追記型光ディスク、並びにその上に管理情報を記録するための方法及び装置
追記型光ディスク並びに追記型光ディスクの管理情報を記録するための方法及び装置を提供する。この方法は、少なくとも1つの記録単位にアドレスが増加する方向にデータを順次記録することと、データの順次記録を終了するとき、最終記録単位の残りの未記録部分をパディングデータでパディングすることと、少なくとも1つの記録単位がパディングされた部分を識別するパディング識別情報を記録媒体上に記録することとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、追記型(write−once)光ディスク、追記型光ディスクの管理情報を記録するための方法、並びに追記型光ディスクを記録し再生するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量データが記録可能な光ディスクが、光記録媒体として広く使用されている。中でも、新たな高密度光記録媒体(HD−DVD)、例えば、ブルーレイディスクは、近年、高解像度のビデオデータ及び高品質のオーディオデータを長時間記録し、保存するために開発されてきた。
【0003】
ブルーレイディスクは、次世代のHD−DVD技術及び次世代の光記録ソリューションであり、既存のDVDよりも多くのデータを格納できる優れた能力を有している。近年、HD−DVDの国際標準の技術的な仕様が確立された。これと関連して、追記型ブルーレイディスク(BD−WO)の種々の標準が、書き換え可能な(rewritable)ブルーレイディスク(BD−RE)の標準に続いて準備されてきた。
【0004】
追記型ブルーレイディスク(BD−WO)の標準の中で、管理情報を記録するための方法が論議されてきた。この方法は、追記型光ディスクの特徴の1つであるディスクの記録状態を示す情報の記録方法を伴う。ディスクの記録状態を示す情報により、ホストまたはユーザは追記型光ディスク上の記録可能な領域を容易に見つけることができるようになる。既存の追記型光ディスクにおいて、この情報は様々に名付けられている。例えば、CDシリーズの場合には、この情報はトラック情報として名付けられ、DVDシリーズの場合には、この情報はRZoneまたはフラグメントと名付けられている。
【0005】
このため、高密度の光ディスクの記録状態に対応する管理情報を効率よく記録する方法に対する要求が高まりつつある。そして、この方法には、相互互換性を確保するために標準化された情報が提供されなければならない。また、ディスク上に管理情報を記録する方法に対する要求があり、この方法は、欠陥管理を行う追記型高密度光ディスクはもとより、ブルーレイディスクにも適用可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、関連技術の限界及び欠点による1つ以上の問題を実質的に防止する光ディスク並びにディスク管理情報を記録するための方法及び装置、特に、ディスク記録状態情報を効率よく管理するための方法及び装置を対象とする。
【0007】
本発明の1つの目的は、順次記録範囲(SRR:Sequential Recording Ranges)のタイプを定義し、SRR情報(SRRI)にSRRに関する情報を記録するための方法及び装置を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、物理的な欠陥管理が行われる追記型光ディスクに適用することができるディスク記録状態情報としてSRRIを記録するための方法及び装置を提供し、追記型光ディスクから損傷を受けたSRRIを回復するための方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のさらなる利点、目的及び特徴は、後述する詳細な説明に部分的に提示され、部分的には、この分野における通常の技術を有する者による以下の検討から明らかになるか、あるいは、本発明の実施から習得することができる。
【0010】
本発明の目的及び他の利点は、記載の説明及び請求の範囲だけでなく、添付の図面に特に指摘された構造によって実現され、達成することができる。
【0011】
本発明の上記の一般的な説明および下記の詳細な説明はともに例示であり、説明のためのものであり、請求される本発明のさらなる説明を提供するためのものであることが理解されよう。
【0012】
本発明のさらなる理解を提供するために含められ、本願に組み込まれ、本願の一部を構成する添付の図面は、本発明の原理を説明するために提供された説明と共に本発明の実施形態を例示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態を詳細に参照することにする。その例は、添付の図面に示している。同じ参照番号は、図面全体にわたって可能な限り同一または類似の部分を指すために使用されている。
【0014】
説明の便宜のために、追記型ブルーレイディスク(BD−WO)を例として説明する。本明細書中の大部分の用語は、広く知られた一般の語句であるか、発明者によって選択され使用される語句がいくつかあり、その意味は対応する説明において詳述されるであろう。本発明は、語句の単純な意味に基づくのではなく、その意味が説明されたならば、具体的に説明された意味に基づいて理解さるべきである。
【0015】
複数の領域がディスク上に形成され、その領域が順次記録されるとき、これらの領域のそれぞれは、SRR(Sequential Recording Ranges)と称される。SRRは、ユーザデータを順次記録するための記録単位(順次記録単位)である。SRRは、1つ以上のクラスタのサイズを有する。「SRR情報」(SRRI)は、ディスクの記録状態を識別する情報のための名称である。SRRIは、ディスクの順次記録モードに適用され、1つ以上のSRRに関係する。「パディング」は、ユーザの要求により、または記録/再生装置(図12)の制御下でSRRの未記録領域をダミーデータまたはゼロ値で埋めることを意味する。「セッション」は、1つ以上の連続SRRにより構成され、再生についてのみ仕様に対する互換性のためにSRRを識別する。
【0016】
図1は、BD−WOなどの追記型光ディスクの構造及び本発明によるディスク管理情報を記録する方法を示している。図1に示すディスクは、例として、単一の記録層を有している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、デュアルまたは多数の記録層を有するディスクに適用可能である。
【0017】
図1を参照すると、ディスクは、記録層にリードイン領域、データ領域及びリードアウト領域を、全て記録層に含んでいる。リードイン及びリードアウト領域は、同じ欠陥管理情報を繰り返し格納するための複数のディスク(または欠陥)管理領域(DMA1−DMA4)を有する。データ領域において、欠陥のある領域を置き換えるための内周スペア領域ISA0及び/または外周スペア領域OSA0が提供される。
【0018】
書き換え可能な光ディスクは、大きなDMAを有していないか、またはそれを必要としないことが知られている。というのは、ディスクが限られたサイズのDMAを有しているとしても、そのDMAは、繰り返し書き込まれ、消去可能であるためである。これは、BD−WOなどの追記型光ディスクの場合と異なる。追記型光ディスクは、一旦記録された領域に再記録することができないので、追記型光ディスクは、大きな管理領域を必要とし、また、それを有している。管理情報を一層効率的に格納するために、追記型光ディスクでは、管理情報はTDMA(temporary disc management area)に一時的に格納される。ディスクが完了/クローズされようとするとき、最終/最新のTDMAに格納された管理情報は、より永久的な保存のためにDMAに移転される。
【0019】
図1に示すように、ディスクは、2つのTDMA(TDMA0及びTDMA1)を含む。TDMA0はリードイン領域に割り当てられ、固定された不変のサイズを有する。TDMA1は、外周スペア領域OSA0に割り当てられ、スペア領域のサイズに応じて可変サイズを有する。TDMA1のサイズPは、例えば、P=(N*256)/4クラスタであり、ここで、Nは、正の整数であり、これは、全外周スペア領域OSA0のサイズの約1/4である。
【0020】
TDMA0及びTDMA1のそれぞれにおいて、TDFL(temporary defect list)情報及びTDDS(temporary disc definition structure)情報はともに(TDFL+TDDS)、1つの記録単位(例えば、BD−WOの場合に1つのクラスタ)に記録することができ、あるいはSRRI及びTDDS情報はともに(SRRI+TDDS)、図示したように1つの記録単位に記録することができる。SRRIは、順次記録モードが使用されるときに記録されるのに対し、SBM(space bit map)は、ランダム記録モードが使用されるときに使用される。
【0021】
各更新時において、(TDFL+TDDS)または(SRRI+TDDS)は、1つのクラスタのサイズのTDMAに記録される。図1の例では、TDFL及びTDDSはTDMA0の1つのクラスタに記録され、SRRI及びTDDSはTDMA0の次のクラスタに記録され、SRRI及びTDDSはTDMA0の次のクラスタに記録され、以下同様である。
【0022】
欠陥領域がデータ領域内に生じる場合、これをスペア領域で置き替えるプロセスが行われる。TDFLは、このプロセスを欠陥一覧として管理する情報である。単一層ディスクの場合に、TDFLは欠陥一覧のサイズに従って1クラスタから4クラスタのサイズで記録される。SRRIは、ディスクの特定の領域が記録されているか、記録されていないかを示す情報である。SRRIは、ディスクが連続記録タイプであるときに広く使用することができる。すなわち、SRRIは、ディスクが順次または増分記録モードにおいて記録される場合に有効に適用可能である。また、TDDS情報は、一般に管理領域の1つのクラスタ内の32のセクターのうち最後のセクターに記録される。ディスクの一般管理及び欠陥管理のための情報は、TDDS情報の一部として記録され、TDDS情報は、管理情報がTDMA内で更新されるときに一般に常に記録される。
【0023】
本発明は、BD−WOなどの新たな高密度光ディスクに適用されるディスク記録状態情報を生成し、記録する方法に関する。本発明において、SRRIは、ディスク記録状態情報として使用され、各種のタイプのSRRが図2Aから図3Eに示すように定義される。SRRIの詳細な構造を図5Aから図6Cを参照して説明する。本発明はまた、ディスク上に形成された異なるタイプのSRRを定義および区別し、これらを用いて光ディスクを記録および再生する。SRRのタイプを新たに定義し、区別されるSRRのタイプを識別する情報を作成する方法について詳述する。
【0024】
図2Aないし図2Dは、本発明による追記型光ディスク(例えば、BD−WO)のための異なるタイプのオープンSRRを示す。オープンSRRは、データを記録できるSRRである。SRRが記録可能であれば、SRRは「次の書込み可能なアドレス」(NWA)を有する。このため、オープンSRRは、NWAを有するSRRである。NWAを有しておらず、記録可能でないSRRは、クローズSRRと呼ばれる。クローズSRRは、図3Aから図3Eを参照して説明する。
【0025】
より具体的には、図2Aは、オープンSRRの1つのタイプであるインビジブルSRRを示す。インビジブルSRRは、初期のブランクディスクまたはディスクの最外セクターに一般に常に形成され、未記録領域を意味する。換言すると、インビジブルSRRの開始アドレスだけが定義され、インビジブルSRRの終了アドレスは、ユーザデータの終わりを意味する。データがまだ記録されていないため、最終記録領域(LRA)はゼロ値を有し、NWAは、インビジブルSRRの開始アドレスと同じ値を有する。
【0026】
図2Bは、オープンSRRの他のタイプであるインコンプリートSRRを示している。インコンプリートSRRは、図2AのインビジブルSRRに部分的に記録されたSRRである。換言すると、インコンプリートSRRの開始アドレスだけが定義され、インコンプリートSRRの終了アドレスは、ユーザデータの終わりを意味する。しかしながら、データがインコンプリートSRRに部分的に記録されているため、インコンプリートSRRのLRAは、通常のユーザデータが記録される最終アドレスを表し、NWAは、インコンプリートSRRのLRAから次のアドレスである。すなわち、NWAは、関連SRRにおける次の利用可能な未記録クラスタの最初のPSNである。
【0027】
オープンSRRにおいて、SRRが部分的に記録される場合、LRAとNWAとの関係について、図2Bに示すパディングの関連で詳述する。図2Bの小さな点線ボックス部分の拡大図が図面の下部に提供されている。
【0028】
換言すると、LRAは、ユーザデータが実際に記録される領域を意味する。ユーザデータが32のセクターからなる1つのクラスタの幾つかのセクターに記録される場合、ユーザデータが記録される対応するセクターの物理セクター番号(PSN)は、図2Bに示すように、SRRのLRAである。しかしながら、ブルーレイディスクの基本記録単位はクラスタであるため、追加的に記録可能な領域を表すNWAは、次のクラスタのヘッダセクターのPSNとなる。このため、データがクラスタの幾つかのセクター上に記録され、記録が完了(すなわち、順次記録が終了)すると、残りの未記録セクターは本発明に従ってダミーデータでパディングされる。例えば、クラスタの残りの未記録セクターは、図示したように、ゼロでパディングされる。全てのユーザデータがクラスタの最終セクターにも記録される場合、上述したパディングが必要でないことは明らかである。
【0029】
図2Cは、オープンSRRのさらに他のタイプであるエンプティーSRRを示している。エンプティーSRRは、ディスクの最外セクションには一般に形成されず、図2A及び図2BのインビジブルSRRおよびインコンプリートSRRとは対照的にデータを記録するために中央セクションに一般に形成される。換言すると、ホストまたはユーザがSRRを作るが、SRRにまだデータを記録していない場合である。エンプティーSRRが開始アドレス及び終了アドレスを有するが、まだ記録されていないため、エンプティーSRRのLRAは「ゼロ」値を有し、NWAはエンプティーSRRの開始アドレスと同じ値を有する。
【0030】
図2Dは、オープンSRRのさらに他のタイプである部分記録SRRを示す。部分記録SRRは、図2CのエンプティーSRRに部分的に記録されたSRRである。このため、部分記録SRRは、開始アドレス及び終了アドレスを有する。データが部分記録SRRに部分的に記録されるため、部分記録SRRのLRAは、通常データが記録される最終アドレスを表し、NWAはLRAからの次の書込み可能なアドレスである。
【0031】
図2DのオープンSRRにおいて、SRRが部分的に記録されると、図2Dの小さな点線部分の拡大図は、パディングの関連でLRAとNWAとの関係を示す。この特徴に関する詳細な説明は、図2Bの説明と同じであるため省略する。
【0032】
このため、図2Aから図2Dを参照して、本発明のオープンSRRは、未記録オープンSRR(図2A及び図2C)及び部分記録オープンSRR(図2B及び図2D)に分類される。部分記録オープンSRR(図2B及び図2D)は、LRAの後にパディングされたオープンSRR及びパディングされていないオープンSRRに分類することができる。
【0033】
本発明により、オープンSRRの数が大きい場合に管理の困難さのために任意の所与の時間におけるオープンSRRの総数は、追記型光ディスクにおいて予め決められた数に限定される。例えば、ディスク上のオープンSRRの総数は、本発明のBD−WOにおいて、最大16とすることができる。位置に関する情報及びオープンSRRの数は、SRRIのヘッダにある「オープンSRRの一覧」フィールド及び「オープンSRRの数」フィールドを用いて参照することができる。SRRIヘッダにある「オープンSRRの一覧」フィールド及び「オープンSRRの数」フィールドは、SRRI構造を図5から図6Cを参照して論考するときに説明する。
【0034】
図3Aから図3Eは、本発明によるBD−WOなどの追記型光ディスクのための異なるタイプのクローズSRRを示している。クローズSRRは、データ(例えば、ユーザデータ)が記録できないSRRである。SRRが記録可能ではなければ、SRRはNWAを有しない。クローズSRRは、SRRが完全に記録されるという理由で作成されてもよい。また、クローズSRRは、記録可能な領域がSRRに残っていても、ユーザまたはホストがSRRをクローズコマンドによりクローズするという理由で作成されてもよい。
【0035】
特に、図3Aは、クローズSRRの1つのタイプであるエンプティーSRRを示している。エンプティーSRRは、オープンエンプティーSRR(図2C)であり、これは任意のユーザデータをそこへ記録することなくクローズコマンドによりクローズされる。このため、図3Aは、クローズエンプティーSRRを示し、図2Cは、オープンエンプティーSRRを示している。
【0036】
図3Bは、クローズSRRの他のタイプである部分記録SRRを示している。図3Bの部分記録SRRは、図2Dのオープン部分記録SRRであり、これは任意の追加のユーザデータをそこへ記録することなくクローズコマンドによりクローズされる。このため、図3Bは、クローズ部分記録SRRを示し、図2Dは、オープン部分記録SRRを示している。
【0037】
図3Cは、クローズSRRのさらに他のタイプであるコンプリートSRRを示している。コンプリートSRRはユーザデータがSRRに完全に記録されるか、ダミーデータで完全にパディングされたSRRである。コンプリートSRRは、クローズSRRのうちにのみ存在する。
【0038】
図3Dは、クローズSRRのさらに他のタイプであるクローズ部分記録SRRを示している。図3Dの部分記録SRRは、図2Dのオープン部分記録SRRをクローズするとき、そのLRAの後の記録可能な領域においてダミーデータでパディングされたSRRである。ここでは、そのLRAまたはNWAの後のSRRの全ての記録可能な領域または一部の記録可能な領域(例えば、1以上のクラスタ)は、パディングデータとして用いられるダミーデータでパディングすることができる。また、一部の領域がパディングされるとき、ダミーデータを記録する代わりに、ASCII文字などの特定の文字コードをパディングデータとして記録してSRRがクローズされることを表しても良い。この場合、パディングデータとして用いられる特定の文字コードは、対応するSRRがクローズされることを表す「CLSD」などの文字とすることができる。
【0039】
図3Eは、クローズSRRのさらに他のタイプであるエンプティーSRRを示している。図3EのエンプティーSRRは、そのLRAの後の記録可能な領域において特定のダミーデータでパディングされ、図2CのオープンエンプティーSRRをクローズするときにクローズされるSRRである。ここで、そのLRAまたはNWAの後のSRRの全ての記録可能な領域または一部の記録可能な領域(例えば、1以上のクラスタ)は、パディングデータとして用いられるダミーデータでパディングすることができる。また、一部の領域がパディングされるとき、ダミーデータを記録する代わりに、ASCII文字などの特定の文字コードをパディングデータとして記録してSRRがクローズされることを表しても良い。この場合、パディングデータとして用いられる特定の文字コードは、対応するSRRがクローズされることを表す「CLSD」などの文字とすることができる。
【0040】
図3D及び図3EのクローズSRRが終了アドレスまでダミーデータで完全にパディングされると、図3D及び図3EのクローズSRRは、図3Cを参照して上述したコンプリートSRRと同じSRRである。換言すると、本発明において、クローズSRRのタイプを決める際に、クローズSRRは、オープンSRRがクローズコマンドによりクローズSRRに変更されるとき、SRRの未記録の残りの領域をパディングし、クローズする場合(図3D及び図3E)からパディングなしでSRRの未記録の残りの領域をクローズする場合(図3A及び図3B)を区分するよう定義される。
【0041】
また、本発明において、SRRをクローズするとき、パディングすることなくSRRをクローズすること、または特定のパディングデータでパディングした後にSRRをクローズすることが可能である。ブルーレイディスクは、未記録領域がパディングされると、SRRを通して同じファミリの再生のみのディスクと互換可能であると考えられる。記録/再生装置は(例えば、図14に示すように)、記録/再生装置の設計の自由度をさらに確保するためにディスクを選択的にパディングすることができる。ディスクをパディングするとき、記録/再生装置の記録再生部(例えば、図14の構成要素10)は、特定データを自動的に記録することができ、それで構成要素10が制御部から特定のデータを受信し、パディングの場合に時間の問題を解消することができる。
【0042】
図4A及び図4Bは、本発明の一実施形態により追記型光ディスクのクローズ記録SRR及びオープンSRRのそれぞれにダミーデータをパディングするときのパディング識別情報の一例を示している。パディングは、オープンSRRをクローズするとき、オープンSRRに行われても良い。しかし、パディングは、SRRをクローズする必要がないコマンドに応答してオープンSRRに対して行われても良い(例えば、順次記録を終了するためにパディングが行われる図2B及び図2Dの場合)。すなわち、図4Aは、図2Bまたは図2Dと関連し、図4Bは、図3Dまたは図3Eと関連する。
【0043】
より具体的には、図4Aは、オープンSRRの場合に、実際のユーザデータが1つのクラスタの一部の領域のみに記録され、そのクラスタの残りの領域は、ダミーデータでパディングされる場合を示している。図4Aは、実際のユーザデータが記録されるセクターを、ダミーデータでパディングされるセクターから区別するためのパディング識別情報「Padding_flag」が対応するクラスタ中の制御フラグとして設定されることを示している。SRRの各クラスタの32のセクターの1つに対応する32のPadding_flagが存在する。
【0044】
図4Aに示すように、この例において、セクター0−セクター29は、ユーザデータが記録される領域であるので、これらのセクターのそれぞれのPadding_flagは、対応するセクターにパディングが存在しないことを示すためにある値、例えば、「0b」に設定される。他方、セクター30及びセクター31は、パディングデータでパディングされる領域であるので、これらのセクターのそれぞれのPadding−flagは、対応するセクターにパディングが存在することを示すために「1b」などの値に設定される。
【0045】
この例において、LRAは、セクター29の位置(第1のPSN)を表す。このため、光記録/再生装置は、LRAを含むクラスタをデコードし、セクターのそれぞれに対応するPadding_flagを読み取り、クラスタにおいてダミーデータでパディングされたセクターを正確に認識することができる。
【0046】
図4Bは、SRRの記録可能な領域の特定のクラスタがSRRをクローズする場合、ダミーデータで完全にパディングされることを示している。図4Bは、パディング後にクローズされたSRRからパディングなしでクローズされたSRRを区別するためのパディング識別情報「Padding_flag」が対応するクラスタに制御フラグとして設定されることを示している。
【0047】
図4Bに示すように、この例において、セクター0−セクター31がダミーデータで完全にパディングされた領域であるので、これらの32のセクターのそれぞれのPadding−flagは、「1b」などのある値に設定されて対応するセクターがパディングされていることを示す。
【0048】
その結果、光記録/再生装置は、上述したようにパディング識別情報Padding_flagを有するクラスタをデコードし、セクターのそれぞれに対応するPadding_flagを読み取り、クラスタ中の全てのセクターがダミーデータでパディングされていることを正確に認識することができる。
【0049】
換言すると、図4Aは、ディスク上の順次記録を終了するためのパディングに関するものであるのに対し、図4Bは、SRRをクローズするためのパディングに関するものである。図4Aは、順次記録が終了されるとき、関連クラスタ中の全ての残りのセクターがダミーデータでパディングされていることを示している。
【0050】
それぞれのパディングフラグはクラスタの各セクターに対応し、対応するセクターがパディングされる場合、「1b」に設定される。図4Aの場合に、パディングは一度に1セクターに対して行われる。他方、図4Bの場合に、1以上のクラスタ(一度に1クラスタ)がSRRをクローズするときにパディングされる。1つのクラスタのパディングにおいて、そのクラスタの32のセクターに対応する32のパディングフラグは、図4Bに示すように、そのクラスタのパディングを示すためにすべて「1b」に設定される。
【0051】
図5ないし図6Cは、本発明によるSRRIの構造及びSRRIに含まれた情報を示している。
【0052】
特に、図5は、SRRIの全体構造を示している。SRRIは1以上のSRRに関係し、ディスクの記録状態を提供する管理情報である。SRRIは、図1及び図5の光ディスク構造のTDMA(例えば、TDMA0)に記録される。図5に示すように、TDMA中のそれぞれのSRRI60は、3つの部分、すなわち、ヘッダ50、SRRエントリの一覧30及びSRR一覧ターミネータ40から構成される。ヘッダ50は、SRRIを識別する。SRRエントリの一覧30は、対応するSRRのそれぞれの記録状態を表す。SRR一覧ターミネータ40は、SRRIの終わりまたは終端を示す。
【0053】
ヘッダ50はSRRIのヘッダに位置し、「SRRI構造識別子」フィールド51、「オープンSRRの一覧」フィールド52、「SRRエントリの数」フィールド53及び「オープンSRRの数」フィールド54を含み、それで全体のSRRエントリコンテンツを、SRRエントリ一覧を読み取る前にチェックすることができる。ここで、「SRRI構造識別子」フィールド51は、SRRIを識別する。「オープンSRRの一覧」フィールド52は、対応するSRRIと関連付けられたオープンSRRの位置(識別)を知らせ、図6Cを参照して後述する。「SRRエントリの数」フィールド53は、SRRI60と関連付けられた全てのSRRの総数を表す。「オープンSRRの数」フィールド54は、オープンSRRの総数を表す。
【0054】
ヘッダ50の後、SRRエントリの一覧(またはSRRエントリ一覧)50がSRRIに記録される。最終SRRエントリの後、SRRIの終わりは、SRR一覧ターミネータ40でマークされる。SRR一覧ターミネータ40は、SRRIが可変サイズの場合、対応するSRRIの終了位置を示す情報として意味がある。
【0055】
このため、ディスク管理情報として、SRRIは、ヘッダ50、SRRエントリ一覧30及びSRR一覧ターミネータ40から構成される。全てのこのような情報は、更新される度に一括して記録される。
【0056】
図6Aは、本発明に従ってSRRIに記録されるSRRエントリ一覧30の一例を示している。図6Aに示すように、SRRエントリ一覧30は、1以上のSRRエントリ35から構成される。SRRエントリ35のそれぞれは、ディスク上の(SRR番号により識別される)1つのSRRに関する情報を担持し、8バイト(64ビット)のサイズを有し、対応するSRRの記録状態を表す。それぞれのSRRエントリ35は、対応するSRRの状態を格納するための状態フィールド31(状態1)、対応するSRRの開始アドレスを格納するための開始アドレスフィールド32、対応するSRRの状態を格納するための他の状態フィールド33(状態2)及び対応するSRRのLRAを格納するための最終記録アドレス(LRA)フィールド34(すなわち、SRRに格納されたユーザデータの終了アドレス)を含む。一般に、開始アドレスフィールド32中の対応するSRRの開始アドレスは、PSNとして表される。
【0057】
一実施形態によれば、SRRエントリ35の64ビットのうち最初の4つの最上位ビット(b63−b60)は、第1の状態フィールド31に割り当てられ、SRRエントリ35の次の28ビット(b59−b32)は、開始アドレスフィールド32に割り当てられ、SRRエントリ35の次の4ビット(b31−b28)は、第2の状態フィールド33に割り当てられ、SRRエントリ35の最終28ビット(b27−b0)は、LRAフィールド34に割り当てられる。
【0058】
図6Bは、本発明によるSRRエントリ一覧30に記録されるSRRエントリ35の一例を示す。状態1フィールド31は、任意のパディングが対応するSRRにおいて行われたかどうかを識別する情報を格納するために使用される。状態2フィールド33は、対応するSRRがセッションの開始であるかどうかを識別する情報を格納するために使用される。
【0059】
図6Bに示すように、状態1フィールド31に割り当てられた4つの先頭ビットのうち、1ビットを使用して、SRRがパディングデータでパディングされたか否かを識別するパディング識別情報「P−flag」を格納する。4つの先頭ビットのうち他の3ビットは、規格の変更のために予約されている。
【0060】
SRRエントリに記録されるパディング識別情報「P_flag」は、図4A及び図4Bを参照して上述したパディング識別情報「Padding_flag」と似ていることに留意すべきである。しかしながら、これらは、異なる目的を有している。特定のSRRが最終的にパディングされると、P_flagはSRRエントリに記録されて、対応するSRRがパディングされたSRRであることを直接表す。このため、光記録/再生装置(図12)は、対応するSRRがSRRエントリに管理情報として記録されたP−flagを検査することにより、パディングされているか否かを容易にチェックすることができる。その後、光記録/再生装置は、図4A及び図4Bを参照して上述した対応するクラスタ(SRR)をデコードし、SRRの各セクターに対応するPadding_flagの値をクラスタから読み取り、それで光記録/再生装置は、そのLRAの後にどの程度のSRRがパディングされているかを判定することができる。
【0061】
図6Bの例において、状態1フィールド31の第1のビット(31a)は、P−flagを担持し、フィールド31の残りの3ビット(31b)は予約される。P_flag=1bであれば、対応するSRRがパディングされたSRRであることを意味する(すなわち、SRRは、少なくとも一部がパディングデータでパディングされる)。P_flag=0bであれば、対応するSRRが未パディングのSRRであることを意味する。
【0062】
4ビットが割り当てられた状態2フィールド33は、対応するSRRがセッション開始SRRであるか否かを示す情報を担持する。4−ビットのフィールド33の1ビットは、対応するSRRがセッションの開始SRRであるか否かを識別するセッション識別情報「S−flag」を担持する。フィールド33の他の3ビットは、規格の何らかの変更のために予約される。この例において、4−ビットのフィールド33の第1のビット(33a)はS−フラグを格納し、残りの3ビット(33b)は予約される。S_flag=1bであれば、対応するSRRがセッションの開始SRRであることを意味する。S_flag=0bであれば、対応するSRRがセッションの開始SRRではないことを意味する。
【0063】
S_flagを通じてセッションの開始を識別する理由の1つは、セッションを区別するために追加の領域(例えば、ボーダーイン/ボーダーアウト)を割り当てるDVDなどの既存のディスク構造と互換性を提供するためである。しかしながら、追加領域の割り当てによりディスクの全体の記録容量が減る。このように、本発明は、SRRエントリ35にセッション識別情報(S−flag)を提供することによって、この限界を克服する。このため、全体のディスクのセッション構造は、情報を区別するそのようなセッションを格納するための追加の領域を割り当てる必要なく、SRRエントリ35中のセッション識別情報S−flagを用いて容易に認識することができる。
【0064】
本発明の説明の便宜のために、P_flag及びS_flagは、SRRエントリの別個の状態フィールドに格納された別個の状態情報として示されているが、これらは、SRRエントリの1つの状態フィールドに一緒に格納することができる。
【0065】
SRRエントリ35のLRAフィールド34は、対応するSRRに記録されたユーザデータの終了アドレス(LRA)を記録するためのフィールドであり、対応するSRRに記録されたユーザデータ(任意のパディングデータを除く)の終了アドレスを格納する。
【0066】
図6Cは、本発明の一実施形態による図5のSRRIの「オープンSRRの一覧」フィールド52の詳細な構造を示す。フィールド52に格納された情報を使用してそれぞれのオープンSRRの位置/識別を判定する。図6Cに示すように、1以上のオープンSRR番号がオープンSRRの位置情報として「オープンSRRの一覧」フィールド52に記録される。特定のSRRを識別するオープンSRR番号を記録するために、2バイトが割り当てられる。
【0067】
本発明において、ディスク上に最大16のオープンSRRが存在すると、対応するオープンSRR(それゆえオープンSRRエントリ)の位置(識別)がそれぞれのオープンSRR番号を通じて記録される。このため、本発明のディスク構造を有する光ディスクをロードするとき、記録/再生装置は、本発明のオープンSRR情報を基にディスクの記録が可能な位置(NWA)を決めることができる。換言すると、現在のディスク上のオープンSRRの位置は、データを記録するために知られているべきである。対応するSRRがオープンSRRであるか、クローズSRRであるかを識別する情報が、特にSRRエントリに提供されないので、オープンSRRの識別/位置は、SRRIのヘッダに記録され、容易にアクセスでき、それで光記録/再生装置が識別されたオープンSRRと関連付けられたSRRエントリを容易に読み取ることができる。
【0068】
このため、「オープンSRRの一覧」フィールド52に記録されたSRR番号を有するSRRだけがオープンSRRとして追加的に記録可能である。その後、SRRがクローズSRRに変更されると、クローズSRRのSRR番号は、「オープンSRRの一覧」フィールド52から除去されてオープンSRRをクローズSRRから容易に区別することが可能になる。
【0069】
本発明によるディスク記録状態を表すSRRIを更新するための方法について説明する。特に、SRR及びセッションをオープン及びクローズし、SRRをダミーデータでパディングし、SRRIを記録する方法を図7Aないし図11Bを参照して説明する。
【0070】
図7Aないし図11Bは、本発明の追記型光ディスクのディスク記録状態に従ってSRRIを記録する方法を順次示している。より具体的には、図7Aないし図11Bは、ディスク上の異なるタイプのSRR(図2Aないし図3Eに示す)がどのように作成され、時間のフローに応じて行われる順次的なステップを用いてSRRIを記録する仕方を順次示している。これらの方法は、SRR、SRRI及び図1ないし図6Cを参照してここで説明したディスク構造を有するBD−WOなどの追記型光ディスク上に実装される。
【0071】
図7Aは、ディスクの全体領域が初期のブランクディスクとして記録可能であり、太い矢印により示された部分がNWA位置を示すステップ1を示している。ディスクの開始位置は、NWAである。ここで、1つのSRR(SRR#1)だけがディスク上に存在する。これは、図2Aに示すインビジブルSRRである。
【0072】
このため、セッションは、ディスクの初期状態であり、1つのオープンセッション#1だけが存在する。このディスクは、ブランクディスクであり、SRRIはディスク上にまだ記録されていない。セッションは、SRRなどの下位レベルの記録単位と比較される上位レベルの記録単位であり、少なくとも1つのSRRを含む。複数のセッションがディスク上に記録でき、このようなディスクをマルチセッションディスクと呼ぶ。
【0073】
図7Bは、データ(例えば、ユーザデータ)が図7Aのブランクディスク上に部分的に記録されるが、セッション#1はまだクローズされていないステップ2を示している。ここで、1つのSRR(SRR#1)だけがディスク上に存在し、これは図2Bに示すインコンプリートSRRである。セッション#1は、オープンセッションとして保持される。図7Bに示すように、ユーザデータは、インコンプリートSRR#1の一部として記録され、SRR#1(クラスタ)の未記録部分(例えば、セクター)は、ダミーデータでパディングされる。上述したように、SRRのパディングされたセクターは、例えば、クラスタ/SRR#1のパディングされたセクター内のクラスタの指定領域に記録される「Padding_flag=1b」で指示される。
【0074】
図7Cは、ディスクが図7Bの状態にあるとき、ディスクの管理領域にSRRIを記録するプロセスを示している。説明の便宜のために、図1及び図5に示すSRRI構造及びディスク構造の全ての異なる構成要素のうちある特定の部分だけを示している。例えば、(SRRI+TDDS)または(TDFL+TDDS)が、上述したように、ディスクのTDMA0などのTDMAの各クラスタに記録されるが、SRRIだけを図7CのTDMA0に示し、TDFL及び/またはTDDSは、明瞭性のために省略されている。さらに、図5に示すSRRIの異なるフィールドのうち「オープンSRRの一覧」フィールド52及び「SRRエントリの一覧」フィールド30だけを示している。
【0075】
図7Cのディスクの記録状態は、1つのオープンSRR(SRR#1)だけが図7Bなどの全てのディスク領域に存在する場合である。図7Cに示すように、インコンプリートSRR#1が図7Bなどのセッションをクローズすることなく形成されるとき、SRR#1に関係するSRRI#1(60a)が生成され、TDMA0に記録される。SRRI#1(60a)において、オープンSRR#1のSRR番号(SRR#1)は、その「オープンSRRの一覧」フィールド52aに記録される。SRRI#1(60a)の「SRRエントリの一覧」フィールド30aに、SRR#1に関係する1つのSRRエントリ35aだけが存在する。SRRエントリ35a(または後述するSRRエントリ)(35b−35p)は、上述した図6A及び図6BのSRRエントリ構造を有する。
【0076】
SRRエントリ35aにおいて、SRR#1の一部が最終的にパディングされるので、P_flagは、対応するSRR#1の状態情報として「1b」に設定される。SRR#1がオープンセッション#1の開始SRRであるので、S_flagは対応するSRR#1の状態情報として「1b」に設定される。
【0077】
図8Aは、セッションクローズコマンドが図7Bのステップ2において受け取られ、実行されるステップ3を示している。セッションクローズコマンドに応答して、ユーザデータが記録される領域が独立したクローズSRRに分離され、新たなセッションがユーザデータ記録領域に続く領域に作成される。例えば、図8Aに示すように、ステップ2においてユーザデータで完全に記録された領域の一部が、クローズセッション#1を形成するコンプリートSRR#1(クローズSRR)となる。加えて、未記録領域は、同時にオープンセッション#2を形成するインビジブルSRR#2(オープンSRR)となる。
【0078】
図8Bは、図8Aのようなディスク状態に関係する場合にディスク記録状態(SRRI)を記録するプロセスを示している。SRRIが第2の記録SRRIであるので、このSRRIは、SRRI#2(60b)と名付けられる。SRRI#2(60b)は、TDMA0のSRRI#1(60a)の次に記録される。図8Aのディスクの状態を記録するために、ディスクの全領域が1つのオープンSRR(SRR#2)及び1つのクローズSRR(SRR#1)を有するので、オープンSRR#2のSRR番号は、SRRI#2の「オープンSRRの一覧」フィールド52bに記録され、SRR#1及びSRR#2に関する情報は、SRRエントリ35b及び35cとしてSRRI#2の「SRRエントリの一覧」フィールド30bにそれぞれ記録される。図8B(及びその他の図)において陰影を付したSRRエントリ(例えば、35b)は、そのエントリがクローズSRRエントリであることを示す。このため、ユーザデータが新たに作成されたSRR#2にまだ記録されていないので、SRR#2エントリ(35c)のP−flagは「0b」に設定される。SRR#2がオープンセッション#2の開始SRRであるので、SRR#2エントリ(35c)のS_flagは、「1b」に設定される。
【0079】
図9Aは、ディスクが図8Aの状態にあるとき、新たなデータを記録するために2つのオープンSRRがさらに予約されるステップ4を示している。このため、新たに作成されたオープンSRRがオープンエンプティーSRR#2及び#3であり、太い矢印にて示されたNWAを有する。その結果、オープンセッション#2は、エンプティーSRR#2及び#3及びインビジブルSRR#4から構成される。
【0080】
図9Bは、図9Aのようなディスク状態に関係する場合にディスク記録状態(SRRI)を記録するプロセスを示している。SRRIが第3の記録SRRIであるので、そのSRRIはSRRI#3(60c)と名付けられる。SRRI#3(60c)は、TDMA0のSRRI#2(60b)の隣に記録される。図9Aのディスクの状態を記録するために、ディスクの全領域が3つのオープンSRR(SRR#2、#3及び#4)と1つのクローズSRR(SRR#1)を有するので、オープンSRRのSRR番号(SRR#2、#3及び#4)は、SRRI#3の「オープンSRRの一覧」フィールド52cに記録される。全ての4つのSRR(SRR#1−#4)に関する情報は、SRRエントリ35d−35gとしてSRRI#3の「SRRエントリの一覧」フィールド30cにそれぞれ記録される。
【0081】
このため、新たに作成されたSRR#2、#3及び#4に関する情報がSRRI#3(60c)に記録され、ユーザデータがSRR#2、#3及び#4にまだ記録されていないので、対応するSRRエントリ35e、35F、35gのP_flagは「1b」に設定される。しかしながら、SRR#3及び#4がオープンセッション#2の開始SRRではないが、SRR#2がセッション開始SRRであるので、SRR#2エントリ35e、SRR#3エントリ35f及びSRR#4エントリ35gのS_flagはそれぞれ「1b」、「0b」及び「0b」に設定される。
【0082】
図10Aは、ユーザデータが図9AのインビジブルSRR#4及びエンプティーSRR#2に記録されるステップ5を示している。このため、第1のエンプティーSRR#2は、部分記録SRR#2に変更され、インビジブルSRR#4は、インコンプリートSRR#4に変更されるが、オープンエンプティーSRR#3は変更されない。SRR#2は、パディングなしのユーザデータで記録される。SRR#4は、ユーザデータで記録され、また、パディングデータでパディングされる。SRR#4のパディングセクターにおいて、Padding_flagは「1b」に設定される。
【0083】
図10Bは、図10Aのようなディスク状態に関係する場合にディスク記録状態(SRRI)を記録するプロセスを示している。SRRIが第4の記録SRRIであるので、SRRIはSRRI#4(60d)と名付けられる。SRRI#4(60d)は、SRRI#3(60c)の次に記録される。図10Aのディスクの状態を記録するために、ディスクの全領域が3つのオープンSRR(SRR#2−#4)及び1つのクローズSRR(SRR#1)を有するので、オープンSRRのSRR番号(SRR#2−#4)は、SRRI#4(60d)の「オープンSRRの一覧」フィールド52dに記録される。4つの全てのSRR(SRR#1−#4)に関する情報は、SRRエントリ35h−35kとしてSRRI#460dの「SRRエントリの一覧」フィールド30dにそれぞれ記録される。
【0084】
このステップにおいて、SRRエントリの数及びオープンSRRの位置は、図9Bに示すものと同じであるが、ユーザデータが特定のオープンSRR上に記録されるので、記録オープンSRRエントリのLRAが変更され、P_flagの値も変更される。換言すると、記録されたSRR#2及びSRR#4に関する情報が更新される。SRR#2がパディングなしにユーザデータで記録されるので、SRR#2エントリ35iのP_flagは、「0b」となるように保持される。SRR#4がユーザデータで記録されてパディングされるので、SRR#4エントリ35kのP_flagは、「1b」に変更される。
【0085】
図11Aは、ディスクが図10Aの状態にあるとき、セッションクローズコマンドが受信され、実行されるステップ6を示している。図11Aに示すように、オープンSRRの追加的に記録可能な部分またはオープンSRRの追加的に記録可能な部分の一部は、オープンSRRがクローズされる前にダミーデータでパディングされる。上述したように、パディング動作は、オプション的な機能である。また、パディングが行われるとき、特定のデータ(例えば、文字コードとしての「CLSD」)を上述したようにパディングデータとして記録可能とすることができる。
【0086】
以前にオープンSRRであったSRR#2、#3及び#4は、クローズ部分記録SRR#2、クローズエンプティーSRR#3及びコンプリートSRR#4に変更され、これらは次いでクローズセッション#2を形成する。SRR#2及び#3において、追加的に記録可能な領域が残っているが、クローズコマンドによってクローズSRRに変更される。ここで、一部は、代替的にダミーデータでパディングされる。このため、ダミーデータでパディングされたクラスタ/SRR(例えば、図4B)の全てのセクターがPadding_flag=1bに設定される。しかしながら、この場合でも、SRRエントリに記録されたLRAはユーザデータが実際に記録される終わりの位置を意味する。ダミーデータ部分は、上述したように、LRA位置の決定に影響を及ぼさない。残りの最外SRR#5は、インビジブルSRR#5であり、これは次いで新たなオープンセッション#3を形成する。
【0087】
図11Bは、図11Aのようなディスク状態に関係する場合にディスク記録状態(SRRI)を記録するプロセスを示している。SRRIが管理領域において第5の記録SRRIであるので、このSSRIはSRRI#5(60e)と名付けられる。SRRI#5(60e)は、TDMA0のSRRI#5(60d)の次に記録される。図11Aのディスクの状態を記録するために、ディスクの全領域が1つのオープンSRR(SRR#5)と4つのクローズSRR(SRR#1−SRR#4)を有するので、オープンSRR(SRR#5)のSRR番号がSRRI#5の「オープンSRRの一覧」フィールド52eに記録され、SRRI#4に記録された全ての以前のオープンSRR番号(例えば、図10BのSRR#2、SRR#3及びSRR#4)は、現在のオープンSRR一覧52eから除去される。「オープンSRRの一覧」フィールドからSRRを除去することは、このようなSRRがクローズされることを意味する。全ての5つのSRR(SRR#1−SRR#5)に関する情報は、SRRエントリ35l−35pとしてSRRI#5の「SRRエントリの一覧」にそれぞれ記録される。
【0088】
SRR#2及びSRR#3は、クローズコマンドに応答してダミーデータでパディングされるので、SRR#2エントリ35m及びSRR#3エントリ35nのP_flagは「1b」に変更されて、対応するSRRの少なくとも一部がパディングデータでパディングされることを示す。SRRエントリのLRAは、ユーザデータが実際に記録される終わりの位置であるので、SRR#2−SRR#4のLRAは、SRRI#4(60d)に記録された以前のLRAと同じ値を有する。また、ユーザデータが新たに生成されたインビジブルSRR#5上にまだ記録されていないので、SRR#5エントリ35pのP_flagは、「0b」となるように設定される。SRR#5が新たなセッション#3の開始SRRであるので、SRR#5エントリのS−flagは、「1b」となるように設定される。
【0089】
図7Aないし図11Bから分かるように、SRRIは、現在のディスクの記録状態を示す情報である。本発明の光ディスクを記録/再生装置にローディングするとき、記録/再生装置は、管理領域に最終的に記録された最新のSRRI(上記の例でSRRI#5)をチェックしなければならない。最新のSRRIのみがディスクの最終記録状態を正しく示すので、追加的に記録されたSRRの位置をチェックすることが可能になる。
【0090】
しかしながら、ディスクを使用している間に、電源がいきなり切られるか、あるいは、ディスクが損傷を受けると、ディスクの最新のSRRIが正しく読み出されないことがある。このときに、最終記録状態が非損傷のSRRIのうち最新のSRRIを用いて再構成する必要がある。
【0091】
本発明によれば、SRRがクローズされるとき、SRRはパディング動作でパディングされ、ディスクの最新のSRRIが損傷を受けた状況にあっても、このパディング情報を用いて、さらには、ディスクの最終記録状態を再構成することができる。これにより、最新のSRRI及びディスクの現在の記録状態を回復することが可能になる。
【0092】
図12、図13A及び図13Bは、本発明による追記型光ディスク上にデータを記録する方法を示している。この方法は、最新のSRRIが損傷を受けたときでも、ディスクの最終記録状態を推定し、ディスクの最新のSRRIを回復する。記録/再生は、最新のSRRIから得られた最終記録状態を用いて行うことができる。
【0093】
対応するSRRIが欠陥領域として判定され、記録情報が信頼できないとき、そのSRRIは損傷を受けたと言われる。最新のSRRIが損傷を受けると、これは、ディスクの最終記録状態が最新のSRRIから得られないことを意味する。このため、ディスクの記録が可能な位置を知ることができない。最悪の場合、ディスクそのものをもはや使用できない。
【0094】
本発明は、最新のSRRIが損傷を受けたとき、ディスクの最終記録状態を正しく回復する方法を提供する。特に、図12は、本発明の一実施形態によりBD−WOなどの追記型光ディスクの最終記録状態を回復し、ディスク上の記録/再生動作を行う方法を示すフローチャートである。ディスクは、上述したように、ディスク構造及びSRRI構造を含む。図12を参照すると、ディスクが14に示すような光記録/再生装置にローディングされる場合、管理領域(例えば、TDMA0)内に記録された最新のSRRIが読み出される。そして、読み取られたSRRIが損傷を受けたか否かをチェックする(S10)。
【0095】
最新のSRRIが損傷を受けていなければ、最終ディスク記録状態が最新のSRRIから得られる(S21)。そして、最新のSRRIを用いて、追加的に記録可能な領域にのみ記録が行われるか、及び/または、既に記録された領域に対して再生動作が行われる(S22)。このような領域に関する情報は、最新のSRRIから得られる。
【0096】
他方、ステップ(S10)により、最新のSRRIが損傷を受けたと判定されると、非損傷SRRIのうち最新のSRRIが判定される(S31)。そして、この最新の非損傷SRRIが読み出される(S32)。損傷を受けたSRRIは、ディスクの最新の非損傷SRRI及び実際の記録状態を用いて回復することができる(S33)。ステップS33は、オプションのステップとすることができる。追加的に記録可能な領域に記録が行われ、及び/または、既に記録された領域に対して再生動作が行われる。このような領域に関する情報は、ディスクの最新の非損傷SRRI及び/または実際の記録状態から判定することができる。記録/再生ステップS34の後、新たに変更された記録状態が管理領域に新たなSRRIとして記録することができる。
【0097】
図13A及び図13Bは、最新のSRRI(図11Bの例におけるSRRI#5)が損傷を受けたとき、最終記録状態を回復する図12のステップS33の一例を示している。説明の便宜のために、図7Aないし図11BのSRRI記録方法について一例として説明する。
【0098】
図13Aに示すように、SRRIが正常状態にあれば、SRRI#5(60e)がディスクの最新のSRRIとなる。しかしながら、SRRI#5が損傷を受けた場合、記録/再生装置は、非損傷SRRIのうち最新のSRRIを読み取る。この例において、SRRI#4(60d)が非損傷SRRI#1−SRRI#4のうち最新のSRRIである。
【0099】
図11Aに示すステップ6と関連付けられた実際の記録状態は、図11Bに示すように書かれたSRRI#5(60e)から判定することができる。しかしながら、SRRI#5(60e)が損傷を受けているので、記録/再生装置によりチェックできる最新のSRR情報は、SRRI#4(60d)である。しかし、SRRI#5がディスクの最終記録状態を担持するので、SRRI#4はこの情報を必ずしも担持する必要はない。そして、SRRI#5を用いることなく、ディスクの最終記録状態を回復するためには、SRRI#4及びディスクの実際の最終記録状態を比較する必要がある。比較は、次のようにして行われる。
【0100】
記録/再生装置(例えば、図14)は、オープンSRRの位置及びSRRI#4からの関連LRA情報をチェックする。これは、図13Aの例において、3つのオープンSRR#2、#3及び#4があるSRRI#4(60d)の「オープンSRRの一覧」フィールド52dから判定される。そして、SRRI#4(60d)の「SRRエントリの一覧」フィールドからこれらのオープンSRRに対応するこれらのSRRエントリのLRAフィールドにアクセスすることにより、LRAが得られ、このLRAを使用して対応するSRRが本当にオープンSRRであるかどうかを検証する。これに関し、SRRI#4(60d)のフィールド52dにおいて識別されたオープンSRRだけが検査される。クローズSRRで記録された位置は、検証されないかもしれない。オープンSRRをクローズSRRに変更すると、クローズSRRはオープンSRRにさらに変更し戻すことはできない。その結果、最終SRR情報の回復は、オープンSRRのそれぞれがクローズSRRに変更されているかをチェックすることにより可能である。
【0101】
SRRI#4(60d)のフィールド52dにあるオープンSRRとして識別されるSRR#2及び#3の場合に、SRR#2及び#3のそれぞれを検査して、図11A(実際の最終ディスク記録状態)から分かるように、所定のパディングデータ(例えば、ダミーデータ)が(エントリのLRAフィールドにおいて識別された)そのLRAの後に記録されたか否かを判定する。パディングが検出されると、記録/再生装置は、対応するオープンSRRがクローズSRRに変更されたことを判定する。
【0102】
SRRI#4のフィールド52dからオープンSRRとして認識されるSRR#4の場合に、記録/再生装置は、SRR#4を検査して、図11A(実際の最終ディスク記録状態)のそのLRAの後にパディングデータ(例えば、ダミーデータ)が存在するか否かを判定する。SRR#4は、実際の最終ディスク記録状態において、オープンSRRとして分析することができる。また、SRR#4のLRA位置の後の領域が記録可能であること、すなわち、この領域がNWAということが分かる。そして、記録/再生装置において、オリジナルSRR#4の既に記録された領域がクローズSRR(新たなクローズSRR#4)と判定され、オリジナルのSRR#4の記録可能な領域だけがオープンSRR(新たなSRR#5)として分析される。このように、損傷を受けたSRRI#5のコンテンツは、上記の分析結果を用いることによって再構成することができる。さらに、記録/再生装置により記録動作を行う上で必要な情報が追加的に記録可能な位置情報(NWA)であるので、古い及び新たなSRR#4と関連するNWAは変更されず、そのため、記録/再生装置により使用することができる。
【0103】
図13Bは、上述したように、図13Aのプロセスによる最新のSRRI#5の回復の結果を示している。この結果は、実際のディスクの最終記録状態と一致する。このため、記録/再生装置は、管理領域内で選択的に回復された最新のSRRI#5を(このときは、SRRI#6(60f)として)記録するか、追加的に記録可能な領域にのみ記録を行う。SRRI#6(60f)は、SRR#5を識別する「オープンSRRの一覧」フィールド52f、及びSRR#1−SRR#5にそれぞれ対応するSRRエントリ35q−35uを含む「SRRエントリの一覧」フィールド30fを含む。また、回復されたSRRI#5がSRRI#6として記録されなくても、データ記録が回復されたNWA情報から行われ、データ記録により復元されたNWAに変更された記録状態が新たなSRRI#6として記録される。
【0104】
図14は、本発明による光ディスク記録/再生装置を示している。この装置及びその他の適当な装置またはシステムを用いてこの明細書において論考された本発明のディスク及び/またはSRRI構造及び方法を実現することができる。
【0105】
図14を参照すると、光ディスク記録/再生装置は、光ディスクに/からデータを記録及び/または再生する記録/再生部10及び記録/再生部10を制御する制御部20を含む。記録/再生装置の全ての構成要素は、動作可能に結合されている。制御部20は、ディスク上のSRR/セッションなどの特定の記録領域に/から記録及び/または再生するためのコマンドを、記録/再生部10に伝送する。記録/再生部10は、制御部20のコマンドに従ってディスクに/からデータを記録及び/または再生する。
【産業上の利用可能性】
【0106】
記録再生部10は、インタフェース部12、ピックアップ部11、データプロセッサ13、サーボ部14、メモリ15及びマイコン16を含む。インタフェース部12は、制御部20などの外部装置と通信する。ピックアップ部11は、光ディスクに直接的にデータを記録または再生する。データプロセッサ13は、ピックアップ部11から再生信号を受け取り、好適な信号を復元し、光ディスクに適した信号を変調し、その信号を送信する。サーボ部14は、ピックアップ部11を制御して光ディスクから信号を読み取ったり、光ディスクに信号を記録したりする。メモリ15は、本明細書で述べた管理情報を含む各種のデータおよび情報を一時的に格納する。マイコン16は、記録/再生部10の構成要素を制御する。図14に示す記録/再生装置は、パディング動作を選択的に行うことができるので、設計者は、記録/再生装置をより自由に設計することができる。記録/再生部10は、パディング動作中に特定のデータを自動的に格納することができる。
【0107】
光ディスク上のデータを記録し再生する方法は、2種類に分類できる。第1は、図4Aないし図11Bの場合であって、オープンSRR上にデータを完全に記録し、LRAを含むクラスタ中の残りのセクターを強制的にパディングし、残りのセクターにパディングが行われたか否かを識別するか、あるいはSRRをクローズするとき、クラスタをパディングしたか否かを判定し、パディングに従ってパディング識別情報を記録する情報を記録する方法を含む。
【0108】
第2は、図12ないし図13Bのパディング情報を用いて損傷を受けたSRRIを効果的に回復する方法である。SRRをクローズするとき、SRRをパディングすることは、オプションとして行われる。しかしながら、パディングがSRRに対して行われ、SRRがクローズされると、このパディング情報を使用してデータを有利に復元することができる。
【0109】
本発明の一実施形態による光ディスクの第1の記録/再生方法を詳述する。BD−WOなどの光ディスクが、図12に示されたもののように、記録/再生装置にローディングされるとき、最新のSRRIをTDMAに記録された最新のディスク管理情報として読み取る。さらに、最新のSRRIに記録されたSRRIヘッダ及びSRRエントリが読み取られ、記録/再生部10のメモリ15に一時的に格納される。
【0110】
格納されたSRRIは、最新のディスク記録状態を示す。オープンSRRは、SRRIヘッダ情報を通して識別することができる。SRRエントリを通じて、データは、ディスクの全領域に記録することができ、または未記録状態の存在及び位置並びにオープンセッションをチェックすることができる。また、SRRがパディングデータでパディングされたか否かを識別することができる。光ディスクが記録または再生されるとき、全てのこのような情報を用いることができる。
【0111】
そして、データ(例えば、ユーザデータ)が特定のオープンSRRに記録される。データがオープンSRRに完全に記録されるとき、LRAを含むクラスタ中の未記録セクターは、ダミーデータ(例えば、安定性及びロバストのために)でパディングされ、パディング識別情報Padding_flagが「1b」に設定される。パディングセクターのそれぞれについて、各セクターに対応するPadding_flagが「1b」に設定される。セクターがパディングされない場合は、対応するPadding_flagが「0b」に設定される。また、SRRIのSRRエントリが更新されるときは、SRR状態情報P_flagを「1b」が設定されて、対応するSRRの少なくとも一部がパディングされていることを示す。
【0112】
加えて、SRRが制御部20のクローズコマンドによりクローズされる場合であっても、マイコン16は、記録可能な領域(例えば、1つのクラスタ)がパディング後またはパディングなしでクローズされるかを選択することができる。上記の場合、設計者は、制御部20からのパディングコマンドなしで記録再生部10がSRRをパディングデータで自動的にパディングし、SRRを無条件にクローズするように設計することができる。上記機能は、記録再生部10により「自動パディング機能」と呼ばれる。自動パディング機能は、記録再生部10が、パディングコマンドによりダミーデータを受信し、その後にSRRをパディングする場合に比べて、パディングの動作時間を短縮できるという利点がある。
【0113】
また、SRR状態が上述したようなSRR状態がパディングにより変更される場合、各パディングセクターに従ってPadding_flagが1bに設定される。さらに、P_flagが対応するSRRエントリにおいて1bに設定される。様々な記録/再生装置がそのような情報を用いることができる。
【0114】
このため、本発明により定義されるSRRのタイプ及び定義と、定義されたSRRタイプ及び定義に従ってSRRIを記録する方法が提供される。したがって、所望の機能を有する種々の記録/再生装置を用いて本ディスクにアクセスすることができる。
【0115】
さらに、光ディスクを復元することにより、データを記録し再生する第2の方法について説明する。光ディスクが記録/再生装置にローディングされるとき、マイコン16は、ピックアップ部11を制御して対応するディスクのTDMAなどの設定管理領域に記録された最新のSRRIを読み取る。マイコン16は、最新のSRRIが損傷を受けたか否かを判定する。最新のSRRIが損傷を受けたと判定されると、最新のSRRIは、図12、図13A及び図13Bを参照して上述したように、非損傷SRRIから推定され復元される。オープンSRRがクローズコマンドによりクローズSRRに変更されるとき、ディスクにパディングされるダミーデータをチェックして、最新のSRRIを上述したように回復することができる。
【0116】
回復された最新のSRRIまたはオリジナルの最新のSRRIが損傷を受けていない場合には、記録再生部10は、対応するする最新のSRRIに基づいて追加的に記録可能なオープンSRRの位置をチェックし、データを記録し、制御部20のクローズコマンドを受信し、オープンSRRに残っている追加的に記録可能な領域の一部(または全領域)をダミーデータでパディングし、SRRがクローズSRRに変更されたことを示す。変更されたディスクの記録状態は、管理領域の新たな(最新)SRRIとして記録される。その後、対応する光ディスクが再びローディングされると、最新のSRRIから最終ディスク記録状態を正確にチェックすることができる。
【0117】
本発明による追記型光ディスクの管理情報を記録するための方法は、新たなSRRタイプ及びセッションタイプを定義することを含む。オープンSRRがパディングされるか、またはSRRがパディングによりクローズされると、パディング識別情報Padding_flagは、適切に設定され、パディング領域に記録される。その他のパディング識別情報P_flagは、SRRエントリに記録される。その結果、新たな物理的な構造を有する追記型光ディスクにおいて、管理情報が、効率的に記録され、管理され得る。SRRがパディング後にクローズされるとき、パディング情報を用いて損傷を受けたSRRIを復元することができる。
【0118】
本技術分野における当業者には、本発明において種々の変形及び修正がなし得ることが明らかであろう。よって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入る提供された変形及び修正を網羅することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明による追記型光ディスクの全体構造及び追記型光ディスク上に管理情報を記録するための方法を示す図である。
【図2A】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのオープンSRRを示す図である。
【図2B】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのオープンSRRを示す図である。
【図2C】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのオープンSRRを示す図である。
【図2D】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのオープンSRRを示す図である。
【図3A】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのクローズSRRを示す図である。
【図3B】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのクローズSRRを示す図である。
【図3C】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのクローズSRRを示す図である。
【図3D】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのクローズSRRを示す図である。
【図3E】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのクローズSRRを示す図である。
【図4A】本発明による追記型光ディスクのクローズSRRにダミーデータをパディングするときのパディング識別情報の一例を示す図である。
【図4B】本発明による追記型光ディスクのオープンSRRにダミーデータをパディングするときのパディング識別情報の一例を示す図である。
【図5】本発明による追記型光ディスクの全体構造及びディスク管理情報としてSRRIを記録するための方法を示す図である。
【図6A】本発明によるSRRIに記録されたSRRエントリ一覧の構造を示す図である。
【図6B】本発明による図6AのSRRエントリ一覧に記録されたSRRエントリの一例を示す図である。
【図6C】本発明によるSRRIのオープンSRRフィールドの一覧の構造の一例を示す図である。
【図7A】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図7B】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図7C】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図8A】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図8B】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図9A】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図9B】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図10A】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図10B】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図11A】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図11B】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による最新SRRIが損傷を受けたとき、追記型光ディスクのSRRIを用いる方法を示すフローチャートである。
【図13A】本発明の一実施形態による追記型光ディスク中に最新SRRIを復元する方法を示す図である。
【図13B】本発明の一実施形態による追記型光ディスク中に最新SRRIを復元する方法を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態による追記型光ディスクのための記録/再生装置を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、追記型(write−once)光ディスク、追記型光ディスクの管理情報を記録するための方法、並びに追記型光ディスクを記録し再生するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量データが記録可能な光ディスクが、光記録媒体として広く使用されている。中でも、新たな高密度光記録媒体(HD−DVD)、例えば、ブルーレイディスクは、近年、高解像度のビデオデータ及び高品質のオーディオデータを長時間記録し、保存するために開発されてきた。
【0003】
ブルーレイディスクは、次世代のHD−DVD技術及び次世代の光記録ソリューションであり、既存のDVDよりも多くのデータを格納できる優れた能力を有している。近年、HD−DVDの国際標準の技術的な仕様が確立された。これと関連して、追記型ブルーレイディスク(BD−WO)の種々の標準が、書き換え可能な(rewritable)ブルーレイディスク(BD−RE)の標準に続いて準備されてきた。
【0004】
追記型ブルーレイディスク(BD−WO)の標準の中で、管理情報を記録するための方法が論議されてきた。この方法は、追記型光ディスクの特徴の1つであるディスクの記録状態を示す情報の記録方法を伴う。ディスクの記録状態を示す情報により、ホストまたはユーザは追記型光ディスク上の記録可能な領域を容易に見つけることができるようになる。既存の追記型光ディスクにおいて、この情報は様々に名付けられている。例えば、CDシリーズの場合には、この情報はトラック情報として名付けられ、DVDシリーズの場合には、この情報はRZoneまたはフラグメントと名付けられている。
【0005】
このため、高密度の光ディスクの記録状態に対応する管理情報を効率よく記録する方法に対する要求が高まりつつある。そして、この方法には、相互互換性を確保するために標準化された情報が提供されなければならない。また、ディスク上に管理情報を記録する方法に対する要求があり、この方法は、欠陥管理を行う追記型高密度光ディスクはもとより、ブルーレイディスクにも適用可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、関連技術の限界及び欠点による1つ以上の問題を実質的に防止する光ディスク並びにディスク管理情報を記録するための方法及び装置、特に、ディスク記録状態情報を効率よく管理するための方法及び装置を対象とする。
【0007】
本発明の1つの目的は、順次記録範囲(SRR:Sequential Recording Ranges)のタイプを定義し、SRR情報(SRRI)にSRRに関する情報を記録するための方法及び装置を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、物理的な欠陥管理が行われる追記型光ディスクに適用することができるディスク記録状態情報としてSRRIを記録するための方法及び装置を提供し、追記型光ディスクから損傷を受けたSRRIを回復するための方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のさらなる利点、目的及び特徴は、後述する詳細な説明に部分的に提示され、部分的には、この分野における通常の技術を有する者による以下の検討から明らかになるか、あるいは、本発明の実施から習得することができる。
【0010】
本発明の目的及び他の利点は、記載の説明及び請求の範囲だけでなく、添付の図面に特に指摘された構造によって実現され、達成することができる。
【0011】
本発明の上記の一般的な説明および下記の詳細な説明はともに例示であり、説明のためのものであり、請求される本発明のさらなる説明を提供するためのものであることが理解されよう。
【0012】
本発明のさらなる理解を提供するために含められ、本願に組み込まれ、本願の一部を構成する添付の図面は、本発明の原理を説明するために提供された説明と共に本発明の実施形態を例示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態を詳細に参照することにする。その例は、添付の図面に示している。同じ参照番号は、図面全体にわたって可能な限り同一または類似の部分を指すために使用されている。
【0014】
説明の便宜のために、追記型ブルーレイディスク(BD−WO)を例として説明する。本明細書中の大部分の用語は、広く知られた一般の語句であるか、発明者によって選択され使用される語句がいくつかあり、その意味は対応する説明において詳述されるであろう。本発明は、語句の単純な意味に基づくのではなく、その意味が説明されたならば、具体的に説明された意味に基づいて理解さるべきである。
【0015】
複数の領域がディスク上に形成され、その領域が順次記録されるとき、これらの領域のそれぞれは、SRR(Sequential Recording Ranges)と称される。SRRは、ユーザデータを順次記録するための記録単位(順次記録単位)である。SRRは、1つ以上のクラスタのサイズを有する。「SRR情報」(SRRI)は、ディスクの記録状態を識別する情報のための名称である。SRRIは、ディスクの順次記録モードに適用され、1つ以上のSRRに関係する。「パディング」は、ユーザの要求により、または記録/再生装置(図12)の制御下でSRRの未記録領域をダミーデータまたはゼロ値で埋めることを意味する。「セッション」は、1つ以上の連続SRRにより構成され、再生についてのみ仕様に対する互換性のためにSRRを識別する。
【0016】
図1は、BD−WOなどの追記型光ディスクの構造及び本発明によるディスク管理情報を記録する方法を示している。図1に示すディスクは、例として、単一の記録層を有している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、デュアルまたは多数の記録層を有するディスクに適用可能である。
【0017】
図1を参照すると、ディスクは、記録層にリードイン領域、データ領域及びリードアウト領域を、全て記録層に含んでいる。リードイン及びリードアウト領域は、同じ欠陥管理情報を繰り返し格納するための複数のディスク(または欠陥)管理領域(DMA1−DMA4)を有する。データ領域において、欠陥のある領域を置き換えるための内周スペア領域ISA0及び/または外周スペア領域OSA0が提供される。
【0018】
書き換え可能な光ディスクは、大きなDMAを有していないか、またはそれを必要としないことが知られている。というのは、ディスクが限られたサイズのDMAを有しているとしても、そのDMAは、繰り返し書き込まれ、消去可能であるためである。これは、BD−WOなどの追記型光ディスクの場合と異なる。追記型光ディスクは、一旦記録された領域に再記録することができないので、追記型光ディスクは、大きな管理領域を必要とし、また、それを有している。管理情報を一層効率的に格納するために、追記型光ディスクでは、管理情報はTDMA(temporary disc management area)に一時的に格納される。ディスクが完了/クローズされようとするとき、最終/最新のTDMAに格納された管理情報は、より永久的な保存のためにDMAに移転される。
【0019】
図1に示すように、ディスクは、2つのTDMA(TDMA0及びTDMA1)を含む。TDMA0はリードイン領域に割り当てられ、固定された不変のサイズを有する。TDMA1は、外周スペア領域OSA0に割り当てられ、スペア領域のサイズに応じて可変サイズを有する。TDMA1のサイズPは、例えば、P=(N*256)/4クラスタであり、ここで、Nは、正の整数であり、これは、全外周スペア領域OSA0のサイズの約1/4である。
【0020】
TDMA0及びTDMA1のそれぞれにおいて、TDFL(temporary defect list)情報及びTDDS(temporary disc definition structure)情報はともに(TDFL+TDDS)、1つの記録単位(例えば、BD−WOの場合に1つのクラスタ)に記録することができ、あるいはSRRI及びTDDS情報はともに(SRRI+TDDS)、図示したように1つの記録単位に記録することができる。SRRIは、順次記録モードが使用されるときに記録されるのに対し、SBM(space bit map)は、ランダム記録モードが使用されるときに使用される。
【0021】
各更新時において、(TDFL+TDDS)または(SRRI+TDDS)は、1つのクラスタのサイズのTDMAに記録される。図1の例では、TDFL及びTDDSはTDMA0の1つのクラスタに記録され、SRRI及びTDDSはTDMA0の次のクラスタに記録され、SRRI及びTDDSはTDMA0の次のクラスタに記録され、以下同様である。
【0022】
欠陥領域がデータ領域内に生じる場合、これをスペア領域で置き替えるプロセスが行われる。TDFLは、このプロセスを欠陥一覧として管理する情報である。単一層ディスクの場合に、TDFLは欠陥一覧のサイズに従って1クラスタから4クラスタのサイズで記録される。SRRIは、ディスクの特定の領域が記録されているか、記録されていないかを示す情報である。SRRIは、ディスクが連続記録タイプであるときに広く使用することができる。すなわち、SRRIは、ディスクが順次または増分記録モードにおいて記録される場合に有効に適用可能である。また、TDDS情報は、一般に管理領域の1つのクラスタ内の32のセクターのうち最後のセクターに記録される。ディスクの一般管理及び欠陥管理のための情報は、TDDS情報の一部として記録され、TDDS情報は、管理情報がTDMA内で更新されるときに一般に常に記録される。
【0023】
本発明は、BD−WOなどの新たな高密度光ディスクに適用されるディスク記録状態情報を生成し、記録する方法に関する。本発明において、SRRIは、ディスク記録状態情報として使用され、各種のタイプのSRRが図2Aから図3Eに示すように定義される。SRRIの詳細な構造を図5Aから図6Cを参照して説明する。本発明はまた、ディスク上に形成された異なるタイプのSRRを定義および区別し、これらを用いて光ディスクを記録および再生する。SRRのタイプを新たに定義し、区別されるSRRのタイプを識別する情報を作成する方法について詳述する。
【0024】
図2Aないし図2Dは、本発明による追記型光ディスク(例えば、BD−WO)のための異なるタイプのオープンSRRを示す。オープンSRRは、データを記録できるSRRである。SRRが記録可能であれば、SRRは「次の書込み可能なアドレス」(NWA)を有する。このため、オープンSRRは、NWAを有するSRRである。NWAを有しておらず、記録可能でないSRRは、クローズSRRと呼ばれる。クローズSRRは、図3Aから図3Eを参照して説明する。
【0025】
より具体的には、図2Aは、オープンSRRの1つのタイプであるインビジブルSRRを示す。インビジブルSRRは、初期のブランクディスクまたはディスクの最外セクターに一般に常に形成され、未記録領域を意味する。換言すると、インビジブルSRRの開始アドレスだけが定義され、インビジブルSRRの終了アドレスは、ユーザデータの終わりを意味する。データがまだ記録されていないため、最終記録領域(LRA)はゼロ値を有し、NWAは、インビジブルSRRの開始アドレスと同じ値を有する。
【0026】
図2Bは、オープンSRRの他のタイプであるインコンプリートSRRを示している。インコンプリートSRRは、図2AのインビジブルSRRに部分的に記録されたSRRである。換言すると、インコンプリートSRRの開始アドレスだけが定義され、インコンプリートSRRの終了アドレスは、ユーザデータの終わりを意味する。しかしながら、データがインコンプリートSRRに部分的に記録されているため、インコンプリートSRRのLRAは、通常のユーザデータが記録される最終アドレスを表し、NWAは、インコンプリートSRRのLRAから次のアドレスである。すなわち、NWAは、関連SRRにおける次の利用可能な未記録クラスタの最初のPSNである。
【0027】
オープンSRRにおいて、SRRが部分的に記録される場合、LRAとNWAとの関係について、図2Bに示すパディングの関連で詳述する。図2Bの小さな点線ボックス部分の拡大図が図面の下部に提供されている。
【0028】
換言すると、LRAは、ユーザデータが実際に記録される領域を意味する。ユーザデータが32のセクターからなる1つのクラスタの幾つかのセクターに記録される場合、ユーザデータが記録される対応するセクターの物理セクター番号(PSN)は、図2Bに示すように、SRRのLRAである。しかしながら、ブルーレイディスクの基本記録単位はクラスタであるため、追加的に記録可能な領域を表すNWAは、次のクラスタのヘッダセクターのPSNとなる。このため、データがクラスタの幾つかのセクター上に記録され、記録が完了(すなわち、順次記録が終了)すると、残りの未記録セクターは本発明に従ってダミーデータでパディングされる。例えば、クラスタの残りの未記録セクターは、図示したように、ゼロでパディングされる。全てのユーザデータがクラスタの最終セクターにも記録される場合、上述したパディングが必要でないことは明らかである。
【0029】
図2Cは、オープンSRRのさらに他のタイプであるエンプティーSRRを示している。エンプティーSRRは、ディスクの最外セクションには一般に形成されず、図2A及び図2BのインビジブルSRRおよびインコンプリートSRRとは対照的にデータを記録するために中央セクションに一般に形成される。換言すると、ホストまたはユーザがSRRを作るが、SRRにまだデータを記録していない場合である。エンプティーSRRが開始アドレス及び終了アドレスを有するが、まだ記録されていないため、エンプティーSRRのLRAは「ゼロ」値を有し、NWAはエンプティーSRRの開始アドレスと同じ値を有する。
【0030】
図2Dは、オープンSRRのさらに他のタイプである部分記録SRRを示す。部分記録SRRは、図2CのエンプティーSRRに部分的に記録されたSRRである。このため、部分記録SRRは、開始アドレス及び終了アドレスを有する。データが部分記録SRRに部分的に記録されるため、部分記録SRRのLRAは、通常データが記録される最終アドレスを表し、NWAはLRAからの次の書込み可能なアドレスである。
【0031】
図2DのオープンSRRにおいて、SRRが部分的に記録されると、図2Dの小さな点線部分の拡大図は、パディングの関連でLRAとNWAとの関係を示す。この特徴に関する詳細な説明は、図2Bの説明と同じであるため省略する。
【0032】
このため、図2Aから図2Dを参照して、本発明のオープンSRRは、未記録オープンSRR(図2A及び図2C)及び部分記録オープンSRR(図2B及び図2D)に分類される。部分記録オープンSRR(図2B及び図2D)は、LRAの後にパディングされたオープンSRR及びパディングされていないオープンSRRに分類することができる。
【0033】
本発明により、オープンSRRの数が大きい場合に管理の困難さのために任意の所与の時間におけるオープンSRRの総数は、追記型光ディスクにおいて予め決められた数に限定される。例えば、ディスク上のオープンSRRの総数は、本発明のBD−WOにおいて、最大16とすることができる。位置に関する情報及びオープンSRRの数は、SRRIのヘッダにある「オープンSRRの一覧」フィールド及び「オープンSRRの数」フィールドを用いて参照することができる。SRRIヘッダにある「オープンSRRの一覧」フィールド及び「オープンSRRの数」フィールドは、SRRI構造を図5から図6Cを参照して論考するときに説明する。
【0034】
図3Aから図3Eは、本発明によるBD−WOなどの追記型光ディスクのための異なるタイプのクローズSRRを示している。クローズSRRは、データ(例えば、ユーザデータ)が記録できないSRRである。SRRが記録可能ではなければ、SRRはNWAを有しない。クローズSRRは、SRRが完全に記録されるという理由で作成されてもよい。また、クローズSRRは、記録可能な領域がSRRに残っていても、ユーザまたはホストがSRRをクローズコマンドによりクローズするという理由で作成されてもよい。
【0035】
特に、図3Aは、クローズSRRの1つのタイプであるエンプティーSRRを示している。エンプティーSRRは、オープンエンプティーSRR(図2C)であり、これは任意のユーザデータをそこへ記録することなくクローズコマンドによりクローズされる。このため、図3Aは、クローズエンプティーSRRを示し、図2Cは、オープンエンプティーSRRを示している。
【0036】
図3Bは、クローズSRRの他のタイプである部分記録SRRを示している。図3Bの部分記録SRRは、図2Dのオープン部分記録SRRであり、これは任意の追加のユーザデータをそこへ記録することなくクローズコマンドによりクローズされる。このため、図3Bは、クローズ部分記録SRRを示し、図2Dは、オープン部分記録SRRを示している。
【0037】
図3Cは、クローズSRRのさらに他のタイプであるコンプリートSRRを示している。コンプリートSRRはユーザデータがSRRに完全に記録されるか、ダミーデータで完全にパディングされたSRRである。コンプリートSRRは、クローズSRRのうちにのみ存在する。
【0038】
図3Dは、クローズSRRのさらに他のタイプであるクローズ部分記録SRRを示している。図3Dの部分記録SRRは、図2Dのオープン部分記録SRRをクローズするとき、そのLRAの後の記録可能な領域においてダミーデータでパディングされたSRRである。ここでは、そのLRAまたはNWAの後のSRRの全ての記録可能な領域または一部の記録可能な領域(例えば、1以上のクラスタ)は、パディングデータとして用いられるダミーデータでパディングすることができる。また、一部の領域がパディングされるとき、ダミーデータを記録する代わりに、ASCII文字などの特定の文字コードをパディングデータとして記録してSRRがクローズされることを表しても良い。この場合、パディングデータとして用いられる特定の文字コードは、対応するSRRがクローズされることを表す「CLSD」などの文字とすることができる。
【0039】
図3Eは、クローズSRRのさらに他のタイプであるエンプティーSRRを示している。図3EのエンプティーSRRは、そのLRAの後の記録可能な領域において特定のダミーデータでパディングされ、図2CのオープンエンプティーSRRをクローズするときにクローズされるSRRである。ここで、そのLRAまたはNWAの後のSRRの全ての記録可能な領域または一部の記録可能な領域(例えば、1以上のクラスタ)は、パディングデータとして用いられるダミーデータでパディングすることができる。また、一部の領域がパディングされるとき、ダミーデータを記録する代わりに、ASCII文字などの特定の文字コードをパディングデータとして記録してSRRがクローズされることを表しても良い。この場合、パディングデータとして用いられる特定の文字コードは、対応するSRRがクローズされることを表す「CLSD」などの文字とすることができる。
【0040】
図3D及び図3EのクローズSRRが終了アドレスまでダミーデータで完全にパディングされると、図3D及び図3EのクローズSRRは、図3Cを参照して上述したコンプリートSRRと同じSRRである。換言すると、本発明において、クローズSRRのタイプを決める際に、クローズSRRは、オープンSRRがクローズコマンドによりクローズSRRに変更されるとき、SRRの未記録の残りの領域をパディングし、クローズする場合(図3D及び図3E)からパディングなしでSRRの未記録の残りの領域をクローズする場合(図3A及び図3B)を区分するよう定義される。
【0041】
また、本発明において、SRRをクローズするとき、パディングすることなくSRRをクローズすること、または特定のパディングデータでパディングした後にSRRをクローズすることが可能である。ブルーレイディスクは、未記録領域がパディングされると、SRRを通して同じファミリの再生のみのディスクと互換可能であると考えられる。記録/再生装置は(例えば、図14に示すように)、記録/再生装置の設計の自由度をさらに確保するためにディスクを選択的にパディングすることができる。ディスクをパディングするとき、記録/再生装置の記録再生部(例えば、図14の構成要素10)は、特定データを自動的に記録することができ、それで構成要素10が制御部から特定のデータを受信し、パディングの場合に時間の問題を解消することができる。
【0042】
図4A及び図4Bは、本発明の一実施形態により追記型光ディスクのクローズ記録SRR及びオープンSRRのそれぞれにダミーデータをパディングするときのパディング識別情報の一例を示している。パディングは、オープンSRRをクローズするとき、オープンSRRに行われても良い。しかし、パディングは、SRRをクローズする必要がないコマンドに応答してオープンSRRに対して行われても良い(例えば、順次記録を終了するためにパディングが行われる図2B及び図2Dの場合)。すなわち、図4Aは、図2Bまたは図2Dと関連し、図4Bは、図3Dまたは図3Eと関連する。
【0043】
より具体的には、図4Aは、オープンSRRの場合に、実際のユーザデータが1つのクラスタの一部の領域のみに記録され、そのクラスタの残りの領域は、ダミーデータでパディングされる場合を示している。図4Aは、実際のユーザデータが記録されるセクターを、ダミーデータでパディングされるセクターから区別するためのパディング識別情報「Padding_flag」が対応するクラスタ中の制御フラグとして設定されることを示している。SRRの各クラスタの32のセクターの1つに対応する32のPadding_flagが存在する。
【0044】
図4Aに示すように、この例において、セクター0−セクター29は、ユーザデータが記録される領域であるので、これらのセクターのそれぞれのPadding_flagは、対応するセクターにパディングが存在しないことを示すためにある値、例えば、「0b」に設定される。他方、セクター30及びセクター31は、パディングデータでパディングされる領域であるので、これらのセクターのそれぞれのPadding−flagは、対応するセクターにパディングが存在することを示すために「1b」などの値に設定される。
【0045】
この例において、LRAは、セクター29の位置(第1のPSN)を表す。このため、光記録/再生装置は、LRAを含むクラスタをデコードし、セクターのそれぞれに対応するPadding_flagを読み取り、クラスタにおいてダミーデータでパディングされたセクターを正確に認識することができる。
【0046】
図4Bは、SRRの記録可能な領域の特定のクラスタがSRRをクローズする場合、ダミーデータで完全にパディングされることを示している。図4Bは、パディング後にクローズされたSRRからパディングなしでクローズされたSRRを区別するためのパディング識別情報「Padding_flag」が対応するクラスタに制御フラグとして設定されることを示している。
【0047】
図4Bに示すように、この例において、セクター0−セクター31がダミーデータで完全にパディングされた領域であるので、これらの32のセクターのそれぞれのPadding−flagは、「1b」などのある値に設定されて対応するセクターがパディングされていることを示す。
【0048】
その結果、光記録/再生装置は、上述したようにパディング識別情報Padding_flagを有するクラスタをデコードし、セクターのそれぞれに対応するPadding_flagを読み取り、クラスタ中の全てのセクターがダミーデータでパディングされていることを正確に認識することができる。
【0049】
換言すると、図4Aは、ディスク上の順次記録を終了するためのパディングに関するものであるのに対し、図4Bは、SRRをクローズするためのパディングに関するものである。図4Aは、順次記録が終了されるとき、関連クラスタ中の全ての残りのセクターがダミーデータでパディングされていることを示している。
【0050】
それぞれのパディングフラグはクラスタの各セクターに対応し、対応するセクターがパディングされる場合、「1b」に設定される。図4Aの場合に、パディングは一度に1セクターに対して行われる。他方、図4Bの場合に、1以上のクラスタ(一度に1クラスタ)がSRRをクローズするときにパディングされる。1つのクラスタのパディングにおいて、そのクラスタの32のセクターに対応する32のパディングフラグは、図4Bに示すように、そのクラスタのパディングを示すためにすべて「1b」に設定される。
【0051】
図5ないし図6Cは、本発明によるSRRIの構造及びSRRIに含まれた情報を示している。
【0052】
特に、図5は、SRRIの全体構造を示している。SRRIは1以上のSRRに関係し、ディスクの記録状態を提供する管理情報である。SRRIは、図1及び図5の光ディスク構造のTDMA(例えば、TDMA0)に記録される。図5に示すように、TDMA中のそれぞれのSRRI60は、3つの部分、すなわち、ヘッダ50、SRRエントリの一覧30及びSRR一覧ターミネータ40から構成される。ヘッダ50は、SRRIを識別する。SRRエントリの一覧30は、対応するSRRのそれぞれの記録状態を表す。SRR一覧ターミネータ40は、SRRIの終わりまたは終端を示す。
【0053】
ヘッダ50はSRRIのヘッダに位置し、「SRRI構造識別子」フィールド51、「オープンSRRの一覧」フィールド52、「SRRエントリの数」フィールド53及び「オープンSRRの数」フィールド54を含み、それで全体のSRRエントリコンテンツを、SRRエントリ一覧を読み取る前にチェックすることができる。ここで、「SRRI構造識別子」フィールド51は、SRRIを識別する。「オープンSRRの一覧」フィールド52は、対応するSRRIと関連付けられたオープンSRRの位置(識別)を知らせ、図6Cを参照して後述する。「SRRエントリの数」フィールド53は、SRRI60と関連付けられた全てのSRRの総数を表す。「オープンSRRの数」フィールド54は、オープンSRRの総数を表す。
【0054】
ヘッダ50の後、SRRエントリの一覧(またはSRRエントリ一覧)50がSRRIに記録される。最終SRRエントリの後、SRRIの終わりは、SRR一覧ターミネータ40でマークされる。SRR一覧ターミネータ40は、SRRIが可変サイズの場合、対応するSRRIの終了位置を示す情報として意味がある。
【0055】
このため、ディスク管理情報として、SRRIは、ヘッダ50、SRRエントリ一覧30及びSRR一覧ターミネータ40から構成される。全てのこのような情報は、更新される度に一括して記録される。
【0056】
図6Aは、本発明に従ってSRRIに記録されるSRRエントリ一覧30の一例を示している。図6Aに示すように、SRRエントリ一覧30は、1以上のSRRエントリ35から構成される。SRRエントリ35のそれぞれは、ディスク上の(SRR番号により識別される)1つのSRRに関する情報を担持し、8バイト(64ビット)のサイズを有し、対応するSRRの記録状態を表す。それぞれのSRRエントリ35は、対応するSRRの状態を格納するための状態フィールド31(状態1)、対応するSRRの開始アドレスを格納するための開始アドレスフィールド32、対応するSRRの状態を格納するための他の状態フィールド33(状態2)及び対応するSRRのLRAを格納するための最終記録アドレス(LRA)フィールド34(すなわち、SRRに格納されたユーザデータの終了アドレス)を含む。一般に、開始アドレスフィールド32中の対応するSRRの開始アドレスは、PSNとして表される。
【0057】
一実施形態によれば、SRRエントリ35の64ビットのうち最初の4つの最上位ビット(b63−b60)は、第1の状態フィールド31に割り当てられ、SRRエントリ35の次の28ビット(b59−b32)は、開始アドレスフィールド32に割り当てられ、SRRエントリ35の次の4ビット(b31−b28)は、第2の状態フィールド33に割り当てられ、SRRエントリ35の最終28ビット(b27−b0)は、LRAフィールド34に割り当てられる。
【0058】
図6Bは、本発明によるSRRエントリ一覧30に記録されるSRRエントリ35の一例を示す。状態1フィールド31は、任意のパディングが対応するSRRにおいて行われたかどうかを識別する情報を格納するために使用される。状態2フィールド33は、対応するSRRがセッションの開始であるかどうかを識別する情報を格納するために使用される。
【0059】
図6Bに示すように、状態1フィールド31に割り当てられた4つの先頭ビットのうち、1ビットを使用して、SRRがパディングデータでパディングされたか否かを識別するパディング識別情報「P−flag」を格納する。4つの先頭ビットのうち他の3ビットは、規格の変更のために予約されている。
【0060】
SRRエントリに記録されるパディング識別情報「P_flag」は、図4A及び図4Bを参照して上述したパディング識別情報「Padding_flag」と似ていることに留意すべきである。しかしながら、これらは、異なる目的を有している。特定のSRRが最終的にパディングされると、P_flagはSRRエントリに記録されて、対応するSRRがパディングされたSRRであることを直接表す。このため、光記録/再生装置(図12)は、対応するSRRがSRRエントリに管理情報として記録されたP−flagを検査することにより、パディングされているか否かを容易にチェックすることができる。その後、光記録/再生装置は、図4A及び図4Bを参照して上述した対応するクラスタ(SRR)をデコードし、SRRの各セクターに対応するPadding_flagの値をクラスタから読み取り、それで光記録/再生装置は、そのLRAの後にどの程度のSRRがパディングされているかを判定することができる。
【0061】
図6Bの例において、状態1フィールド31の第1のビット(31a)は、P−flagを担持し、フィールド31の残りの3ビット(31b)は予約される。P_flag=1bであれば、対応するSRRがパディングされたSRRであることを意味する(すなわち、SRRは、少なくとも一部がパディングデータでパディングされる)。P_flag=0bであれば、対応するSRRが未パディングのSRRであることを意味する。
【0062】
4ビットが割り当てられた状態2フィールド33は、対応するSRRがセッション開始SRRであるか否かを示す情報を担持する。4−ビットのフィールド33の1ビットは、対応するSRRがセッションの開始SRRであるか否かを識別するセッション識別情報「S−flag」を担持する。フィールド33の他の3ビットは、規格の何らかの変更のために予約される。この例において、4−ビットのフィールド33の第1のビット(33a)はS−フラグを格納し、残りの3ビット(33b)は予約される。S_flag=1bであれば、対応するSRRがセッションの開始SRRであることを意味する。S_flag=0bであれば、対応するSRRがセッションの開始SRRではないことを意味する。
【0063】
S_flagを通じてセッションの開始を識別する理由の1つは、セッションを区別するために追加の領域(例えば、ボーダーイン/ボーダーアウト)を割り当てるDVDなどの既存のディスク構造と互換性を提供するためである。しかしながら、追加領域の割り当てによりディスクの全体の記録容量が減る。このように、本発明は、SRRエントリ35にセッション識別情報(S−flag)を提供することによって、この限界を克服する。このため、全体のディスクのセッション構造は、情報を区別するそのようなセッションを格納するための追加の領域を割り当てる必要なく、SRRエントリ35中のセッション識別情報S−flagを用いて容易に認識することができる。
【0064】
本発明の説明の便宜のために、P_flag及びS_flagは、SRRエントリの別個の状態フィールドに格納された別個の状態情報として示されているが、これらは、SRRエントリの1つの状態フィールドに一緒に格納することができる。
【0065】
SRRエントリ35のLRAフィールド34は、対応するSRRに記録されたユーザデータの終了アドレス(LRA)を記録するためのフィールドであり、対応するSRRに記録されたユーザデータ(任意のパディングデータを除く)の終了アドレスを格納する。
【0066】
図6Cは、本発明の一実施形態による図5のSRRIの「オープンSRRの一覧」フィールド52の詳細な構造を示す。フィールド52に格納された情報を使用してそれぞれのオープンSRRの位置/識別を判定する。図6Cに示すように、1以上のオープンSRR番号がオープンSRRの位置情報として「オープンSRRの一覧」フィールド52に記録される。特定のSRRを識別するオープンSRR番号を記録するために、2バイトが割り当てられる。
【0067】
本発明において、ディスク上に最大16のオープンSRRが存在すると、対応するオープンSRR(それゆえオープンSRRエントリ)の位置(識別)がそれぞれのオープンSRR番号を通じて記録される。このため、本発明のディスク構造を有する光ディスクをロードするとき、記録/再生装置は、本発明のオープンSRR情報を基にディスクの記録が可能な位置(NWA)を決めることができる。換言すると、現在のディスク上のオープンSRRの位置は、データを記録するために知られているべきである。対応するSRRがオープンSRRであるか、クローズSRRであるかを識別する情報が、特にSRRエントリに提供されないので、オープンSRRの識別/位置は、SRRIのヘッダに記録され、容易にアクセスでき、それで光記録/再生装置が識別されたオープンSRRと関連付けられたSRRエントリを容易に読み取ることができる。
【0068】
このため、「オープンSRRの一覧」フィールド52に記録されたSRR番号を有するSRRだけがオープンSRRとして追加的に記録可能である。その後、SRRがクローズSRRに変更されると、クローズSRRのSRR番号は、「オープンSRRの一覧」フィールド52から除去されてオープンSRRをクローズSRRから容易に区別することが可能になる。
【0069】
本発明によるディスク記録状態を表すSRRIを更新するための方法について説明する。特に、SRR及びセッションをオープン及びクローズし、SRRをダミーデータでパディングし、SRRIを記録する方法を図7Aないし図11Bを参照して説明する。
【0070】
図7Aないし図11Bは、本発明の追記型光ディスクのディスク記録状態に従ってSRRIを記録する方法を順次示している。より具体的には、図7Aないし図11Bは、ディスク上の異なるタイプのSRR(図2Aないし図3Eに示す)がどのように作成され、時間のフローに応じて行われる順次的なステップを用いてSRRIを記録する仕方を順次示している。これらの方法は、SRR、SRRI及び図1ないし図6Cを参照してここで説明したディスク構造を有するBD−WOなどの追記型光ディスク上に実装される。
【0071】
図7Aは、ディスクの全体領域が初期のブランクディスクとして記録可能であり、太い矢印により示された部分がNWA位置を示すステップ1を示している。ディスクの開始位置は、NWAである。ここで、1つのSRR(SRR#1)だけがディスク上に存在する。これは、図2Aに示すインビジブルSRRである。
【0072】
このため、セッションは、ディスクの初期状態であり、1つのオープンセッション#1だけが存在する。このディスクは、ブランクディスクであり、SRRIはディスク上にまだ記録されていない。セッションは、SRRなどの下位レベルの記録単位と比較される上位レベルの記録単位であり、少なくとも1つのSRRを含む。複数のセッションがディスク上に記録でき、このようなディスクをマルチセッションディスクと呼ぶ。
【0073】
図7Bは、データ(例えば、ユーザデータ)が図7Aのブランクディスク上に部分的に記録されるが、セッション#1はまだクローズされていないステップ2を示している。ここで、1つのSRR(SRR#1)だけがディスク上に存在し、これは図2Bに示すインコンプリートSRRである。セッション#1は、オープンセッションとして保持される。図7Bに示すように、ユーザデータは、インコンプリートSRR#1の一部として記録され、SRR#1(クラスタ)の未記録部分(例えば、セクター)は、ダミーデータでパディングされる。上述したように、SRRのパディングされたセクターは、例えば、クラスタ/SRR#1のパディングされたセクター内のクラスタの指定領域に記録される「Padding_flag=1b」で指示される。
【0074】
図7Cは、ディスクが図7Bの状態にあるとき、ディスクの管理領域にSRRIを記録するプロセスを示している。説明の便宜のために、図1及び図5に示すSRRI構造及びディスク構造の全ての異なる構成要素のうちある特定の部分だけを示している。例えば、(SRRI+TDDS)または(TDFL+TDDS)が、上述したように、ディスクのTDMA0などのTDMAの各クラスタに記録されるが、SRRIだけを図7CのTDMA0に示し、TDFL及び/またはTDDSは、明瞭性のために省略されている。さらに、図5に示すSRRIの異なるフィールドのうち「オープンSRRの一覧」フィールド52及び「SRRエントリの一覧」フィールド30だけを示している。
【0075】
図7Cのディスクの記録状態は、1つのオープンSRR(SRR#1)だけが図7Bなどの全てのディスク領域に存在する場合である。図7Cに示すように、インコンプリートSRR#1が図7Bなどのセッションをクローズすることなく形成されるとき、SRR#1に関係するSRRI#1(60a)が生成され、TDMA0に記録される。SRRI#1(60a)において、オープンSRR#1のSRR番号(SRR#1)は、その「オープンSRRの一覧」フィールド52aに記録される。SRRI#1(60a)の「SRRエントリの一覧」フィールド30aに、SRR#1に関係する1つのSRRエントリ35aだけが存在する。SRRエントリ35a(または後述するSRRエントリ)(35b−35p)は、上述した図6A及び図6BのSRRエントリ構造を有する。
【0076】
SRRエントリ35aにおいて、SRR#1の一部が最終的にパディングされるので、P_flagは、対応するSRR#1の状態情報として「1b」に設定される。SRR#1がオープンセッション#1の開始SRRであるので、S_flagは対応するSRR#1の状態情報として「1b」に設定される。
【0077】
図8Aは、セッションクローズコマンドが図7Bのステップ2において受け取られ、実行されるステップ3を示している。セッションクローズコマンドに応答して、ユーザデータが記録される領域が独立したクローズSRRに分離され、新たなセッションがユーザデータ記録領域に続く領域に作成される。例えば、図8Aに示すように、ステップ2においてユーザデータで完全に記録された領域の一部が、クローズセッション#1を形成するコンプリートSRR#1(クローズSRR)となる。加えて、未記録領域は、同時にオープンセッション#2を形成するインビジブルSRR#2(オープンSRR)となる。
【0078】
図8Bは、図8Aのようなディスク状態に関係する場合にディスク記録状態(SRRI)を記録するプロセスを示している。SRRIが第2の記録SRRIであるので、このSRRIは、SRRI#2(60b)と名付けられる。SRRI#2(60b)は、TDMA0のSRRI#1(60a)の次に記録される。図8Aのディスクの状態を記録するために、ディスクの全領域が1つのオープンSRR(SRR#2)及び1つのクローズSRR(SRR#1)を有するので、オープンSRR#2のSRR番号は、SRRI#2の「オープンSRRの一覧」フィールド52bに記録され、SRR#1及びSRR#2に関する情報は、SRRエントリ35b及び35cとしてSRRI#2の「SRRエントリの一覧」フィールド30bにそれぞれ記録される。図8B(及びその他の図)において陰影を付したSRRエントリ(例えば、35b)は、そのエントリがクローズSRRエントリであることを示す。このため、ユーザデータが新たに作成されたSRR#2にまだ記録されていないので、SRR#2エントリ(35c)のP−flagは「0b」に設定される。SRR#2がオープンセッション#2の開始SRRであるので、SRR#2エントリ(35c)のS_flagは、「1b」に設定される。
【0079】
図9Aは、ディスクが図8Aの状態にあるとき、新たなデータを記録するために2つのオープンSRRがさらに予約されるステップ4を示している。このため、新たに作成されたオープンSRRがオープンエンプティーSRR#2及び#3であり、太い矢印にて示されたNWAを有する。その結果、オープンセッション#2は、エンプティーSRR#2及び#3及びインビジブルSRR#4から構成される。
【0080】
図9Bは、図9Aのようなディスク状態に関係する場合にディスク記録状態(SRRI)を記録するプロセスを示している。SRRIが第3の記録SRRIであるので、そのSRRIはSRRI#3(60c)と名付けられる。SRRI#3(60c)は、TDMA0のSRRI#2(60b)の隣に記録される。図9Aのディスクの状態を記録するために、ディスクの全領域が3つのオープンSRR(SRR#2、#3及び#4)と1つのクローズSRR(SRR#1)を有するので、オープンSRRのSRR番号(SRR#2、#3及び#4)は、SRRI#3の「オープンSRRの一覧」フィールド52cに記録される。全ての4つのSRR(SRR#1−#4)に関する情報は、SRRエントリ35d−35gとしてSRRI#3の「SRRエントリの一覧」フィールド30cにそれぞれ記録される。
【0081】
このため、新たに作成されたSRR#2、#3及び#4に関する情報がSRRI#3(60c)に記録され、ユーザデータがSRR#2、#3及び#4にまだ記録されていないので、対応するSRRエントリ35e、35F、35gのP_flagは「1b」に設定される。しかしながら、SRR#3及び#4がオープンセッション#2の開始SRRではないが、SRR#2がセッション開始SRRであるので、SRR#2エントリ35e、SRR#3エントリ35f及びSRR#4エントリ35gのS_flagはそれぞれ「1b」、「0b」及び「0b」に設定される。
【0082】
図10Aは、ユーザデータが図9AのインビジブルSRR#4及びエンプティーSRR#2に記録されるステップ5を示している。このため、第1のエンプティーSRR#2は、部分記録SRR#2に変更され、インビジブルSRR#4は、インコンプリートSRR#4に変更されるが、オープンエンプティーSRR#3は変更されない。SRR#2は、パディングなしのユーザデータで記録される。SRR#4は、ユーザデータで記録され、また、パディングデータでパディングされる。SRR#4のパディングセクターにおいて、Padding_flagは「1b」に設定される。
【0083】
図10Bは、図10Aのようなディスク状態に関係する場合にディスク記録状態(SRRI)を記録するプロセスを示している。SRRIが第4の記録SRRIであるので、SRRIはSRRI#4(60d)と名付けられる。SRRI#4(60d)は、SRRI#3(60c)の次に記録される。図10Aのディスクの状態を記録するために、ディスクの全領域が3つのオープンSRR(SRR#2−#4)及び1つのクローズSRR(SRR#1)を有するので、オープンSRRのSRR番号(SRR#2−#4)は、SRRI#4(60d)の「オープンSRRの一覧」フィールド52dに記録される。4つの全てのSRR(SRR#1−#4)に関する情報は、SRRエントリ35h−35kとしてSRRI#460dの「SRRエントリの一覧」フィールド30dにそれぞれ記録される。
【0084】
このステップにおいて、SRRエントリの数及びオープンSRRの位置は、図9Bに示すものと同じであるが、ユーザデータが特定のオープンSRR上に記録されるので、記録オープンSRRエントリのLRAが変更され、P_flagの値も変更される。換言すると、記録されたSRR#2及びSRR#4に関する情報が更新される。SRR#2がパディングなしにユーザデータで記録されるので、SRR#2エントリ35iのP_flagは、「0b」となるように保持される。SRR#4がユーザデータで記録されてパディングされるので、SRR#4エントリ35kのP_flagは、「1b」に変更される。
【0085】
図11Aは、ディスクが図10Aの状態にあるとき、セッションクローズコマンドが受信され、実行されるステップ6を示している。図11Aに示すように、オープンSRRの追加的に記録可能な部分またはオープンSRRの追加的に記録可能な部分の一部は、オープンSRRがクローズされる前にダミーデータでパディングされる。上述したように、パディング動作は、オプション的な機能である。また、パディングが行われるとき、特定のデータ(例えば、文字コードとしての「CLSD」)を上述したようにパディングデータとして記録可能とすることができる。
【0086】
以前にオープンSRRであったSRR#2、#3及び#4は、クローズ部分記録SRR#2、クローズエンプティーSRR#3及びコンプリートSRR#4に変更され、これらは次いでクローズセッション#2を形成する。SRR#2及び#3において、追加的に記録可能な領域が残っているが、クローズコマンドによってクローズSRRに変更される。ここで、一部は、代替的にダミーデータでパディングされる。このため、ダミーデータでパディングされたクラスタ/SRR(例えば、図4B)の全てのセクターがPadding_flag=1bに設定される。しかしながら、この場合でも、SRRエントリに記録されたLRAはユーザデータが実際に記録される終わりの位置を意味する。ダミーデータ部分は、上述したように、LRA位置の決定に影響を及ぼさない。残りの最外SRR#5は、インビジブルSRR#5であり、これは次いで新たなオープンセッション#3を形成する。
【0087】
図11Bは、図11Aのようなディスク状態に関係する場合にディスク記録状態(SRRI)を記録するプロセスを示している。SRRIが管理領域において第5の記録SRRIであるので、このSSRIはSRRI#5(60e)と名付けられる。SRRI#5(60e)は、TDMA0のSRRI#5(60d)の次に記録される。図11Aのディスクの状態を記録するために、ディスクの全領域が1つのオープンSRR(SRR#5)と4つのクローズSRR(SRR#1−SRR#4)を有するので、オープンSRR(SRR#5)のSRR番号がSRRI#5の「オープンSRRの一覧」フィールド52eに記録され、SRRI#4に記録された全ての以前のオープンSRR番号(例えば、図10BのSRR#2、SRR#3及びSRR#4)は、現在のオープンSRR一覧52eから除去される。「オープンSRRの一覧」フィールドからSRRを除去することは、このようなSRRがクローズされることを意味する。全ての5つのSRR(SRR#1−SRR#5)に関する情報は、SRRエントリ35l−35pとしてSRRI#5の「SRRエントリの一覧」にそれぞれ記録される。
【0088】
SRR#2及びSRR#3は、クローズコマンドに応答してダミーデータでパディングされるので、SRR#2エントリ35m及びSRR#3エントリ35nのP_flagは「1b」に変更されて、対応するSRRの少なくとも一部がパディングデータでパディングされることを示す。SRRエントリのLRAは、ユーザデータが実際に記録される終わりの位置であるので、SRR#2−SRR#4のLRAは、SRRI#4(60d)に記録された以前のLRAと同じ値を有する。また、ユーザデータが新たに生成されたインビジブルSRR#5上にまだ記録されていないので、SRR#5エントリ35pのP_flagは、「0b」となるように設定される。SRR#5が新たなセッション#3の開始SRRであるので、SRR#5エントリのS−flagは、「1b」となるように設定される。
【0089】
図7Aないし図11Bから分かるように、SRRIは、現在のディスクの記録状態を示す情報である。本発明の光ディスクを記録/再生装置にローディングするとき、記録/再生装置は、管理領域に最終的に記録された最新のSRRI(上記の例でSRRI#5)をチェックしなければならない。最新のSRRIのみがディスクの最終記録状態を正しく示すので、追加的に記録されたSRRの位置をチェックすることが可能になる。
【0090】
しかしながら、ディスクを使用している間に、電源がいきなり切られるか、あるいは、ディスクが損傷を受けると、ディスクの最新のSRRIが正しく読み出されないことがある。このときに、最終記録状態が非損傷のSRRIのうち最新のSRRIを用いて再構成する必要がある。
【0091】
本発明によれば、SRRがクローズされるとき、SRRはパディング動作でパディングされ、ディスクの最新のSRRIが損傷を受けた状況にあっても、このパディング情報を用いて、さらには、ディスクの最終記録状態を再構成することができる。これにより、最新のSRRI及びディスクの現在の記録状態を回復することが可能になる。
【0092】
図12、図13A及び図13Bは、本発明による追記型光ディスク上にデータを記録する方法を示している。この方法は、最新のSRRIが損傷を受けたときでも、ディスクの最終記録状態を推定し、ディスクの最新のSRRIを回復する。記録/再生は、最新のSRRIから得られた最終記録状態を用いて行うことができる。
【0093】
対応するSRRIが欠陥領域として判定され、記録情報が信頼できないとき、そのSRRIは損傷を受けたと言われる。最新のSRRIが損傷を受けると、これは、ディスクの最終記録状態が最新のSRRIから得られないことを意味する。このため、ディスクの記録が可能な位置を知ることができない。最悪の場合、ディスクそのものをもはや使用できない。
【0094】
本発明は、最新のSRRIが損傷を受けたとき、ディスクの最終記録状態を正しく回復する方法を提供する。特に、図12は、本発明の一実施形態によりBD−WOなどの追記型光ディスクの最終記録状態を回復し、ディスク上の記録/再生動作を行う方法を示すフローチャートである。ディスクは、上述したように、ディスク構造及びSRRI構造を含む。図12を参照すると、ディスクが14に示すような光記録/再生装置にローディングされる場合、管理領域(例えば、TDMA0)内に記録された最新のSRRIが読み出される。そして、読み取られたSRRIが損傷を受けたか否かをチェックする(S10)。
【0095】
最新のSRRIが損傷を受けていなければ、最終ディスク記録状態が最新のSRRIから得られる(S21)。そして、最新のSRRIを用いて、追加的に記録可能な領域にのみ記録が行われるか、及び/または、既に記録された領域に対して再生動作が行われる(S22)。このような領域に関する情報は、最新のSRRIから得られる。
【0096】
他方、ステップ(S10)により、最新のSRRIが損傷を受けたと判定されると、非損傷SRRIのうち最新のSRRIが判定される(S31)。そして、この最新の非損傷SRRIが読み出される(S32)。損傷を受けたSRRIは、ディスクの最新の非損傷SRRI及び実際の記録状態を用いて回復することができる(S33)。ステップS33は、オプションのステップとすることができる。追加的に記録可能な領域に記録が行われ、及び/または、既に記録された領域に対して再生動作が行われる。このような領域に関する情報は、ディスクの最新の非損傷SRRI及び/または実際の記録状態から判定することができる。記録/再生ステップS34の後、新たに変更された記録状態が管理領域に新たなSRRIとして記録することができる。
【0097】
図13A及び図13Bは、最新のSRRI(図11Bの例におけるSRRI#5)が損傷を受けたとき、最終記録状態を回復する図12のステップS33の一例を示している。説明の便宜のために、図7Aないし図11BのSRRI記録方法について一例として説明する。
【0098】
図13Aに示すように、SRRIが正常状態にあれば、SRRI#5(60e)がディスクの最新のSRRIとなる。しかしながら、SRRI#5が損傷を受けた場合、記録/再生装置は、非損傷SRRIのうち最新のSRRIを読み取る。この例において、SRRI#4(60d)が非損傷SRRI#1−SRRI#4のうち最新のSRRIである。
【0099】
図11Aに示すステップ6と関連付けられた実際の記録状態は、図11Bに示すように書かれたSRRI#5(60e)から判定することができる。しかしながら、SRRI#5(60e)が損傷を受けているので、記録/再生装置によりチェックできる最新のSRR情報は、SRRI#4(60d)である。しかし、SRRI#5がディスクの最終記録状態を担持するので、SRRI#4はこの情報を必ずしも担持する必要はない。そして、SRRI#5を用いることなく、ディスクの最終記録状態を回復するためには、SRRI#4及びディスクの実際の最終記録状態を比較する必要がある。比較は、次のようにして行われる。
【0100】
記録/再生装置(例えば、図14)は、オープンSRRの位置及びSRRI#4からの関連LRA情報をチェックする。これは、図13Aの例において、3つのオープンSRR#2、#3及び#4があるSRRI#4(60d)の「オープンSRRの一覧」フィールド52dから判定される。そして、SRRI#4(60d)の「SRRエントリの一覧」フィールドからこれらのオープンSRRに対応するこれらのSRRエントリのLRAフィールドにアクセスすることにより、LRAが得られ、このLRAを使用して対応するSRRが本当にオープンSRRであるかどうかを検証する。これに関し、SRRI#4(60d)のフィールド52dにおいて識別されたオープンSRRだけが検査される。クローズSRRで記録された位置は、検証されないかもしれない。オープンSRRをクローズSRRに変更すると、クローズSRRはオープンSRRにさらに変更し戻すことはできない。その結果、最終SRR情報の回復は、オープンSRRのそれぞれがクローズSRRに変更されているかをチェックすることにより可能である。
【0101】
SRRI#4(60d)のフィールド52dにあるオープンSRRとして識別されるSRR#2及び#3の場合に、SRR#2及び#3のそれぞれを検査して、図11A(実際の最終ディスク記録状態)から分かるように、所定のパディングデータ(例えば、ダミーデータ)が(エントリのLRAフィールドにおいて識別された)そのLRAの後に記録されたか否かを判定する。パディングが検出されると、記録/再生装置は、対応するオープンSRRがクローズSRRに変更されたことを判定する。
【0102】
SRRI#4のフィールド52dからオープンSRRとして認識されるSRR#4の場合に、記録/再生装置は、SRR#4を検査して、図11A(実際の最終ディスク記録状態)のそのLRAの後にパディングデータ(例えば、ダミーデータ)が存在するか否かを判定する。SRR#4は、実際の最終ディスク記録状態において、オープンSRRとして分析することができる。また、SRR#4のLRA位置の後の領域が記録可能であること、すなわち、この領域がNWAということが分かる。そして、記録/再生装置において、オリジナルSRR#4の既に記録された領域がクローズSRR(新たなクローズSRR#4)と判定され、オリジナルのSRR#4の記録可能な領域だけがオープンSRR(新たなSRR#5)として分析される。このように、損傷を受けたSRRI#5のコンテンツは、上記の分析結果を用いることによって再構成することができる。さらに、記録/再生装置により記録動作を行う上で必要な情報が追加的に記録可能な位置情報(NWA)であるので、古い及び新たなSRR#4と関連するNWAは変更されず、そのため、記録/再生装置により使用することができる。
【0103】
図13Bは、上述したように、図13Aのプロセスによる最新のSRRI#5の回復の結果を示している。この結果は、実際のディスクの最終記録状態と一致する。このため、記録/再生装置は、管理領域内で選択的に回復された最新のSRRI#5を(このときは、SRRI#6(60f)として)記録するか、追加的に記録可能な領域にのみ記録を行う。SRRI#6(60f)は、SRR#5を識別する「オープンSRRの一覧」フィールド52f、及びSRR#1−SRR#5にそれぞれ対応するSRRエントリ35q−35uを含む「SRRエントリの一覧」フィールド30fを含む。また、回復されたSRRI#5がSRRI#6として記録されなくても、データ記録が回復されたNWA情報から行われ、データ記録により復元されたNWAに変更された記録状態が新たなSRRI#6として記録される。
【0104】
図14は、本発明による光ディスク記録/再生装置を示している。この装置及びその他の適当な装置またはシステムを用いてこの明細書において論考された本発明のディスク及び/またはSRRI構造及び方法を実現することができる。
【0105】
図14を参照すると、光ディスク記録/再生装置は、光ディスクに/からデータを記録及び/または再生する記録/再生部10及び記録/再生部10を制御する制御部20を含む。記録/再生装置の全ての構成要素は、動作可能に結合されている。制御部20は、ディスク上のSRR/セッションなどの特定の記録領域に/から記録及び/または再生するためのコマンドを、記録/再生部10に伝送する。記録/再生部10は、制御部20のコマンドに従ってディスクに/からデータを記録及び/または再生する。
【産業上の利用可能性】
【0106】
記録再生部10は、インタフェース部12、ピックアップ部11、データプロセッサ13、サーボ部14、メモリ15及びマイコン16を含む。インタフェース部12は、制御部20などの外部装置と通信する。ピックアップ部11は、光ディスクに直接的にデータを記録または再生する。データプロセッサ13は、ピックアップ部11から再生信号を受け取り、好適な信号を復元し、光ディスクに適した信号を変調し、その信号を送信する。サーボ部14は、ピックアップ部11を制御して光ディスクから信号を読み取ったり、光ディスクに信号を記録したりする。メモリ15は、本明細書で述べた管理情報を含む各種のデータおよび情報を一時的に格納する。マイコン16は、記録/再生部10の構成要素を制御する。図14に示す記録/再生装置は、パディング動作を選択的に行うことができるので、設計者は、記録/再生装置をより自由に設計することができる。記録/再生部10は、パディング動作中に特定のデータを自動的に格納することができる。
【0107】
光ディスク上のデータを記録し再生する方法は、2種類に分類できる。第1は、図4Aないし図11Bの場合であって、オープンSRR上にデータを完全に記録し、LRAを含むクラスタ中の残りのセクターを強制的にパディングし、残りのセクターにパディングが行われたか否かを識別するか、あるいはSRRをクローズするとき、クラスタをパディングしたか否かを判定し、パディングに従ってパディング識別情報を記録する情報を記録する方法を含む。
【0108】
第2は、図12ないし図13Bのパディング情報を用いて損傷を受けたSRRIを効果的に回復する方法である。SRRをクローズするとき、SRRをパディングすることは、オプションとして行われる。しかしながら、パディングがSRRに対して行われ、SRRがクローズされると、このパディング情報を使用してデータを有利に復元することができる。
【0109】
本発明の一実施形態による光ディスクの第1の記録/再生方法を詳述する。BD−WOなどの光ディスクが、図12に示されたもののように、記録/再生装置にローディングされるとき、最新のSRRIをTDMAに記録された最新のディスク管理情報として読み取る。さらに、最新のSRRIに記録されたSRRIヘッダ及びSRRエントリが読み取られ、記録/再生部10のメモリ15に一時的に格納される。
【0110】
格納されたSRRIは、最新のディスク記録状態を示す。オープンSRRは、SRRIヘッダ情報を通して識別することができる。SRRエントリを通じて、データは、ディスクの全領域に記録することができ、または未記録状態の存在及び位置並びにオープンセッションをチェックすることができる。また、SRRがパディングデータでパディングされたか否かを識別することができる。光ディスクが記録または再生されるとき、全てのこのような情報を用いることができる。
【0111】
そして、データ(例えば、ユーザデータ)が特定のオープンSRRに記録される。データがオープンSRRに完全に記録されるとき、LRAを含むクラスタ中の未記録セクターは、ダミーデータ(例えば、安定性及びロバストのために)でパディングされ、パディング識別情報Padding_flagが「1b」に設定される。パディングセクターのそれぞれについて、各セクターに対応するPadding_flagが「1b」に設定される。セクターがパディングされない場合は、対応するPadding_flagが「0b」に設定される。また、SRRIのSRRエントリが更新されるときは、SRR状態情報P_flagを「1b」が設定されて、対応するSRRの少なくとも一部がパディングされていることを示す。
【0112】
加えて、SRRが制御部20のクローズコマンドによりクローズされる場合であっても、マイコン16は、記録可能な領域(例えば、1つのクラスタ)がパディング後またはパディングなしでクローズされるかを選択することができる。上記の場合、設計者は、制御部20からのパディングコマンドなしで記録再生部10がSRRをパディングデータで自動的にパディングし、SRRを無条件にクローズするように設計することができる。上記機能は、記録再生部10により「自動パディング機能」と呼ばれる。自動パディング機能は、記録再生部10が、パディングコマンドによりダミーデータを受信し、その後にSRRをパディングする場合に比べて、パディングの動作時間を短縮できるという利点がある。
【0113】
また、SRR状態が上述したようなSRR状態がパディングにより変更される場合、各パディングセクターに従ってPadding_flagが1bに設定される。さらに、P_flagが対応するSRRエントリにおいて1bに設定される。様々な記録/再生装置がそのような情報を用いることができる。
【0114】
このため、本発明により定義されるSRRのタイプ及び定義と、定義されたSRRタイプ及び定義に従ってSRRIを記録する方法が提供される。したがって、所望の機能を有する種々の記録/再生装置を用いて本ディスクにアクセスすることができる。
【0115】
さらに、光ディスクを復元することにより、データを記録し再生する第2の方法について説明する。光ディスクが記録/再生装置にローディングされるとき、マイコン16は、ピックアップ部11を制御して対応するディスクのTDMAなどの設定管理領域に記録された最新のSRRIを読み取る。マイコン16は、最新のSRRIが損傷を受けたか否かを判定する。最新のSRRIが損傷を受けたと判定されると、最新のSRRIは、図12、図13A及び図13Bを参照して上述したように、非損傷SRRIから推定され復元される。オープンSRRがクローズコマンドによりクローズSRRに変更されるとき、ディスクにパディングされるダミーデータをチェックして、最新のSRRIを上述したように回復することができる。
【0116】
回復された最新のSRRIまたはオリジナルの最新のSRRIが損傷を受けていない場合には、記録再生部10は、対応するする最新のSRRIに基づいて追加的に記録可能なオープンSRRの位置をチェックし、データを記録し、制御部20のクローズコマンドを受信し、オープンSRRに残っている追加的に記録可能な領域の一部(または全領域)をダミーデータでパディングし、SRRがクローズSRRに変更されたことを示す。変更されたディスクの記録状態は、管理領域の新たな(最新)SRRIとして記録される。その後、対応する光ディスクが再びローディングされると、最新のSRRIから最終ディスク記録状態を正確にチェックすることができる。
【0117】
本発明による追記型光ディスクの管理情報を記録するための方法は、新たなSRRタイプ及びセッションタイプを定義することを含む。オープンSRRがパディングされるか、またはSRRがパディングによりクローズされると、パディング識別情報Padding_flagは、適切に設定され、パディング領域に記録される。その他のパディング識別情報P_flagは、SRRエントリに記録される。その結果、新たな物理的な構造を有する追記型光ディスクにおいて、管理情報が、効率的に記録され、管理され得る。SRRがパディング後にクローズされるとき、パディング情報を用いて損傷を受けたSRRIを復元することができる。
【0118】
本技術分野における当業者には、本発明において種々の変形及び修正がなし得ることが明らかであろう。よって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入る提供された変形及び修正を網羅することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明による追記型光ディスクの全体構造及び追記型光ディスク上に管理情報を記録するための方法を示す図である。
【図2A】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのオープンSRRを示す図である。
【図2B】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのオープンSRRを示す図である。
【図2C】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのオープンSRRを示す図である。
【図2D】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのオープンSRRを示す図である。
【図3A】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのクローズSRRを示す図である。
【図3B】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのクローズSRRを示す図である。
【図3C】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのクローズSRRを示す図である。
【図3D】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのクローズSRRを示す図である。
【図3E】本発明による追記型光ディスクの異なるタイプのクローズSRRを示す図である。
【図4A】本発明による追記型光ディスクのクローズSRRにダミーデータをパディングするときのパディング識別情報の一例を示す図である。
【図4B】本発明による追記型光ディスクのオープンSRRにダミーデータをパディングするときのパディング識別情報の一例を示す図である。
【図5】本発明による追記型光ディスクの全体構造及びディスク管理情報としてSRRIを記録するための方法を示す図である。
【図6A】本発明によるSRRIに記録されたSRRエントリ一覧の構造を示す図である。
【図6B】本発明による図6AのSRRエントリ一覧に記録されたSRRエントリの一例を示す図である。
【図6C】本発明によるSRRIのオープンSRRフィールドの一覧の構造の一例を示す図である。
【図7A】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図7B】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図7C】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図8A】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図8B】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図9A】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図9B】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図10A】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図10B】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図11A】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図11B】本発明による追記型光ディスク中のディスク記録状態に従ってSRRIを記録するプロセスを示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による最新SRRIが損傷を受けたとき、追記型光ディスクのSRRIを用いる方法を示すフローチャートである。
【図13A】本発明の一実施形態による追記型光ディスク中に最新SRRIを復元する方法を示す図である。
【図13B】本発明の一実施形態による追記型光ディスク中に最新SRRIを復元する方法を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態による追記型光ディスクのための記録/再生装置を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基本記録単位から構成される順次記録単位を含む記録媒体上に管理情報を記録するための方法であって、前記少なくとも1つの基本記録単位は、複数のセクターから構成され、
前記順次記録単位の書込み可能位置からアドレスの増加する方向にユーザデータを順次記録することと、
最終基本記録単位の最終記録位置が最終基本記録単位の境界と一致しないとき、最終基本記録単位の残りの未記録セクターをパディングデータでパディングすることと、
前記少なくとも1つの基本記録単位のどの部分がパディングされたかを識別するパディング識別情報を記録することであって、前記パディング識別情報は複数のパディングフラグから構成され、前記パディングフラグのそれぞれはそれぞれのセクターと関係することと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記順次記録単位がクローズされるとき、オープン順次記録単位情報から前記順次記録単位識別を除去することをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
新たな書込み可能位置から1以上の基本記録単位をパディングデータでパディングすることと、
前記1以上の基本記録単位がパディングされたことを示すためにパディング識別情報を記録することと
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記順次記録単位の書込み可能位置は、新たな書込み可能位置に移動され、前記新たな書込み可能位置は利用可能な隣の基本記録単位の最初のセクターであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの記録単位を含む記録媒体上に管理情報を記録する方法であって、
前記少なくとも1つの記録単位にアドレスの増加する方向にデータを順次記録することと、
前記データの順次記録を終了するときに、最終記録単位の残りの未記録部分をパディングデータでパディングすることと、
前記少なくとも1つの記録単位のどの部分がパディングされたかを識別するパディング識別情報を前記記録媒体上に記録することと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項6】
それぞれの記録単位はクラスタであり、前記パディングすることにおいて、最終クラスタの全ての残りの未記録セクターは前記パディングデータでパディングされることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記記録することにおいて、前記パディング識別情報は、前記クラスタのセクターにそれぞれ割り当てられた複数のパディングフラグを含み、前記パディングフラグは、前記割り当てられたセクターがパディングされたか否かによってある値に設定されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記パディングすることにおいて、前記パディングは、一度に1つのセクターに対して行われることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
それぞれのクラスタは、32のセクターから構成され、前記クラスタの32のセクターにそれぞれ対応する32のパディングフラグが存在することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記パディング識別情報は、前記記録媒体の管理領域に記録されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記パディングすることにおいて、前記パディングデータは、ゼロであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの順次記録範囲(SRR)を含む記録媒体上に管理情報を記録するための方法であって、それぞれのSRRは少なくとも1つのクラスタから構成され、
ユーザデータをSRRに記録することと、
前記ユーザデータの記録を終了するとき、前記SRRの最終クラスタの残りの未記録領域をパディングデータでパディングすることと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記パディングすることにおいて、前記パディングデータは、ゼロであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パディングすることにおいて、前記最終クラスタの全ての残りの未記録セクターは、前記パディングデータでパディングされることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
記録媒体であって、
少なくとも1つの基本記録単位から構成された順次記録単位であって、前記少なくとも1つの基本記録単位は複数のセクターから構成される順次記録単位と、
前記順次記録単位の書込み可能位置からアドレスの増加する方向に順次記録されるユーザデータと、
最終基本記録単位の最終記録位置が前記最終基本記録単位の境界と一致しないとき、前記最終基本記録単位の残りの未記録セクターに記録されるパディングデータと、
前記少なくとも1つの基本記録単位のどの部分がパディングされたかを識別するパディング識別情報であって、前記パディング識別情報は複数のパディングフラグから構成され、前記パディングフラグのそれぞれは前記セクターのそれぞれと関係するパディング識別情報と
を備えたことを特徴とする記録媒体。
【請求項16】
前記新たな書込み可能位置から1以上の基本記録単位に記録されたパディングデータと、
前記1以上の基本記録単位がパディングされていることを示すパディング識別情報と
をさらに備えたことを特徴とする請求項15に記載の記録媒体。
【請求項17】
前記順次記録単位の前記書込み可能位置は、新たな書込み可能位置に移動され、前記新たな書込み可能位置は、利用可能な隣の基本記録単位の最初のセクターであることを特徴とする請求項15に記載の記録媒体。
【請求項18】
前記記録媒体であって、
少なくとも1つの記録単位と、
前記少なくとも1つの記録単位にアドレスの増加する方向に順次記録されたデータと、
前記データの順次記録を終了するとき、最終記録単位の残りの未記録部分に記録されたパディングデータと、
前記記録媒体上に記録され、前記少なくとも1つの記録単位のどの部分がパディングされかを示すパディング識別情報と
を備えたことを特徴とする記録媒体。
【請求項19】
それぞれの記録単位はクラスタであり、最終クラスタの全ての残りの未記録セクターは前記パディングデータでパディングされることを特徴とする請求項18に記載の記録媒体。
【請求項20】
前記パディング識別情報は、前記クラスタのセクターにそれぞれ割り当てられた複数のパディングフラグを含み、前記パディングフラグは、前記割り当てられたセクターがパディングされているか否かによってある値に設定されることを特徴とする請求項19に記載の記録媒体。
【請求項21】
前記パディングは、一度に1つのセクターに対して行われることを特徴とする請求項19に記載の記録媒体。
【請求項22】
それぞれのクラスタは、32のセクターから構成され、前記クラスタの32のセクターにそれぞれ対応する32のパディングフラグが存在することを特徴とする請求項19に記載の記録媒体。
【請求項23】
前記パディング識別情報は、前記記録媒体の管理領域に記録されることを特徴とする請求項18に記載の記録媒体。
【請求項24】
前記パディングデータは、ゼロであることを特徴とする請求項18に記載の記録媒体。
【請求項25】
記録媒体であって、
それぞれが少なくとも1つのクラスタから構成された少なくとも1つの順次記録範囲(SRR)と、
前記少なくとも1つのSRRのうち特定のSRRに記録されたユーザデータと、
前記ユーザデータの記録を終了するとき、前記特定のSRRの最終クラスタの残りの未記録領域に記録されたパディングデータと
を備えたことを特徴とする記録媒体。
【請求項26】
前記パディングデータは、ゼロであることを特徴とする請求項25に記載の記録媒体。
【請求項27】
前記最終クラスタの全ての残りの未記録セクターは、前記パディングデータでパディングされたことを特徴とする請求項25に記載の記録媒体。
【請求項28】
少なくとも1つの基本記録単位から構成された順次記録単位を含む記録媒体上に管理情報を記録するための装置であって、前記少なくとも1つの基本記録単位は複数のセクターから構成され、
順次記録単位の書込み可能位置からアドレスの増加する方向にユーザデータを順次記録し、最終基本記録単位の最終記録位置が前記最終基本記録単位の境界と一致しないとき、前記最終基本記録単位の残りの未記録セクターをパディングデータでパディングし、前記少なくとも1つの基本記録単位のどの部分がパディングされたかを識別するパディング識別情報であって、前記パディング識別情報は複数のパディングフラグから構成され、前記パディングフラグのそれぞれはセクターのそれぞれと関係するパディング識別情報を記録する記録/再生部を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項29】
前記順次記録単位の前記書込み可能位置は、新たな書込み可能位置に移動され、前記新たな書込み可能位置は、利用可能な隣の基本記録単位の最初のセクターであることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
少なくとも1つの記録単位を含む記録媒体上に管理情報を記録するための装置であって、
前記少なくとも1つの記録単位にアドレスの増加する方向にデータを順次記録し、前記データの順次記録を終了するとき、最終記録単位の残りの未記録部分をパディングデータでパディングし、前記少なくとも1つの記録単位のどの部分がパディングされたかを識別するパディング識別情報を前記記録媒体上に記録する記録/再生部を備えたことを特徴とする装置。
【請求項31】
それぞれが少なくとも1つのクラスタから構成される少なくとも1つの順次記録範囲(SRR)を含む記録媒体上に管理情報を記録するための装置であって、
ユーザデータをSRRに記録し、前記ユーザデータの記録を終了するとき、SRRの最終クラスタの残りの未記録領域をパディングデータでパディングする記録/再生部を備えたことを特徴とする装置。
【請求項1】
少なくとも1つの基本記録単位から構成される順次記録単位を含む記録媒体上に管理情報を記録するための方法であって、前記少なくとも1つの基本記録単位は、複数のセクターから構成され、
前記順次記録単位の書込み可能位置からアドレスの増加する方向にユーザデータを順次記録することと、
最終基本記録単位の最終記録位置が最終基本記録単位の境界と一致しないとき、最終基本記録単位の残りの未記録セクターをパディングデータでパディングすることと、
前記少なくとも1つの基本記録単位のどの部分がパディングされたかを識別するパディング識別情報を記録することであって、前記パディング識別情報は複数のパディングフラグから構成され、前記パディングフラグのそれぞれはそれぞれのセクターと関係することと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記順次記録単位がクローズされるとき、オープン順次記録単位情報から前記順次記録単位識別を除去することをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
新たな書込み可能位置から1以上の基本記録単位をパディングデータでパディングすることと、
前記1以上の基本記録単位がパディングされたことを示すためにパディング識別情報を記録することと
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記順次記録単位の書込み可能位置は、新たな書込み可能位置に移動され、前記新たな書込み可能位置は利用可能な隣の基本記録単位の最初のセクターであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの記録単位を含む記録媒体上に管理情報を記録する方法であって、
前記少なくとも1つの記録単位にアドレスの増加する方向にデータを順次記録することと、
前記データの順次記録を終了するときに、最終記録単位の残りの未記録部分をパディングデータでパディングすることと、
前記少なくとも1つの記録単位のどの部分がパディングされたかを識別するパディング識別情報を前記記録媒体上に記録することと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項6】
それぞれの記録単位はクラスタであり、前記パディングすることにおいて、最終クラスタの全ての残りの未記録セクターは前記パディングデータでパディングされることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記記録することにおいて、前記パディング識別情報は、前記クラスタのセクターにそれぞれ割り当てられた複数のパディングフラグを含み、前記パディングフラグは、前記割り当てられたセクターがパディングされたか否かによってある値に設定されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記パディングすることにおいて、前記パディングは、一度に1つのセクターに対して行われることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
それぞれのクラスタは、32のセクターから構成され、前記クラスタの32のセクターにそれぞれ対応する32のパディングフラグが存在することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記パディング識別情報は、前記記録媒体の管理領域に記録されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記パディングすることにおいて、前記パディングデータは、ゼロであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの順次記録範囲(SRR)を含む記録媒体上に管理情報を記録するための方法であって、それぞれのSRRは少なくとも1つのクラスタから構成され、
ユーザデータをSRRに記録することと、
前記ユーザデータの記録を終了するとき、前記SRRの最終クラスタの残りの未記録領域をパディングデータでパディングすることと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記パディングすることにおいて、前記パディングデータは、ゼロであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パディングすることにおいて、前記最終クラスタの全ての残りの未記録セクターは、前記パディングデータでパディングされることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
記録媒体であって、
少なくとも1つの基本記録単位から構成された順次記録単位であって、前記少なくとも1つの基本記録単位は複数のセクターから構成される順次記録単位と、
前記順次記録単位の書込み可能位置からアドレスの増加する方向に順次記録されるユーザデータと、
最終基本記録単位の最終記録位置が前記最終基本記録単位の境界と一致しないとき、前記最終基本記録単位の残りの未記録セクターに記録されるパディングデータと、
前記少なくとも1つの基本記録単位のどの部分がパディングされたかを識別するパディング識別情報であって、前記パディング識別情報は複数のパディングフラグから構成され、前記パディングフラグのそれぞれは前記セクターのそれぞれと関係するパディング識別情報と
を備えたことを特徴とする記録媒体。
【請求項16】
前記新たな書込み可能位置から1以上の基本記録単位に記録されたパディングデータと、
前記1以上の基本記録単位がパディングされていることを示すパディング識別情報と
をさらに備えたことを特徴とする請求項15に記載の記録媒体。
【請求項17】
前記順次記録単位の前記書込み可能位置は、新たな書込み可能位置に移動され、前記新たな書込み可能位置は、利用可能な隣の基本記録単位の最初のセクターであることを特徴とする請求項15に記載の記録媒体。
【請求項18】
前記記録媒体であって、
少なくとも1つの記録単位と、
前記少なくとも1つの記録単位にアドレスの増加する方向に順次記録されたデータと、
前記データの順次記録を終了するとき、最終記録単位の残りの未記録部分に記録されたパディングデータと、
前記記録媒体上に記録され、前記少なくとも1つの記録単位のどの部分がパディングされかを示すパディング識別情報と
を備えたことを特徴とする記録媒体。
【請求項19】
それぞれの記録単位はクラスタであり、最終クラスタの全ての残りの未記録セクターは前記パディングデータでパディングされることを特徴とする請求項18に記載の記録媒体。
【請求項20】
前記パディング識別情報は、前記クラスタのセクターにそれぞれ割り当てられた複数のパディングフラグを含み、前記パディングフラグは、前記割り当てられたセクターがパディングされているか否かによってある値に設定されることを特徴とする請求項19に記載の記録媒体。
【請求項21】
前記パディングは、一度に1つのセクターに対して行われることを特徴とする請求項19に記載の記録媒体。
【請求項22】
それぞれのクラスタは、32のセクターから構成され、前記クラスタの32のセクターにそれぞれ対応する32のパディングフラグが存在することを特徴とする請求項19に記載の記録媒体。
【請求項23】
前記パディング識別情報は、前記記録媒体の管理領域に記録されることを特徴とする請求項18に記載の記録媒体。
【請求項24】
前記パディングデータは、ゼロであることを特徴とする請求項18に記載の記録媒体。
【請求項25】
記録媒体であって、
それぞれが少なくとも1つのクラスタから構成された少なくとも1つの順次記録範囲(SRR)と、
前記少なくとも1つのSRRのうち特定のSRRに記録されたユーザデータと、
前記ユーザデータの記録を終了するとき、前記特定のSRRの最終クラスタの残りの未記録領域に記録されたパディングデータと
を備えたことを特徴とする記録媒体。
【請求項26】
前記パディングデータは、ゼロであることを特徴とする請求項25に記載の記録媒体。
【請求項27】
前記最終クラスタの全ての残りの未記録セクターは、前記パディングデータでパディングされたことを特徴とする請求項25に記載の記録媒体。
【請求項28】
少なくとも1つの基本記録単位から構成された順次記録単位を含む記録媒体上に管理情報を記録するための装置であって、前記少なくとも1つの基本記録単位は複数のセクターから構成され、
順次記録単位の書込み可能位置からアドレスの増加する方向にユーザデータを順次記録し、最終基本記録単位の最終記録位置が前記最終基本記録単位の境界と一致しないとき、前記最終基本記録単位の残りの未記録セクターをパディングデータでパディングし、前記少なくとも1つの基本記録単位のどの部分がパディングされたかを識別するパディング識別情報であって、前記パディング識別情報は複数のパディングフラグから構成され、前記パディングフラグのそれぞれはセクターのそれぞれと関係するパディング識別情報を記録する記録/再生部を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項29】
前記順次記録単位の前記書込み可能位置は、新たな書込み可能位置に移動され、前記新たな書込み可能位置は、利用可能な隣の基本記録単位の最初のセクターであることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
少なくとも1つの記録単位を含む記録媒体上に管理情報を記録するための装置であって、
前記少なくとも1つの記録単位にアドレスの増加する方向にデータを順次記録し、前記データの順次記録を終了するとき、最終記録単位の残りの未記録部分をパディングデータでパディングし、前記少なくとも1つの記録単位のどの部分がパディングされたかを識別するパディング識別情報を前記記録媒体上に記録する記録/再生部を備えたことを特徴とする装置。
【請求項31】
それぞれが少なくとも1つのクラスタから構成される少なくとも1つの順次記録範囲(SRR)を含む記録媒体上に管理情報を記録するための装置であって、
ユーザデータをSRRに記録し、前記ユーザデータの記録を終了するとき、SRRの最終クラスタの残りの未記録領域をパディングデータでパディングする記録/再生部を備えたことを特徴とする装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【公表番号】特表2007−505432(P2007−505432A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526020(P2006−526020)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002209
【国際公開番号】WO2005/024792
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(596066770)エルジー エレクトロニクス インコーポレーテッド (384)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002209
【国際公開番号】WO2005/024792
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(596066770)エルジー エレクトロニクス インコーポレーテッド (384)
【Fターム(参考)】
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