説明

逆流防止器及びこれを用いた軟水装置

【課題】下流側の逆止弁において逆噴流が発生したとしても給水源側へ逆流水が到達するのを防止することができる逆流防止器を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る逆流防止器10は、流路19上に一次側から順に設置された第一逆止弁11、負圧破壊弁15及び第二逆止弁13を備える。負圧破壊弁15は、第一逆止弁11の一次側の圧力低下に応じて大気に開放され、第二逆止弁13を逆流してきた逆流水を排水する機能を有し、第二逆止13弁から逆流水の噴流である逆噴流が発生したとしても当該逆噴流が第一逆止弁11に直接届かないように、第一逆止弁11及び第二逆止弁13の間に形成された隔壁18をさらに備える。第一逆止弁11は、逆噴流による逆流水が重力によってさらに低いところへ流れても第一逆止弁11に到達しないように上方に設置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上水道等の給水源から供給される水が流れる流路における逆流を防止するための逆流防止器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から給水源から供給される水が流れる流路における逆流を防止するための逆流防止器が種々提供されている。例えば、下記特許文献1には、逆止弁が正常に機能しなくなった場合の逆流を防止するための逆流防止装置が開示されている。
【0003】
特許文献1の逆流防止装置は、一次側から順に設置された流量センサ7、電磁弁8、逆止弁9、逆止弁10と、一次圧力を流量センサ7の上流側から取り、二次圧力を逆止弁9と逆止弁10との間から取る大気開放弁12とを備える。この逆流防止装置は、給水源側の水圧が下がると共に逆止弁10の機能不良により逆流が発生した際に、大気開放弁12を開いて逆流水を大気開放弁12から排水することで、給水源側への逆流を防止するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−190869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、逆止弁における逆流は、異物の噛み込み箇所等の一箇所から勢い良く逆噴流が発生してしまうケースが多い。ところが、特許文献1の逆流防止装置においては、逆止弁10から逆噴流が発生した場合に、この逆噴流が逆止弁9に容易に達してしまうため、逆止弁9も機能不良となっている場合には、給水源側へ逆流水が到達してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、直列に配置された二つの逆止弁を備える逆流防止器において、下流側の逆止弁において逆噴流が発生したとしても給水源側へ逆流水が到達するのを防止することができる逆流防止器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る逆流防止器は、流路上に一次側から順に設置された第一逆止弁、負圧破壊弁及び第二逆止弁を備える逆流防止器において、前記負圧破壊弁は、前記第一逆止弁の一次側の圧力低下に応じて大気に開放され、前記第二逆止弁を逆流してきた逆流水を排水する機能を有し、前記第二逆止弁から前記逆流水の噴流である逆噴流が発生したとしても当該逆噴流が前記第一逆止弁に直接届かないように、前記第一逆止弁及び前記第二逆止弁の間に形成された隔壁をさらに備えると共に、前記第一逆止弁は、前記逆噴流による逆流水が重力によってさらに低いところへ流れても前記第一逆止弁に到達しないように、前記逆噴流が直接届くことのできる領域よりも上方に設置されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る軟水装置は、一次側から供給される水を軟水化して二次側に供給する軟水装置において、プロセスの流路を切り換えるコントロールバルブと、前記コントロールバルブの一次側に設置された上記逆流防止器と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る逆流防止器によれば、直列に配置された二つの逆止弁を備える逆流防止器において、下流側の逆止弁において逆噴流が発生したとしても給水源側へ逆流水が到達するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第一実施形態に係る逆流防止器の縦断面図である。
【図2】図2は、本発明の第一実施形態の変形例に係る逆流防止器の縦断面図である。
【図3】図3は、本発明の第二実施形態に係る逆流防止器の水平断面図である。
【図4】図4は、本発明の第二実施形態に係る逆流防止器の縦断面図である。
【図5】図5は、本発明の第三実施形態に係る軟水装置の構成を概略的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第一実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る逆流防止器について説明する。本実施形態では、上水道の水道管に接続して使用される軟水装置に組み込まれる逆流防止器を例に挙げて説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る逆流防止器の縦断面図である。図1に示すように、逆流防止器10は、第一逆止弁11、第二逆止弁13、負圧破壊弁15、及び通水管17を備え、内部に流路19が形成されている。
【0012】
流路19上には、図中右側の上流側から順に、第一逆止弁11、負圧破壊弁15、第二逆止弁13が設置されており、通水管17には、上流側の上水道から水道水が供給される。なお、本実施形態では、逆止弁11,13、負圧破壊弁15及び通水管17が一部一体化して構成されているが、もちろんそれぞれ別体の部材から構成しても良い。
【0013】
第一逆止弁11及び第二逆止弁13は、流路19上に直列に配置されている。逆止弁11,13は、それぞれ弁体111,131と、弁体111,131を閉じる方向に弱い力で付勢するスプリング112,132とを備えている。逆止弁11,13の一次側に水道水が供給されて、スプリングの弾発力を超える水圧がかかっている場合には、逆止弁11,13は開かれており、順方向に水が流れる。一方、断水等により一次側に負圧が生じた場合には、弁体111,131が閉じられ、逆流が阻止される。
【0014】
負圧破壊弁15は、弁体としてのダイヤフラム151、弁体が開く方向にダイヤフラム151を弱い力で付勢するスプリング152、排水路155、及び検圧路156を備えている。負圧破壊弁15内のダイヤフラム151で仕切られた一方の室(流入室153)は、第一逆止弁11と第二逆止弁13との間の流路19Bに連通しており、弁体が開いた状態では排水路155にも連通する。もう一方の室(検圧室154)は、検圧路156を介して、第一逆止弁11の一次側の流路19Aに連通している。
【0015】
第一逆止弁11の一次側に水圧がかかっている場合には、検圧室154の圧力>流入室153の圧力となるため、ダイヤフラム151が排水路155の端部(弁座)に接触して、排水路155が閉鎖される。一方、一次側に負圧が生じた場合には、検圧室154の圧力<流入室153の圧力となるため、ダイヤフラム151が排水路155の端部(弁座)から離間して、排水路155が開放される。
【0016】
これにより、排水路155を通じて、外部と、第一逆止弁11と第二逆止弁13との間の流路19Bとが連通されるので、二次側からの逆流水を排水路155から外部に排出したり、外部の空気を負圧の一次側へ供給して逆流を防止したりすることができる。
【0017】
また、本実施形態では、流路19上に、第一逆止弁11と第二逆止弁13との間で噴流が直接届かないように遮断するための隔壁18が形成されている。また、第一逆止弁11よりも第二逆止弁13が下方向にずれて(オフセット)設置されており、両者を結ぶ流路19Bは、90°に二度屈曲している。
【0018】
このように、隔壁18を設置することで、断水等によって一次側に負圧が発生すると共に、異物の噛み込み等によって第二逆止弁13から逆噴流が発生したとしても、この逆噴流が直接第一逆止弁11まで届くのを防止することができる。
【0019】
隔壁18が無く、第二逆止弁13からの逆噴流が直接第一逆止弁11まで到達すると、第一逆止弁11にも異物が挟まるなどして隙間が生じていた場合に、第一逆止弁11の一次側に逆流水が流れることになってしまう。これに対して、本実施形態によれば、このような事態の発生を防止できる。
【0020】
さらに、第二逆止弁13からの逆噴流が第一逆止弁11に直接到達しないとしても、逆噴流が到達した場所から逆流水が重力によって流下する場合もある。この場合、流下した逆流水の到達位置に第一逆止弁11が設置されていると、第一逆止弁11の一次側に逆流水が流れる可能性が生じてしまう。
【0021】
本実施形態では、このようなことが生じないように、第二逆止弁13からの逆噴流の到達可能領域よりも第一逆止弁11を上方に設置している。このため、第二逆止弁13からの逆噴流が直接第一逆止弁11に到達することを防ぐだけでなく、第二逆止弁13からの逆噴流が、通水管17の内壁に当たった後に重力によってさらに低いところへ流れることで第一逆止弁11に到達してしまうことも防ぐことができる。
【0022】
ここで、図1を参照しながら、第二逆止弁13からの逆噴流が直接届くことのできる領域について説明する。第二逆止弁13からの逆噴流は、第二逆止弁13の弁体131と、通水管17の内壁に形成された弁座との接触部分(弁シール部分)のうち、異物が噛み込むなどして隙間が生じた部分から発生する。また、異物の噛み込みなどによる隙間は、弁シール部分の何れの箇所にも発生する可能性がある。そのため、当該隙間から開放されている全ての空間方向に逆噴流が飛び出し得る。
【0023】
したがって、第二逆止弁13から最も上方に向けて噴射される逆噴流(水平面に対する放射角が最も大きい逆噴流)は、図1に点線Aで示すように、弁シール部分のうち最も下方に位置する箇所と、流路19Bが上方に折れ曲がったところの通水管17の内壁角部とを結ぶ直線で示される噴流となる。
【0024】
この点線Aよりも大きな噴射角の逆噴流は発生しないため、隔壁18の最も高い位置に到達する逆噴流は、点線Aで示す噴流となる。つまり、第二逆止弁13からの逆噴流が直接届くことのできる領域は、この点線Aが上限位置となる。
【0025】
次に、逆流防止器10において、逆流水が外部に排水される作用について説明する。上水道の断水等によって一次側が負圧になると共に、第一逆止弁11及び第二逆止弁13が機能不良となってしまうと、逆流防止器10の二次側に存在する水が負圧によって一次側に吸引され、まず第二逆止弁13よりも上流側の流路19Bに逆流してくる。
【0026】
流路19Bに逆流水が流入すると、負圧破壊弁15では、流入室153の圧力(=流路19Bの圧力)が検圧室154の圧力(=一次側の圧力)よりも大きくなるため、ダイヤフラム151が開弁し、排水路155が流路19Bと連通する。よって、第二逆止弁13から流路19Bに逆流した逆流水は、排水路155から外部へ排水されると共に、排水路155から取り込まれた外気が第一逆止弁11を通って一次側へと引き込まれる。これにより、逆流防止器10の一次側が大気圧となるため、給水源側に逆流水が引き込まれるのを防止することができる。
【0027】
さらに、本実施形態においては、第二逆止弁13からの逆噴流が第一逆止弁11に到達しないように、両者の間に隔壁18が形成されている。そのため、負圧破壊弁151が機能しているにも関らず、噴流によって第一逆止弁11まで逆流水が到達してしまうような不具合も防止することができる。
【0028】
さらに、本実施形態においては、第二逆止弁13からの逆噴流による逆流水が重力によってさらに低いところへ流れても第一逆止弁11に到達しないように、逆噴流が直接届くことのできる領域よりも上方に第一逆止弁11が設置されている。これにより、第二逆止弁13からの逆噴流が通水管17の内壁に当たった後に低いところへ流れてしまい、第一逆止弁11に到達するような不具合も防ぐことができる。
【0029】
続いて、第一実施形態の変形例について、図2を参照しながら説明する。図2は、第一実施形態の変形例に係る逆流防止器の縦断面図である。本変形例に係る逆流防止器10’では、隔壁18’を含む通水管17’の形状が上記実施形態と異なるが、その他の構成は上記実施形態と同様である。よって、同様の構成には同じ番号を付して、説明を省略する。
【0030】
上記実施形態では、第一逆止弁11が第二逆止弁13よりも一段高い場所にオフセットして設置されているが、本変形例では、第一逆止弁11と第二逆止弁13とが同じ高さに設置されている。そして、第一逆止弁11と第二逆止弁13との間の流路19Bには、隔壁18’が形成されている。
【0031】
隔壁18’の高さは、図2に点線Aで示す第二逆止弁13からの最大噴射角の逆噴流の到達場所よりも高くなるように設定されている。よって、本変形例においても、上記実施形態と同様に、第二逆止弁13から第一逆止弁11まで噴流によって逆流水が到達してしまうのを防止することができる。
【0032】
さらに、隔壁18’が第二逆止弁13からの逆噴流が直接届くことのできる領域よりも高く設置されていることから、この隔壁18’よりも一次側に位置する第一逆止弁11が、第二逆止弁13からの逆噴流が直接届くことのできる領域よりも上方に設置されていることになる。
【0033】
よって、本変形例においても、第二逆止弁13からの逆噴流が通水管17’の内壁に当たった後に低いところへ流れる場合の逆流水が第一逆止弁11に到達することも防ぐことができる。このように、第二逆止弁13からの逆噴流が直接届くことのできる領域よりも上方に設置されているとは、当該領域よりも高い場所に設置されている場合だけでなく、当該領域よりも高い隔壁を介して上流側に設置されている場合も含む。
【0034】
(第二実施形態)
続いて、本発明の第二実施形態に係る逆流防止器について説明する。図3は、本発明の第二実施形態に係る逆流防止器の水平断面図であり、図4は、本発明の第二実施形態に係る逆流防止器の縦断面図である。なお、図3及び図4においては、便宜上、同一平面にない部分の断面も示している。
【0035】
図3及び図4に示すように、逆流防止器20は、第一逆止弁21、第二逆止弁23、負圧破壊弁25、及び通水管27を備え、内部に流路29が形成されている。流路29上には、図4において右下側の上流側から順に、第一逆止弁21、負圧破壊弁25、第二逆止弁23が設置されている。
【0036】
なお、本実施形態では、第一逆止弁21、第二逆止弁23及び負圧破壊弁25の設置位置や通水管27の形状が上記第一実施形態と異なるが、逆止弁21,23や負圧破壊弁25の構成等は上記第一実施形態と同様である。よって、同様の構成については、詳細な説明を省略する。
【0037】
第一逆止弁21及び第二逆止弁23は、流路29上に直列に配置されている。通水管27は、略L字形状であり、図4に示すように、上流側(図中右下側)の縦流路29Aに第一逆止弁21が設置され、下流側(図中左側)の横流路29Bに第二逆止弁23が設置されている。一次側から逆流防止器20に供給される水道水は、第一逆止弁21を通過しながら縦流路29Aを上方に移動した後、左側に90°折れ曲がった横流路29Bに進み、第二逆止弁23を通過しながら横方向に移動する。
【0038】
負圧破壊弁25内のダイヤフラム251で仕切られた一方の室(流入室253)は、第一逆止弁21と第二逆止弁23との間の流路29Bに連通しており、弁体が開いた状態では排水路255にも連通する。もう一方の室(検圧室254)は、検圧路256を介して、第一逆止弁21の一次側の流路19Aに連通している。
【0039】
第一逆止弁21の一次側に水圧がかかっている場合には、検圧室254の圧力>流入室253の圧力となるため、ダイヤフラム251が排水路255の端部(弁座)に接触して、排水路255が閉鎖される。一方、断水等によって一次側に負圧が生じた場合には、検圧室254の圧力<流入室253の圧力となるため、ダイヤフラム251が排水路255の端部(弁座)から離間して開弁される。これにより、本実施形態においても、排水路255を介して、二次側からの逆流水を外部に排出したり、外部の空気を負圧の一次側へ供給したりすることができる。
【0040】
また、本実施形態においても、第一逆止弁21と第二逆止弁23との間に、噴流が直接届かないように隔壁28が設置されており、第二逆止弁23から逆噴流が発生したとしても、第一逆止弁21に直接逆噴流が到達してしまうのを防止することができる。
【0041】
また、本実施形態では、上流側の第一逆止弁21が第二逆止弁23よりも低い位置に設置されているが、第二逆止弁23からの逆噴流が到達可能な領域よりも隔壁28が高く設置されている。すなわち、この隔壁28の上流側に設置された第一逆止弁21は、第二逆止弁23からの逆噴流の到達可能領域よりも上方に設置されていることになり、第二逆止弁23からの逆噴流が通水管27の内壁に当たった後に重力によってさらに低いところへ流れても、第一逆止弁21に到達することはない。
【0042】
以上、第二実施形態においても上記第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、本実施形態においては、通水管27がL字形に屈曲しているため、逆流防止器20の小型化も可能である。
【0043】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態に係る軟水装置について説明する。本実施形態では、家庭に軟水を提供するために、各家庭へ水道水を引き込むための水道管上に設置される軟水装置を例に挙げて説明する。
【0044】
図5は、本発明の第三実施形態に係る軟水装置の構成を概略的に示す模式図である。同図に示すように、軟水装置50は、減圧弁51、流量センサ53、逆流防止器10、逃し弁55、コントロールバルブ60、圧力タンク62、塩水タンク64、及び二次側逆止弁66を備えている。
【0045】
軟水装置50は、外部配管73を介して一次側水道管71及び二次側水道管72に接続されている。一次側水道管71から供給される水道水は、減圧弁51の上流側において装置内へ供給される。軟水装置50において軟水化された水道水は、処理水ライン67を介して、二次側逆止弁66の下流側において二次側水道管72へと供給され、家庭内に送られる。なお、軟水装置50を構成する上記部品は、単一の筐体内に内蔵されて設置されている。
【0046】
減圧弁51は、一次側水道管71から供給される水道水の圧力を下げるための弁である。減圧弁51により、軟水装置50内の圧力を下げることで、軟水装置50において使用される各部品に要求される耐圧強度レベル等を下げることができ、低コストで小型の軟水装置50を提供することができる。
【0047】
流量センサ53は、減圧弁51を通過して逆流防止器10に供給される水の流量を検知する。逆流防止器10は、上記第一実施形態に係る逆流防止器10である。もちろん、本実施形態において第二実施形態に係る逆流防止器20を採用しても良い。
【0048】
逆流防止器10の二次側に設置される逃し弁55は、減圧弁51が機能不良になった場合に高圧の水道水を装置外へ逃がすことで、二次側の部品が破損や故障してしまうことを防止する機能を有している。
【0049】
コントロールバルブ60は、プロセスの流路を切り換える機能を有し、具体的には、陽イオン交換樹脂を内蔵した圧力タンク62に対して、流入又は流出させる流体の流路の切り替え制御を行う。例えば、水軟化プロセスの実行時には、コントロールバルブ60は、圧力タンク62へ原水である水道水を流入させる共に、圧力タンク62から軟水を流出させるように流路を切り替える。また、再生プロセスの実行時には、圧力タンク62へ塩水タンク64内の塩水を流入させると共に、圧力タンク62から再生排水を流出させるように流路を切り替える。
【0050】
コントロールバルブ60の二次側に設置される二次側逆止弁66は、軟水装置50の二次側から装置内に掛かる圧力に対応するための弁である。本実施形態では、減圧弁51により装置内の圧力を下げており、二次側からの逆圧から部品等を保護するために、二次側逆止弁66を処理水ライン67上に設置する必要がある。
【0051】
以上、詳細に説明した軟水装置50によれば、減圧弁51及び二次側逆止弁66を設置することで、両者間のライン上の圧力を下げている。そのため、減圧弁51と二次側逆止弁66との間に設置される、流量センサ53、逆流防止器10、逃し弁55、及びコントロールバルブ60等の部品の耐圧強度レベルを下げることができ、軟水装置50の低コスト化や小型化が可能となる。
【0052】
また、本実施形態においては、逆流防止器10の一次側に流量センサ53を設置している。そのため、逆流防止器10の破損による水漏れや、減圧弁51の減圧不良による逃し弁55からの流出等、異常時の排水を確実に検知することが可能である。
【0053】
また、本実施形態においては、上流側の減圧弁51から下流側の二次側逆止弁66までの全ての部品を単一の筐体内に設置して軟水装置50を構成しているので、軟水装置50のユニット自体が水道水の高い圧力から保護されている。そのため、仮に外部配管73との接続工事のミス等を起こしたとしても、装置破壊を防止することもできる。
【0054】
以上、変形例を含めて、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の実施形態は上述した形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、本発明に係る逆流防止器は、軟水装置に限らず、濾過装置等の各種水処理装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0055】
10,20 逆流防止器
11,21 第一逆止弁
13,23 第二逆止弁
15,25 負圧破壊弁
17,27 通水管
18,28 隔壁
19,29 流路
50 軟水装置
51 減圧弁
53 流量センサ
55 逃し弁
60 コントロールバルブ
62 圧力タンク
64 塩水タンク
66 二次側逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路上に一次側から順に設置された第一逆止弁、負圧破壊弁及び第二逆止弁を備える逆流防止器において、
前記負圧破壊弁は、前記第一逆止弁の一次側の圧力低下に応じて大気に開放され、前記第二逆止弁を逆流してきた逆流水を排水する機能を有し、
前記第二逆止弁前記逆流水の噴流である逆噴流が発生したとしても当該逆噴流が前記第一逆止弁に直接届かないように、前記第一逆止弁及び前記第二逆止弁の間に形成された隔壁をさらに備えると共に、
前記第一逆止弁は、前記逆噴流による逆流水が重力によってさらに低いところへ流れても前記第一逆止弁に到達しないように、前記逆噴流が直接届くことのできる領域よりも上方に設置されていることを特徴とする逆流防止器。
【請求項2】
一次側から供給される水を軟水化して二次側に供給する軟水装置において、
プロセスの流路を切り換えるコントロールバルブと、
前記コントロールバルブの一次側に設置された請求項1記載の逆流防止器と、を備えることを特徴とする軟水装置。
【請求項3】
前記逆流防止器の一次側に設置された流量センサをさらに備えることを特徴とする請求項2記載の軟水装置。
【請求項4】
前記流量センサの一次側に設置された減圧弁と、
前記コントロールバルブと前記逆流防止器との間に設置された逃し弁と、
前記コントロールバルブの二次側に設置された二次側逆止弁と、をさらに備えることを特徴とする請求項3記載の軟水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−49947(P2013−49947A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186691(P2011−186691)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【Fターム(参考)】