説明

透過型電子顕微鏡

【課題】本発明は透過型電子顕微鏡に関し、更に詳しくは光伝導媒体に光ファイバを用いて光検出器の形状を任意の形状に加工できるようにした透過型電子顕微鏡に関する。
【解決手段】試料50を透過した透過電子から高角度散乱像や暗視野像を得るようにした透過型電子顕微鏡において、試料50を透過した透過電子信号を光信号に変換するシンチレータ1と、該シンチレータの光信号出力を光検出器30に接続する光ファイバ20とを具備し、該光ファイバ20の光検出器30との接続部分を任意の形状に加工するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は透過型電子顕微鏡に関し、更に詳しくは任意の形状に分割された光検出器に適合するように光ファイバを複数の束に加工した透過型電子顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型電子顕微鏡(TEM)は、電子銃からの電子線が試料に照射され、試料を透過した電子線によって形成された透過型電子顕微鏡像(TEM像)や回折像を観察できるようにした装置である。
【0003】
透過型電子顕微鏡で透過電子像を得る場合、円環状の透過電子検出器を用いる。透過電子像を光信号に変換するのにはシンチレータが用いられ、シンチレータの光出力を電気信号に変換するためには光検出器を用いる。このシンチレータから光検出器までの光伝送媒体として種々のものが用いられている。
【0004】
図6は従来の光電変換部の構成を示す図である。シンチレータ1に入射された透過電子eは該シンチレータ1で光信号に変換され、ライトガイド2を介して光検出器であるPMT(光電子増倍管)4に導かれる。ここで、ライトガイド2としては、例えば光ファイバが用いられる。また、シンチレータ1に入射された透過電子eは該シンチレータ1で光信号に変換され、中空パイプ3を介してPMT4に導かれる。
【0005】
(a)に示す構成はHAADF(高角度散乱暗視野法)検出器と呼ばれ、(b)に示す構成はBF検出器と呼ばれる。ここで、HAADFはSTEM暗視野像観察法の一つであり、大きな角度で散乱された透過電子eを円環状の検出器で検出画像化するものである。
【0006】
従来のこの種の装置としては、シンチレータ、透明基板、光学レンズ、アバランシェ型撮像素子、撮像素子制御系、計算機、モニタから構成された電子顕微鏡の電子線検出装置を構成し、アバランシェ型撮像素子の検出面における検出領域を撮像素子制御系により部分的に設定する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
また、4分割された放射線検出器を有し、該放射線検出器を走査パターンに適合させてこの走査パターンの各所望のラインセグメントに対して個別の信号を記録する技術が知られている(例えば特許文献2参照)。また、荷電粒子ビームの経路中に配置されて中心より径方向および周方向に連続的に配列された複数の導電性のビームキャッチ面を設けた構成が知られている(例えば特許文献3参照)。
【0008】
また、電子顕微鏡内で電子画像を検出器に送る媒体であって、シンチレータ板と光ファイバの束の端部を互いに接合するようにした技術が知られている(例えば特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許平8−285947号公報(段落0020〜0028、図6)
【特許文献2】特開昭61−39442号公報(第2頁右下欄第2行〜第3頁右下欄第12行、第1図,第2図)
【特許文献3】実開昭63−99288号公報
【特許文献4】特開平7−281036号公報(段落0013〜0018、図1〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の透過電子線検出器では、散乱電子を角度、方向に対して平均して検出するため、散乱電子の角度・方向分布の情報を正確に得ることができないという問題がある。従来の検出器で角度情報を得るためには、円環のサイズの異なるHAADF検出器と、BF検出器を用いることになるが、この場合、分割数やその形状が大幅に制限される。また、従来のライトガイドを用いた方法では、検出器を図7に示すように4分割することすらできない。
【0011】
分割型の透過電子検出器では、回折パターンと検出器の分割との位置を制御する必要がある。従来の方法では、回折パターンと検出器との位置制御は、磁界レンズを用いて行なうか、検出器自体を回転させるしかない。これらの方法では、完全な位置制御は極めて困難である。図4に示すように、(a)に示す状態から(b)に示す状態への変更が必要である。(a)において、10は4分割検出器、11は回折パターンである。このような状態から(b)に示すように回折パターンと検出器との対称性を制御する必要がある。
【0012】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、光伝導媒体に光ファイバを用いることで、自由に透過電子の検出領域を定義することができ、また回折パターンと検出器との位置関係を容易に制御することができるようにした透過型電子顕微鏡を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)請求項1記載の発明は、試料を透過した透過電子から高角度散乱像や暗視野像を得るようにした透過型電子顕微鏡において、試料を透過した透過電子信号を光信号に変換するシンチレータと、該シンチレータの光信号出力を光検出器に接続する光ファイバとを具備し、該光ファイバの光検出器との接続部分を任意の形状に加工したことを特徴とする。
【0014】
(2)請求項2記載の発明は、前記光ファイバの光検出器との接続部分を検出面の分割領域に応じて、複数の光ファイバの束に加工したことを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、前記光ファイバのシンチレータとの接続部分から所定距離離れた位置で光ファイバを切断し、該切断位置で光検出器側の光ファイバを回転できるように構成したことを特徴とする。
【0015】
(4)請求項4記載の発明は、前記切断部分に光学オイルを注入したことを特徴とする。
(5)請求項5記載の発明は、前記光検出器は光電子増倍管又はアバランシェフォトダイオードであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
(1)請求項1記載の発明によれば、光伝導媒体に光ファイバを用いることで、自由に透過電子の検出領域を定義することができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、光ファイバのシンチレータと光検出器との接続部分を検出面の分割領域に応じて任意の形状、任意の数の光ファイバの束に加工することができる。
【0017】
(3)請求項3記載の発明によれば、シンチレータとの接続部から所定距離離れた位置で光ファイバを切断して、光検出器側の光ファイバを自由に回転できるので、回折パターンと検出器との位置関係を容易に制御することができる。
【0018】
(4)請求項4記載の発明によれば、光ファイバの切断部分に光学オイルを注入することで、切断部分の光情報の損失を防ぐことができる。
(5)請求項5記載の発明によれば、光検出器として光電子増倍管(PMT)又はアバランシェフォトダイオードを用いることで、透過電子像を得るために、高速で高感度な動作を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る光検出部の構成例を示す図である。
【図2】光ファイバの分割形状を示す図である。
【図3】本発明による光ファイバの回転の説明図である。
【図4】回転による回折パターンの位置の変化を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態を示す構成図である。
【図6】従来の光電変換部の構成を示す図である。
【図7】検出器の分割のようすを示す図である。
【図8】本発明の検出器を用いて取得したSTEM像を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る光検出部の構成例を示す図である。図6と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、25はカラム(鏡筒)でその内部は高真空に保たれている。1は透過電子(electron)を受けて光信号に変換するシンチレータ(YAP)である。20は該シンチレータ1と接続される光ファイバである。該光ファイバの水平面とシンチレータ1とは、例えば45°の角度になるように取りつけられている。
【0021】
29は該光ファイバ20を所定の位置で切断した切断部分である。この切断部分はシンチレータ1との接続部から所定距離だけ離れた位置に設けられている。この切断部分29には光学オイルが注入されており、切断点における光の損失を防止している。F1〜Fnは、光ファイバ20の端部を自由な形状で束にした光ファイバの束である。30は各光ファイバの束と接続された光検出器としての光電子増倍管(PMT)である。
【0022】
この実施の形態によれば、光伝導媒体に光ファイバを用いることで、自由に透過電子の検出領域を定義することができる。また、光ファイバ20のシンチレータ1とPMT30との接続部分を検出面の分割領域に応じて任意の形状、任意の数の光ファイバの束に加工することができる。また、この実施の形態では、シンチレータとの接続部から所定距離離れた位置で光ファイバを切断して、PMT30側の光ファイバを自由に回転できるので、回折パターンとPMT30との位置関係を容易に制御することができる。
【0023】
また、この実施の形態によれば、光ファイバ20の切断部分29に光学オイルを注入することで、切断部分の隙間を埋め、光ファイバを回転させる時の光情報の損失を防ぐことができる。また、この実施の形態によれば、光検出器として光電子増倍管(PMT)を用いることで、透過電子像を得るために、高速で安定な動作を可能とすることができる。
【0024】
図2は光ファイバの分割形状を示す図である。図に示す光ファイバケーブルの直径は16mmである。この内に配置された個々の光ファイバのサイズは6〜16μm程度である。図中に太い実線で描かれた線は、光ファイバの分割線である。この分割線のギャップAの大きさは、最大で150μm程度である。図では、種々の形状の光ファイバの束が形成されていることが分かる。
【0025】
図3は本発明による光ファイバの回転の説明図である。(a)は光ファイバの断面図を示している。図に示すように、光ファイバ40は複数の光ファイバ41を束ねて構成され
ている。そして、図の場合は光ファイバ40が4分割されている状態を示している。各分割された束42は、それぞれ光検出器30と接続される。即ち、分割された束42の数と同じ数だけの光検出器30が設けられていることになる。
【0026】
図3の(b)は光ファイバの回転の説明図である。図1と同一のものは、同一の符号を付して示す。光ファイバ20の一端はシンチレータ1と傾き45°程度で接合されている。この光ファイバ20は、所定の位置で切断される。図の29が切断部分である。この切断部分には損失軽減のために光学オイルが注入され結合される。
【0027】
光ファイバ20の切断された部分の反対側の光ファイバは、例えば(a)に示すように4分割される場合は、それぞれの分割された光ファイバの束がそれぞれ対応する光検出器30に接続される。この結果、それぞれの光検出器30は、それぞれの光ファイバの束を受けて光電変換する。光電変換された透過電子像は、それぞれの信号処理回路に入り、所定の信号処理が行われた後、表示部(図示せず)に透過電子像又は散乱電子像又は回折パターンとして表示されることになる。
【0028】
図4は回転による回折パターンの位置の変化を示す図である。図に示すように、光ファイバを回転させることにより、(a)に示す状態から(b)に示す状態への変更が行なわれる。(a)において、10は4分割検出器、11は回折パターンである。光ファイバ20を回転させることにより、(a)に示す状態から(b)に示すように回折パターン11と検出器10との対称性が制御されることになる。
【0029】
図5は本発明の一実施の形態を示す構成図であり、透過型電子顕微鏡の構成を示している。図において、60は透過型電子顕微鏡本体、50は該透過型電子顕微鏡本体60内に配置された試料である。なお、図では照射光学系と結像光学系のレンズは省略されている。eは電子ビームである。該電子ビームが試料50に照射されると、電子ビームは試料50を透過する。この透過された電子は、透過電子像又は散乱電子像又は回折パターンとしてシンチレータ1に入射される。
【0030】
該シンチレータ1は、入射された透過電子の量に応じた光信号を出力する。20は光信号に変換された透過電子像を伝導する光ファイバである。65は複数の光検出ユニット(PMT)30から構成される光検出器である。光ファイバ20から送られてきた透過電子像又は散乱電子像又は回折パターン対応した光信号は、光検出器65に入り、それぞれ対応したPMT30に入力される。
【0031】
PMT30は入力した光信号に応じた電気信号を発生させる。51は各PMT30からの電気信号を受けるチャネル(PMTの数)ごとにノイズ除去を行なうローパスフィルタ、52は該ローパスフィルタ51の出力を受けて、各PMTに応じたチャネル毎にデジタルデータに変換するA/D変換器、53は該A/D変換器52の出力を受けてローパスフィルタの周波数特性を変化させる周波数特性変更回路(PIO)である。54はデジタル信号を受けて対応するアナログ信号に変換するD/A変換器である。57は該D/A変換器54の出力を受けて、試料50への電子線の2次元方向のスキャンを制御するビームコントローラである。
【0032】
70は全体の動作を制御するパソコン、71は透過電子像を表示する他各種情報を表示する表示部である。該表示部71としては、例えばCRTや液晶表示器が用いられる。A/D変換器52の出力はパソコン70に入り、該パソコン70からD/A変換器54には制御信号が出力される。また、D/A変換器54からA/D変換器52に対して同期信号が出力される。55はパソコン70の出力を受けてPMT30毎のコントラストと明るさを制御するコントラスト・明かるさ調整器である。このように構成された装置の動作を説
明すれば、以下の通りである。
【0033】
ビームコントローラ57は2次元方向の走査信号を図示しない偏向器に入力し、1次電子eを2次元方向にスキャンする。これにより、試料50を透過した透過電子が得られる。この透過した電子はシンチレータ1に入射され、透過電子像又は散乱電子像又は回折パターンの光信号に変換される。シンチレータ1の光信号は、光ファイバ20を伝播し、光検出器65内のそれぞれ対応するPMT30に入力される。各PMT30は、自己に入射されてきた光信号を電気信号に変換する。
【0034】
各PMT30からの電気信号は、それぞれローパスフィルタ51に入り、各PMT30毎にノイズ除去を行なう。各PMTのことをチャネルと呼ぶことにする。ローパスフィルタ51により各チャネル毎に出力された透過電子像信号は、A/D変換器52に入り、デジタルデータに変換される。デジタルデータに変換されたA/D変換器52の出力は、パソコン70に入力される。
【0035】
パソコン70は、入力された画像データに基づき、入力画像データの信号処理を行ない、表示部71に表示する。この結果、表示部71に透過電子像又は散乱電子像又は回折パターンが得られることになる。一方、パソコン70は、D/A変換器54に所定の周期で制御信号を送る。該D/A変換器54からはビームコントローラ57に対して2次元走査のための位置制御信号が送られ、このD/A変換器54からA/D変換器52に対して同期信号が送られる。この結果、A/D変換器52はD/A変換器54に出力に同期したA/D変換を行なう。
【0036】
一方、A/D変換器52の出力を受けるPIO53からは、ローパスフィルタ51の周波数特性を変化させるための制御信号が出力される。該ローパスフィルタ51は、PMT30の出力に最適なフィルタリングを行なう。
【0037】
一方、透過型電子顕微鏡本体60では、電子銃(図示せず)から放出された電子eが照射光学系(図示せず)を通過した後、試料50に照射される。この時、試料50を透過した電子は結像光学系を経てシンチレータ1に照射される。該シンチレータ1は入射された透過電子に応じた光を発生させる。このシンチレータ1の出力光は、光ファイバ20を介して光検出器65に伝送される。
【0038】
この場合において、光ファイバ20は所定の位置Bで切断されており、光検出器65と共に自由に回転できる構成となっている。光ファイバの端部は、図に示すように光検出器65で分割されたPMT30に応じて分割された束となっており、この光ファイバの束が対応するPMT30に入射し、各PMT30は入射されてきた電子の透過像等に応じた電気信号を発生する。コントラスト・明るさ調整器55は、パソコン70から出力される制御信号に応じてPMT30の出力を調整し、最適なコントラストと明るさを持つ信号に信号処理する。そして、このPMT30から出力された電子の透過像信号又は散乱電子像又は回折パターンは、ローパスフィルタ51に入り、高周波ノイズ成分が除去されたものとなり、A/D変換器52に入力されることになる。
【0039】
以上のような一連の動作によれば、この実施の形態によれば、光伝導媒体に光ファイバを用いることで、自由に透過電子の検出領域を定義することができる。また、光ファイバ20のシンチレータ1とPMT30との接続部分を検出面の分割領域に応じて任意の形状、任意の数の光ファイバの束に加工することができる。また、この実施の形態では、シンチレータとの接続部から所定距離離れた位置で光ファイバを切断して、PMT30側の光ファイバを自由に回転できるので、回折パターンとPMT30との位置関係を容易に制御することができる。
【0040】
なお、上記の説明において、光ファイバからの光をPMTで検出する例を示したが、PMTの代わりにアバランシェフォトダイオードを用いてもよい。
また、図8(b)の1〜16の像は、Sri3を試料として観察した高分解能(原子分解能)STEM像である。それぞれのSTEM像1〜16は、図8(a)の検出器1〜16(上記図2に示した構造と同じ検出器)に相当する場所のシンチレーターで検出された電子の強度を、信号に変えて取得した走査像である。
【0041】
それぞれの分割箇所を用いたSTEM像を、本検出器を用いればこのように同時に撮影できる。今回提示した実験像の例では、1〜4の検出器の場所から構築したSTEM像は明視野像になるように、集束絞りの影の内側を通り抜ける電子を1〜4のシンチレーター部にて取得する設定とした。5〜16の検出器の場所から構築したSTEM像は暗視野像となる。それぞれの箇所から得られたSTEM像は、取得箇所に依存した結晶学的情報や電子光学的な情報を含んでおり、これらの像を用いれば材料科学的に多くの知見が原子尺度で得られる。
【0042】
以上説明した本発明の効果を列挙すれば、以下のとおりである。
1)ライトガイドや中空パイプではなく、光ファイバの束を用いることで、自由に検出領域を定義できるようになった。
2)光ファイバの束の形状・サイズ・配置を制御することで、従来のSTEM検出器を角度・方向分解した多チャネル検出器の作製が可能となった。
3)ファイバカップリング(シンチレータとPMTを光ファイバでつなぐこと)とPMTを利用することで、光検出器にCCDを用いた場合に比べて、高感度に信号を検出することができるようになった。そのため、原子レベルの超高分解能観察が可能となった。その理由は、PMTがCCDに比較して応答が速く、増幅率が高い(2〜3桁)ためである。4)電子線の散乱位置情報が得られるため、STEM像定量評価、局所ドーパント組成解析、原子配列歪計測、ナノ欠陥構造分布解析、局所フォノン解析等、従来困難であった信号検出を可能にすることができるようになった。
5)ファイバ束を分割して、回転機構を導入すると、回折パターンと検出器の分割との位置関係を容易に制御することができるようになった。
6)また、様々な方位の結晶や異方性を有する結晶に対して、結晶構造と検出器の方位関係を高精度に制御して観察することが可能になった。
【符号の説明】
【0043】
1 シンチレータ
20 光ファイバ
25 カラム
29 切断部分
30 光電子増倍管(PMT)
F1〜Fn 光ファイバの束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を透過した透過電子から高角度散乱像や暗視野像を得るようにした透過型電子顕微鏡において、
試料を透過した透過電子信号を光信号に変換するシンチレータと、該シンチレータの光信号出力を光検出器に接続する光ファイバとを具備し、
該光ファイバの光検出器との接続部分を任意の形状に加工したことを特徴とする透過型電子顕微鏡。
【請求項2】
前記光ファイバの光検出器との接続部分を検出面の分割領域に応じて、複数の光ファイバの束に加工したことを特徴とする請求項1記載の透過型電子顕微鏡。
【請求項3】
前記光ファイバのシンチレータとの接続部分から所定距離離れた位置で光ファイバを切断し、該切断位置で光検出器側の光ファイバを回転できるように構成したことを特徴とする請求項2記載の透過型電子顕微鏡。
【請求項4】
前記切断部分に光学オイルを注入したことを特徴とする請求項3記載の透過型電子顕微鏡。
【請求項5】
前記光検出器は光電子増倍管又はアバランシェフォトダイオードであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の透過型電子顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−212233(P2010−212233A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26242(P2010−26242)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】