説明

逆洗及び洗浄方法

【課題】中空ファイバーメンブレンの液体逆洗圧がファイバーメンブレンの長さに沿って不均一になるのを防止するか、又は減少させる方法を提供する。
【解決手段】本発明の方法は、メンブレンを包囲する液体懸濁液の少なくとも一部を取り除くステップと、メンブレンを包囲している液体懸濁液の中に化学洗浄溶液を導入するステップと、化学洗浄溶液を中空メンブランの管腔の中にメンブレンの壁を通じて移動するステップと、バブルポイントより低い圧力で気体を作用させて管腔内の化学洗浄溶液の少なくとも一部をメンブレン孔を通して徐々に変位させ、よって中空メンブレン上にあるいは中空メンブレン内に保持された固体を、メンブレンを包囲する液体内に除去するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空ファイバーメンブレンを使用して懸濁液中の固体を集めることに関するものであり、特に、中空ファイバーメンブレンを逆洗および化学的洗浄する改善された方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
当該明細書を通じた従来技術のいかなる説明も、そのような従来技術が広く周知であるかあるいは当該分野において共通の一般知識を形成しているという自白としては、決して考えられるべきではない。
【0003】
周知の逆洗システムは、本出願人による特許文献1に開示されたものを含んでおり、その主題は、相互参照によってここに組み込まれる。
【0004】
中空ファイバーメンブレンの加圧液体逆洗は、管腔に沿った摩擦損失により、ファイバーメンブレンの長さに沿って不均一になることが分かっている。一端部で閉じられたファイバーを有するメンブレンでは、液体の圧力は、ファイバー管腔に対する加圧流れの作用ポイントにおいて最も高くなり、メンブレンの長さに沿って次第に減じていく。これは、不均一な逆洗と、逆洗作用ポイントから離れたファイバーの一部分でのTMPの乏しい回復とにつながる。両端部で開口したファイバーでは、逆洗流れは、ファイバーの中央の方へ向けて最小となる。
【0005】
メンブレンの化学洗浄中、洗浄溶液はしばしば、メンブレンの管腔側から逆に流されて、メンブレンファイバー束中に洗浄溶液を分散させる。圧力下で洗浄溶液を作用させることは、表面からの汚れの除去を補助する。しかしながら、圧力の限界が下がると、このステップ中における管腔は、特に圧力損失が最も大きくなる小さな直径のファイバーにとって、メンブレンの全領域に同一の膜内外圧力(TMP)を作用させることが直ちに達成できなくなる。これは、洗浄の効率に影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第93/02779号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の不具合のうちの1つ以上を克服したり少なくとも改善するか、あるいは、少なくとも有用な代替手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特色によれば、本発明は、
液体懸濁液の固体を集める方法において、
(i)液体懸濁液に浸された透過性中空メンブレンの壁を交差する圧力差を供給するステップであって、メンブレン壁を通した濾過を誘発して持続させるために、前記液体懸濁液が多孔性中空メンブレンの外表面に作用させられるようにし、この場合、(a)液体懸濁液の一部が、浄化された液体あるいは透過液として中空メンブレン管腔から引き上げられるためにメンブレンの壁を通過し、かつ、(b)固体の少なくとも一部が、メンブレンを包囲する液体内の懸濁物質として中空メンブレン上にあるいは中空メンブレン内にあるいは別の方法で保持されるようにするステップと、
(ii)バブルポイントよりも下の圧力でメンブレン管腔に気体を作用させることにより、透過液を使用してメンブレン孔を定期的に逆洗するステップであって、管腔内の液体透過液の少なくとも一部をメンブレン孔を通して徐々に変位させて、中空メンブレン上にあるいは中空メンブレン内に保持された固体を、メンブレンを包囲する大量の液体内に除去するようにするステップと、
を備えていることを特徴とする方法を提供する。
【0009】
この工程は、液体界面が管腔を下って移動したときに、逆洗中に作用する差圧が液体界面での気体圧力に近づくことを確実にし、したがって、同時にではないが、すべてのポイントにおいて、最大の差圧がメンブレン壁を交差して作用することを確実にする。
【0010】
第2の特色によれば、本発明は、
液体懸濁液の固体を集める方法において、
(i)液体懸濁液に浸された透過性中空メンブレンの壁を交差する圧力差を供給するステップであって、メンブレン壁を通した濾過を誘発して持続させるために、前記液体懸濁液が多孔性中空メンブレンの外表面に作用させられるようにし、この場合、(a)液体懸濁液の一部が、浄化された液体あるいは濾過液として中空メンブレン管腔から引き上げられるためにメンブレンの壁を通過し、かつ、(b)固体の少なくとも一部が、メンブレンを包囲する液体内の懸濁物質として中空メンブレン上にあるいは中空メンブレン内にあるいは別の方法で保持されるようにするステップと、
(ii)前記メンブレンの管腔を通して取り除き媒体を作用させることにより、前記管腔から液体を排出する間と同時に、保持された固体をメンブレンから取り除くステップであって、この場合、取り除き媒体の作用が、まず気体により中空メンブレン管腔内の液体を中空メンブレンを通して変位させ、第1には、メンブレン壁を通した管腔内の液体の放出をもたらし、第2には、メンブレンのバブルポイントに打ち勝つように液体に対して十分な圧力で気体を作用させることによってメンブレンの膜内外洗浄をもたらし、また、気体が液体を変位させるとともにそれにしたがってメンブレンのより大きな孔を通るようにして、その中に保持されたどんな固体でも取り除くことを確実にし、そして、出てくる気体のために、メンブレンの外壁を掃除して、除去された固体をメンブレンを包囲する大量の液体内に変位させるようにするステップと、
を備えていることを特徴とする方法を提供する。
【0011】
好ましくは、該方法が、固体収集と固体放出との反復サイクルを利用した連続的工程として実行される。
【0012】
第3の特色によれば、本発明は、
液体送り込み懸濁液から微細な固体を回収するための収集器において、
(i)前記送り込み懸濁液を含むための容器と、
(ii)容器内の複数の透過性中空メンブレンと、
(iii)前記メンブレンの壁を交差する圧力差を供給するための手段と、
(iv)メンブレンから浄化された液体を引き込むための手段と、
(v)メンブレン管腔内へ透過した液体にバブルポイントよりも下の圧力で気体を作用させるための手段であって、メンブレン壁を通して管腔内に透過した液体の少なくとも一部の放出をもたらし、その中に保持されたどんな固体でも取り除いて、除去された固体をメンブレンを包囲する大量の液体内に変位させるようにする手段と、
を備えていることを特徴とする収集器を提供する。
【0013】
第4の特色によれば、本発明は、
液体送り込み懸濁液から微細な固体を回収するための収集器において、
(i)前記送り込み懸濁液を含むための容器あるいはタンクと、
(ii)容器あるいはタンク内の複数の透過性中空メンブレンと、
(iii)前記メンブレンの壁を交差する圧力差を供給するための手段と、
(iv)メンブレンから浄化された液体を引き込むための手段と、
(v)容器あるいはタンクが大気圧にさらされる間および前記管腔から液体を排出する間と同時に、メンブレン管腔および壁内の液体に気体圧力を作用させるための手段であって、第1には、メンブレン壁を通した管腔内の液体の放出をもたらし、第2には、メンブレンのバブルポイントに打ち勝つように液体に対して十分な圧力で気体を作用させることによってメンブレンの膜内外洗浄をもたらし、また、気体が液体を変位させるとともにそれにしたがってメンブレンのより大きな孔を通るようにして、その中に保持されたどんな固体でも取り除くことを確実にし、そして、出てくる気体のために、メンブレンの外壁を掃除して、除去された固体を容器あるいはタンク内の大量の液体内に変位させるようにする手段と、
を備えていることを特徴とする収集器を提供する。
【0014】
好ましくは、逆洗は、濾過液だけでなく、あるいは濾過液の代わりに、Clean−In−Place(CIP)化学溶液の使用を含んでいる。これは、いくつかの異なる逆洗方法で用いられてもよい。
【0015】
そのような逆洗方法は、シェル側から、つまりメンブレンの外表面あるいは容器側からメンブレン管腔内へ、化学洗浄溶液を濾過するステップを含んでいる。それから通常の逆洗が実行され、メンブレン孔を通して逆に戻される化学溶液が、上述したように気体を作用させることによって均一となる。
【0016】
化学逆洗の他の代替形態は、濾過液でまず最初に逆洗するステップ、つまり、濾過液に化学洗浄溶液を注入する一方で、メンブレン孔を通して逆方向に濾過液を押し込むステップを含んでいる。濾過液/化学溶液の混合液は、それから、上述したように気体を作用させることによってメンブレンを通して逆洗される。
【0017】
化学逆洗のさらに他の代替形態は、メンブレンの外側に対する圧力下で化学洗浄溶液を作用させるステップであって、化学洗浄溶液をメンブレン孔を通して押しやり、化学洗浄溶液でメンブレン管腔を満たすようにするステップを含んでいる。これには、上述したように通常の気体逆洗が続く。
【0018】
使用される化学洗浄溶液の容量を最小にするため、システムにおけるすべて(あるいはほとんど)の液体が、メンブレンの一方側、一般には濾過液側(あるいは中空メンブレンの内側)から除去あるいは排出されてもよく、それから、メンブレンの外側が少なくとも部分的に化学洗浄溶液で満たされ、真空(あるいは減少された圧力)が濾過液側に作用させられて、化学洗浄溶液がメンブレンの外側から濾過液側へ引き込まれ、それから、気体圧力が濾過液側に作用させられ、化学洗浄溶液がメンブレン壁を通して濾過液側からメンブレンの外側へ逆方向に戻るようにする。
【0019】
他の方法においては、1つまたは複数のメンブレンの濾過液側は、液体が排出されるかあるいは空にされ、そして、メンブレンの外側の液体も、部分的に排出されるかあるいは空にされる。メンブレン管腔の外側は、それから、化学洗浄溶液で少なくとも部分的に満たされる。メンブレンの外側に作用させられる化学洗浄溶液は、それから、(加圧システムのための)気体で押し込まれるか、(浸漬型非加圧システムのための)吸い込みで引き込まれて、管腔を化学洗浄溶液で満たすようになり、また、使用される化学洗浄溶液の容量は、メンブレンの外側における液体の停滞液容量よりも少なくなる。メンブレンの外側における化学洗浄溶液は、メンブレン管腔を満たすために十分な容量のみが必要となる。それから圧力を管腔側に作用させることができ、化学洗浄溶液をメンブレン壁を通して押し戻すことにより、管腔から化学洗浄溶液を排出する。このサイクルは、複数回繰り返すことができ、化学洗浄溶液が、メンブレン壁を通してメンブレンの一方側から他方側へ交互に移動されるようにする。
【0020】
上記化学洗浄方法のそれぞれは、より効率的な化学逆洗を提供するために見出された。当該方法は、システム内の化学洗浄溶液のより効率的な分散を提供することにより、改良された洗浄工程を可能にする一方で、化学洗浄溶液の使用を最小にすることができる。望ましくは、これらの逆洗あるいは洗浄が、断続的な方式で実行される。
【0021】
上述した方法を使用すると、逆流洗浄ステップは、膜内外圧力(TMP)が気体圧力によって制御されることを許容するように、かつ、管腔入口からの末端においてさえも、このTMPをメンブレンに沿って均一に作用させるようにして達成されることができる。これは、メンブレンのすべての領域が化学洗浄溶液に接触することを確実にし、化学洗浄液が同一の作用TMPで逆に流されることを確実にする。それはまた、管腔内の薬品が逆の流れステップの終りまでに完全に排出されるようにして、化学洗浄溶液の回収を補助し、洗い流しの必要性を減少させ、かつ、洗浄中断時間を減少させる。
【0022】
1つの好ましい形態では、気体が、その作用においてメンブレン管腔内へパルス送りされてもよい。上述した化学溶液逆洗の1つの代替形態では、逆洗が空の容器で実行される。
【0023】
当該工程は、加圧メンブレン濾過システムだけではなく、開口容器に浸漬されたメンブレンに適用されうる。
【0024】
以下、本発明の好ましい実施例が、添付図面を参照しつつ単なる例示として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1aは、膜内外圧力(TMP)と図1bに示されたメンブレンモジュール構造のメンブレン束に沿った位置とのグラフを示し、図1bは、加圧液体がメンブレン管腔に作用した状態の、送り込み液体に浸されたメンブレンモジュールの簡略化された断面側面図を示している。
【図2】図2aは、膜内外圧力(TMP)と図2bに示されたメンブレンモジュール構造のメンブレン束に沿った位置とのグラフを示し、図2bは、加圧気体がメンブレン管腔に作用した状態の、送り込み液体に浸されたメンブレンモジュールの簡略化された断面側面図を示している。
【図3】図3aは、膜内外圧力(TMP)と図3bに示されたメンブレンモジュール構造のメンブレン束に沿った位置とのグラフを示し、図3bは、加圧気体が液体で満たされたメンブレン管腔に作用した状態の、送り込み液体に浸されたメンブレンモジュールの簡略化された断面側面図を示し、図3cは、図3bの指定された領域におけるメンブレンの拡大断面図を示している。
【図4】図4aは、送り込み液体がモジュールのまわりから排出された状態の、メンブレンモジュールの簡略化された断面側面図を示し、図4bは、図4bの指定された領域におけるメンブレンの拡大断面図を示している。
【図5】図5aは、モジュールの下方部分が化学洗浄溶液に浸されるとともに吸い込みがメンブレン管腔に作用した状態の、メンブレンモジュールの簡略化された断面側面図を示し、図5bは、図5aの指定された領域におけるメンブレンの拡大断面図を示し、図5cは、図5aの指定された領域におけるメンブレンの拡大断面図を示している。
【図6】図6aは、モジュールの下方部分が化学洗浄溶液に浸されるとともに加圧気体がメンブレン管腔に作用した状態の、メンブレンモジュールの簡略化された断面側面図を示し、図6bは、図6aの指定された領域におけるメンブレンの拡大断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1aおよび1bを参照すると、図1aに示されたグラフが、圧力流れの作用からの距離が増大するのに応じた膜内外圧力(TMP)の変化を図示している。図1bは、複数の中空ファイバーメンブレン6を有するメンブレンモジュール5を示している。ファイバーメンブレン6は、下方ポット7において下端部で閉じられ、上方ポット8において上端部で開口している。モジュールは、容器10に含まれた液体9に浸されている。図示されたものの場合、加圧液体がファイバー管腔11の開口端部に作用し、図1aに示されたTMPプロファイルを生じさせる。
【0027】
上述したように、一端部で閉じられたファイバーメンブレン6を有するメンブレンでは、液体の圧力は、ファイバー管腔11に対する加圧流れの作用ポイントにおいて最も高くなり、メンブレン6の長さに沿って次第に減じていく。これは、不均一な逆洗と、逆洗作用ポイントから離れたファイバーメンブレン6の一部分でのTMPの乏しい回復とにつながる。
【0028】
図2aおよび2bは図1に類似した構成を示しているが、この場合では、加圧気体がファイバーメンブレン管腔11に作用し、ファイバーメンブレン6の長さに沿ってTMPの均一な分散を生じさせる。
【0029】
図3a〜3cは、本発明の1つの実施例を図示しており、加圧気体が、液体で満たされたファイバーメンブレン管腔11に対して、バブルポイントよりも下の圧力で作用する。図3cに最もよく示されているように、液体がメンブレン壁12を通って変位すると、管腔11が気体で満たされるようになり、ファイバーメンブレン管腔11内の液体高さが下がるのにしたがってファイバーメンブレン6の長さに沿って作用する最大のTMPを生じさせる。
【0030】
図4aおよび4bは、本発明のさらなる実施例を図示しており、逆洗工程を開始する前に、液体がメンブレンモジュール5のまわりから排出される。逆洗工程は、上述した図3のものと類似している。
【0031】
図5および6を参照すると、本発明による洗浄工程の1つの実施例が図示されている。メンブレンモジュール5は、少なくとも部分的に化学洗浄溶液13に浸され、ファイバーメンブレン管腔11の開口端部に吸い込みが作用している。図面5bに最もよく示されているように、洗浄溶液13は、メンブレン壁12を通してファイバーメンブレン管腔11内に引き込まれる。洗浄溶液13はそれから、図5cに示されるように、管腔が完全に満たされるまで、管腔11を通して引き上げられる。図6aおよび6bに示されるように、加圧気体がそれから、メンブレン管腔11を満たす洗浄溶液に作用させられ、前述のようにメンブレン壁12を通して変位させられる。メンブレン管腔11の長さに沿うだけではなくメンブレン管腔11へおよびメンブレン管腔11からの洗浄溶液のこの流れは、メンブレンモジュール5の効果的な化学洗浄につながる。
【0032】
本発明は、本発明の方法による使用のための適切な修正を加えた、前述の特許文献1に開示されたものに類似した装置で具現化されてもよい。
【0033】
本発明のさらなる実施例および例示は、前述した本発明の思想あるいは範囲から逸脱することなく可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0034】
5 メンブレンモジュール
6 メンブレン
7 下方ポット
8 上方ポット
9 液体
10 容器
11 管腔
12 壁
13 洗浄溶液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体懸濁液の固体を集める方法において、
(i)液体懸濁液に浸された透過性中空メンブレンの壁を交差する圧力差を供給するステップであって、メンブレン壁を通した濾過を誘発して持続させるために、前記液体懸濁液が多孔性中空メンブレンの外表面に作用させられるようにし、この場合、(a)液体懸濁液の一部が、浄化された液体あるいは濾過液として中空メンブレン管腔から引き上げられるためにメンブレンの壁を通過し、かつ、(b)固体の少なくとも一部が、メンブレンを包囲する液体内の懸濁物質として中空メンブレン上にあるいは中空メンブレン内にあるいは別の方法で保持されるようにするステップと、
(ii)周期的に前記メンブレンに洗浄工程を行うステップであって、(a)前記メンブレンを包囲する液体懸濁液の少なくとも一部を取り除くステップと、(b)前記メンブレンを包囲している液体懸濁液の中に化学洗浄溶液を導入するステップと、(c)前記化学洗浄溶液を前記中空メンブランの管腔の中に前記メンブレンの壁を通じて移動するステップと、(d)バブルポイントより低い圧力で気体を作用させて管腔内の化学洗浄溶液の少なくとも一部をメンブレン孔を通して徐々に変位させ、よって中空メンブレン上にあるいは中空メンブレン内に保持された固体を、メンブレンを包囲する液体内に除去するステップと、を含むステップと、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項2】
液体懸濁液の固体を集める方法であって、
(i)液体懸濁液に浸された透過性中空メンブレンの壁を交差する圧力差を供給するステップであって、メンブレン壁を通した濾過を誘発して持続させるために、前記液体懸濁液が多孔性中空メンブレンの外表面に作用させられるようにし、この場合、(a)液体懸濁液の一部が、浄化された液体あるいは濾過液として中空メンブレン管腔から引き上げられるためにメンブレンの壁を通過し、かつ、(b)固体の少なくとも一部が、メンブレンを包囲する液体内の懸濁物質として中空メンブレン上にあるいは中空メンブレン内にあるいは別の方法で保持されるようにするステップと、
(ii)周期的に前記メンブレンに洗浄工程を行うステップであって、(a)前記メンブレンを包囲する液体懸濁液の少なくとも一部を取り除くステップと、(b)前記メンブレンを包囲している液体懸濁液の中に化学洗浄溶液を導入するステップと、(c)前記化学洗浄溶液を前記中空メンブランの管腔の中に前記メンブレンの壁を通じて移動するステップと、(d)バブルポイントより低い圧力で気体を作用させて管腔内の化学洗浄溶液の少なくとも一部をメンブレン孔を通して徐々に変位させ、よって中空メンブレン上にあるいは中空メンブレン内に保持された固体を、メンブレンを包囲する液体内に除去するステップと、を含むステップを備え、
前記メンブレンの管腔を通して取り除き媒体を作用させることにより、前記管腔から前記化学洗浄溶液を排出するのと同時に、保持された固体をメンブレンから取り除くステップであって、この場合、取り除き媒体の作用が、まず気体により中空メンブレン管腔内の前記化学洗浄溶液を中空メンブレンを通して変位させ、第1には、メンブレン壁を通した管腔内の前記化学洗浄溶液の放出をもたらし、第2には、メンブレンのバブルポイントに打ち勝つように前記化学洗浄溶液に対して十分な圧力で気体を作用させることによってメンブレンの膜内外洗浄をもたらし、また、気体が前記化学洗浄溶液を変位させるとともにそれにしたがってメンブレンのより大きな孔を通るようにして、その中に保持されたどんな固体でも取り除くことを確実にし、そして、出てくる気体に、メンブレンの外壁を掃除して、除去された固体をメンブレンを包囲する大量の液体内に移動させることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液体懸濁液の固体を集める方法において、
該方法が、固体収集と固体変位あるいは除去との反復サイクルを利用した連続的工程として実行されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体懸濁液の固体を集める方法において、
前記移動させるステップが、化学洗浄溶液を多孔性中空メンブレンの外表面からメンブレン管腔内に濾過するステップを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体懸濁液の固体を集める方法において、
逆洗するあるいは取り除くステップが、濾過液に化学洗浄溶液を注入する一方で、濾過液をメンブレン孔を通して逆方向に変位させるステップを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体懸濁液の固体を集める方法において、
前記移動させるステップが、多孔性中空メンブレンの外表面に圧力下で前記化学洗浄溶液を作用させるステップであって、化学洗浄溶液をメンブレン孔を通してメンブレン管腔内へ変位させるようにするステップと、それから、前記気体の作用によって前記化学洗浄溶液をメンブレン孔を通して逆に変位させるステップと、を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に従属する場合の請求項1〜6のいずれかに記載の方法において、
メンブレン管腔内に化学洗浄溶液を変位させるステップの前に、メンブレン管腔内に残存する液体の少なくとも一部分を除去するステップを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の液体懸濁液の固体を集める方法において、
気体が、その作用においてメンブレン管腔に対してパルス送りされることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−20121(P2011−20121A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204344(P2010−204344)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【分割の表示】特願2006−526487(P2006−526487)の分割
【原出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(507058144)シーメンス・ウォーター・テクノロジーズ・コーポレーション (23)
【Fターム(参考)】