説明

通信システム、情報処理装置、及び通信方法

【課題】共にタッチパネルを有する第1の情報処理装置と第2の情報処理装置との間で直感的な操作が可能な通信システム、情報処理装置、及び通信方法を提供する。
【解決手段】第1の情報処理装置としての携帯端末から第2の情報処理装置としての固定端末に人体通信により接続情報を伝送すると、人体通信から他の通信に切り替えてコンテンツのファイルの授受を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、情報処理装置、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルを搭載した端末機器が開発されている。
図10(a)は、タッチパネルを搭載した固定端末の操作方法を示す説明図であり、図10(b)は、タッチパネルを搭載した携帯端末の操作方法を示す説明図である。
【0003】
一般的なGUIでは、下記手順で操作対象への操作指示を行う。
(1)操作対象を示すアイコンに対して所定の操作を行うことにより、操作対象(ファイルやフォルダなど)を選択する。
(2)操作内容を示すアイコンに対して所定の操作を行うことにより、操作内容(移動/コピー先の指定、関連アプリケーションで開く、削除など)を選択する
図10(a)のような従来のタッチパネル搭載機器では、画面上の操作対象アイコンにタッチすることによって操作対象を選択し、タッチした状態を維持したまま操作内容を示すアイコンまで移動し(ドラッグ)、そこでタッチを終了する(ドロップ)ことで操作内容を選択する。
上述のように、操作対象アイコンから操作内容アイコンまでドラッグすることが求められるので、画面の大型化やマルチディスプレイ化により、操作が難しくなるケースが出てきた。
【0004】
同様に、図10(b)において、携帯端末4をユーザの他方の手6(この場合、左手)で持ち、一方の手のユビ3でタッチパネル5のコンテンツのアイコン(図示せず)に触れることで行われる。ドラッグを行う場合、そのまま、ユビを離さず、タッチパネル5上を移動することで行われる。ドロップを行う場合、指定の場所でユビを離す。コンテンツの移動、コピー、再生動作が行われる。
【0005】
図10(a)、(b)に関連する技術が特許文献1に開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の発明は、「電子掲示装置」に関するものである。具体的には「携帯端末と通信可能に接続する接続手段を備えた電子掲示装置であって、データを画面上に掲示する掲示手段と、該画面上に掲示されたデータに対する操作入力を前記画面から受け付ける操作入力手段と、該操作入力手段が受け付けた操作入力に基づいて前記画面上のデータを前記携帯端末へ転送するデータ転送手段とを備える」ものである。
【0006】
特許文献1に記載の発明によれば、携帯端末と通信可能に接続される電子掲示装置において、データを視認性よく掲示したまま、ドラッグ&ドロップ操作などの直感的な操作で携帯端末へのデータ転送を実行することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−257442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図11(a)、(b)は、図10(a)に示した固定端末に図10(b)に示した携帯端末からコンテンツのファイルを伝送する場合の説明図である。
【0009】
図11(a)に示すように、固定端末1と携帯端末4との間で直感的なドラッグやドロップを行うことはできない。
このため、通常は図11(b)に示すように、
(1)WLAN(Wireless Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、IR(Infra Red)の何れかの通信手段を選択する。
(2)アクセスポイント選択、セキュリティ設定、ペアリング等の通信設定を行う。
(3)セキュリティ設定、書き込み読み出し許可等のファイル共有設定を行う。
(4)PC(Personal Computer)、TV(Television)、NAS(Network Attached Storage)、Printer等の伝送先機器を選択する。
(5)ファイルロケーション等のフォルダを選択する。
(6)コンテンツを選択する。
(7)移動、コピー、再生動作等を実行する。
の動作が必要であり、煩雑である。
このため、直感的な操作が可能なシステムが望まれる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、共にタッチパネルを有する第1の情報処理装置と第2の情報処理装置との間で直感的な操作が可能な通信システム、情報処理装置、及び通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の通信システムは、第1のタッチパネルを有し人体通信が可能な第1の情報処理装置と、第2のタッチパネルを有し人体通信が可能な第2の情報処理装置と、を備えた通信システムであって、前記第1の情報処理装置は、前記第1のタッチパネル及び前記第2のタッチパネルの操作により前記第2の情報処理装置との間で人体通信を行う第1の人体通信部と、前記第2の情報処理装置との間で非人体通信を行う第1の非人体通信部と、前記第1の人体通信部により接続情報を前記第2の情報処理装置と授受することによりコンテンツのファイルの授受をするための非人体通信に切り替える第1の制御部と、を有し、前記第2の情報処理装置は、前記第1のタッチパネル及び前記第2のタッチパネルの操作により前記第1の情報処理装置との間で人体通信を行う第2の人体通信部と、前記第1の情報処理装置との間で非人体通信を行う第2の非人体通信部と、前記第2の人体通信部により接続情報を前記第1の情報処理装置と授受することによりコンテンツのファイルの授受をするための非人体通信に切り替える第2の制御部と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の通信システムは、ユーザの接触により座標入力可能な第1のタッチパネルと、人体を介して通信を行う第1の人体通信部と、人体を介さずに通信を行う第1の非人体通信部とを有する第1の情報処理装置、および、人体を介して通信を行う第2の人体通信部と、人体を介さずに通信を行う第2の非人体通信部とを有する第2の情報処理装置とを備えた通信システムであって、前記第2の情報処理装置が管理するファイルを指定した後に、前記第1のタッチパネルが前記第2の情報処理装置を保持するユーザに接触されて前記ファイルに対する操作が指定されると、前記ファイルに対する操作を行うための前記第1の非人体通信部と前記第2の非人体通信部との間の通信の確立に用いる接続情報を、前記第1の人体通信部と前記第2の人体通信部との間で通信することを特徴とする。
【0013】
本発明の第1の情報処理装置は、第1のタッチパネルを有し人体通信が可能な第1の情報処理装置と、第2のタッチパネルを有し人体通信が可能で、前記第1のタッチパネル及び前記第2のタッチパネルの操作により前記第1の情報処理装置との間で人体通信を行う第2の人体通信部、前記第1の情報処理装置との間で非人体通信を行う第2の非人体通信部、及び前記第2の人体通信部により接続情報を前記第1の情報処理装置と授受することによりコンテンツのファイルの授受をするための非人体通信に切り替える第2の制御部を有する第2の情報処理装置と、を備えた通信システムに用いられる第1の情報処理装置であって、前記第1の情報処理装置は、前記第1のタッチパネル及び前記第2のタッチパネルの操作により前記第2の情報処理装置との間で人体通信を行う第1の人体通信部と、前記第2の情報処理装置との間で非人体通信を行う第1の非人体通信部と、前記第1の人体通信部により接続情報を前記第2の情報処理装置と授受することによりコンテンツのファイルの授受をするための非人体通信に切り替える第1の制御部と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の情報処理装置は、ユーザの操作により入力可能な第1の入力手段と、人体を介して通信を行う第1の人体通信部と、人体を介さずに通信を行う第1の非人体通信部とを有する第1の情報処理装置、および、人体を介して通信を行う第2の人体通信部と、人体を介さずに通信を行う第2の非人体通信部とを有する第2の情報処理装置とを備えた通信システムであって、前記第2の情報処理装置が管理するデータを指定した後に、前記第1の入力手段が前記第2の情報処理装置を保持するユーザに操作されて前記データに対する操作が指定されると、前記データに対する操作を行うための前記第1の非人体通信部と前記第2の非人体通信部との通信に用いる設定情報を、前記第1の人体通信部と前記第2の人体通信部との間で通信することを特徴とする。
【0015】
本発明の通信方法は、人体通信が可能な第1の情報処理装置と、人体通信が可能な第2の情報処理装置との間の通信方法であって、前記第1の情報処理装置から前記第2の情報処理装置に人体通信により接続情報を伝送すると、前記人体通信から他の通信に切り替えてコンテンツのファイルの授受を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、共にタッチパネルを有する第1の情報処理装置と第2の情報処理装置との間で直感的な操作が可能な通信システム、情報処理装置、及び通信方法の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る通信システムの説明図である。
【図2】図1に示した、第1の情報処理装置としての携帯端末及び第2の情報処理装置としての固定端末のブロック図の一例である。
【図3】装置A(携帯端末4)から装置B(固定端末1)にコンテンツのファイルを伝送する場合の概念図である。
【図4】装置Bから装置Aにコンテンツのファイルを伝送する場合の概念図である。
【図5】装置Aから装置Bへのファイルの伝送について説明するためのフローチャートの一例の一部である。
【図6】装置Aから装置Bへのファイルの伝送について説明するためのフローチャートの一例の一部である。
【図7】装置Aから装置Bへのファイルの伝送について説明するためのフローチャートの一例の残りである。
【図8】装置Bから装置Aへのファイルの伝送について説明するためのフローチャートの一例の一部である。
【図9】装置Bから装置Aへのファイルの伝送について説明するためのフローチャートの一例の残りである。
【図10】(a)は、タッチパネルを搭載した固定端末の操作方法を示す説明図であり、(b)は、タッチパネルを搭載した携帯端末の操作方法を示す説明図である。
【図11】(a)、(b)は、図10(a)に示した固定端末に図10(b)に示した携帯端末からコンテンツのファイルを伝送する場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明に係る通信システムの説明図である。
本実施の形態では、固定端末と携帯端末との間の通信システムの場合で説明する。
同図において、ユーザ操作とシステム動作とが示されている。図中7は無線通信を行うための無線LANルーターである。
【0019】
ユーザ操作としては、以下の(1)、(2)が挙げられる。
(1)例えば、伝送元である第1の情報処理装置としての携帯端末4を左手6で持って、右手3のユビで携帯端末4のタッチパネル5の図示しないアイコンをつまむ。(コンテンツアイコンが点滅する等変化する。ユーザは表示の変化を確認し、)右手3のユビを離す。
【0020】
(2)左手6で携帯端末4を持ったまま、右手3のユビで伝送先である第2の情報処理装置としての固定端末1のタッチパネル2の指定の場所に触れたり、ユビを開いたりする等の動作をする。この動作によりコンテンツの移動、コピー、再生動作等が実行される。
【0021】
人体通信は、人体を伝送媒体とした通信方式である。特に電界方式と呼ばれる人体通信は、人体表面に沿う電界を送りたい情報で変化を与えて通信を行う。そのため、服などの絶縁物を介しても通信可能である。およそ、体の表面上数mmは通信可能範囲とされる。
【0022】
人体通信は、空間に電波を放射する無線通信に比べて、通信に必要なエネルギーを低くできる。また、人体を媒体とした通信経路が確立しないかぎり通信が行われないので、不要伝搬を抑えることができる。このため、データ通信の安定化、秘匿性向上、接続認証の省略、低消費電力化を図ることができる。
しかし、人体通信は、上記無線通信と比較するとかなり低速であるため、本実施の形態ではこれらを組み合わせて使用する。
【0023】
システム動作としては、以下の(1)〜(5)が挙げられる。
(1)ユーザがタッチパネル5の指定の場所に触れる、またはアイコンをつまむ等の指定動作により、その画面上の座標を取得し、その座標にあるコンテンツを記憶する。アイコンの表示を変化させるなどして、コンテンツが指定されたことをユーザに通知する。
(2)ユーザがタッチパネル2の指定の場所に触れる、またはユビを開く等の指定動作により、その画面上の座標を取得し、その座標にある、フォルダ、アプリケーションを記憶する。このとき、ユーザが送信元である携帯端末4と送信先である固定端末1との両方に触れることで人体通信が開始される。
(3)通信設定情報に基づき、セキュリティ設定等自動設定され、通信リンクが確立される(通信自動設定)。
(4)(1)で記憶したコンテンツを伝送する(コンテンツ伝送)。
(5)(2)で記憶したフォルダにコンテンツを移動、コピー、もしくはアプリケーションで再生動作が実行される(実行)。
【0024】
すなわち、携帯端末4から固定端末1に通信手段通知、設定情報リクエストが人体通信で行われると(例えば、WLAN、Bluetooth(登録商標)等:ステップSa)、固定端末1から携帯端末4に最適通信手段の設定情報通知が人体通信で行われる(例えば、WLANのAPのID、セキュリティ設定:ステップSb)。
ステップSa、Sbは人体通信で行われ、最適通信手段の設定が完了すると、人体通信は終了して、携帯端末4から固定端末1にコンテンツが無線通信により伝送される(ステップSc)。
【0025】
図2は、図1に示した、第1の情報処理装置としての携帯端末及び第2の情報処理装置としての固定端末のブロック図の一例である。
固定端末1及び携帯端末4は、入力部11、表示部12、制御部13、記憶部14、無線通信部15、人体通信部16、及びファイル記憶部17を有する。
【0026】
入力部11はタッチパネル2、5に対応する。表示部12は、例えば、タッチパネル2、5の背面に配置されるタッチパネル2、5と同一サイズの液晶パネルが挙げられる。制御部13は、固定端末1もしくは携帯端末4を統括制御する機能を有する部材であり、例えばマイクロプロセッサが挙げられる。記憶部14は制御プログラム等を記憶する部材であり、例えばROM(Read Only Memory)が挙げられる。ファイル記憶部17は、コンテンツファイル等のデータを記憶する部材であり、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)が挙げられる。
【0027】
無線通信部15は、図示しない汎用の送信回路、受信回路、アンテナ切り替え回路を有するものであり、アンテナ18を介して外部の無線LANルーター7(図1参照)を介して無線通信する機能を有する。無線通信が非人体通信に該当する。
【0028】
人体通信部16は、固定端末1と携帯端末4との間の通信を、人体を介して行う機能を有する。
【0029】
図3は、装置A(携帯端末4)から装置B(固定端末1)にコンテンツのファイルを伝送する場合の概念図である。
装置Aと装置Bとの間はユーザを介して最適通信手段(この場合、無線通信)の設定のための人体通信が行われ、人体通信により無線通信の設定が完了すると、人体通信は終了して無線通信により装置Aから装置B)にコンテンツのファイルが伝送される。
【0030】
図4は、装置Bから装置Aにコンテンツのファイルを伝送する場合の概念図である。
装置Bと装置Aとの間はユーザを介して最適通信手段(この場合、無線通信)の設定のための人体通信が行われ、人体通信により無線通信の設定が完了すると、人体通信は終了して無線通信により装置Bから装置Aにコンテンツのファイルが伝送される。
【0031】
ここで、装置Aから装置Bにコンテンツのファイルを伝送する場合(ケース1)と、装置Bから装置Aにコンテンツのファイルを伝送する場合(ケース2)との二つに場合分けした理由について説明する。
【0032】
ケース1は、装置A(携帯端末)の操作対象に対して操作B(固定端末)の操作内容を指定する場面を想定したものである。
装置Aで最初に操作対象が特定され、その後に装置Bにタッチして操作内容が確定するが、このときユーザは装置Aにタッチしていないものの、保持状態は継続しているため、装置Aから装置Bに人体通信で接続情報を送ることができる。
これとは逆に、装置Bの操作対象に対して装置Aの操作内容を指定する場面では、装置Bの操作対象が確定した後に装置Aにタッチして操作内容を確定するが、この時点では装置Bにタッチしていないため、ケース1の手順では、接続情報を人体通信で送ることができない。これに対応するのがケース2である。
【0033】
以下、図1に示した通信システムの動作について、装置Aから装置Bへファイルを伝送する場合(ケース1)と、装置Bから装置Aへファイルを伝送する場合(ケース2)とについて詳説する。
【0034】
<ケース1:装置Aから装置B>
装置Aから装置Bへのファイルの伝送について、図5、図6、及び図7を用いて説明する。
【0035】
図5、図6、及び図7は、装置Aから装置Bへのファイルの伝送について説明するためのフローチャートの一例である。
装置Aでのユーザ操作、装置Aの動作、装置Bの動作、及び装置Bでのユーザ操作について示してある。
まず、ユーザは装置Aを手(例えば左手)に取り(ステップS1)、タッチパネル上でアイコンをつまむ動作等を手(この場合右手)で行ってファイル指定指示をし(ステップS2)、ファイルが選択されたことを確認する(ステップS3)。
装置Aは、人体通信部はONとなっており(ステップS7)、フルパスファイル名、ファイル種別、ファイルサイズ等を記憶し(ステップS8)、指定ファイルアイコンを透過表示する。このときアイコンをブリンクさせてもよい(ステップS9)。
【0036】
この時点で装置Bは人体通信部がONとなっており、スタンバイ状態となっている(ステップS21)。
【0037】
ユーザがタッチパネル上でユビを広げる動作等でコピー先指定指示を行うと(ステップS4)、装置Bはフルバス、フォルダ名等のコピー先フォルダを取得して記憶し(ステップS22)、人体通信開始デバイスを検出する(ステップS23)。
同時に装置Aも人体通信開始デバイスを検出する。すなわち、装置A、B同士がお互いを認識する(ステップS10)。
【0038】
装置Aは接続情報としての無線通信機能情報を装置Bと交換する。無線通信機能としては、例えば、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、IR等が挙げられる。プロトコルとしては、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)、SMB(Server Message Block)等が挙げられる(ステップS11、S24)。
【0039】
装置Aは送信ファイル情報を装置Bに送付すると(ステップS12)、装置Bはファイル情報を取得する。ファイル情報としては、ファイル名、ファイル種別、サイズ等が挙げられる(ステップS25)。
【0040】
装置Bは通信に用いる設定情報としての通信設定情報を装置Aに送ると(ステップS26)、装置Aは通信設定情報を取得する。通信設定情報としては、通信指定:SSID(Service Set IDentifier)、PIN(Personal Identification Number)、バスフレーズ等が挙げられ、セキュリティ情報:HTTP、SMB(Server Message Block)等が挙げられ、その他:フォルダロケーション、ポート番号等が挙げられる(ステップS13)。
【0041】
装置Aは設定情報受信完了通知を装置Bに送ると(ステップS14)、装置Bは設定情報受信確認を行う(ステップS27)。
【0042】
装置Aは人体通信を切断する。すなわち、装置Aからユーザのユビが離れることで人体通信が切断、終了する(ステップS15)。
【0043】
装置Bはタッチパネル上のファイルアイコン透過表示を行い(ステップS28)、ユーザは通信準備完了を確認すると共にユビをタッチパネルから離し(ステップS5)、装置Bは人体通信を切断する(ステップS29)。
【0044】
装置Aは無線通信設置を行う。通信設定としては、指定された無線通信手段について通信設定情報に基づき、アクセスポイント等に接続し、セキュリティ設定を行う(ステップS16)。
【0045】
装置A及び装置Bは無線通信を確立し、設定した無線通信で、お互いに通信できることを確認する(ステップS17、ステップS30)。
【0046】
装置Aは装置Bにコンテンツのファイルを指定された転送プロトコルで送信すると(ステップS18)、装置Bはコンテンツのファイルを受信し、一時フォルダに格納する(ステップS31)。
【0047】
装置Bは受信完了通知を装置Bに送ると(ステップS32)、装置Aは装置Bからの受信完了通知を受けて受信完了を確認する(ステップS19)。
装置Aはファイルアイコンを表示部に通常表示して終了する(ステップS20)。
【0048】
装置Bはファイルを一時フォルダから指定フォルダに移動し(ステップS33)、ファイルアイコンを表示部に透過表示して終了する(ステップS34)。
【0049】
ユーザは装置Bの表示部のファイルアイコンの通常表示を見ることにより通信の完了を確認して終了する(ステップS6)。
【0050】
すなわち、ケース1の場合、ユーザは、装置Aを左手に持ってタッチパネルを右手で操作し、ファイルの指定を右手で行い、ファイルを選択すると、アイコンの形が変わるので、装置Bのタッチパネルを触る。装置A及び装置Bは、両方ともタッチパネルが搭載されているという前提なので、タッチパネル上のユーザのユビが触れた場所が指定場所となりコピーがされることになる。コピー先が指定されるとアイコンが透過し、コピーが開始したら手を離す。その時点で通信設定情報を渡してあるので、装置A、B同士がネゴーシエーションをして最適な手段で通信を行う。ファイルが転送されて送信が終了すると装置A、B双方のそのファイルのアイコンが通常表示される。
【0051】
ここで、装置Bの人体通信は常にONとなっているが、これは人体通信開始から始まるため、通信待機状態を意味している。すなわち、人体通信はいつでもできるようになっている。
【0052】
<ケース2:装置Bから装置A>
装置Bから装置Aへのファイルの伝送について、図8及び図9を用いて説明する。
【0053】
図8及び図9は装置Bから装置Aへのファイルの伝送について説明するためのフローチャートの一例である。
【0054】
ユーザは装置Aを手(例えば左手)に取り(ステップS41)、装置Bのタッチパネル上において手(この場合右手)でアイコンをつまむ動作等のファイル指定指示を行う(ステップS42)。このとき装置A及び装置Bは人体通信がONとなっている(ステップS47、S61)。
【0055】
装置Bはファイル指定指示が行われると、フルパス、ファイル名、ファイル種別、ファイルサイズ等の取得、記憶、一時フォルダにコピーを行う(ステップS62)。
【0056】
装置A及び装置Bは人体通信開始デバイスを検出して装置同士がお互いを認識する(ステップS48、S63)。
【0057】
装置A及び装置Bはお互いに接続情報としての無線通信機能情報を交換する。無線通信機能としては、例えば、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、IR等が挙げられ、プロトコルとしては、HTTP、FTP、SMB等が挙げられる(ステップS49、S64)。
【0058】
装置Bは通信設定情報送信ファイル情報を装置Aに送付すると(ステップS65)、装置Aは通信に用いる通信設定情報、ファイル情報を取得する。
ここで、ファイル情報としては、ファイル名、ファイル種別、サイズ等が挙げられ、通信設定情報としては、通信手段指定、無線LAN、Bluetooth(登録商標)等が挙げられ、セキュリティ情報としては、SSID、PIN、パスフレーズ等が挙げられ、転送プロトコルとしては、HTTP、SMB等が挙げられ、その他フォルダロケーション、ポート番号等が挙げられる(ステップS50)。
【0059】
装置Aは設定情報受信完了通知を装置Bに送ると(ステップS51)、装置Bは設定情報受信確認を行う(ステップS66)。
【0060】
装置Bは指定ファイルアイコンを透過表示(もしくはブリンク)し(ステップS67)、ユーザは装置Bのタッチパネルを見て選択されたことを確認し、ユビを離す(ステップS43)。
【0061】
装置Aは装置Bからユーザの手(右手)が離れることで、装置Bと共に人体通信を切断する(ステップS52、S68)。
【0062】
装置Aが通信設定を行い(ステップS53)、ユーザが装置Aのタッチパネル上で手(右手)のユビを広げる動作等を行ってコピー先指定指示を行うと(ステップS44)、装置Aはコピー先フォルダを取得し、記憶する(ステップS54)。
ここで、通信設定としては、指定された無線通信手段について通信設定情報に基づき、アクセスポイント等に接続し、セキュリティ設定を行う。
【0063】
装置Aが表示部のファイルアイコンを透過表示すると(ステップS55)、ユーザは通信開始を確認する(ステップS45)。
【0064】
装置Aは装置Bとの間で確立した無線通信で、お互いに通信できることを確認する(ステップS56、S69)。
【0065】
装置Bは一時フォルダから装置Aに、指定された転送プロトコルでファイルを送ると(ステップS70)、装置Aはファイルを受信し、一時フォルダに格納する(ステップS57)。
【0066】
装置Aは受信完了通知を装置Bに送ると(ステップS58)、装置Bは受信完了を確認し(ステップS71)、装置Bはファイルアイコンを表示部に通常表示して終了する(ステップS72)。
【0067】
装置Aはファイルを一時フォルダから指定フォルダに移動し(ステップS59)、装置Aの表示部にファイルアイコンを通常表示して終了する(ステップS60)。
【0068】
ユーザは装置Aの表示部のファイルアイコン通常表示を見ることにより、通信の完了を確認して終了する(ステップS46)。
【0069】
すなわち、ケース2の場合、まずユーザは装置Aを手(右手)に取り、装置Bのタッチパネル上のファイルの位置に触れる。ユーザの手が装置Bのタッチパネルのファイルの位置に触れることで、装置Aと装置Bとが接続されるので、人体通信が開始する。
【0070】
装置Bのタッチパネルにユーザが触れることでファイル名が選択されるので、送信するファイル自体は明らかとなっている。最適な通信手段を取得して人体通信で送る。選択されたアイコンを透明表示する。ここで、装置Bのタッチパネルからユビを離すと人体通信が切れるが、人体通信が切れた時点で、ケース1になかったものはコピー先が指定していない点である。
本ケースでは、ユーザが装置Bにタッチして対象ファイルを選択していて装置Aと装置Bとの間で、人体通信が可能なときに通信設定情報を人体通信によって装置Aにコピーしておき、ユーザが装置Bから手を離して人体通信が切断されコピー先として装置Aの指定の場所が選択されると、装置A側から装置B側の指定フォルダに対してファイル受信動作を行うようにすることで対応している。もしくは、人体通信にて装置Aの一時フォルダ情報を装置Bにコピーしておき、装置Bから装置Aの一時フォルダに対してファイルの送信処理を行うようにすることでも対応できる。
【0071】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
上述した実施の形態では、携帯端末と固定端末との間の通信システムの場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、両方携帯端末で、一方を置いた状態における通信システムの場合であってもよい。
【0072】
また、例えば、第1の情報処理装置が携帯電話であって、第2の情報処理装置がカーナビゲーションシステムであって、携帯電話で検索した目的地を指定してカーナビゲーションシステムのタッチパネルにタッチすると、経路検索するように構成することができる。この場合、データである目的地情報が携帯電話からカーナビゲーションシステムに送られる。このように、指定されるのはファイルに限定されない。
【0073】
また、例えば、第1の情報処理装置が携帯電話であって、第2の情報処理装置がプリンタであって、携帯電話で写真を指定してプリンタにタッチすると指定した写真が携帯電話からプリンタに送信されて印刷されるように構成することができる。このように、操作内容として指定される機器が単一の機能のみ有している場合、操作内容を指定するための座標入力を行うタッチパネルを使用しないでシステムを構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルプレーヤ、デスクトップパソコン、ノートパソコン、テレビジョン受像機等に利用できる。
【符号の説明】
【0075】
1 固定端末(装置B、第2の情報処理装置)
2、5 タッチパネル
3 手(右手)
4 携帯端末(装置A、第1の情報処理装置)
6 手(左手)
7 無線LANルーター
11 入力部
12 表示部
13 制御部
14 記憶部
15 無線通信部
16 人体通信部
17 ファイル記憶部
18 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のタッチパネルを有し人体通信が可能な第1の情報処理装置と、第2のタッチパネルを有し人体通信が可能な第2の情報処理装置と、を備えた通信システムであって、
前記第1の情報処理装置は、前記第1のタッチパネル及び前記第2のタッチパネルの操作により前記第2の情報処理装置との間で人体通信を行う第1の人体通信部と、前記第2の情報処理装置との間で非人体通信を行う第1の非人体通信部と、前記第1の人体通信部により接続情報を前記第2の情報処理装置と授受することによりコンテンツのファイルの授受をするための非人体通信に切り替える第1の制御部と、を有し、
前記第2の情報処理装置は、前記第1のタッチパネル及び前記第2のタッチパネルの操作により前記第1の情報処理装置との間で人体通信を行う第2の人体通信部と、前記第1の情報処理装置との間で非人体通信を行う第2の非人体通信部と、前記第2の人体通信部により接続情報を前記第1の情報処理装置と授受することによりコンテンツのファイルの授受をするための非人体通信に切り替える第2の制御部と、を有することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第1の制御部は、前記第1のタッチパネルの操作後の前記第2のタッチパネルの操作により前記人体通信で接続情報を前記第2の情報処理装置に送り、前記第2の情報処理装置との間で前記人体通信以外の他の通信が確立すると、前記人体通信から他の通信に切り替えて、前記第1のタッチパネルの操作によりコンテンツのファイルを前記第2の情報処理装置に送り、
前記第2の制御部は、前記第1の情報処理装置との間での前記人体通信により前記接続情報を受けると、前記第1の情報処理装置との間で前記人体通信以外の他の通信を確立し、前記第1の情報処理装置から前記コンテンツのファイルを受けることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1の制御部は、前記第1のタッチパネルの操作後の前記第2のタッチパネルの操作により前記人体通信で接続情報を前記第2の情報処理装置に送り、前記第2の情報処理装置との間で前記人体通信以外の他の通信が確立すると、前記第1のタッチパネルの操作により伝送先を指定し、前記人体通信から他の通信に切り替えてコンテンツのファイルの受け入れ準備を行い、
前記第2の制御部は、前記第1の情報処理装置との間での前記人体通信により前記接続情報を受けると、前記第1の情報処理装置との間で前記人体通信以外の他の通信を確立し、前記第1の情報処理装置へ前記コンテンツのファイルを送ることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項4】
ユーザの操作により入力可能な第1の入力手段と、人体を介して通信を行う第1の人体通信部と、人体を介さずに通信を行う第1の非人体通信部とを有する第1の情報処理装置、および、人体を介して通信を行う第2の人体通信部と、人体を介さずに通信を行う第2の非人体通信部とを有する第2の情報処理装置とを備えた通信システムであって、
前記第2の情報処理装置が管理するデータを指定した後に、前記第1の入力手段が前記第2の情報処理装置を保持するユーザに操作されて前記データに対する操作が指定されると、前記データに対する操作を行うための前記第1の非人体通信部と前記第2の非人体通信部との通信に用いる設定情報を、前記第1の人体通信部と前記第2の人体通信部との間で通信することを特徴とする通信システム。
【請求項5】
第1のタッチパネルを有し人体通信が可能な第1の情報処理装置と、第2のタッチパネルを有し人体通信が可能で、前記第1のタッチパネル及び前記第2のタッチパネルの操作により前記第1の情報処理装置との間で人体通信を行う第2の人体通信部、前記第1の情報処理装置との間で非人体通信を行う第2の非人体通信部、及び前記第2の人体通信部により接続情報を前記第1の情報処理装置と授受することによりコンテンツのファイルの授受をするための非人体通信に切り替える第2の制御部を有する第2の情報処理装置と、を備えた通信システムに用いられる第1の情報処理装置であって、
前記第1の情報処理装置は、前記第1のタッチパネル及び前記第2のタッチパネルの操作により前記第2の情報処理装置との間で人体通信を行う第1の人体通信部と、前記第2の情報処理装置との間で非人体通信を行う第1の非人体通信部と、前記第1の人体通信部により接続情報を前記第2の情報処理装置と授受することによりコンテンツのファイルの授受をするための非人体通信に切り替える第1の制御部と、を有することを特徴とする第1の情報処理装置。
【請求項6】
第1のタッチパネルを有し人体通信が可能で前記第1のタッチパネル及び前記第2のタッチパネルの操作により前記第2の情報処理装置との間で人体通信を行う第1の人体通信部、前記第2の情報処理装置との間で非人体通信を行う第1の非人体通信部、及び前記第1の人体通信部により接続情報を前記第2の情報処理装置と授受することによりコンテンツのファイルの授受をするための非人体通信に切り替える第1の制御部を有する第1の情報処理装置と、第2のタッチパネルを有し人体通信が可能な第2の情報処理装置と、を備えた通信システムに用いられる第2の情報処理装置であって、
前記第2の情報処理装置は、前記第1のタッチパネル及び前記第2のタッチパネルの操作により前記第1の情報処理装置との間で人体通信を行う第2の人体通信部と、前記第1の情報処理装置との間で非人体通信を行う第2の非人体通信部と、前記第2の人体通信部により接続情報を前記第1の情報処理装置と授受することによりコンテンツのファイルの授受をするための非人体通信に切り替える第2の制御部と、を有することを特徴とする第2の情報処理装置。
【請求項7】
人体通信が可能な第1の情報処理装置と、人体通信が可能な第2の情報処理装置との間の通信方法であって、
前記第1の情報処理装置から前記第2の情報処理装置に人体通信により接続情報を伝送すると、前記人体通信から他の通信に切り替えてコンテンツのファイルの授受を行うことを特徴とする通信方法。
【請求項8】
前記第1の情報処理装置の第1のタッチパネルを操作した後、前記第2の情報処理装置の第2のタッチパネルを操作することにより、接続情報を前記第1の情報処理装置から前記第2の情報処理装置に伝送して前記他の通信を開始し、前記コンテンツのファイルを前記第1の情報処理装置から前記第2の情報処理装置に送ることを特徴とする請求項7記載の通信方法。
【請求項9】
前記第1の情報処理装置の第1のタッチパネルを操作した後、前記第2の情報処理装置の第2のタッチパネルを操作することにより、接続情報を前記第1の情報処理装置から前記第2の情報処理装置に伝送して前記他の通信を開始し、前記第1のタッチパネルの操作により伝送先を指定し、コンテンツのファイルの受け入れ準備を行い、前記第2の情報処理装置から前記コンテンツのファイルを前記第1の情報処理装置に送ることを特徴とする請求項7記載の通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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