説明

追記型情報記録媒体、情報記録装置、情報再生装置、情報記録方法、および情報再生方法

【課題】追記型情報記録媒体の最新の管理情報が記録された領域が万が一汚れや傷に侵されて読み出せなかった場合においても、その情報記録媒体が記録再生不能状態に陥ってしまうことを防止する。
【解決手段】複数の情報記録媒体を関連付けて使用されるディスクアレイ(RAID)のようなシステムにおいて、ある情報記録媒体における管理情報を、その情報記録媒体中のTDMAに加えて、別の情報記録媒体中のTDMAにも記録しておくことで、冗長性を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体へ管理情報を記録する、或いは情報記録媒体から管理情報を再生する記録再生装置に関するものであり、その中でも特に、情報記録媒体として追記型光ディスクを使用する光ディスクドライブ装置、もしくは光ディスクドライブ装置を複数組み合わせて使用するディスクアレイのようなシステム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量で交換可能な情報記録媒体、およびそれを扱うディスクドライブ装置が普及してきている。大容量で交換可能な情報記録媒体としては、DVDやBD(Blu−ray Disc)のような光ディスクが良く知られている。光ディスクドライブ装置は、レーザ光を用いて光ディスク上に微小なピットを形成することによって記録再生を行うので、大容量で交換可能な情報記録に適している。しかしながら光ディスクは交換可能な情報記録媒体であるため、埃や傷などによってその記録面に欠陥が存在する。そのため光ディスクドライブ装置では、記録再生データの信頼性保証のために欠陥管理を行う方法が考えられている。つまり、欠陥ブロックの代替用の領域(スペア領域)を備え、欠陥ブロックを検出した場合には、その欠陥ブロックの代わりに代替用のスペア領域中のブロックを割り当て、そこに交替記録するというものである。
【0003】
光ディスクのような情報記録媒体に対して、繰り返し記録再生を正しく実現するためには、欠陥ブロックの状態も含めて、その情報記録媒体が現在どういう状態にあるのかを管理するための管理情報を備えるのが一般的な方法である。
【0004】
光ディスクの記録再生に欠かせない管理情報の記録方法としては、管理情報を記録する領域を複数備えて冗長的に記録する方法が考えられている(例えば特許文献1)。
【0005】
図18は、一般的な光ディスクの領域構成図である。円盤状の光ディスク1には、スパイラル状に多数のトラック2が形成されており、各トラック2には細かく分けられた多数のブロック3が形成されている。ブロック3は、エラー訂正の単位であり、記録および再生動作が行われる最小の単位であり、クラスタ(Cluster)或いはECCブロックと呼ばれることもある。例えばBDの場合、ブロック3のサイズは32セクタ(1セクタは2KByte。つまり1ブロックは64KByte)である。また、光ディスク1のある記録層における領域は、リードイン領域4とデータ領域5とリードアウト領域6に大別される。ユーザデータの記録再生はデータ領域5に対して行われる。リードイン領域4とリードアウト領域6は、光ヘッド(図示せず)がデータ領域5の端へアクセスする場合に、光ヘッドがオーバーランしてもトラック2に追随できるように、のりしろとしての役割を果たす。なお、記録層を複数備える光ディスク1の場合、リードイン領域4に相当する内周側の領域のことをインナーゾーン、リードアウト領域に相当する外周側の領域のことをアウターゾーンと呼んだりもする。
【0006】
図19は、記録層を1層のみ備えた従来の書換え型光ディスクにおける領域構造の詳細を示す図である。
【0007】
データ領域5は、ユーザデータの記録再生を行うユーザデータ領域14と、ISA15、OSA16とで構成される。ここでISA15及びOSA16は、ユーザデータ領域14の中の欠陥ブロックの代わりに用いるブロック(以下交替ブロックまたは交替先ブロックとも呼ぶ)として予め用意されたスペア領域である。光ディスク1の内周側に備えられるISA(Inner Spare Area)15、外周側に備えられるOSA(Outer Spare Area)16と呼ぶ。
【0008】
リードイン領域4とリードアウト領域6には、光ディスク1における欠陥ブロックの情報などの管理情報を書き込むための領域である管理情報領域(DMA:Disc Management Area、または Defect Management Area)として、リードイン領域4にはDMA1とDMA2を、リードアウト領域6にはDMA3とDMA4とを備えている。DMA1〜DMA4はそれぞれ所定の位置に配置される領域である。DMAに記録される情報としては、欠陥管理情報であるDFL(Defect List)21のような記録管理情報や、データ領域5の領域構造やDFL21が記録されている位置情報などを備えるディスク定義構造であるDDS(Disc Definition Structure)20などがあり、これらをまとめて管理情報(DMS:Disc Management Structure、または Defect Management Structure)と呼ばれることもある。DMAに記録される管理情報(DMS)のサイズは、例えば欠陥ブロックの個数によって可変となるDFL21を備えるため可変である。光ディスク1へ実際に記録再生する場合にはブロック3の単位で行われるため、意味を持たないパディングデータなどと組み合わせてブロック3のサイズの整数倍のサイズとした形で記録再生される。
【0009】
DMA1〜DMA4は全て同じ情報が多重記録される。これは、DMA1〜DMA4自身が欠陥に冒されている場合の備えであり、例え正しく再生されないDMAがあってもどれか1つでも正しく再生できるDMAがあれば管理情報を取得することができる。このようにして、光ディスクの記録再生に欠かせない管理情報に冗長性を持たせ、管理情報を保護している。
【0010】
なお、記録層を複数備えるような光ディスク1においても、各記録層の領域構造は基本的に上述した図19に示すものと同じ構成となる。
【0011】
さらに、管理情報を保護する別のやり方として、記録中に電源が遮断されても管理情報が破壊されないように、更新する管理情報を不揮発性メモリに備えておくといった方法も考えられている(例えば特許文献2参照)。
【0012】
一方、1回しか記録できない追記型光ディスクにおいても、上述の書換え型光ディスクと同様に、管理情報を更新記録していく方法が考えられている(例えば、特許文献3や特許文献4参照)。
【0013】
図20は、記録層を1層のみ備えた従来の追記型光ディスクにおける領域構造の詳細を示す図である。追記型光ディスクの領域構造は、図19を用いて上述した書換え型光ディスクの場合と、TDMA17を備える点を除いて同じである。
【0014】
追記型光ディスクの場合には1回しか記録が出来ないため、書換え型光ディスクのように所定位置のDMAに管理情報を上書きで更新記録するといった使い方が出来ない。そのため追記型光ディスクの場合にはTDMA17を備える。なお図20では、TDMA17は1箇所のみ備えた場合を例に記載したが、例えばさらにISA15やOSA16の一部に、離散的にTDMA17を備えても良い。
【0015】
図21はTDMA17に管理情報が追記記録される様子を説明するための図である。図21に示すように、追記型の光ディスク1は、過渡的な管理情報であるTDMS(Temporary Disc Management Structure、またはTemporary Defect Management Structure)を記録するための一時管理情報領域であるTDMA(Temprary Disc Management Area、またはTemporary Defect Management Area)17を備える。管理情報の更新記録が必要になると、TDMA17に管理情報(TDMS)を1つずつ追記記録される。TDMSは、書換え型光ディスクと同様に、欠陥管理情報であるTDFL(Temporary DFL)31に加え、さらに追記的に使用されるユーザデータ領域14の記録状態を管理するためのSRRI(Seaquential Recording Range Information)32を記録管理情報として含み、さらにディスク定義構造であるTDDS(Temporary DDS)30とから構成される。ここでTDMSとは、過渡的(一時的)にTDMA17に記録されるTemporaryのDMSという意味であり、同様にTDFL31、TDDS30も、TDMAに一時的に記録されるTemporaryのDFL21、DDS20という意味である。TDMSのサイズもDMS同様可変であるが、光ディスク1はブロック3の単位で記録再生が行われるものであるため、実際に光ディスク1に記録される場合には、意味を持たないパディングデータ等を含むなどしてブロック3の単位で記録される。よって、例えば図21中のTDMS#1及びTDMS#2のサイズはいずれもブロック3の整数倍の単位となる。
【0016】
図22は、従来の追記型の光ディスク1におけるTDDS30、TDFL31およびSRRI32のデータ構造の例を示す説明図である。
【0017】
SRRI32は、SRRIヘッダ60、m個のSRRエントリ61(mは1以上の正数)、SRRIターミネータ62を備える。SRRIヘッダ60は、SRRIの先頭に配置される情報であり、当該情報がSRRIであることを示すSRRI識別子63やSRRIが更新記録された回数である第1SRRI更新回数64、後述するSRRエントリ61の個数を示すSRRエントリ数69などを含む。SRRエントリ61は、連続記録を行う領域範囲を示す情報であり、SRRの開始位置に関するアドレス情報であるSRR先頭位置65、SRR内の記録済み位置の最終位置に関するアドレス情報であるSRR最終記録位置66などを含む。SRRIターミネータ62は、SRRIの終端に配置される情報であり、ターミネータであることを示す識別子であるSRRIターミネータ67と、SRRIヘッダ60に含まれる第1SRRI更新回数64と同じ値である第2SRRI更新回数68などを含む。SRRIヘッダ60、SRRエントリ61ならびにSRRIターミネータ62のサイズはいずれも固定サイズである。つまりSRRI32のサイズはSRRエントリ61の個数に応じて可変サイズであり、例えば最大で31セクタである。
【0018】
TDFL31は、DFLヘッダ50、n個のDFLエントリ51(nは0以上の正数)、DFLターミネータ52を備え、DFL21と同じ構成である。DFLヘッダ50は、DFLの先頭に配置される情報であり、当該情報がDFLであることを示すDFL識別子53やDFLが更新記録された回数である第1DFL更新回数54、後述するDFLエントリ51の個数を示すDFLエントリ数59などを含む。DFLエントリ51は、欠陥ブロックや交替記録に関する情報であり、欠陥ブロックなど交替元ブロックに関するアドレス情報である交替元位置55と、交替先ブロックに関するアドレス情報である交替先位置56などを含む。DFLターミネータ52は、DFLの終端に配置される情報であり、ターミネータであることを示す識別子であるDFLターミネータ57と、DFLヘッダ50に含まれる第1DFL更新回数と同じ値である第2DFL更新回数58などを含む。DFLヘッダ50、DFLエントリ51ならびにDFLターミネータ52のサイズはいずれも固定サイズである。つまりTDFL31のサイズはDFLエントリ51の個数に応じて可変サイズであり、例えば最大で7ブロックと31セクタである。
【0019】
TDDS30はDDS20と同じ構成であり、DDSの先頭に配置され、当該情報がDDSであることを示すDDS識別子48やDDSが更新記録された回数であるDDS更新回数49などを含むDDSヘッダ40と、論理空間であるユーザデータ領域14の先頭位置に関するアドレス情報である論理セクタ番号0位置41や、ユーザデータ領域14の最終セクタアドレス、つまりユーザデータ領域14のサイズとも言える最終論理セクタ番号42や、ISA15、OSA16のサイズであるISAサイズ43、OSAサイズ44、最新のSRRI32、TDFL31が記録された位置(例えば先頭位置)に関するアドレス情報であるSRRI先頭位置45、TDFL先頭位置46や、管理情報を記録する記録装置に関する情報である記録装置関連情報47などを備える。
【0020】
なお厳密に言えば、例えば、TDFL31は欠陥ブロックの数に応じて変化するDFLエントリ51の数によって、複数ブロックサイズとなることがあるため、TDFL31が取りうる最大ブロック数分(例えば8個分)だけ、DDS30に含まれるTDFL先頭位置46を備える。しかし本明細書においては、説明簡略化のため、TDFL先頭位置46は1つのみとして説明を行う。TDDS30のサイズは、固定サイズであり、例えば1セクタである。
【0021】
ここで、TDMA17のサイズは当然有限である。言い換えると、TDMA17に記録可能なTDMSの個数(つまり更新記録回数)も有限であり、出来るだけ有効にTDMA17を使用することが望まれる。そのため、図21に示すように、記録するTDMSは最低限記録が必要な管理情報要素だけに絞って記録しても良い。つまり、図21に示す(a)の状態から、さらにユーザデータ領域14にデータ記録を行って記録状態は変化したが、欠陥は検出されなかった(=欠陥管理情報は更新されなかった)場合には、TDFL31は変化していないため、新たに記録するTDMS#2としては、SRRI32とTDDS30のみ記録しても良い。この場合、今回記録しなかったTDFL31の最新情報は前回記録した情報となるため、各種類の最新の管理情報が記録された位置に関する情報を備えるTDDS30は、最新のSRRI位置としては今回記録したSRRI#2の位置を指す一方、最新のTDFL位置としては前回記録されたTDFL#1の位置を指すように記録される。なお、どのような場合でも、TDMA17の記録済み終端ブロックには、各管理情報の記録位置に関する情報を含むTDDS30が配置されるように、TDMSの最終ブロックの所定位置(例えば最終セクタ)には必ずTDDS30を含んだ形で記録される。このようにすることで、最新の管理情報が記録されている位置を即座に把握することが可能になる。
【0022】
TDMSはTDMA17に1つずつ追記されていくため、その光ディスクにおける最新の管理情報(TDMS)を構成する情報も光ディスク上に1箇所のみ存在する。つまりそれらは、TDMA17における記録済領域の終端位置に配置されるTDMSに含まれるTDDS30と、TDDS30が示す位置に配置されたTDFL31、SRRI32ということになる。そして、追記型光ディスクに対して、これ以上記録しない状態(つまり再生専用状態)にするファイナライズ処理(クローズ処理とも呼ぶ)の際に、その時点での最新の管理情報が、書換え型光ディスク同様に内周側と外周側に配置されたDMA領域であるDMA10、DMA11、DMA12、およびDMA13にDMSとして多重記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2003−346429号公報
【特許文献2】特開平11−203828号公報
【特許文献3】特開2005−56542号公報
【特許文献4】特開2008−282435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、前記従来の追記型光ディスクにおける管理情報の記録方法では、ファイナライズ時に管理情報がDMAに多重記録されるため冗長性は増すが、ファイナライズされる前の記録過渡期の状態では、管理情報はTDMA17の1箇所にしか記録されていないため、冗長性が無い。特に、最新のTDMSにおけるTDDS30が取得できなかった場合には、最新のTDMSを構成するSRRI32、TDFL31が記録された位置も分からない状態に陥ってしまう。万が一、最新の管理情報(TDMS)が正しく取得できず、失われてしまった場合には、以降、このディスクに対して正しく記録再生することが出来ない状態になってしまう。つまり従来の方法では、最新の管理情報が記録された位置が、以降使用を繰り返す中で、指紋などの汚れや傷などの後発的な欠陥に侵される等の理由により、正しく管理情報が読み出せなくなってしまうリスクが高いという課題を有していた。或いは、仮に光ディスク1を全領域検査することで修復可能な管理情報が存在するとした場合でも、最新の管理情報が正しく読み出せないことで、その修復のために多大な時間を要してしまうため、ユーザの利便性が悪くなる恐れがあった。
【0025】
そこで本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、追記型光ディスクのような追記型の情報記録媒体においても、冗長性を持たせて管理情報を記録可能にすることで、より信頼性の高い情報記録媒体、並びに情報記録再生方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の情報記録媒体は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体であって、前記追記型情報記録媒体は、複数が関連付けて使用され、前記追記型情報記録媒体は、ユーザデータを記録するデータ領域と、前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域には、当該追記型情報記録媒体における前記管理情報である第1管理情報と、関連付けて使用される少なくとも1つの他の前記追記型情報記録媒体における前記管理情報である第2管理情報とが組み合わされ、かつ前記第1管理情報が前記一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置されるように記録し、これにより、上記目的を達成する。
【0027】
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理するための記録管理情報と、前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、前記ディスク定義構造は、前記第1管理情報か前記第2管理情報かを識別可能な情報を含む形で記録しても良い。
【0028】
本発明の情報記録方法は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体への情報記録方法であって、前記追記型情報記録媒体は、複数が関連付けて使用され、前記追記型情報記録媒体は、ユーザデータを記録するデータ領域と、前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、前記情報記録方法は、前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域に、当該追記型情報記録媒体における前記管理情報である第1管理情報と、関連付けて使用される少なくとも1つの他の前記追記型情報記録媒体における前記管理情報である第2管理情報とを組み合わせて、前記第1管理情報が前記一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置するように記録し、これにより、上記目的を達成する。
【0029】
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理するための記録管理情報と、前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、前記ディスク定義構造に、前記第1管理情報か前記第2管理情報かを識別可能な情報を含む形で記録しても良い。
【0030】
本発明の情報再生方法は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体から情報を読み出す情報再生方法であって、前記追記型情報記録媒体は、複数が関連付けて使用され、前記追記型情報記録媒体は、ユーザデータを記録するデータ領域と、前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域には、当該追記型情報記録媒体における前記管理情報である第1管理情報に加え、関連付けて使用される少なくとも1つの他の前記追記型情報記録媒体における前記管理情報である第2管理情報が組み合わされ、かつ前記第1管理情報が前記一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置されるように記録されており、前記情報再生方法は、最新の前記管理情報の取得を行う場合に、(a)ある前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域から最新の前記第1管理情報を取得するステップ、(b)少なくとも、前記ステップ(a)で前記第1管理情報の取得に失敗した場合に、当該追記型情報記録媒体の前記管理情報が前記第2管理情報として記録されている他の前記追記型記録媒体の前記一時管理情報領域から、最新の前記第2管理情報を取得するステップを備え、これにより、上記目的を達成する。
【0031】
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理するための記録管理情報と、前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、少なくとも前記ステップ(b)は、前記ディスク定義構造に記録された、前記第1管理情報か前記第2管理情報かを識別可能な情報をもとに、前記第2管理情報を取得しても良い。
【0032】
本発明の情報記録装置は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体への情報記録装置であって、前記追記型情報記録媒体は、複数が関連付けて使用され、前記追記型情報記録媒体は、ユーザデータを記録するデータ領域と、前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、前記情報記録装置は、前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域に、当該追記型情報記録媒体における前記管理情報である第1管理情報と、関連付けて使用される少なくとも1つの他の前記追記型情報記録媒体における前記管理情報である第2管理情報とを組み合わせて、前記第1管理情報が前記一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置するように記録する管理情報記録制御部を備え、これにより、上記目的を達成する。
【0033】
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理するための記録管理情報と、前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、前記管理情報記録制御部は、前記ディスク定義構造に、前記第1管理情報か前記第2管理情報かを識別可能な情報を含む形で記録しても良い。
【0034】
本発明の情報再生装置は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体から情報を読み出す情報再生装置であって、前記追記型情報記録媒体は、複数が関連付けて使用され、前記追記型情報記録媒体は、ユーザデータを記録するデータ領域と、前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域には、当該追記型情報記録媒体における前記管理情報である第1管理情報に加え、関連付けて使用される少なくとも1つの他の前記追記型情報記録媒体における前記管理情報である第2管理情報が組み合わされ、かつ前記第1管理情報が前記一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置されるように記録されており、前記情報再生装置は、最新の管理情報の取得を行う管理情報取得制御部を備え、前記管理情報取得制御部は、ある前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域から最新の前記第1管理情報を取得するとともに、少なくとも前記第1管理情報の取得に失敗した場合に、当該追記型情報記録媒体の前記管理情報が前記第2管理情報として記録されている他の前記追記型記録媒体の前記一時管理情報領域から、最新の前記第2管理情報を取得し、これにより、上記目的を達成する。
【0035】
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理するための記録管理情報と、前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、前記管理情報取得制御部は、前記ディスク定義構造に記録された、前記第1管理情報か前記第2管理情報かを識別可能な情報をもとに、少なくとも前記第2管理情報を取得しても良い。
【0036】
本発明の情報記録媒体は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体であって、前記追記型情報記録媒体は、ユーザデータを記録するデータ領域と、前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理する情報を含む記録管理情報と、前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、前記一時管理領域には、前記データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の前記記録管理情報を含む前記管理情報が連続して複数回追記され、前記複数回記録される前記管理情報のそれぞれに含まれる前記ディスク定義構造に含まれる前記位置情報は、それぞれの前記管理情報における前記記録管理情報が記録された前記ブロックを示し、これにより、上記目的を達成する。
【0037】
本発明の情報記録方法は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体へ情報の記録を行う情報記録方法であって、前記追記型情報記録媒体は、ユーザデータを記録するデータ領域と、前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理する情報を含む記録管理情報と、前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、前記情報記録方法は、前記一時管理領域に、前記データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の前記記録管理情報を含む前記管理情報を連続して複数回追記し、前記複数回記録される前記管理情報のそれぞれに含まれる前記ディスク定義構造に含まれる前記位置情報は、それぞれの前記管理情報における前記記録管理情報が記録された前記ブロックを示し、これにより、上記目的を達成する。
【0038】
本発明の情報再生方法は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体から情報の読み出しを行う情報再生方法であって、前記追記型情報記録媒体は、ユーザデータを記録するデータ領域と、前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理する情報を含む記録管理情報と、前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、前記一時管理領域には、前記データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の前記記録管理情報を含む前記管理情報が連続して複数回追記されており、前記情報再生方法は、最新の前記管理情報の取得を行う場合に、(a)前記一時管理情報領域の記録済み終端位置に配置された前記管理情報を取得するステップ、(b)少なくとも、前記ステップ(a)で前記管理情報の取得に失敗した場合に、前記複数回記録された前記管理情報のうち、記録済み終端位置に配置された前記管理情報とは異なる他の前記管理情報を取得するステップを備え、これにより、上記目的を達成する。
【0039】
本発明の情報記録装置は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体へ情報の記録を行う情報記録装置であって、前記追記型情報記録媒体は、ユーザデータを記録するデータ領域と、前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理する情報を含む記録管理情報と、前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、前記情報記録装置は、管理情報の記録を行う管理情報記録部を備え、前記管理情報記録部は、前記一時管理領域に、前記データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の前記記録管理情報を含む前記管理情報を連続して複数回追記し、前記複数回追記される前記管理情報のそれぞれに含まれる前記ディスク定義構造に含まれる前記位置情報は、それぞれの前記管理情報における前記記録管理情報が記録された前記ブロックを示し、これにより、上記目的を達成する。
【0040】
本発明の情報再生装置は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体から情報の読み出しを行う情報再生装置であって、前記追記型情報記録媒体は、ユーザデータを記録するデータ領域と、前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理する情報を含む記録管理情報と、前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、前記一時管理領域には、前記データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の前記記録管理情報を含む前記管理情報が連続して複数回追記されており、前記情報再生装置は、前記管理情報の取得を行う管理情報再生部を備え、前記管理情報再生部は、前記一時管理情報領域の記録済み終端位置に配置された前記管理情報を取得するとともに、少なくとも、前記記録済み終端位置に配置された前記管理情報の取得に失敗した場合に、前記複数回記録された前記管理情報のうち、記録済み終端位置に配置された前記管理情報とは異なる他の前記管理情報を取得し、これにより、上記目的を達成する。
【発明の効果】
【0041】
本発明の情報記録媒体、情報記録再生装置、および情報記録再生方法によれば、追記型情報記録媒体の記録再生のために必要な最新の管理情報を、より信頼性を高めた形で冗長記録できる。言い換えれば、最新の管理情報の取得に失敗したような場合でも、多重記録された別の管理情報を取得可能となるため、継続して当該追記型情報記録媒体に対して記録再生を行うことが出来る。これにより、使用中の情報記録媒体が後発的な欠陥(指紋や埃、傷など)に侵された場合でも、その情報記録媒体を確実に、かつ即座に記録再生できる状態に出来る可能性を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態1における、光ディスク1のTDMA17への管理情報の記録方法を示す説明図
【図2】本発明の実施の形態1における光ディスク記録再生装置100、並びに本発明の実施の形態2における光ディスクドライブ230の装置構成図
【図3】本発明の実施の形態1における、メモリ150に保持するデータ構成の例を示す説明図
【図4】本発明の実施の形態1における、追記型の光ディスク1のTDMA17への管理情報記録手順を示す処理フロー図
【図5】本発明の実施の形態1における、追記型の光ディスク1のTDMA17からの最新の管理情報読み出し手順を示す処理フロー図
【図6】本発明の実施の形態1における、追記型の光ディスク1のTDMA17からの最新の管理情報読み出し動作の説明図
【図7】従来のTDMA17からの最新の管理情報読み出し手順を示すフロー図
【図8】本発明の実施の形態2における、光ディスクアレイシステム200の装置構成図
【図9】本発明の実施の形態2における、メモリ220に保持するデータ構成の例を示す説明図
【図10】本発明の実施の形態2における、ディスクアレイを構成する全ての光ディスク1のTDMA17に管理情報を記録する場合の記録方法を示す説明図
【図11】本発明の実施の形態2における、ディスクアレイを構成する一部の光ディスク1のTDMA17に管理情報を記録する場合の記録方法を示す説明図
【図12】本発明の実施の形態2における、ディスクアレイを構成する光ディスク1のTDMA17へのTDMS記録方法について、管理情報要素単位で示した説明図
【図13】本発明の実施の形態2における、ディスクアレイを構成する光ディスク1への新たな管理情報の更新記録処理手順を示すフロー図
【図14】本発明の実施の形態2における、ディスクアレイを構成する光ディスク1のTDMA17への管理情報更新方法の一例を示す説明図
【図15】本発明の実施の形態1における、ディスクアレイを構成する光ディスク1のTDMA17からの最新の管理情報読み出し手順を示す処理フロー図
【図16】本発明の実施の形態2における、ディスクアレイを構成する光ディスク1のTDMA17からの最新の管理情報読み出し動作の説明図
【図17】本発明の実施の形態2における、ディスクアレイを構成する光ディスク1への管理情報更新の規則を変更する場合の記録方法を示す説明図
【図18】一般的な光ディスクの領域構成図
【図19】一般的な書換え型光ディスクのある記録層における領域構造説明図
【図20】一般的な追記型光ディスクのある記録層における領域構造説明図
【図21】従来の手順による、追記型の光ディスク1のTDMA17への管理情報の記録方法を示す説明図
【図22】一般的な追記型光ディスクにおける、TDDS30、TDFL31およびSRRI32のデータ構造に関する説明図
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0044】
なお、本発明の実施の形態では、情報記録媒体として、追記型光ディスクを例にとって説明を行う。また以降の説明において、“管理情報”とはTDFL31やSRRI32やTDDS30など全てをまとめた全体的な総称として使用することとし、管理情報を構成するTDFL31やSRRI32など1つ1つの個別の要素については“管理情報要素”と呼ぶこととする。
【0045】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1では、1台の光ディスク記録再生装置100と1枚の光ディスク1によって実現可能な、管理情報の多重記録方法について述べる。
【0046】
本発明の実施の形態1における追記型光ディスクの、ある記録層における領域構造は、図20を用いて説明した従来の追記型光ディスクのものと同じであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0047】
1)記録再生装置
まず始めに、本発明の実施の形態1における光ディスク記録再生装置100の構成について簡単に説明する。
【0048】
図2は、本発明の実施の形態1の追記型光ディスクに情報の記録再生を行う記録再生装置の構成を示す説明図である。
【0049】
光ディスク記録再生装置100は、I/Oバス180を介して上位制御装置(図示せず)に接続される。上位制御装置は、例えば、ホストコンピュータ(ホストPC)である。
【0050】
光ディスク記録再生装置100は、上位制御装置からの命令を処理する命令処理部110と、光ディスク1に対して記録再生を行うためにレーザ光を照射する光ピックアップ120と、光ピックアップ120から出力されるレーザパワー等の制御を行うレーザ制御部130と、光ピックアップ120を目的位置へ移動したりサーボ制御を行うためのメカ制御部140と、記録及び再生したユーザデータやその他情報を管理したりバッファとして一時的に格納するメモリ150と、TDMA17やDMAから読み出した最新の管理情報を構成する各管理情報要素(TDDS30、TDFL31、およびSRRI32など)や、光ディスク1に対して更新記録する最新状態の各管理情報要素を格納しておく管理情報格納メモリ160と、光ディスク1からの記録再生処理などのドライブ処理全般の統括制御を行うドライブ制御部170とを備える。
【0051】
ドライブ制御部170はさらに、ユーザデータや管理情報等のデータの記録再生を行う記録部171、再生部172と、光ディスク1の管理情報などに基づいて管理情報やユーザデータを読み出す位置や次に記録する位置を管理するアクセス位置管理部173と、管理情報格納メモリ160に格納された各管理情報要素の更新を行う管理情報更新部174と、管理情報格納メモリ160に格納された各種管理情報要素から更新が必要なデータを組み合わせてTDMA17に記録するTDMSやDMAに記録するDMSを生成する管理情報生成部175から構成される。
【0052】
なお管理情報格納メモリ160は、管理情報更新記録前に電源断が発生するなどして情報が消失してしまうことを防ぐため、不揮発メモリで構成されても良い。或いは不揮発メモリを更に備えても良い。こうすれば、管理情報保護レベルを強化するという観点で効果的である。
【0053】
なお図2では、メモリ150と管理情報格納メモリ160を異なる構成要素として記載しているが、これは説明上分かりやすくするためであり、物理的には同一の構成要素を用いて実現されても良い。
【0054】
2)記録方法
図1は、本発明の実施の形態1における、追記型の光ディスク1のTDMA17に管理情報を記録する場合の記録方法を示す図である。なお、光ディスク1はブロック3の単位で記録再生が行われるため、図1中に示すTDMSのサイズはいずれもブロック3の整数倍となる。つまり例えば図1(b)におけるセクタアドレスA、D、G、I、Kはいずれもブロック3の先頭のセクタ位置となる。言い換えると、特に図示はしないが、図中に示す各TDMSの中には、管理情報要素であるTDDS30、TDFL31およびSRRI32の他に、TDMSのサイズがブロック3の単位となるよう、意味を持たないパディングデータを含みうる。
【0055】
この方法の特徴は、一部を除いて同じ内容の管理情報要素を含むTDMSを複数回(この図の場合は2回)繰り返して多重記録することにある。ここでは、多重記録回数は2回であるものとして説明を行う。
【0056】
図中の#に続く添え字は、更新回数情報(例えばDDS更新回数49)を示す。更新記録する前のTDFL31の更新回数がa−1回、SRRI32の更新回数がb−1回、TDDS30の更新回数がc−1回(a、b、cはいずれも、1以上の正数)であるとする。また、TDMA17において、次の記録(追記)位置は、光ディスク1上の実アドレス(物理アドレス)であるセクタアドレス:Aの位置であるとする。
【0057】
この場合、次にTDMSを記録する際、SRRI32、TDFL31ともに更新記録する場合には、TDDS30も含めて、それぞれの更新回数を1増やす。具体的には、TDFL31の第1DFL更新回数54と第2DFL更新回数58を“a”に、およびSRRI32の第1SRRI更新回数64と第2SRRI更新回数68を“b”に、およびTDDS30のDDS更新回数49を“c”にする。加えてTDDS30のTDFL先頭位置46をセクタアドレス:Aに、SRRI先頭位置45をセクタアドレス:Bにする。そして、これらの管理情報要素を組み合わせたTDMS#d(dは0以上の正数)を、多重記録の1回目として、まずTDMA17に記録する。続けて、さらに更新回数を1増やして、TDFL31の第1DFL更新回数54と第2DFL更新回数58を“a+1”に、およびSRRI32の第1SRRI更新回数64と第2SRRI更新回数68を“b+1”に、およびTDDS30のDDS更新回数49を“c+1”にする。加えてTDDS30のTDFL先頭位置46をセクタアドレス:Dに、SRRI先頭位置45をセクタアドレス:Eにする。そして、これらの管理情報要素を組み合わせたTDMS#(d+1)を、多重記録の2回目として、続けてTDMA17に記録する。つまり、TDMS#dとTDMS#(d+1)は、各管理情報要素の更新回数の値が異なる(但し、必ず連続した奇数・偶数の値の関係になる)ことを除けば、記録管理情報であるTDFL31及びSRRI32は全く同じ情報が多重記録される。またディスク定義構造であるTDDS30も、記録管理情報が実際に記録された位置情報であるSRRI先頭位置45、並びにTDFL先頭位置46の値が更に異なることを除いて、全て同じ情報が多重記録される。
【0058】
図1(b)は、図1(a)の状態から、光ディスク1に対してさらに記録が実施され、新たに管理情報を更新記録する場合の様子を示す。ここで、(a)の状態から(b)に至るまでの間には、新たな欠陥ブロックの検出はなく、TDMSとしてSRRI32とTDDS30のみが記録されるものとする。図1(b)の場合も、図1(a)の場合と同様に、同じ内容のTDMS#(d+2)とTDMS#(d+3)という形で多重記録される。具体的には、TDMS#(d+2)として、更新記録するSRRI32とTDDS30の更新回数を1増やす。つまり、SRRI32の第1SRRI更新回数64と第2SRRI更新回数68を“b+2”に、およびTDDS30のDDS更新回数49を“c+2”にする。加えて、TDDS30のTDFL先頭位置46をセクタアドレス:Aに、SRRI先頭位置45をセクタアドレス:Gにする。そしてこれらの管理情報要素を組み合わせたTDMS#(d+2)を、多重記録の1回目として、TDMA17の次の記録位置であるセクタアドレス:Gの位置から記録する。なおここで、今回更新記録されなかったTDFLの位置であるTDFL先頭位置46としては、先にTDFL31が正しく記録された位置を指す。そこで、前回の多重記録セットにおける1回目のTDMSにてTDFL31が記録された位置であるセクタアドレス“A”を指す形で記録する。続けて、さらに更新回数を1増やす。つまり、SRRI32の第1SRRI更新回数64と第2SRRI更新回数68を“b+3”に、およびTDDS30のDDS更新回数49を“c+3”にする。加えて、TDDS30のTDFL先頭位置46をセクタアドレス:Dに、SRRI先頭位置45をセクタアドレス:Iにする。そして、これらの管理情報要素を組み合わせたTDMS#(d+3)を、多重記録の2回目として、続けてTDMA17に記録する。つまり、TDMS#(d+2)とTDMS#(d+3)は、各管理情報要素の更新回数の値が異なる(但し、必ず連続した奇数・偶数の値の関係になる)ことを除けば、記録管理情報であるTDFL31及びSRRI32は全く同じ情報が多重記録される。またディスク定義構造であるTDDS30も、記録管理情報が実際に記録された位置情報であるSRRI先頭位置45、並びにTDFL先頭位置46の値が異なることを除いて、全て同じ情報が多重記録される。
【0059】
なおここで、図1(b)の場合には、TDFL31の更新記録を行わなかったため、多重記録されるTDDS30に含まれるTDFL先頭位置46は、同じ位置(例えば、TDDS#(c+2)のTDFL先頭位置46及びTDDS#(c+3)のTDFL先頭位置46とも、セクタアドレス:“D”の位置)として記録することも可能であるが、それよりも、上述したような記録方法が好ましい。その理由は、ディスク上の傷やディフェクトなどの影響で記録中にアブノーマル・ジャンプ(例えば、トラック飛び)が発生し、すでに記録済みの領域のデータを書き潰してしまうような事態が考えられるためである。もし万が一、最新TDMSセット(図1(b)の場合はTDMS#(d+2)とTDMS#(d+3))のTDDS30におけるTDFL先頭位置46が同じセクタアドレス:Dの位置を指していた場合、アブノーマル・ジャンプなどでそのセクタ(ブロック)が書き潰されてしまった場合には、最新TDMSセット(図1(b)の場合はTDMS#(d+2)とTDMS#(d+3))から正しいTDFL31が読み出せなくなってしまうことになる。そのため多重記録セットに含まれるTDDS30が指すSRRI先頭位置45、TDFL先頭位置46など位置情報を示す情報は、別々の位置を指すようにして記録する方が、より信頼性が増して好ましいと言える。
【0060】
なお、図1においてはTDMSを2回多重記録する例を示したが、TDMSを多重記録する回数は任意である。具体的には、多重回数の回数を増やせばTDMA17の消費速度が速まることになり、更新記録可能な回数が減ることになる。つまり、管理情報の保護強度と更新記録可能な回数とから、多重記録回数を判断すれば良い。
【0061】
このような記録方法を採用することで得られる効果について説明する。例えば図20に示すように、追記型光ディスクの管理情報を記録するTDMA17は主に内周側に存在する場合が多い。一般的に、TDFL31のサイズは、多くの欠陥ブロック検出や交替処理実施がなされない限りさほど大きくならないため、TDFL31とSRRI32とTDDS30とを組み合わせたTDMSは1ブロックサイズとなることが多い。ここで、TDMA17が存在する内周側の領域は1トラックあたりおよそ2ブロックで構成される。つまりTDMA17が配置されるような光ディスク1の内周側の領域が運悪く後発的な欠陥(指紋や埃、傷など)に侵された場合、単純に言えば50%の確率で最新の管理情報が配置されたブロック3が後発的な欠陥の影響を受ける可能性がある。このような場合でも、同一内容の最新の管理情報を連続して多重記録しておくことで、いずれか一方の管理情報は読み出せる可能性が非常に高く、光ディスク1が最新の管理情報取得失敗による記録不可状態(Write Protect)、或いは再生時のデータ化け発生状態に陥るリスクを低減することが可能になる。また最悪の場合は、以前記録された管理情報取得にも失敗した場合には再生不可状態になってしまうが、同一内容の最新の管理情報を連続して多重記録しておくことで、再生不可状態に陥るリスクも低減することが可能になる。またこれは、1トラック5ブロック以上となる外周側の領域であっても同様の効果を得ることが出来ることは言うまでも無い。
【0062】
3)記録(最新の管理情報記録)手順
図4は、光ディスク記録再生装置100が光ディスク1のTDMA17に新たに管理情報を更新記録する場合の手順を示すフロー図である。
【0063】
ステップ401:更新記録する管理情報要素(TDFL31、SRRI32とTDDS30)を判断する。具体的には、ドライブ制御部170は、管理情報格納メモリ160中にて管理している各管理情報要素が管理情報更新部174によって更新され、新たな管理情報として光ディスク1のTDMA17に更新記録する必要があるか否かを判断する。なお、各管理情報要素更新のタイミングは、例えば光ディスク1を光ディスク情報記録再生装置から排出(イジェクト)する時や、光ディスク1へのアクセスが所定時間以上発生しない非繁忙時など、ドライブ制御部170によって任意のタイミングに制御されうる。また管理情報要素の性質によって、管理情報要素ごとに切替えても良い(例えばSRRI32のSRR最終記録位置66などは、仮にTDMA17に最新状態に更新記録される前に電源断などが発生して失われても、その後光ディスク1に対して記録済み領域の終端探索を行うことで再生成することが可能である。一方でTDFL31のDFLエントリ51が失われると、再生成できない、または再生成が非常に困難であるなど。そのため、SRRI32よりもTDFL31の方を優先的に確実に更新記録できるようにTDMA17への更新記録タイミングを制御するなど)。
【0064】
ステップ402:以下のステップ403から406をk回(kは1以上の正数)繰り返す。ここでkとはTDMSの多重記録回数のことであり、例えば図1で示したように2回である。
【0065】
ステップ403:TDMA17において、次に管理情報(TDMS)を記録する位置を確定する。具体的には、ドライブ制御部170におけるアクセス位置管理部173は、次にTDMSを記録可能なTDMA17における先頭位置、つまりTDMA17における記録済みと未記録の境界位置を探索(記録済み終端探索)し、境界位置に隣接する未記録ブロックの先頭位置を、次にTDMSを記録する位置として確定する。なお、記録済み終端探索の方法としては、後述する図5におけるステップ501に詳細を記述する。
【0066】
なおこの記録位置は、必ずしもこのタイミングで確定させずとも、これより前に確定されていても良い。具体的には、例えば光ディスク1を起動する際には、後述する「4)再生手順」にも示すように、TDMA17における記録済みと未記録の境界位置を基準にして最新の管理情報の読み出しを行うため、その時点でTDMA17における次の記録位置は確定されることになる。よって、この境界位置情報をもとにTDMA記録開始位置70として図3に示すように内部情報としてメモリ150(または管理情報格納メモリ160)に記憶しておけば、更新記録の際に改めて算出する必要は無くなる。また以降は、TDMSを新規記録するたびに、記録完了した次のブロック先頭位置をTDMA記録開始位置70としてメモリ150の値を更新すれば、それが次の記録開始位置になる。
【0067】
ステップ404:更新記録する管理情報要素における更新回数情報を1インクリメントする。具体的にはドライブ制御部170における管理情報更新部174は、管理情報格納メモリ160に格納されている更新記録対象の管理情報要素における更新回数情報に相当する情報を、現在の値より1大きい値に更新する。より具体的には、例えばSRRI32とTDDS30をTDMSとして更新記録する場合は、第1SRRI更新回数64と第2SRRI更新回数68とDDS更新回数49に相当する情報を、現在の値より1大きい値に更新する。
【0068】
ステップ405:TDDS中に含まれる各管理情報要素の記録位置情報を更新する。具体的には、ドライブ制御部170における管理情報更新部174は、ステップ403で求めた記録位置に基づき、管理情報格納メモリ160に格納されているTDDS30に相当する情報におけるSRRI先頭位置45および/またはTDFL先頭位置46の値を更新する。なお、少なくとも更新したSRRI先頭位置45並びにTDFL先頭位置46については、TDMSとして多重記録するk個分の値をそれぞれ、例えば図3に示すように、SRRI記録位置75、TDFL記録位置76としてメモリ150中に記憶しておく。あるいは、TDDS30全てを多重記録するk個分別々に記憶しても良い。これは、上述した図1(b)に示すように、TDMSの多重記録セットに含まれるTDDS30が指すSRRI先頭位置45、TDFL先頭位置46など位置情報を示す情報は、次のTDMS記録の際に相当する管理情報要素の記録が行われなかった場合に、それぞれ別々の位置を指すように制御できるように、前回記録した位置を記憶しておくためである。
【0069】
ステップ406:TDMA17に新たなTDMSを更新記録する。具体的には、ドライブ制御部170における管理情報生成部175は、上記ステップ404、405にて更新された管理情報要素を組み合わせたTDMSを生成してメモリ150中のバッファ領域または管理情報格納メモリ160に格納する。そしてドライブ制御部170は、記録を行うレーザパワーやストラテジ等の記録条件をレーザ制御部130に設定し、ステップ403で算出した記録を行う位置に対してメカ制御部140を用いて光ピックアップ120を移動させ、記録部171によって新たな管理情報をTDMA17に記録する。ここで、もし記録したブロックがディフェクト等に侵されていて記録に失敗した場合には、後続するブロックに対して正常に記録が行われるまでステップ405とステップ406を繰り返して行う。
【0070】
ステップ407:上述したステップ403からステップ406をk回(kは1以上の正数)繰り返す。
【0071】
以上の手順で、TDMA17への新たな管理情報の記録は完了する。
【0072】
4)再生(最新の管理情報読み出し)手順
図5は、光ディスク記録再生装置100が光ディスク1のTDMA17に記録されている最新の管理情報読み出しを行う場合の手順を示すフロー図である。本処理は例えば、光ディスク1が光ディスク記録再生装置100に装着された後の最初の起動時などのタイミングで実施される。
【0073】
なお、最新の管理情報読み出し状態を管理するため、図3に示すように、メモリ150にTDDS取得フラグ71、SRRI取得フラグ72及びTDFL取得フラグ73を設けておき、初期状態としてそれぞれFALSE(未取得)状態に設定しておく。
【0074】
ステップ501:TDMA17の記録済み終端位置を探索する。具体的にはドライブ制御部170は、TDMA170に対して、光ピックアップ120から光ディスク1に向けて照射されたレーザ光の反射光の振幅(エンベ)信号などを用い、その振幅信号の変化から、記録済み領域と未記録領域の境界位置を判断する。なお、ここで求めた境界位置情報については、例えば未記録領域の先頭ブロック位置を、図3に示すように、TDMA記録開始位置70としてメモリ150(または管理情報格納メモリ160)に記憶しておく。なお、境界位置の管理方法としては、必ずしもこの形で無くても良く、例えば記録済み終端ブロック位置など、境界位置と等価の内容で管理しても良い。
【0075】
ステップ502:読み出しブロックを確定する。具体的には、ドライブ制御部170におけるアクセス位置管理部173は、管理情報読み出しを行う基準のブロック3を確定する。より詳細には、最初の読み出しを行う場合には、ステップ501で算出した境界位置に配置される記録済み終端ブロックに、そうで無い場合(例えば、後述のステップ504から再度実行されるような場合)には、先に確定した読み出しブロックの1つ手前のブロックに設定する。
【0076】
ステップ503:ブロック3の読み出しを行う。具体的には、再生を行うレーザパワー等の再生条件をレーザ制御部130に設定し、ステップ502で確定した読み出しを行うブロック3の位置に対してメカ制御部140を用いて光ピックアップ120を移動させ、再生部172によってブロック3の読み出しを行い、メモリ150中のバッファ領域に格納する。なお以降では、読み出しを行うと記載した場合には、レーザパワーの設定や光ピックアップ120の移動なども全て含んでいるものとし、詳細な記載は省略する。
【0077】
ステップ504:読み出しに成功したか否かを判断する。具体的にはドライブ制御部170は、ステップ502で実施したブロック3の読み出しがエラー訂正も含めて再生OKであることに加え、更に再生したブロック3のデータのうち、所定位置(例えば最終セクタ位置)のデータがTDDS30か否かを、例えば読み出したブロックの最終セクタの先頭データがDDS識別子48と合致するか否かで判断し、再生OKでかつTDDS30と確認できた場合に、読み出しに成功したと判断する。
【0078】
続けて、読み出しに成功したと判断した場合はステップ505を実施する。読み出しに失敗したと判断した場合には、ステップ502から処理をやり直す。
【0079】
ステップ505:読み出したTDDS30が最新か否かを判断する。具体的にはドライブ制御部170は、読み出したブロック3がステップ501で算出した境界位置に配置される記録済み終端ブロックの場合には、読み出したTDDS30は最新であると判断する。この際、読み出した更新回数情報は図3に示すように、メモリ150に最新更新回数74として記憶しておく。読み出したブロック3が記録済み終端ブロックでなかった場合、つまりリトライでステップ502からやり直したような場合には、最新更新回数74の値をp(pは0以上の正数)とすると、多重記録回数であるk(kは1以上の正数)をもとに、DDS更新回数49の値が(p−k+1)からpの間の値であれば、最新TDMSセットにおけるTDDS30、つまり最新のTDDS30であると判断する。なお、万が一にも、記録済み終端ブロックが汚れ等に侵されて読み出せないような場合に備え、例えば、光ディスク記録再生装置100に不揮発メモリを更に備えておき、光ディスク1における最新のTDDS30におけるDDS更新回数49などを記憶しておいて、この値をpとして使用しても良い。
【0080】
ステップ506:最新のTDDS30を確保する。具体的には、ドライブ制御部170は、TDDS取得フラグ71がFALSE(未取得)の場合には、ステップ503でメモリ150のバッファ領域に読み出したブロック3の所定位置(例えば最終セクタ位置)に配置される固定サイズのデータを最新のTDDS30として管理情報格納メモリ160へ格納する。これにより、最新のTDMSを構成する他の管理情報要素であるSRRI32、及びTDFL31が記録されている位置情報であるSRRI先頭位置45、及びTDFL先頭位置46が確定することになる。またメモリ150に備えたTDDS取得フラグ71をTRUE(取得済み)に設定する。
【0081】
一方、ステップ502からのリトライの場合などで既にTDDS取得フラグ71がTRUE(取得済み)だった場合には、FALSEだった場合と同様に、読み出したデータを最新のTDDS30として管理情報格納メモリ160を上書きするか、あるいは既に管理情報格納メモリ160に確保されているTDDS30のうち、少なくともSRRI32、及びTDFL31が記録されている先頭位置であるSRRI先頭位置45、及びTDFL先頭位置46を、新たに読み出した値で更新(上書き)する。
【0082】
ステップ507:最新のSRRI32の読み出しを行う。具体的には、ドライブ制御部170における再生部172は、ステップ506で取得したTDDS30に含まれるSRRI先頭位置45が指すセクタを含むブロック3を再生し、メモリ150のバッファ領域に格納する。なお、ステップ506で取得したTDDS30に含まれるSRRI先頭位置45が指すセクタを含むブロック3が、ステップ503で読み出したブロック3と同じ場合には、改めて光ディスク1からの読み出しを実施しなくても良い。この場合は、ステップ503においてメモリ150のバッファ領域に読み出したブロック3のデータに対して、SRRI32か否かの判断を行えばよい。なお、ステップ502からのリトライの場合などで、既にSRRI取得フラグ72がTRUE(取得済み)の場合には、ステップ507からステップ509はスキップして、ステップ510へ進んでも良い。
【0083】
ステップ508:最新のSRRI32の読み出しに成功したか否かを判断する。具体的にはドライブ制御部170は、ステップ507で実施したブロック3の読み出しがエラー訂正も含めて再生OKであることに加え、更に再生したブロック3中のSRRI先頭位置45の指すセクタのデータがSRRI32か否かを、先頭のデータがSRRI識別子63と合致するか否かで判断し、再生OKでかつSRRI32と確認できた場合に、読み出しに成功したと判断する。
【0084】
続けて、読み出しに成功したと判断した場合はステップ509を実施する。読み出しに失敗したと判断した場合には、ステップ502から処理をやり直す。
【0085】
ステップ509:最新のSRRI32を確保する。具体的には、ドライブ制御部170は、ステップ507でメモリ150のバッファ領域に読み出したブロック3中のSRRI先頭位置45の指すセクタの先頭に配置されるSRRIヘッダ60に含まれるSRRIエントリ数69から、SRRI32のサイズを算出し、SRRI先頭位置45が指す位置から算出したサイズ分のデータを最新のSRRI32として管理情報格納メモリ160に格納する。またメモリ150に備えたSRRI取得フラグ72をTRUE(取得済み)に設定する。
【0086】
ステップ510:最新のTDFL31の読み出しを行う。具体的には、ドライブ制御部170における再生部172は、ステップ506で取得した最新のTDDS30に含まれるTDFL先頭位置46が指すセクタを含むブロック3を再生し、メモリ150のバッファ領域に格納する。なお、ステップ506で取得したTDDS30に含まれるTDFL先頭位置46が指すセクタを含むブロック3が、ステップ503で読み出したブロック3と同じ場合には、改めて光ディスク1から読み出しを実施しなくても良い。なお上述したように、厳密に言えば、TDFL31のサイズは1ブロックサイズを超える場合がある。TDFL31のサイズは、TDFLヘッダ50に含まれるDFLエントリ数59から算出することが出来る。TDFL31のサイズが1ブロックを超えるような場合には、このステップ510において、TDFL31を構成するデータが含まれるブロック3の読み出しも行う。なお、ステップ502からのリトライの場合などで、既にTDFL取得フラグ73がTRUE(取得済み)の場合には、ステップ510からステップ512はスキップして、ステップ513へ進んでも良い。
【0087】
ステップ511:最新のTDFL31の読み出しに成功したか否かを判断する。具体的にはドライブ制御部170は、ステップ510で実施したブロック3の読み出しがエラー訂正も含めて再生OKであることに加え、更に再生したブロック3中のTDFL先頭位置46の指すセクタのデータがTDFL31か否かを、先頭のデータがDFL識別子53と合致するか否かで判断し、再生OKでかつTDFL31と確認できた場合に、読み出しに成功したと判断する。
【0088】
続けて、読み出しに成功したと判断した場合はステップ511を実施する。読み出しに失敗したと判断した場合には、ステップ502から処理をやり直す。
【0089】
ステップ512:最新のTDFL32を確保する。具体的には、ドライブ制御部170は、ステップ510でメモリ150のバッファ領域に読み出したブロック3中のTDFL先頭位置46の指すセクタの先頭に配置されるTDFLヘッダ50に含まれるDFLエントリ数59から、TDFL31のサイズを算出し、TDFL先頭位置46が指す位置から算出したサイズ分のデータを最新のTDFL31として管理情報格納メモリ160に格納する。またメモリ150に備えたTDFL取得フラグ73をTRUE(取得済み)に設定する。
【0090】
ステップ513:最新のTDMSを構成する全ての管理情報要素の取得に成功したとして、読み出し処理を終了する。このステップが実施される時点で、メモリ150に備えたTDDS取得フラグ71、SRRI取得フラグ72およびTDFL取得フラグ73は全てTRUEになっている。
【0091】
ステップ514:最新のTDMSを構成する管理情報要素が正しく取得できなかったとして、記録/再生禁止状態、あるいは制限つきでの再生のみ可能状態として、読み出し処理を終了する。このステップが実施される時点で、メモリ150に備えたTDDS取得フラグ71、SRRI取得フラグ72およびTDFL取得フラグ73の少なくとも1つがFALSEになっている。
【0092】
以上で、図5に示す最新の管理情報の読み出し処理を完了する。
【0093】
この処理の動きについて、図6の場合を例に簡単に説明する。例えば図6(a)のように、通常はTDMA17の記録済み終端ブロックに存在するTDDS30であるTDDS#3が取得され、そこに含まれるSRRI先頭位置45及びTDFL先頭位置46が指すSRRI#3およびTDFL#1が最新の管理情報として取得される。
【0094】
また図6(b)に示すように、万が一、記録済み終端ブロックが汚れ等の影響で読み出し失敗した場合であっても、多重記録された別のTDMSに含まれるTDDS#2を探索・取得し、そこに含まれるSRRI先頭位置45及びTDFL先頭位置46が指すSRRI#2およびTDFL#0が最新の管理情報として取得される。
【0095】
ここで参考のために、従来の最新管理情報読み出し処理と処理手順を比較してみる。図7は従来の管理情報読み出し処理手順を示すフロー図である。
【0096】
ステップ701:TDMA17の記録済み終端位置を探索する。本処理は、上述のステップ501と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0097】
ステップ702:所定のブロック3の読み出しを行う。所定のブロックとはTDMA17における記録済み終端ブロックのことである。本処理は、上述のステップ503と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0098】
ステップ703:読み出しに成功したか否かを判断する。本処理は、上述のステップ504と同じであり、詳細な説明は省略する。読み出しに成功したと判断した場合はステップ703へ進む。読み出しに失敗したと判断した場合には、ステップ711へ進む。
【0099】
ステップ704:最新のTDDS30を確保する。本処理は、上述のステップ506と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0100】
ステップ705:最新のSRRI32の読み出しを行う。本処理は、上述のステップ507と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0101】
ステップ706:最新のSRRI32の読み出しに成功したか否かを判断する。本処理は、上述のステップ508と同じであり、詳細な説明は省略する。読み出しに成功したと判断した場合はステップ707へ進む。読み出しに失敗したと判断した場合には、ステップ712へ進む。
【0102】
ステップ707:最新のSRRI32を確保する。本処理は、上述のステップ509と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0103】
ステップ708:最新のTDFL31の読み出しを行う。本処理は、上述のステップ510と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0104】
ステップ709:最新のTDFL31の読み出しに成功したか否かを判断する。本処理は、上述のステップ511と同じであり、詳細な説明は省略する。読み出しに成功したと判断した場合はステップ710へ進む。読み出しに失敗したと判断した場合には、ステップ712へ進む。
【0105】
ステップ710:最新のTDFL32を確保する。本処理は、上述のステップ512と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0106】
ステップ711:最新のTDMSを構成する全ての管理情報要素の取得に成功したとして、読み出し処理を終了する。本処理は、上述のステップ513と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0107】
ステップ712:最新のTDMSを構成する管理情報要素が正しく取得できなかったとして、記録/再生禁止状態、あるいは制限つきでの再生のみ可能状態として、読み出し処理を終了する。本処理は、上述のステップ514と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0108】
この図7のフロー図と図5のフロー図を比較しても分かるように、従来の読み出し処理ではステップ703、ステップ706、ステップ709のいずれか1つででもエラーが発生した場合には、最新の管理情報取得に失敗してしまっていた。しかし図5に示す本発明の実施の形態1の方法によれば、基本的に従来の処理手順に含まれるものと同じ処理に対して更に一部の新規手順を組み合わせることで、従来手法よりも管理情報取得失敗のリスクを大きく減らすことが出来ることが分かる。
【0109】
なお、図5のフローにおいては、例えばTDMA17の記録済み終端ブロックに含まれるTDDS30をもとに、TDFL31及びSRRI32が取得できた場合には、それで処理を完了するように記載をしたが、この場合であっても、ステップ503からステップ506に示す最新TDDS30の取得を多重記録セット分全てに対して実施しても良い。より詳細には、「3)記録手順」において、図4のステップ405に記載したように、多重記録分だけSRRI記録位置75及びTDFL記録位置76をメモリ150に備えていても良い。この場合、光ディスク1起動後の最初のTDMS記録時には、再生時に取得し設定されたSRRI記録位置75及びTDFL記録位置76を元にして記録が実施される可能性もある。そのため、最新多重記録セットに含まれるTDDS30が備えているSRRI先頭位置45及びTDFL先頭位置46については、全てを読み出すように制御しても良い。
【0110】
或いは、例えば光ディスク1起動後最初のTDMS記録時には、管理情報要素の更新の有無に関わらず、必ず全ての管理情報要素を含んだTDMSを記録するように制御しても良い。この方法を用いれば、起動時に、最新多重記録セットに含まれる全てのTDDS30の取得を行わなくても良い。
【0111】
なお、本発明の実施の形態1においては、TDMSの多重記録をTDMA17中に実施する例を示したが、多重記録の専用領域をTDMA17とは別に用意しておき、通常のTDMA17への更新記録とあわせて、多重記録専用領域に同じ内容のデータを冗長記録しても、上記で示したものと同様の効果を得ることが出来ることは言うまでも無い。
【0112】
なお、本発明の実施の形態1において図3を用いて説明したメモリ150における内部情報の種類や内容などの管理方法についてはあくまで一例であり、これに限定されるものでは無い。
【0113】
なお、上述したように、光ディスク記録再生装置100に不揮発メモリを備えるとした場合、その中に、光ディスク1の識別情報とともに、最新のTDMSが記録された位置情報を備えておくとより管理情報読み出しにおける信頼性を高めることも可能になる。例えば、光ディスク1に新たな管理情報を記録する際、少なくともTDDS記録位置に関する情報を多重記録するTDMS個数分記憶するようにする。あわせて、上述のメモリ150に備えるSRRI記録位置75やTDFL記録位置76なども記憶しても良い。このようにすれば、上述の図5に示すステップ501を省略或いは簡略化できたり、TDMA17から読み出した管理情報が最新状態のものか否かを正しく判断できるなど、より効率的に管理情報の読み出しが可能になる。
【0114】
以上のように、本実施の形態1における情報記録媒体、情報記録方法、情報記録装置、情報再生方法、および、情報再生装置は、主に、下記の構成を有している。
【0115】
すなわち、本実施の形態1における情報記録媒体は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体であって、ユーザデータを記録するデータ領域と、情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備えている。管理情報は、データ領域への記録状態を管理する情報を含む記録管理情報と、追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含んでいる。このとき、一時管理領域には、データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の記録管理情報を含む管理情報が連続して複数回追記される。このとき、複数回記録される管理情報のそれぞれに含まれるディスク定義構造に含まれる位置情報は、それぞれの管理情報における記録管理情報が記録されたブロックを示す。
【0116】
また、本実施の形態1における情報記録方法は、情報記録媒体の一時管理領域に、データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の記録管理情報を含む管理情報を連続して複数回追記する。このとき、複数回記録される管理情報のそれぞれに含まれるディスク定義構造に含まれる位置情報は、それぞれの管理情報における記録管理情報が記録されたブロックを示す。
【0117】
また、本実施の形態1における情報記録装置は、管理情報の記録を行う管理情報記録部を備えている。このとき、管理情報記録部は、情報記録媒体の一時管理領域に、データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の記録管理情報を含む管理情報を連続して複数回追記する。このとき、複数回追記される管理情報のそれぞれに含まれるディスク定義構造に含まれる位置情報は、それぞれの管理情報における記録管理情報が記録されたブロックを示す。
【0118】
また、本実施の形態1における情報再生方法は、一時管理領域に、データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の記録管理情報を含む管理情報が連続して複数回追記されている情報記録媒体に対して、最新の管理情報の取得を行う場合に、一時管理情報領域の記録済み終端位置に配置された管理情報を取得するステップ(a)と、少なくとも、ステップ(a)で管理情報の取得に失敗した場合に、複数回記録された管理情報のうち、記録済み終端位置に配置された管理情報とは異なる他の管理情報を取得するステップ(b)とを備える。
【0119】
また、本実施の形態1における情報再生装置は、管理情報の取得を行う管理情報再生部を備えている。このとに、管理情報再生部は、一時管理領域に、データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の記録管理情報を含む管理情報が連続して複数回追記されている情報記録媒体に対して、一時管理情報領域の記録済み終端位置に配置された管理情報を取得するとともに、少なくとも、記録済み終端位置に配置された管理情報の取得に失敗した場合に、複数回記録された管理情報のうち、記録済み終端位置に配置された管理情報とは異なる他の管理情報を取得する。
【0120】
以上の情報記録媒体、情報記録方法、および、情報記録装置であれば、最新の管理情報取得失敗により光ディスクが記録不可状態に陥るリスクを低減することが可能になる。
【0121】
また、以上の情報再生方法、および、情報再生装置であれば、管理情報取得失敗のリスク(再生時のデータ化け発生や、最悪の場合には再生不可状態に陥るリスク)を減らすことが出来る。
【0122】
このように、本実施の形態1の構成によれば、追記型情報記録媒体の記録再生のために必要な最新の管理情報を、より信頼性を高めた形で冗長記録できる。言い換えれば、最新の管理情報の取得に失敗したような場合でも、多重記録された別の管理情報を取得可能となるため、継続して当該追記型情報記録媒体に対して記録再生を行うことが出来る。これにより、使用中の情報記録媒体が後発的な欠陥(指紋や埃、傷など)に侵された場合でも、その情報記録媒体を確実に、かつ即座に記録再生できる状態に出来る可能性を高めることが出来る。
【0123】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、複数台の光ディスク記録再生装置100(詳細は後述する)と複数の追記型の光ディスク1によって実現可能な、管理情報の多重記録方法について述べる。
【0124】
本発明の実施の形態2における追記型光ディスクの、ある記録層における領域構造は、図20を用いて説明した従来の追記型光ディスクのものと同じであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0125】
1)記録再生装置(システム)
まず始めに、本発明の実施の形態2におけるシステム構成のモデルケースについて簡単に説明する。
【0126】
図8は、本発明の実施の形態2における光ディスクアレイシステム200のシステム構成の例である。
【0127】
光ディスクアレイシステム200は、システム制御を行うコントローラ210と、各種情報の退避保存やバッファ的な役割を果たすDRAMのようなメモリ220と、コントローラ210によって制御される複数台の光ディスクドライブ230(この図の場合は4台)を備える。
【0128】
コントローラ210はさらに、複数台の光ディスクドライブをRAIDとして制御するためのRAID制御部211と、光ディスクドライブ230に装着されている光ディスク1の管理情報の記録を制御する管理情報記録制御部212と、光ディスクドライブ230に装着されている光ディスク1の管理情報を最新状態に更新する管理情報更新部213と、各光ディスクドライブ230とメモリ220との間での管理情報の転送制御を行う管理情報IO制御部214と、ある光ディスクドライブ230に装着されている光ディスク1の最新の管理情報を取得したり、取得に失敗した場合に最新の管理情報の修復を制御する管理情報取得制御部215と、を備える。
【0129】
光ディスクドライブ230は、本発明の実施の形態1で説明した光ディスク記録再生装置100と基本的に同じ構成であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0130】
複数台の光ディスク記録再生装置100にそれぞれ装着された光ディスク1は、コントローラ210におけるRAID制御部211によって、例えばRAID5として管理されているものとする。
【0131】
なお、光ディスクドライブ230は、例えば複数枚の光ディスク1を備えたマガジンカートリッジを着脱可能なマガジンドライブ、或いは複数枚の光ディスク1を挿入可能なマガジンスロットドライブなどであっても良く、それぞれの光ディスクドライブ230には同時に複数枚の光ディスク1を含んでいても良い。
【0132】
なお、この図においては、DRAMのようなメモリ220を備えると記載したが、このメモリ220はSSDのような不揮発メモリであると更に冗長性を高めることが可能になる。具体的には、各光ディスクドライブ230に装着されている各光ディスク1における最新の管理情報を退避保存しておくことで、管理情報の冗長性が高く出来る。更にDRAMよりも大容量化が可能であるため、より多くの情報を退避保存できることに加えて、バッファとして利用することで、光ディスクドライブ230に対する記録再生パフォーマンスを向上させることも可能になる。
【0133】
2)記録方法
図10は、本発明の実施の形態2における光ディスクアレイシステムにおいて、アレイを構成するそれぞれの光ディスク1のTDMA17に管理情報を記録する場合の記録方法を示す図である。例えば、アレイを構成する4台の光ディスクドライブ230に装着された4枚の光ディスク1(光ディスク(A)、光ディスク(B)、光ディスク(C)および光ディスク(D))でRAID5を構成しているものとする。ここで、それぞれの光ディスク1におけるユーザデータ領域14のサイズ、並びにスペア領域であるISA15、OSA16のサイズは4枚の光ディスク1とも同じであるとする。言い換えると、各光ディスク1に記録されるTDDS30に含まれる論理セクタ番号0位置41や最終論理セクタ番号42やISAサイズ43やOSAサイズ44は同じであるとする。
【0134】
この方法の特徴は、それぞれの光ディスク1における管理情報(TDMS)を、自らのTDMA17中に記録するのはもちろん、ディスクアレイ(RAID)を構成する関連する光ディスク1のTDMA17中にも分散して多重記録する点にある。多重記録する光ディスク1は組み合わせてRAIDを構成するため、基本的に同時に使用されることが保証される。その中で、異なる光ディスク1上に情報を散在させることで、同一の光ディスク1中で多重記録する場合と比べて、同時に汚れや傷などに侵されるリスクを減らすことが出来るため、より信頼性を増すことが出来る。
【0135】
図10の(1)TDMS初回記録時に示すように、イニシャライズ時はそれぞれの光ディスク1のTDMA17に対して、それぞれのTDMSを従来の手法と同様に記録する。上述した通り、RAID5を構成する4枚の光ディスク1のユーザデータ領域14、ISA15、OSA16のサイズとも同じでTDDS30の内容も位置情報を除いて同じであり、またTDFL31やSRRI32などの記録管理情報も記録開始前の初期状態のため同じであるため、イニシャライズ時に記録されるTDMSは、全ての光ディスク1で同じ内容になる。言い換えると、従来通りにTDMA17にTDMSを記録することで、既に多重記録がなされたのと同じ効果があるといえるため、後述のような多重記録をあえて行わなくても良い。
【0136】
一方、図10の(2)TDMS更新記録時に示すように、光ディスク1に対してユーザデータの記録が実施され、それぞれの光ディスク1における各管理情報要素が更新された場合を考える。この場合、それぞれの光ディスク1のTDMA17には、当該光ディスク1の最新の管理情報(つまり第1管理情報)に加えて、関連する別の光ディスク1の最新の管理情報(つまり第2管理情報)を予備的にあわせて多重記録する。
【0137】
例えば、記録する光ディスク(A)の最新TDMSがA(1)、記録する光ディスク(B)の最新TDMSがB(1)、記録する光ディスク(C)の最新TDMSがC(1)、記録する光ディスク(D)の最新TDMSがD(1)であるとする。最新TDMSに含まれる管理情報要素の内容については、図10においては特に意識しないこととする。この場合、A(1)は自らのTDMAである光ディスク(A)のTDMA17と、RAID構成上隣接する光ディスク(B)のTDMA17の2箇所に多重記録される。同様にB(1)は光ディスク(B)、(C)のTDMA17に、C(1)は光ディスク(C)、(D)のTDMA17に、D(1)は光ディスク(D)、(A)のTDMA17にそれぞれ多重記録される。
【0138】
ここで、多重記録の際には、自身の最新TDMSを必ずTDMA17の記録済み終端位置に配置するように記録する。具体的には、例えば光ディスク(A)のTDMA17にはA(1)、D(1)が記録されることになるが、先にD(1)が記録され、記録済み終端位置には光ディスク(A)の最新TDMSであるA(1)が配置されるように記録する。これにより、通常は、従来の追記型光ディスク1と同様に、TDMA17の記録済み終端位置に配置される最新の管理情報を所得することで、ディスクアレイ(RAID)を構成する全ての光ディスク1の最新の管理情報の取得が可能になる。これは言い換えれば、従来の一般的な光ディスク記録再生装置100を用いても、従来と同等の信頼性を保ちつつ、かつ当該光ディスク1を正しく再生出来るという効果を得ることが出来る。つまり、予備的に記録される第2管理情報よりも、常時必要とされる第1管理情報の取得を効率的に実施できるようにすることが出来る。
【0139】
ここで、図10(2)では管理情報を異なる光ディスク1の合計2箇所に多重記録する例を示したが、この例の場合は、TDMA17に対してRAID5と同様のデータ消失防止効果を持つことが出来る。具体的には、仮に4枚中の1枚の光ディスク1におけるTDMA17の読み出しが何らかの理由で失敗したとしても、残り3枚の光ディスク1から最新の管理情報を復旧することが可能である。言い換えると、この例では、4枚中2枚以上の光ディスク1におけるTDMA17の読み出しに失敗した場合には、最新の管理情報を復旧することは出来ない。なお、この冗長度のレベルは、多重記録箇所を増やすことで上げることが出来る。例えば、異なる光ディスク1の合計3箇所に多重記録する方法を採用すれば、RAID6と同じデータ消失防止効果を持つ。
【0140】
なお図10では、最新の管理情報を自身のTDMA17に加えて、ディスクアレイ(RAID)の構成上隣接する光ディスク1のTDMA17に記録されるような例を示したが、多重記録方法はこれに限るものでは無い。具体的には、ある光ディスク1の最新の管理情報が自身のTDMA17の記録済み終端位置に記録されること、並びに1枚以上の関連する他の光ディスク1のTDMA17に記録されることを満たす限りにおいて、後の記録方法はある所定の規則に則って実施される限り任意である。極端に言えば、RAIDを構成する全ての光ディスク1の最新TDMSが、全ての光ディスク1のTDMA17に記録されても良い。具体的には、光ディスク(A)のTDMA17には、第1管理情報として光ディスク(A)の最新の管理情報を、第2管理情報として光ディスク(B)、(C)、(D)それぞれの最新の管理情報が記録されても良い。
【0141】
なお、管理情報記録は、図10(1)に示したTDMS初回記録(イニシャライズ)時を除いて、必ずこの所定の規則に則って実施するが、当然イニシャライズ時にも図10(2)に示したように所定の規則に則って多重記録を行っても良い。
【0142】
なお図10では、RAIDを構成する全ての光ディスク1において管理情報が更新され、最新TDMSを更新記録する場合を例に説明したが、用途によってはある特定の光ディスク1のTDMSのみが更新記録される場合もありうる。具体的には、例えば光ディスクアレイシステム200の各光ディスクドライブ230は、装着された光ディスク1の記録済みデータの劣化検出機能を備え、劣化を検出した場合には、データが読み出せなくなる前に交替記録や、スペアの光ディスク1へのデータコピーなどが実施されるとする。この際、例えば光ディスクドライブ230(No.1)が光ディスク(A)の記録済みデータ劣化検出処理中に、ある領域(またはブロック3)において部分的な劣化が検出され、当該光ディスク1中のスペア領域(ISA15かOSA16)への交替記録が実施され、TDFL31が更新されたとする。
【0143】
図11は、図10(2)の状態から、ディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク(A)の管理情報のみが更新され、更新記録を実施した場合の状態を示す説明図である。図中の濃い色で示したTDMSが、その時点での最新TDMSを示す。最新TDMSに含まれる管理情報要素の内容については、図11においても特に意識しないこととする。
【0144】
初期状態として、ディスクアレイ(RAID)を構成する各光ディスク1の更新前の最新TDMSがそれぞれA(1)、B(1)、C(1)、D(1)であったとする。この状態から、光ディスク(A)の管理情報だけが更新され、光ディスク(A)の最新のTDMSがA(2)になったとする。この場合、更新記録する必要があるTDMSはA(2)だけであるため、図10の場合のようにディスクアレイ(RAID)を構成する全ての光ディスク1のTDMA17に対してTDMS記録を行うのは、無駄にTDMA17を消費することになり好ましくない。そのためこの場合には、光ディスク(A)の管理情報の記録を行う光ディスク(A)並びに光ディスク(B)のTDMA17に対してのみ記録が実施される。より具体的には、光ディスク(A)のTDMA17には、光ディスク(A)の最新TDMSに加えて、関連する光ディスク1である光ディスク(D)の最新TDMSが記録される。また光ディスク(B)のTDMA17には、光ディスク(B)の最新TDMSに加えて、関連する光ディスク1である光ディスク(A)の最新TDMSが記録される。
【0145】
そのため図11の(2)に示すように、光ディスク(A)のTDMA17には、その時点での光ディスク(A)および光ディスク(D)の最新のTDMSであるA(2)およびD(1)が組み合わされ、記録済み終端位置にA(2)が配置されるように記録される。またRAID構成上隣接する光ディスク(B)のTDMA17には、その時点での光ディスク(A)および光ディスク(B)の最新のTDMSであるA(2)およびB(1)が組み合わされ、記録済み終端位置にB(1)が配置されるように記録される。
【0146】
なお、管理情報としては更新されていないが、記録されるTDMS(具体的には、図11の(2)の場合には、光ディスク(A)に記録されるD(1)並びに光ディスク(B)に記録されるB(1))については、前回その光ディスク1のTDMA17に記録されたTDMSと全く同じ構成で記録しても良いし、或いは少なくともTDDS30だけを記録するという方法を採用しても良い。より詳細に言えば、更新されていない管理情報要素は改めて記録しなおさなくても良い。その考え方を適用し、管理情報としては更新されていないが、記録されるTDMSに含まれる管理情報要素としては、以前記録した最新の管理情報要素の位置を指し示すTDDS30が最低限記録されれば良いことになる。
【0147】
なお、更新記録が不要な光ディスク(C)および光ディスク(D)のTDMA17に対しては、更新記録は実施されず前の状態のままとすることが出来る。つまり、TDMA17の消費量を無駄に浪費しないで済む。
【0148】
図12は、RAIDを構成する光ディスク1のTDMA17に記録されるTDMSの記録方法について、管理情報要素の単位で示した説明図である。ここでは、RAID5を構成する4枚の光ディスク1のうち、光ディスク(A)を例に取って説明する。
【0149】
前述したように、いずれかの管理情報要素に変化が生じてTDMA17に新たなTDMSを記録する場合、変化していない管理情報要素については記録せず、TDDS30に備えられる記録位置情報を前回記録された位置を指すようにしても良い。つまり、TDMSの記録のやり方としては、以下の2パターンいずれの方法が考えられる。
【0150】
1つ目は、更新された管理情報、更新されていない管理情報含めて必ずTDMSを構成する全ての管理情報要素をTDMS記録のたびに毎回記録するというやり方であり、図12の(パターン1)に相当する。この場合、光ディスク(A)のTDMA17に記録される最新の管理情報のうち、光ディスク(D)のTDMSに含まれるTDDS30が備えるSRRI位置情報45、TDFL位置情報46はそれぞれ、一緒に記録したD(2)内のSRRI32(D)#2、TDFL31(D)#2の位置を指すように記録され、光ディスク(A)のTDMSに含まれるTDDS30が備えるSRRI位置情報45、TDFL位置情報46はそれぞれ、一緒に記録したA(2)内のSRRI32(A)#2、TDFL31(A)#2の位置を指すように記録される。
【0151】
2つ目は、更新必要な管理情報要素のみ更新記録するというやり方であり、図12(パターン2)に相当する。例えば光ディスク(A)の管理情報要素としては、SRRI32、TDFL31ともに変化し、TDDS30含めて全ての管理情報要素の更新記録が必要だが、光ディスク(D)の管理情報要素としては、TDFL31は変化が生じなかったため、SRRI31とTDDS30のみ更新記録が必要という場合を想定する。この場合、光ディスク(A)のTDMSであるA(2)は、先に述べた(パターン1)の場合と同様に記録される。一方で光ディスク(D)のTDMSであるD(2)に含まれるTDDS30としては、SRRI先頭位置45はD(2)として一緒に記録するSRRI32(D)#2の位置を指すが、TDFL先頭位置46は、先に光ディスク(D)の管理情報として記録されたTDMSであるD(1)に含まれるTDFL31(D)#1の位置を指すように記録される。
【0152】
この方法で注意しなければならないのは、新たなTDMS更新前の光ディスク(A)において直近で記録されたTDMSはA(1)であるが、この位置情報だけを管理しておくのでは不十分であるという点である。具体的には、光ディスク(A)のTDMA17における管理情報更新を行うためには、A(1)だけでなく、D(1)が記録された位置情報についてもあわせて管理しておかなければならない。そこで、例えば、図9に示すような形で、コントローラ210が管理する内部情報をメモリ220内に備える。具体的には、管理情報要素記録位置81によって最新TDMSを構成する各管理情報要素の記録位置を、管理情報要素更新要求フラグ82によってディスクアレイ(RAID)を構成する全ての光ディスク1ごとに、更新記録が必要な管理情報要素を管理する。例えば、各光ディスク1の管理情報が2箇所に多重記録される図10に示した例の場合で考えて見る。この場合は、管理情報要素記録位置81として、光ディスク(A)、(B)、(C)、(D)それぞれについて、その光ディスク1に記録される管理情報の数分だけ(例えば光ディスク(A)の場合には、光ディスク(D)の管理情報と光ディスク(A)の管理情報の2組分)に対して、それぞれTDDS30、TDFL31、SRRI32の最新情報が記録された位置情報を管理しておく。なお、この管理情報要素記録位置81の詳細な使い方や更新方法については、後述する。
【0153】
このような記録方法を採用することで得られる効果について説明する。それぞれの管理情報が多重記録される光ディスク(A)、(B)、(C)、(D)はディスクアレイとして例えばRAID5を構成しているため、いずれかの光ディスク1に対してユーザデータの記録再生を行う場合には必ず同時に光ディスクドライブ230にセットされて使用される。つまり、ある光ディスク1の管理情報を異なる光ディスク1のTDMA17に配置していても、同時に使用可能な状態が保証されるため、管理情報更新や管理情報取得の際のパフォーマンスは、従来の方法と比べてもほとんど影響が無いレベルに抑えることが出来る。その上、ある光ディスク1における管理情報を異なる光ディスク1のTDMA17に多重記録するため、同一の光ディスク1において多重記録しておく場合と比べて、より信頼性を高めた冗長記録が可能になる。つまり従来の管理情報記録方法と比べて、光ディスク1の最新の管理情報が読み出せる可能性を高めることが可能であり、ある光ディスク1が最新の管理情報取得失敗により記録不可状態(Write Protect)、或いは再生時のデータ化け発生状態に陥るリスクを低減することが可能になる。また最悪の場合は、以前記録された管理情報取得にも失敗した場合には再生不可状態になってしまうが、同一内容の最新の管理情報を異なる光ディスク1も含めて多重記録しておくことで、再生不可状態に陥るリスクも低減することが可能になる。
【0154】
さらに、この記録方法を用いることで、ユーザデータ領域14に対してしかRAID5によって信頼性を高めることしか出来なかった光ディスクアレイシステムにおいて、管理情報領域に対してもRAID5と同等レベルの冗長性・信頼性を持ったアレイシステムを提供することが可能になる。
【0155】
さらに、ディスクアレイ(RAID)を構成する複数の光ディスク1を用いて冗長性を高めた管理情報の記録を行いつつも、各光ディスク1のTDMA17の記録済み終端位置には当該光ディスク1の最新の管理情報を配置しているため、その光ディスク1を本発明の実施の形態2に記載の方法に対応していない従来の記録再生装置において最新の管理情報を読み出すことも可能である。
【0156】
また、冗長性を高める方法としては、光ディスクアレイシステム200に不揮発メモリを備えて、管理情報記録の際にそこにも最新の管理情報を退避しておくといった方法も採用できる。しかしこの方法だけを用いた場合には、ディスクアレイ(RAID)を構成する複数の光ディスク1の冗長性を高めることが出来るのは当該不揮発メモリを備えた光ディスクアレイシステム200だけということになり、他の光ディスクアレイシステム200にディスクアレイ(RAID)を構成する複数の光ディスク1を装着した場合などには、冗長性を従来の場合と変わらないことになる。しかし、本発明の実施の形態2に示すような形で管理情報の多重記録を行うことで、ディスクアレイ(RAID)を構成する複数の光ディスク1を記録した光ディスクアレイシステム200以外の装置でこれらの光ディスク1を使用する場合であっても、同様の冗長性を確保することが出来る。
【0157】
3)記録(最新の管理情報記録)手順
図13は、光ディスクアレイシステム200がディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1に対して新たに管理情報を更新記録する場合の手順を示すフロー図である。ここでは、上述の図12(パターン2)に示した、更新必要な管理情報要素のみ更新記録する方法で実施する場合を例に取って説明する。
【0158】
なお、管理情報の更新記録必要性を管理するため、図9に示すように、メモリ220に管理情報要素更新要求フラグ82を設けておき、初期状態として最初の記録が開始される前(つまり、光ディスクアレイシステム200として記録が可能となった時点)に管理情報要素更新要求フラグ82はFALSE(更新不要)状態に設定しておく。なお、本発明の実施の形態2においては、管理情報要素更新要求フラグ82は2状態(TRUE:更新必要か、FALSE:更新不要)を示す情報として説明するが、例えば更新必要状態をさらに詳細な状態に分けて、例えば即時更新必要、適宜更新必要、更新不要といった状態管理を行っても良い。
【0159】
ステップ1301:以下のステップ1302を、システムを構成する全ての光ディスクドライブ230に装着された光ディスク1に対して実施する。例えば図8のようなシステム構成の場合には、4回繰り返す。
【0160】
ステップ1302:記録が必要な管理情報を取得する。具体的にはコントローラ210における管理情報IO制御部214は、所定のタイミングで、光ディスクドライブ230に装着された光ディスク1の管理情報のうち、更新記録が必要な管理情報を取得する。取得した管理情報は、ディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1毎にメモリ220中の管理情報退避領域83に格納され、管理される。また同時に、更新が必要として取得した管理情報(管理情報要素)に該当するメモリ220中の管理情報要素更新要求フラグ82をTRUE(更新必要)状態に設定する。
【0161】
ここで所定のタイミングとは、例えば、光ディスクアレイシステム200においてディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1に対して一定量以上のデータ記録が実施された場合である。より詳細には、コントローラ210は、RAID制御部211によってシステムを構成する光ディスク1にどの程度の記録が実施されたかを把握している。記録が実施されれば少なくともSRRI32(に含まれるSRR最終記録位置66)は更新される。そこで例えば、SRRI32(に含まれるSRR最終記録位置66)が前回の管理情報記録のタイミングから一定量以上変化した場合を更新のタイミングと考え、光ディスクアレイシステム200においてディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1に対して一定量異常のデータ記録が実施された場合に、それぞれの光ディスクドライブ230に装着された光ディスク1における最新状態の管理情報を取得する。
【0162】
なお、所定のタイミングとはこれに限るものではない。例えば、前回管理情報を取得したタイミングから一定時間経過した場合や、光ディスク1を光ディスクドライブ230から排出(Eject)する場合や、あるいは光ディスクドライブ230からコントローラ210に対して、管理情報の更新が必要であると通知があった場合などであっても良い。
【0163】
ステップ1303:上述したステップ1302を、システムを構成する全ての光ディスクドライブ230に装着された光ディスク1に対して実施する。例えば図8のようなシステム構成の場合には、4回繰り返す。
【0164】
なお、上述したステップ1301からステップ1303までの処理は、必ずしも後述のステップ1304以降の処理と連続的に実施されなくても良い。より具体的には、例えばステップ1301からステップ1303は上述した所定のタイミングにおいて実施されるのに対して、後述のステップ1304以降の処理は、前述したステップ1301からステップ1303において管理情報の更新記録が必要とコントローラ210が判断した場合にのみ実施するという手順であっても良い。
【0165】
ステップ1304:以下のステップ1305からステップ1306を、ディスクアレイ(RAID)を構成する全ての光ディスク1に対して実施する。例えば図8のようなRAID構成の場合には、4回繰り返す。
【0166】
ステップ1305:管理情報の更新記録が必要か否かを判断する。具体的には、コントローラ210における管理情報記録制御部212は、ディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1ごとに、管理情報を新たに更新記録する必要があるか否かを判断する。より詳細には、例えば、メモリ220に備える管理情報要素更新要求フラグ82のうち、該当する光ディスク1の情報がTRUE(更新必要)と設定されているか否かを判断する。そして、更新記録が必要と判断した場合は、ステップ1306へ進む。更新記録が不要と判断した場合には、ステップ1306をスキップしてステップ1307へ進む。
【0167】
ステップ1306:更新が必要な管理情報要素の更新回数情報を1つインクリメントする。具体的には、光ディスクアレイシステム200における管理情報更新部213は、メモリ220に格納されたディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1毎の管理情報に含まれる管理情報要素のうち、更新記録が必要な管理情報要素の更新回数情報(例えばSRRI32の場合は、第1SRRI更新回数64および第2SRRI更新回数68)を1インクリメントする。
【0168】
なお、このステップ1306は、例えば後述のステップ1308とステップ1309の間で実施されても良い。
【0169】
なお、このステップ1306において、更新が必要と判断された光ディスク1の管理情報要素の更新回数情報を1つインクリメントするのに加えて、更新は不要だが、更新が必要と判断された管理情報と組み合わせて記録される光ディスク1の管理情報についても、更新回数情報を1つインクリメントしても良い。
【0170】
ステップ1307:以上のステップ1305からステップ1306を、ディスクアレイ(RAID)を構成する全ての光ディスク1に対して実施する。例えば図8のようなRAID構成の場合には、4回繰り返す。
【0171】
ステップ1308:ディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1において、管理情報の更新記録が必要な光ディスク1が存在するか否かを判断する。具体的には、コントローラ210は、ステップ1305において管理情報記録制御部212によって実施した、管理情報を新たに更新記録する必要がある光ディスク1の有無判定結果に基づき、更新記録が必要な光ディスク1が1枚でも存在するか否かを判断する。より詳細には、例えば、メモリ220に備える管理情報要素更新要求フラグ82において、TRUE(更新必要)と設定されている光ディスク1が存在するか否かを判断する。そして、更新が必要な光ディスク1が存在する場合にはステップ1309へ進む。存在しない場合は、以降の処理をスキップして処理を終了する。
【0172】
ステップ1309:以下のステップ1310からステップ1313を、ディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1のうち、ステップ1305において管理情報を新たに更新記録する必要があると判断された光ディスク1(または、光ディスク1に記録再生を行う光ディスクドライブ230)に対して実施する。例えば、光ディスク(A)から光ディスク(D)の4枚全ての光ディスク1において管理情報の更新記録が必要な場合には、処理を4回繰り返す。
【0173】
ステップ1310:光ディスク1に更新記録するTDMSを生成する。具体的には、コントローラ210は、当該光ディスク1に更新記録する関連する光ディスク1の管理情報要素、並びに自らのディスクの管理情報要素をメモリ220における管理情報退避領域83から取得してTDMSを生成し、光ディスクドライブ230に対して転送可能な状態(例えば、転送バッファにコピーした状態)にする。更にコントローラ210における管理情報更新管理部213は、転送データの中に含まれるTDDS30中のSRRI先頭位置45並びにTDFL先頭位置46のうち、実際に更新記録されない管理情報要素の位置情報(例えば更新記録される管理情報要素がSRRI32とTDDS30のみの場合は、TDFL先頭位置46)を、メモリ220に備える管理情報要素記録位置81を用いて、当該光ディスク1において最新の管理情報要素が記録された位置に更新する。
【0174】
なお、第1管理情報である自らの光ディスク1のTDMSにおけるTDDS30の記録装置関連情報47には、その光ディスク1に対して記録する光ディスクドライブ230に関する情報を設定する。一方、第2管理情報である関連する光ディスク1のTDMSにおけるTDDS30の記録装置関連情報47には、その管理情報を第1管理情報として記録する光ディスクドライブ230に関する情報を設定する。より詳細には、例えば図10(2)を例にとると、光ディスク(A)のTDMA17に記録される管理情報のうち、A(1)に含まれるTDDS30の記録装置関連情報47には、光ディスクドライブ230(No.1)の装置に関する情報(例えばドライブのシリアルナンバー)を、D(1)に含まれるTDDS30の記録装置関連情報47には、光ディスクドライブ230(No.4)の装置に関する情報(例えばドライブのシリアルナンバー)を、それぞれ設定する。こうすることで、後述する4)再生手順の処理において、光ディスク1のTDMA17に記録されているTDMSが、どの光ディスク1に関するTDMSなのかを把握するのに使用することが可能になる。
【0175】
ステップ1311:関連する光ディスクのTDMSを光ディスクドライブ230へ転送し、記録する。具体的には、コントローラ210における管理情報IO制御部214は、ステップ1310で生成された関連する光ディスク1(例えば図10の例において、光ディスク(A)への管理情報記録の場合には、光ディスク(D)の最新管理情報)のTDMSデータを光ディスクドライブ230(例えば、光ディスク(A)への記録の場合には、光ディスクドライブ230(No.1))に対して送信する。そしてコントローラ210は、光ディスクドライブ230に対して、送信したデータをTDMA17に記録するよう要求する。
【0176】
管理情報データを受け付けた光ディスクドライブ230は、装着された光ディスク1における次に記録可能なTDMA17の位置(例えば、メモリ150に含まれるTDMA記録開始位置70が示す位置)から、受領した管理情報を記録する。なお、光ディスクドライブ230がTDMA17に記録を行う場合には、受領した管理情報データのうちのTDDS30に含まれるSRRI先頭位置45並びにTDFL先頭位置46のうち、実際に更新記録される管理情報要素の位置情報(例えば更新記録される管理情報要素がSRRI32とTDDS30のみの場合は、SRRI先頭位置45)を、記録位置に応じて更新してから記録する。このようにするのは、記録しようとしたTDMA17のブロックが欠陥に侵されていて後続のブロックに記録し直す場合があり、これらについては、上位層のコントローラ210よりも光ディスクドライブ230において管理される方が好ましいためである。
【0177】
ステップ1312:自らの光ディスク1のTDMSを光ディスクドライブ230へ転送し、記録する。具体的には、コントローラ210における管理情報IO制御部214は、ステップ1310で生成された関連する光ディスク1(例えば図10の例において、光ディスク(A)への管理情報記録の場合には、光ディスク(A)の最新管理情報)のTDMSデータを光ディスクドライブ230(例えば、光ディスク(A)への記録の場合には、光ディスクドライブ230(No.1))に対して送信する。そしてコントローラ210は、光ディスクドライブ230に対して、送信したデータをTDMA17に記録するよう要求する。
【0178】
管理情報データを受け付けた光ディスクドライブ230は、装着された光ディスク1における次に記録可能なTDMA17の位置(例えば、メモリ150に含まれるTDMA記録開始位置70が示す位置)から、受領した管理情報を記録する。なお、光ディスクドライブ230がTDMA17に記録を行う場合には、受領した管理情報データのうちのTDDS30に含まれるSRRI先頭位置45並びにTDFL先頭位置46のうち、実際に更新記録される管理情報要素の位置情報(例えば更新記録される管理情報要素がSRRI32とTDDS30のみの場合は、SRRI先頭位置45)を、記録位置に応じて更新してから記録する。このようにするのは、記録しようとしたTDMA17のブロックが欠陥に侵されていて後続のブロックに記録し直す場合があり、これらについては、上位層のコントローラ210よりも光ディスクドライブ230において管理される方が好ましいためである。
【0179】
ステップ1313:光ディスク1に記録した最新の管理情報を取得する。具体的には、コントローラ210における管理情報IO制御部214は、ステップ1311及びステップ1312で光ディスク1に記録された最新のTDMSを取得する。そして、自らの光ディスク1における最新のTDMSについては、その内容をそのままメモリ220における管理情報退避領域83に格納する。なお、ここで取得される情報としては最新のTDMS全ての情報を取得せずとも良く、最低限TDDS30に含まれる各管理情報要素の記録位置に関する情報(つまりSRRI先頭位置45並びにTDFL先頭位置46)のうち、実際にTDMA17に記録された管理情報要素に関する位置情報が取得できれば良い。そのため例えば、最新のTDDS30のみ取得して、メモリ220の管理情報退避領域83のデータを書き換えても良い。またこの際、取得した位置情報をもとに、メモリ220に備えられる管理情報要求記録位置81も更新する。また関連する光ディスク1の最新のTDMSについては、TDDS30に含まれる各管理情報要素の記録位置に関する情報(つまりSRRI先頭位置45並びにTDFL先頭位置46)を取得し、メモリ220に備えられる管理情報要求記録位置81を更新する。
【0180】
ここで、このステップ1313の目的は、ステップ1311及びステップ1312にて記載した通り、実際に管理情報要素が光ディスク1に記録された位置については、光ディスクドライブ230において管理しているためである。
【0181】
ステップ1314:以上のステップ1310からステップ1313を、ディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1のうち、ステップ1305において管理情報を新たに更新記録する必要があると判断された光ディスク1(または、光ディスク1に記録再生を行う光ディスクドライブ230)に対して実施する。例えば、光ディスク(A)から光ディスク(D)の4枚全ての光ディスク1において管理情報の更新記録が必要な場合には、処理を4回繰り返す。
【0182】
以上の手順で、光ディスクアレイシステム200がディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1に対しての新たな管理情報の更新記録が完了する。
【0183】
なお、ステップ1310において、TDDS30の記録装置関連情報47に、本来その管理情報が記録されるべき記録装置に関する情報を付与することで、TDMA17に記録された管理情報がどの光ディスク1に関する管理情報かを判断出来るようにする例を示したが、どの光ディスク1に関する管理情報かを判断出来るようにする方法としては、これに限るものでは無い。例えば管理情報を2箇所に記録する2重記録の場合には、本発明の実施の形態1に示したのと同様の考え方で、TDMSに含まれるTDDS30のDDS更新回数49の値が奇数か偶数かで、当該光ディスク1に関する第1管理情報か、関連する光ディスク1に関する第2管理情報かを識別しても良い。或いは、図14に示すように、TDDS30中に関連する光ディスク1の管理情報要素に関する位置情報である関連SRRI先頭位置90、関連TDFL先頭位置91という形で備え、関連する光ディスク1の最新の管理情報要素と、当該光ディスク1の最新の管理情報要素とを組み合わせた形でTDMSを形成してTDMA17に記録するといった方法によっても、同様の効果を得ることが可能である。
【0184】
4)再生(最新の管理情報読み出し)手順
図15は、光ディスクアレイシステム200がディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1から最新の管理情報の取得を行う場合の手順を示すフロー図である。本処理は例えば、光ディスク1が光ディスクドライブ230に装着された後の最初の起動時などのタイミングで実施される。
【0185】
なお、ディスクアレイ(RAID)を構成する各光ディスク1からの最新の管理情報読み出し状態を管理するため、図9に示すように、メモリ220に管理情報取得フラグ80を設けておき、初期状態としてそれぞれFALSE(未取得)状態に設定しておく。
【0186】
ステップ1501:以下のステップ1502からステップ1504を、システムを構成する全ての光ディスクドライブ230に装着された光ディスク1に対して実施する。例えば図8のようなシステム構成の場合には、4回繰り返す。
【0187】
ステップ1502:光ディスクドライブ230に装着された光ディスク1から、その光ディスク1自信の最新の管理情報を探索する。具体的には、コントローラ210は光ディスクドライブ230に対して、装着された光ディスク1から最新の管理情報を取得するように要求し、光ディスクドライブ230は装着された光ディスク1のTDMA17から最新の管理情報を探索し、その処理結果がコントローラ210に対して報告される。ここで、光ディスクドライブ230が実施する最新の管理情報探索処理は、上述の図7に示した光ディスク記録再生装置100が実施する処理と同じであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0188】
ステップ1503:最新の管理情報探索処理に成功したか否かを判断する。具体的にはコントローラ210は、ステップ1502において光ディスクドライブ230から通知される処理結果報告に基づいて、光ディスク1の最新の管理情報探索に成功したか否かを判断する。続けて、探索に成功したと判断した場合はステップ1504を実施する。探索に失敗したと判断した場合には、ステップ1504をスキップしてステップ1505へ進む。
【0189】
ステップ1504:最新の管理情報を取得する。具体的にはコントローラ210における管理情報IO制御部214は、ステップ1502で管理情報探索を要求した光ディスクドライブ230に対して、装着された光ディスク1の最新の管理情報を取得し、転送するよう要求し、転送されたデータを最新の管理情報としてメモリ220に備える管理情報退避領域83に格納する。そして、メモリ220に備える該当する光ディスク1の管理情報取得フラグ80をTRUE(取得済み)状態に設定する。
【0190】
ステップ1505:以上のステップ1502からステップ1504を、システムを構成する全ての光ディスクドライブ230に装着された光ディスク1に対して実施する。例えば図8のようなシステム構成の場合には、4回繰り返す。
【0191】
ステップ1506:未取得の管理情報が存在するか否かを判断する。具体的にはコントローラ210は、ディスクアレイ(RAID)を構成する全ての光ディスク1からステップ1501からステップ1505において最新の管理情報を取得できたか否かを判断する。より具体的には、例えばメモリ220に備える管理情報取得フラグ80が全てTRUE(取得済み)ならば未取得の管理情報は存在しないと判断し、そうで無い場合には未取得の管理情報が存在すると判断する。続けて、未取得の管理情報が存在する場合にはステップ1507を実施する。全ての管理情報が取得済みの場合には、ステップ1511へ進む。
【0192】
ステップ1507:未取得の管理情報が記録されている関連する光ディスク1(光ディスクドライブ230)を判断する。具体的には、コントローラ210における管理情報取得制御部215は、最新の管理情報の取得に失敗した光ディスク1の管理情報が、関連する光ディスク1の管理情報として記録されている光ディスク1を、記録時の所定の規則をもとに判断する。より詳細には、例えば図10の例において言えば、管理情報取得に失敗した光ディスク1が光ディスク(A)の場合は、関連する光ディスク1として光ディスク(B)と判断する。
【0193】
ステップ1508:最新の管理情報取得に失敗した光ディスク1の管理情報を、関連する光ディスク1から最新の管理情報を探索する。具体的にはコントローラ210における管理情報取得制御部215は、ステップ1507において判断した光ディスク1のTDMA17に多重記録されている、最新の管理情報取得に失敗した光ディスク1の管理情報を探索するよう、該当する光ディスクドライブ230に要求する。そして、光ディスクドライブ230は装着されている光ディスク1のTDMA17から関連する光ディスク1の最新の管理情報を探索する。そして、その処理結果がコントローラ210に対して報告される。より詳細には、例えば、TDMA17の記録済み終端ブロック(ここには当該光ディスク1の最新のTDMSが配置される)よりも(記録済み領域側に向かって)手前のブロックを1ブロックずつ辿って再生しながら、再生したブロック3の所定位置(例えば最終セクタ)にTDDS30が配置されていて、かつそこに含まれる記録装置関連情報47が、関連する光ディスク1の管理情報を本来記録する光ディスクドライブ230に関する情報であるものを探索し、探索できた場合はその情報を取得して探索成功とする。この時光ディスクドライブ230は合わせて、探索したTDDS30、及びそのTDDS30に含まれるSRRI位置情報45並びにTDFL位置情報46が指す位置に存在するSRRI32、並びにTDFL31を読み出しておく。ここで、光ディスクドライブ230が実施する関連する光ディスク1の管理情報探索処理は、上述の図7に示した光ディスク記録再生装置100が実施する処理と、ステップ701で探索するブロックが記録済み終端ブロックでは無く、上述した関連する光ディスク1のTDDS30を含むブロックとなることを除いて同じであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0194】
ステップ1509:探索に成功したか否かを判断する。具体的には、コントローラ210は、ステップ1508での光ディスクドライブ230による関連する光ディスク1の最新の管理情報の探索が成功したか否かを判断する。続いて、探索に成功した場合にはステップ1510を実施し、探索に失敗した場合にはステップ1512へ進む。
【0195】
ステップ1510:関連する光ディスク1から探索した管理情報を取得する。具体的にはコントローラ210における管理情報IO制御部214は、光ディスクドライブ230がステップ1508で読み出したTDDS30、及びそのTDDS30に含まれるSRRI位置情報45並びにTDFL位置情報46が指す位置に存在するSRRI32、並びにTDFL31を、関連する光ディスク1の最新の管理情報、つまりこの管理情報を第1管理情報として記録するはずだった光ディスク1の最新の管理情報として取得する。そして取得した管理情報を、メモリ220における管理情報退避領域83に格納する。
【0196】
ステップ1511:ディスクアレイ(RAID)を構成する全ての光ディスク1から、最新の管理情報の取得に成功したとして、読み出し処理を終了する。このステップが実施される時点で、メモリ220に備えた管理情報取得フラグ80は全ての光ディスク1に対してTRUE(取得済み)になっている。
【0197】
ステップ1512:ディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1のうちの少なくとも1枚以上で、最新の管理情報が正しく取得できなかったとして、ディスクアレイ(RAID)システムとして記録/再生禁止状態、あるいは制限付きでの再生のみ可能状態として、読み出し処理を終了する。このステップが実施される時点で、メモリ220に備えた管理情報取得フラグ80の少なくとも1つ以上がFALSE(未取得)になっている。
【0198】
以上で、図15に示す最新の管理情報の読み出し処理を完了する。
【0199】
この処理の動きについて、図16の場合を例に簡単に説明する。例えば図16に示すように、光ディスク(A)のTDMA17が汚れや傷などの欠陥に侵され、正しく再生出来ない状態であるとする。
【0200】
この時、まず上述のステップ1505までにおいて、図16(1)に示すように、ディスクアレイ(RAID)を構成する光ディスク1のうち、光ディスク(B)、光ディスク(C)、光ディスク(D)の各TDMA17の記録済み終端位置に配置される当該光ディスク1の最新の管理情報(B(1)、C(1)、D(1))が取得される。しかし、光ディスク(A)の最新の管理情報であるA(1)は取得に失敗する。
【0201】
そこで続けて、ステップ1507によって、光ディスク(A)を関連する光ディスク1として管理情報記録する光ディスク(B)(光ディスクドライブ230(No.2))が選択され、更にステップ1508によって光ディスク(B)のTDMA17に記録された光ディスク(A)の最新の管理情報であるA(1)が探索される。そしてステップ1510によって光ディスク(A)の最新の管理情報であるA(1)が取得される。これにより、ディスクアレイ(RAID)を構成する全ての光ディスク1における最新の管理情報が取得され、記録再生可能状態としてディスクアレイ(RAID)が使用可能状態になる。このように、図15で示した管理情報の読み出し処理の特徴は、ディスクアレイ(RAID)を構成するある光ディスク1の管理情報取得を取得するために、当該光ディスク1を備えた光ディスクドライブ230だけでなく、必要に応じて別の光ディスク1を備えた光ディスクドライブ230に対しても読み出しを実施するところである。
【0202】
なお、ステップ1507からステップ1510の処理は、図15においては1回のみ実施される処理として記載をしたが、これは、図10に示すような管理情報の2重記録の場合を例に、ディスクアレイ(RAID)を構成する4枚の光ディスク1のうちの1枚の管理情報取得の失敗までは対応出来る場合を想定して記載したためである。もし多重記録回数を増やした場合で、管理情報取得の失敗に対応可能な光ディスクの枚数が増える場合には、このステップ1507からステップ1510はその分だけ繰り返して実施されることになる。
【0203】
なお、図15のフローにおいては、ステップ1501からステップ1505において、ディスクアレイ(RAID)を構成する全ての光ディスク1から最新の管理情報を取得できた場合には、ステップ1511へ進んで処理を完了するように記載をしたが、この場合であっても、全ての光ディスク1に対して、ステップ1507からステップ1511に示す関連する光ディスク1の管理情報(つまり第2管理情報)の取得処理を実施しても良い。より詳細には、「3)記録手順」において、図13のステップ1310に記載したように、更新不要な管理情報要素に対して、新たに記録するTDMSに含まれるTDDS30に備える位置情報を正しく設定するためには、メモリ220に備える管理情報要素記録位置81が、システム稼動直後(つまり光ディスク1の起動直後)の場合にも正しく設定されている必要がある。そこで、この管理情報要素記録位置81を正しい状態に更新するために、起動時、つまり最新の管理情報の読み出し時に、全ての光ディスク1に記録されている最新の第1管理情報だけでなく、予備的に記録された最新の第2管理情報(のうちの、少なくともTDDS30に含まれるSRRI先頭位置45、及びTDFL先頭位置46)を読み出し、その結果に基づいて管理情報要素記録位置81を更新するように制御しても良い。
【0204】
或いは、例えばシステク稼動直後(つまり光ディスク1の起動直後)の最初のTDMS記録時には、管理情報要素の更新の有無に関わらず、必ず全ての管理情報要素を含んだ第1管理情報、並びに第2管理情報を記録するように制御しても良い。この方法を用いれば、上述した全ての光ディスク1からの第2管理情報(に含まれるTDDS30)の取得は行わなくても良い。
【0205】
なお、本発明の実施の形態2の「2)記録方法」の中で、ディスクアレイ(RAID)を構成する複数の光ディスク1のTDMA17に対して、所定の規則に則って管理情報の記録を行い、光ディスク1の使用中に規則の内容を一部変更しても良い。具体的には例えば、図11で説明したように、更新が必要となった管理情報に相当する光ディスク1のTDMA17に対してのみ新たな管理情報の更新記録を行う例を示した。図11の場合は光ディスク(A)の管理情報のみが更新された場合を例に示したが、同様の状態から光ディスク(A)および光ディスク(C)の管理情報が更新された場合を考えてみる。
【0206】
図17は、光ディスク(A)および光ディスク(C)の管理情報が更新された場合の説明図である。この場合、更新すべき管理情報はA(2)とC(2)の2つだけだが、図11に示す第2管理情報の記録方法を用いる場合は、図17(2)に示すように、結局全ての光ディスク1のTDMA17に対して管理情報の更新記録を行う必要が出てくる。そこでこのような場合、今後も同様のセットでの管理情報更新が行われる可能性が高いかもしれないと考え、図17(3)に示すように、第2管理情報の更新規則を変更しても良い。具体的には、それまでディスクアレイ(RAID)構成上隣接する光ディスク1を関連する光ディスク1として、その光ディスク1のTDMA17の第2管理情報として、最新の管理情報を予備的に多重記録していたが、その関係を組み替えても良い。より詳細には、図17(3)に示すように、従来の襷がけの管理情報記録方法から、更新が必要となった2つの光ディスク1をペアにして、2台ずつでセットを組むような形で多重記録しても良い。或いは、一部の光ディスク1の管理情報更新が必要な場合は、各光ディスク1におけるTDMA17の残り記録可能容量を見て、残り記録可能サイズが多く残っている光ディスク1を、更新する管理情報を第2管理情報として予備的に多重記録する光ディスク1となるように組み替えても良い。なおこのように管理情報の更新規則の変更を行う場合は、ディスクアレイ(RAID)を組む複数の光ディスク1の全てに対して、新たな形で管理情報の記録を行い直す。
【0207】
なお、本発明の実施の形態2では、ディスクアレイ(RAID)を構成する複数の光ディスク1において、それぞれの光ディスク1に跨るような形でそれぞれの管理情報を多重記録する場合を説明したが、ディスクアレイの場合で無くても同様の効果を得ることが出来る。具体的には、例えば、複数の光ディスク1を備えたマガジンにおいて、そのマガジン内の複数の光ディスク1に跨るように管理情報を多重記録したりしても良い。
【0208】
なお、本発明の実施の形態2においては、予備で多重記録する第2管理情報もTDMA17中に実施する例を示したが、多重記録の専用領域をTDMA17とは別に用意しておき、第1管理情報は通常通りにTDMA17へ更新記録しつつ、第2管理情報は多重記録専用領域に更新記録するような方法を用いても、上記で示したものと同様の効果を得ることが出来ることは言うまでも無い。
【0209】
なお、本発明の実施の形態2において図9を用いて説明したメモリ220における内部情報の種類や内容などの管理方法についてはあくまで一例であり、これに限定されるものでは無い。
【0210】
なお、本発明の実施の形態2においては、ディスクアレイ(RAID)としてRAID5を構成する場合を例に示して説明を行ったが、構成されるRAIDレベルはRAID5に限ったものでは無い。例えばパリティドライブを備えないRAID0を構成する場合や、パリティドライブが固定のRAID4を構成する場合などにおいても、上記で説明したRAID5を構成する場合と同様の効果を得ることが出来ることは言うまでもない。
【0211】
以上のように、本実施の形態2における情報記録媒体、情報記録方法、情報記録装置、情報再生方法、および、情報再生装置は、主に、下記の構成を有している。
【0212】
すなわち、本実施の形態2における情報記録媒体は、エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体であって、追記型情報記録媒体は、複数が関連付けて使用される。追記型情報記録媒体は、ユーザデータを記録するデータ領域と、情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備えている。
【0213】
このとき、追記型情報記録媒体における一時管理情報領域には、当該追記型情報記録媒体における前記管理情報である第1管理情報と、関連付けて使用される少なくとも1つの他の追記型情報記録媒体における管理情報である第2管理情報とが組み合わされ、かつ第1管理情報が一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置されるように記録される。
【0214】
また、本実施の形態2における情報記録媒体においては、管理情報は、データ領域への記録状態を管理するための記録管理情報を含んでいても良い。また、管理情報は、追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含んでいても良い。また、ディスク定義構造は、第1管理情報か第2管理情報かを識別可能な情報を含んでいても良い。
【0215】
また、本実施の形態2における情報記録方法は、追記型情報記録媒体における一時管理情報領域に、当該追記型情報記録媒体における管理情報である第1管理情報と、関連付けて使用される少なくとも1つの他の追記型情報記録媒体における管理情報である第2管理情報とを組み合わせて、第1管理情報が一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置するように記録する。
【0216】
また、本実施の形態2における情報記録装置は、追記型情報記録媒体における一時管理情報領域に、当該追記型情報記録媒体における管理情報である第1管理情報と、関連付けて使用される少なくとも1つの他の追記型情報記録媒体における管理情報である第2管理情報とを組み合わせて、第1管理情報が一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置するように記録する管理情報記録制御部を備える。
【0217】
また、本実施の形態2における情報記録方法、もしくは、情報記録装置においては、ディスク定義構造は、第1管理情報か第2管理情報かを識別可能な情報を含む形で記録されても良い。
【0218】
また、本実施の形態2における情報再生方法は、当該追記型情報記録媒体における管理情報である第1管理情報に加え、関連付けて使用される少なくとも1つの他の追記型情報記録媒体における管理情報である第2管理情報が組み合わされ、かつ第1管理情報が一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置されるように記録されている当該追記型情報記録媒体に対して、最新の管理情報の取得を行う場合に、ある追記型情報記録媒体における一時管理情報領域から最新の第1管理情報を取得するステップ(a)と、少なくとも、ステップ(a)で第1管理情報の取得に失敗した場合に、当該追記型情報記録媒体の管理情報が第2管理情報として記録されている他の追記型記録媒体の一時管理情報領域から、最新の第2管理情報を取得するステップ(b)を備える。
【0219】
また、本実施の形態2における情報再生装置は、最新の管理情報の取得を行う管理情報取得制御部を備える。このとき、当該追記型情報記録媒体における管理情報である第1管理情報に加え、関連付けて使用される少なくとも1つの他の追記型情報記録媒体における管理情報である第2管理情報が組み合わされ、かつ第1管理情報が一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置されるように記録されている当該追記型情報記録媒体に対して、管理情報取得制御部は、ある追記型情報記録媒体における一時管理情報領域から最新の第1管理情報を取得するとともに、少なくとも第1管理情報の取得に失敗した場合に、当該追記型情報記録媒体の管理情報が第2管理情報として記録されている他の追記型記録媒体の一時管理情報領域から、最新の第2管理情報を取得する。
【0220】
また、本実施の形態2における情報再生方法、もしくは、情報再生装置においては、ディスク定義構造に記録された、第1管理情報か第2管理情報かを識別可能な情報を基に、少なくとも第2管理情報を取得しても良い。
【0221】
なお、追記型情報記録媒体は複数が関連付けて使用されるとは、例えば、追記型情報記録媒体がディスクアレイ(RAID)を構成することであっても良い。この場合、当該追記型情報記録媒体とは、ディスクアレイ(RAID)を構成する1つの追記型情報記録媒体であり、当該追記型情報記録媒体と関連付けて使用される他の追記型情報記録媒体とは、ディスクアレイ(RAID)を構成する他の追記型情報記録媒体である。
【0222】
以上の情報記録媒体、情報記録方法、および、情報記録装置であれば、同一の光ディスクにおいて多重記録しておく場合と比べて、より信頼性を高めた冗長記録が可能になる。言い換えると、最新の管理情報取得失敗により光ディスクが記録不可状態に陥るリスクを低減することが可能になる。また、ユーザデータ領域だけでなく、管理情報領域に対しても高い冗長性・信頼性を持ったアレイシステムを提供することが可能になる。
【0223】
また、以上の情報再生方法、および、情報再生装置であれば、管理情報取得失敗のリスク(再生時のデータ化け発生や、最悪の場合には再生不可状態に陥るリスク)を減らすことが出来る。
【0224】
このように、本実施の形態2の構成によれば、追記型情報記録媒体の記録再生のために必要な最新の管理情報を、より信頼性を高めた形で冗長記録できる。言い換えれば、最新の管理情報の取得に失敗したような場合でも、多重記録された別の管理情報を取得可能となるため、継続して当該追記型情報記録媒体に対して記録再生を行うことが出来る。これにより、使用中の情報記録媒体が後発的な欠陥(指紋や埃、傷など)に侵された場合でも、その情報記録媒体を確実に、かつ即座に記録再生できる状態に出来る可能性を高めることが出来る。
【0225】
なお、本発明の実施の形態1や実施の形態2においては、追記型の光ディスクを例にとって説明を行ったが、この方法は光ディスク以外のストレージに対してでも適用可能である。より詳細には、管理情報に基づいて記録再生が行われ、かつ情報が追記される、又は追記的に記録されるストレージに対して適用可能であり、例えば情報が追記記録(または追記的に記録)されるHDDなどに対してでも適用しても、同様の効果を得ることが出来る。
【0226】
以上、本発明の特定の実施の形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多くの変形例、修正、他の利用が本発明に含まれることは明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の実施の形態に限定されず、請求項によってのみ限定され得る。
【産業上の利用可能性】
【0227】
本発明によれば、記録再生に必要な管理情報を多重記録することで、管理情報の冗長性を高めることができ、最新の管理情報が正しく再生できる可能性を高めることが出来る。本発明は、例えば、光ディスクを用いたファイルサーバやデータアーカイブサーバなどのエンタープライズ用ストレージ装置などに適用できる。
【符号の説明】
【0228】
1 光ディスク
2 トラック
3 ブロック
4 リードイン領域
5 データ領域
6 リードアウト領域
10,11,12,13 DMA
14 ユーザデータ領域
15,16 スペア領域(ISA,OSA)
20 DDS
21 DFL
30 TDDS
31 TDFL
32 SRRI
40 DDSヘッダ
41 論理セクタ番号0位置
42 最終論理セクタ番号
43 ISAサイズ
44 OSAサイズ
45 SRRI先頭位置
46 TDFL先頭位置
47 記録装置関連情報
48 DDS識別子
49 DDS更新回数
50 DFLヘッダ
51 DFLエントリ
52 DFLターミネータ
53 DFL識別子
54 第1DFL更新回数
55 交替元位置
56 交替先位置
57 DFLターミネータ識別子
58 第2DFL更新回数
59 DFLエントリ数
60 SRRIヘッダ
61 SRRエントリ
62 SRRIターミネータ
63 SRRI識別子
64 第1SRRI更新回数
65 SRR先頭位置
66 SRR最終記録位置
67 SRRIターミネータ識別子
68 第2SRRI更新回数
69 SRRエントリ数
70 TDMA記録開始位置
71 TDDS取得フラグ
72 SRRI取得フラグ
73 TDFL取得フラグ
74 最新更新回数
75 SRRI記録位置
76 TDFL記録位置
80 管理情報取得フラグ
81 管理情報要素記録位置
82 管理情報要素更新要求フラグ
83 管理情報退避領域
90 関連SRRI先頭位置
91 関連TDFL先頭位置
100 光ディスク記録再生装置
110 命令処理部
120 光ピックアップ
130 レーザ制御部
140 メカ制御部
150 メモリ
160 管理情報格納メモリ
170 ドライブ制御部
171 記録部
172 再生部
173 アクセス位置管理部
174 管理情報更新部
175 管理情報生成部
180 IOバス
200 光ディスクアレイシステム
210 コントローラ
211 RAID制御部
212 管理情報記録制御部
213 管理情報更新部
214 管理情報IO制御部
215 管理情報取得制御部
220 メモリ
230 光ディスクドライブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体であって、
前記追記型情報記録媒体は、複数が関連付けて使用され、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するデータ領域と、
前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、
前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域には、
当該追記型情報記録媒体における前記管理情報である第1管理情報と、関連付けて使用される少なくとも1つの他の前記追記型情報記録媒体における前記管理情報である第2管理情報とが組み合わされ、かつ前記第1管理情報が前記一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置されるように記録されること
を特徴とする追記型情報記録媒体。
【請求項2】
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理するための記録管理情報と、
前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、
前記ディスク定義構造は、前記第1管理情報か前記第2管理情報かを識別可能な情報を含む形で記録される、請求項1に記載の追記型情報記録媒体。
【請求項3】
エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体への情報記録方法であって、
前記追記型情報記録媒体は、複数が関連付けて使用され、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するデータ領域と、
前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、
前記情報記録方法は、
前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域に、当該追記型情報記録媒体における前記管理情報である第1管理情報と、関連付けて使用される少なくとも1つの他の前記追記型情報記録媒体における前記管理情報である第2管理情報とを組み合わせて、前記第1管理情報が前記一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置するように記録すること
を特徴とする情報記録方法。
【請求項4】
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理するための記録管理情報と、
前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、
前記ディスク定義構造に、前記第1管理情報か前記第2管理情報かを識別可能な情報を含む形で記録する、請求項3に記載の情報記録方法。
【請求項5】
エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体から情報を読み出す情報再生方法であって、
前記追記型情報記録媒体は、複数が関連付けて使用され、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するデータ領域と、
前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、
前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域には、
当該追記型情報記録媒体における前記管理情報である第1管理情報に加え、関連付けて使用される少なくとも1つの他の前記追記型情報記録媒体における前記管理情報である第2管理情報が組み合わされ、かつ前記第1管理情報が前記一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置されるように記録されており、
前記情報再生方法は、最新の前記管理情報の取得を行う場合に、
(a)ある前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域から最新の前記第1管理情報を取得するステップ
(b)少なくとも、前記ステップ(a)で前記第1管理情報の取得に失敗した場合に、当該追記型情報記録媒体の前記管理情報が前記第2管理情報として記録されている他の前記追記型記録媒体の前記一時管理情報領域から、最新の前記第2管理情報を取得するステップ
を備えることを特徴とする情報再生方法。
【請求項6】
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理するための記録管理情報と、
前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、
少なくとも前記ステップ(b)は、
前記ディスク定義構造に記録された、前記第1管理情報か前記第2管理情報かを識別可能な情報をもとに、前記第2管理情報を取得する、
請求項5に記載の情報再生方法。
【請求項7】
エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体への情報記録装置であって、
前記追記型情報記録媒体は、複数が関連付けて使用され、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するデータ領域と、
前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、
前記情報記録装置は、
前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域に、当該追記型情報記録媒体における前記管理情報である第1管理情報と、関連付けて使用される少なくとも1つの他の前記追記型情報記録媒体における前記管理情報である第2管理情報とを組み合わせて、前記第1管理情報が前記一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置するように記録する管理情報記録制御部を備える
ことを特徴とする情報記録装置。
【請求項8】
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理するための記録管理情報と、
前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、
前記管理情報記録制御部は、前記ディスク定義構造に、前記第1管理情報か前記第2管理情報かを識別可能な情報を含む形で記録する、請求項7に記載の情報記録装置。
【請求項9】
エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体から情報を読み出す情報再生装置であって、
前記追記型情報記録媒体は、複数が関連付けて使用され、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するデータ領域と、
前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、
前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域には、
当該追記型情報記録媒体における前記管理情報である第1管理情報に加え、関連付けて使用される少なくとも1つの他の前記追記型情報記録媒体における前記管理情報である第2管理情報が組み合わされ、かつ前記第1管理情報が前記一時管理情報領域における記録済み領域の終端位置に配置されるように記録されており、
前記情報再生装置は、最新の管理情報の取得を行う管理情報取得制御部を備え、
前記管理情報取得制御部は、
ある前記追記型情報記録媒体における前記一時管理情報領域から最新の前記第1管理情報を取得するとともに、少なくとも前記第1管理情報の取得に失敗した場合に、当該追記型情報記録媒体の前記管理情報が前記第2管理情報として記録されている他の前記追記型記録媒体の前記一時管理情報領域から、最新の前記第2管理情報を取得すること
を特徴とする情報再生装置。
【請求項10】
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理するための記録管理情報と、
前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、
前記管理情報取得制御部は、
前記ディスク定義構造に記録された、前記第1管理情報か前記第2管理情報かを識別可能な情報をもとに、少なくとも前記第2管理情報を取得する、
請求項9に記載の情報再生装置。
【請求項11】
エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体であって、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するデータ領域と、
前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理する情報を含む記録管理情報と、
前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、
前記一時管理領域には、前記データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の前記記録管理情報を含む前記管理情報が連続して複数回追記され、
前記複数回記録される前記管理情報のそれぞれに含まれる前記ディスク定義構造に含まれる前記位置情報は、それぞれの前記管理情報における前記記録管理情報が記録された前記ブロックを示すこと
を特徴とする追記型情報記録媒体。
【請求項12】
エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体へ情報の記録を行う情報記録方法であって、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するデータ領域と、
前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理する情報を含む記録管理情報と、
前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、
前記情報記録方法は、
前記一時管理領域に、前記データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の前記記録管理情報を含む前記管理情報を連続して複数回追記し、
前記複数回記録される前記管理情報のそれぞれに含まれる前記ディスク定義構造に含まれる前記位置情報は、それぞれの前記管理情報における前記記録管理情報が記録された前記ブロックを示すこと
を特徴とする情報記録方法。
【請求項13】
エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体から情報の読み出しを行う情報再生方法であって、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するデータ領域と、
前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理する情報を含む記録管理情報と、
前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、
前記一時管理領域には、前記データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の前記記録管理情報を含む前記管理情報が連続して複数回追記されており、
前記情報再生方法は、最新の前記管理情報の取得を行う場合に、
(a)前記一時管理情報領域の記録済み終端位置に配置された前記管理情報を取得するステップ
(b)少なくとも、前記ステップ(a)で前記管理情報の取得に失敗した場合に、前記複数回記録された前記管理情報のうち、記録済み終端位置に配置された前記管理情報とは異なる他の前記管理情報を取得するステップ
を備えることを特徴とする情報再生方法。
【請求項14】
エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体へ情報の記録を行う情報記録装置であって、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するデータ領域と、
前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理する情報を含む記録管理情報と、
前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、
前記情報記録装置は、管理情報の記録を行う管理情報記録部を備え、
前記管理情報記録部は、
前記一時管理領域に、前記データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の前記記録管理情報を含む前記管理情報を連続して複数回追記し、
前記複数回追記される前記管理情報のそれぞれに含まれる前記ディスク定義構造に含まれる前記位置情報は、それぞれの前記管理情報における前記記録管理情報が記録された前記ブロックを示すこと
を特徴とする情報記録装置。
【請求項15】
エラー訂正の単位であるブロック単位に記録再生を行う追記型情報記録媒体から情報の読み出しを行う情報再生装置であって、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するデータ領域と、
前記情報記録媒体に関する管理情報を過渡的に記録するための一時管理情報領域を備え、
前記管理情報は、データ領域への記録状態を管理する情報を含む記録管理情報と、
前記追記型情報記録媒体におけるレイアウト情報や前記記録管理情報に関する位置情報を備えるディスク定義構造を含み、
前記一時管理領域には、前記データ領域への記録状態を管理する情報が同一内容の前記記録管理情報を含む前記管理情報が連続して複数回追記されており、
前記情報再生装置は、前記管理情報の取得を行う管理情報再生部を備え、
前記管理情報再生部は、
前記一時管理情報領域の記録済み終端位置に配置された前記管理情報を取得するとともに、少なくとも、前記記録済み終端位置に配置された前記管理情報の取得に失敗した場合に、前記複数回記録された前記管理情報のうち、記録済み終端位置に配置された前記管理情報とは異なる他の前記管理情報を取得すること
を特徴とする情報再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−54792(P2013−54792A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191338(P2011−191338)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】