説明

透水保水を促す舗装用粉末セメント混和材

【課題】骨材、廃土や土壌などの骨材粒径が極小でかつ、含水率が不均等であっても完全な多孔質化と多孔質構造の強化をはかるための粉末セメント混和材を提供する。
【解決手段】粉末セメント混和材はゼオライト60%〜75%重量比、銅含有水砕スラグ10%〜20%重量比、塩化カルシウム5〜8%重量比、塩化マグネシウム3〜5%重量比、ナトリウム2〜5%重量比で構成し、かつ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ナトリウムを還元アルカリ水で反応させて得る粉末セメント混和材で骨材とセメントと混合し、水を加え反応させることにより、セメント混和材がセメントと反応し団粒化作用を始め硬化後、多孔質構造となる、マイクロカプセル化した粉末セメント混和材の基体のゼオライトと銅含有水碎スラグは反応後は微粒多孔質として団粒化した多孔質構造の中に構造強化質として残る、このことにより多孔質構造が強固な多孔質構造体を作り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は舗装用骨材とセメントに反応させ舗装層を多孔質化し透水保水層にするための粉末セメント混和材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の問題や地下水減少など多くの環境問題をかかえている、また治水やヒートアイランド現象改善と自然環境の保全を目的とし歩道、駐車場などの多孔質状舗装が必要となってきている。
【0003】
一般的に開示されてる技術は骨材として施工現場から発生する廃土や、土壌、瓦くずを再生使用し、セメントと水性液状混和材で多孔質舗装が施されている。
【0004】
しかし、水性液状混和材では混合の時に骨材とセメントと水性液状混和材の混合度に安定を欠き、多孔質化が完全にできない部分ができる。
【0005】
すなわち、水性液状混和材が骨材の含水量によりセメントと反応するとき水性液状混和材自身のもっている水分が骨材水分と合併し、多孔質化する最適含水率に安定を欠くことになる。したがって含水率が高くなると多孔質化が劣ることとなる
【0006】
また、廃土や、土壌を混合した場合は、骨材粒形の極小分も多く前記含水率のばらつきにより多孔質化が完全でなくなるため、完全な多孔質化をするためには骨材を乾燥状態で使用しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、目的とする骨材、廃土や土壌などの骨材粒形が極小でかつ、含水率が不均等であっても完全な多孔質化と多孔質構造の強化をはかるための粉末セメント混和材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の粉末セメント混和材の要旨とするところは、多孔質粉体であるゼオライトと硬質多孔質銅水砕スラグに骨材とセメントを団粒化させる物質を含有させることにある。
【0009】
すなわち、多孔質粉体であるゼオライトと硬質多孔質銅水砕スラグに団粒化させる物質を含有させたマイクロカプセル状の粉末セメント混和材となる。
【0010】
特に硬質多孔質銅水砕スラグは石灰、シリカ、アルミナ、マグネシアなど水硬作用と多孔質過後の透水作用での銅イオン発生による消臭殺菌作用により環境保全にも効果がある。
【0011】
多孔質粉体であるゼオライトと硬質多孔質銅水砕スラグに団粒化させる物質は還元アルカリ水に塩化カルシウムと塩化マグネシウムとナトリウムを反応させたものを含有させる。
ここで使用する還元アルカリ水は水分子のクラスターが小さいため、反応を促進しPHを調整する役目を果たす。
【発明の効果】
【0012】
本発明の粉末セメント混和材は骨材の種類、含水率に関係なく、舗装の多孔質化の安定した多孔質構造ができ、粉末セメント混和材がマイクロカプセル化することにより水と安定した反応を起こし、硬化後の強度が上がる、したがって多孔質構造の強化となり透水保水性向上効果、多孔質表面の強度上昇効果、また多孔質構造内に点在する硬質多孔質銅水砕スラグを水が通過する時、銅イオン発生により消臭殺菌作用により環境保全効果がある。
【0013】
本発明の粉末セメント混和材は少ないセメント量で、圧縮、曲げ強度、伸縮性、耐久性に対して高い安定性を得られる効果がある。透水保水性が高いため一般舗装に比べ表面温度が低くなりヒートアイランドなど温暖化防止効果がある。
【0014】
本発明の粉末セメント混和材は超微粒土壌も団粒化作用により混合した超微粒土壌骨材も流失させない効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
本発明にかかる粉末セメント混和材の構成について、以下に詳しく説明する。
【0015】
本発明にかかる粉末セメント混和材は目的とする骨材の多孔質舗装を安定した多孔質構造を得るための粉末セメント混和材について、以下に詳しく説明する
【0016】
すなわち、本発明の粉末セメント混和材は、目的とする骨材、また廃土や土壌などの骨材粒形が極小でかつ、含水率が不均等であっても完全な多孔質化と多孔質構造の強化をはかるための粉末セメント混和材を得ることができるが特に以下に述べるような成分配合で粉末セメント混和材を得ることが望ましい。
【0017】
本発明の粉末セメント混和材はゼオライト(2)60%〜75%重量比、銅含有水砕スラグ(1)10%〜20%重量比、団粒化反応物質は塩化カルシうム5〜8%重量比、塩化マグネシウム3〜5%重量比、ナトリウム2〜5%重量比で構成し、かつ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ナトリウムを還元アルカリ水で反応させることが望ましい。
【0018】
本発明で団粒化反応物質は塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ナトリウムを還元アルカリ水で反応させる場合の他、水のみでも反応するが水のみの場合は反応後に反応物質が酸性化しているため中性にする物質を混入しなければならない。
【0019】
本発明の粉末セメント混和材の反応で用いる還元アルカリ水は反応しながら反応物質を中和させ、クラスターが小さい水分子が反応作用を早めかつ確実な反応効果を得ることができる。
【0020】
本発明の粉末セメント混和材はゼオライト60%〜75%重量比、銅含有水砕スラグ10%〜20%重量比、塩化カルシウム5〜8%重量比、塩化マグネシウム3〜5%重量比、ナトリウム2〜5%重量比で構成し、かつ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ナトリウムを還元アルカリ水で反応させて得る粉末セメント混和材で骨材とセメントと混合し、水を加え反応させることにより、水の中のプラスイオンとマイナスイオンにより粉末セメント混和材がセメントと反応し団粒化作用を始め硬化後、多孔質構造となる、マイクロカプセル化した粉末セメント混和材の基体のゼオライトと銅含有水砕スラグは反応後は微粒多孔質として団粒化した多孔質構造の中に構造強化質として硬化して残る、このことにより多孔質構造が強固な多孔質構造体を作り出す。
【実施例】
(実施例1)
【0021】
(粉末セメント混和材の最適構成)
本発明の粉末セメント混和材はゼオライト60%〜75%重量比、銅含有水砕スラグ10%〜20%重量比、塩化カルシウム5〜8%重量比、塩化マグネシウム3〜5%重量比、ナトリウム2〜5%重量比で構成し、かつ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ナトリウムを還元アルカリ水で反応させて得る粉末セメント混和材が最適の構成となる。この構成比以外でもできるが団粒化力、硬化力、曲げ強度が劣ることとなる。また還元アルカリ水ではなく水で反応させた場合は後処理として中和させるためのアルカリ物質が必要となる。
【実施例】
(実施例2)
【0022】
(粉末セメント混和材使用例)
目的骨材を80〜90重量比、セメントを7〜9重量比、この中にゼオライト60%〜75%重量比、銅含有水砕スラグ10%〜20%重量比、塩化カルシウム5〜8%重量比、塩化マグネシウム3〜5%重量比、ナトリウム2〜5%重量比で構成し、かつ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ナトリウムを水で反応させた後、アルカリ溶液で中和させて得る、本発明の粉末セメント混和材を1〜1.5重量比入れ全体が均一に混ざるまで攪拌する。次に団粒化させるために水を加えながら攪拌するが、このときの水は3〜5重量比を混入させる、特に水分の量が多孔質化の安定の決め手になる。骨材の含水率、さらに天候湿度により混合する水の量が決まる、多すぎれば多孔質化の安定を欠き、少なすぎると強度が落ちてしまうこととなる、従ってパサコン状に仕上げるのが最良である。
【産業上の利用可能性】
【0023】
近年、地球温暖化の問題や地下水減少など多くの環境問題をかかえている、また治水やヒートアイランド現象改善と自然環境の保全を目的とし歩道、駐車場などの多孔質状舗装が必要となってきている。
【0024】
本発明の粉末セメント混和材は含水率に影響されず骨材種類にも影響されない安定した多孔質構造体をつくることができ、透水保水を安定した多孔質構造体提供できることとなり、かつ圧縮、曲げ強度がたもてるため、利用範囲が拡大する。
【0025】
本発明の粉末セメント混和材は団粒化により水の浄化作用、多孔質な為吸着作用による二酸化炭素排出削減に必要な二酸化炭素の固定吸着、銅イオン効果による環境保全などの作用から歩道、駐車場、公園、河川の浄化壁、通水暗渠、道路側溝など産業利用がひろがります。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】1:銅含有水砕スラグ 2:ゼオライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨材に透水保水効果を与える粉末セメント混和材
【請求項2】
請求項1に記載の粉末セメント混和材がセメントと水とに反応し、イオン効果により骨材を団粒硬化をすることを特徴とする粉末セメント混和材。
【請求項3】
請求項1の粉末セメント混和材がゼオライト60%〜75%重量比、銅含有水砕スラグ10%〜20%重量比、塩化カルシウム5〜8%重量比、塩化マグネシウム3〜5%重量比、ナトリウム2〜5%重量比で構成し、かつ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ナトリウムを還元アルカリ水で反応させることを特徴とする粉末セメントを混和材。

【図1】
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【公開番号】特開2007−314404(P2007−314404A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−190934(P2006−190934)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(506238570)
【Fターム(参考)】