説明

通信システム

【課題】 統合部1から複数の同報系システムB1〜Bnへ通報を行う通信システムで、各同報系システムへの一斉通報を効率的に行う。
【解決手段】 統合部1は、通報要求検出手段と、通報の要求が検出されたことに応じて複数の同報系システムのそれぞれについて通報可能なタイミングを検出するタイミング検出手段と、通報内容の受付手段と、通報内容をそれぞれの通報可能なタイミングでそれぞれの同報系システムに対して送信する通報送信手段を備える。親局装置C1〜Cn、D1〜Dnは、通報受信手段と、通報内容の無線送信手段を備える。子局装置E1〜Enは、通報内容の無線受信手段と、通報出力手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の同報系システムを統合部により統合した通信システムに関し、特に、統合部から各同報系システムへの一斉通報を効率的に行う通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、市区町村における防災に関する同報系システムでは、親局の装置から屋外に設置された子局の装置や戸別に設置された子局の装置へ防災に関する音声情報を送信することが行われる。各子局の装置では、親局の装置から受信した音声情報を出力することで、その地域や家の住人などに対して拡声通報を行う。
拡声通報処理においては、まず、親局の装置により子局の装置を呼び出し、親局の装置と子局の装置との間の通信が確立した時点で親局の装置の扱い者に対して通報可能であることを知らせる情報(例えば、「通報可」という文字)を通知し、この通知に応じて扱い者がマイクなどを用いて音声情報を送出する。
【0003】
【特許文献1】特開平5−344061号公報
【非特許文献1】ARIB STD−T86、「市町村デジタル同報通信システム」、社団法人電波産業会、
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、市区町村の合併などにより2つ以上の異なる市区町村の同報系システムが統合される場合には、各市区町村の同報系システムによって拡声通報処理における子局呼出から通報可能となるまでのタイミングが異なることが生じるため、統合される2つ以上の同報系システムへの一斉通報を効率的に行う技術の開発が強く要求されていた。
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、複数の同報系システムを統合部により統合した際に、統合部から各同報系システムへの一斉通報を効率的に行うことができる通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る通信システムでは、次のような構成により、統合部から複数の同報系システムへ通報を行う。ここで、それぞれの同報系システムは、親局装置と子局装置を有している。
すなわち、統合部では、通報要求検出手段が通報の要求を検出し、タイミング検出手段が通報の要求が検出されたことに応じて複数の同報系システムのそれぞれについて当該親局の状態を検出することで通報可能なタイミングを検出し、受付手段が通報の内容を受け付け、通報送信手段が受け付けられた通報の内容をそれぞれの同報系システムについて検出された通報可能なタイミングでそれぞれの同報系システムに対して送信する。
親局装置では、通報受信手段が統合部から送信される通報の内容を受信し、無線送信手段が受信された通報の内容を無線により送信する。
子局装置では、無線受信手段が親局装置から無線により送信される通報の内容を受信し、通報出力手段が受信された通報の内容を出力する。
ここで、複数の同報系システムのそれぞれの親局は、統合部の問い合わせの信号に応じて当該親局の状態を統合部に通知し、若しくは、当該親局が統合部からの要求以外の使用中の状態となると当該状態を統合部に通知する。そして、当該親局が統合部からの要求以外の使用中の状態で無い旨を検出することにより、統合部は通報可能なタイミングとして通報すべき内容を当該親局に送信する。
【0006】
従って、複数の同報系システムのそれぞれについて検出された通報可能なタイミングで統合部からそれぞれの同報系システムに対して通報の内容が送信され、それぞれの同報系システムにおいて当該通報の内容が親局装置から子局装置へ無線送信されて出力されるため、例えば、市区町村の合併などにより、複数の同報系システムを統合部により統合した際に、統合部から各同報系システムへの一斉通報を効率的に行うことができる。
【0007】
ここで、複数の同報系システムの数としては、種々な数が用いられてもよい。一例として、複数の同報系システムとして、複数の異なる市区町村の同報系システムを用いることができる。また、それぞれの同報系システムは、例えば、親局装置から1つ又は複数の子局装置に対して通報の内容を同報通信する機能を有している。
また、通報の要求は、種々な態様で発生してもよく、例えば、扱者(人)による指示に応じて通報の要求が発生する構成が用いられてもよく、或いは、災害発生などの所定の事象を検出する機能を備えてその検出に応じて通報の要求が発生するような構成が用いられてもよい。
【0008】
また、それぞれの同報系システムについて通報可能なタイミングを検出する態様としては、種々な態様が用いられてもよい。
また、或る同報系システムについて通報可能なタイミングとしては、例えば、その同報系システムの状態が通報可能な状態となったとき以降の任意のタイミングを用いることができ、例として、通報可能となった後の最も早い又はなるべく早いタイミングや、或いは、通報可能となった時点から予め設定された時間だけ遅れたタイミングなどを用いることができる。
【0009】
また、通報の内容としては、例えば、防災に関する内容などのように、種々な内容が用いられてもよい。また、通報の内容としては、例えば、音声以外の情報が用いられてもよく、テキストや画像の情報を用いることも可能である。
また、通報の内容を受け付ける態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、扱者(人)から音声或いは他の情報を受け付けるような態様を用いることができる。
また、通報の内容を受け付けるタイミングとしては、種々なタイミングが用いられてもよく、例えば、最も早く通報可能となった同報系システムに対して通報の内容を送信する際のタイミングや、或いは、それより前のタイミングを用いることができる。
【0010】
また、例えば、統合部は、受け付けられた通報の内容を記憶する通報記憶手段を備え、受け付けられた通報の内容を通報記憶手段に記憶せずに送信することや、受け付けられた通報の内容を通報記憶手段に記憶した後に読み出して送信することができる。通報記憶手段としては、例えば、メモリを用いて構成することができる。
また、統合部とそれぞれの同報系システムとの間の通信(送信や受信)としては、例えば、有線による通信が用いられてもよく、或いは、無線による通信が用いられてもよい。
また、子局装置により通報の内容を出力する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、周囲の人などに対して、音声の情報を音声出力する態様や、テキストや画像の情報を表示出力する態様、これらを組み合わせた態様などを用いることができる。
【0011】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、統合部に備えられたタイミング検出手段は、複数の同報系システムのそれぞれに対して呼出信号を送信し、呼出信号を受信した同報系システムから通報可能であることを示す信号(通報可能通知信号)を受信したことに応じて当該同報系システムに対する通報可能なタイミングを検出する。
ここで、複数の同報系システムのそれぞれの親局は、統合部の問い合わせの信号に応じて当該親局の状態を統合部に通知する。そして、当該親局が統合部からの要求以外の使用中の状態で無い旨を検出することにより、統合部は通報可能なタイミングとして通報すべき内容を当該親局に送信する。
従って、統合部がそれぞれの同報系システムについて呼出信号に対する応答(通報可能である旨の応答)を監視することにより、それぞれの同報系システムが通報可能となったことを検出することができる。このような構成は、例えば、それぞれの同報系システムが通報可能となるまでの時間が変動し得るような場合に特に有効である。
ここで、呼出信号や通報可能通知信号としては、それぞれ、種々な信号が用いられてもよい。
【0012】
他の一構成例として、統合部に備えられたタイミング検出手段は、同報系システムについて通報可能なタイミングを特定するための情報を記憶するタイミング情報記憶手段を有しており、当該記憶された情報に基づいて同報系システムに対する通報可能なタイミングを検出する。
従って、統合部が予め記憶された情報に基づいて同報系システムが通報可能となるタイミングを検出することができる。このような構成は、例えば、それぞれの同報系システムが通報可能となるまでの時間が固定されている或いはあまり変動しないような場合に特に有効である。
ここで、同報系システムについて通報可能なタイミングを特定するための情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、タイミング自体の情報や、或いは、同報系システム間でのタイミングの時間差の情報を用いることができる。
また、タイミング情報記憶手段としては、例えば、メモリを用いて構成することができる。
【0013】
本発明に係る通信システムでは、次のような構成により、統合部から複数の同報系システムへ通報を行う。ここで、それぞれの同報系システムは、親局装置と子局装置を有している。
すなわち、統合部では、通報要求検出手段が通報の要求を検出し、タイミング検出手段が通報の要求が検出されたことに応じて複数の同報系システムのそれぞれの通報可能となる同報系システムの通報可能なタイミングを検出し、受付手段が通報の内容を受け付け、通報送信手段が受け付けられた通報の内容を検出されたそれぞれの通報可能なタイミングで複数の同報系システムに対して送信する。
ここで、複数の同報系システムのそれぞれの親局は、統合部の問い合わせの信号に応じて当該親局の状態を統合部に通知し、若しくは、当該親局が統合部からの要求以外の使用中の状態となると当該状態を統合部に通知する。そして、当該親局が統合部からの要求以外の使用中の状態で無い旨を検出することにより、統合部は通報可能なタイミングとして通報すべき内容を当該親局に送信する。
親局装置では、通報受信手段が統合部から送信される通報の内容を受信し、無線送信手段が受信された通報の内容を無線により送信する。
子局装置では、無線受信手段が親局装置から無線により送信される通報の内容を受信し、通報出力手段が受信された通報の内容を出力する。
【0014】
従って、複数の同報系システムのそれぞれの同報系システムの通報可能なタイミングで、つまり、現状使用中の状態の同報系システム以外の同報系システムが通報可能となったとき或いはその後のタイミングで、統合部からそれぞれの使用中の状態の同報系システム以外の同報系システムに対して通報の内容が送信され、当該通報の内容が親局装置から子局装置へ無線送信されて出力され、また、使用中の状態の同報系システムは当該使用中の状態でなくなることにより、当該同報系システムの通報可能なタイミングとして当該通報の内容が当該同報系システムの親局装置から子局装置へ無線送信されて出力されるため、例えば、市区町村の合併などにより、複数の同報系システムを統合部により統合した際に、統合部から各同報系システムへの一斉通報を効率的に行うことができる。
【0015】
一構成例として、統合部に備えられたタイミング検出手段は、複数の同報系システムのそれぞれに対して呼出信号を送信し、呼出信号を受信した同報系システムから通報可能であることを示す信号(通報可能通知信号)を受信し、それぞれの同報系システムから通報可能通知信号を受信したことに応じてそれぞれの同報系システムの通報可能なタイミングを検出する。
若しくは、複数の同報系システムのそれぞれの親局は、当該親局が統合部からの要求以外の使用中の状態となると当該状態を統合部に通知し、その後、当該親局が使用中の状態でなくなると使用中の状態で無い旨を出力し、これを受信することで、統合部は通報可能なタイミングとして検出する。
従って、統合部がそれぞれの同報系システムについて呼出信号に対する応答(通報可能である旨の応答)、若しくは、当該親局の使用中か否かの状態を監視することにより、それぞれの同報系システムが通報可能となったことを検出することができる。このような構成は、例えば、それぞれの同報系システムが通報可能となるまでの時間が変動し得るような場合に特に有効である。
【0016】
他の一構成例として、統合部に備えられたタイミング検出手段は、同報系システムについて通報可能なタイミングを特定するための情報を記憶するタイミング情報記憶手段を有しており、当該記憶された情報に基づいてそれぞれの通報可能となる同報系システムの通報可能なタイミングを検出する。
従って、統合部が予め記憶された情報に基づいてそれぞれの同報系システムが通報可能となるタイミングを検出することができる。このような構成は、例えば、それぞれの同報系システムが通報可能となるまでの時間が固定されている或いはあまり変動しないような場合に特に有効である。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明に係る通信システムによると、統合部では、通報の要求があった場合に、複数の同報系システムのそれぞれについて通報可能なタイミングを検出し、受け付けられた通報の内容をそれぞれの同報系システムについて検出された通報可能なタイミングでそれぞれの同報系システムに対して送信するようにしたため、統合部から各同報系システムへの一斉通報を効率的に行うことができる。
また、本発明に係る通信システムによると、統合部では、通報の要求があった場合に、複数の同報系システムのそれぞれの同報系システムの通報可能なタイミングを検出し、受け付けられた通報の内容を検出された通報可能なタイミングで複数の同報系システムに対して送信するようにしたため、統合部から各同報系システムへの一斉通報を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係る実施例について図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施例に係る統合通信システムの構成例を示してある。
本実施例に係る統合通信システムは、複数であるn個の異なる市区町村の同報系システムB1〜Bnと1つの統合部(統制部)1とをそれぞれの回線F1〜Fnを介して接続して構成されている。なお、回線F1〜Fnとしては、例えば、専用線が用いられるが、他の種々なものが用いられてもよい。
各同報系システムB1〜Bnは、親局設備(親局装置)と子局設備(子局装置)から構成されている。なお、親局設備と子局設備との間に中継局の設備が設けられてもよい。
親局設備は、親局操作卓C1〜Cnや親局無線装置(基地局装置)D1〜Dnから構成されている。
子局設備は、屋外に或いは戸別に設置などされる子局無線装置E1〜Enから構成されている。
なお、通常、各同報系システムB1〜Bnでは、複数の子局設備が市区町村内における種々な場所に設けられる。また、例えば、1つの親局操作卓C1〜Cnに複数の親局無線装置D1〜Dnが接続される構成が用いられてもよい。
【0019】
統合部1には、統合卓(統制卓)2と、各同報系システムB1〜Bnに対応した複数であるn個の遠隔制御装置A1〜Anが備えられている。
各同報系システムB1〜Bnの親局操作卓C1〜Cnとそれに対応した遠隔制御装置A1〜Anとがそれぞれの回線F1〜Fnを介して接続されている。
統合卓2は、マイクやキースイッチなどから構成された操作部11と、メモリを備えた通報記録送出部12と、遠隔制御装置インタフェース13と、各種のテーブルを記憶する記憶部14を有している。
また、遠隔制御装置インタフェース13と各遠隔制御装置A1〜Anとは、遠隔制御装置インタフェース13側から音声信号を伝送するための増幅器d1〜dn及び回線a1〜anを介して接続されており、遠隔制御装置インタフェース13側から制御信号を伝送するための回線b1〜bnを介して接続されており、各遠隔制御装置A1〜An側から制御信号を伝送するための回線c1〜cnを介して接続されている。
【0020】
ここで、本実施例に係る統合通信システムは、例えば、市区町村の合併があったことに応じて、統合部1を設けて、各市区町村の同報系システムB1〜Bnを統合したものである。
一般に、各市区町村毎の同報系システムB1〜Bnによって、それを提供したメーカやその仕様などが異なり得る。このため、各同報系システムB1〜Bnによって、拡声通報処理における子局呼出から通報可能となるまでのタイミングが異なり得る。また、例えば、同一の構成を有するシステムであっても、呼出種別に応じて呼出時間が異なり得るため、前記タイミングが異なり得る。
なお、呼出種別としては、個別に呼び出すものや、群(グループ)で呼び出すものや、一斉に(一括して)呼び出すものなどがある。
【0021】
また、本実施例では、統合卓2は、記憶部14に卓情報テーブルや通報情報テーブルを記憶している。
図2には、卓情報テーブルの一例を示してある。
本例の卓情報テーブルでは、「A町」や「B町」などのように市区町村名を示すIDである親局卓IDの情報と、「00001」や「00010」などのように市区町村を識別するコードである市区町村コードの情報と、「00100」や「00111」などのように同報系システムB1〜Bnを製造したメーカを識別するコードである製造者識別コードの情報と、「5/28 10:00」や「5/28 10:10」などのように同報系システムB1〜Bnへの送信の有無を日時により識別する送信有無の情報と、「5/24 12:01」や「5/24 10:02」などのように同報系システムB1〜Bnからの返信の有無を日時により確認する返信確認の情報と、「1234」などのように通報内容を識別するIDである通報IDの情報が対応付けられて格納される。
【0022】
なお、送信有無の情報としては、例えば、送信があったことを示す「有」及び送信が無いことを示す「無」が用いられてもよい。
また、返信確認の情報としては、例えば、返信があったことを示す「有」及び返信が無いことを示す「無」が用いられてもよい。
また、本例では、市区町村コード「00001」は「A町」である旨を示しており、市区町村コード「00010」は「B町」である旨を示しており、市区町村コード「00011」は「C町」である旨を示している。
【0023】
図3には、通報情報テーブルの一例を示してある。
本例の通報情報テーブルでは、「1234」などのように通報内容を識別するIDである通報IDの情報と、「一斉」などのように通報の種別を識別する通報種別の情報と、「全済」などのように通報の状況を識別する通報状況の情報と、「・・・に注意して下さい」などのように送信した音声などのデータ内容を特定する送信内容の情報が対応付けられて格納される。
なお、通報種別の情報としては、例えば、統合している全ての同報系システムB1〜Bnに対して一斉に通報する「一斉」や、個別の同報系システムB1〜Bnに対して通報する「個別」や、所定の群(グループ)に属する同報系システムB1〜Bnに対して通報する「群」などがある。
また、通報状況の情報としては、例えば、通報対象となる同報系システムB1〜Bnの全てに対する通報が完了したことを示す「全済」や、通報中であることを示す「通報中」や、同報系システムB1〜Bnからの返信を待機していることを示す「返信待機」などがある。
【0024】
次に、本実施例に係る統合通信システムを構成する各部の機能を説明する。
統合卓2は、統合部1の扱者(人)により扱われる。
操作部11は、扱者から音声や制御の情報を入力する機能や、扱者に対して情報を出力する機能や、入力した音声の情報を通報記録送出部12や遠隔制御装置インタフェース13へ出力する機能や、入力した制御の情報を遠隔制御装置インタフェース13へ出力する機能などを有している。具体的には、操作部11は、例えば、扱者により発せられる音声の情報を入力するマイクや、扱者に対して音声の情報を出力するスピーカや、扱者により操作されてテキストや制御の情報などを受け付けるキーや、扱者に対してテキストや画像の情報などを表示出力する画面などを有している。
通報記録送出部12は、操作部11から入力された音声の情報を記憶するメモリを有しており、当該メモリに記憶された音声の情報を所定のタイミングで読み出して遠隔制御装置インタフェース13へ出力する機能を有している。なお、通報記録送出部12のメモリから情報を読み出して送出する処理を制御する機能が、例えば、当該通報記録送出部12或いは操作部11に備えられている。
【0025】
遠隔制御装置インタフェース13は、操作部11や通報記録送出部12から入力される音声の情報を増幅器d1〜dn及び回線a1〜anを介して各遠隔制御装置A1〜Anへ出力する機能や、操作部11から入力される制御の情報を回線b1〜bnを介して各遠隔制御装置A1〜Anへ出力する機能や、各遠隔制御装置A1〜Anから各回線c1〜cnを介して入力される制御の情報を操作部11へ出力する機能などを有している。
各遠隔制御装置A1〜Anは、遠隔制御装置インタフェース13から入力される音声の情報や制御の情報を各回線F1〜Fnを介して各同報系システムB1〜Bnの親局操作卓C1〜Cnへ送信する機能や、各同報系システムB1〜Bnの親局操作卓C1〜Cnから各回線F1〜Fnを介して受信した制御の情報を遠隔制御装置インタフェース13へ出力する機能などを有している。
【0026】
各同報系システムB1〜Bnの親局操作卓C1〜Cnは、各同報系システムB1〜Bnの扱者(人)により扱われ、例えば、統合部1の各遠隔制御装置A1〜Anから受信した音声の情報を各親局無線装置D1〜Dnへ出力する機能や、各親局無線装置D1〜Dnから(該当するエリアの)子局無線装置E1〜Enからの情報を入力する機能や、統合部1の各遠隔制御装置A1〜Anから受信した制御の情報に基づいて指示された処理を実行する機能や、各回線F1〜Fnを介して各遠隔制御装置A1〜Anへ制御の情報を送信する機能などを有している。
各親局無線装置D1〜Dnは、各親局操作卓C1から入力される情報を(該当するエリアの)子局無線装置E1〜Enに対して無線により送信する機能や、(該当するエリアの)子局無線装置E1〜Enからの情報を無線受信して各親局操作卓C1へ出力する機能などを有している。
各子局無線装置E1〜Enは、(該当するエリアの)親局無線装置D1からの情報を無線受信する機能や、受信した音声の情報を音声出力する機能や、(該当するエリアの)親局無線装置D1〜Dnに対して情報を無線により送信する機能などを有している。
【実施例1】
【0027】
本発明の第1実施例を説明する。
まず、本例の統合通信システムにおいて行われる拡声通報処理のための機能の概要を説明する。
本例では、通報内容を自動で録音して各市区町村の同報系システムB1〜Bn毎にその通報内容を時間差で送出する機能を有した通報記録送出部12が統合卓2に設けられている。通報記録送出部12では、例えば、通報内容の音声を自動で録音しながら任意の箇所から再生することが可能なハードディスクドライブなどの媒体をメモリとして使用している。
【0028】
また、各市区町村の同報系システムB1〜Bnとのインタフェース処理を行う各遠隔制御装置A1〜Anは、統合卓2からの通報の要求があった場合に、各同報系システムB1〜Bnに対して通報が可能であるか否かを問い合わせて、各同報系システムB1〜Bnに対する通報が可能な状態であるときにその旨を示す情報を統合卓2へ送信(返送)する機能を備えている。
また、各市区町村の同報系システムB1〜Bnは、各遠隔制御装置A1〜Anからの問い合わせに応じて、自己のシステムB1〜Bnに対する通報が可能な状態であるときにその旨を示す情報を各遠隔制御装置A1〜Anへ送信(返送)する機能を備えている。
また、各市区町村の同報系システムB1〜Bnは、統合卓2からの要求以外に現在使用中の状態となると該状態(使用中の旨)を統合卓2へ送信(通知)し、また、該使用中の同報系システムが使用中の状態で無くなる(すなわち、自己のシステムが通報可能である)旨を統合卓2へ送信(通知)する機能を備えている。
【0029】
また、統合卓2は、通報の要求を送信する機能や、各市区町村の同報系システムB1〜Bnからの通報可能である旨の情報を受信する機能や、通報可能である旨の情報を受信したことに応じて録音音声を再生して通報内容を送出する機能を備えている。また、統合卓2は、通報可能である旨の情報を受信しない場合には、一定時間が経過した後に、録音音声を再生して通報内容を自動で送出する機能を備えている。
このような構成により、本例の統合通信システムでは、複数の市区町村の防災などに関する同報系システムB1〜Bnを同時に起動した際に、各市区町村の同報系システムB1〜Bnに応じた通報可能なタイミングで通報内容を送出することができる。
【0030】
次に、図4を参照して、本例の統合通信システムにおいて行われる拡声通報処理の手順の一例を示す。
図4には、装置間における信号の授受の流れの一例を示してある。
本例では、統合卓2からA町遠隔制御装置、B町遠隔制御装置、C町遠隔制御装置のそれぞれを介してA町親局操作卓の同報系システム、B町親局操作卓の同報系システム、C町親局操作卓の同報系システムのそれぞれへ拡声通報を行う場合を示す。
本例では、A町の同報系システムにおいて使用中の状態となったとし、A町親局操作卓は自己の同報系システムで使用中となったことに応じてA町遠隔制御装置へそれを知らせる使用中信号を送出する。これを受けたA町遠隔制御装置は、統合卓2へ使用中である旨を送信(通知)する。これにより、統合卓2は、A町の同報系システムについて使用中となったことを報知する。
そして、統合卓2は、例えば扱者からの指示に応じて或いは災害発生などの検出により自動的に起動されることに応じて、通報可能な市区町村(すなわち、使用中のA町を除いた、B町、C町)の遠隔制御装置のそれぞれに対して一括呼出信号を送出する。これを受けたB町、C町の遠隔制御装置は、それぞれ、B町、C町の親局操作卓へ一括呼出信号を送出する。これを受けたB町、C町の親局操作卓は、それぞれ、配下の子局無線装置に対して呼出を行う。
【0031】
つぎに、B町とC町の同報系システムは使用中ではなく通報可能な状態であるので、B町、C町の親局操作卓は自己の同報系システムを通報待ちの状態とする。統合卓2は拡声通報の内容を送信し、B町、C町は、拡声通報内容の受け付け及び拡声通報内容の録音を開始する。
本例では、統合卓2にて扱者が選択したマイク等による音源をそのまま送出する、つまり、操作部11により入力された音声の情報を遠隔制御装置インタフェース13へ直接的に送出する。また、これに際して、入力された音声の情報は、通報記録送出部12のメモリに記憶される。
【0032】
この後、本例では、A町の同報系システムにおいて通報が可能な状態となる。これについては、統合卓2がA町の同報系システムから使用中である旨が解除されて未使用の状態、すなわち通報可能である旨の通知を受けたことに応じて、当該通知を受けた後に、通報記録送出部12のメモリに録音された音声の情報をA町の同報系システムへ送出する、つまり、通報記録送出部12のメモリに記憶された音声の情報を遠隔制御装置インタフェース13を介してA町の同報系システムへ送出する。
なお、A町が通報可能である旨の通知を受けた統合卓は、A町の同報系システム(遠隔制御装置を介して親局操作卓、配下の子局無線装置)に対して呼出信号を送出し、これを受信したA町は自己の同報系システムを通報待ちの状態とすることで、録音されている拡声通報を受信するものである。
このようにして、A町、B町、C町の同報系システムのそれぞれにおいて、親局操作卓から親局無線装置を介して子局無線装置に対して拡声通報内容の情報が無線送信され、これを受信した子局無線装置により住民などに対して拡声通報が行われる。
【0033】
また、扱者は、通報が終わったときには、終話の操作を行う。本例では、最初に通報可能となって入力された音声の情報をそのまま(録音したものではなく)送信したB町、C町遠隔制御装置に対しては統合卓2から即終話信号を送出する。この終話信号を受けたB町、C町遠隔制御装置はそれぞれのB町、C町親局操作卓へ終話信号を送信し、これを受けたB町、C町親局操作卓は各子局無線装置に対して終話信号を無線送信する。
同様に、後刻に通報可能となったA町の遠隔制御装置に対して、録音音声の送出が終わった後に、終話信号を送出する。
すなわち、一斉の拡声通報を行う毎に、その一斉毎に通報した同報系システムに対して、終話処理が行われる。
【0034】
ここで、本例では、最初に通報可能となった同報系システム(B町、C町)には、入力された音声の情報を操作部11から直接的に遠隔制御装置インタフェース13を介して送出したが、例えば、最初に通報可能となった同報系システムについても、入力された音声の情報を操作部11からいったん通報記録送出部12へ入力して遠隔制御装置インタフェース13を介して送出するような構成とすることも可能である。
【0035】
なお、本例のような拡声通報処理において、統合卓2の操作部11などは、記憶部14に記憶された卓情報テーブルや通報情報テーブルの内容を参照することや書き換えることを行う。
例えば、図2に示される卓情報テーブルでは、各市区町村の同報系システムB1〜Bnに対する拡声通報内容の送信の有無の情報(送信有無の情報)の書き換えや参照が行われ、各市区町村の同報系システムB1〜Bnからの通信可能である旨の返信の有無の情報(返信確認の情報)の書き換えや参照が行われ、通報IDの設定が行われる。
また、例えば、図3に示される通報情報テーブルでは、通報IDの設定や、通報種別の設定や、通報状況の確認及び書き換えや、送信内容の格納などが行われる。
【0036】
以上のように、本例の統合通信システムでは、例えば、市区町村の合併に伴って、統合卓2を備えた統合部1を設置し、各市区町村の防災などに関する同報系システムB1〜Bnを統合することで、これら複数の同報系システムB1〜Bnを同時に起動してそれぞれに適したタイミングで拡声通報を行う。なお、統合部1の機能は、例えば、統合する複数の市区町村の同報系システムB1〜Bnの外部に設けられてもよく、或いは、任意の1つの市区町村の同報系システムに設けられてもよく、或いは、任意の2つ以上の市区町村の同報系システムに分散されて設けられてもよい。
【0037】
具体的には、本例の統合通信システムでは、各市区町村の同報系システムB1〜Bnから返信される拡声通報可能を知らせるための信号を統合部1で受信し、通報可能となった同報系システムB1〜Bn毎にそれぞれ統合卓2により拡声通報を行う。この場合に、本例では、最初に通報可能となった市区町村の同報系システムに対して行われる拡声通報の内容を録音しておき、それ以降に通報可能な状態となった市区町村の同報系システム毎に時間差で録音した通報内容を送出する。
また、本例の統合卓2では、送信の有無、返信確認、どのような通報を行うのかを特定するID(通報ID)、データの送信内容などをメモリテーブルにより記憶して利用する。
【0038】
このように、本例の統合通信システムでは、親局操作卓C1〜Cn及び親局無線装置D1〜Dnと複数の子局無線装置E1〜Enから構成されて親局操作卓C1〜Cnから拡声通報を起動して子局無線装置E1〜Enにより拡声通報を行う複数の市区町村の防災などに関する同報系システムB1〜Bnを下位の局とし、これらの上位の局として統合部1を設け、統合部1によりこれら複数の市区町村の各親局操作卓C1〜Cnを同時に起動させてそれぞれに適したタイミングで拡声通報を行うことができる。
従って、本例の統合通信システムでは、一斉呼出による同時通報のために、複数の市区町村の同報系システムB1〜Bnを同時に起動する場合に、各同報系システムB1〜Bn毎に通報可能なタイミングに対応して通報を行うことができ、効率的な一斉通報を実現することができる。
【0039】
また、本例の統合通信システムでは、例えば、複数の市区町村の同報系システムB1〜Bnの中で早く通報可能な状態となる同報系システムがある場合に、一番遅く通報可能な状態となる同報系システムに全体として通報可能のタイミングを合わせるようなことが為されないため、扱者が呼出を行ってから通報可能な状態になるまでに全体として時間がかかってしまうようなことを防止することができ、且つ、早くに通報可能な状態となった市区町村の同報系システムについて電波の送出時間が無駄に長くなってしまうようなことを防止することができる。
【0040】
なお、本例の統合部1では、通報の要求を検出する通報要求検出手段の機能や、同報系システムが通報可能な状態であるタイミングを検出するタイミング検出手段の機能や、通報の内容を受け付ける受付手段の機能や、通報の内容を送信する通報送信手段の機能や、通報の内容を通報記録送出部12のメモリに記憶する通報記憶手段の機能を有している。
また、本例の親局設備(親局装置)C1〜Cn、D1〜Dnでは、統合部1からの要求以外の使用中の状態となると当該状態を統合部1に通知する機能や、親局が統合部からの要求以外の使用中の状態で無い旨を統合部1に通知する機能や、通報の内容を受信する通報受信手段の機能や、通報の内容を無線送信する無線送信手段の機能を有している。
また、本例の子局設備(子局装置)E1〜Enでは、通報の内容を無線受信する無線受信手段の機能や、通報の内容を出力する通報出力手段の機能を有している。
【実施例2】
【0041】
本発明の第2実施例を説明する。
なお、本例では、上記した第1実施例とは異なる構成や動作について詳しく説明し、同様な構成や動作については説明を省略する。
本例の統合通信システムでは、予め、統合する各市区町村の同報系システムB1〜Bn毎に通報可能となるまでの時間或いは時間差の情報をメモリテーブルなどに記憶しておく。このメモリテーブルは、例えば、操作卓2の記憶部14に記憶される。
操作部11及び通報記録送出部12は、このメモリテーブルに記憶された情報に基づくタイミングで、各市区町村の同報系システムB1〜Bnへ拡声通報のための音声の情報を送信する処理を行う。
【0042】
ここで、各市区町村の同報系システムB1〜Bn毎に通報可能となるまでの時間或いは時間差の情報としては、例えば、統合卓2から各市区町村の同報系システムB1〜Bnに対して通報内容を送信すべきタイミングが特定されるようなものであれば、種々な情報が用いられてもよく、具体的には、例えば、一斉呼出の時点から各市区町村の同報系システムB1〜Bnへ通報可能となるまでの時間の情報や、或いは、各市区町村の同報系システムB1〜Bnの間での通報可能となるまでの時間の差(相対的な時間差)の情報などを用いることができる。
【0043】
一例として、一斉通報時に、最初に或る市区町村Aの同報系システムが通報可能な状態となるタイミングで統合卓2が扱者から拡声通報内容を入力して当該市区町村Aの同報系システムへ送信するとともに当該拡声通報内容を通報記録送出部12のメモリに記憶し、それ以降に通報可能な状態となる他の市区町村B、C、・・・の同報系システムへそれぞれの通報可能なタイミングで当該記憶された拡声通報内容を読み出して送信することができる。
他の例として、一斉通報時に、予め扱者から拡声通報内容を受け付けて通報記録送出部12のメモリに記憶しておき、その後、各市区町村A、B、C、・・・の同報系システム毎に通報可能なタイミングとなった時点で当該記憶された拡声通報内容を読み出して送信することができる。
これらの例の場合に、使用中の状態の同報系システムがある場合には、当該使用中の同報系システムを除いて送信し、後刻、当該同報系システムが使用中でなく通報可能となったら当該通報内容を送信する。
【0044】
また、他の例として、上記した第1実施例における処理と本例の処理とを組み合わせることも可能であり、具体的には、一斉通報時に、最初に通報可能となる市区町村の同報系システムについては上記した第1実施例と同様にその市区町村の同報系システムから通報可能である旨が操作卓2へ通知されることで通報内容を送信するタイミングを検出し、それ以降における他の市区町村の同報系システムについては予め設定された時間差をもってそれぞれのタイミングで通報内容を送信するようなことができる。
【0045】
従って、本例の統合通信システムでは、一斉呼出による同時通報のために、複数の市区町村の同報系システムB1〜Bnを同時に起動する場合に、予め設定された情報に基づいて、各同報系システムB1〜Bn毎に通報可能なタイミングに対応して通報を行うことができ、効率的な一斉通報を実現することができる。
なお、本例の統合部1では、同報系システムB1〜Bnが通報可能な状態となるタイミングに関する情報を記憶部14に記憶するタイミング情報記憶手段の機能を有している。
【0046】
ここで、本発明に係る通信システムや各装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々な装置やシステムとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係る通信システムや各装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施例に係る統合通信システムの構成例を示す図である。
【図2】卓情報テーブルの一例を示す図である。
【図3】通報情報テーブルの一例を示す図である。
【図4】統合システムにおいて行われる拡声通報処理の手順の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1・・統合部、 2・・統合卓、 11・・操作部、 12・・通報記録送出部、 13・・遠隔制御装置インタフェース、 14・・記憶部、 A1〜An・・遠隔制御装置、 B1〜Bn・・同報系システム、 C1〜Cn・・親局操作卓、 D1〜Dn・・親局無線装置、 E1〜En・・子局無線装置、 F1〜Fn、a1〜an、b1〜bn、c1〜cn・・回線、 d1〜dn・・増幅器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合部から複数の同報系システムへ通報を行う通信システムであって、
統合部は、通報の要求を検出する通報要求検出手段と、通報の要求が検出されたことに応じて複数の同報系システムのそれぞれについて当該親局の状態を検出することで通報可能なタイミングを検出するタイミング検出手段と、通報の内容を受け付ける受付手段と、受け付けられた通報の内容をそれぞれの同報系システムについて検出された通報可能な所定のタイミングでそれぞれの同報系システムに対して送信する通報送信手段と、を備え、
それぞれの同報系システムは、親局装置と子局装置を有しており、
親局装置は、統合部から送信される通報の内容を受信する通報受信手段と、受信された通報の内容を無線により送信する無線送信手段と、を備え、
子局装置は、親局装置から無線により送信される通報の内容を受信する無線受信手段と、受信された通報の内容を出力する通報出力手段と、を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
統合部から複数の同報系システムへ通報を行う通信システムであって、
統合部は、通報の要求を検出する通報要求検出手段と、複数の同報系システムのそれぞれについて当該親局の状態を検出することで通報可能なタイミングを検出するタイミング検出手段と、通報の内容を受け付ける受付手段と、受け付けられた通報の内容をそれぞれの同報系システムについて検出された通報可能な所定のタイミングでそれぞれの同報系システムに対して送信する通報送信手段と、を備え、
それぞれの同報系システムは、親局装置と子局装置を有しており、
親局装置は、当該親局が統合部からの要求以外の使用中の状態となると当該状態を統合部に通知する手段と、当該親局が使用中の状態で無くなった旨を統合部に通知する手段と、統合部から送信される通報の内容を受信する通報受信手段と、受信された通報の内容を無線により送信する無線送信手段と、を備え、
子局装置は、親局装置から無線により送信される通報の内容を受信する無線受信手段と、受信された通報の内容を出力する通報出力手段と、を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の通信システムにおいて、
統合部に備えられたタイミング検出手段は、複数の同報系システムのそれぞれに対して呼出信号を送信し、呼出信号を受信した同報系システムから通報可能であることを示す信号を受信したことに応じて当該同報系システムに対する通報可能なタイミングを検出することを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−96810(P2007−96810A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−284159(P2005−284159)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】