逆相分配回路及びアンテナ装置
【課題】 良好な周波数特性を得つつ、小型でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路を得る。
【解決手段】本発明における逆相分配回路は、所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の遅れ位相を持つ第1乃至第3の−90度回路と、略90度の進み位相を持つ第1の+90度回路と、前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路のそれぞれの一端と接続する入力端子と、前記第1の−90度回路の他端と接続する第1の出力端子と、前記第1の+90度回路の他端と接続する第2の出力端子と、を備え、前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路を同形とし、前記第2の−90度回路と前記第3の−90度回路を同形とし、かつ、それぞれの一端を接続し、前記第2の−90度回路の他端と前記第1の出力端子とを接続し、前記第3の−90度回路の他端と前記第2の出力端子とを接続する。
【解決手段】本発明における逆相分配回路は、所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の遅れ位相を持つ第1乃至第3の−90度回路と、略90度の進み位相を持つ第1の+90度回路と、前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路のそれぞれの一端と接続する入力端子と、前記第1の−90度回路の他端と接続する第1の出力端子と、前記第1の+90度回路の他端と接続する第2の出力端子と、を備え、前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路を同形とし、前記第2の−90度回路と前記第3の−90度回路を同形とし、かつ、それぞれの一端を接続し、前記第2の−90度回路の他端と前記第1の出力端子とを接続し、前記第3の−90度回路の他端と前記第2の出力端子とを接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆相分配回路及びそれを適用したアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
逆相分配回路はレーダ装置や基地局などのアンテナ用の給電回路をはじめとして、逆相分配を必要とする高周波回路に一般的に用いられる基本的な回路である。
【0003】
逆相分配回路の従来例として、所定の周波数帯域の中心周波数において、誘電体基板表面に形成されたリング状ストリップ導体パターンが略1/4波長(略90度の遅れ位相)、略1/2波長(略180度の遅れ位相)、略3/4波長(略270度の遅れ位相)の長さの伝送線路となるように、リング状ストリップ導体パターン、入力側ストリップ導体パターン、第1、第2の出力側ストリップ導体パターンとを接続させる構造が開示されている。
【0004】
この構造では、入力側ストリップ導体パターンに入力された高周波信号は、略1/4波長と略3/4波長の長さをもつ伝送線路により逆相分配されるとともに、第1、第2の出力側ストリップ導体パターンの間に略1/2波長の長さをもつ伝送線路があることで、広い周波数帯域にわたり、2つの出力側ストリップ導体パターンに逆相の高周波信号が分配される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−32046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に記載される従来技術では、所定の周波数帯域の中心周波数において、略1/4波長、略1/2波長及び略3/4波長の伝送線路の長さが決められるため、利用する周波数帯域に応じて長さが変化する。特に低周波数帯では波長が長くなるため、回路の大形化を招くという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度(90度を含む。以下同じとする。)の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタといった集中定数素子によるT形回路、Π形回路によって構成し、これらの回路を複数個組合せて、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の逆相分配回路は、所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の遅れ位相を持つ第1乃至第3の−90度回路と、所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の進み位相を持つ第1の+90度回路と、前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路のそれぞれの一端と接続する入力端子と、前記第1の−90度回路の他端と接続する第1の出力端子と、前記第1の+90度回路の他端と接続する第2の出力端子と、を備え、前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路を同形とし、前記第2の−90度回路と前記第3の−90度回路を同形とし、かつ、それぞれの一端を接続し、前記第2の−90度回路の他端と前記第1の出力端子とを接続し、前記第3の−90度回路の他端と前記第2の出力端子とを接続したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、良好な周波数特性を得つつ、小型でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図3】この発明の実施の形態2にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図5】この発明の実施の形態3にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図7】この発明の実施の形態4にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態4にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図9】この発明の実施の形態5にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態5にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図11】この発明の実施の形態6にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態6にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図13】この発明の実施の形態7にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態7にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図15】この発明の実施の形態8にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態8にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図17】この発明の実施の形態9にかかるアンテナ装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下に、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、それぞれが本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するためのものではない。
【0012】
図1は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図1において、1は入力端子、2は第1の出力端子、3は第2の出力端子、4は第1の接続部、5は第2の接続部、6は第3の接続部、7は第4の接続部である。また、破線によって囲まれる領域8、9、10は、その中に含まれる回路が所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路であることを示す。ここでは、8を第1の−90度回路、9を第2の−90度回路、10を第3の−90度回路とする。また、一点鎖線によって囲まれる領域11は、その中に含まれる回路が所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の進み位相をもつ第1の+90度回路であることを示す。ここでは、11を第1の+90度回路とする。
【0013】
図1に示す逆相分配回路は、第1の接続部4と入力端子1を接続し、第1の−90度回路8の一端と第1の+90度回路11の一端を第1の接続部4にて接続する。また、第2の接続部5と第1の出力端子2を接続し、第1の−90度回路8の他端と第2の−90度回路9の一端を第2の接続部5にて接続する。また、第3の接続部6と第2の出力端子3を接続し、第1の+90度回路11の他端と第3の−90度回路10の一端を第3の接続部6にて接続する。また、第4の接続部7に第2の−90度回路9、第3の−90度回路10のそれぞれの他端を接続して構成される。
【0014】
また、L1、L2、L3はそれぞれ第1乃至第3のインダクタを表し、C1、C2、C3はそれぞれ第1乃至第3のキャパシタを表す。図示するように、第1、第2のインダクタL1、L2と第1のキャパシタC1の一端を接続し、第1のキャパシタC1の他端を接地して第1のT形回路を構成する。また、第3のインダクタL3と第2、第3のキャパシタC2、C3の一端を接続し、第3のインダクタL3の他端を接地して第2のT形回路を構成する。
【0015】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第1乃至第3の−90度回路8、9、10を第1のΤ形回路、第1の+90度回路11を第2のΤ形回路で構成する。
【0016】
ここで、第1乃至第3のインダクタL1、L2、L3のインダクタンスLと第1乃至第3のキャパシタC1、C2、C3のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0017】
【数1】
【0018】
本実施の形態では、数式(1)において中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として説明する。これらの値を数式(1)に代入すると、第1乃至第3のインダクタL1、L2、L3のインダクタンスLは11.254nH、第1乃至第3のキャパシタC1、C2、C3のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0019】
図2は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図2(a)〜(d)において、横軸は周波数を表す。図2(a)は、入力端子1から高周波信号を入力した時に、入力端子1で反射される高周波信号の大きさの割合、すなわち、入力反射振幅|S11|を表す。図2(b)は、入力端子1から高周波信号を入力した時に、第1、第2の出力端子2、3へそれぞれ分配される高周波信号の大きさの割合、すなわち、分配振幅|S21|、|S31|を表す。図中では|S21|は実線、|S31|は破線によって表される。図2(c)は、入力端子1から高周波信号を入力した時に、第1、第2の出力端子2、3へ分配される高周波信号の振幅差、すなわち、分配振幅差|S31/S21|を表す。図2(d)は、入力端子1から高周波信号を入力した時に、第1、第2の出力端子2、3へ分配される高周波信号の位相差、すなわち、分配位相差∠(S31/S21)を表す。以降の実施の形態における逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)の説明においても上述と同じ特性にて説明を行う。
【0020】
図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−33dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.19dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0021】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、+90度回路と−90度回路をΤ形回路のみで構成できる特徴をもつ。
【0022】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路で構成し、3つの−90度回路と1つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0023】
実施の形態2.
図3は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図3において実施の形態1の図1と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0024】
また、L4は第4のインダクタを表し、C4、C5は第4、第5のキャパシタを表す。図示するように、第4のインダクタL4と第4のキャパシタC4の一端を接続し、第4のインダクタL4の他端と第5のキャパシタC5の一端を接続し、第4、第5のキャパシタC4、C5のそれぞれの他端を接地して第1のΠ形回路を構成する。
【0025】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第1の−90度回路8を第1のΤ形回路、第2、第3の−90度回路9、10を第1のΠ形回路、第1の+90度回路11を第2のΤ形回路で構成する。
【0026】
ここで、第1乃至第4のインダクタL1、L2、L3、L4のインダクタンスLと第1乃至第5のキャパシタC1、C2、C3、C4、C5のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0027】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として説明する。これらの値を数式(1)に代入すると、第1乃至第4のインダクタL1、L2、L3、L4のインダクタンスLは11.254nH、第1乃至第5のキャパシタC1、C2、C3、C4、C5のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0028】
図4は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−40dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.20dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0029】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、実施の形態1にかかる逆相分配回路と比較すると、図4(a)からわかるように、入力反射振幅が小さくなる特徴をもつ。すなわち、実施の形態1の逆相分配回路において第2、第3の−90度回路をΠ形回路として、T形回路とΠ形回路を組み合わせた構成にすることによって入力反射振幅の特性を向上させることができる。
【0030】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路とΠ形回路によって構成し、3つの−90度回路と1つの+90度回路を組み合わせた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0031】
実施の形態3.
図5は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図5において上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
また、L5、L6は第5、第6のインダクタを表し、C6は第6のキャパシタを表す。図示するように、第6のキャパシタC6と第5のインダクタL5の一端を接続し、第6のキャパシタC6の他端と第6のインダクタL6の一端を接続し、第5、第6のインダクタL5、L6のそれぞれの他端を接地して第2のΠ形回路を構成する。
【0033】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第1乃至第3の−90度回路8、9、10を第1のΠ形回路、第1の+90度回路11を第2のΠ形回路で構成する。
【0034】
ここで、第4乃至第6のインダクタL4、L5、L6のインダクタンスLと第4乃至第6のキャパシタC4、C5、C6のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0035】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を式(1)に代入すると、第4乃至第6のインダクタL4、L5、L6のインダクタンスLは11.254nH、第4乃至第6のキャパシタC4、C5、C6のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0036】
図6は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−28dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.05dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0037】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に+90度回路と−90度回路をΠ形回路のみで構成した場合には、実施の形態1の逆相分配回路と比べ、図6(c)からわかるように、分配振幅差を小さくできるという効果がある。
【0038】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΠ形回路により構成し、3つの−90度回路と1つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0039】
実施の形態4.
図7は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図7において上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第1の−90度回路8を第1のΠ形回路、第2、第3の−90度回路9、10を第1のΤ形回路、第1の+90度回路11を第2のΠ形回路で構成する。
【0041】
ここで、第1、第2、第4乃至第6のインダクタL1、L2、L4、L5、L6のインダクタンスLと第1、第4乃至第6のキャパシタC1、C4、C5、C6のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0042】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を数式(1)に代入すると、第1、第2、第4乃至第6のインダクタL1、L2、L4、L5、L6のインダクタンスLは11.254nH、第1、第4乃至第6のキャパシタC1、C4、C5、C6のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0043】
図8は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−27dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.02dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0044】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、実施の形態3における逆相分配回路と比較すると、図8(c)からわかるように、分配振幅差をより小さくすることができる特徴をもつ。すなわち、実施の形態3の逆相分配回路において第2、第3の−90度回路をT形回路として、T形回路とΠ形回路を組み合わせた構成にすることによって分配振幅差の特性をさらに向上させることができる。
【0045】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路とΠ形回路により構成し、3つの−90度回路と1つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0046】
実施の形態5.
図9は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図9において、上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。破線によって囲まれる領域12は、その中に含まれる回路が所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路であることを示す。ここでは、12を第4の−90度回路とする。また、一点鎖線によって囲まれる領域13乃至15は、その中に含まれる回路が所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の進み位相をもつ+90度回路であることを示す。ここでは、13を第2の+90度回路、14を第3の+90度回路、15を第4の+90度回路とする。
【0047】
図9に示す逆相分配回路は、第1の接続部4と入力端子1を接続し、第4の−90度回路12の一端と第2の+90度回路13の一端を第1の第1の接続部4にて接続する。また、第2の接続部5と第1の出力端子2を接続し、第4の−90度回路12の他端と第3の+90度回路14の一端を第2の接続部5にて接続する。また、第3の接続部6と第2の出力端子3を接続し、第2の+90度回路13の他端と第4の+90度回路15の一端を第3の接続部6にて接続する。また、第4の接続部7に第3、第4の+90度回路14、15のそれぞれの他端を接続して構成される。
【0048】
また、L7、L8、L9は第7乃至第9のインダクタを表し、C7、C8、C9は第7乃至第9のキャパシタを表す。図示するように、第7、第8のインダクタL7、L8と第7のキャパシタC7の一端を接続し、第7のキャパシタC7の他端を接地して第3のΤ形回路を構成する。また、第9のインダクタL9と第8、第9のキャパシタC8、C9の一端を接続し、第9のインダクタL9の他端を接地して第4のΤ形回路を構成する。
【0049】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第4の−90度回路12を第3のΤ形回路、第2乃至第4の+90度回路13、14、15を第4のΤ形回路で構成する。
【0050】
ここで、第7乃至第9のインダクタL7、L8、L9のインダクタンスLと第7乃至第9のキャパシタC7、C8、C9のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0051】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を数式(1)に代入すると、第7乃至第9のインダクタL7、L8、L9のインダクタンスLは11.254nH、第7乃至第9のキャパシタC7、C8、C9のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0052】
図10は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−35dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.15dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0053】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、実施の形態1による逆相分配回路と同様に−90度回路と+90度回路をΤ形回路のみで構成でき、また、それと同程度の周波数特性を得ることができるという特徴をもつ。
【0054】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路により構成し、1つの−90度回路と3つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0055】
実施の形態6.
図11は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図11において、上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0056】
また、L10、L11は第10、第11のインダクタ、C10は第10のキャパシタを表す。ここでは、第10のキャパシタC10と第10のインダクタL10の一端を接続し、第10のキャパシタC10の他端と第11のインダクタL11の一端を接続し、第10、第11のインダクタL10、L11のそれぞれの他端を接地して第3のΠ形回路を構成する。
【0057】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第4の−90度回路12を第3のΤ形回路、第2の+90度回路13を第4のΤ形回路、第3乃至第4の+90度回路14、15を第3のΠ形回路で構成する。
【0058】
ここで、第7乃至第11のインダクタL7、L8、L9、L10、L11のインダクタンスL、第7乃至第10のキャパシタC7、C8、C9、C10のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすれば、数式(1)によりそれぞれ算出される。
【0059】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を数式(1)に代入すると、第7乃至第11のインダクタL7、L8、L9、L10、L11のインダクタンスLは11.254nH、第7乃至第10のキャパシタC7、C8、C9、C10のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0060】
図12は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−39dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.29dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から5度以内になることがわかる。
【0061】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、実施の形態5にかかる逆相分配回路と比べると、図12(a)からわかるように、入力反射振幅が小さくなる特徴をもつ。すなわち、実施の形態5の逆相分配回路において第2、第3の+90度回路をΠ形回路として、T形回路とΠ形回路を組み合わせた構成にすることによって入力反射振幅の特性を向上させることができる。
【0062】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路とΠ形回路により構成し、1つの−90度回路と3つの+90度回路を組合せた回路を構成することで、良好な特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0063】
実施の形態7.
図13は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図13において、上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
また、L12は第12のインダクタを表し、C11、C12は第11、第12のキャパシタを表す。ここでは、第12のインダクタL12と第11のキャパシタC11の一端を接続し、第12のインダクタL12の他端と第12のキャパシタC12の一端を接続し、第11、第12のキャパシタC11、C12のそれぞれの他端を接地して第4のΠ形回路を構成する。
【0065】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第4の−90度回路12を第4のΠ形回路、第2乃至第4の+90度回路13、14、15を第3のΠ形回路で構成する。
【0066】
ここで、第10乃至第12のインダクタL10、L11、L12のインダクタンスL、第10乃至第12のキャパシタC10、C11、C12のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0067】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を数式(1)に代入すると、第10乃至第12のインダクタL10、L11、L12のインダクタンスLは11.254nH、第10乃至第12のキャパシタC10、C11、C12のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0068】
図14は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−28dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.08dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から5度以内になることがわかる。
【0069】
このように、本実施の形態による逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、+90度回路と−90度回路をΠ形回路のみで構成した場合には、実施の形態5の逆相分配回路と比べ、図14(c)からわかるように、分配振幅差を小さくできるという効果がある。
【0070】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΠ形回路により構成し、1つの−90度回路と3つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0071】
実施の形態8.
図15は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図15において、上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0072】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第4の−90度回路12を第4のΠ形回路、第2の+90度回路13を第3のΠ形回路、第3、第4の+90度回路14、15を第4のΤ形回路で構成する。
【0073】
ここで、第9乃至第12のインダクタL9、L10、L11、L12のインダクタンスLと第8乃至第12のキャパシタC8、C9、C10、C11、C12のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0074】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を式(1)に代入すると、第9乃至第12のインダクタL9、L10、L11、L12のインダクタンスLは11.254nH、第8乃至第12のキャパシタC8、C9、C10、C11、C12のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0075】
図16は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−26dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.02dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0076】
このように、本実施の形態による逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1乃至第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、実施の形態7における逆相分配回路と比較すると、図16(c)からわかるように、分配振幅差をより小さくすることができる特徴をもつ。すなわち、実施の形態7の逆相分配回路において第2、第3の+90度回路をT形回路として、T形回路とΠ形回路を組み合わせた構成にすることによって分配振幅差の特性をさらに向上させることができる。
【0077】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路とΠ形回路により構成し、1つの−90度回路と3つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0078】
実施の形態9.
図17は上述の実施の形態にかかる逆相分配回路を適用したアンテナ装置の構成例を示す図である。図において21は逆相分配回路、22は同相分配回路、23は逆相分配回路と同相分配回路への入力を切替えるスイッチ、24及び25は逆相分配回路21に接続されるアンテナ、26及び27は同相分配回路22に接続されるアンテナである。なお、逆相分配回路21は上述の実施の形態と同じく入力端子、第1、第2の出力端子を有する。スイッチ23が逆相分配回路21側に接続した場合は逆相分配回路21の入力端子を介して高周波信号が入力される。また、逆相分配回路21の第1、第2の出力端子はアンテナ24、25とそれぞれ接続される。
【0079】
逆相分配回路21に接続された側の2つのアンテナ24、25に励振される信号は互いに逆相となる。また、同相分配回路22に接続された側の2つのアンテナ26、27に励振される信号は互いに同相となる。アンテナ24、25から放射される電波とアンテナ26、27から放射される電波の偏波面を略直交させるように各アンテナを配置すれば、それぞれの電波の相関を低くすることができる。
【0080】
これにより、アンテナ24、25から放射される電波と、アンテナ26、27から放射される電波を、受信信号の信号品質に基づいてスイッチ23を切り替えることによって、受信品質を向上させる切換ダイバーシチをすることができる。またさらに、上述のように逆相分配回路21は小型で、広い周波数帯域において低相関を維持することができるので、経済性に優れたダイバーシチ効果の高いアンテナ装置を実現することができる。
【0081】
また、例えば、図17に示すアンテナ装置を一単位として、それを複数個用いて送信側および受信側アンテナ装置を構成することもできる。送信側アンテナ装置の複数のアンテナから送信信号を空間多重することで、伝送レートの向上を実現するMIMO(Multi Input MultiOutput)通信等に適用することができる。上述のように逆相分配回路21を小型にしてアンテナ装置全体を小型化できることから特に、家庭において使用されるフェムト基地局に好適である。
【符号の説明】
【0082】
1 入力端子
2 第1の出力端子
3 第2の出力端子
4 第1の接続部
5 第2の接続部
6 第3の接続部
7 第4の接続部
8 第1の−90度回路
9 第2の−90度回路
10 第3の−90度回路
11 第1の+90度回路
12 第4の−90度回路
13 第2の+90度回路
14 第3の+90度回路
15 第4の+90度回路
21 逆相分配回路
22 同相分配回路
23 スイッチ
24〜27 アンテナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆相分配回路及びそれを適用したアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
逆相分配回路はレーダ装置や基地局などのアンテナ用の給電回路をはじめとして、逆相分配を必要とする高周波回路に一般的に用いられる基本的な回路である。
【0003】
逆相分配回路の従来例として、所定の周波数帯域の中心周波数において、誘電体基板表面に形成されたリング状ストリップ導体パターンが略1/4波長(略90度の遅れ位相)、略1/2波長(略180度の遅れ位相)、略3/4波長(略270度の遅れ位相)の長さの伝送線路となるように、リング状ストリップ導体パターン、入力側ストリップ導体パターン、第1、第2の出力側ストリップ導体パターンとを接続させる構造が開示されている。
【0004】
この構造では、入力側ストリップ導体パターンに入力された高周波信号は、略1/4波長と略3/4波長の長さをもつ伝送線路により逆相分配されるとともに、第1、第2の出力側ストリップ導体パターンの間に略1/2波長の長さをもつ伝送線路があることで、広い周波数帯域にわたり、2つの出力側ストリップ導体パターンに逆相の高周波信号が分配される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−32046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に記載される従来技術では、所定の周波数帯域の中心周波数において、略1/4波長、略1/2波長及び略3/4波長の伝送線路の長さが決められるため、利用する周波数帯域に応じて長さが変化する。特に低周波数帯では波長が長くなるため、回路の大形化を招くという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度(90度を含む。以下同じとする。)の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタといった集中定数素子によるT形回路、Π形回路によって構成し、これらの回路を複数個組合せて、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の逆相分配回路は、所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の遅れ位相を持つ第1乃至第3の−90度回路と、所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の進み位相を持つ第1の+90度回路と、前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路のそれぞれの一端と接続する入力端子と、前記第1の−90度回路の他端と接続する第1の出力端子と、前記第1の+90度回路の他端と接続する第2の出力端子と、を備え、前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路を同形とし、前記第2の−90度回路と前記第3の−90度回路を同形とし、かつ、それぞれの一端を接続し、前記第2の−90度回路の他端と前記第1の出力端子とを接続し、前記第3の−90度回路の他端と前記第2の出力端子とを接続したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、良好な周波数特性を得つつ、小型でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図3】この発明の実施の形態2にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図5】この発明の実施の形態3にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図7】この発明の実施の形態4にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態4にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図9】この発明の実施の形態5にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態5にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図11】この発明の実施の形態6にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態6にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図13】この発明の実施の形態7にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態7にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図15】この発明の実施の形態8にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態8にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性である。
【図17】この発明の実施の形態9にかかるアンテナ装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下に、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、それぞれが本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するためのものではない。
【0012】
図1は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図1において、1は入力端子、2は第1の出力端子、3は第2の出力端子、4は第1の接続部、5は第2の接続部、6は第3の接続部、7は第4の接続部である。また、破線によって囲まれる領域8、9、10は、その中に含まれる回路が所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路であることを示す。ここでは、8を第1の−90度回路、9を第2の−90度回路、10を第3の−90度回路とする。また、一点鎖線によって囲まれる領域11は、その中に含まれる回路が所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の進み位相をもつ第1の+90度回路であることを示す。ここでは、11を第1の+90度回路とする。
【0013】
図1に示す逆相分配回路は、第1の接続部4と入力端子1を接続し、第1の−90度回路8の一端と第1の+90度回路11の一端を第1の接続部4にて接続する。また、第2の接続部5と第1の出力端子2を接続し、第1の−90度回路8の他端と第2の−90度回路9の一端を第2の接続部5にて接続する。また、第3の接続部6と第2の出力端子3を接続し、第1の+90度回路11の他端と第3の−90度回路10の一端を第3の接続部6にて接続する。また、第4の接続部7に第2の−90度回路9、第3の−90度回路10のそれぞれの他端を接続して構成される。
【0014】
また、L1、L2、L3はそれぞれ第1乃至第3のインダクタを表し、C1、C2、C3はそれぞれ第1乃至第3のキャパシタを表す。図示するように、第1、第2のインダクタL1、L2と第1のキャパシタC1の一端を接続し、第1のキャパシタC1の他端を接地して第1のT形回路を構成する。また、第3のインダクタL3と第2、第3のキャパシタC2、C3の一端を接続し、第3のインダクタL3の他端を接地して第2のT形回路を構成する。
【0015】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第1乃至第3の−90度回路8、9、10を第1のΤ形回路、第1の+90度回路11を第2のΤ形回路で構成する。
【0016】
ここで、第1乃至第3のインダクタL1、L2、L3のインダクタンスLと第1乃至第3のキャパシタC1、C2、C3のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0017】
【数1】
【0018】
本実施の形態では、数式(1)において中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として説明する。これらの値を数式(1)に代入すると、第1乃至第3のインダクタL1、L2、L3のインダクタンスLは11.254nH、第1乃至第3のキャパシタC1、C2、C3のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0019】
図2は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図2(a)〜(d)において、横軸は周波数を表す。図2(a)は、入力端子1から高周波信号を入力した時に、入力端子1で反射される高周波信号の大きさの割合、すなわち、入力反射振幅|S11|を表す。図2(b)は、入力端子1から高周波信号を入力した時に、第1、第2の出力端子2、3へそれぞれ分配される高周波信号の大きさの割合、すなわち、分配振幅|S21|、|S31|を表す。図中では|S21|は実線、|S31|は破線によって表される。図2(c)は、入力端子1から高周波信号を入力した時に、第1、第2の出力端子2、3へ分配される高周波信号の振幅差、すなわち、分配振幅差|S31/S21|を表す。図2(d)は、入力端子1から高周波信号を入力した時に、第1、第2の出力端子2、3へ分配される高周波信号の位相差、すなわち、分配位相差∠(S31/S21)を表す。以降の実施の形態における逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)の説明においても上述と同じ特性にて説明を行う。
【0020】
図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−33dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.19dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0021】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、+90度回路と−90度回路をΤ形回路のみで構成できる特徴をもつ。
【0022】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路で構成し、3つの−90度回路と1つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0023】
実施の形態2.
図3は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図3において実施の形態1の図1と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0024】
また、L4は第4のインダクタを表し、C4、C5は第4、第5のキャパシタを表す。図示するように、第4のインダクタL4と第4のキャパシタC4の一端を接続し、第4のインダクタL4の他端と第5のキャパシタC5の一端を接続し、第4、第5のキャパシタC4、C5のそれぞれの他端を接地して第1のΠ形回路を構成する。
【0025】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第1の−90度回路8を第1のΤ形回路、第2、第3の−90度回路9、10を第1のΠ形回路、第1の+90度回路11を第2のΤ形回路で構成する。
【0026】
ここで、第1乃至第4のインダクタL1、L2、L3、L4のインダクタンスLと第1乃至第5のキャパシタC1、C2、C3、C4、C5のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0027】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として説明する。これらの値を数式(1)に代入すると、第1乃至第4のインダクタL1、L2、L3、L4のインダクタンスLは11.254nH、第1乃至第5のキャパシタC1、C2、C3、C4、C5のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0028】
図4は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−40dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.20dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0029】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、実施の形態1にかかる逆相分配回路と比較すると、図4(a)からわかるように、入力反射振幅が小さくなる特徴をもつ。すなわち、実施の形態1の逆相分配回路において第2、第3の−90度回路をΠ形回路として、T形回路とΠ形回路を組み合わせた構成にすることによって入力反射振幅の特性を向上させることができる。
【0030】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路とΠ形回路によって構成し、3つの−90度回路と1つの+90度回路を組み合わせた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0031】
実施の形態3.
図5は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図5において上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
また、L5、L6は第5、第6のインダクタを表し、C6は第6のキャパシタを表す。図示するように、第6のキャパシタC6と第5のインダクタL5の一端を接続し、第6のキャパシタC6の他端と第6のインダクタL6の一端を接続し、第5、第6のインダクタL5、L6のそれぞれの他端を接地して第2のΠ形回路を構成する。
【0033】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第1乃至第3の−90度回路8、9、10を第1のΠ形回路、第1の+90度回路11を第2のΠ形回路で構成する。
【0034】
ここで、第4乃至第6のインダクタL4、L5、L6のインダクタンスLと第4乃至第6のキャパシタC4、C5、C6のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0035】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を式(1)に代入すると、第4乃至第6のインダクタL4、L5、L6のインダクタンスLは11.254nH、第4乃至第6のキャパシタC4、C5、C6のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0036】
図6は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−28dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.05dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0037】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に+90度回路と−90度回路をΠ形回路のみで構成した場合には、実施の形態1の逆相分配回路と比べ、図6(c)からわかるように、分配振幅差を小さくできるという効果がある。
【0038】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΠ形回路により構成し、3つの−90度回路と1つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0039】
実施の形態4.
図7は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図7において上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第1の−90度回路8を第1のΠ形回路、第2、第3の−90度回路9、10を第1のΤ形回路、第1の+90度回路11を第2のΠ形回路で構成する。
【0041】
ここで、第1、第2、第4乃至第6のインダクタL1、L2、L4、L5、L6のインダクタンスLと第1、第4乃至第6のキャパシタC1、C4、C5、C6のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0042】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を数式(1)に代入すると、第1、第2、第4乃至第6のインダクタL1、L2、L4、L5、L6のインダクタンスLは11.254nH、第1、第4乃至第6のキャパシタC1、C4、C5、C6のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0043】
図8は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−27dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.02dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0044】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、実施の形態3における逆相分配回路と比較すると、図8(c)からわかるように、分配振幅差をより小さくすることができる特徴をもつ。すなわち、実施の形態3の逆相分配回路において第2、第3の−90度回路をT形回路として、T形回路とΠ形回路を組み合わせた構成にすることによって分配振幅差の特性をさらに向上させることができる。
【0045】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路とΠ形回路により構成し、3つの−90度回路と1つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0046】
実施の形態5.
図9は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図9において、上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。破線によって囲まれる領域12は、その中に含まれる回路が所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路であることを示す。ここでは、12を第4の−90度回路とする。また、一点鎖線によって囲まれる領域13乃至15は、その中に含まれる回路が所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の進み位相をもつ+90度回路であることを示す。ここでは、13を第2の+90度回路、14を第3の+90度回路、15を第4の+90度回路とする。
【0047】
図9に示す逆相分配回路は、第1の接続部4と入力端子1を接続し、第4の−90度回路12の一端と第2の+90度回路13の一端を第1の第1の接続部4にて接続する。また、第2の接続部5と第1の出力端子2を接続し、第4の−90度回路12の他端と第3の+90度回路14の一端を第2の接続部5にて接続する。また、第3の接続部6と第2の出力端子3を接続し、第2の+90度回路13の他端と第4の+90度回路15の一端を第3の接続部6にて接続する。また、第4の接続部7に第3、第4の+90度回路14、15のそれぞれの他端を接続して構成される。
【0048】
また、L7、L8、L9は第7乃至第9のインダクタを表し、C7、C8、C9は第7乃至第9のキャパシタを表す。図示するように、第7、第8のインダクタL7、L8と第7のキャパシタC7の一端を接続し、第7のキャパシタC7の他端を接地して第3のΤ形回路を構成する。また、第9のインダクタL9と第8、第9のキャパシタC8、C9の一端を接続し、第9のインダクタL9の他端を接地して第4のΤ形回路を構成する。
【0049】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第4の−90度回路12を第3のΤ形回路、第2乃至第4の+90度回路13、14、15を第4のΤ形回路で構成する。
【0050】
ここで、第7乃至第9のインダクタL7、L8、L9のインダクタンスLと第7乃至第9のキャパシタC7、C8、C9のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0051】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を数式(1)に代入すると、第7乃至第9のインダクタL7、L8、L9のインダクタンスLは11.254nH、第7乃至第9のキャパシタC7、C8、C9のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0052】
図10は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−35dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.15dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0053】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、実施の形態1による逆相分配回路と同様に−90度回路と+90度回路をΤ形回路のみで構成でき、また、それと同程度の周波数特性を得ることができるという特徴をもつ。
【0054】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路により構成し、1つの−90度回路と3つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0055】
実施の形態6.
図11は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図11において、上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0056】
また、L10、L11は第10、第11のインダクタ、C10は第10のキャパシタを表す。ここでは、第10のキャパシタC10と第10のインダクタL10の一端を接続し、第10のキャパシタC10の他端と第11のインダクタL11の一端を接続し、第10、第11のインダクタL10、L11のそれぞれの他端を接地して第3のΠ形回路を構成する。
【0057】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第4の−90度回路12を第3のΤ形回路、第2の+90度回路13を第4のΤ形回路、第3乃至第4の+90度回路14、15を第3のΠ形回路で構成する。
【0058】
ここで、第7乃至第11のインダクタL7、L8、L9、L10、L11のインダクタンスL、第7乃至第10のキャパシタC7、C8、C9、C10のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすれば、数式(1)によりそれぞれ算出される。
【0059】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を数式(1)に代入すると、第7乃至第11のインダクタL7、L8、L9、L10、L11のインダクタンスLは11.254nH、第7乃至第10のキャパシタC7、C8、C9、C10のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0060】
図12は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−39dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.29dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から5度以内になることがわかる。
【0061】
このように、本実施の形態にかかる逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、実施の形態5にかかる逆相分配回路と比べると、図12(a)からわかるように、入力反射振幅が小さくなる特徴をもつ。すなわち、実施の形態5の逆相分配回路において第2、第3の+90度回路をΠ形回路として、T形回路とΠ形回路を組み合わせた構成にすることによって入力反射振幅の特性を向上させることができる。
【0062】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路とΠ形回路により構成し、1つの−90度回路と3つの+90度回路を組合せた回路を構成することで、良好な特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0063】
実施の形態7.
図13は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図13において、上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
また、L12は第12のインダクタを表し、C11、C12は第11、第12のキャパシタを表す。ここでは、第12のインダクタL12と第11のキャパシタC11の一端を接続し、第12のインダクタL12の他端と第12のキャパシタC12の一端を接続し、第11、第12のキャパシタC11、C12のそれぞれの他端を接地して第4のΠ形回路を構成する。
【0065】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第4の−90度回路12を第4のΠ形回路、第2乃至第4の+90度回路13、14、15を第3のΠ形回路で構成する。
【0066】
ここで、第10乃至第12のインダクタL10、L11、L12のインダクタンスL、第10乃至第12のキャパシタC10、C11、C12のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0067】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を数式(1)に代入すると、第10乃至第12のインダクタL10、L11、L12のインダクタンスLは11.254nH、第10乃至第12のキャパシタC10、C11、C12のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0068】
図14は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−28dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.08dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から5度以内になることがわかる。
【0069】
このように、本実施の形態による逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1、第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、+90度回路と−90度回路をΠ形回路のみで構成した場合には、実施の形態5の逆相分配回路と比べ、図14(c)からわかるように、分配振幅差を小さくできるという効果がある。
【0070】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΠ形回路により構成し、1つの−90度回路と3つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0071】
実施の形態8.
図15は、本実施の形態にかかる逆相分配回路の構成例を示す図である。図15において、上述の実施の形態の逆相分配回路と同一の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0072】
本実施の形態にかかる逆相分配回路は、第4の−90度回路12を第4のΠ形回路、第2の+90度回路13を第3のΠ形回路、第3、第4の+90度回路14、15を第4のΤ形回路で構成する。
【0073】
ここで、第9乃至第12のインダクタL9、L10、L11、L12のインダクタンスLと第8乃至第12のキャパシタC8、C9、C10、C11、C12のキャパシタンスCは、所定の周波数帯域の中心周波数をf0、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗をRとすると、数式(1)によりそれぞれ算出することができる。
【0074】
実施の形態1と同様に、中心周波数f0を1GHz、入力端子1と第1、第2の出力端子2、3に接続される負荷抵抗Rを50Ωとした場合を一例として挙げる。これら値を式(1)に代入すると、第9乃至第12のインダクタL9、L10、L11、L12のインダクタンスLは11.254nH、第8乃至第12のキャパシタC8、C9、C10、C11、C12のキャパシタンスCは2.251pFとなる。
【0075】
図16は、本実施の形態にかかる逆相分配回路のSパラメータの周波数特性(計算値)である。図示するSパラメータの周波数特性から、0.9〜1.1GHzの周波数帯域(比帯域幅20%)において、入力反射振幅|S11|は−26dB以下、分配振幅差|S31/S21|は0.02dB以内、分配位相差∠(S31/S21)は180度から4度以内になることがわかる。
【0076】
このように、本実施の形態による逆相分配回路は、比帯域幅が20%といった広い周波数帯域において、入力端子1から高周波信号を入力してもほとんど反射せず、第1乃至第2の出力端子2、3へほぼ等しい振幅で、かつ、ほぼ逆相の高周波信号を分配する。特に、実施の形態7における逆相分配回路と比較すると、図16(c)からわかるように、分配振幅差をより小さくすることができる特徴をもつ。すなわち、実施の形態7の逆相分配回路において第2、第3の+90度回路をT形回路として、T形回路とΠ形回路を組み合わせた構成にすることによって分配振幅差の特性をさらに向上させることができる。
【0077】
以上の構成によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において略90度の遅れ位相をもつ−90度回路と略90度の進み位相をもつ+90度回路を、インダクタとキャパシタによるΤ形回路とΠ形回路により構成し、1つの−90度回路と3つの+90度回路を組合せた回路によって、良好な周波数特性を得つつ、小形でかつ広い周波数帯域にわたり動作する逆相分配回路が得られるという効果を奏する。
【0078】
実施の形態9.
図17は上述の実施の形態にかかる逆相分配回路を適用したアンテナ装置の構成例を示す図である。図において21は逆相分配回路、22は同相分配回路、23は逆相分配回路と同相分配回路への入力を切替えるスイッチ、24及び25は逆相分配回路21に接続されるアンテナ、26及び27は同相分配回路22に接続されるアンテナである。なお、逆相分配回路21は上述の実施の形態と同じく入力端子、第1、第2の出力端子を有する。スイッチ23が逆相分配回路21側に接続した場合は逆相分配回路21の入力端子を介して高周波信号が入力される。また、逆相分配回路21の第1、第2の出力端子はアンテナ24、25とそれぞれ接続される。
【0079】
逆相分配回路21に接続された側の2つのアンテナ24、25に励振される信号は互いに逆相となる。また、同相分配回路22に接続された側の2つのアンテナ26、27に励振される信号は互いに同相となる。アンテナ24、25から放射される電波とアンテナ26、27から放射される電波の偏波面を略直交させるように各アンテナを配置すれば、それぞれの電波の相関を低くすることができる。
【0080】
これにより、アンテナ24、25から放射される電波と、アンテナ26、27から放射される電波を、受信信号の信号品質に基づいてスイッチ23を切り替えることによって、受信品質を向上させる切換ダイバーシチをすることができる。またさらに、上述のように逆相分配回路21は小型で、広い周波数帯域において低相関を維持することができるので、経済性に優れたダイバーシチ効果の高いアンテナ装置を実現することができる。
【0081】
また、例えば、図17に示すアンテナ装置を一単位として、それを複数個用いて送信側および受信側アンテナ装置を構成することもできる。送信側アンテナ装置の複数のアンテナから送信信号を空間多重することで、伝送レートの向上を実現するMIMO(Multi Input MultiOutput)通信等に適用することができる。上述のように逆相分配回路21を小型にしてアンテナ装置全体を小型化できることから特に、家庭において使用されるフェムト基地局に好適である。
【符号の説明】
【0082】
1 入力端子
2 第1の出力端子
3 第2の出力端子
4 第1の接続部
5 第2の接続部
6 第3の接続部
7 第4の接続部
8 第1の−90度回路
9 第2の−90度回路
10 第3の−90度回路
11 第1の+90度回路
12 第4の−90度回路
13 第2の+90度回路
14 第3の+90度回路
15 第4の+90度回路
21 逆相分配回路
22 同相分配回路
23 スイッチ
24〜27 アンテナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の遅れ位相を持つ第1乃至第3の−90度回路と、
所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の進み位相を持つ第1の+90度回路と、
前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路のそれぞれの一端と接続する入力端子と、
前記第1の−90度回路の他端と接続する第1の出力端子と、
前記第1の+90度回路の他端と接続する第2の出力端子と、を備え、
前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路を同形とし、
前記第2の−90度回路と前記第3の−90度回路を同形とし、かつ、それぞれの一端を接続し、
前記第2の−90度回路の他端と前記第1の出力端子とを接続し、
前記第3の−90度回路の他端と前記第2の出力端子とを接続する逆相分配回路。
【請求項2】
前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路の形と、前記第2の−90度回路と前記第3の−90度回路の形を、同形とする請求項1に記載の逆相分配回路。
【請求項3】
前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路の形と、前記第2の−90度回路と前記第3の−90度回路の形を、異なる形とする請求項1に記載の逆相分配回路。
【請求項4】
所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の遅れ位相を持つ第4の−90度回路と、
所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の進み位相を持つ第2乃至4の+90度回路と、
前記第4の−90度回路と前記第2の+90度回路のそれぞれの一端と接続する入力端子と、
前記第4の−90度回路の他端と接続する第1の出力端子と、
前記第2の+90度回路の他端と接続する第2の出力端子と、を備え、
前記第4の−90度回路と前記第2の+90度回路を同形とし、
前記第3の+90度回路と前記第4の+90度回路を同形とし、かつ、それぞれの一端を接続し、
前記第3の+90度回路の他端と前記第1の出力端子とを接続し、
前記第4の+90度回路の他端と前記第2の出力端子とを接続する逆相分配回路。
【請求項5】
前記第4の−90度回路と前記第2の+90度回路の形と、前記第3の+90度回路と前記第4の+90度回路の形を、同形とする請求項4に記載の逆相分配回路。
【請求項6】
前記第4の−90度回路と前記第2の+90度回路の形と、前記第3の+90度回路と前記第4の+90度回路の形を、異なる形とする請求項4に記載の逆相分配回路。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の逆相分配回路を1または複数備えるアンテナ装置。
【請求項1】
所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の遅れ位相を持つ第1乃至第3の−90度回路と、
所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の進み位相を持つ第1の+90度回路と、
前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路のそれぞれの一端と接続する入力端子と、
前記第1の−90度回路の他端と接続する第1の出力端子と、
前記第1の+90度回路の他端と接続する第2の出力端子と、を備え、
前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路を同形とし、
前記第2の−90度回路と前記第3の−90度回路を同形とし、かつ、それぞれの一端を接続し、
前記第2の−90度回路の他端と前記第1の出力端子とを接続し、
前記第3の−90度回路の他端と前記第2の出力端子とを接続する逆相分配回路。
【請求項2】
前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路の形と、前記第2の−90度回路と前記第3の−90度回路の形を、同形とする請求項1に記載の逆相分配回路。
【請求項3】
前記第1の−90度回路と前記第1の+90度回路の形と、前記第2の−90度回路と前記第3の−90度回路の形を、異なる形とする請求項1に記載の逆相分配回路。
【請求項4】
所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の遅れ位相を持つ第4の−90度回路と、
所定の周波数帯域の中心周波数において、集中定数素子により構成されるT形またはΠ形の略90度の進み位相を持つ第2乃至4の+90度回路と、
前記第4の−90度回路と前記第2の+90度回路のそれぞれの一端と接続する入力端子と、
前記第4の−90度回路の他端と接続する第1の出力端子と、
前記第2の+90度回路の他端と接続する第2の出力端子と、を備え、
前記第4の−90度回路と前記第2の+90度回路を同形とし、
前記第3の+90度回路と前記第4の+90度回路を同形とし、かつ、それぞれの一端を接続し、
前記第3の+90度回路の他端と前記第1の出力端子とを接続し、
前記第4の+90度回路の他端と前記第2の出力端子とを接続する逆相分配回路。
【請求項5】
前記第4の−90度回路と前記第2の+90度回路の形と、前記第3の+90度回路と前記第4の+90度回路の形を、同形とする請求項4に記載の逆相分配回路。
【請求項6】
前記第4の−90度回路と前記第2の+90度回路の形と、前記第3の+90度回路と前記第4の+90度回路の形を、異なる形とする請求項4に記載の逆相分配回路。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の逆相分配回路を1または複数備えるアンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−80397(P2012−80397A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224830(P2010−224830)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
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