返信用葉書付きメールフォームとその使用方法
【課題】送付された返信用葉書付きメールフォームに一体化された状態で形成された保護紙片で返信情報を保護する返信用葉書付きメールフォームを提供する。
【解決手段】返信用葉書付きメールフォームを受け取った後、返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信するための返信用葉書付きメールフォームであって、返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片と、隣合う保護紙片と返信用葉書紙片の三紙片が折畳みミシン部で連接され、返信用葉書紙片の送信情報記載面には、少なくとも葉書サイズに自己発色層，再剥離再貼付可能な接着剤層が順次形成され、前記粘着剤層の表出面は、返信情報記載欄が形成された剥離紙で被覆され、前記剥離紙の端部は、接着剤で返信用葉書付きメールフォーム基紙に固定された返信用葉書付きメールフォームを提供する。
【解決手段】返信用葉書付きメールフォームを受け取った後、返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信するための返信用葉書付きメールフォームであって、返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片と、隣合う保護紙片と返信用葉書紙片の三紙片が折畳みミシン部で連接され、返信用葉書紙片の送信情報記載面には、少なくとも葉書サイズに自己発色層，再剥離再貼付可能な接着剤層が順次形成され、前記粘着剤層の表出面は、返信情報記載欄が形成された剥離紙で被覆され、前記剥離紙の端部は、接着剤で返信用葉書付きメールフォーム基紙に固定された返信用葉書付きメールフォームを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信するための返信用葉書付きメールフォームとその使用方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、印字、または、印刷によって表示された情報を漏洩や、改竄から護るためにさまざまな方法や、対応媒体が提供されている。
その一つに、スクラッチインキによる情報の秘匿方法がある。
この方法は、例えばスクラッチ籤のように、スクラッチインキで印刷された部分を削り取ってインキの下に印刷されている文字や、数字を表出し、当たり外れを判定するものである。
また、複数枚の透明フィルムを積層した積層フィルムラベルをプリンタや、印刷によって表示した文言や、数字の上から貼付して情報を秘匿する方法がある。
この方法は、透明なフィルムの間で剥離させ、文字や、数字を可視状態にするものである。
そこで、被着体に形成された情報を隠すために当該被着体に貼り合わされるラベルであって、基材の内面側に脆質層を有した層を形成し、情報を覆う部分は非接着状態にするとともに、その非接着部分の両側に間隔を置いて破断線を設けた情報隠蔽ラベルが提供されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−５５６１８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１に記載されている技術は、隠蔽ラベル自体の偽造防止性が不十分で、同様の外観をもつ偽造，模造，変造品が容易に製造される危険性がある。
そこで本発明は、送付された返信用葉書付きメールフォームに一体化された状態で形成された保護紙片で返信情報を保護する返信用葉書付きメールフォームを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
前記課題の目的を達成するために、本発明の返信用葉書付きメールフォームの第一の態様は、返信用葉書付きメールフォームを受け取った後、返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信するための返信用葉書付きメールフォームであって、返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片と、隣合う保護紙片と返信用葉書紙片の三紙片が折畳みミシン部で連接され、返信用葉書紙片の送信情報記載面には、少なくとも葉書サイズに自己発色層，再剥離再貼付可能な接着剤層（以下、粘着剤層という）が順次形成され、前記粘着剤層の表出面は、返信情報記載欄が形成された剥離紙で被覆され、前記剥離紙の端部は、接着剤で返信用葉書付きメールフォーム基紙に固定されたことを特徴とするものである。
【０００６】
また、第二の態様は、第一の態様において、剥離紙は、顧客控紙片であることを特徴とするものである。
【０００７】
また、第三の態様は、第一，第二何れかの態様の返信用葉書付きメールフォームの使用方法であって、少なくとも、返信用葉書付きメールフォームを受け取って返信用葉書付きメールフォームを開封するステップと、剥離紙表出面の返信情報記載欄に返信情報を記載するステップと、剥離紙を剥がして剥離紙を顧客控紙片として保管するステップと、保護紙片と返信用葉書紙片を折畳みミシン部で折畳み返信用葉書紙片の露出した粘着剤面に保護紙片を貼り合わせるステップと、葉書として送付するステップと、からなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００８】
１）本発明の返信用葉書付きメールフォームの第一の態様のように、返信用葉書付きメールフォームを受け取った後、返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信するための返信用葉書付きメールフォームであって、返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片と、隣合う保護紙片と返信用葉書紙片の三紙片が折畳みミシン部で連接され、返信用葉書紙片の送信情報記載面には、少なくとも葉書サイズに自己発色層，粘着剤層が順次形成され、前記粘着剤層の表出面は、返信情報記載欄が形成された剥離紙で被覆され、前記剥離紙の端部は、接着剤で返信用葉書付きメールフォームの基紙に固定されたことによって、また、第二の態様のように剥離紙は顧客控紙片であることによって、往信情報をプリンタで印字した後、通常の三つ折封筒作製装置（圧着シーラー）によって封筒化でき、返信用葉書付きメールフォームを受け取った者は、開封して、返信情報を所定の記載欄に記載した後、記載紙片を控として残し、自己発色層に複写された記載情報を、隣接する保護紙片によって被覆し、記載した情報を保護された状態で返信することができる。
２）第三の態様のように、第一，第二何れかの態様の返信用葉書付きメールフォームの使用方法であって、少なくとも、返信用葉書付きメールフォームを受け取って返信用葉書付きメールフォームを開封するステップと、剥離紙表出面の返信情報記載欄に返信情報を記載するステップと、剥離紙を剥がして剥離紙を顧客控紙片として保管するステップと、保護紙片と返信用葉書紙片を折畳みミシン部で折畳み返信用葉書紙片の露出した粘着剤面に保護紙片を貼り合わせるステップと、葉書として送付するステップと、からなることによって、受け取った者は、開封して、返信情報を所定の記載欄に記載した後、記載紙片を控として残し、自己発色層に複写された記載情報を保護した状態で送付することができる。
また、返信情報が記載された返信用葉書紙片を隣接する保護紙片によって被覆する際に隣接する折畳み線で折り畳まれるために、保護紙片を返信用葉書紙片に正確に貼り合わせることができ、簡単な動作で規格を満足させた葉書として返信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
以下、図面を参照して、本発明の返信用葉書付きメールフォームについて説明する。
図１は、本発明の返信用葉書付きメールフォームの一例について説明するための図、図２は、図１のＡ−Ａ線断面について説明するための図、図３は、図１の返信用葉書付きメールフォームに返信情報を記載して顧客控を剥がし取った状態について説明するための図、図４は、返信用葉書付きメールフォームの使用方法の一例について説明するための図、図５は、保護紙片と返信用葉書紙片を貼り合わせた後、不要部分を切り取って葉書にする手順について説明するための図、である。
【００１０】
図１を参照して、本発明の返信用葉書付きメールフォームの一例について説明する。
本発明の返信用葉書付きメールフォームが送付された後、受け取った者は返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信する。
返信用葉書付きメールフォーム１は、左側の往信宛先表示紙片１３と、中央の保護紙片１１と、右側の返信用葉書紙片１２の三紙片が折畳みミシン部３１で連接されている。
返信用葉書紙片１２の送信情報記載面には、図示しないが、葉書サイズ又は全面に渡って、自己発色層及び粘着剤層が形成されている。
また、前記粘着剤層の表出面は、返信情報記載欄が形成された剥離紙で被覆されている。
更に、前記剥離紙の端部は、線状に形成された接着剤で返信用葉書付きメールフォーム基紙の一端部に固定されている。
【００１１】
図に示すように、返信用葉書付きメールフォーム１は、Ｚ状に折り畳んで貼り合わせる通称「三つ折メールフォーム」の形態を成している。
往信宛先表示紙片１３と保護紙片１１と返信用葉書紙片１２は、折畳みミシン３１で連接され、往信宛先表示紙片１３は外側に折り畳まれて保護紙片１１の裏側で貼り合わされ、保護紙片１１の表側は折畳みミシンで内側に折り畳まれて返信用葉書紙片１２の情報記載面と貼り合わされる。
前記何れの紙片も、周縁部の再剥離再貼付不可能な接着部（以下、感圧接着部という）２（図示しないが、往信宛先表示紙片１３の裏側と保護紙片１１の裏側にも、保護紙片１１の表側と返信用葉書紙片１２の表側に形成されているパターンの感圧接着部が設けられている）によって封止され封筒化される。
【００１２】
図に示すように、保護紙片１１の往信宛先表示紙片１３の往信宛先情報「東京都新宿区・・」がプリントされた面と同一面には、「１．右面のご回答欄に氏名，現住所，新住所を記載してください。」，「２．右面下の矢印部分からお客様控を剥し、粘着面にこの面を貼り合せてください。」，「３．ミシン目で切り取り、ハガキ部分のみ投函してください。」，「４．剥したお客様控はお客様で保管してください。」等の返信用葉書付きメールフォームの使用方法が記載されている。
また、返信用葉書紙片１２の、前記同一面には控紙片１４が貼り合わされている。
図示しないが、控紙片１４の裏側には剥離剤が形成され、剥離剤の裏側に形成された粘着剤から控紙片１４を剥離できるようになっている。
返信用葉書紙片１２の基紙の控紙片１４側には、筆圧によって発色する自己発色剤が形成され、前述の控紙片１４の表面に記載された「ご回答」情報、例えば、「氏名」，「現住所」，「新住所」などの情報が複写されるようになっている。
図示していないが、控紙片１４の剥離紙基材と、返信用葉書紙片１２の基紙は図の右側端部で接着剤によって固定されている。
【００１３】
保護紙片１１，返信用葉書紙片１２，控紙片１４の周縁には破線で示す切取りミシン３２が形成されている。また、往信宛先表示紙片１３には、一辺を除いて三辺の周縁に前記と同様な切取りミシン３２が形成されている。
また、保護紙片１１と返信用葉書紙片１２には葉書サイズに切り取るための切取りミシン３３が形成されている。
【００１４】
図２を参照して、図１のＡ−Ａ線断面について説明する。
本発明の返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片１３と、保護紙片１１と返信用葉書紙片１２の三紙片が折畳みミシン部３１で連接された構成になっており、返信用葉書紙片１２には、自己発色層６，粘着剤層５，剥離剤層１４２，剥離紙基材１４１が形成されている。
剥離紙基材１４１の表面強度が大きい場合は、剥離剤層１４２は省略することもできる。
また、剥離紙基材１４１の表出面には図示しないが、返信情報記載欄が形成されている。また、剥離紙基材１４１の端部は、接着剤４で返信用葉書付きメールフォーム基紙１００の端部に固定されている。
剥離紙基材１４１の表出面に返信情報が記載された後、剥離紙基材１４１は剥離剤層１４２を伴って、控紙片１４として引き剥がされる。
【００１５】
また、返信用葉書付きメールフォーム基紙１００には、切取りミシン３２が返信用葉書紙片１２の右端部と、それぞれの折畳みミシン３１の両側に形成されている。
また、感圧接着剤２が、返信用葉書付きメールフォーム基紙１００の両面と、控紙片１４の表出面にパターン状に形成されている。
【００１６】
図３を参照して、図１の返信用葉書付きメールフォームに返信情報を記載して、顧客控を剥がし取った状態について説明する。
返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片１３に記載された受取人にａ図に示す状態で配達される。
返信用葉書付きメールフォームを受け取った者は、縦と横、三箇所の切取りミシン３２の部分で開封する。
ｂ図は、開封された返信用葉書付きメールフォームの、保護紙片１１と返信用葉書紙片１２が形成された面を示している。
保護紙片１１に記載された「記入方法」に従って、控紙片１４の返信情報記載欄に「氏名」，「現住所」，「新住所」等の返信情報を記載する。
次に、控紙片１４に印刷された矢印部分から控紙片１４を剥がし取って保管する。返信用葉書紙片１２面には、斜線で示す粘着剤５が形成された面が露出する。
露出した粘着剤５が形成された面を介して返信用葉書紙片１２面に複写された返信情報７を確認する。
【００１７】
図４を参照して、返信用葉書付きメールフォームの使用方法の一例について説明する。
返信用葉書紙片１２を折畳みミシン部で再度折畳み、返信用葉書紙片の露出した粘着剤面を保護紙片１１に貼り合わせる。
保護紙片１１を折畳みミシン部３１で折畳み、返信用葉書紙片１２の露出した粘着剤面に貼り合わせてもよい。
【００１８】
図４の一部と図５を参照して、保護紙片と返信用葉書紙片を貼り合わせた後、不要部分を切り取って葉書にする手順について説明する。
返信用葉書紙片１２の裏側には、隠し地紋、または、図柄、文字などが印刷されている。図示しないが、保護紙片１１の裏側（「ご記入方法」記載面の裏側）には「返信先住所」，「返信先名」が印刷されている。
図に示すように、（指を使って）最初に縦ミシン３２の部分で切取り、次に横ミシン３３の部分で切り取る。
葉書サイズになった返信用葉書紙片を返信用葉書送付先に送付する。
【００１９】
返信用葉書送付先では、保護紙片１１を粘着剤層から剥がして、記載された返信情報を確認する。
【００２０】
（材料）
図２を参照して、本発明の返信用葉書付きメールフォームに使用される材料の一例について説明する。
返信用葉書付きメールフォーム基紙１００として、１６０ｇ／ｍ2の上質紙，コート紙，クラフト紙などから選択して使用する。
接着剤４として、澱粉系，酢酸ビニル系，ＥＶＡ系，ポリウレタン系，ポリビニルアルコール系，アクリル系その他から選択して使用する。
粘着剤５として、粘着剤に微球を添加したものや、粘着剤に硬化剤を添加したタイプ、例えば、２ＥＨＡ（２エチルヘキシルアクリレート）等のガラス転移温度が低いアクリル樹脂をエマルジョン化したものを使用する。
感圧接着剤２として、例えば、特開平８−１７６５２６に記載の感圧接着剤を使用する。
剥離剤１４２として、オフセットインキでは、ＵＶインキにシリコーンオイルを添加したものや、シリコーンアクリレートを添加したものを使用する。オフセットインキ以外に、通常の白金触媒を利用する熱硬化型剥離インキを使用することもできる。
剥離紙基材１４１として、６４ｇ／ｍ2の上質紙，コート紙，クラフト紙などから選択して使用する。
自己発色剤として、カプセルに内包された発色剤と顕色剤を混ぜ合わせた市販の材料を使用する（例えば、三菱製紙製セルフコピーグリーン）。
【産業上の利用可能性】
【００２１】
記載した情報が保護されるべき情報で、且つ、送付を伴う帳票や返信用葉書付きメールフォーム等に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明の返信用葉書付きメールフォームの一例について説明するための図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線断面について説明するための図である。
【図３】図１の返信用葉書付きメールフォームに返信情報を記載して顧客控を剥がし取った状態について説明するための図である。
【図４】返信用葉書付きメールフォームの使用方法の一例について説明するための図である。
【図５】保護紙片と返信用葉書紙片を貼り合わせた後、不要部分を切り取って葉書にする手順について説明するための図である。
【符号の説明】
【００２３】
１ 本発明の返信用葉書付きメールフォーム
２ 感圧接着部，感圧接着剤
４ 接着部，接着剤
５ 粘着剤層，粘着剤
６ 自己発色層，自己発色構造，自己発色剤
７ 返信情報
１１ 保護紙片
１２ 返信用葉書紙片
１３ 往信宛先表示紙片
１４ 控紙片，剥離紙
３１ 折畳みミシン
３２，３３ 切取りミシン
１００ 返信用葉書付きメールフォーム基紙
１４１ 剥離紙基材
１４２ 剥離剤
【技術分野】
【０００１】
本発明は、返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信するための返信用葉書付きメールフォームとその使用方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、印字、または、印刷によって表示された情報を漏洩や、改竄から護るためにさまざまな方法や、対応媒体が提供されている。
その一つに、スクラッチインキによる情報の秘匿方法がある。
この方法は、例えばスクラッチ籤のように、スクラッチインキで印刷された部分を削り取ってインキの下に印刷されている文字や、数字を表出し、当たり外れを判定するものである。
また、複数枚の透明フィルムを積層した積層フィルムラベルをプリンタや、印刷によって表示した文言や、数字の上から貼付して情報を秘匿する方法がある。
この方法は、透明なフィルムの間で剥離させ、文字や、数字を可視状態にするものである。
そこで、被着体に形成された情報を隠すために当該被着体に貼り合わされるラベルであって、基材の内面側に脆質層を有した層を形成し、情報を覆う部分は非接着状態にするとともに、その非接着部分の両側に間隔を置いて破断線を設けた情報隠蔽ラベルが提供されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−５５６１８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１に記載されている技術は、隠蔽ラベル自体の偽造防止性が不十分で、同様の外観をもつ偽造，模造，変造品が容易に製造される危険性がある。
そこで本発明は、送付された返信用葉書付きメールフォームに一体化された状態で形成された保護紙片で返信情報を保護する返信用葉書付きメールフォームを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
前記課題の目的を達成するために、本発明の返信用葉書付きメールフォームの第一の態様は、返信用葉書付きメールフォームを受け取った後、返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信するための返信用葉書付きメールフォームであって、返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片と、隣合う保護紙片と返信用葉書紙片の三紙片が折畳みミシン部で連接され、返信用葉書紙片の送信情報記載面には、少なくとも葉書サイズに自己発色層，再剥離再貼付可能な接着剤層（以下、粘着剤層という）が順次形成され、前記粘着剤層の表出面は、返信情報記載欄が形成された剥離紙で被覆され、前記剥離紙の端部は、接着剤で返信用葉書付きメールフォーム基紙に固定されたことを特徴とするものである。
【０００６】
また、第二の態様は、第一の態様において、剥離紙は、顧客控紙片であることを特徴とするものである。
【０００７】
また、第三の態様は、第一，第二何れかの態様の返信用葉書付きメールフォームの使用方法であって、少なくとも、返信用葉書付きメールフォームを受け取って返信用葉書付きメールフォームを開封するステップと、剥離紙表出面の返信情報記載欄に返信情報を記載するステップと、剥離紙を剥がして剥離紙を顧客控紙片として保管するステップと、保護紙片と返信用葉書紙片を折畳みミシン部で折畳み返信用葉書紙片の露出した粘着剤面に保護紙片を貼り合わせるステップと、葉書として送付するステップと、からなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００８】
１）本発明の返信用葉書付きメールフォームの第一の態様のように、返信用葉書付きメールフォームを受け取った後、返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信するための返信用葉書付きメールフォームであって、返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片と、隣合う保護紙片と返信用葉書紙片の三紙片が折畳みミシン部で連接され、返信用葉書紙片の送信情報記載面には、少なくとも葉書サイズに自己発色層，粘着剤層が順次形成され、前記粘着剤層の表出面は、返信情報記載欄が形成された剥離紙で被覆され、前記剥離紙の端部は、接着剤で返信用葉書付きメールフォームの基紙に固定されたことによって、また、第二の態様のように剥離紙は顧客控紙片であることによって、往信情報をプリンタで印字した後、通常の三つ折封筒作製装置（圧着シーラー）によって封筒化でき、返信用葉書付きメールフォームを受け取った者は、開封して、返信情報を所定の記載欄に記載した後、記載紙片を控として残し、自己発色層に複写された記載情報を、隣接する保護紙片によって被覆し、記載した情報を保護された状態で返信することができる。
２）第三の態様のように、第一，第二何れかの態様の返信用葉書付きメールフォームの使用方法であって、少なくとも、返信用葉書付きメールフォームを受け取って返信用葉書付きメールフォームを開封するステップと、剥離紙表出面の返信情報記載欄に返信情報を記載するステップと、剥離紙を剥がして剥離紙を顧客控紙片として保管するステップと、保護紙片と返信用葉書紙片を折畳みミシン部で折畳み返信用葉書紙片の露出した粘着剤面に保護紙片を貼り合わせるステップと、葉書として送付するステップと、からなることによって、受け取った者は、開封して、返信情報を所定の記載欄に記載した後、記載紙片を控として残し、自己発色層に複写された記載情報を保護した状態で送付することができる。
また、返信情報が記載された返信用葉書紙片を隣接する保護紙片によって被覆する際に隣接する折畳み線で折り畳まれるために、保護紙片を返信用葉書紙片に正確に貼り合わせることができ、簡単な動作で規格を満足させた葉書として返信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
以下、図面を参照して、本発明の返信用葉書付きメールフォームについて説明する。
図１は、本発明の返信用葉書付きメールフォームの一例について説明するための図、図２は、図１のＡ−Ａ線断面について説明するための図、図３は、図１の返信用葉書付きメールフォームに返信情報を記載して顧客控を剥がし取った状態について説明するための図、図４は、返信用葉書付きメールフォームの使用方法の一例について説明するための図、図５は、保護紙片と返信用葉書紙片を貼り合わせた後、不要部分を切り取って葉書にする手順について説明するための図、である。
【００１０】
図１を参照して、本発明の返信用葉書付きメールフォームの一例について説明する。
本発明の返信用葉書付きメールフォームが送付された後、受け取った者は返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信する。
返信用葉書付きメールフォーム１は、左側の往信宛先表示紙片１３と、中央の保護紙片１１と、右側の返信用葉書紙片１２の三紙片が折畳みミシン部３１で連接されている。
返信用葉書紙片１２の送信情報記載面には、図示しないが、葉書サイズ又は全面に渡って、自己発色層及び粘着剤層が形成されている。
また、前記粘着剤層の表出面は、返信情報記載欄が形成された剥離紙で被覆されている。
更に、前記剥離紙の端部は、線状に形成された接着剤で返信用葉書付きメールフォーム基紙の一端部に固定されている。
【００１１】
図に示すように、返信用葉書付きメールフォーム１は、Ｚ状に折り畳んで貼り合わせる通称「三つ折メールフォーム」の形態を成している。
往信宛先表示紙片１３と保護紙片１１と返信用葉書紙片１２は、折畳みミシン３１で連接され、往信宛先表示紙片１３は外側に折り畳まれて保護紙片１１の裏側で貼り合わされ、保護紙片１１の表側は折畳みミシンで内側に折り畳まれて返信用葉書紙片１２の情報記載面と貼り合わされる。
前記何れの紙片も、周縁部の再剥離再貼付不可能な接着部（以下、感圧接着部という）２（図示しないが、往信宛先表示紙片１３の裏側と保護紙片１１の裏側にも、保護紙片１１の表側と返信用葉書紙片１２の表側に形成されているパターンの感圧接着部が設けられている）によって封止され封筒化される。
【００１２】
図に示すように、保護紙片１１の往信宛先表示紙片１３の往信宛先情報「東京都新宿区・・」がプリントされた面と同一面には、「１．右面のご回答欄に氏名，現住所，新住所を記載してください。」，「２．右面下の矢印部分からお客様控を剥し、粘着面にこの面を貼り合せてください。」，「３．ミシン目で切り取り、ハガキ部分のみ投函してください。」，「４．剥したお客様控はお客様で保管してください。」等の返信用葉書付きメールフォームの使用方法が記載されている。
また、返信用葉書紙片１２の、前記同一面には控紙片１４が貼り合わされている。
図示しないが、控紙片１４の裏側には剥離剤が形成され、剥離剤の裏側に形成された粘着剤から控紙片１４を剥離できるようになっている。
返信用葉書紙片１２の基紙の控紙片１４側には、筆圧によって発色する自己発色剤が形成され、前述の控紙片１４の表面に記載された「ご回答」情報、例えば、「氏名」，「現住所」，「新住所」などの情報が複写されるようになっている。
図示していないが、控紙片１４の剥離紙基材と、返信用葉書紙片１２の基紙は図の右側端部で接着剤によって固定されている。
【００１３】
保護紙片１１，返信用葉書紙片１２，控紙片１４の周縁には破線で示す切取りミシン３２が形成されている。また、往信宛先表示紙片１３には、一辺を除いて三辺の周縁に前記と同様な切取りミシン３２が形成されている。
また、保護紙片１１と返信用葉書紙片１２には葉書サイズに切り取るための切取りミシン３３が形成されている。
【００１４】
図２を参照して、図１のＡ−Ａ線断面について説明する。
本発明の返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片１３と、保護紙片１１と返信用葉書紙片１２の三紙片が折畳みミシン部３１で連接された構成になっており、返信用葉書紙片１２には、自己発色層６，粘着剤層５，剥離剤層１４２，剥離紙基材１４１が形成されている。
剥離紙基材１４１の表面強度が大きい場合は、剥離剤層１４２は省略することもできる。
また、剥離紙基材１４１の表出面には図示しないが、返信情報記載欄が形成されている。また、剥離紙基材１４１の端部は、接着剤４で返信用葉書付きメールフォーム基紙１００の端部に固定されている。
剥離紙基材１４１の表出面に返信情報が記載された後、剥離紙基材１４１は剥離剤層１４２を伴って、控紙片１４として引き剥がされる。
【００１５】
また、返信用葉書付きメールフォーム基紙１００には、切取りミシン３２が返信用葉書紙片１２の右端部と、それぞれの折畳みミシン３１の両側に形成されている。
また、感圧接着剤２が、返信用葉書付きメールフォーム基紙１００の両面と、控紙片１４の表出面にパターン状に形成されている。
【００１６】
図３を参照して、図１の返信用葉書付きメールフォームに返信情報を記載して、顧客控を剥がし取った状態について説明する。
返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片１３に記載された受取人にａ図に示す状態で配達される。
返信用葉書付きメールフォームを受け取った者は、縦と横、三箇所の切取りミシン３２の部分で開封する。
ｂ図は、開封された返信用葉書付きメールフォームの、保護紙片１１と返信用葉書紙片１２が形成された面を示している。
保護紙片１１に記載された「記入方法」に従って、控紙片１４の返信情報記載欄に「氏名」，「現住所」，「新住所」等の返信情報を記載する。
次に、控紙片１４に印刷された矢印部分から控紙片１４を剥がし取って保管する。返信用葉書紙片１２面には、斜線で示す粘着剤５が形成された面が露出する。
露出した粘着剤５が形成された面を介して返信用葉書紙片１２面に複写された返信情報７を確認する。
【００１７】
図４を参照して、返信用葉書付きメールフォームの使用方法の一例について説明する。
返信用葉書紙片１２を折畳みミシン部で再度折畳み、返信用葉書紙片の露出した粘着剤面を保護紙片１１に貼り合わせる。
保護紙片１１を折畳みミシン部３１で折畳み、返信用葉書紙片１２の露出した粘着剤面に貼り合わせてもよい。
【００１８】
図４の一部と図５を参照して、保護紙片と返信用葉書紙片を貼り合わせた後、不要部分を切り取って葉書にする手順について説明する。
返信用葉書紙片１２の裏側には、隠し地紋、または、図柄、文字などが印刷されている。図示しないが、保護紙片１１の裏側（「ご記入方法」記載面の裏側）には「返信先住所」，「返信先名」が印刷されている。
図に示すように、（指を使って）最初に縦ミシン３２の部分で切取り、次に横ミシン３３の部分で切り取る。
葉書サイズになった返信用葉書紙片を返信用葉書送付先に送付する。
【００１９】
返信用葉書送付先では、保護紙片１１を粘着剤層から剥がして、記載された返信情報を確認する。
【００２０】
（材料）
図２を参照して、本発明の返信用葉書付きメールフォームに使用される材料の一例について説明する。
返信用葉書付きメールフォーム基紙１００として、１６０ｇ／ｍ2の上質紙，コート紙，クラフト紙などから選択して使用する。
接着剤４として、澱粉系，酢酸ビニル系，ＥＶＡ系，ポリウレタン系，ポリビニルアルコール系，アクリル系その他から選択して使用する。
粘着剤５として、粘着剤に微球を添加したものや、粘着剤に硬化剤を添加したタイプ、例えば、２ＥＨＡ（２エチルヘキシルアクリレート）等のガラス転移温度が低いアクリル樹脂をエマルジョン化したものを使用する。
感圧接着剤２として、例えば、特開平８−１７６５２６に記載の感圧接着剤を使用する。
剥離剤１４２として、オフセットインキでは、ＵＶインキにシリコーンオイルを添加したものや、シリコーンアクリレートを添加したものを使用する。オフセットインキ以外に、通常の白金触媒を利用する熱硬化型剥離インキを使用することもできる。
剥離紙基材１４１として、６４ｇ／ｍ2の上質紙，コート紙，クラフト紙などから選択して使用する。
自己発色剤として、カプセルに内包された発色剤と顕色剤を混ぜ合わせた市販の材料を使用する（例えば、三菱製紙製セルフコピーグリーン）。
【産業上の利用可能性】
【００２１】
記載した情報が保護されるべき情報で、且つ、送付を伴う帳票や返信用葉書付きメールフォーム等に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明の返信用葉書付きメールフォームの一例について説明するための図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線断面について説明するための図である。
【図３】図１の返信用葉書付きメールフォームに返信情報を記載して顧客控を剥がし取った状態について説明するための図である。
【図４】返信用葉書付きメールフォームの使用方法の一例について説明するための図である。
【図５】保護紙片と返信用葉書紙片を貼り合わせた後、不要部分を切り取って葉書にする手順について説明するための図である。
【符号の説明】
【００２３】
１ 本発明の返信用葉書付きメールフォーム
２ 感圧接着部，感圧接着剤
４ 接着部，接着剤
５ 粘着剤層，粘着剤
６ 自己発色層，自己発色構造，自己発色剤
７ 返信情報
１１ 保護紙片
１２ 返信用葉書紙片
１３ 往信宛先表示紙片
１４ 控紙片，剥離紙
３１ 折畳みミシン
３２，３３ 切取りミシン
１００ 返信用葉書付きメールフォーム基紙
１４１ 剥離紙基材
１４２ 剥離剤
【特許請求の範囲】
【請求項１】
返信用葉書付きメールフォームを受け取った後、返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信するための返信用葉書付きメールフォームであって、
返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片と、隣合う保護紙片と返信用葉書紙片の三紙片が折畳みミシン部で連接され、
返信用葉書紙片の送信情報記載面には、少なくとも葉書サイズに自己発色層，再剥離再貼付可能な接着剤層が順次形成され、前記再剥離再貼付可能な接着剤層の表出面は、返信情報記載欄が形成された剥離紙で被覆され、
前記剥離紙の端部は、接着剤で返信用葉書付きメールフォームの基紙に固定されたことを特徴とする返信用葉書付きメールフォーム。
【請求項２】
請求項１に記載の返信用葉書付きメールフォームにおいて、
剥離紙は、顧客控紙片であることを特徴とする返信用葉書付きメールフォーム。
【請求項３】
請求項１，２何れかに記載の返信用葉書付きメールフォームの使用方法であって、少なくとも、
返信用葉書付きメールフォームを受け取って返信用葉書付きメールフォームを開封するステップと、剥離紙表出面の返信情報記載欄に返信情報を記載するステップと、剥離紙を剥がして剥離紙を顧客控紙片として保管するステップと、保護紙片と返信用葉書紙片を折畳みミシン部で折畳み返信用葉書紙片の露出した再剥離再貼付可能な接着剤面に保護紙片を貼り合わせるステップと、葉書として送付するステップと、
からなることを特徴とする返信用葉書付きメールフォームの使用方法。
【請求項１】
返信用葉書付きメールフォームを受け取った後、返信用葉書紙片に返信情報を記載し、連接した保護紙片で返信情報を保護して返信するための返信用葉書付きメールフォームであって、
返信用葉書付きメールフォームは、往信宛先表示紙片と、隣合う保護紙片と返信用葉書紙片の三紙片が折畳みミシン部で連接され、
返信用葉書紙片の送信情報記載面には、少なくとも葉書サイズに自己発色層，再剥離再貼付可能な接着剤層が順次形成され、前記再剥離再貼付可能な接着剤層の表出面は、返信情報記載欄が形成された剥離紙で被覆され、
前記剥離紙の端部は、接着剤で返信用葉書付きメールフォームの基紙に固定されたことを特徴とする返信用葉書付きメールフォーム。
【請求項２】
請求項１に記載の返信用葉書付きメールフォームにおいて、
剥離紙は、顧客控紙片であることを特徴とする返信用葉書付きメールフォーム。
【請求項３】
請求項１，２何れかに記載の返信用葉書付きメールフォームの使用方法であって、少なくとも、
返信用葉書付きメールフォームを受け取って返信用葉書付きメールフォームを開封するステップと、剥離紙表出面の返信情報記載欄に返信情報を記載するステップと、剥離紙を剥がして剥離紙を顧客控紙片として保管するステップと、保護紙片と返信用葉書紙片を折畳みミシン部で折畳み返信用葉書紙片の露出した再剥離再貼付可能な接着剤面に保護紙片を貼り合わせるステップと、葉書として送付するステップと、
からなることを特徴とする返信用葉書付きメールフォームの使用方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００９−２３２３４（Ｐ２００９−２３２３４Ａ）
【公開日】平成２１年２月５日（２００９．２．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１８９０７３（Ｐ２００７−１８９０７３）
【出願日】平成１９年７月２０日（２００７．７．２０）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年２月５日（２００９．２．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年７月２０日（２００７．７．２０）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]