたインプラントを用いた場合、リーマは、遠位リーマのための遠位腔を準備すると同時に近位本体のための密に嵌合するリーミングされた部分を準備することができないことは理解されるべきである。というのは、これら2つのコンポーネントは、共通の中心線を備えておらず、かくして、これら2つのコンポーネントを同時にリーミングすることができないからである。
【0113】
次に図14を参照すると、人工股関節102の形態をした整形外科用インプラント組立体が示されている。人工股関節102は、ステム組立体99およびヘッド96を有している。シェルまたはカップ104を寛骨臼106に固定してもよい。カップまたはシェル104は、ヘッド96と直接嵌合してもよく、あるいは、ライナまたは支承体(bearing)108をカップ104とヘッド96との間に位置付けしてもよい。整形外科用インプラント102は、任意適当な材料で作ることができる。ステム99は、ヒトの解剖学的構造と適合性のある任意の適当な耐久性のある材料で作られてもよく、例えば金属で作られることができる。金属で作られる場合、整形外科用インプラントコンポーネントは、例えば、コバルトクロム合金、ステンレス鋼合金、またはチタン合金で作られてもよい。理解されるべきこととして、ライナまたは支承体108は、金属で作られてもよく、プラスチック、例えばポリエチレンで作られてもよい。
【0114】
次に図15を参照すると、トライアルネック110が、遠位インプラントステム18用に示されている。トライアルネック110は、近位コンポーネント92に取って代わっており、このトライアルネックを用いると、適正な近位コンポーネントが用いられることを確実にするように、トライアル整復を行うことができる。トライアルネック110とほぼ同じ近位インプラントが、トライアル整復をいったん実施し、近位トライアルネック110が適当であると分かると、置き換えられることになり、かくして、患者にとって適当な対応の近位コンポーネントが作られる。
【0115】
次に図16を参照すると、関節形成術を実施する際に用いられるキット112が提供されている。キット112は、近位リーマ58ならびにスリーブ24および遠位インプラントステム18を含む。キット112は、遠位リーマ8を更に含んでもよい。キット112は、近位トライアル110を更に含んでもよい。キット112は、近位インプラントコンポーネント92を更に含んでもよい。キット112は、案内ピン33を更に含んでもよい。
【0116】
本発明によれば、次に図17を参照すると、関節形成術を実施する方法220が提供されている。この方法220は、長骨の端部分を切除する第1のステップ222を有する。この方法220は、長骨の髄管に中央長さ方向開口部を準備する第2のステップ224を更に有する。この方法220は、人工ステムコンポーネントを用意する第3のステップ226、および人工ステムコンポーネントを髄管の開口部内に設置する第4のステップ228を更に有している。
【0117】
方法220は、人工ステムコンポーネントを受け入れる開口部を有するリーマを用意する第5のステップ230、およびリーマの開口部を少なくとも部分的に人工ステムコンポーネント上に位置付けした状態でリーマを人工ステムコンポーネント上に位置付けする第6のステップ232を更に有する。
【0118】
方法220は、リーマで長骨の一部をリーミングする第7のステップ234、およびリーマを取り外す第8のステップ236を更に有している。方法220は、人工本体コンポーネントを人工ステムコンポーネント上に設置する第9のステップ238を更に有している。
【0119】
本発明およびその利点を詳細に説明したが、特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更例、置換例および変形例を想到できることは理解されるべきである。
【0120】
〔実施の態様〕
(1)人工関節を植え込む際に用いられる腔の近位部分をリーミングするリーマであって、整形外科インプラントコンポーネントの近位部分と協働する、リーマにおいて、
本体であって、前記整形外科インプラントコンポーネントの少なくとも一部を受け入れるための、前記本体に形成された、キャビティを画定している、本体と、
前記本体から外方に延びていて、骨と協働するよう構成された複数の切れ刃と、
前記本体の端から延びるステムと、
を有する、リーマ。
(2)実施態様(1)記載のリーマにおいて、
前記本体の前記キャビティは、全体として円筒形の形を有する、リーマ。
(3)実施態様(1)記載のリーマにおいて、
前記整形外科用インプラントコンポーネントにスライド可能に嵌められているスリーブ、
を更に有し、
前記リーマの前記本体は、前記スリーブを前記本体に固定するための特徴部を有する、リーマ。
(4)実施態様(3)記載のリーマにおいて、
前記特徴部は、戻り止めを含む、リーマ。
(5)実施態様(1)記載のリーマにおいて、
前記複数の切れ刃は、円錐形に境界付けられる、リーマ。
【0121】
(6)人工関節の近位コンポーネントを植え込む際に用いられる腔の近位部分をリーミングするリーマ組立体であって、整形外科用インプラントステムの近位部分と協働する、リーマ組立体において、
スリーブであって、
前記スリーブは、前記スリーブの内周部を画定し、
前記スリーブが、前記整形外科用インプラントコンポーネントの前記近位部分に被さって嵌められることが可能であり、
前記スリーブが、前記スリーブの外周部を画定している、
スリーブと、
リーマであって、
前記スリーブの前記外周部の少なくとも一部分を受け入れるための、キャビティを画定する本体であって、前記キャビティは前記本体に形成されている、本体、
前記本体から外方に延びていて、骨と協働するよう構成された複数の切れ刃、および、
前記本体の端から延びるステム、
を含む、リーマと、
を有する、リーマ組立体。
(7)実施態様(6)記載のリーマ組立体において、
前記リーマの前記本体の前記キャビティは、全体として円筒形の形を有する、リーマ組立体。
(8)実施態様(6)記載のリーマ組立体において、
前記スリーブは、前記整形外科用インプラントコンポーネントにスライド可能に嵌められ、
前記リーマの前記本体は、前記スリーブを前記本体に固定するための特徴部を有する、リーマ組立体。
(9)実施態様(8)記載のリーマ組立体において、
前記特徴部は、キャビティを含む、リーマ組立体。
(10)実施態様(8)記載のリーマ組立体において、
前記特徴部は、突起を含む、リーマ組立体。
(11)実施態様(10)記載のリーマ組立体において、
前記特徴部は、戻り止めを含む、リーマ組立体。
【0122】
(12)実施態様(6)記載のリーマ組立体において、
前記複数の切れ刃は、切頭円錐形に境界付けられている、リーマ組立体。
(13)整形外科用インプラントステムおよび近位リーマと共に使用するスリーブにおいて、
前記スリーブは、前記整形外科用インプラントステムの近位部分に被さって嵌められることが可能であり、前記スリーブは、前記スリーブの外周部を画定している、スリーブ。
(14)実施態様(13)記載のスリーブにおいて、
前記本体の前記キャビティは、全体として円筒形の形を有する、スリーブ。
(15)実施態様(13)記載のスリーブにおいて、
前記スリーブは、前記整形外科用インプラントコンポーネントにスライド可能に嵌められ、
前記スリーブは、前記スリーブを前記整形外科用インプラントステムの前記近位部分に固定するための特徴部を有する、スリーブ。
(16)実施態様(15)記載のスリーブにおいて、
前記特徴部は、キャビティを含む、スリーブ。
(17)実施態様(15)記載のスリーブにおいて、
前記特徴部は、突起を含む、スリーブ。
(18)実施態様(15)記載のスリーブにおいて、
前記スリーブは、前記スリーブの外周部および前記スリーブの内周部を画定し、
前記内周部は、円錐形に境界付けられる、スリーブ。
【0123】
(19)関節形成術を実施する方法において、
長骨の端部分を切除するステップと、
前記長骨の髄管に中央長さ方向開口部を準備するステップと、
人工ステムコンポーネントを用意するステップと、
前記人工ステムコンポーネントを前記髄管の前記開口部内に設置するステップと、
前記人工ステムコンポーネントを受け入れる開口部を備えたリーマを用意するステップと、
前記リーマの前記開口部を少なくとも部分的に前記人工ステムコンポーネント上に位置付けした状態で前記リーマを前記人工ステムコンポーネント上に位置付けするステップと、
前記リーマで前記長骨の一部分をリーミングするステップと、
前記リーマを取り外すステップと、
人工本体コンポーネントを前記人工ステムコンポーネント上に設置するステップと、
を有する、方法。
(20)実施態様(19)記載の方法において、
本体トライアルを用意するステップと、
前記本体トライアルを前記人工ステムコンポーネントに取り付けるステップと、
トライアル整復を実施するステップと、
を更に有する、方法。
(21)実施態様(19)記載の方法において、
前記リーマと協働するスリーブを用意するステップ、
を更に有し、
前記リーマを前記人工ステムコンポーネント上に位置付けする前記ステップの実施前に、前記スリーブを前記人工ステムコンポーネント上に設置するステップ、
を更に有する、方法。
(22)実施態様(21)記載の方法において、
前記スリーブを前記人工ステムコンポーネントに設置する前記ステップは、前記スリーブを前記リーマにロックするステップを含む、方法。
(23)実施態様(19)記載の方法において、
前記リーマを取り外す前記ステップは、前記スリーブを前記リーマと共に取り出すステップを含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】長骨内の所定位置に設けられていて、長骨人工ステムを受け入れる骨髄管を前処理するリーマの平面図である。
【図2】本発明に用いられる図1のリーマにより前処理された髄管内の所定位置に設けられた湾曲した長骨遠位ステムインプラントの平面図である。
【図2A】本発明に用いられる図1のリーマにより前処理された髄管内の所定位置に設けられた真っ直ぐな長骨遠位ステムインプラントの平面図である。
【図3】図2の遠位長骨ステムに用いられる本発明の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3A】円筒形ボアおよび円筒形外周部を備えた本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3B】円筒形ボアおよびテーパした外周部を備える本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3C】本発明の別の実施形態に従って遠位長骨ステムに設けられた突起と嵌合するスリーブのボア内に設けられた凹部の部分平面図である。
【図3D】図3Cのスリーブの端面図であり、スリーブのボア内に設けられた凹部を示す図である。
【図3E】スリーブのボアに設けられた3つの互いに間隔を置いた凹部を有する本発明の別の実施形態としてのスリーブの端面図である。
【図3F】本発明の別の実施形態に従って遠位長骨ステムに設けられた凹部と嵌合するスリーブのボア内に設けられた突起の部分平面図である。
【図3G】図3Fのスリーブの端面図であり、スリーブのボア内に設けられた突起を示す図である。
【図3H】本発明の別の実施形態に従ってスリーブのボア内に設けられた3つの互いに間隔を置いた突起を有するスリーブの端面図である。
【図3I】スリーブの外周部に設けられた突起を有する本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3J】図3Iのスリーブの端面図であり、スリーブの外周部に設けられた突起を示す図である。
【図3K】スリーブの外周部に設けられた3つの互いに間隔を置いた突起を備える本発明の別の実施形態としてのスリーブの端面図である。
【図3L】スリーブの外周部に設けられたリブまたはリングを備える本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3M】スリーブの外周部に設けられた溝を有する本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3N】スリーブの外周部に設けられた溝を有すると共に円筒形ボアおよび円筒形外径を備えた本発明の別の実施形態としてのスリーブの平面図である。
【図3P】矢印の方向における3P−3P線矢視断面図である。
【図3Q】図3Nのスリーブの平面図である。
【図4】遠位インプラントスリーブ組立体を形成するよう図3Mのスリーブが図2の遠位インプラントステムに設置されている状態を示す、遠位インプラントステムの平面図である。
【図4A】本発明の別の実施形態に従って遠位インプラントスリーブ組立体を形成するよう図3Cのスリーブに用いられる外部突起が遠位インプラントステムに設置された状態を示す、遠位インプラントステムの平面図である。
【図4B】図4Aの遠位インプラントスリーブ組立体の端面図であり、遠位インプラントステムの周囲に設けられた突起を示す図である。
【図4C】本発明の別の実施形態に従って遠位インプラントスリーブ組立体を形成するよう図3Eのスリーブに用いられる3つの互いに間隔を置いた外側突起が遠位インプラントステムに設置された状態の遠位インプラントステムの端面図である。
【図4D】本発明の別の実施形態に従って遠位インプラントスリーブ組立体を形成するよう図3Fのスリーブに用いられる外部窪みが遠位インプラントステムに設置された状態の遠位インプラントステムの平面図である。
【図4E】図4Dの遠位インプラントスリーブ組立体の端面図であり、遠位インプラントステムの外部窪みに設けられた突起を示す図である。
【図4F】本発明の別の実施形態に従って遠位インプラントスリーブ組立体を形成するよう図3Hのスリーブに用いられる3つの互いに間隔を置いた外部窪みが遠位インプラントステムに設置された状態の遠位インプラントステムの端面図である。
【図4G】図4のインプラント/スリーブ組立体の平面図である。
【図4H】図3のスリーブを保護するよう図4の組立体に用いられる案内ピンの平面図である。
【図4I】図4Hの案内ピンが図4のインプラント/スリーブ組立体に組み付けられた状態のインプラント/スリーブ/ピン組立体の平面図である。
【図5】本発明の別の実施形態に従って図4Iのインプラント/スリーブ/ピン組立体に用いられるリーマの平面図である。
【図5A】円筒形外周部を備えた遠位ステムコンポーネントに用いられるリーマの平面図であり、リーマが、本発明の別の実施形態に従って円筒形開口部および円筒形周囲を有する状態を示す図である。
【図5B】円筒形外周部を備えた遠位ステムコンポーネントと共に使用されるリーマの平面図であり、リーマが、本発明の別の実施形態に従って円筒形開口部およびテーパ付き周囲を備えた状態を示す図である。
【図5C】本発明の別の実施形態に従って遠位ステムコンポーネントに用いられるリーマの平面図である。
【図6】図5のリーマの部分断面平面図である。
【図6A】図5Cのリーマの部分断面平面図である。
【図7】詳細に示された図5Cのリーマの部分断面平面図である。
【図7A】図7の部分平面図であり、ばね押し戻り止め(spring loaded detent)が、スリーブの外周部に設けられた溝と嵌合するようリーマのボア内に位置付けされた状態を詳細に示す図である。
【図7B】近位リーマの部分平面図であり、突起が、本発明の別の実施形態に従ってスリーブに設けられた溝と嵌合するようリーマのボア内に位置付けられた状態を示す図である。
【図7C】図7Bの近位リーマの端面図であり、リーマのボア内に位置付けられた突起を示す図である。
【図7D】図7Bの近位リーマの端面図であり、3つの互いに間隔を置いた突起が、本発明の別の実施形態に従ってリーマのボア内に位置付けられている状態を示す図である。
【図7E】近位リーマの部分平面図であり、リングが、本発明の別の実施形態に従ってスリーブに設けられた溝と嵌合するようリーマのボア内に位置付けられている状態を示す図である。
【図7F】近位リーマの部分平面図であり、溝が、本発明の別の実施形態に従ってスリーブに設けられた突起と嵌合するようリーマのボア内に位置付けられている状態を示す図である。
【図7G】詳細に示された図5のリーマの部分断面平面図である。
【図8】図4の遠位インプラント/スリーブ組立体上の所定位置に設けられた図5のリーマの部分断面平面図である。
【図9】本発明の別の実施形態に従ってリーマ/スリーブ組立体を形成するよう図3のスリーブが図5のリーマ上の所定位置に設けられた状態の図5のリーマの部分断面部分平面図である。
【図10】図2の遠位ステムインプラントに用いられる近位本体インプラントを示す図である。
【図11】図2の長骨遠位ステムインプラント上の所定位置に設けられた図10の近位本体インプラントを含む長骨インプラント組立体を示す図である。
【図12】図11の長骨インプラント組立体の拡大部分平面図であり、テーパ付き連結部を詳細に示す図である。
【図13】ヘッドを含む図11の長骨インプラント組立体の分解組立図である。
【図14】体内の所定位置に設けられた図13の長骨インプラント組立体の組立図である。
【図15】図2の長骨遠位ステムインプラントに用いられる近位トライアルコンポーネントを示す図である。
【図16】本発明の別の実施形態に従って関節置換術を行う際に用いられるキットを示す図である。
【図17】本発明の別の実施形態による外科手術手技のフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科用インプラントステムおよび近位リーマと共に使用するスリーブにおいて、
前記スリーブは、前記整形外科用インプラントステムの近位部分に被さって嵌められる内周部を画定するボアを含み、前記スリーブは、リーマのキャビティ内に嵌まる外周部を画定し、
前記スリーブの前記内周部は、整形外科用インプラントステムの外側テーパ付き近位部分と締り嵌めを形成するように成形される、スリーブ。
【請求項2】
請求項1記載のスリーブにおいて、
前記スリーブは、全体として円筒形である、スリーブ。
【請求項3】
請求項1記載のスリーブにおいて、
前記スリーブの前記内周部は、整形外科用インプラントステムに接続されたときにロック用テーパ部を提供するように構成されたテーパ付き部分を有する、スリーブ。
【請求項4】
請求項1記載のスリーブにおいて、
前記スリーブの前記内周部は、円筒形である、スリーブ。
【請求項5】
請求項1記載のスリーブにおいて、
前記スリーブの前記内周部は、前記スリーブを整形外科用インプラントステムの近位部分にしっかりと固定するように構成された凹みを含む、スリーブ。
【請求項6】
請求項1記載のスリーブにおいて、
前記スリーブの前記内周部の特徴部は、前記スリーブを整形外科用インプラントステムの近位部分にしっかりと固定するように構成された突起を含む、スリーブ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載のスリーブにおいて、
前記スリーブは、リーマが前記スリーブに対してテーパロックを形成するのを阻止するように構成された環状外側リングまたはリップを有する、スリーブ。
【請求項8】
人工関節の近位コンポーネントを植え込む際に用いられる腔の近位部分をリーミングするリーマ組立体であって、整形外科用インプラントステムの外側テーパ付き近位部分と協働する、リーマ組立体において、
請求項1記載のスリーブと、
リーマであって、
前記スリーブの前記外周部の少なくとも一部分を受け入れるためのキャビティを画定する本体であって、前記キャビティは前記本体に形成されている、本体、
前記本体から外方に延びていて、骨と協働するよう構成された複数の切れ刃、および、
前記本体の端から延びるステム、
を含む、リーマと、
を有する、リーマ組立体。
【請求項9】
請求項8記載のリーマ組立体において、
前記スリーブは、前記整形外科用インプラントコンポーネントにスライド可能に嵌められ、
前記リーマの前記本体は、前記スリーブを前記本体に固定するための特徴部を有する、リーマ組立体。
【請求項10】
請求項9記載のリーマ組立体において、
前記特徴部は、キャビティを含む、リーマ組立体。
【請求項11】
請求項10記載のリーマ組立体において、
前記特徴部は、突起を含む、リーマ組立体。
【請求項12】
請求項11記載のリーマ組立体において、
前記複数の切れ刃は、切頭円錐形に境界付けられている、リーマ組立体。
【請求項13】
請求項8記載のリーマ組立体において、
前記リーマの前記本体の前記キャビティは、全体として円筒形の形を有する、リーマ組立体。
【請求項1】
整形外科用インプラントステムおよび近位リーマと共に使用するスリーブにおいて、
前記スリーブは、前記整形外科用インプラントステムの近位部分に被さって嵌められる内周部を画定するボアを含み、前記スリーブは、リーマのキャビティ内に嵌まる外周部を画定し、
前記スリーブの前記内周部は、整形外科用インプラントステムの外側テーパ付き近位部分と締り嵌めを形成するように成形される、スリーブ。
【請求項2】
請求項1記載のスリーブにおいて、
前記スリーブは、全体として円筒形である、スリーブ。
【請求項3】
請求項1記載のスリーブにおいて、
前記スリーブの前記内周部は、整形外科用インプラントステムに接続されたときにロック用テーパ部を提供するように構成されたテーパ付き部分を有する、スリーブ。
【請求項4】
請求項1記載のスリーブにおいて、
前記スリーブの前記内周部は、円筒形である、スリーブ。
【請求項5】
請求項1記載のスリーブにおいて、
前記スリーブの前記内周部は、前記スリーブを整形外科用インプラントステムの近位部分にしっかりと固定するように構成された凹みを含む、スリーブ。
【請求項6】
請求項1記載のスリーブにおいて、
前記スリーブの前記内周部の特徴部は、前記スリーブを整形外科用インプラントステムの近位部分にしっかりと固定するように構成された突起を含む、スリーブ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載のスリーブにおいて、
前記スリーブは、リーマが前記スリーブに対してテーパロックを形成するのを阻止するように構成された環状外側リングまたはリップを有する、スリーブ。
【請求項8】
人工関節の近位コンポーネントを植え込む際に用いられる腔の近位部分をリーミングするリーマ組立体であって、整形外科用インプラントステムの外側テーパ付き近位部分と協働する、リーマ組立体において、
請求項1記載のスリーブと、
リーマであって、
前記スリーブの前記外周部の少なくとも一部分を受け入れるためのキャビティを画定する本体であって、前記キャビティは前記本体に形成されている、本体、
前記本体から外方に延びていて、骨と協働するよう構成された複数の切れ刃、および、
前記本体の端から延びるステム、
を含む、リーマと、
を有する、リーマ組立体。
【請求項9】
請求項8記載のリーマ組立体において、
前記スリーブは、前記整形外科用インプラントコンポーネントにスライド可能に嵌められ、
前記リーマの前記本体は、前記スリーブを前記本体に固定するための特徴部を有する、リーマ組立体。
【請求項10】
請求項9記載のリーマ組立体において、
前記特徴部は、キャビティを含む、リーマ組立体。
【請求項11】
請求項10記載のリーマ組立体において、
前記特徴部は、突起を含む、リーマ組立体。
【請求項12】
請求項11記載のリーマ組立体において、
前記複数の切れ刃は、切頭円錐形に境界付けられている、リーマ組立体。
【請求項13】
請求項8記載のリーマ組立体において、
前記リーマの前記本体の前記キャビティは、全体として円筒形の形を有する、リーマ組立体。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【図3K】
【図3L】
【図3M】
【図3N】
【図3P】
【図3Q】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【図3K】
【図3L】
【図3M】
【図3N】
【図3P】
【図3Q】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−213661(P2012−213661A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180081(P2012−180081)
【出願日】平成24年8月15日(2012.8.15)
【分割の表示】特願2007−254157(P2007−254157)の分割
【原出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(501384115)デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド (216)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月15日(2012.8.15)
【分割の表示】特願2007−254157(P2007−254157)の分割
【原出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(501384115)デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド (216)
【Fターム(参考)】
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