説明

通信カラオケシステム

【課題】 入曲リクエストを合理化する通信カラオケシステムを提供する。
【解決手段】 通信カラオケ装置12は、CD24に記憶された情報を読み取るCD読取部40と、そのCD読取部40により読み取られる内容から演奏曲に関する情報を抽出する抽出手段112と、その抽出手段116により抽出された情報に基づいて演奏曲データベース88にCD24を照会する照会手段114と、予め定められた演奏曲データベース88の記憶内容とカラオケデータベース90の記憶内容との関連付け情報に基づく、照会手段114による照会に係るCD24収録各曲に対応するカラオケ情報の有無に関する情報を取得する取得手段116とを、有するものであることから、CD24に記憶された演奏曲のうち入曲リクエストの対象となり得る未だカラオケ情報として作成されていない演奏曲を迅速且つ確実に把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線を介して演奏曲に関する情報を取得できる通信カラオケ装置を用いた通信カラオケシステムに関し、特に、入曲リクエストを合理化するための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させる音楽再生装置が知られている。例えば、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置がそれである。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された多数のカラオケ演奏曲から選択された所定のカラオケ演奏曲の音楽情報を出力させると共に、そのカラオケ演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
【0003】
斯かるカラオケ装置の一態様として、通信回線を介して演奏曲に関する情報を取得できる通信カラオケ装置が実用されている。この通信カラオケ装置は、公衆電話回線等を介して所定のカラオケサービス提供会社のサーバ(センタ装置)と接続されることで、そのサーバとの間で相互に情報の遣り取りが可能とされ、新曲のカラオケ情報等が適宜ダウンロードされるようになっている。このような通信カラオケシステムでは、新しい演奏曲に対応するカラオケ情報が随時作成され、上記サーバにダウンロード可能に入曲(登録)されるようになっている。この入曲に関して、カラオケサービス提供会社は一般に、葉書やインターネットを介してユーザから入曲リクエストを受け付けているが、その入曲リクエストを行うユーザの側では、入曲を希望する演奏曲の旋律は知っているが名前はわからなかったり、既に入曲されている演奏曲を重複してリクエストしてしまったりと不具合が多かった。そこで、通信カラオケシステムによる入曲リクエストを合理化する技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載されたカラオケ演奏装置がそれである。この技術によれば、デジタル放送の番組関連データから抽出した文字列を検索キーとしてカラオケ情報を検索し、該当する演奏曲がカラオケ情報として入曲されていない場合にはその演奏曲の情報をサーバに送信することで、合理的な入曲リクエスト受付を実現できるとされている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−215304号公報
【0005】
しかし、前記従来の技術は、デジタル放送の番組で流れた曲のリクエストを前提としており、デジタル放送受信機能を有しない一般的な通信カラオケ装置における入曲リクエストには用いることができず、汎用性がなかった。すなわち、入力リクエストを合理化する通信カラオケシステムは、未だ開発されていないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、入曲リクエストを合理化する通信カラオケシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させると共に、通信回線を介してそれら演奏曲に関する情報を取得できる通信カラオケ装置を用いた通信カラオケシステムであって、多数の演奏曲を識別するための情報を記憶する演奏曲データベースと、前記通信カラオケ装置により前記演奏曲を出力させるための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベースと、前記通信回線を介して前記演奏曲データベース及びカラオケデータベースとの間で情報の通信を行い得る通信端末装置とを、備え、その通信端末装置は、所定の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取手段と、その読取手段により読み取られる前記記憶媒体の記憶内容から演奏曲に関する情報を抽出する抽出手段と、その抽出手段により抽出された演奏曲に関する情報に基づいて前記演奏曲データベースにその演奏曲を照会する照会手段と、その照会手段による照会と同期乃至前後して、予め定められた前記演奏曲データベースの記憶内容とカラオケデータベースの記憶内容との関連付け情報に基づく、前記照会に係る演奏曲に対応するカラオケ情報の有無に関する情報を取得する取得手段とを、有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、多数の演奏曲を識別するための情報を記憶する演奏曲データベースと、前記通信カラオケ装置により前記演奏曲を出力させるための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベースと、前記通信回線を介して前記演奏曲データベース及びカラオケデータベースとの間で情報の通信を行い得る通信端末装置とを、備え、その通信端末装置は、所定の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取手段と、その読取手段により読み取られる前記記憶媒体の記憶内容から演奏曲に関する情報を抽出する抽出手段と、その抽出手段により抽出された演奏曲に関する情報に基づいて前記演奏曲データベースにその演奏曲を照会する照会手段と、その照会手段による照会と同期乃至前後して、予め定められた前記演奏曲データベースの記憶内容とカラオケデータベースの記憶内容との関連付け情報に基づく、前記照会に係る演奏曲に対応するカラオケ情報の有無に関する情報を取得する取得手段とを、有するものであることから、前記記憶媒体に記憶された演奏曲のうち入曲リクエストの対象となり得る未だカラオケ情報として作成されていない演奏曲を迅速且つ確実に把握することができる。すなわち、入曲リクエストを合理化する通信カラオケシステムを提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記通信端末装置は、対応する演奏曲を指定して前記カラオケデータベースに入曲されるカラオケ情報の入曲リクエストを送信する送信手段を有し、その送信手段は、前記取得手段により前記カラオケデータベースに対応するカラオケ情報が無いという情報が取得された演奏曲のうち指定される何れかの演奏曲乃至全演奏曲を前記入曲リクエストとして送信するものである。このようにすれば、前記記憶媒体に記憶された演奏曲のうち入曲リクエストの対象となり得る未だカラオケ情報として作成されていない演奏曲の何れか乃至全曲を簡単に入曲リクエストできるという利点がある。
【0010】
また、好適には、前記通信端末装置は、前記通信カラオケ装置である。このようにすれば、前記通信カラオケ装置により読み取られる記憶媒体に記憶された演奏曲のうち入曲リクエストの対象となり得る未だカラオケ情報として作成されていない演奏曲を迅速且つ確実に把握することができるという利点がある。
【0011】
また、好適には、前記通信端末装置は、パーソナルコンピュータである。このようにすれば、パーソナルコンピュータにより読み取られる記憶媒体に記憶された演奏曲のうち入曲リクエストの対象となり得る未だカラオケ情報として作成されていない演奏曲を迅速且つ確実に把握することができるという利点がある。
【0012】
また、好適には、前記関連付け情報は、前記演奏曲データベースに記憶されたものである。このようにすれば、前記通信端末装置により実用的な態様で前記関連付け情報を取得できるという利点がある。
【0013】
また、好適には、前記関連付け情報は、前記カラオケデータベースに記憶されたものである。このようにすれば、前記通信端末装置により実用的な態様で前記関連付け情報を取得できるという利点がある。
【0014】
また、好適には、前記関連付け情報は、前記通信端末装置に記憶されたものである。このようにすれば、予め前記関連付け情報を前記通信端末に記憶しておくことで、前記演奏曲データベース及びカラオケデータベースの内容を変更することなく入曲リクエストを合理化できるという利点がある。
【0015】
また、好適には、前記演奏曲データベース及びカラオケデータベースは、それぞれ個別のサーバに備えられたものである。このようにすれば、負荷を分散させることで処理速度に優れた通信カラオケシステムを実現できるという利点がある。
【0016】
また、好適には、前記演奏曲データベース及びカラオケデータベースは、同一のサーバに備えられたものである。このようにすれば、前記演奏曲データベース及びカラオケデータベースを一元管理することで利便性の高い通信カラオケシステムを実現できるという利点がある。
【0017】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一実施例である通信カラオケシステム10を説明する図である。この図1に示すように、本実施例の通信カラオケシステム10は、通信端末装置である通信カラオケ装置12と、例えばカラオケサービス提供会社が管理する情報処理装置である第1サーバ14及び第2サーバ16とが、通信回線20に接続されて構成されている。この通信回線20は、例えば公衆電話回線を用いた非対称デジタル通信回線等によるブロードバンドネットワークであり、図1に示すように、通信端末装置である一般的な家庭用パーソナルコンピュータ18も接続され得る。これにより、上記通信回線20を介して上記通信カラオケ装置12、第1サーバ14、第2サーバ16、及びパーソナルコンピュータ18相互間で電子的な情報の送受信が可能とされている。ここで、好適には、上記通信回線20とは別に上記第1サーバ14及び第2サーバ16相互間を接続する専用回線が設けられており、その第2サーバ16から第1サーバ14へ直接的に情報のアップロードが可能とされている。
【0019】
上記通信カラオケ装置12は、例えばCRT(Cathode-Ray Tube)やPDP(Plasma Display Panel)等の映像表示機能及び音声出力機能を有する出力装置22に有線又は無線により接続され、その出力装置22を音声出力装置としてCD(Compact Disc)24等の記憶媒体の記憶内容である演奏パッケージに収録された複数の演奏曲を個々に出力させると共に、上記出力装置22を映像出力装置としてその演奏曲に対応する歌詞文字映像を表示させることで、上記CD24等に記憶された演奏曲のカラオケ演奏を可能とするものである。なお、本実施例では、演奏出力及び映像表示何れをも上記出力装置22を介して行う態様について説明するが、映像表示のみ上記出力装置22を介して行い、演奏出力に関しては上記通信カラオケ装置12の処理により行う態様も考えられる。斯かる態様では、音声出力装置であるスピーカ等が以下に詳述する構成に加えて上記通信カラオケ装置12に設けられる。
【0020】
図2は、前記通信カラオケ装置12の構成を説明する図である。この図2に示すように、前記通信カラオケ装置12は、中央演算処理装置であるCPU26と、読み出し専用メモリであるROM28と、随時書き込み読み出しメモリであるRAM30と、操作パネル32と、リモコン受信部34と、上記CD24を収容するためのCDスロット36と、CD駆動部38と、読取手段であるCD読取部40と、CD再生部42と、ボーカルキャンセラ50と、モデム52と、MIDI音源54と、演奏調整部56と、音声入力装置であるマイクロフォン58と、A/Dコンバータ60と、アンプミキサ62と、ビデオボード64と、上記出力装置22に接続するためのインターフェイス66とを、備えて構成されている。
【0021】
上記CPU26は、上記RAM30の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM28に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータであり、上記CDスロット36に収容されたCD24の再生を行ったり、斯かる演奏曲の再生に同期してその演奏曲の歌詞情報に基づく歌詞文字映像(歌詞テロップ)を生成したり、それら演奏及び映像を前記出力装置22を介して出力させたり、前記通信回線20を介した前記第1サーバ14や第2サーバ16等との間の情報通信制御等の基本的な制御に加え、後述する入曲リクエスト制御を実行する。
【0022】
前記操作パネル32は、前記CD再生部42やMIDI音源54等により再生される演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種演奏調整を行ったり、演奏が所望される演奏曲の選曲番号を入力する等、前記通信カラオケ装置12によるカラオケ演奏に関する様々な操作を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記通信カラオケ装置12には、前記操作パネル32の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置68が備えられており、前記リモコン受信部34は、そのリモコン装置68から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU26へ供給する。
【0023】
前記CD駆動部38は、前記CDスロット36に収容されたCD24をその軸心まわりに回転させるためにスピンドル(駆動軸)を回転させるスピンドルモータを主体とするものであり、前記CPU26からの指令に従い所定の回転速度で前記CD24を回転させる。また、前記CD読取部40は、前記CD24へレーザー光を照射すると共に反射光を受光してそのCD24の記憶内容を読み取る光学ヘッド(pick up head)と、その光学ヘッドを前記CD24の径方向に往復駆動するスライダモータとを、備えており、記憶媒体であるCD24に記憶された情報を読み取る読取手段(読取装置)として機能する。前記CD再生部42は、前記CD読取部40により読み取られた演奏データに基づいて音楽を演奏(再生)する演奏手段であり、前記CD24に収録された曲の演奏では、前記CDスロット36に収容されたCD24が前記CD駆動部38により回転させられ、そのCD24の記憶内容である演奏データが前記CD読取部40により読み取られて、その演奏データに基づく演奏が前記CD再生部42により再生される。
【0024】
前記ボーカルキャンセラ50は、前記CD再生部42により再生された演奏に含まれるボーカルパートを除去(キャンセル)する。具体的には、入力される音楽データの周波数帯域中央における所定の周波数帯域を除去して出力する。斯かる処理により、前記CD再生部42により再生された演奏からオリジナルアーティストの歌唱が除かれ、楽器等の演奏音のみから成る演奏が前記ボーカルキャンセラ50から出力される。
【0025】
前記モデム52は、前記通信カラオケ装置12を前記通信回線20に接続するための装置であり、前記CPU26から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線20に送り出すと共に、その通信回線20を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU26に供給する処理を行う。後述する演奏曲の照会や入曲リクエスト等は、このモデム52を介して行われる。また、前記操作操作パネル32やリモコン装置68等を介して所定の選曲番号が入力された場合、前記モデム52を介して前記第2サーバ16からその選曲番号に対応する演奏曲のMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ及び歌詞情報がダウンロードされる。前記MIDI音源54は、そのようにして取得されたMIDIデータに基づいて音楽を演奏(再生)する演奏手段である。
【0026】
前記演奏調整部56は、前記ボーカルキャンセラ50又はMIDI音源54から出力される演奏に関して種々の調整を行う。具体的には、前記操作パネル32やリモコン装置68等を介しての操作に応じて演奏曲の音程、音量、演奏速度、エコー、トーン等の各種調整を行う。また、前記アンプミキサ62は、この演奏調整部56により調整された演奏(音楽データ)と、前記A/Dコンバータ60を介して前記マイクロフォン58から入力された音声情報とを合成(ミキシング)する音声合成装置であり、前記通信カラオケ装置12によるカラオケ演奏において前記マイクロフォン58により入力された利用者の歌唱(歌声)は、このアンプミキサ62により前記演奏と合成され、前記インターフェイス44を介して前記出力装置22へ送られ、その出力装置22におけるスピーカ等から出力される。なお、前記マイクロフォン58は、好適には、前記通信カラオケ装置12に着脱可能に備えられたものであり、或いは赤外線等により無線接続されるものであってもよい。
【0027】
前記ビデオボード64は、前記CPU26からの指令に応じて映像表示(描画)に関する処理を行う。具体的には、前記インターフェイス66を介して前記出力装置22の画面に所定の映像を表示させる。例えば、前記CPU26により生成された歌詞文字映像を表示させると共に、その歌詞文字映像を経時的に色替えしていく等の歌詞文字映像表示処理や、その歌詞文字映像の背面側レイヤに所定の背景映像を表示させる等の背景映像表示処理等、前記通信カラオケ装置12によるカラオケ演奏に際しての種々の映像表示を制御する。
【0028】
図3は、前記第1サーバ14の構成を、図4は、前記第2サーバ16の構成をそれぞれ説明する図である。これらの図に示すように、本実施例では、説明の便宜上、前記第1サーバ14及び第2サーバ16が中央演算処理装置等の要素を等しくする同一型式のサーバである態様について説明する。すなわち、前記第1サーバ14及び第2サーバ16は、中央演算処理装置であるCPU70によりRAM74の一時記憶機能を利用しつつROM72に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータシステムを備えている。また、CRT等の映像表示装置76と、その映像表示装置78による映像の表示を制御するためのCRTコントローラ78と、キーボード等の入力装置80と、その入力装置80による入力を処理するためのインターフェイス82と、上記CPU70等を前記通信回線20に接続するためのモデム84と、記憶装置であるハードディスク86とを、備えて構成されている。
【0029】
また、図3に示すように、前記第1サーバ14のハードディスク86には、多数の演奏曲を識別するための情報を記憶する演奏曲データベース88が設けられている。図5は、この演奏曲データベース88の内容を例示する図である。この図5に示すように、上記演奏曲データベース88は、例えば、複数の演奏曲を含む演奏パッケージを単位としてその演奏パッケージに含まれる演奏曲の情報を記憶するものである。この演奏パッケージとは、市販されているアルバムCDやシングルCD等の記憶媒体にそれぞれ記憶された複数の演奏曲を纏まりとして称するものであり、例えば、14曲の演奏曲「風のララバイ」、「あの日出会った君の俤」、「マイフェアリトルボーイ」、「空を越えて」、・・・を収録する、タイトル「火星着陸船」、アーティスト名(歌手名)「本庄なな美」のアルバムCDに関しては、タイトル「火星着陸船」で括られるそのアルバムCDに収録された14曲の演奏曲が1つの演奏パッケージに該当する。上記演奏曲データベース88には、上記演奏パッケージを識別するための情報として、例えば前記CD24に記憶されたTOC(Table of Contents)情報が演奏パッケージと関連付けられて記憶されており、このTOC情報に加えて、その演奏パッケージのタイトル(アルバム名)、オリジナルアーティスト(歌手名)、及びトラック毎の演奏曲名が識別番号をインデックスとして記憶されている。斯かる構成により、上記演奏曲データベース88では、上記TOC情報に基づいて所定の演奏パッケージを照会できるように構成されている。また、上記演奏曲データベース88に記憶される演奏パッケージは、市販されているCDに記憶されたものに限られず、例えば、市販されていない自主制作CDに収録されたものや、MO(Magneto Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、その他、種々の記憶媒体に記憶された演奏パッケージが上記演奏曲データベース88に記憶され得る。
【0030】
また、図4に示すように、前記第2サーバ16のハードディスク86には、前記通信カラオケ装置12により前記演奏曲を出力させるための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベース90が設けられている。図6は、このカラオケデータベース90の内容を例示する図である。この図6に示すように、上記カラオケデータベース90には、曲名及びアーティスト名(歌手名)等を含むヘッダ情報、演奏情報であるMIDIデータ、及び歌詞情報等から成るカラオケ情報が選曲番号をインデックスとして各演奏曲毎に記憶されている。この歌詞情報とは、演奏曲の歌詞に対応するテキスト情報、歌詞の出力タイミング情報、及び色替タイミング情報等を含むものであり、上記カラオケ情報から独立した電子情報として別個(各演奏曲毎)にダウンロード可能とされている。また、上記MIDIデータも上記カラオケ情報から独立した電子情報として別個にダウンロード可能とされている。
【0031】
また、図4に示すように、前記第2サーバ16のハードディスク86には、前記カラオケデータベース90への入曲リクエストを受け付けるための受付サイト92が置かれている。この受付サイト92は、HTML(Hypertext Markup Language)文書や各種CG(Computer Graphics)、その他、FTP(File Transfer Protocol)でダウンロードできる種々の情報から成る所謂ホームページ(Homepages)であり、前記通信カラオケ装置12やパーソナルコンピュータ18等の通信端末装置により前記通信回線20を介してこの受付サイト92にアクセスできるようになっている。そして、その受付サイト92に含まれる所定の入曲リクエストページにおいて演奏曲の曲名、歌手名、収録アルバム等を指定することにより、その演奏曲について前記カラオケデータベース90への入曲リクエストを行えるように構成されている。また、斯かる入曲リクエストは、後述する図10のフローチャートに示すような処理によっても行われる。
【0032】
図7は、前記演奏曲データベース88の記憶内容とカラオケデータベース90の記憶内容との関連付け情報を例示する図である。本実施例の通信カラオケシステム10では、前記演奏曲データベース88の記憶内容とカラオケデータベース90の記憶内容とが相互に関連付けられている。例えば、図7に示す関連付け情報では、前記演奏曲データベース88に記憶された演奏パッケージの各トラックに相当する演奏曲に、対応するカラオケ情報が有る場合にはそのカラオケ情報の選曲番号が関連付け(紐付け)られて記憶され、対応するカラオケ情報が無い場合にはその旨が記憶されるか、或いはブランクとされている。なお、通常、前記演奏曲データベース88に記憶される演奏曲の数は、前記カラオケデータベース90に記憶されるカラオケ情報の数よりも多いため、上記関連付け情報は前記演奏曲データベース88の記憶内容にカラオケデータベース90の記憶内容が従属して関連付けられるものとされる。この関連付け情報は、前記演奏曲データベース88やカラオケデータベース90の一部として記憶されるものであってもよいし、独立して記憶されるものであってもよい。この記憶の態様に関しては後述する。
【0033】
図8は、前記パーソナルコンピュータ18の構成を説明する図である。この図8に示すように、前記パーソナルコンピュータ18は、中央演算処理装置であるCPU94によりRAM98の一時記憶機能を利用しつつROM96に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータシステムを備えている。また、CRT等の映像表示装置100と、その映像表示装置100による映像の表示を制御するためのCRTコントローラ102と、キーボード等の入力装置104と、その入力装置104による入力を処理するためのインターフェイス106と、上記CPU94等を前記通信回線20に接続するためのモデム108と、記憶装置であるハードディスク110とを、備えて構成されている。また、このパーソナルコンピュータ18には、前述した通信カラオケ装置12と同様に、記憶媒体であるCD24を収容するためのCDスロット36と、CD駆動部38と、読取手段であるCD読取部40とが、備えられている。これらの構成に関しては、図2を用いて前述したものと同様であるため、その説明を省略する。
【0034】
図9は、前記通信カラオケ装置12のCPU26及びパーソナルコンピュータ18のCPU94に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。なお、本実施例では、前記通信カラオケ装置12及びパーソナルコンピュータを共に通信端末装置として用いて前記第2サーバ16へ入曲リクエストを行う態様について説明するが、何れか一方のみにより入曲リクエストを行うものであってもよい。その場合、以下に説明する制御機能は、入曲リクエストを行う通信端末装置となる装置にのみ備えられればよい。
【0035】
図9に示す抽出手段112は、前記CD24等の記憶媒体の記憶内容から演奏曲に関する情報を抽出する。好適には、前記CD24に記憶されたTOC(Table of Contents)情報を前記CD読取部40により読み取り、そのTOC情報を前記CD24に収録された演奏曲に関する情報として抽出する。このTOC情報は、前記CD24に記憶された各演奏曲の演奏時間情報等を示す目次情報であり、市販されるCDでは一般に固有の値として各演奏曲を識別するための情報として用いられる。
【0036】
照会手段114は、上記抽出手段112により抽出された演奏曲に関する情報に基づいてその情報に対応する演奏パッケージを前記通信回線20を介して前記第1サーバ14の演奏曲データベース88に照会する。前記TOC情報はCD24に収録された各演奏曲毎に定められたものであるため、演奏曲を単位として照会することもできるが、本実施例では演奏パッケージすなわちCD24全体を対象として照会する態様について説明する。すなわち、上記照会手段114は、好適には、上記抽出手段112により抽出されたTOC情報と、前記演奏曲データベース88に記憶された各演奏パッケージのTOC情報とを比較し、それらが一致する演奏パッケージを前記演奏曲データベース88に記憶された多数の演奏パッケージから検索する。そのようにして検索された演奏パッケージのタイトル名、アーティスト名、識別番号、及びその演奏パッケージにおける各トラックの演奏曲等の情報が照会結果として取得される。
【0037】
取得手段116は、上記照会手段114による照会と同期乃至前後して、予め定められた前記演奏曲データベース88の記憶内容とカラオケデータベース90の記憶内容との関連付け情報に基づく、前記照会に係る演奏曲に対応するカラオケ情報の有無に関する情報を取得する。ここで、この取得手段116による関連付け情報の取得処理には、前記演奏曲データベース88の記憶内容とカラオケデータベース90の記憶内容との対応付けに関して幾つかの態様が考えられる。
【0038】
先ず、第1の態様では、図7に示すような関連付け情報が前記演奏曲データベース88の記憶内容の一部とされている。この態様においては、通信端末装置は前記第1サーバ14との間で情報の通信を行えば足り、上記取得手段116は、前記照会手段114により照会された演奏パッケージに含まれる各演奏曲に関して、カラオケ情報の選曲番号が関連付けられているものについては対応するカラオケ情報が有るものとしてその選曲番号を取得し、関連付けられていないものに関しては対応するカラオケ情報が無いとの情報を取得する。また、この態様では、前記第2サーバ16のカラオケデータベース90から前記第1サーバ14の演奏曲データベース88へ随時新曲の選曲番号がその演奏曲と関連付けられてアップロードされ、対応する演奏曲と関連付けられて記憶される。
【0039】
また、第2の態様では、図7に示すような関連付け情報が前記演奏曲データベース88の記憶内容とは別に、前記第1サーバ14のハードディスク86等に記憶されている。この態様においても、通信端末装置は前記第1サーバ14との間で情報の通信を行えば足り、前記取得手段116は、前記照会手段114により照会された演奏パッケージに含まれる各演奏曲に関して、別途記憶された関連付け情報を参照しつつ、カラオケ情報の選曲番号が関連付けられているものについては対応するカラオケ情報が有るものとしてその選曲番号を取得し、関連付けられていないものに関しては対応するカラオケ情報が無いとの情報を取得する。また、この態様では、随時最新の前記演奏曲データベース88の記憶内容とカラオケデータベース90の記憶内容との関連付け情報(対応関係)が前記第2サーバ16から前記第1サーバ14へアップロードされ、前記ハードディスク86等に記憶された関連付け情報が常に最新のものとされる。
【0040】
また、第3の態様では、図7に示すような関連付け情報が前記カラオケデータベース90の記憶内容とは別に、前記第2サーバ16のハードディスク86等に記憶されている。この態様においては、通信端末装置は前記第1サーバ14及び第2サーバ16との間で情報の通信を行う必要があり、前記取得手段116は、前記第1サーバ14との間の通信により前記照会手段114により照会された演奏パッケージに含まれる各演奏曲に関して、前記第2サーバ16のハードディスク86等に記憶された関連付け情報を参照しつつ、カラオケ情報の選曲番号が関連付けられているものについては対応するカラオケ情報が有るものとしてその選曲番号を取得し、関連付けられていないものに関しては対応するカラオケ情報が無いとの情報を取得する。また、この態様では、随時最新の前記演奏曲データベース88の記憶内容とカラオケデータベース90の記憶内容との対応関係が最新の関連付け情報として前記第2サーバ16のハードディスク86等に記憶される。
【0041】
また、第4の態様では、図7に示すような関連付け情報が前記通信カラオケ装置12のRAM30又はパーソナルコンピュータ18のハードディスク110等に記憶されている。この態様においては、通信端末装置は前記第1サーバ14との間で情報の通信を行えば足り、前記取得手段116は、前記第1サーバ14との間の通信により前記照会手段114により照会された演奏パッケージに含まれる各演奏曲に関して、前記RAM30又はハードディスク110等に記憶された関連付け情報を参照しつつ、カラオケ情報の選曲番号が関連付けられているものについては対応するカラオケ情報が有るものとしてその選曲番号を取得し、関連付けられていないものに関しては対応するカラオケ情報が無いとの情報を取得する。また、この態様では、随時最新の前記演奏曲データベース88の記憶内容とカラオケデータベース90の記憶内容との関連付け情報(対応関係)が前記第2サーバ16から前記通信カラオケ装置12又はパーソナルコンピュータ18へアップロードされ、前記RAM30又はハードディスク110等に記憶された関連付け情報が常に最新のものとされる。
【0042】
以上、何れの態様によっても、前記取得手段116は、前記照会に係るCD24に収録された全ての演奏曲について、それら演奏曲に対応するカラオケ情報が前記第2サーバ16のカラオケデータベース90に記憶(登録)されているか否かに関する情報を取得することができ、更に対応するカラオケ情報が有る演奏曲についてはそのカラオケ情報の選曲番号を取得することができる。また、前記通信カラオケ装置12に備えられた取得手段116に関して、以下に詳述する入曲リクエストがカラオケ演奏処理の一部として行われる態様では、前記照会に係るCD24に収録された各演奏曲について、対応するカラオケ情報が前記第2サーバ16のカラオケデータベース90に記憶されているものについてはそのカラオケ情報を直接ダウンロードするものであってもよい。
【0043】
また、前記通信カラオケ装置12に備えられた取得手段116は、前記操作パネル32やリモコン装置68等による入力操作に応じて所定の演奏曲のMIDIデータ及び歌詞情報を前記通信回線20を介して前記第2サーバ16のカラオケデータベース90から取得する。具体的には、前記操作パネル32やリモコン装置68等により所定の選曲番号が入力された場合、その選曲番号に対応する演奏曲のMIDIデータ及び歌詞情報を前記通信回線20を介して前記第2サーバ16のカラオケデータベース90から取得し、前記RAM30等に記憶する。前記MIDI音源54は、このようにして取得されたMIDIデータに基づいて前記演奏曲を出力する演奏手段であり、斯かる処理により前記通信カラオケ装置12は、前記CD24等の記憶媒体に記憶されていない演奏曲をもカラオケ演奏曲として出力することができる。また、本実施例の通信カラオケ装置12において、前記CD再生部42により再生された演奏曲は、前記ボーカルキャンセラ50によりボーカルパートを除去された上で出力される仕様であるが、ボーカルにエコーやリバーフ等の効果がかかっている場合には十分に除去できない可能性がある。更に、前記演奏曲の周波数帯域中央付近にドラムパートが存在する場合には、前記ボーカルキャンセラ50によりそのドラムパートまでも除去されてしまうおそれがある。斯かる場合においても前記MIDIデータを利用する演奏は有用であり、該当する演奏曲に関してのみMIDIデータをダウンロードして前記CD24による演奏に代えて用いることで、快適なカラオケ演奏を実現できる。
【0044】
図9に戻って、送信手段118は、対応する演奏曲を指定して前記第2サーバ16のカラオケデータベース90に入曲(登録)されるカラオケ情報の入曲リクエストを前記第2サーバ16へ送信する。この入曲リクエストとは、前記カラオケデータベース90に新たに入曲されるカラオケ情報の要望すなわち未だカラオケ情報化されていない曲のカラオケ演奏曲化要求であり、好適には、前記取得手段116により前記カラオケデータベース90に対応するカラオケ情報が無いという情報が取得された演奏曲のうち指定される何れかの演奏曲乃至全演奏曲を前記入曲リクエストとして前記第2サーバ16へ送信する。例えば、前記通信カラオケ装置12による処理において、前記照会に係るCD24に収録された各演奏曲に対応するカラオケ情報の有無に関する情報が前記取得手段116により取得された場合、図10に示すような画面が前記通信カラオケ装置12と接続された出力装置22に表示される。この画面は、前記照会に係るCD24に収録された各演奏曲に関して、対応するカラオケ情報が有るものについてはその選曲番号を表示すると共に選曲ボタン120を、対応するカラオケ情報が無いものについてはカラオケ未登録である旨を表示すると共に入曲リクエストボタン122を表示するものであり、前記通信カラオケ装置12の利用者は、前記操作パネル32やリモコン装置68等の操作により図示しないカーソルを合わせた上で所定のスイッチを操作すること等により上記選曲ボタン120を押すことでその選曲ボタン120に対応する演奏曲を選曲(予約)できると共に、上記入曲リクエストボタン122を押すことでその入曲リクエストボタン122に対応する演奏曲を入曲リクエストとして前記第2サーバ16へ送信できるのである。
【0045】
また、上記送信手段118は、前記通信カラオケ装置12においては前記操作パネル32やリモコン装置68、前記パーソナルコンピュータ18においては前記入力装置104を用いた入力操作(マニュアル操作)によっても前記入曲リクエストを行い得る。この態様では、先ず、前記第2サーバ16に設けられた受付サイト92にアクセスし、その受付サイト92の表示に従って対象となる演奏曲の曲名、アーティスト名、及び収録アルバム等の情報の入力が行われる。この入力の形態としては所謂電子掲示板やメールフォーム等、様々なものが考えられる。また、このような前記受付サイト92にアクセスした上での入曲リクエストに際して前記CD読取部40により前記CD24のTOC情報を読み出し、そのTOC情報に基づいて前記取得手段116によりそのCD24に対応するカラオケ情報の有無に関する情報を取得してもよい。また、この場合には、その照会に係るCD24に対応するカラオケ情報の有無に関する情報を前記受付サイト92の一部として表示させてもよい。
【0046】
図11は、前記通信カラオケ装置12のCPU26又はパーソナルコンピュータ18のCPU94による入曲リクエスト制御について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0047】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、所定の操作が行われる等して入曲リクエストが開始されたか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、S1の判断が肯定される場合には、S2において、マニュアル入力による入曲リクエストであるか否かが判断される。このS2の判断が肯定される場合には、S3において、前記第2サーバ16との間で通信が行われ、その第2サーバ16に設けられた受付サイト92にアクセスされる。次に、S4において、前記通信カラオケ装置12では前記操作パネル32やリモコン装置68、前記パーソナルコンピュータ18では前記入力装置104を用いた入力操作により、対象となる演奏曲の曲名、アーティスト名、及び収録アルバム等の情報を指定しての入曲リクエストが行われた後、本ルーチンが終了させられる。S2の判断が否定される場合、すなわちマニュアル入力による入曲リクエストではないと判断される場合には、S5において、CD収録曲の入曲リクエストであるか否かが判断される。このS5の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、S5の判断が肯定される場合には、前記抽出手段112の動作に対応するS6において、前記CDスロット36に収容されたCD24に記憶されたTOC情報が前記CD読取部40により読み取られる。次に、前記照会手段114の動作に対応するS7において、S6にて抽出されたTOC情報に基づいてそのTOC情報に対応する演奏パッケージが前記通信回線20を介して前記第1サーバ14の演奏曲データベース88に照会される。次に、S8において、前記第1サーバ14の演奏曲データベース88から応答(照会結果)が受信されたか否かが判断される。このS8の判断が否定されるうちは、判断が繰り返されることにより待機させられるが、S8の判断が肯定される場合には、前記取得手段116の動作に対応するS9において、前記演奏曲データベース88の記憶内容とカラオケデータベース90の記憶内容との関連付け情報に基づく、前記照会に係るCD24に対応するカラオケ情報の有無に関する情報が取得される。次に、S10において、前記第1サーバ14の演奏曲データベース88から受信された照会結果と、S9にて取得された前記CD24に対応するカラオケ情報の有無に関する情報とを示す前述した図10のような画面が、前記通信カラオケ装置12では前記出力装置22に、前記パーソナルコンピュータ18では映像表示装置100に表示される。次に、S11において、S10にて表示された図10に示すような画面における入曲リクエストボタン122が押される等して入曲リクエストが行われたか否かが判断される。このS11の判断が否定されるうちは、判断が繰り返されることにより待機させられるが、S11の判断が肯定される場合には、前記送信手段118の動作に対応するS12において、入曲リクエストが前記第2サーバ16へ送信された後、本ルーチンが終了させられる。
【0048】
このように、本実施例によれば、多数の演奏曲を識別するための情報を記憶する演奏曲データベース88と、前記通信カラオケ装置12により前記演奏曲を出力させるための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベース90と、前記通信回線20を介して前記演奏曲データベース88及びカラオケデータベース90との間で情報の通信を行い得る通信端末装置とを、備え、その通信端末装置は、記憶媒体であるCD24に記憶された情報を読み取る読取手段であるCD読取部40と、そのCD読取部40により読み取られる前記CD24の記憶内容から演奏曲に関する情報を抽出する抽出手段112(S6)と、その抽出手段116により抽出された演奏曲に関する情報に基づいて前記演奏曲データベース88にその演奏曲を照会する照会手段114(S7)と、その照会手段114による照会と同期乃至前後して、予め定められた前記演奏曲データベース88の記憶内容とカラオケデータベース90の記憶内容との関連付け情報に基づく、前記照会に係る演奏曲に対応するカラオケ情報の有無に関する情報を取得する取得手段116(S9)とを、有するものであることから、前記CD24に記憶された演奏曲のうち入曲リクエストの対象となり得る未だカラオケ情報として作成されていない演奏曲を迅速且つ確実に把握することができる。すなわち、入曲リクエストを合理化する通信カラオケシステム10を提供することができる。
【0049】
また、前記通信端末装置は、対応する演奏曲を指定して前記カラオケデータベース90に入曲されるカラオケ情報の入曲リクエストを送信する送信手段118(S12)を有し、その送信手段118は、前記取得手段116により前記カラオケデータベース90に対応するカラオケ情報が無いという情報が取得された演奏曲のうち指定される何れかの演奏曲乃至全演奏曲を前記入曲リクエストとして送信するものであるため、前記CD24に記憶された演奏曲のうち入曲リクエストの対象となり得る未だカラオケ情報として作成されていない演奏曲の何れか乃至全曲を簡単に入曲リクエストできるという利点がある。
【0050】
また、前記通信端末装置は、前記通信カラオケ装置12であるため、その通信カラオケ装置12により読み取られるCD24に記憶された演奏曲のうち入曲リクエストの対象となり得る未だカラオケ情報として作成されていない演奏曲を迅速且つ確実に把握することができるという利点がある。また、前記入曲リクエスト処理を前記通信カラオケ装置12によるカラオケ演奏処理の一部として行うことで、前記カラオケデータベース90にカラオケ情報が記憶されている曲についてはそのカラオケ情報を前記通信カラオケ装置12に配信すると共に、カラオケ情報が無い曲については即時的に入曲リクエストの対象とする等、実用的な入曲リクエスト制御を実現できるという利点がある。
【0051】
また、前記通信端末装置は、前記パーソナルコンピュータ18であるため、そのパーソナルコンピュータ18により読み取られるCD24に記憶された演奏曲のうち入曲リクエストの対象となり得る未だカラオケ情報として作成されていない演奏曲を迅速且つ確実に把握することができるという利点がある。
【0052】
また、前記関連付け情報は、前記演奏曲データベース88に記憶されたものであるため、前記通信端末装置により実用的な態様で前記関連付け情報を取得できるという利点がある。
【0053】
また、前記関連付け情報は、前記カラオケデータベース90に記憶されたものであるため、前記通信端末装置により実用的な態様で前記関連付け情報を取得できるという利点がある。
【0054】
また、前記関連付け情報は、前記通信端末装置に記憶されたものであるため、予め前記関連付け情報を前記通信端末に記憶しておくことで、前記演奏曲データベース88及びカラオケデータベース90の内容を変更することなく入曲リクエストを合理化できるという利点がある。
【0055】
また、前記演奏曲データベース88及びカラオケデータベース90は、それぞれ個別の第1サーバ14及び第2サーバ16に備えられたものであるため、負荷を分散させることで処理速度に優れた通信カラオケシステム10を実現できるという利点がある。
【0056】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0057】
例えば、前述の実施例において、前記通信カラオケ装置12は映像表示装置及び音声出力装置を備えておらず、前記出力装置22に接続されることでその出力装置22から映像及び音声を出力させるものであったが、これはあくまで簡単で実用的な構成の通信カラオケ装置12を例示したものに過ぎず、映像表示装置及び音声出力装置を備えたカラオケ装置にも、本発明は当然に適用され得る。
【0058】
また、前述の実施例において、前記演奏曲データベース88及びカラオケデータベース90は、それぞれ個別のサーバである第1サーバ14及び第2サーバ16にそれぞれ備えられたものであったが、同一サーバに備えられたものであってもよい。このようにすれば、前記演奏曲データベース88及びカラオケデータベース90を一元管理することで利便性の高い通信カラオケシステム10を実現できるという利点がある。また、これら演奏曲データベース88及びカラオケデータベース90の何れか一方が前記通信カラオケ装置12に備えられたものであっても構わない。
【0059】
また、前述の実施例では、前記CD24に記憶された演奏曲に関する情報としてTOC(Table of Contents)情報を抽出し、そのTOC情報に基づいて演奏パッケージの照会を行うものであったが、例えば、前記抽出手段112は、FP(Finger Print)等の技術により前記演奏曲に含まれる波形の特徴情報をその演奏曲に関する情報として抽出するものであってもよい。斯かる態様では、ハードディスク、MP3プレイヤ、及びUSBメモリ等、種々の記憶媒体に記憶された演奏曲からその特徴情報を抽出できるため、そのように様々な記憶媒体に記憶された演奏曲を入曲リクエストの対象とできるという利点がある。
【0060】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施例である通信カラオケシステムを説明する図である。
【図2】図1の通信カラオケシステムに備えられた通信カラオケ装置の構成を説明する図である。
【図3】図1の通信カラオケシステムに備えられた第1サーバの構成を説明する図である。
【図4】図1の通信カラオケシステムに備えられた第2サーバの構成を説明する図である。
【図5】図3の第1サーバに備えられた演奏曲データベースの内容を例示する図である。
【図6】図4の第2サーバに備えられたカラオケデータベースの内容を例示する図である。
【図7】図5の演奏曲データベースの記憶内容と図6のカラオケデータベースの記憶内容との関連付け情報を例示する図である。
【図8】図1の通信カラオケシステムに備えられたパーソナルコンピュータの構成を説明する図である。
【図9】図2の通信カラオケ装置のCPU及び図8のパーソナルコンピュータのCPUに備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図10】図2の通信カラオケ装置により出力装置に、又は図8のパーソナルコンピュータの映像表示装置に表示される、CDの照会結果とその照会結果に対応するカラオケ情報の有無を示す画面を例示する図である。
【図11】図2の通信カラオケ装置のCPU又は図8のパーソナルコンピュータのCPUによる入曲リクエスト制御について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
10:通信カラオケシステム
12:通信カラオケ装置(通信端末装置)
14:第1サーバ
16:第2サーバ
18:パーソナルコンピュータ(通信端末装置)
20:通信回線
24:CD(記憶媒体)
40:CD読取部(読取手段)
88:演奏曲データベース
90:カラオケデータベース
112:抽出手段
114:照会手段
116:取得手段
118:送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させると共に、通信回線を介してそれら演奏曲に関する情報を取得できる通信カラオケ装置を用いた通信カラオケシステムであって、
多数の演奏曲を識別するための情報を記憶する演奏曲データベースと、
前記通信カラオケ装置により前記演奏曲を出力させるための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベースと、
前記通信回線を介して前記演奏曲データベース及びカラオケデータベースとの間で情報の通信を行い得る通信端末装置と
を、備え、
該通信端末装置は、
所定の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取手段と、
該読取手段により読み取られる前記記憶媒体の記憶内容から演奏曲に関する情報を抽出する抽出手段と、
該抽出手段により抽出された演奏曲に関する情報に基づいて前記演奏曲データベースに該演奏曲を照会する照会手段と、
該照会手段による照会と同期乃至前後して、予め定められた前記演奏曲データベースの記憶内容とカラオケデータベースの記憶内容との関連付け情報に基づく、前記照会に係る演奏曲に対応するカラオケ情報の有無に関する情報を取得する取得手段と
を、有するものであることを特徴とする通信カラオケシステム。
【請求項2】
前記通信端末装置は、対応する演奏曲を指定して前記カラオケデータベースに入曲されるカラオケ情報の入曲リクエストを送信する送信手段を有し、該送信手段は、前記取得手段により前記カラオケデータベースに対応するカラオケ情報が無いという情報が取得された演奏曲のうち指定される何れかの演奏曲乃至全演奏曲を前記入曲リクエストとして送信するものである請求項1の通信カラオケシステム。
【請求項3】
前記通信端末装置は、前記通信カラオケ装置である請求項1又は2の通信カラオケシステム。
【請求項4】
前記通信端末装置は、パーソナルコンピュータである請求項1又は2の通信カラオケシステム。
【請求項5】
前記関連付け情報は、前記演奏曲データベースに記憶されたものである請求項1から4の何れかの通信カラオケシステム。
【請求項6】
前記関連付け情報は、前記カラオケデータベースに記憶されたものである請求項1から4の何れかの通信カラオケシステム。
【請求項7】
前記関連付け情報は、前記通信端末装置に記憶されたものである請求項1から4の何れかの通信カラオケシステム。
【請求項8】
前記演奏曲データベース及びカラオケデータベースは、それぞれ個別のサーバに備えられたものである請求項1から7の何れかの通信カラオケシステム。
【請求項9】
前記演奏曲データベース及びカラオケデータベースは、同一のサーバに備えられたものである請求項1から7の何れかの通信カラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−78770(P2007−78770A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263284(P2005−263284)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】