説明

透過試験装置

【課題】ウェルプレートのウェルを所望の容積に調整可能な透過試験装置を提供する。
【解決手段】レシーバー液体Rを受け入れ可能な複数のウェルWを有するウェルプレート10と、ウェルプレート10の上部に配置可能で、ウェルプレート10のウェルWと上下に連なるように複数のプレート設置部21が設けられたスペーサー20と、両端部が開口した筒状部31及び筒状部31の一方の端部から外側に向かって延ばされた支持部32を有し、筒状部31の他方の端部には開口を封するように透過膜33が接着可能で、プレート設置部21を介して筒状部31の他方の端部がウェルW内に挿入されて支持部32がスペーサー20と接触して筒状部31を支持する膜保持部材30とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の透過性を試験する透過試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品や化粧品等に利用される物質の研究において、研究対象となる試料の透過性を試験するために、HTS(ハイスループットスクリーニング)が行われている。HTSでは複数種類の試料が平行して試験されるため、特定の化合物を高速に発見可能となる。通常、HTSでは、複数のウェルを有するウェルプレートを利用する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特表2004−531267
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
透過性を有する膜に対して試料の透過性を試験するために、レシーバー液体が注入されたウェルプレートに、ドナー液体が注入された膜保持部材を設置する。膜保持部材底部は透過性を有する膜が接着されており、膜保持部材をウェルプレートのウェル内に挿入して試料の透過性を試験する。このとき、膜保持部材とウェルプレートの大きさが合わず、注入すべきレシーバー液体に対して所望の容積が得られないことがある。
【0004】
そこで、本発明はウェルプレートのウェルを所望の容積に調整可能な透過試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の透過試験装置は、レシーバー液体(R)を受け入れ可能な複数のウェル(W)を有するウェルプレート(10)と、前記ウェルプレートの上部に配置可能で、前記ウェルプレートのウェルと上下に連なるように複数の孔部(21)が設けられたスペーサー(20)と、両端部が開口した筒状部(31)及び該筒状部の一方の端部から外側に向かって延ばされた支持部(32)を有し、前記筒状部の他方の端部には開口を封するように透過性を有する膜(33)が接着可能で、前記孔部を介して前記筒状部の他方の端部が前記ウェル内に挿入されて前記支持部が前記スペーサーと接触して前記筒状部を支持する膜保持部材(30)と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0006】
本発明の透過試験装置によれば、膜保持部材は、ウェルプレートに対してスペーサーを挟んだ状態で設置される。膜保持部材の筒状部は支持部とスペーサーとが接触することにより支持されて、スペーサーの厚みの分だけウェルと膜との間の距離が長くなり、レシーバー液体の占め得る領域が増える。これにより、ウェルプレートのウェルを所望の容積に調整できる。
【0007】
本発明の透過試験装置の一形態において、前記スペーサーは、前記複数の孔部のそれぞれの近傍に設けられた位置決め部(23)を有し、前記位置決め部は、前記スペーサーに支持された膜保持部材を位置決めしてもよい。この形態によれば、スペーサーに対して膜保持部材の位置が位置決めされる。従って、膜保持部材をスペーサーの所定の位置に設置することができる。よって、安定した透過試験ができる。
【0008】
本発明の透過試験装置の一形態において、前記位置決め部は突起(23)であり、前記膜保持部材の支持部には前記突起と嵌合可能な嵌合部(34)が設けられていてもよい。この形態によれば、スペーサーの突起と膜保持部材の支持部に設けられた嵌合部とを嵌合させることで位置決めすることができる。
【0009】
本発明の透過試験装置の一形態において、前記孔部の大きさは該孔部と上下に連なるウェルの開口より小さく、前記スペーサーは、前記孔部の一部を切り欠いて設けられた切欠き部(22)を備えてもよい。この形態によれば、ウェルの開口よりもスペーサーの孔部の方が小さいので、レシーバー液体の蒸散を防止することができる。また、切欠き部が設けられているので蒸散を防止しつつ、レシーバー液体を注入、又は取り出すことができる。
【0010】
本発明のスペーサーは、レシーバー液体(R)を受け入れ可能な複数のウェル(W)を有するウェルプレート(10)に組み合わされるスペーサー(20)であって、前記ウェルプレートのウェルと上下に連なるように複数の孔部(21)が設けられていることにより上記課題を解決する。
【0011】
本発明のスペーサーによれば、ウェルプレートの上部にスペーサーを設置することで、スペーサーの厚みの分だけウェルとウェルプレートに組み合わされるべき膜保持部材との間の距離が長くなり、レシーバー液体の占め得る領域が増える。これにより、ウェルプレートのウェルを所望の容積に調整できる。
【0012】
本発明の膜保持部材は、レシーバー液体(R)を受け入れ可能な複数のウェル(W)を有するウェルプレート(10)及び前記ウェルプレートの上部に配置可能で前記ウェルプレートのウェルと上下に連なるように複数の孔部(21)が設けられたスペーサー(20)に組み合わされる膜保持部材であって、両端部が開口した筒状部(31)と、該筒状部の一方の端部から外側に向かって延ばされた支持部(32)と、を備え、前記筒状部の他方の端部には開口を封するように培養膜組織(33)が接着可能で、前記孔部を介して前記筒状部の他方の端部が前記ウェル内に挿入されて前記支持部が前記スペーサーと接触して支持されることにより上記課題を解決する。
【0013】
本発明の膜保持部材によれば、膜保持部材は、ウェルプレートに対してスペーサーを挟んだ状態で設置される。膜保持部材の筒状部は支持部とスペーサーとが接触することにより支持されて、スペーサーの厚みの分だけウェルと培養膜組織との間の距離が長くなり、レシーバー液体の占め得る領域が増える。これにより、ウェルプレートのウェルを所望の容積に調整できる。
【0014】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
以上に説明したように、本発明の透過試験装置によると、膜保持部材は、ウェルプレートに対してスペーサーを挟んだ状態で設置される。スペーサーに対して膜保持部材が支持部により支持されることで、スペーサーの厚みの分だけウェルと膜との間の距離が長くなり、レシーバー液体の占め得る領域が増える。これにより、ウェルプレートのウェルを所望の容積に調整できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の一形態に係る透過試験装置を示す概略図である。透過試験装置1は、試料の透過性を試験するウェルプレートユニット2と、ウェルプレートユニット2内の試料を攪拌するための攪拌装置3とを備える。ウェルプレートユニット2についての詳細は後述する。攪拌装置3は、ウェルプレートユニット2を載置する載置部4と、載置部4上に設置されてウェルプレートユニット2に熱を供給する熱供給プレート5とを備える。載置部4は、図示しない駆動装置により所定の振幅で揺動する。水平方向で少なくとも一つの方向に揺動すればよい。例えば、直線往復運動や水平回転運動するように載置部5を駆動すればよい。駆動装置としては、電動モータ等が利用される。熱供給プレート5は、熱伝導性のよい素材、例えば金属等で構成される。図示の例では、熱供給プレート5は載置部4上に1つ設置されている。攪拌装置3は、内部に図示しない温度調整装置を備え、その温度調整装置により熱供給プレート5に対して熱が供給される。熱供給プレート5には、熱供給プレート5を囲む仕切り6が設けられている。仕切り6は、熱供給プレート5に載置されるウェルプレートユニット2を保持する。これにより、攪拌装置3の揺動によるウェルプレートユニット2の移動を制限する。
【0017】
図2はウェルプレートユニット2の斜視図であり、図3はその側面図である。ウェルプレートユニット2は、レシーバー液体Rを受け入れ可能なウェルプレート10と、ウェルプレート10の上部に配置されるスペーサー20と、スペーサー20の上部に配置されてドナー液体Dを受け入れ可能な膜保持部材30と、膜保持部材30を覆う蓋40とを備える。レシーバー液体R及びドナー液体Dは、透過試験のために調製された試料を用いる。
【0018】
図4はウェルプレート10の上面図である。ウェルプレート10は、マトリクス状に並べられた複数のウェルWを有する。図示のウェルプレート10は12個のウェルWを有している。各ウェルWは略円筒状で、ウェル上部W1は開口が形成され、かつウェル底部W2は閉じている。ウェル上部W1からレシーバー液体Rを注入可能である。ウェル底部W2の直径は、ウェル上部W1の直径よりも若干小さい。ウェルプレート10は、各種市販のウェルプレートを利用してもよい。
【0019】
ウェル底部W2にはそれぞれ仕切り11が複数設けられる。各仕切り11にはそれぞれ攪拌球Bがひとつずつ入れられている。仕切り11はリング形状で、攪拌球Bは移動領域11a内を移動する。図示の例では、ひとつのウェル底部W2に3つの仕切り11が設けられている。仕切り11は、例えばガラスといった、薬物の吸着がない素材で形成され、ウェル底部W2に接着されている。なお、ウェルプレート10と一体的に形成してもよい。攪拌球Bは、球状で、白金により形成される。仕切り11の高さは、攪拌球Bの移動を制限できる程度であればよい。攪拌球Bの大きさは、仕切り11内で回転移動可能な程度の大きさであればよい。
【0020】
図5はスペーサー20の上面図である。スペーサー20は、板状の部材で、ウェルプレート10に設置したときにウェルWと上下に連なるように設けられた孔部としてのプレート設置部21を複数備える。プレート設置部21は、ウェル上部W1の直径より小さい直径の円形の孔で、膜保持部材30を設置可能である。設置された膜保持部材30の外周とウェルWの内周との間には空隙が形成される。レシーバー液体Rの蒸散防止のため、膜保持部材30とプレート設置部21との間に無駄な空隙ができない大きさにプレート設置部21の直径を決定してもよい。また、スペーサー20の板厚Tは、ウェルWの大きさと膜保持部材30の大きさとの関係により所望の厚みに決定される。
【0021】
プレート設置部21には、レシーバー液体Rを採取可能な切欠き部22が設けられる。切欠き部22は、プレート設置部21の一部を切り欠いて形成される。レシーバー液体Rを採取するピペットPが挿入可能な大きさであればよい。切欠き部22を利用して、膜保持部材30を設置したままピペットPでレシーバー液体Rが取り出される。なお、ピペットPの他に、各種市販の自動装置を利用してレシーバー液体Rを取り出してもよい。また、切欠き部22からレシーバー液体Rの注入をしてもよい。プレート設置部21の近傍には、膜保持部材30を位置決めする位置決め部としての凸部23が設けられている。凸部23は、スペーサー20の上側表面に設けられた突起で、膜保持部材30の移動を制限する。凸部23は、一体成型によりスペーサー20に設けてもよい。また、突起部材を接着することによりスペーサー20に設けてもよい。
【0022】
図6は膜保持部材30の側面図であり、図7は膜保持部材30の上面図である。膜保持部材30は、両端部が開口した筒状部31と、筒状部31の一方の端部から外側に向かって延ばされた支持部32とを備え、筒状部31の内部には単一のフィルターウェルWfが形成されている。筒状部31の他方の端部には、透過性を有する膜としての透過膜33が開口を封するように接着されている。透過膜33として、例えば、ラット等の生物から摘出した皮膚や、人工膜、培養膜組織等が利用される。培養膜組織とは、細胞を培養することによって得られる膜状の組織のことをいい、培養皮膚や培養角膜などが挙げられる。他方の端部に透過膜33が接着された状態で、一方の端部からドナー液体Dが注入可能である。
【0023】
支持部32がスペーサー20と接触して筒状部31をウェルW内に支持することで、スペーサー20の板厚Tの分だけウェル底部W2と透過膜33との距離が長くなり、レシーバー液体Rの容積が増える。支持部32は、嵌合部としての切欠き部34を有する。この切欠き部34がスペーサー20の凸部23と嵌合可能である。また、フィルターウェルWfの外周には、ウェルWの内周に対してがたつきを抑える凸部35が設けられている。これにより、ウェルWの内周とフィルターウェルWfの外周との間隔を保って、安定してレシーバー液体Rが取り出される。プレート設置部21に膜保持部材30を設置する際、凸部35を切欠き部22に逃がすことにより通過させることができる。また、図示のように凸部35を複数設けた場合、切欠き部22では逃がすことができない凸部35に対応する切欠き部24をプレート設置部21に設けることにより、凸部35を逃がしてもよい。
【0024】
蓋40は、レシーバー液体R及びドナー液体Dの蒸散を防止する。蓋40は、ウェルプレート10にスペーサー20及び膜保持部材30が設置された状態で蓋をすることができる。また、蓋40は、ウェルプレート10のみを対象にして蓋をすることも可能である。
【0025】
次に本発明の一形態に係る透過試験装置1を利用した試験の手順について説明する。まず、ウェルプレートユニット2での準備を説明する。ウェルプレート10の各ウェルWの仕切り11のそれぞれに攪拌球Bを配置して、各ウェルWにレシーバー液体Rを注入する。ウェルプレート10の上部にスペーサー20を所定の位置に設置する。各ウェルWと各プレート設置部21とがそれぞれ対応する位置に設置すればよい。透過膜33が接着されたフィルターウェルWfにドナー液体Dが注入された膜保持部材30を設置個数分用意して、各プレート設置部21に各膜保持部材30を設置する。スペーサー20の切欠き部22、24から膜保持部材30の凸部35を通過させた後、膜保持部材30を回転させて、切欠き部34とスペーサー20の凸部23とを嵌合させる。これにより、膜保持部材30がスペーサー20に対して位置決めされる。なお、スペーサー20に予め膜保持部材30を設置した後に、ウェルプレート10にスペーサー20及び膜保持部材30を設置してもよい。
【0026】
準備が終了したウェルプレートユニット2は、攪拌装置3の熱供給プレート5に載置される。熱供給プレート5は、所定の温度に設定されてウェルプレート10を加温する。そして、攪拌装置3により載置部4に載置されたウェルプレートユニット2が振動する。これにより、攪拌球BがウェルWの仕切り11内を回転移動して、レシーバー液体Rが攪拌される。透過試験の目的に応じて攪拌に要する時間は設定される。なお、透過膜33が培養膜組織であれば、その細胞が破壊されない程度の速度と振幅で振動させるとよい。膜保持部材30の凸部35が振動の際のがたつきを防止する。攪拌中、各膜保持部材30に注入された試料の透過膜33に対する透過性が試験される。所定の時間の後、攪拌が終了される。複数のウェルWのレシーバー液体Rがそれぞれ採取されて試料の透過度が測定される。
【0027】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。本形態では、攪拌装置3の載置部4に熱供給プレート5が1つ設置された例で説明したが、これに限定されない。例えば、複数の熱供給プレートを設けた攪拌装置を利用してもよい。
【0028】
本形態では、攪拌装置3によりウェルプレートユニット2を振動させて攪拌球BがウェルW内を回転移動することでレシーバー液体Rを攪拌したが、これに限定されない。例えば、攪拌装置としてマグネチックスターラーや電磁スターラー等の各種周知技術を利用したスターラーを用いてもよい。各種スターラーによってウェルWのそれぞれに入れられた回転子が回転されるのでレシーバー液体を攪拌できる。
【0029】
ウェルWが12個設けられたウェルプレート10で説明したがこれに限定されない。例えば、6個、24個、48個又は96個等の比較的大きなウェルを有するウェルプレートを利用してもよい。これらの場合においても、スペーサーによりウェルプレートと膜保持部材の間の距離が長くなり、レシーバー液体Rの容積を増やすことができる。
【0030】
ウェルに入れられる攪拌球の大きさは、ウェルの大きさに応じて決定すればよい。攪拌装置による揺動の振幅に応じて決定してもよい。また、ウェルの大きさに応じた数の攪拌球を入れてもよい。実験条件により攪拌球の数を増減してもよい。ウェルの大きさに応じて、適する大きさの仕切りを設けてもよいし、必要なければ仕切りがなくてもよい。
【0031】
また、仕切り11に換えて攪拌球の移動を制限する制限部材を設けてもよい。例えば、図8に制限部材50を示す。制限部材50は、ウェル底部に配置可能な大きさの板形状で、攪拌球Bの移動を制限する穴部51が設けられる。穴部51は、板面52に対して凹んだ形状であってもよいし、又は貫通していてもよい。穴部51はリング形状で、攪拌球Bは移動領域51a内を移動する。穴部51の形状はリング形状に限らず、例えば、楕円形状や、多角形状であってもよい。
【0032】
攪拌球Bの形状は球に限定されない。例えば、円盤形状や楕円形状であってもよい。攪拌装置3による揺動により移動可能な形状であれば、いずれの形状でもよい。また、攪拌球Bの素材として白金を利用した例で説明したが、これに限定されない。例えば、ガラスやステンレスといった薬物の吸着がない材料で形成されていてもよい。また、比較的質量の大きい金属をフッ素樹脂で覆ってもよい。回転安定性及び耐薬品性を高めることができる。
【0033】
スペーサー20と膜保持部材30との位置決めをスペーサー20の凸部23と膜保持部材30の切欠き部34との嵌合により位置決めされる例で説明したが、これに限定されない。例えば、膜保持部材30に凸部23と嵌合可能な凹部を設けて位置決めしてもよい。また、スペーサー20及び膜保持部材30に互いに噛み合う溝を設けて位置決めしてもよい。位置決め可能であれば、位置決め部はいずれの形状でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一形態に係る透過試験装置を示す概略図。
【図2】ウェルプレートユニットの斜視図。
【図3】ウェルプレートユニットの側面図。
【図4】ウェルプレートの上面図。
【図5】スペーサーの上面図。
【図6】膜保持部材の側面図。
【図7】膜保持部材の上面図。
【図8】制限部材の斜視図。
【符号の説明】
【0035】
1 透過試験装置
2 ウェルプレートユニット
3 攪拌装置
10 ウェルプレート
20 スペーサー
21 プレート設置部(孔部)
30 膜保持部材
32 支持部
33 透過膜(膜)
B 攪拌球
D ドナー液体
R レシーバー液体
W ウェル
Wf フィルターウェル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシーバー液体を受け入れ可能な複数のウェルを有するウェルプレートと、
前記ウェルプレートの上部に配置可能で、前記ウェルプレートのウェルと上下に連なるように複数の孔部が設けられたスペーサーと、
両端部が開口した筒状部及び該筒状部の一方の端部から外側に向かって延ばされた支持部を有し、前記筒状部の他方の端部には開口を封するように透過性を有する膜が接着可能で、前記孔部を介して前記筒状部の他方の端部が前記ウェル内に挿入されて前記支持部が前記スペーサーと接触して前記筒状部を支持する膜保持部材と、
を備えた透過試験装置。
【請求項2】
前記スペーサーは、前記複数の孔部のそれぞれの近傍に設けられた位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記スペーサーに支持された膜保持部材を位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の透過試験装置。
【請求項3】
前記位置決め部は突起であり、前記膜保持部材の支持部には前記突起と嵌合可能な嵌合部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の透過試験装置。
【請求項4】
前記孔部の大きさは該孔部と上下に連なるウェルの開口より小さく、前記スペーサーは、前記孔部の一部を切り欠いて設けられた切欠き部を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の透過試験装置。
【請求項5】
レシーバー液体を受け入れ可能な複数のウェルを有するウェルプレートに組み合わされるスペーサーであって、
前記ウェルプレートのウェルと上下に連なるように複数の孔部が設けられていることを特徴とするスペーサー。
【請求項6】
レシーバー液体を受け入れ可能な複数のウェルを有するウェルプレート及び前記ウェルプレートの上部に配置可能で前記ウェルプレートのウェルと上下に連なるように複数の孔部が設けられたスペーサーに組み合わされる膜保持部材であって、
両端部が開口した筒状部と、該筒状部の一方の端部から外側に向かって延ばされた支持部と、を備え、前記筒状部の他方の端部には開口を封するように培養膜組織が接着可能で、前記孔部を介して前記筒状部の他方の端部が前記ウェル内に挿入されて前記支持部が前記スペーサーと接触して支持されることを特徴とする膜保持部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−275346(P2008−275346A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116134(P2007−116134)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(501028541)株式会社フロンティア・サイエンス (3)
【出願人】(507138103)株式会社ライフサイエンスエージェント (3)
【出願人】(399051858)株式会社 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング (21)
【Fターム(参考)】